JP2015183659A - エンジン冷却水回路 - Google Patents

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Hiroki Nariyasu
弘樹 成安
福田 健一
Kenichi Fukuda
健一 福田
寛行 岡田
Hiroyuki Okada
寛行 岡田
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Abstract

【課題】冷却水の温度に拠らないエンジン冷却水回路の異常判定を行うことが可能な構成を提示する。【解決手段】冷却水を循環させてエンジンを冷却するエンジン冷却水回路は、ラジエータ、排気ガス熱交換器、エンジン廃熱回収器および冷却水ポンプを設け、エンジンから排気ガス熱交換器を経由してラジエータおよび/またはエンジン廃熱回収器を通過して冷却水ポンプの吸水部に到って冷却水をエンジンに還流する回路を構成し、制御手段により、エンジンからの排気ガスの排気方向において排気ガス熱交換器の上流側および下流側における排気ガスの温度差が所定値以下の場合に当該エンジン冷却水回路の異常発生を判定する。【選択図】図5

Description

本発明は、冷却水を循環させてエンジンを冷却するエンジン冷却水回路に関する。
冷却水を循環させてエンジンを冷却するエンジン冷却水回路として、例えば、特許文献1は、エンジンから流出した冷却水の廃熱をラジェータで放熱させた後、排気ガス熱交換器でエンジンの排気ガスと熱交換させてエンジンに戻すエンジン冷却水回路を開示している。
通常、このようなエンジン冷却水回路では、冷却水の温度を検知し、検知した冷却水の温度に基づいてエンジン冷却水回路の異常発生の有無を検出する。
特開平09−096471号公報
しかしながら、従来のエンジン冷却水回路では、冷却水の温度を検知するにあたって、冷却水の温度検知が遅れる可能性がある。例えば、冷却水ポンプの停止等による冷却水量の低減時に、排気ガス熱交換器で局所沸騰が発生すると、冷却水と排気ガスとの間で熱交換が進まずに気化した冷却水が高温になるが、この高温沸騰した水は下流に流れて液化して初めて水温センサで検知される。そうすると、冷却水の温度に基づくエンジン冷却水回路の異常判定の即応性が悪化する。
そこで、本発明は、冷却水の温度に拠らないエンジン冷却水回路の異常判定を行うことが可能な構成を提示することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、冷却水を循環させてエンジンを冷却するエンジン冷却水回路であって、ラジエータ、排気ガス熱交換器、エンジン廃熱回収器および冷却水ポンプを設け、前記エンジンから前記排気ガス熱交換器を経由して前記ラジエータおよび/または前記エンジン廃熱回収器を通過して前記冷却水ポンプの吸水部に到って前記冷却水を前記エンジンに還流する回路を構成し、前記エンジンからの排気ガスの排気方向において前記排気ガス熱交換器の上流側および下流側における前記排気ガスの温度差が所定値以下の場合に当該エンジン冷却水回路の異常発生を判定する制御手段を設けたことを特徴とするエンジン冷却水回路を提供する。
本発明によると、冷却水の温度に拠らないエンジン冷却水回路の異常判定を行うことが可能となる。
本実施の形態に係るエンジン冷却水回路を備えたコージェネレーション装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示すコージェネレーション装置におけるエンジン冷却水回路およびその周辺部分を背面側左斜め上から視た斜視図である。 図1に示すコージェネレーション装置におけるエンジン冷却水回路およびその周辺部分を背面側右斜め上から視た斜視図である。 制御装置によりエンジン冷却水回路の異常判定の制御を行うシステム構成を示すブロック図である。 制御装置によりエンジン冷却水回路の異常判定の制御を行う制御動作の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係るエンジン冷却水回路200を備えたコージェネレーション装置100の概略構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すコージェネレーション装置100におけるエンジン冷却水回路200およびその周辺部分を背面側B左斜め上から視た斜視図である。また、図3は、図1に示すコージェネレーション装置100におけるエンジン冷却水回路200およびその周辺部分を背面側B右斜め上から視た斜視図である。なお、図2および図3において、正面側はFで示している。また、図2において排気サイレンサ185等は図示を省略しており、図3において排気サイレンサ185、ラジエータ220および三元触媒130等は図示を省略している。
