JP2015182334A - 金属ドット基板およびその製造方法 - Google Patents

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豊 片山
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裕介 川端
裕一 二宮
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裕一 二宮
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Abstract

【課題】金属ドットと基板との密着性が強く、煩雑なプロセスを必要とせず、基板材質の耐熱性に制限が無く、低コストで大量生産可能な金属ドット基板を提供する。【解決手段】基板3上に、金属が含まれる金属ドット2が島状に複数存在している金属ドット基板1であって、該金属ドット基板に対して耐磨耗試験を行い、耐磨耗試験前の波長400〜800nmの1nm間隔で測定した吸光度を(A)、耐磨耗試験後の波長400〜800nmの1nm間隔で測定した吸光度を(B)としたとき、400〜800nmの全波長において(A/B)の値が全て0.5〜2.0である金属ドット基板。【選択図】図1

Description

本発明は、金属ドットが基板上に形成された金属ドット基板、および金属ドット基板の製造方法に関する。
近年、金属ドットおよび/または金属ドット基板を、触媒、光電子デバイス、発光素材、太陽電池の素材、電子回路基板等へ適用することが注目されている。この金属ドットは、特定のエネルギー状態に電子を集中させることができるため、局在表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon Resonance、以下、LSPRと略す)による分析に用いるチップ素材や表面増強ラマン散乱(Surface Enhanced Raman Scattering、以下、SERSと略す)による分析に用いるチップ素材としても利用価値が高く、金属ドットの低コスト化は、次世代デバイスの開発等に不可欠なものである。
この金属ドットおよび/または金属ドット基板の製造方法は、従来、種々検討されている。例えば、金属ナノ粒子を溶媒中に分散させた分散液を調製し、得られた分散液を基板上に塗布後、乾燥工程で溶媒を蒸発させることにより金属ドット基板を得ることができる(特許文献1参照)。
また別の手法としては、基板上に物理的蒸着法(以下、PVDと略す)もしくは化学的蒸着法(以下、CVDと略す)により金属薄膜層を形成し、次にレジスト層を設ける。これをプリベークした後、電子ビームリソグラフィ(Electron Beam Lithography、以下、EBLと略す)にて所望のパターンを描画し、ポストエクスポージャーベークを行ない現像してレジスト層のパターニングを行なう。パターニングされたレジスト層をマスクとして、ドライエッチングを行ない、金属薄膜層がパターニングされたら、最後に、リムーバー等の処理を行ない、金属ドット上のレジスト層除去を行ない、金属ドットを形成することができる(特許文献2参照)。
また別の手法としては、基板上にレジスト層を形成し、紫外線(UV)または電子線(EB)等の露光放射によるリソグラフィ法により微細開口を形成する。次いで、PVDもしくはCVDにより金属薄膜層を形成する。続いて、リムーバー等の処理を行ない、レジスト層の除去をし、金属ドットを形成することができる(特許文献3参照)。
また別の手法としては、基板上にPVDもしくはCVDにより金属薄膜層を形成後、金属薄膜層を構成する材料の融点以下の温度で焼鈍(アニール)することによって金属ドットを形成することができる。これは、基板となる下地結晶材料と金属薄膜層となる堆積結晶材料の格子定数の違いによる歪みエネルギーと表面エネルギーによって金属薄膜層が分離し、金属薄膜層が分離後に自己組織化により金属ドットを形成するという、いわゆるSK(Stranski−Krastnov)モードを利用した製造方法がある(特許文献4参照)。
一方、金属ドットを積層する基板がプラスチックフィルムであれば、フレキシブルな金属ドットフィルムを得ることができ、電子機器の曲面部分に使用できたり、屈曲が必要な電子部品に使用したりすることができる。また、金属ドットと基板との密着性が十分であれば、利用方法や設計の幅が広がるだけでなく、ロール状に巻かれたプラスチックフィルムを用いて、金属ドットの脱落なしにロールツーロールで金属ドット基板の製造が実現可能であることから、連続的に金属ドット基板を生産することにつながり、コスト面でもメリットがある。また、金属ドットの形成にPVDやCVD等と違って真空雰囲気を必要としない工程であれば、生産性およびコスト面でメリットがある。
特開2007−51941号公報 特開2007−218900号公報 特開2010−210253号公報 特開2012−30340号公報
しかしながら、基板面を途切れなく連続的に覆う金属膜と違い、LSPRを発現するのに十分に小さいサイズの金属ドットの場合、金属ドットと基板とは密着性に乏しく、外力により金属ドットの脱落が起こりやすいという問題があった。また、特許文献2および3に記載されているような公知技術であるフォトリソグラフィー法やEBリソグラフィ法による金属ドット基板の製造方法は、金属ドットの形成プロセスが煩雑であり大量生産による低コスト化には適さないという問題があった。また、特許文献4に記載の金属ドット基板の製造方法は、「金属薄膜の融点以下の温度で焼鈍(アニール)する」(請求項1)と記載されているが、実施例では、石英基板上に形成された金薄膜(融点=1,063℃)を、電気炉を用いて700℃の高温で10分間の焼鈍をすることで金ドットが基板上に形成されることが開示されている。しかし、耐熱性のある基板(石英の耐熱性は1,600℃前後)上に形成された金属薄膜を非常に高い温度、且つ非常に長い時間焼鈍処理することが開示されているにすぎず、耐熱性が700℃以下の基板、特にプラスチックフィルム等に適用することができないという問題があった。
