JP2005201636A - 腐敗部判定方法及び判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】青果物等の腐敗する物質の初期の腐敗を信頼性高く判定できる方法及び装置を提供する。
【解決手段】腐敗する物質の腐敗部サンプルと健全部サンプルについてそれぞれの分光画像を取得し、該分光画像を利用して主成分分析や回帰分析等の統計的手法により腐敗部か否かを判定する検量式を作成し、該検量式に同一食物の未知サンプルの分光画像を当てはめて該未知サンプルが腐敗部か否かを判断する。好ましくは、可視から近赤外線領域における分光画像を利用して検量式を作成する。例えば、測定したい食物Mを測定台3に載置して回転させながら撮影して全周囲画像を作り、コンピュータ9を利用してその画像を分割して分割領域(サンプル)毎に検量式に当てはめて腐敗部か否かを判断し、その結果をイメージ画像として出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】腐敗する物質の腐敗部サンプルと健全部サンプルについてそれぞれの分光画像を取得し、該分光画像を利用して主成分分析や回帰分析等の統計的手法により腐敗部か否かを判定する検量式を作成し、該検量式に同一食物の未知サンプルの分光画像を当てはめて該未知サンプルが腐敗部か否かを判断する。好ましくは、可視から近赤外線領域における分光画像を利用して検量式を作成する。例えば、測定したい食物Mを測定台3に載置して回転させながら撮影して全周囲画像を作り、コンピュータ9を利用してその画像を分割して分割領域(サンプル)毎に検量式に当てはめて腐敗部か否かを判断し、その結果をイメージ画像として出力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、食物等の腐敗する物質の腐敗を信頼度高く判定できる腐敗部判定方法及び判定装置に関するものである。
青果物における外観の品質評価は、従来は、特許文献1〜5に示すように、形、大きさ、傷、果皮色などをRGB型のカメラを用いて取得したカラー画像から判定している。
しかしながら、青果物の初期の微少な腐敗(傷みを含む)は表面がわずかに水浸状態を呈するだけのため、外観には殆ど変化が見られず、カラー画像による判定は難しい。
また、特許文献6には、分光画像を利用する方法が記載されているが、分光画像は対象物の外形輪郭を画定するために用いられているにすぎない。
しかしながら、青果物の初期の微少な腐敗(傷みを含む)は表面がわずかに水浸状態を呈するだけのため、外観には殆ど変化が見られず、カラー画像による判定は難しい。
また、特許文献6には、分光画像を利用する方法が記載されているが、分光画像は対象物の外形輪郭を画定するために用いられているにすぎない。
消費者の青果物に対するクレームの最も多い項目は腐敗果(傷み果を含む)の混入であり、出荷時において判定できなかった微少な腐敗は、消費者の手元に渡るまでに進行し、商品価値を損ねる結果となる。
また、青果物は腐敗する食物の一例であり、食物以外にも腐敗する物質は多種多様に存在するが、これらの物質に関しても同様な問題が生じる可能性がある。
それ故、本発明はこれらの問題点を解決するために、腐敗する物質の初期の腐敗を信頼性高く判定できる方法及び装置を提供することを目的とする。
また、青果物は腐敗する食物の一例であり、食物以外にも腐敗する物質は多種多様に存在するが、これらの物質に関しても同様な問題が生じる可能性がある。
それ故、本発明はこれらの問題点を解決するために、腐敗する物質の初期の腐敗を信頼性高く判定できる方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、食物等の腐敗する物質の腐敗部サンプルと健全部サンプルについてそれぞれの分光画像を取得し、各サンプルについての吸光スペクトルの違いを利用して主成分分析や回帰分析等の統計的手法により腐敗部か否かを判定する検量式を作成し、該検量式に同種物質の未知サンプルの分光画像を当てはめて該未知サンプルが腐敗部か否かを判断することを特徴とする腐敗部判定方法である。