本実施の形態は、本発明の構成をコージェネレーション装置100に採用した場合について説明する。なお、コージェネレーション装置100とは、電力消費機器(負荷)への送電系統に、外部商用電源の商用電力系統と発電機120の発電電力系統とを電気的に接続し、該負荷の需要電力を賄い、かつ、発電に伴い生じる廃熱を回収し、回収した廃熱を利用するシステムである。すなわち、コージェネレーション装置100は、エンジン110、発電機120、エンジン冷却水回路200およびエンジン廃熱回収器230を備え、エンジン110により駆動された発電機120からの発電電力を出力する発電機能に加えて、エンジン冷却水回路200により循環されてエンジン110の廃熱との熱交換より加熱された冷却水の廃熱をエンジン廃熱回収器230によって回収する機能(この例では冷却水の廃熱を回収して給湯に利用する機能)を有している。
図1から図3に示すように、エンジン冷却水回路200は、エンジン110から排出される排気ガスとエンジン110から流出される冷却水との間で熱交換を行う排気ガス熱交換器210と、排気ガス熱交換器210から流出される冷却水の廃熱を放熱するラジエータ220(図3では図示省略)と、排気ガス熱交換器210から流出される冷却水の廃熱を回収するエンジン廃熱回収器230と、エンジン110、排気ガス熱交換器210、ラジエータ220およびエンジン廃熱回収器230に冷却水を流通させる冷却水経路240(具体的には冷却水管)と、冷却水経路240を介してエンジン110、排気ガス熱交換器210、ラジエータ220およびエンジン廃熱回収器230に冷却水を循環させる冷却水ポンプ250とを備えている。エンジン廃熱回収器230は、この例では、冷却水と給湯機400(図1参照)の給湯水との間で熱交換を行う水/水熱交換器とされている。
エンジン冷却水回路200は、エンジン110から排気ガス熱交換器210を経由してラジエータ220および/またはエンジン廃熱回収器230を通過して冷却水ポンプ250の吸水部251(図1および図2参照)に到って冷却水をエンジン110に還流する回路を構成している。
詳しくは、エンジン冷却水回路200には、エンジン110の冷却水流出口111(図1参照)側経路に複数(この例では2つ)のサーモスタット型切替弁260,260が並列に設けられ、冷却水の循環方向C(図1参照)における各サーモスタット型切替弁260,260の下流側に電動三方弁270,270(具体的にはモータバルブ)がそれぞれ設けられ、各電動三方弁270,270の冷却水流出口(272,273),(272,273)(図1参照)側経路にラジエータ220とエンジン廃熱回収器230とが並列に設置されている。そして、各電動三方弁270,270における2つの冷却水流出口(272,273),(272,273)のうち、一方の冷却水流出口272,272がラジエータ220に連通し、他方の冷却水流出口273,273がエンジン廃熱回収器230に連通している。
具体的には、エンジン冷却水回路200は、複数(この例では2つ)のサーモスタット型切替弁260,260と、複数(この例では2つ)の電動三方弁270,270とをさらに備えている。
なお、ここで使用されているサーモスタット型切替弁260および電動三方弁270は、従来から使用されているものと同じタイプのものであり、従って、従来のサーモスタット型切替弁および電動三方弁のサイズと同じサイズとされている。