本発明は、かかる問題点に鑑み、金属ドットと基板との密着性が強く、真空雰囲気を必要としないことをはじめ煩雑なプロセスを必要とせず、基板材質の耐熱性に制限が無く、低コストで大量生産可能な金属ドット基板、および金属ドット基板の製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決する為に、次のような特徴を有する。すなわち、
(1)基板上に、金属が含まれる金属ドットが島状に複数存在している金属ドット基板であって、該金属ドット基板に対して以下の条件で耐磨耗試験を行い、耐磨耗試験前の波長400nmから800nmまで1nm間隔で測定した吸光度を(A)、耐磨耗試験後の波長400nmから800nmまで1nm間隔で測定した吸光度を(B)としたとき、400nmから800nmの全波長において(A/B)の値が全て0.5以上2.0以下であることを特徴とする金属ドット基板。
耐磨耗試験:平面磨耗試験機を用いて、圧力125g/cm、速度1往復/1秒、ストローク長さ50mm、擦過部として綿布を用いる条件で往復20回の擦過を行う。
(2)前記基板が少なくともプラスチックフィルムを含むことを特徴とする前記(1)に記載の金属ドット基板。
(3)前記プラスチックフィルムがポリエステルフィルムであることを特徴とする前記(2)に記載の金属ドット基板。
(4)前記金属ドットに含まれる金属がAg、Au、Cu、In、Ni、PdおよびPtからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属ドット基板。
(5)前記金属ドット基板がバインダーを含むことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の金属ドット基板。
(6)前記基板上に金属コロイドを含む溶液を塗布することにより金属コロイド含有層を形成する工程と、該金属コロイド含有層が形成された基板にエネルギーパルス光を照射する工程とを含むことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の金属ドット基板の製造方法。
本発明によれば、金属ドットと基板との密着性が強く、煩雑なプロセスを必要とせず、基板材質の耐熱性に制限が無く、低コストで大量生産可能な金属ドット基板を提供することができる。
図を用いて説明する。
[基板]
図1において、本発明に用いる基板3は、低コストで大量生産を行う目的を達成するためには、高分子化合物であることが好ましいが、特に限定するものではなく、ガラス、石英、サファイア、シリコン、金属等幅広い範囲から選ぶことができる。高分子化合物としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェニレンスルファイド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アセテート系、ポリ乳酸系、フッ素系、シリコーン系等が挙げられる。また、これらの共重合体やブレンド物、さらに架橋した化合物を用いることができる。
さらに上記高分子化合物の中でも、ポリエステル、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェニレンスルファイド、ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどからなるものが好ましく、作業性や、経済性などを総合的に勘案すると、ポリエステル、中でもポリエチレンテレフタレートよりなる合成樹脂が好ましく用いられる。
なお、基板3がフィルムであれば本発明の金属ドットの形成方法によりフレキシブルな金属ドット基板を得ることができ、電子機器の曲面部分に使用できたり、屈曲が必要な電子部品に使用したりすることができるため好ましい。さらに、ロール状に巻かれたフィルムを用いると、ロールツーロールで本発明の金属ドットの形成方法が実施でき、連続的に金属ドット基板を生産することにつながり、コスト面でメリットがあるため好ましい。したがって、プラスチックフィルムとしてポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
プラスチックフィルムの厚みは、ハンドリングの観点やフレキシブル性の観点から20μm〜300μmの範囲が好ましく、30μm〜250μmの範囲がより好ましく、50μm〜200μmの範囲がさらに好ましい。
また、本願発明の金属ドット基板1に用いられる基板3は、用途に応じて複数の材料が積層されたもの、表面を物理的、および/または化学的処理を施したものを用いることもできる。例えば、金属ドットと光により発生するプラズモンエネルギーを電気エネルギーに変換し、電気を取り出す目的を達成する為にベース基板31と、導電層32および/または半導体層33を含む基板3などが挙げられる([図2a][図2b][図2c])。
[導電層]
本発明における導電層32は、移動可能な電荷を含み電気を通しやすい材料であれば特に限定するものではなく、具体的には、電気伝導率が、グラファイト(1×10S/m)と同等以上のものであればよく、例えば、銅、アルミニウム、錫、鉛、亜鉛、鉄、チタン、コバルト、ニッケル、マンガン、クロム、モリブデン、リチウム、バナジウム、オスミウム、タングステン、ガリウム、カドミウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、金、銀、白金、パラジウム、イットリウム等の金属、合金、導電性高分子、カーボン、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、ボロンドープダイヤモンド(BDD)、窒素ドープダイヤモンド、錫ドープ酸化インジウム(ITO)フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等や公知の材料を用いることができる。
前記導電層32の厚さは、問題なく電気を通電させることができれば特に限定するものではなく、数nmから数mmの範囲選択することができる。導電性やハンドリングの観点やフレキシブル性の観点から、1nm以上300μm以下の範囲が好ましく、3nm以上100μm以下の範囲がより好ましく、10nm以上50μm以下の範囲が更に好ましい。厚さが1nmより小さくなると、抵抗値が高くなってしまったり、通電において物理的に短絡してしまったりする場合があり、300μmより厚いとハンドリング性が低下する場合がある。