請求項2の発明は、請求項1に記載した腐敗部判定方法において、可視から近赤外線領域における分光画像を利用して検量式を作成することを特徴とする腐敗部判定方法である。
請求項3の発明は、請求項2に記載した腐敗部判定方法において、取得した分光画像中腐敗によって変化した物質に対応する波長を選択し、該選択した波長を用いて検量式を作成することを特徴とする腐敗部判定方法である。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した腐敗部判定方法において、腐敗する物質の全周囲画像を取得し、該全周囲画像を任意数の画素で分割して、該分割領域の分光画像を平均化したものを未知サンプルの分光画像として利用することを特徴とする腐敗部判定方法である。
請求項5の発明は、食物等の腐敗する物質を載置する測定台と、該物質の可視から近赤外線領域における連続した波長の分光画像を取得する分光器と、該測定台又は該分光器のカメラの少なくとも一方を移動又は回転させる手段と、該分光器により取得された物質の全周囲画像を任意の画素で分割し該分割領域の分光画像を平均化したものを未知サンプルの吸光スペクトルとして予め設定された検量式に当てはめて該画素領域が腐敗部か否かを判断する判断手段と、該腐敗部とそれ以外の領域を識別可能に表示するイメージ画像作成手段とを備えることを特徴とする腐敗部判定装置である。
本発明の腐敗部判定方法及び腐敗部判定装置を用いれば、腐敗する物質の初期の腐敗を信頼性高く判定できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る腐敗部測定装置1を示す。
符号3は円板状の測定台を示し、この測定台3の上に対象物が載置される。測定台3は図示しない回転軸に回転可能に取り付けられており、矢印に示すように、測定台3を回転させながらその上に載置された対象物を測定することで、対象物がミカンのように球形であってもその全体像を均一に測定できる。回転はコンピュータにつながったコントローラで正確に制御され、約0.5mm巾の線状領域の分光画像を取り込みながら、測定→回転を続けることで、線状の測定値が連なるようにつながった面状の全周囲画像(図6:平面分光画像)を得ることができる。
符号5は光源ランプとしてのハロゲンランプであり、このハロゲンランプ5は、測定台3の近傍に配置されて、可視から近赤外線の波長範囲でミカンMを照明する。
符号3は円板状の測定台を示し、この測定台3の上に対象物が載置される。測定台3は図示しない回転軸に回転可能に取り付けられており、矢印に示すように、測定台3を回転させながらその上に載置された対象物を測定することで、対象物がミカンのように球形であってもその全体像を均一に測定できる。回転はコンピュータにつながったコントローラで正確に制御され、約0.5mm巾の線状領域の分光画像を取り込みながら、測定→回転を続けることで、線状の測定値が連なるようにつながった面状の全周囲画像(図6:平面分光画像)を得ることができる。
符号5は光源ランプとしてのハロゲンランプであり、このハロゲンランプ5は、測定台3の近傍に配置されて、可視から近赤外線の波長範囲でミカンMを照明する。
符号7はイメージング分光器を示す。この分光器7にはCCDカメラ8が取り付けられている。また、分光器7はコンピュータ9と接続されている。分光器7は対象物からの反射光を受光すると各波長に分光し、CCDカメラ8上にこの線状領域の反射光を投影・撮影する。この撮影された画像(即ち、分光画像)は、コンピュータ9に取り込まれる。
コンピュータ9は、記憶部、CPU、メモリ、キーボード、マウスと言った情報処理のための基本構成を備えており、分光画像を出力すると、予めインストールされた分析用の市販の解析ソフトプログラムに従って、入力情報に基づいて検量式を作成する処理や、未知サンプルが腐敗部か否かを判断する処理や、判断結果に基づいて腐敗部とそれ以外の領域を識別可能に表示するイメージ画像を作成する処理と言った情報処理を行い、処理結果を記憶すると共にディスプレイに表示したりプリントする。即ち、コンピュータ9を利用して検量式作成手段と、判断手段と、イメージ画像作成手段を実施する。
