JP2015180616A - N−スルフォニルインドール誘導体化合物およびその用途 - Google Patents

N−スルフォニルインドール誘導体化合物およびその用途 Download PDF

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孝宏 阿部
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孝宏 阿部
嘉徳 川添
Yoshinori Kawazoe
嘉徳 川添
多恵子 渡部
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多恵子 渡部
佑太郎 鈴木
Yutaro Suzuki
佑太郎 鈴木
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Abstract

【課題】癌治療および高血圧治療に有効なN−スルフォニルインドール誘導体化合物の提供。【解決手段】式(1)で表されるN−スルフォニルインドール誘導体化合物。(式中、R1はアリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基であり、R2はSi(R5)(R6)(R7)、C1〜C6のアルキル基またはアセチル基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、薬理活性を有する新規N−スルフォニルインドール誘導体化合物および上記N−スルフォニルインドール誘導体化合物を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
従来より、全世界的な疾患である癌に対しては、化学療法、外科的療法、放射線療法等の様々な治療法が適用されてきているが、抗癌剤を用いる化学療法は外科的療法や放射線療法とともに癌の治療法として重要な位置を占め、種々の抗癌剤が提供されている。がん治療のための化学療法に用いられる抗癌剤の有効成分としての新規医薬分子の開発は世界中で鋭意行われている。しかしながら、これまでの抗癌剤は必ずしも満足のいくものではなく、治療成績の点や重篤な副作用の点で問題が残っているばかりか多剤耐性の問題などもあるため、より優れた抗癌剤の出現が求められている。これまでにない新規な構造を有する化合物は新たな作用機構を示し、より有効で、より副作用の少ない薬剤となる可能性が高い。またその作用機構により、抗癌剤以外の医薬としての効果も期待できるものである。
高血圧症は代表的な生活習慣病であり、その患者数は年々増加している。高血圧症は脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、腎硬化症等種々の合併症を引き起こすことが知られており、高血圧症の発症メカニズムについて様々な研究が行われてきている。
血圧の調節系として、昇圧に関与するレニン・アンジオテンシン系と降圧に関与するカリクレイン・キニン系が重要な役割を果たしている。レニン・アンジオテンシン系では肝臓から分泌されるアンジオシノーゲンが腎臓で生産されるレニンによってアンジオテンシンIとなり、更にアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンIIに変換される。このアンジオテンシンIIは血管平滑筋を収縮させ、血圧を上昇させる。一方、降圧系のカリクレインはキニノーゲンに作用してブラジキニンを産生する。このブラジキニンには血管を拡張して血圧を下げる効果があるが、ACEにはこのブラジキニンを分解してしまう作用がある。このように、ACEは昇圧ペプチドであるアンジオテンシンIIの産生と降圧ペプチドであるブラジキニンの不活化という二つの作用によって血圧の上昇に関与していることが知られている。従って、このACEの酵素活性を抑制することにより血圧の上昇を抑制することが可能となる。このACE阻害活性物質として開発されたプロリン誘導体であるカプトプリルやエナラプリル等は高血圧症の治療に広く用いられている。
インドール誘導体化合物の中でも、N−スルフォニルインドール誘導体化合物はこれまでにもさまざまな薬理効果を示すものが見出されている。
特許文献1には、新規なN−スルフォニルインドール誘導体化合物またはその医薬として許容しうる塩が記載されるとともに、この化合物またはその医薬として許容しうる塩がテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用などの薬理活性を有することから、それらを含有してなる、人または動物における脱毛症、アクネ、前立腺症などのテストステロン5α−レダクターゼ介在性疾患の治療ないし予防に有用な医薬組成物が記載されている。
特許文献2には、新規なN−スルフォニルインドール誘導体化合物およびこれらの薬剤学的に認容性の塩または生体内で加水分解できるエステルが記載されるとともに、この化合物およびその薬剤学的に認容性の塩または生体内で加水分解できるエステルが単球化学誘引性タンパク質―1(MCP−1)に対する阻害活性を有することから、リュウマチ様関節炎、歯槽炎、喘息を含む炎症性疾患などの単球化学誘引性タンパク質―1により媒介される疾患治療への有効性が期待されていることが記載されている。
特許文献3には、新規な薬理活性を有するN−スルフォニルインドール誘導体化合物および薬学的に許容される塩が記載されるとともに、この化合物および薬学的に許容される塩が17βHSDtype5選択的阻害活性を有することから、17βHSDtype5選択的阻害活性を有する医薬、特に前立腺肥大症並びに前立腺癌治療剤として有用であることが記載されている。
非特許文献1には、新規なN−アリルスルフォニルインドール誘導体化合物の合成とインビトロでの抗真菌活性が記載されている。
非特許文献2、3には、コンピューターで設計したN−置換のインドール誘導体、ピロール誘導体、トリアリルピラゾール誘導体のフルクトースー1,6−ビスフォスファターゼ阻害活性を調べることで、高い阻害活性を示したインドール誘導体はタイプIIの糖尿病の治療薬として有用であることが記載されている。