用途に応じて透明性が求められる場合は、例えば、ITO、FTO、ATO、AZO、GZO、カーボンナノチューブ、グラフェン、金属ナノワイヤー等の公知の透明導電膜を適宜選択することができる。前記導電層32は、公知の方法で前記ベース基板31と積層されればよく、特に限定するものではない。例えば、銅やアルミニウムよりなる金属箔を、接着剤を介して前記ベース基板31に積層する方法、めっき法、スパッタリング法、蒸着法や、導電性を有するペースト等の液体をコーティングし、乾燥し、場合によっては焼成処理を行なうことにより前記ベース基板31と積層する方法等、公知の方法で積層することができる。
[半導体層]
本発明における半導体層33は、特に限定するものではないが、光電変換材料として用いられるものが好ましい。具体的には、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)および酸化グラフェン(GO)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが、光電変換効率の観点から好ましい。特に、安定性、安全性の観点から酸化チタンが好ましい。なお、本発明で使用される酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの種々の酸化チタン、あるいは水酸化チタン、含水酸化チタンなどが挙げられる。
半導体層の材料に酸化チタンを用いる場合、酸化チタンの伝導帯の状態密度が大きいほど効率的に励起されたプラズモンエネルギーから電子を受け取ることができるので、アナターゼ型の酸化チタンが特に好ましい。
前記半導体層33の厚さは、特に限定するものではなく、数nmから数mmの範囲選択することができる。光電変換材料として用いる場合、1nm以上100μm以下の範囲が好ましく、5nm以上10μm以下の範囲がより好ましく、10nm以上1μm以下の範囲が更に好ましい。用途によって光の透過性が求められる場合は、300nm以下の範囲が好ましく、100nm以下の範囲がより好ましい。
前記半導体層33は、公知の方法で前記ベース基板31と積層されればよく、特に限定するものではない。例えば、銅やアルミニウム、チタン、錫等の金属よりなる金属箔の表面を酸化処理し、接着剤を介して前記基板と積層する方法、スパッタリング法、蒸着法、金属アルコキシドゾルをコーティングして積層する方法等、公知の方法で積層することができる。
前記導電層32および/または前記半導体層33をベース基板31に積層した金属ドット基板の用途としては、例えば、プラズモンによる光電場増強場を利用した量子ドット太陽電池や電子回路基板等様々なものに使用することができる。
[金属ドット]
本発明で言う金属ドット2とは、金属が含まれる微細な突起、粒状物、量子ドットおよび/またはナノクラスタ、金属が含まれる凸部であり、金属が含まれる凸部とは基板に含有された粒子により形成された凸部に金属が被覆されたものや、逆に基板に含有された前記粒子により、細分化された金属膜や金属粒子を示す。
また、本発明において金属ドットが島状に複数存在するとは、実施例に記載される方法で測定した金属ドット基板表面1μm×1μmの面積に金属ドットが独立して20以上存在することをいう(すなわち、島状に複数存在するとは1つ1つの金属ドットが基板上で独立して存在していることをいい、金属ドットであっても金属膜の上に金属ドットが形成されており、すべての金属ドットが金属膜を介してつながっているようなものは島状に複数存在するとはいわない)。また、表面プラズモンの活性の観点から、1μm×1μmの範囲に金属ドットが20以上存在することが好ましく、100以上存在することがより好ましい。
金属ドット1つの寸法は、最大外径および高さがいずれも0.1nm〜1,000nmの範囲であることが好ましい。なお、金属ドットは最大外径および高さがいずれも0.1nm〜1,000nmの範囲であればその形状は特に制限されるものではない。
前記最大外径とは、金属ドットを真上から観察した際に1つの金属ドットをすべて含むことができる最小の円の半径をいう。なお、複数の金属ドットが連なっているもの([図7]の符号23など)は、連なった状態で1つの金属ドットとみなし、それらをすべて含むことができる最小の円の半径を最大外径とする。
金属ドットの最大外径は0.1nm〜1,000nmが好ましく、1nm〜100nmがより好ましい。また、金属ドットの高さは0.1nm〜1,000nmが好ましく、1nm〜100nmがより好ましい。
[金属コロイド]
本発明で言う金属コロイド21は、基板上に塗布する溶液に分散されている金属が含まれる粒子を示す。
金属コロイドの1つの寸法は、前記金属ドットにおける好ましい形態の範囲であることが好ましい。すなわち、最大外径および高さがいずれも0.1nm〜1,000nmの範囲であることが好ましい。なお、金属コロイドは最大外径および高さがいずれも0.1nm〜1,000nmの範囲であればその形状は特に制限されるものではない。
[金属ドット基板の製造方法]
本発明の金属ドット基板1の製造方法について説明する。
本発明の金属ドット基板1は、
基板上に金属コロイドを含む溶液を塗布することにより金属コロイド含有層41を形成する工程([図3]参照)と、金属コロイド含有層が形成された基板にエネルギーパルス光61を照射する工程([図4a][図4b]参照)とを含むことを特徴とする。
[金属コロイド含有層の形成]
本発明の金属コロイド含有層41を形成する工程では、金属コロイドを含む溶液を塗布し、乾燥する方法等で金属コロイド21および後述するバインダー5を含む金属コロイド含有層41を形成することができる。
金属コロイドを含む溶液を塗布する方法としては、例えば、ダイレクトグラビアコーター、リバースグラビアコーター、ドクターナイフコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、スプレーコーター、スリットダイコーター、リップダイコーター、コンマコーター、スピンコーター、ワイヤーバーコーター、ディップコーター、インクジェット等周知の技術で行うことができる。