コンピュータ9は、記憶部、CPU、メモリ、キーボード、マウスと言った情報処理のための基本構成を備えており、分光画像を出力すると、予めインストールされた分析用の市販の解析ソフトプログラムに従って、入力情報に基づいて検量式を作成する処理や、未知サンプルが腐敗部か否かを判断する処理や、判断結果に基づいて腐敗部とそれ以外の領域を識別可能に表示するイメージ画像を作成する処理と言った情報処理を行い、処理結果を記憶すると共にディスプレイに表示したりプリントする。即ち、コンピュータ9を利用して検量式作成手段と、判断手段と、イメージ画像作成手段を実施する。
腐敗部判定方法を、図2にしたがってミカンMを例にとって具体的に説明する。
先ず、検量式作成のためのミカンMの分光画像の取得工程を説明する。
1.具体的な対象物としてのミカンM(例えば、36個)に水浸状の腐敗を接種したり、傷を付けて腐敗果とし、サンプルが選びやすいように実際よりは腐敗部分の大きい果実を用意する。また、位置確認のためにミカンMに、肉眼観察で腐敗部と健全部の境界にマジックで印を入れる。
2.図1に示した腐敗部判定装置1の測定台3の上にミカンMを載置した後、該装置1を動作させて、腐敗部サンプル(FS1、FS2)と健全部サンプル(KS1、KS2)の可視から近赤外線領域にわたる(具体的には、400〜980nm、約2nm間隔)連続した吸光スペクトルデータを持った1枚の分光画像(縦軸480画素×横軸320画素)を取得する。なお、後述する積算平均化処理のために、ミカンM1個につき3回測定する。
次に、ミカンM1個につき、あらかじめマジックで印を付けた境界内の腐敗部サンプル(FS1、FS2)と境界外の健全部サンプル(KS1、KS2)を2つずつ選択する。図3は、全周囲画像上のサンプルを示す。
先ず、検量式作成のためのミカンMの分光画像の取得工程を説明する。
1.具体的な対象物としてのミカンM(例えば、36個)に水浸状の腐敗を接種したり、傷を付けて腐敗果とし、サンプルが選びやすいように実際よりは腐敗部分の大きい果実を用意する。また、位置確認のためにミカンMに、肉眼観察で腐敗部と健全部の境界にマジックで印を入れる。
2.図1に示した腐敗部判定装置1の測定台3の上にミカンMを載置した後、該装置1を動作させて、腐敗部サンプル(FS1、FS2)と健全部サンプル(KS1、KS2)の可視から近赤外線領域にわたる(具体的には、400〜980nm、約2nm間隔)連続した吸光スペクトルデータを持った1枚の分光画像(縦軸480画素×横軸320画素)を取得する。なお、後述する積算平均化処理のために、ミカンM1個につき3回測定する。
次に、ミカンM1個につき、あらかじめマジックで印を付けた境界内の腐敗部サンプル(FS1、FS2)と境界外の健全部サンプル(KS1、KS2)を2つずつ選択する。図3は、全周囲画像上のサンプルを示す。
次に、検出式の算出工程を説明する。
1.前処理
腐敗部サンプル(FS1)と健全部サンプル(KS1)のそれぞれの平均吸光スペクトルに、積算平均化処理、MSC(Multiplicative scatter correction)処理、2次微分処理、平滑化処理等の公知のスペクトルの前処理を施して、雑音を除去したりスペクトルの重なり合ったピークを分離する。
この実施の形態では、微弱で不安定な近赤外光を測定しているので、雑音を分離するために前処理を行うことが求められるが、前処理によっては微弱なピークを雑音と判断して除去してしまう場合もあるので、後述する検量式の精度検定工程で精度を確認しながら、実施の可否を判断する。
上記により、1サンプルにつき1つの吸光スペクトルを決定する。例えば、400〜980nmの波長範囲で約2nm間隔で測定した場合には、連続した290種の波長の吸光度が得られる。
1.前処理
腐敗部サンプル(FS1)と健全部サンプル(KS1)のそれぞれの平均吸光スペクトルに、積算平均化処理、MSC(Multiplicative scatter correction)処理、2次微分処理、平滑化処理等の公知のスペクトルの前処理を施して、雑音を除去したりスペクトルの重なり合ったピークを分離する。