サーモスタット型切替弁260は、冷却水を流入する1つの冷却水流入口261(図1参照)と、冷却水流入口261からの冷却水を流出する2つの冷却水流出口262,263(図1参照)とを有しており、冷却水が予め定めた所定温度より大きい場合には、冷却水流入口261から一方の冷却水流出口262に流れるように動作する一方、冷却水が前記所定温度以下の場合には、冷却水流入口261から他方の冷却水流出口263に流れるように動作する構成とされている。
電動三方弁270は、冷却水を流入する1つの冷却水流入口271(図1参照)と、冷却水流入口271からの冷却水を分流して流出する2つの冷却水流出口272,273(図1参照)と、冷却水流入口271から一方の冷却水流出口272に流れる冷却水の第1流量と冷却水流入口271から他方の冷却水流出口273に流れる冷却水の第2流量との流量比率を変更する作動弁(図示せず)と、作動弁を駆動する駆動部274(具体的には駆動モータ)とを有している。駆動部274は、制御装置150(図1参照)の出力系に電気的に接続されており、制御装置150からの指示信号に基づいて作動弁を駆動して第1流量と第2流量との流量比率を変更する構成とされている。
冷却水経路240は、第1冷却水経路241と、第2冷却水経路242と、第3冷却水経路243と、第4冷却水経路244と、第5冷却水経路245と、第6冷却水経路246と、第7冷却水経路247と、第8冷却水経路248と、第9冷却水経路249とを備えている。
第1冷却水経路241は、エンジン110と排気ガス熱交換器210との間に設けられている。第1冷却水経路241は、上流側端がエンジン110の冷却水流出口111(図1参照)に連通する一方、下流側端が排気ガス熱交換器210の冷却水流入口211(図1参照)に連通している。
第2冷却水経路242は、排気ガス熱交換器210とサーモスタット型切替弁260,260との間に設けられている。第2冷却水経路242は、上流側端が排気ガス熱交換器210の冷却水流出口212に連通する一方、下流側が複数(この例では2つ)に分岐しており、各下流側端がサーモスタット型切替弁260,260の冷却水流入口261,261にそれぞれ連通している。図1に示す例では、第2冷却水経路242の上側の分岐経路は、上側のサーモスタット型切替弁260に連通し、第2冷却水経路242の下側の分岐経路は、下側のサーモスタット型切替弁260に連通している。
第3冷却水経路243は、複数(この例では2つ)の冷却水経路とされており、サーモスタット型切替弁260,260と電動三方弁270,270との間にそれぞれ設けられている。第3冷却水経路243,243は、上流側端がサーモスタット型切替弁260,260の一方の冷却水流出口262,262にそれぞれ連通する一方、下流側端が電動三方弁270,270の冷却水流入口271,271にそれぞれ連通している。図1に示す例では、上側の第3冷却水経路243は、上側のサーモスタット型切替弁260および上側の電動三方弁270に連通し、下側の第3冷却水経路243は、下側のサーモスタット型切替弁260および下側の電動三方弁270に連通している。
第4冷却水経路244は、サーモスタット型切替弁260,260と冷却水ポンプ250との間に設けられている。第4冷却水経路244は、上流側が複数(この例では2つ)に分岐しており、各上流側端がサーモスタット型切替弁260,260の他方の冷却水流出口263,263にそれぞれ連通する一方、下流側端が冷却水ポンプ250の吸水部251に連通している。図1に示す例では、第4冷却水経路244の上側の分岐経路は、上側のサーモスタット型切替弁260に連通し、第4冷却水経路244の下側の分岐経路は、下側のサーモスタット型切替弁260に連通している。
第5冷却水経路245は、電動三方弁270,270とラジエータ220との間に設けられている。第5冷却水経路245は、上流側が複数(この例では2つ)に分岐しており、各上流側端が電動三方弁270,270の一方の冷却水流出口272,272にそれぞれ連通する一方、下流側端がラジエータ220の冷却水流入口221(図1および図2参照)に連通している。図1に示す例では、第5冷却水経路245の上側の分岐経路は、上側の電動三方弁270に連通し、第5冷却水経路245の下側の分岐経路は、下側の電動三方弁270に連通している。