前記金属コロイドの分散性を良好にする為に前記金属コロイドの外郭に保護コロイドを付与したり、官能基を付与したりしてもよい。
前記金属コロイドを含む溶液は、特に限定するものではないが、金属コロイドの他にバインダーを含有しているものも使用することができる。ここでいう「バインダー」の中には、前記金属コロイドの外郭に付与された保護コロイドや官能基等も含まれる。
前記金属コロイドを含む溶液の溶媒は、特に限定するものではなく、公知のものを使用することができる。例えば、水、テトラメチルアンモニウム、ポリエチレンイミン、トルエン、クロロホルム、α−ターピネオール、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン等公知の溶媒を使用することができる。
また、前記金属コロイドを含む溶液は、市販のものを入手することができ、例えば、「AuPVP」、「Pt PVP」、「Pd PVP large」、「Pd PVP fine」、「PtPVPエタノール」、「PdPVP IPA」、「Pt PAA」、「Pt TMA」、「Pt PEI」、「Au DT」、「Pt DA」、「Pd DA」、(以上、田中貴金属(株)製)等の金属微粒子コロイド溶液や、「Pt/Rh(コア/シェル)PVP」、「Pt/Pd(コア/シェル)PVP」(以上、田中貴金属(株)製)等のコアシェルタイプの金属微粒子コロイド溶液を用いることができる。
前記金属コロイド含有層41は、金属コロイド21と後述するバインダー5とを含む形態であれば特に限定されるものではなく、例えば図3aのように基板全面をバインダーで覆われた形態、図3bのように金属コロイドに沿ってバインダーが基板全面を覆う形態、図3cのように金属コロイド外郭にのみバインダーが存在する形態等も含まれる。また、バインダーが存在せず金属コロイドのみが積層された図3dのような形態も含まれる。
[バインダー]
本発明におけるバインダー5は、特に限定するものではなく、種々の有機化合物、無機化合物を用いることができ、また塗布後に残留している前記溶媒成分を含んでいてもよい。バインダーとしては、基板との密着性や、焼成による除去のされやすさ、さらに前記金属コロイドを含む溶液中への溶解性や、金属コロイドの分散性向上等の多角的な観点から、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン等の高分子樹脂やクエン酸、アスコルビン酸等の有機酸、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアミン等の脂肪族アミン、デカンチオール等のアルカンチオールが好ましい。これらのバインダー成分は単独又は複数混合して用いることができる。また、これらのバインダーはエネルギーパルス光の焼成を受けた後に残留したバインダーも含まれる。例えば、金属コロイドに含まれる保護剤がバインダーであってもよい。
[金属ドット]
前記金属コロイド含有層41にエネルギーパルス光61による焼成を行うと、金属ドット2が残留する。ここで金属ドット2は金属ドットのみで存在していてもよいし、金属ドットにバインダーが結合した形態で存在していてもよい。すなわち、LSPRの活性の観点からは、金属コロイド含有層41のバインダー5の全部が除去された形態(図1a)が好ましいが、基板との密着性も考慮すると、金属コロイド含有層41のバインダー5の一部が除去された図1bや図1c、図1dで示されるように、残留したバインダーが金属ドットと基板とを接着する役割を持つ形態がより好ましい。また、金属ドットと光により発生するプラズモンエネルギーを電気エネルギーに変換し、電気を取り出す目的を達成する為には、基板と金属ドットがバインダーを介さず接触することが可能な図1aや図1b、図1cの形態が好ましい。なお、エネルギーパルス光61による焼成により金属コロイド含有層41中の金属コロイドは、焼成後に前記金属ドットとして好ましい形態である範囲で変形や金属ドット同士の合体、金属ドットの細分化等がなされてもよく、例えば球状の金属コロイドがエネルギーパルス光の焼成により図1に示すようにドーム状に変化し金属ドットを形成する場合がある。
[金属]
本発明の金属ドット2および金属コロイド21は、特に限定するものではなく、種々の金属を用いることができる。例えば、Al、Ca、Ni、Cu、Rh、Pd、Ag、In、Ir、Pt、Au、Pb等の単一金属やこれらの合金等用途に応じて様々な物質が挙げられる。入手のしやすさまたは/および化学的安定性を考慮するとAg、Au、Cu、In、Ni、PdおよびPtからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、LSPRセンサ等に用いられる場合は、可視光領域に特異なピークを示すAgおよびAuがより好ましい。
[エネルギーパルス光]
本発明のエネルギーパルス光61は、レーザーやキセノンフラッシュランプ等のエネルギーパルス光照射装置6により照射される光のことであり、特にキセノンフラッシュランプより発せられる可視光帯域光であることが好ましい。
キセノンフラッシュランプは、内部にキセノンガスが封入され、その両端部に電源ユニットのコンデンサーに接続された陽極および陰極が配線された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備えている。キセノンガスは、電気的に絶縁性であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態では、ガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気が両端電極間の放電によってガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノン原子あるいは分子の励起によって可視光帯域光、すなわち、200nm〜800nmの広帯域のスペクトルをもつフラッシュ光が放出される。図5、図6は、キセノンフラッシュランプより照射されるエネルギーパルス光61のスペクトルの一例である。このようなキセノンフラッシュランプにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが1マイクロ秒ないし100ミリ秒というきわめて短いエネルギーパルス光に変換されることから、連続点灯の光源に比べてきわめて強い光を照射し得るという特徴を有している。