この実施の形態では、微弱で不安定な近赤外光を測定しているので、雑音を分離するために前処理を行うことが求められるが、前処理によっては微弱なピークを雑音と判断して除去してしまう場合もあるので、後述する検量式の精度検定工程で精度を確認しながら、実施の可否を判断する。
上記により、1サンプルにつき1つの吸光スペクトルを決定する。例えば、400〜980nmの波長範囲で約2nm間隔で測定した場合には、連続した290種の波長の吸光度が得られる。
2.検量式(数式)の算出
腐敗部サンプル=1、健全部サンプル=0といった指標値を設定し、この指標値を目的変数に、各波長毎の吸光度を説明変数にして多変量解析を行い複数の検量式を作成し、精度を検定する。
その際、腐敗部サンプル(FS1)と健全部サンプル(KS1)で吸光度の違いの見られる波長の他に、水に関連している波長帯(830〜850nmや950〜970nm)を選択波長の中に意図的に組み込んで回帰式を作成する。
腐敗部サンプル=1、健全部サンプル=0といった指標値を設定し、この指標値を目的変数に、各波長毎の吸光度を説明変数にして多変量解析を行い複数の検量式を作成し、精度を検定する。
その際、腐敗部サンプル(FS1)と健全部サンプル(KS1)で吸光度の違いの見られる波長の他に、水に関連している波長帯(830〜850nmや950〜970nm)を選択波長の中に意図的に組み込んで回帰式を作成する。
A.回帰分析の場合
結果は、重回帰の場合は以下の回帰式(回帰直線)として出力される。
PLS回帰の場合は以下の回帰式(回帰直線)として出力される。
具体的な回帰式は、前処理法や選択波長等を変えることで、複数作成し、検量式作成用の腐敗部サンプル(FS1)と健全部サンプル(KS1)を順時当てはめていき、相関係数が高く、計算値と実測値の誤差の標準偏差(SEC)の小さいものを検量式として仮決定する。
結果は、重回帰の場合は以下の回帰式(回帰直線)として出力される。
仮決定した検量式の精度を、評価用の腐敗部サンプル(FS2)と健全部サンプル(KS2)を当てはめて検定する。相関係数が低くなったり、評価用サンプルでの誤差の標準偏差(SEP)が大きくなるような場合は排除し、選択波長範囲や前処理方法を変えたり、サンプルを増減するなどして再度検量式の算出作業に戻る。
図4は、精度の高い回帰式(相関係数=0.948、誤差の標準偏差(SEP)=0.179)の作成例を示す。
図4は、精度の高い回帰式(相関係数=0.948、誤差の標準偏差(SEP)=0.179)の作成例を示す。
B.主成分分析の場合
腐敗部サンプルのクラスと健全部サンプルのクラスを、それぞれ別々の主成分モデルを作成する。
n個のサンプルに対しd種類の波長を用いたデータ行列Xの主成分モデルは以下の式で出力される。
具体的な行例式(主成分モデル)は、前処理法や選択波長等を変えて、複数組(腐敗部クラスと健全部クラスで1組)作成する。この複数組のモデルに検量式作成用の腐敗部サンプル(FS1)と健全部サンプル(KS1)を当てはめ、式4からクラスの残差標準偏差(S0)を算出する。次に、個々のサンプルをそれぞれのモデルに当てはめたときのサンプルからモデルまでの距離(x変量の残差分散の平方根(Si))を式5より求める。
腐敗部サンプルのクラスと健全部サンプルのクラスを、それぞれ別々の主成分モデルを作成する。
n個のサンプルに対しd種類の波長を用いたデータ行列Xの主成分モデルは以下の式で出力される。
そして、公知のSIMCA解析の手法に従い、サンプルがいずれのクラスに属するかをF検定に従って決める。
具体的には、未知サンプルiについてFi=Si/S0の値がF分布に基づき有意に大きければ未知サンプルiはそのクラスには属さないと判断し、小さければ属すると判断する。このことから、SIMCA解析の場合サンプルが分類されるパターンは以下の4種類になる。
a:両方のクラスに属する。
b:腐敗部クラスにのみ属する。
c:健全部クラスにのみ属する。
d:いずれのクラスにも属さない。
具体的には、未知サンプルiについてFi=Si/S0の値がF分布に基づき有意に大きければ未知サンプルiはそのクラスには属さないと判断し、小さければ属すると判断する。このことから、SIMCA解析の場合サンプルが分類されるパターンは以下の4種類になる。
a:両方のクラスに属する。
b:腐敗部クラスにのみ属する。
