JP2015182665A - 船舶の舵角制御装置、方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
ステアバイワイヤ方式操舵システムを搭載した船舶に関して、例えば特許文献1には、速度センサで検出される船速が所定値より高くなったときに、操舵角の変化に対する転舵角の変化の割合が、前記所定値以下の場合より、小さくなるように制御する船舶用転舵装置が開示されている。
本発明の舵角制御装置の他の特徴とするところは、前記変更手段は、前記ステアリングホイールが中立位置から所定の操作範囲を超えて操作された場合、前記ステアリングホイールの操作速度として、前記所定の操作範囲における平均角速度を求める点にある。そして、前記変更手段は、前記所定の操作範囲における平均角速度が所定の角速度以上である場合、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率が高くなるように変更する。
本発明の舵角制御装置の他の特徴とするところは、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率として少なくとも2以上の規定値が予め用意されており、前記変更手段は、前記規定値を選択することにより、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率を変更する点にある。
本発明の舵角制御方法は、ステアリングホイールと船外機との間が機械的に連結されていないステアバイワイヤ方式操舵システムを搭載した船舶において、コントロールユニットが、前記ステアリングホイールの操作の検出信号に基づいて前記船外機の舵角を制御する舵角制御方法であって、前記コントロールユニットは、前記ステアリングホイールの操作速度に基づいて、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率を変更するステップを行うことを特徴とする。
本発明のプログラムは、ステアリングホイールと船外機との間が機械的に連結されていないステアバイワイヤ方式操舵システムを搭載した船舶において、前記ステアリングホイールの操作の検出信号に基づいて前記船外機の舵角を制御するためのプログラムであって、前記ステアリングホイールの操作速度に基づいて、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率を変更する処理をコンピュータに実行させる。
図1は、本発明を適用可能な船舶を斜め後方から眺めた斜視図である。
船舶1の船体2の後部に位置するトランサム2aに、図示例では2基の船外機3、3がブラケット装置を介して取り付けられる。
船体2の略中央部は操舵室4となっており、ヘルム5に連結するステアリングホイール6と、表示器7と、リモコン8とが配置される。表示器7は、必要に応じてゲージ、モニタ、LED等を含む。また、リモコン8は、シフトレバー及びスロットルレバーを兼ねる操作レバーを備え、操作レバーを中立位置から前進方向/後進方向に倒すと、前進/後進が切り替えられるとともに、その操作量に応じてスロットルバルブの開閉制御が行われる。
また、操舵室4の上に第2操舵室9があり、操舵室4と同様にステアリングホイール6が連結するヘルム5と、表示器7と、リモコン8とが配置される。
なお、図1に示す船舶は一例であり、例えば一の操舵室だけを有していたり、一台の船外機だけが取り付けられたりする船舶であっても本発明は適用可能である。
コントロールユニット10は、CPU10aと、EEPROM10bと、ヘルム5の電磁ブレーキ5a及びステアリングユニット11のアクチュエータ11aを制御、操作するドライバ10cとを備える。
ステアリングユニット11は、コントロールユニット10の制御下で船外機3の舵角調整を実施するアクチュエータ11aと、船外機3の舵角を検出する舵角センサ11bとを備える。
この特性に着目して、本実施形態では、舵角制御装置であるコントロールユニット10が、ステアリングホイール6の操作速度に基づいて、ステアリングホイール6の操舵角αに対する船外機3の舵角βの変化比率を変更する。
前提として、操舵角αに対する舵角βの変化比率として、第1の規定値が設定されているものとする。図5Aは、第1の規定値を説明するための図であり、(a)が船外機3の転舵方向と舵角(舵角センサ11bの出力)との関係を示し、(b)がステアリングホイール6の回転と操舵角(操舵角センサ5bの出力)との関係を示す。図5Aに示すように、ステアリングホイール6を左右いずれかの方向に2回転させると、船外機3が最大舵角の半分程度にまで転舵される関係にある。
図4のフローチャートは、ステアリングホイール6が中立位置或いはその近傍にあるときに開始される。
ステップS103において平均角速度ωが所定の角速度ω1未満である場合、ステップS104に進み、コントロールユニット10は、操舵角αに対する舵角βの変化比率を第1の規定値に維持する。
それに対して、ステップS103において平均角速度ωが所定の角速度ω1以上である場合、ステップS105に進み、コントロールユニット10は、操舵角αに対する舵角βの変化比率を第2の規定値に変更する。第2の規定値は、操舵角αに対する舵角βの変化比率を第1の既定値よりも高くしたものである。図5Bは、第2の規定値を説明するための図であり、(a)が船外機3の転舵方向と舵角(舵角センサ11bの出力)との関係を示し、(b)がステアリングホイール6の回転と操舵角(操舵角センサ5bの出力)との関係を示す。図5Bに示すように、ステアリングホイール6を左右いずれかの方向に2回転させると、船外機3が最大舵角にまで転舵される関係にある。
これにより、速度センサを用いることなく、操船者の操舵意図に応じた良好な操縦性能を得ることが可能になる。例えば低速時の大きな進路変更時や着岸時のように大きな舵取り量を要求するときに、操舵角αに対する舵角βの変化比率が高くなるように変更されるので、ステアリングホイール6を広範囲にわたって操作する必要がなくなり、短時間で所望の舵取り量まで操作することができる。
例えば、本実施形態では、ステアリングホイール6の操舵角αに対する船外機3の舵角βの変化比率として第1の規定値及び第2の規定値を用意した例を説明したが、より細やかに3段階以上に変更されるようにしてもよい。
また、本発明の舵角制御は、CPUがプログラムを実行することによって実現され、プログラム自体も本発明を構成することになる。
Claims (6)
- ステアリングホイールと船外機との間が機械的に連結されていないステアバイワイヤ方式操舵システムを搭載した船舶において、前記ステアリングホイールの操作の検出信号に基づいて前記船外機の舵角を制御する舵角制御装置であって、
前記ステアリングホイールの操作速度に基づいて、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率を変更する変更手段を備えたことを特徴とする舵角制御装置。 - 前記変更手段は、前記ステアリングホイールが中立位置から所定の操作範囲を超えて操作された場合、前記ステアリングホイールの操作速度として、前記所定の操作範囲における平均角速度を求めることを特徴とする請求項1に記載の舵角制御装置。
- 前記変更手段は、前記所定の操作範囲における平均角速度が所定の角速度以上である場合、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率が高くなるように変更することを特徴とする請求項2に記載の舵角制御装置。
- 前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率として少なくとも2以上の規定値が予め用意されており、前記変更手段は、前記規定値を変更することにより、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率を変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の舵角制御装置。
- ステアリングホイールと船外機との間が機械的に連結されていないステアバイワイヤ方式操舵システムを搭載した船舶において、コントロールユニットが、前記ステアリングホイールの操作の検出信号に基づいて前記船外機の舵角を制御する舵角制御方法であって、
前記コントロールユニットは、前記ステアリングホイールの操作速度に基づいて、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率を変更するステップを行うことを特徴とする舵角制御方法。 - ステアリングホイールと船外機との間が機械的に連結されていないステアバイワイヤ方式操舵システムを搭載した船舶において、前記ステアリングホイールの操作の検出信号に基づいて前記船外機の舵角を制御するためのプログラムであって、
前記ステアリングホイールの操作速度に基づいて、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記船外機の舵角の変化比率を変更する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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