すなわち本発明においては、金属コロイド含有層41にエネルギーパルス光61を照射することにより、金属コロイド含有層41は高速に加熱され、金属ドット2が形成される。また極めて短い時間しか金属コロイド含有層4は加熱されないため、エネルギーパルス光61が消灯すると直ちに冷却され、基板3は熱的ダメージをほとんど受けない。
本発明の金属コロイド含有層41が形成された金属コロイド基板11にエネルギーパルス光61を照射する工程では、通常、金属コロイド含有層41表面側よりエネルギーパルス光61が照射(図4a)されるが、ベース基板31に透明材料を選択した場合、基板の裏(金属コロイド含有層41が積層されていない面)側から照射し、ペース基板31にエネルギーパルス光61を透過させて、金属コロイド含有層41に照射してもよい(図4b)。
本発明の金属コロイド含有層41が形成された金属コロイド基板11にエネルギーパルス光61を照射する工程のエネルギーパルス光61を照射する面積は、特に限定するものではないが、最小照射面積は、1mm以上であることが好ましく、より好ましくは、100mm以上である。最大照射面積は、特に条件を設けるものではないが、好ましくは1m以下である。
エネルギーパルス光61の1回の照射面積が1mmより小さいと、生産性が低下してしまう場合がある。1mm以上であると、生産性が良好であり、経済的にも有利となる。1回の照射面積が1mを超えると、エネルギーパルス光照射装置の光源を広範囲に並べなければならず、またバッテリーやコンデンサーなど高容量のエネルギーを蓄えるための装置も必要となるばかりでなく、エネルギーを一瞬で放出するのでそれに伴う付帯装置も大掛かりなものとしなければならない場合がある。
本発明の金属コロイド基板11にエネルギーパルス光61を照射する工程のエネルギーパルス光61を照射する照射エネルギーは、特に限定するものではないが、0.1J/cm以上100J/cm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5J/cm以上20J/cm以下である。照射エネルギーが0.1J/cmより小さいと、照射範囲全域にわたって金属ドット含有層4が基板との強い密着性を得ることができない場合がある。照射エネルギーが100J/cmより大きいと、金属コロイド含有層41が必要以上に加熱されてしまい、基板3が間接的に加熱されダメージを受けてしまう場合があったり、エネルギー量が過剰であることにより経済的にも不利になったりする場合がある。照射エネルギーが0.1J/cm以上100J/cm以下であると、照射領域全域にわたって均一に強い密着性を持つ金属ドット2を形成することができ、経済的にも好ましい。
本発明の金属コロイド基板11にエネルギーパルス光61を照射する工程では、エネルギーパルス光61を1回または複数回照射することが好ましい。通常、1回の照射で前記金属コロイド含有層41を加熱することによって密着性の高い金属ドットを得ることができるが、所望の大きさや分布または、基板3の熱的ダメージを最小限に留めるために1回の照射エネルギーを下げ、1秒間に照射する回数(Hz)を設定することにより、複数回連続照射(パルス照射)することでも密着性の強い金属ドットを得ることもできる。
本発明の金属コロイド含有層41が形成された金属コロイド基板11にエネルギーパルス光61を照射する工程のエネルギーパルス光61を照射する総時間は、50マイクロ秒以上100ミリ秒以下が好ましい。より好ましくは、100マイクロ秒以上20ミリ秒以下であり、更に好ましくは、100マイクロ秒以上5ミリ秒以下である。50マイクロ秒より短いと照射範囲全域にわたって密着性の高い金属ドットを形成できない場合がある。100ミリ秒より大きいと、金属コロイド含有層41を加熱する時間が長くなり、基板3に熱的ダメージを与える場合があり、また生産性が低下したりする場合がある。50マイクロ秒以上100ミリ秒以下であると、照射領域全域にわたって均一に密着性の高い金属ドットを得ることができ、生産性も良好であり、経済的にも好ましい。
本発明の金属コロイド基板11にエネルギーパルス光61を照射する工程は、ロールツーロールで行うことができる。具体的には、図8に示すフィルム状の金属コロイド基板11を巻き出し、エネルギーパルス光61を照射するエネルギーパルス光照射装置6を通過させ、基板の表面に金属ドットを形成し、金属ドット基板1とし、巻き取ることによりロール状の金属ドット基板1のフィルムロールを製造することもできる。
[金属ドットの密着性]
本発明の金属ドット基板は、金属ドットの密着性について、以下の様態を満足することが好ましい。すなわち、金属ドット基板の金属ドットが形成された側の表面に平面磨耗試験機を用いて耐磨耗試験を行い、耐磨耗試験前の波長400nmから800nmまで1nm間隔で測定した吸光度を(A)、耐磨耗試験後の波長400nmから800nmまで1nm間隔で測定した吸光度を(B)としたとき、400nmから800nmの全波長において(A/B)の値が全て0.5以上2.0以下であることが好ましい。より好ましくは、0.7以上1.5以下であり、更に好ましくは0.9以上1.1以下である。
ここで(A/B)の値が全て0.5以上2.0以下であるとは、耐摩耗試験の前後で金属ドットが吸収、散乱、反射する光量の変化が小さいことを示し、すなわち金属ドットと基板との密着性が高く、耐摩耗試験による金属ドットの変質が少ないことを意味する。金属ドットと基板との密着性が低い場合に耐摩耗試験を行うと、金属ドットが剥離し吸光度が低下することや、金属ドットが凝集する等の形態変化が起こることによりLSPRの波長吸収特性が変化し、特定の波長の吸光度が増加または低下する場合が考えられる。