c:健全部クラスにのみ属する。
d:いずれのクラスにも属さない。
式5に従い、検量式評価用の腐敗部サンプル(FS2)と健全部サンプル(KS2)のそれぞれ各モデルまでの距離(x変量の残差分散の平方根(Si))を算出する。
この結果をグラフ(Coomansプロット)に示してそれぞれのサンプルが各モデルからどの程度離れているか確認する。
図5は、Commansプロット(グラフ)の例である。有意差の基準線をグラフ上に記入すると、波長範囲が630〜980nmのものが危険率何%で有意に分離できているかが確認できる。
そして、各クラスのサンプルが完全に分離できた主成分モデルを最適な検量式として決定する。分離できない場合については、選択波長範囲やスペクトルの前処理方法を変えたり、サンプルを増減するなどして再度主成分モデルの算出作業に戻る。
図5は、Commansプロット(グラフ)の例である。有意差の基準線をグラフ上に記入すると、波長範囲が630〜980nmのものが危険率何%で有意に分離できているかが確認できる。
そして、各クラスのサンプルが完全に分離できた主成分モデルを最適な検量式として決定する。分離できない場合については、選択波長範囲やスペクトルの前処理方法を変えたり、サンプルを増減するなどして再度主成分モデルの算出作業に戻る。
(腐敗部の判断工程)
検量式を用いた腐敗部の判断工程を、分析法毎に説明する。
1.分光画像取得工程
未知のミカンMを図1に示した腐敗部判定装置1の測定台3の上に載置した後、該装置1を動作させて、ミカンMの全周囲画像を取得する。
2.判断工程及び結果出力工程
該全周囲画像を任意数の画素数で分割して、該分割領域の吸光スペクトルを平均化したものを未知サンプルのスペクトルとする。このように複数の任意の画素で未知サンプルを画定することにより、柑橘類の果皮にある油胞や梨などの果皮の色ムラ、苺の種といった表面上に見られる対象物の形態的な特徴に起因する誤判定を防ぐことができる。
検量式を用いた腐敗部の判断工程を、分析法毎に説明する。
1.分光画像取得工程
未知のミカンMを図1に示した腐敗部判定装置1の測定台3の上に載置した後、該装置1を動作させて、ミカンMの全周囲画像を取得する。
2.判断工程及び結果出力工程
該全周囲画像を任意数の画素数で分割して、該分割領域の吸光スペクトルを平均化したものを未知サンプルのスペクトルとする。このように複数の任意の画素で未知サンプルを画定することにより、柑橘類の果皮にある油胞や梨などの果皮の色ムラ、苺の種といった表面上に見られる対象物の形態的な特徴に起因する誤判定を防ぐことができる。
次に、分析法に分けて説明する。
A.回帰分析の場合
各未知サンプルを、検量式に当てはめて、結果をイメージ画像として表示させると、細かく色の濃淡で分割された升目の画像が示される。検量式作成時に境界値(例えば、0.5)を設定すると、結果がその境界値又はそれより上の値のサンプルを腐敗と判断し、境界値より下のものを健全と判断し、結果を2色の判別画像として色分け表示する。図6は、表示例を示す。
A.回帰分析の場合
各未知サンプルを、検量式に当てはめて、結果をイメージ画像として表示させると、細かく色の濃淡で分割された升目の画像が示される。検量式作成時に境界値(例えば、0.5)を設定すると、結果がその境界値又はそれより上の値のサンプルを腐敗と判断し、境界値より下のものを健全と判断し、結果を2色の判別画像として色分け表示する。図6は、表示例を示す。
B.主成分分析の場合
各未知サンプルを、検量式の作成工程と同様に主成分モデルに当てはめて、SIMCA解析結果から、サンプルをa〜dのいずれかのパターンに割り当てる。そして、割り当て結果(判断結果)をイメージ画像としてディスプレイに識別可能に色分け表示する。図6は、表示例を示す。
各未知サンプルを、検量式の作成工程と同様に主成分モデルに当てはめて、SIMCA解析結果から、サンプルをa〜dのいずれかのパターンに割り当てる。そして、割り当て結果(判断結果)をイメージ画像としてディスプレイに識別可能に色分け表示する。図6は、表示例を示す。