第6冷却水経路246は、電動三方弁270,270とエンジン廃熱回収器230との間に設けられている。第6冷却水経路246は、上流側が複数(この例では2つ)に分岐しており、各上流側端が電動三方弁270,270の他方の冷却水流出口273,273にそれぞれ連通する一方、下流側端がエンジン廃熱回収器230の冷却水流入口231(図1および図2参照)に連通している。図1に示す例では、第6冷却水経路246の上側の分岐経路は、上側の電動三方弁270に連通し、第6冷却水経路246の下側の分岐経路は、下側の電動三方弁270に連通している。
第7冷却水経路247は、ラジエータ220と冷却水ポンプ250との間に設けられている。第7冷却水経路247は、上流側端がラジエータ220の冷却水流出口222(図1および図2参照)に連通する一方、下流側端が冷却水ポンプ250の吸水部251に連通している。
第8冷却水経路248は、エンジン廃熱回収器230と冷却水ポンプ250との間に設けられている。第8冷却水経路248は、上流側端がエンジン廃熱回収器230の冷却水流出口232に連通する一方、下流側端が冷却水ポンプ250の吸水部251に連通している。
第9冷却水経路249は、冷却水ポンプ250とエンジン110との間に設けられている。第9冷却水経路249は、上流側端が冷却水ポンプ250の吐出部252(図1および図3参照)に連通する一方、下流側端がエンジン110の冷却水流入口112(図1参照)に連通している。この例では、第9冷却水経路249は、下流側が2つに分岐しており、一方の下流側端がエンジン110のシリンダヘッド側110a(図3参照)の冷却水流入口112(図1参照)に連通する一方、他方の下流側端がエンジン110のシリンダブロック側110b(図3参照)の冷却水流入口112(図1参照)に連通している。
なお、第1冷却水経路241から第9冷却水経路249は、従来から使用されているものと同じタイプのものであり、何れも(第2冷却水経路242、第4冷却水経路244、第5冷却水経路245および第6冷却水経路246は分岐経路も含めて)同じ管径とされている。
また、エンジン廃熱回収器230の熱回収側(この例では給湯機400側)には、熱媒体(この例では給湯水)がそれぞれ流入および流出する流入口233および流出口234が設けられている。具体的には、エンジン廃熱回収器230の流入口233と給湯機400の流出口401(図1参照)とが流入経路410(図1参照)を介して連通されており、エンジン廃熱回収器230の流出口234と給湯機400の流入口402(図1参照)とが流出経路420(図1参照)を介して連通されている。
本実施の形態では、コージェネレーション装置100は、冷却水における異物を濾過する水フィルタ280をさらに備えている。
水フィルタ280は、エンジン110と排気ガス熱交換器210との間の冷却水経路(具体的には、第1冷却水経路241)に介挿されている。
また、コージェネレーション装置100は、排気ガス熱交換器210を介してエンジン110からの排気ガスを外部に排出する排気経路140(具体的には排気管)(図1および図2参照)をさらに備えている。
排気経路140は、排気ガスの排気方向D(図1参照)における排気ガス熱交換器210の上流側(具体的にはエンジン110と排気ガス熱交換器210との間)に設けられた第1排気経路141と、排気ガス熱交換器210の下流側(具体的には排気ガス熱交換器210と外部との間)に設けられた第2排気経路142とを備えている。
本実施の形態では、コージェネレーション装置100は、エンジン110から排出される排気ガスを浄化する三元触媒130(図1および図2参照)と、エンジン110からの排気ガスが外部へ排出される際の排気音を低減する排気サイレンサ185(図1参照)とをさらに備えている。
三元触媒130および排気サイレンサ185は、それぞれ、第1排気経路141および第2排気経路142に介挿されている。
本実施の形態では、エンジン冷却水回路200は、制御装置150により駆動制御されることにより排気室内の空気を外部に排出してラジエータ220を放熱するラジエータファン181(図1参照)をさらに備えている。