(A/B)の値が0.5より小さいか2.0より大きいと、金属ドット含有層の脱落または/および金属ドット含有層の形態の変化が起こりやすくなり、金属ドット基板の取り扱い性が低下して製品としての応用の幅が狭くなる場合や、金属ドット含有層から脱落した成分が生産機ロール等に付着することで生産性が低下する場合がある。(A/B)の値が0.5以上2.0以下であると、金属ドット含有層の脱落または/および金属ドット含有層の形態の変化が起こりにくく、取り扱い性が向上するために製品応用の幅が広がり、生産性も良好である。
耐磨耗試験:平面磨耗試験機を用いて、圧力125g/cm、速度1往復/1秒、ストローク長さ50mm、擦過部として綿布(カナキン3号)を用いる条件で往復20回の擦過を行う。
[表面プラズモン]
本発明の金属ドット基板1は、LSPRを利用したLSPRセンサおよびLSPRセンサ用電極基板に用いることができる。
前記LSPRセンサ等は光の波長程度またはそれ以下の大きさの金属ドットの表面に表面プラズモンを励起することにより、吸収、透過、反射などの光学特性、非線形光学効果、磁気光学効果、表面ラマン散光を制御したり向上させたりすることを利用して検知している。光の波長より金属の寸法が大きい場合は表面プラズモンを励起させることが難しくなる場合がある。
プラズモンは、バルク状の金属中で自由電子ガス・プラズマが集団運動して発生する電荷密度の振動波であり、通常のプラズモンである体積プラズモンは縦波即ち疎密波であるため、光波、すなわち横波である電磁波によっては励起されないが、表面プラズモンはエバネッセント光(近接場光)で励起することができる。これは表面プラズモンがエバネッセント光を伴っており、それと入射したエバネッセント光との相互作用でプラズマ波を励起できるためである。ここで入射光からエバネッセント光を発生させて、表面プラズマ波のエバネッセント光と相互作用させるには、作製方法の容易さから金属を微小化する方法が好ましい。
[金属ドット基板の用途]
本発明の金属ドット基板の製造方法では、金属ドットと基板との密着性の高い金属ドット基板、さらに金属コロイド由来の微細な金属ドットが得られるため、得られた金属ドット基板は電子デバイス部品に好ましく用いられる。例えば、金属ドットを光電変換素子として用いることにより、太陽電池の電極部材として利用することができる。また、微細な金属ドットを、微細配線パターンを印刷する印刷基材として用いることもできる。さらに、金属ドットに特定の酵素と反応するタンパク質やDNA等を結合させる、いわゆるリガンドを修飾することにより、生体分子を検出するバイオセンサを作成することもでき、本発明の金属ドット基板を用いたバイオセンサは、金属ドットと基盤との密着性が高いため洗浄作業が容易となる。
また、本発明の金属ドットの形成方法では、工程上で真空雰囲気を必要とせず、またエネルギーパルス光の照射により、簡便に所望の面積の金属ドット基板を短時間で得られるため、生産コスト面や環境面でも優れており、様々な電子機器や光学機器等に広く用いることができる。
次に実施例を示して、本発明の金属ドットの形成方法について具体的に説明する。
[金属ドット基板の耐磨耗試験]
金属ドット基板の金属ドットが形成された側の表面を、平面磨耗試験機((株)大栄科学精器製作所製「PA−300A」、三連式)を用い、磨耗子としてサイズ20mm×20mmの平坦なアルミニウム製の磨耗子を用い、擦過部と該磨耗子の間に摩擦布としてカナキン3号をはさみ、荷重125g/cm、速度1往復/1秒、ストローク長さ50mm、温度20℃の条件で往復20回の擦過を行った(すなわち、50mm×2=100mmの擦過を1往復とした)。試験サンプルは横50mm、縦100mmの長方形にカットし、治具により固定されたガラス上に、擦過の中心部がサンプルの中央(横25mm、縦50mmの点)になるようにテープで固定して擦過を行った。なお、擦過方向は試験サンプルの縦方向と同じになるよう擦過を行った。
[金属ドット基板の吸光度測定]
分光光度計((株)島津製作所「UV−3150」)を用いて、耐磨耗試験前後で金属ドット基板の金属ドットが形成された側から光を入射させて、400nmから800nmまで1nm間隔で吸光度を測定した。前記平面磨耗試験を行う前の吸光度を(A)、耐磨耗試験を行った後の吸光度を(B)とするが、ここでいう吸光度とは、基板の吸光度を差し引いて計算したものとした。すなわち、(A)=(耐摩耗試験前の実測吸光度)−(基板吸光度)、(B)=(耐摩耗試験後の実測吸光度)−(基板吸光度)とした。基板吸光度は金属ドット含有層を形成する前の基板を、金属ドット分散液を塗布する側から光を入射させて吸光度を測定した。また、入射光の中心部および前記耐磨耗試験における擦過の中心部を一致させて吸光度を測定した。
400nmから800nmまで1nm間隔で測定した値(A/B)の内、最大と最小の値を表2に示した。また、実施例3および比較例1で作製した金属ドット基板1に対して、耐磨耗試験前後で測定した吸光度のスペクトルを図10aおよび図10bに示す。
[金属ドットが島状に複数存在しているか否かの判定]
電界放出型走査電子顕微鏡(日本電子(株)「JSM−6700F」)を用い、金属ドット基板表面を1μm×1μmの面積が入るように倍率5万倍にて垂直方向から二次電子像を撮影した。その撮影画像をSPM画像解析用ソフトウェア(Image Metorology A/S社製SPIPTM)のGRAIN解析を実施し、金属ドットの数が100以上であるものを◎、20以上100未満のものを○、20未満のものを×として、20以上の場合に金属ドットが島状に複数存在していると判定した。なお、1枚の撮影画像の枠外に一部切れている金属ドットについては前記金属ドットには含めなかった。
(実施例1〜3)