2つの分析法は、それぞれ一長一短の特徴を持っている。ミカンの場合、回帰分析の方が判定の精度は高く、腐敗部の境界域まで識別していた。一方、主成分分析を使ったSIMCA解析では、境界域周辺部をどちらにも属すると判断したり健全と判断するなどした。しかし、マジックで付けた印部分をどのクラスにも属さないと判断するなど、異常値の検出が出来る利点があり、扱う食物によってどちらが適当か決める。
本発明の腐敗部判定方法では、測定波長範囲を近赤外線領域まで広げることにより、可視領域では測定できなかった、表層内部の変化まで捉えることができる。青果物の果皮色などは栽培条件などによって個体差が生じ、吸光度を詳細に分けて測定し、果実表面に生じた僅かな色の変化を捉えても、それが腐敗による変化か果実の色斑かを見極めるのは難しい。しかし、腐敗菌の侵入によって表層内部で生じる水分や油分などの表層成分の変化を近赤外領域の波長でとらえることで、初期腐敗現象=表層組織の水分状態の変化といった普遍的な現象を捉えることが可能になり、個体差に影響され難い信頼性の高い検量式を作成することができる。
また、上記の腐敗部判定方法を本発明の腐敗部判定装置を用いて実施すれば、一回の作業で連続した吸光スペクトルデータを持った1枚の分光画像を取得できるので、選択波長を変える際にも改めて分光画像の取得作業を行う必要はない。また、対象物の全周囲画像を取得するので、サンプルを任意の個所から選択できる。
なお、念のために付記するが、本発明の腐敗部判定方法は、技術的には、吸光スペクトルデータを持った1枚の分光画像を取得することも、対象物、即ち腐敗する物質の全周囲画像を取得することも必須の構成要件とはならないことは理解されたい。
なお、念のために付記するが、本発明の腐敗部判定方法は、技術的には、吸光スペクトルデータを持った1枚の分光画像を取得することも、対象物、即ち腐敗する物質の全周囲画像を取得することも必須の構成要件とはならないことは理解されたい。
1 腐敗部判定装置 3 測定台 5 ハロゲンランプ
7 イメージング分光器 8 CCDカメラ 9 コンピュータ
7 イメージング分光器 8 CCDカメラ 9 コンピュータ
Claims (5)
- 食物等の腐敗する物質の腐敗部サンプルと健全部サンプルについてそれぞれの分光画像を取得し、各サンプルについての吸光スペクトルの違いを利用して主成分分析や回帰分析等の統計的手法により腐敗部か否かを判定する検量式を作成し、該検量式に同種物質の未知サンプルの分光画像を当てはめて該未知サンプルが腐敗部か否かを判断することを特徴とする腐敗部判定方法。
- 請求項1に記載した腐敗部判定方法において、可視から近赤外線領域における分光画像を利用して検量式を作成することを特徴とする腐敗部判定方法。
- 請求項2に記載した腐敗部判定方法において、取得した分光画像中腐敗によって変化した物質に対応する波長を選択し、該選択した波長を用いて検量式を作成することを特徴とする腐敗部判定方法。
- 請求項1から3のいずれかに記載した腐敗部判定方法において、腐敗する物質の全周囲画像を取得し、該全周囲画像を任意数の画素で分割して、該分割領域の分光画像を平均化したものを未知サンプルの分光画像として利用することを特徴とする腐敗部判定方法。
- 食物等の腐敗する物質を載置する測定台と、該物質の可視から近赤外線領域における連続した波長の分光画像を取得する分光器と、該測定台又は該分光器のカメラの少なくとも一方を移動又は回転させる手段と、該分光器により取得された物質の全周囲画像を任意の画素で分割し該分割領域の分光画像を平均化したものを未知サンプルの吸光スペクトルとして予め設定された検量式に当てはめて該画素領域が腐敗部か否かを判断する判断手段と、該腐敗部とそれ以外の領域を識別可能に表示するイメージ画像作成手段とを備えることを特徴とする腐敗部判定装置。
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JP2004004916A JP2005201636A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | 腐敗部判定方法及び判定装置 |
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