上記のとおり、インドール誘導体化合物の中には、特定の作用機構に基づいて、特定の癌に対する有効性を見出されたものはあるが、より広範な抗癌作用を示すN−スルフォニルインドール誘導体化合物は見出されていない。また、ACE阻害作用を示すN−スルフォニルインドール誘導体化合物は見出されていない。
特表平5−506010号公報 特表2001−512716号公報 特許第5093096号公報
V.Bojinov,R.Batchvarova,Biotechnol.& Biotechnol. Eq.10/1996/I 27−31pp Aleksandra Rundnitskaya,Dmitry A.Borkin,Ken Huynh,Bela Torok,Kimberly Stieglitz ChemMedChem 2010,5,384−389 Aleksandra Rundnitskaya,Ken Huynh,Bela Torok,Kimberly Stieglitz J.Med.Chem.2009,52,878−882
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、新規N−スルフォニルインドール誘導体化合物を提供するとともに、これを有効成分として含有する医薬組成物、特に癌治療又は高血圧治療に有効な医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ね、本発明に想到したものであり、特定の置換基が置換した新規N−スルフォニルインドール誘導体化合物を合成し、このN−スルフォニルインドール誘導体化合物がマウス由来B16メラノーマ細胞およびヒト由来前立腺癌細胞(LNCaP−FGC及びPC−3)に対して強い細胞増殖阻害活性を有することから抗癌剤、特に抗前立腺癌剤として有用であることを見出して、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、前記N−スルフォニルインドール誘導体化合物がACE阻害活性を有することから抗高血圧剤として有用であることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の式(1)で表される新規N−スルフォニルインドール誘導体化合物に関する。
Figure 2015180616
(式(1)中、
は置換していてもよいアリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基であり、
はS(R)(R)(R)、置換していてもよいC〜Cのアルキル基またはアセチル基であり、
およびRは、RがSi(R)(R)(R)またはアセチル基である場合には隣接する炭素原子間結合としての二重結合であり、またRが置換していてもよいC〜Cのアルキル基である場合にはエポキシ基であり、
、RおよびRは、独立して同じまたは異なっていてもよく、置換していてもよいアルキル基、アルケニル基またはアリール基である。)
本発明は、式(1)中、Rが置換していてもよいアリール基である化合物に関する。また、本発明は該アリール基がフェニル基である化合物に関する。さらに、本発明は該アリール基がフッ素原子で置換されたフェニル基である化合物に関する。
本発明は、式(1)中、RがS(R)(R)(R)である化合物に関する。
本発明は、式(1)中、Rが置換していてもよいC〜Cのアルキル基である化合物に関する。
本発明は、式(1)中、Rがアセチル基である化合物に関する。
本発明は、式(1)中、R、RおよびRが、独立して同じまたは異なっていてもよく、置換していてもよいアルキル基である化合物に関する。さらに、本発明は該アルキル基がメチル基である化合物またはエチル基である化合物に関する。
本発明は、式(1)中、R、RおよびRのいずれか一つまたは二つが置換していてもよいアルケニル基である化合物に関する。さらに、本発明は該アルケニル基が2−プロペニル基である化合物に関する。
本発明は、式(1)中、R、RおよびRのいずれか一つまたは二つが置換していてもよいアリール基である化合物に関する。さらに、本発明は該アリール基がフェニル基である化合物に関する。
本発明は、化合物が下記の化合物から選ばれる化合物に関する。
1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリメチルシリル)−1H−インドール
1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリエチルシリル)−1H−インドール
2−(t−ブチルジフェニルシリル)−1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール
1,2−ビス((1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)エタン
1,3−ビス(2−(ジメチル(1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
1−(フェニルスルフォニル)−2−アセチル―1H−インドール
2−エチル―2,3−エポキシ−1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール
8−((2−ジメチル(2―プロペニル)シリル−1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリン
(E)−4−((1−((2−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド
(E)−4−(ジメチル(1−(キノリン−8−イルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド
本発明は、式(1)で表されるN−スルフォニルインドール誘導体化合物を有効成分として含有する医薬組成物に関する。本発明は、該医薬組成物が抗癌剤組成物、特に抗前立腺癌剤組成物であることを特徴とする医薬組成物に関する。さらに、本発明は、該医薬組成物が抗高血圧組成物であることを特徴とする医薬組成物に関する。