以上説明したエンジン冷却水回路200では、エンジン110から排出された排気ガスは、第1排気経路141を通って三元触媒130で浄化されて排気ガス熱交換器210に入る。一方、エンジン110を冷却して冷却水流出口111から流出した冷却水は、第1冷却水経路241を通って水フィルタ280で異物が除去されて排気ガス熱交換器210の冷却水流入口221に流入する。
排気ガス熱交換器210では、三元触媒130から排出された排気ガスと水フィルタ280から流出された冷却水との間で熱交換を行う。
排気ガス熱交換器210の冷却水流出口212から流出した冷却水は、第2冷却水経路242を通って2つに分岐され、サーモスタット型切替弁260,260の冷却水流入口261にそれぞれ流入する。このとき、冷却水の温度が所定温度以下の場合には、サーモスタット型切替弁260は、他方の冷却水流出口263,263から冷却水を流出させるように作動し、冷却水は、他方の冷却水流出口263からそれぞれ流出し、第4冷却水経路244を通って合流した後、冷却水ポンプ250の吸水部251に吸入される。一方、冷却水の温度が所定温度より大きい場合には、サーモスタット型切替弁260,260は、一方の冷却水流出口262,262から冷却水を流出させるように動作し、冷却水は、一方の冷却水流出口262,262からそれぞれ流出し、第3冷却水経路243,243を通って電動三方弁270,270の冷却水流入口271,271にそれぞれ流入する。
電動三方弁270,270では、制御装置150により図示を省略した温度センサにて検知した冷却水の温度や熱回収側(この例では給湯機400側)の使用状況に応じて駆動部274が駆動されて作動弁による流量比率が変更され、冷却水流入口271から一方の冷却水流出口272(ラジエータ220側)に流れる冷却水の第1流量と冷却水流入口271から他方の冷却水流出口273(エンジン廃熱回収器230側)に流れる冷却水の第2流量とが調整される。例えば、制御装置150は、エンジン廃熱回収器230での熱交換量が少ない場合には、第1流量を増やして(第2水量を減らして)ラジエータ220へ流れる水量を多くする。
電動三方弁270,270の一方の冷却水流出口272,272からそれぞれ流出した冷却水は、第5冷却水経路245を通って合流した後、ラジエータ220の冷却水流入口221に流入する。ラジエータ220では、排気ガス熱交換器210からサーモスタット型切替弁260,260および電動三方弁270,270を経由して流出される冷却水の廃熱を放熱する。そして、ラジエータ220からの廃熱をラジエータファン181により外部に排出する。ラジエータ220の冷却水流出口222から流出した冷却水は、第7冷却水経路247を通って冷却水ポンプ250の吸水部251に吸入される。
電動三方弁270,270の他方の冷却水流出口273,273からそれぞれ流出した冷却水は、第6冷却水経路246を通って合流した後、エンジン廃熱回収器230の冷却水流入口231に流入する。エンジン廃熱回収器230では、排気ガス熱交換器210からサーモスタット型切替弁260,260および電動三方弁270,270を経由して流出される冷却水の廃熱を回収する。そして、エンジン廃熱回収器230で回収した廃熱を熱回収側(この例では給湯機400側)で利用する。エンジン廃熱回収器230の冷却水流出口232から流出した冷却水は、第8冷却水経路248を通って冷却水ポンプ250の吸水部251に吸入される。
冷却水ポンプ250の吐出部252から吐出した冷却水は、第9冷却水経路249を通って2つに分岐され、一方の冷却水経路は、エンジン110のシリンダヘッド側110aの冷却水流入口261に流入する一方、他方の冷却水経路は、シリンダブロック側110bの冷却水流入口261に流入する。
なお、この例では、サーモスタット型切替弁260、電動三方弁270および第3冷却水経路243を2つとしたが、3つ以上としてもよい。この場合、第2冷却水経路242、第4冷却水経路244、第5冷却水経路245および第6冷却水経路246は、3つ以上に分岐される。
こうして、エンジン冷却水回路200では、冷却水を循環させてエンジン110および排気ガスを冷却することができる。
なお、図1から図3に示すエンジン冷却水回路200では、ラジエータ220およびエンジン廃熱回収器230を並列に接続するように構成したが、直列に接続するように構成してもよい。