基板として厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETという)(“ルミラー”(登録商標)、タイプT60、東レ(株)製)を用意した。次いで、Auコロイド溶液(田中貴金属(株)製「Au PVP」を溶媒で希釈したものを使用した。Au質量濃度:2.0質量%、Au平均粒子直径8.7nm、保護剤:ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン質量濃度:5.0質量%、溶媒:水と2−プロパノールの混合物(混合質量比1:1))をワイヤーバー#3を用いて基板の上に塗布し、熱風オーブンを用いて110℃で1分間乾燥させてAuコロイド塗布層を形成した。次に、Auコロイド塗布層側から50mm×100mmの範囲に、エネルギーパルス光照射装置(PF−1200、NovaCentrix社製)を用いて、450Vの電圧をコンデンサーに蓄えたのち、トリガーに高電圧を印加し、Auコロイド塗布層側にエネルギーパルス光をそれぞれ2,000マイクロ秒、3,000マイクロ秒、4,000マイクロ秒間の照射を一回行ない3種類のサンプルを作製した。エネルギーメーターを用いて照射エネルギーの測定を行なったところ、それぞれ7.9J/cm、9.9J/cm、11.3J/cmであった。
(実施例4)
基板として厚さ188μmのPET(“ルミラー”(登録商標)、タイプU40、東レ(株)製)を用意した。次いで、Agコロイド溶液(和光(株)「ナノ銀分散液」を溶媒で希釈したものを使用した。Ag質量濃度:0.1質量%、Ag平均粒子直径20nm、保護剤:ポリエチレンイミド、ポリエチレンイミド質量濃度:8.0質量%、溶媒:水と2−プロパノールの混合物(混合質量比1:1))を用意し、ワイヤーバー#10を用いて基板の上に塗布し、熱風オーブンを用いて110℃で1分間乾燥させてAgコロイド塗布層を形成した。次に、Agコロイド塗布層側から75mm×100mmの範囲に、エネルギーパルス光照射装置(PF−1200、NovaCentrix社製)を用いて、350Vの電圧をコンデンサーに蓄えたのち、トリガーに高電圧を印加し、Agコロイド塗布層側にエネルギーパルス光をそれぞれ1,000マイクロ秒間の照射を5回、5Hzの速度で行なった。エネルギーメーターを用いて照射エネルギーの測定を行なったところ、5回の照射で合計24.9J/cmであった。
(実施例5)
基板として100μmのシクロオレフィンコポリマーフィルム(以下、COPという)(“ゼオノア”(登録商標)、タイプZF16、日本ゼオン(株)製)を用意した。次いで、Ptコロイド溶液(田中貴金属(株)製「Pt PAA」を溶媒で希釈したものを使用した。Pt質量濃度:1.0質量%、Pt平均粒子直径2.2nm、保護剤:ポリアクリル酸、ポリアクリル酸質量濃度:4.0質量%、溶媒:水と2−プロパノールの混合物(混合質量比1:1))をワイヤーバー#3を用いて基板の上に塗布し、熱風オーブンを用いて110℃で1分間乾燥させてPtコロイド塗布層を形成した。Pt薄膜層側と反対側(基板側)から30mm×50mmの範囲に、エネルギーパルス光を、キセノンガスランプLH−910(Xenon製)を用いて、2,500Vの電圧をコンデンサーに蓄えたのち、トリガーに高電圧を印加し、エネルギーパルス光を、100マイクロ秒で1回の照射を行なった。このときの照射エネルギーの測定を行なったところ、3.8J/cmであった。
(実施例6)
基板として100mm×100mmの大きさ、厚さ0.8mmの石英ガラス(旭硝子(株)製)を用意した。次いで、Auコロイド溶液(田中貴金属(株)製「Au PVP」を溶媒で希釈したものを使用した。Au質量濃度:2.0質量%、Au平均粒子直径8.7nm、保護剤:ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン質量濃度:5.0質量%、溶媒:水と2−プロパノールの混合物(混合質量比1:1))を用意し、スピンコーター(ミカサ(株)「1H−D7」)を用いて基板に0.5mlの該Auコロイド溶液を滴下し、3,000rpm、30秒の条件で基板の上に塗布し、熱風オーブンを用いて110℃で1分間乾燥させてAuコロイド塗布層を形成した。次に、Auコロイド塗布層側から50mm×100mmの範囲に、エネルギーパルス光照射装置(PF−1200、NovaCentrix社製)を用いて、450Vの電圧をコンデンサーに蓄えたのち、トリガーに高電圧を印加し、Auコロイド塗布層側にエネルギーパルス光を5,000マイクロ秒間の照射を5秒間隔で5回行なった。エネルギーメーターを用いて照射エネルギーの測定を行なったところ、60.2J/cmであった。
(実施例7)
基板として、厚さ100μmのPET(“ルミラー”(登録商標)、タイプT60、東レ(株)製)を用意した。次いでITOをスパッタリングし、表面抵抗値が300Ω/□の導電層32を形成した。さらに、酸化チタンゾル溶液(石原産業(株)製、タイプSLS−21、粒子径20nm)を、スピンコーターを用いて塗布し、100℃で30分間の乾燥処理を行なった。続いて、Auコロイド溶液(田中貴金属(株)製「Au PVP」を溶媒で希釈したものを使用した。Au質量濃度:2.0質量%、Au平均粒子直径8.7nm、保護剤:ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン質量濃度:5.0質量%、溶媒:水と2−プロパノールの混合物(混合質量比1:1))を用意し、スピンコーター(ミカサ(株)「1H−D7」)を用いて基板に0.5mlの該Auコロイド溶液を滴下し、3,000rpm、30秒の条件で基板の上に塗布し、熱風オーブンを用いて110℃で1分間乾燥させてAuコロイド塗布層を形成した。次に、Auコロイド塗布層側から50mm×100mmの範囲に、エネルギーパルス光照射装置(PF−1200、NovaCentrix社製)を用いて、450Vの電圧をコンデンサーに蓄えたのち、トリガーに高電圧を印加し、Auコロイド塗布層側にエネルギーパルス光を5,000マイクロ秒間の照射を一回行なった。エネルギーメーターを用いて照射エネルギーの測定を行なったところ、12.3J/cmであった。
次いで、作製した金属ドット基板1と、スペーサのベース基板711の両面にスペーサの粘着層712、および中心部に円形抜き加工し、液体注入スペース73を有する厚さ140μmのスペーサ71、対極のベース基板711の片面に対極の金属層721を配した対極72を用いてセルを作成した。次いで、スペーサ71の液体注スペース73に、硫酸鉄7水和物を0.1M、硫酸鉄(III)n水和物(n=6〜9)を0.025M、硫酸ナトリウム1.0Mを含む電解液を注入し、光電変換測定セル7を作成した。(図9a,図9b)。なお、スペーサのベース基板711、および対極のベース基板722として厚さ100μmのポリエステルフィルムを用い、対極の金属層721としてスパッタリング法により作製した厚さ10nmのPt金属層を用いた。