本発明によれば、マウス由来B16メラノーマ細胞およびヒト由来前立腺癌細胞(LNCaP−FGC及びPC−3)に対して強い細胞増殖阻害活性を有し、ならびにACE阻害活性を有する式(1)で表される新規N−スルフォニルインドール誘導体化合物を提供することができる。また、本発明によれば、マウス由来B16メラノーマ細胞およびヒト由来前立腺癌細胞(LNCaP−FGC及びPC−3)に対して強い細胞増殖阻害活性を有し、ならびにACE阻害活性を有する式(1)で表されるN−スルフォニルインドール誘導体化合物を含有する医薬組成物を提供することができる。さらに、式(1)で表されるN−スルフォニルインドール誘導体化合物を含有する抗癌剤ならびに抗高血圧剤組成物を提供することができる。
本発明に係る化合物1のNMRを示す図である。 本発明の係る化合物2のNMRを示す図である。 本発明の係る化合物3のNMRを示す図である。 本発明の係る化合物4のNMRを示す図である。 本発明の係る化合物5のNMRを示す図である。 本発明の係る化合物6のNMRを示す図である。 本発明の係る化合物7のNMRを示す図である。 本発明に係る化合物8のNMRを示す図である。 本発明に係る化合物9のNMRを示す図である。 本発明に係る化合物10のNMRを示す図である。 本発明に係る化合物9及び化合物10のACE阻害活性測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
以下、式(1)で表されるN−スルフォニルインドール誘導体化合物について詳述する。
Figure 2015180616
(式(1)中、
は置換していてもよいアリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基であり、
はSi(R)(R)(R)、置換していてもよいC〜Cのアルキル基またはアセチル基であり、
およびRは、RがSi(R)(R)(R)またはアセチル基である場合には隣接する炭素原子間結合としての二重結合であり、またRが置換していてもよいC〜Cのアルキル基である場合にはエポキシ基であり、
、RおよびRは、独立して同じまたは異なっていてもよく、置換していてもよいアルキル基、アルケニル基またはアリール基である。)
前記式(1)におけるRは、アリール基としてはフェニル基またはナフチル基が好ましく、特にフェニル基が好ましく、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が好ましく、ヘテロアリール基としては窒素原子を含有するヘテロアリール基が好ましく、特にピリジル基またはキノリル基が好ましい。
前記アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は置換されていてもよい。置換基としては、創薬化学で汎用される基であれば特に制限がなく、例えば、フッ素原子などのハロゲン原子が好ましく用いられる。
前記式(1)におけるRは、Si(R)(R)(R)、置換していてもよいC〜Cのアルキル基またはアセチル基であって、置換していてもよいC〜Cのアルキル基としてはメチル基またはエチル基が好ましい。
前記式(1)におけるRがSi(R)(R)(R)である場合、R、RまたはRは置換していてもよいアルキル基、アルケニル基またはアリール基であって、それぞれ独立して、アルキル基としては直鎖状アルキル基または分枝状アルキル基のいずれでもよく、直鎖状アルキル基としては特にメチル基、エチル基が好ましく、分枝状アルキル基としては特に三級ブチル基が好ましく、アルケニル基としては直鎖状アルケニル基または分枝状アルケニル基のいずれでもよく、特に2−プロペニル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基が好ましい。
前記式(1)におけるR、RまたはRが置換していてもよいアルキル基、アルケニル基またはアリール基である場合またはRが置換していてもよいC〜Cのアルキル基である場合、これらの置換基としては特に限定されるものではないが、前記式(1)で表されるN−スルフォニルインドール誘導体化合物自体が置換基である場合および前記式(1)で表されるN−スルフォニルインドール誘導体化合物が酸素原子を介して結合する置換基である場合を含むものである。これらの置換基としては、例えば、ヒドロキサム酸基、カルボン酸エステル基、カルボキシル基が挙げられる。
本発明のN−スルフォニルインドール誘導体化合物は、マウス由来B16メラノーマ細胞およびヒト由来前立腺癌細胞(LNCaP−FGC及びPC−3)に対して強い細胞増殖阻害活性を有することから、本発明のN−スルフォニルインドール誘導体化合物を含有する医薬組成物は抗癌剤、特に抗前立腺癌剤として好適に使用することができる。
本発明のN−スルフォニルインドール誘導体化合物は、ACE阻害作用を有することから、本発明のN−スルフォニルインドール誘導体化合物を含有する医薬組成物は抗高血圧剤として好適に使用することができる。
以下、式(1)で表されるN−スルフォニルインドール誘導体化合物を含有する医薬組成物について詳述する。
本発明のN−スルフォニルインドール誘導体化合物は治療のために経口的あるいは非経口的に投与することができる。経口投与剤としては、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤などの固形製剤あるいはシロップ剤、エリキシル剤などの液状製剤とすることができる。また、非経口投与剤として注射剤、直腸投与剤、皮膚外用剤、吸入剤とすることができる。これらの製剤は有効成分に薬学的に認容である製造助剤を加えることにより常法に従って製造される。更に公知の技術により持続性製剤とすることも可能である。
経口投与用の固形製剤を製造するには、有効成分と賦形剤例えば乳糖、デンプン、結晶セルロース、乳糖カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸などとを混合して散剤とするか、さらに必要に応じて白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤などを加えて湿式又は乾式造粒して顆粒剤とする。錠剤を製造するにはこれらの散剤及び顆粒剤をそのままあるいはステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤を加えて打錠すればよい。これらの顆粒又は錠剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタアクリル酸、メタアクリル酸メチルコポリマーなどの腸溶性基剤で被覆して腸溶性製剤、あるいはエチルセルロース、カルナウバロウ、硬化油などで被覆して持続性製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造するには散剤又は顆粒剤を硬カプセルに充填するか、有効成分をグリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油などに溶解したのちゼラチン膜で被覆し軟カプセル剤とすることができる。