ところで、冷却水の温度を検知し、検知した冷却水の温度に基づいて(例えば冷却水の温度が所定温度以上か否かにより)エンジン冷却水回路200の異常発生の有無を検出することが考えられるが、この場合、冷却水の温度検知が遅れる可能性がある。そうすると、エンジン冷却水回路200の異常判定の即応性が悪化する。
この点、本実施の形態に係るエンジン冷却水回路200では、次のような異常判定の制御を行う。
図4は、制御装置150によりエンジン冷却水回路200の異常判定の制御を行うシステム構成を示すブロック図である。
エンジン冷却水回路200は、制御装置150(制御手段の一例)をさらに備えている。
制御装置150は、エンジン110からの排気ガスの排気方向D(図1参照)において排気ガス熱交換器210の上流側および下流側における排気ガスの温度差が所定値Ts以下の場合にエンジン冷却水回路200の異常発生を判定する構成とされている。
制御装置150は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部151と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリを含む記憶部152とを備えている。
制御装置150は、処理部151が記憶部152のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部152のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。
エンジン冷却水回路200は、排気ガス熱交換器210の上流側における排気ガスの温度を検知する上流側温度センサ191(図1及び図4参照)と、排気ガス熱交換器210の下流側における排気ガスの温度を検知する下流側温度センサ192(図1及び図4参照)とをさらに備えている。
上流側温度センサ191は、制御装置150の入力系に電気的に接続されている。上流側温度センサ191は、この例では、第1排気経路141の金属からなる配管の温度を検知するものであり、該配管の外周面に設けられている。下流側温度センサ192は、制御装置150の入力系に電気的に接続されている。下流側温度センサ192は、この例では、第2排気経路142の金属からなる配管の温度を検知するものであり、該配管の外周面に設けられている。
記憶部152には、排気ガス熱交換器210の上流側および下流側における排気ガスの温度差の基準となる所定値Tsが予め記憶(設定)されている。
制御装置150は、上流側温度センサ191にて検知した検知信号に基づいて(該検知信号に応じた)排気ガスの上流側温度Taを検出する第1検出手段P1と、下流側温度センサ192にて検知した検知信号に基づいて(該検知信号に応じた)排気ガスの下流側温度Tbを検出する第2検出手段P2と、第1検出手段P1にて検出した上流側温度Taと第2検出手段P2にて検出した下流側温度Tbとの差分を算出する算出手段P3と、算出手段P3にて算出した差分が記憶部152に記憶した所定値Ts以下か否かを判定する判定手段P4とを備える構成とされている。
図5は、制御装置150によりエンジン冷却水回路200の異常判定の制御を行う制御動作の一例を示すフローチャートである。
図5に示すフローチャートでは、制御装置150は、先ず、第1検出手段P1により、上流側温度センサ191からの検知信号により排気ガスの上流側温度Taを検出し(ステップS1)、第2検出手段P2により、下流側温度センサ192からの検知信号により排気ガスの下流側温度Tbを検出する(ステップS2)。
次に、制御装置150は、算出手段P3により、ステップS1で検出した上流側温度TaとステップS2で検出した下流側温度Tbとの差分を算出し(ステップS3)、判定手段P4により、ステップS3で算出した差分が所定値Ts以下であるか否かを判断する(ステップS4)。ステップS3で算出した差分が所定値より大きい場合には(ステップS4:No)、エンジン冷却水回路200が正常であると判定し(ステップS5)、ステップS3で算出した差分が所定値Ts以下の場合には(ステップS4:Yes)、排気ガス熱交換器210での冷却水による吸熱が所定量以下であるとみなして(冷却水が十分に熱交換できない状態とみなして)、エンジン冷却水回路200に異常が発生していると判定する(ステップS6)。