続いて、金属ドット基板1の導電層32と対極の金属層721からリード線を取り出し、電流計8を接続した。
さらに、光電変換測定セル7の金属積層基板側から光源9(英弘精機(株)製、SS−200XIL、2,500Wキセノンランプ、放射照度100mW/cm)より光を照射したところ、耐磨耗試験前は110μA/cm、耐磨耗試験後は108μA/cmの電流値が測定された。
(比較例1)
実施例1〜3と同様にサンプルを作製したが、エネルギーパルス光照射装置によるエネルギーパルス光の照射を行っていないサンプルを用意した。
(比較例2)
実施例4と同様にサンプルを作製したが、エネルギーパルス光照射装置によるエネルギーパルス光の照射を行っていないサンプルを用意した。
(比較例3)
実施例5と同様にサンプルを作製したが、エネルギーパルス光照射装置によるエネルギーパルス光の照射を行っていないサンプルを用意した。
(比較例4)
実施例6と同様にAuコロイド塗布層を形成したが、エネルギーパルス光照射装置によるエネルギーパルス光の照射を行わず、500℃の電気炉で30分間焼成を行うことで金属ドットを形成させたサンプルを用意した。
(比較例5〜6)
基板として100mm×100mmの大きさ、厚さ0.8mmの石英ガラス(旭硝子(株)製)を用意した。次いで、99.999質量%金(Au)をターゲットとし、スパッタリング装置IB−3((株)エイコー・エンジニアリング製)を用いてそれぞれ膜厚さ3nmと10nmのAu薄膜層が形成された基板を2種類作製した。次に、Au薄膜層が形成されたそれぞれの基板を500℃の電気炉で30分間焼成を行い、金属薄膜層の自己組織化によりAuドットを作製した。
(比較例7)
実施例7と同様にAuコロイド塗布層を形成したが、エネルギーパルス光照射装置によるエネルギーパルス光の照射を行わず、実施例7と同様に光電変換セル7を用いて電流値を測定したところ、耐磨耗試験前後ともに電流値は0.001μA/cm以下であった。実施例7と比較して電流値が大幅に低い原因は、エネルギーパルス光による焼成がなかったため、Auコロイド塗布層中にバインダーが多く残っており、Au微粒子と基板表層の酸化チタンが接触しておらず、プラズモンエネルギーを電気エネルギーに変換できなかったことと考えられる。
本発明の金属ドットの形成方法により得られる金属ドット基板は、光電子デバイス、発光素材、太陽電池の素材、バイオセンサ等の電子デバイス部品に好適に用いることができる。
本発明の金属ドット基板の代表的な構成を示す断面図である。 本発明の金属ドット基板で、基板の構成に導電層および半導体層を組み込んだ代表的な構成を示す断面図である。 本発明の金属コロイド基板の代表的な構成を示す断面図である。 本発明の金属コロイド基板にエネルギーパルス光を照射する図である。 本発明に用いるキセノンフラッシュランプより照射されるエネルギーパルス光のスペクトルの一例である。 本発明に用いるキセノンフラッシュランプより照射されるエネルギーパルス光のスペクトルの一例である。 本発明の実施例3における金属ドット基板の電界放出型電子顕微鏡の画像である。 本発明におけるロールツーロールで金属ドット基板を製造する工程の簡略図である。 本発明の実施例7および比較例8における金属ドット基板を用いた光電変換測定セルを示す図である。 本発明の実施例3および比較例1における金属ドット基板の耐磨耗試験前後の吸光度スペクトルである。
1:金属ドット基板
11:金属コロイド基板
2:金属ドット
21:金属コロイド
22:単体の金属ドット
23:2連状物の金属ドット
3:基板
31:ベース基板
32:導電層
33:半導体層
41:金属コロイド含有層
5:バインダー
6:エネルギーパルス光照射装置
61:エネルギーパルス光
7:光電変換測定セル
71:スペーサ
711:スペーサのベース基板
712:スペーサの粘着層
72:対極
721:対極の金属層
722:対極のベース基板
73:液体注入スペース
8:電流計
9:光源


























Claims (6)

  1. 基板上に、金属が含まれる金属ドットが島状に複数存在している金属ドット基板であって、該金属ドット基板に対して以下の条件で耐磨耗試験を行い、耐磨耗試験前の波長400nmから800nmまで1nm間隔で測定した吸光度を(A)、耐磨耗試験後の波長400nmから800nmまで1nm間隔で測定した吸光度を(B)としたとき、400nmから800nmの全波長において(A/B)の値が全て0.5以上2.0以下であることを特徴とする金属ドット基板。
    耐磨耗試験:平面磨耗試験機を用いて、圧力125g/cm、速度1往復/1秒、ストローク長さ50mm、擦過部として綿布を用いる条件で往復20回の擦過を行う。
  2. 前記基板が少なくともプラスチックフィルムを含むことを特徴とする請求項1に記載の金属ドット基板。
  3. 前記プラスチックフィルムがポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項2に記載の金属ドット基板。
  4. 前記金属ドットに含まれる金属がAg、Au、Cu、In、Ni、PdおよびPtからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属ドット基板。
  5. 前記金属ドット基板がバインダーを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属ドット基板。
  6. 前記基板上に金属コロイドを含む溶液を塗布することにより金属コロイド含有層を形成する工程と、該金属コロイド含有層が形成された基板にエネルギーパルス光を照射する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属ドット基板の製造方法。




















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