経口投与用の液状製剤を製造するには、有効成分と白糖、ソルビトール、グリセリンなどの甘味剤とを水に溶解して透明なシロップ剤、更に精油、エタノールなどを加えてエリキシル剤とするか、アラビアゴム、トラガント、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを加えて乳剤又は懸濁剤としてもよい。これらの液状製剤には所望により矯味剤、着色剤、保存剤などを加えてもよい。
注射剤を製造するには、有効成分を必要に応じ塩酸、水酸化ナトリウム、乳糖、乳酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどのpH調整剤、塩化ナトリウム、ブドウ糖などの等張化剤とともに注射用蒸留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填するか、更にマンニトール、デキストリン、シクロデキストリン、ゼラチンなどを加えて真空下凍結乾燥し、用時溶解型の注射剤としてもよい。また、有効成分にレシチン、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを加えて水中で乳化せしめ注射用乳剤とすることもできる。
直腸投与剤を製造するには、有効成分及びカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジ及びモノグリセリド、ポリエチレングリコールなどの坐剤用基剤とを加湿して溶融し型に流しこんで冷却するか、有効成分をポリエチレングリコール、大豆油などに溶解したのちゼラチン膜で被覆すればよい。
皮膚外用剤を製造するには、有効成分を白色ワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレングリコールなどに加えて必要ならば加湿して練合し軟膏剤とするか、ロジン、アクリル酸アルキルエステル重合体などの粘着剤と練合したのちポリエチレンなどの不織布に展延してテープ剤とする。
吸入剤を製造するには、有効成分をフロンガスなどの噴射剤に溶解又は分散して耐圧容器に充填しエアゾール剤とする。
上記構成を有する本発明の薬剤は、公知の製造法、例えば日本薬局方第10版製剤総則記載の方法ないし適当な改良を加えた方法によって製造することができる。
本発明の有効成分の投与量は患者の年齢、体重及び病態によって異なるが、通常1日約1mg〜1000mgであり、1乃至数回に分けて投与することが望ましい。
以下、実施例として、製造例および試験例を挙げて本発明の実施の態様をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、実施例としての製造例および試験例に何ら限定されるものではない。
製造例1:化合物1(1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリメチルシリル)−1H−インドール)の合成
(1)1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドールの合成
200mL容の三口フラスコに、インドール(2.12g、18.1mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン20mLを加えて溶解した。これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.928g、38.7mmol)を加え、0℃に冷却し、15分間撹拌した。その後、ベンゼンスルホニルクロライド(2.90mL、22.7mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、酢酸エチル40mLで3回抽出した。抽出液を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をn−ヘキサン/酢酸エチル=8/1で洗浄して不純物を除去し、1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール(分子式:C1411NOS(mw257.31))3.82gを白色固体として得た(回収率87.0%)。
(2)化合物1(1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリメチルシリル)−1H−インドール)の合成
200mL容の三口フラスコにジイソプロピルアミン(1.19mL、8.55mmol)とn−ブチルリチウム(1.64M ヘキサン中、4.76mL、7.77mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン20mLで溶解し、−78℃で30分間撹拌した。上記(1)で得られた1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール(2.08g、8.07mmol)を無水テトラヒドロフラン30mLに溶解し、その溶液を上記フラスコに滴下し30分間撹拌、その後さらにトリメチルシリルクロライド(1.30mL、10.1mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。反応溶液に蒸留水を加え、ジクロロメタンで2回抽出した。抽出液を合わせて蒸留水で2回、塩化ナトリウム飽和水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製して下記式(2)で示される1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリメチルシリル)−1H−インドール(分子式:C1719NOSSi(mw329.49))2.07gを無色油状物として得た(回収率81.0%)。得られた化合物については、NMRにより確認した。(図1)