ここで、エンジン冷却水回路200の異常としては、排気ガス熱交換器210の不具合やラジエータファン181の不具合、電動三方弁270,270の流量比率の調整不良といった異常を例示できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、制御装置150により、エンジン110からの排気ガスの排気方向Dにおいて排気ガス熱交換器210の上流側および下流側における排気ガスの温度差(Ta−Tb)が所定値Ts以下の場合にエンジン冷却水回路200の異常発生を判定するので、排気ガスの温度に拠ってエンジン冷却水回路200の異常判定を行うことができ、従って、冷却水の温度に拠らないエンジン冷却水回路200の異常判定を行うことができる。詳しくは、排気ガス熱交換器210の上流側および下流側における排気ガスの温度差(Ta−Tb)が所定値Ts以下であることを検知した場合には、排気ガス熱交換器210での冷却水による吸熱が所定量以下であるとみなすことができ(冷却水が十分に熱交換できない状態であるとみなすことができ)、従って、エンジン冷却水回路200の異常発生(例えば排気ガス熱交換器210の不具合)を冷却水の温度に拠らずに判定することができ、すなわち、冷却水の温度検知が遅れるといったことがなく、これにより、エンジン冷却水回路200の異常判定の即応性を向上させることが可能となる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
100 コージェネレーション装置
110 エンジン
110a シリンダヘッド側
110b シリンダブロック側
111 冷却水流出口
112 冷却水流入口
120 発電機
130 三元触媒
140 排気経路
141 第1排気経路
142 第2排気経路
150 制御装置(制御手段の一例)
151 処理部
152 記憶部
181 ラジエータファン
185 排気サイレンサ
191 上流側温度センサ
192 下流側温度センサ
200 エンジン冷却水回路
210 排気ガス熱交換器
211 冷却水流入口
212 冷却水流出口
220 ラジエータ
221 冷却水流入口
222 冷却水流出口
230 エンジン廃熱回収器
231 冷却水流入口
232 冷却水流出口
233 流入口
234 流出口
240 冷却水経路
241 第1冷却水経路
242 第2冷却水経路
243 第3冷却水経路
244 第4冷却水経路
245 第5冷却水経路
246 第6冷却水経路
247 第7冷却水経路
248 第8冷却水経路
249 第9冷却水経路
250 冷却水ポンプ
251 吸水部
252 吐出部
260 サーモスタット型切替弁
261 冷却水流入口
262 冷却水流出口
263 冷却水流出口
270 電動三方弁
271 冷却水流入口
272 冷却水流出口
273 冷却水流出口
274 駆動部
280 水フィルタ
400 給湯機
401 流出口
402 流入口
410 流入経路
420 流出経路
B 背面側
C 循環方向
D 排気方向
F 正面側
P1 第1検出手段
P2 第2検出手段
P3 算出手段
P4 判定手段
Ts 所定値
Ta 上流側温度
Tb 下流側温度

Claims (1)

  1. 冷却水を循環させてエンジンを冷却するエンジン冷却水回路であって、
    ラジエータ、排気ガス熱交換器、エンジン廃熱回収器および冷却水ポンプを設け、
    前記エンジンから前記排気ガス熱交換器を経由して前記ラジエータおよび/または前記エンジン廃熱回収器を通過して前記冷却水ポンプの吸水部に到って前記冷却水を前記エンジンに還流する回路を構成し、
    前記エンジンからの排気ガスの排気方向において前記排気ガス熱交換器の上流側および下流側における前記排気ガスの温度差が所定値以下の場合に当該エンジン冷却水回路の異常発生を判定する制御手段を設けたことを特徴とするエンジン冷却水回路。
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