Figure 2015180616
製造例2:化合物2(1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリエチルシリル)−1H−インドール)の合成
100mL容の三口フラスコにジイソプロピルアミン(0.74mL、5.56mmol)とn−ブチルリチウム(1.64M ヘキサン中、2.50mL、4.05mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLで溶解し、−78℃で30分間撹拌した。その後、上記製造例1(1)で得られた1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール(1.00g、3.90mmol)を無水テトラヒドロフラン20mLに溶解し、その溶液を上記フラスコに滴下し30分間撹拌し、その後さらにトリエチルシリルクロライド(0.85mL、5.05mmol)を加えて室温で一夜撹拌した。反応溶液に蒸留水を加え、ジクロロメタンで2回抽出した。抽出液を合わせて蒸留水で2回、塩化ナトリウム飽和水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製して下記式(3)で示される1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリエチルシリル)−1H−インドール(分子式:C2025NOSSi(mw371.14))1.10gを淡黄色油状物として得た(回収率75.7%)。得られた化合物についてはNMRにより確認した。(図2)
Figure 2015180616
製造例3:化合物3(2−(t−ブチルジフェニルシリル)−1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール)の合成
100mL容の三口フラスコにジイソプロピルアミン(0.74mL、5.56mmol)とn−ブチルリチウム(1.64M ヘキサン中、2.60mL、4.26mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLで溶解し、−78℃で30分間撹拌した。その後、上記製造例1(1)で得られた1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール(1.00g、3.90mmol)を無水テトラヒドロフラン20mLに溶解し、その溶液を上記フラスコに滴下し30分撹拌、その後さらにtert−ブチルジフェニルシリルクロライド(1.3mL、5.06mmol)を加えて室温で一夜撹拌した。反応溶液に蒸留水を加え、ジクロロメタンで2回抽出した。抽出液を合わせて蒸留水で2回、塩化ナトリウム飽和水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)により精製して下記式(4)で示される2−(t−ブチルジフェニルシリル)−1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール(分子式:C3029NOSSi(mw495.71))1.37gを黄褐色油状物として得た(回収率71.1%)。得られた化合物についてはNMRにより確認した。(図3)
Figure 2015180616
製造例4:化合物4(1,2−ビス((1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)エタン)および化合物5(1,3−ビス(2−(ジメチル(1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)の合成
200mL容三口ナスフラスコの系内をアルゴン雰囲気下とした後、ジイソプロピルアミン(0.60mL、4.27mmol)とノルマルブチルリチウム(1.64Mヘキサン中、2.74mL、3.89mmol)を加え、無水テトラヒドロフラン20mLで溶解し、−78℃で30分間撹拌した。その後、上記製造例1(1)で得られた1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール(1.00g、3.66mmol)を無水テトラヒドロフラン30mLに溶解し、その溶液を混合液に滴下し30分間撹拌、その後さらに1,2−ビス(クロロジメチルシリル)エタン(1.53g、7.11mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、ジクロロメタンで2回抽出した。抽出液を合わせて水で2回、塩化ナトリウム飽和水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルTLC(展開溶媒:ジクロロメタン)で処理し、下方の2つのスポットの内、上部(Rfがおよそ0.4)を掻き取り、下記式(5)で示される1,2−ビス((1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)エタン(分子式:C3436Si(mw656.96))49.7mgを白色固体として得た(回収率2.07%)。また、下部(Rf がおよそ0.2)を掻き取り、下記式(6)で示される1,3−ビス(2−(ジメチル(1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(分子式:C4052Si(mw817.32))172mgを淡黄色オイルとして得た(回収率5.74%)。得られた化合物についてはNMRにより確認した。(図4、5)
Figure 2015180616
Figure 2015180616
製造例5:化合物6(1−(フェニルスルフォニル)−2−アセチル―1H−インドール)の合成
100mL容の三口フラスコに塩化アルミニウム(0.971g、7.28mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とし、無水ジクロロメタン10mLに溶解した後、無水酢酸(0.340mL、3.63mmol)を加え、15分間撹拌した。その後、上記製造例1で得られた化合物1である1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリメチルシリル)−1H−インドール(0.426g、1.29mmol)を無水ジクロロメタン15mLに溶解し、その溶液を上記フラスコに滴下し1時間撹拌した。砕いた氷を加え、水層をジクロロメタンで2回抽出した。抽出液を合わせて、塩化ナトリウム飽和水溶液で2回、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で2回洗浄し、さらにもう1度塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製して下記式(7)で示される1−(フェニルスルフォニル)−2−アセチル―1H−インドール(分子式:C1615NOS(mw301.36))0.235gを黄褐色固体として得た(回収率65.0%)。得られた化合物はNMRで確認した。(図6)
Figure 2015180616
製造例6:化合物7(2−エチル―2,3−エポキシ−1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール)の合成
100mL容の三口フラスコに塩化アルミニウム(0.366g、2.74mmol)とボラン‐tert−ブチルアミン錯体(0.288g、3.30mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とし、無水ジクロロメタン15mLに溶解した後、上記製造例1で得られた化合物1である1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリメチルシリル)−1H−インドール(0.235g、0.790mmol)を無水ジクロロメタン15mLに溶解して加え、21時間撹拌した。砕いた氷を加え、水層を水酸化ナトリウム水溶液(1M、2.37mL)で塩基性として、ジクロロメタンで2回抽出した。抽出液を合わせて、塩化ナトリウム飽和水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製して下記式(8)で示される2−エチル―2,3−エポキシ−1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール(分子式:C1615NOS(mw285.36))0.130gを黄褐色固体として得た(回収率57.0%)。得られた化合物はNMRで確認した。(図7)
Figure 2015180616
製造例7:化合物8(8−((2−ジメチル(2―プロペニル)シリル−1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリン)の合成
(1)8−((1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリンの合成
100mL容の三つ口フラスコに、インドール(1.01g、8.62mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLを加えて溶解し、5分間撹拌した。その後0℃に冷却し、これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.444g、11.0mmol)と無水テトラヒドロフラン10mLを順次加え、10分間撹拌した。その後、キノリン―8−スルフォニルクロライド(1.94mL、 8.52mmol)と無水テトラヒドロフラン5mLを順次加えて、室温で2.5時間撹拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、酢酸エチル40mLで3回抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物中の不純物をn−ヘキサン/酢酸エチル=8/1により超音波抽出して除去し、残った固体を真空乾燥させて、8−(1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリン(分子式:C1712S(mw308.35))2.15gを白色固体として得た(回収率80.5%)。
(2)8−((2−ジメチル(2―プロペニル)シリル−1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリンの合成
下記式(9)で示される8−((2−ジメチル(2―プロペニル)シリル−1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリン(分子式:C2222SSi(mw406.58))は、上記(1)で得られた8−((1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリンとジメチル(2―プロペニル)シリルクロライドとを用いて、上記製造例1(2)と同様の手順により合成した。得られた化合物については、NMRにより確認した。(図8)
Figure 2015180616
製造例8:化合物9((E)−4−((1−((2−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド)の合成
(1)N−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロペンアミドの合成
10mL容のナス型フラスコにアクリル酸(99.3μL、1.37mmol)とO−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ヒドロキシアミン(80.5mg、0.69mmol)をメタノール(1.5mL)に溶解した。そこに、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルフォリニウム クロリド(288mg、1.03mmol)を加え、1時間室温で撹拌した。減圧濃縮によりメタノールを留去し、残留物を酢酸エチルに溶かし、溶かした溶液を炭酸ナトリウム飽和水溶液、水、1N塩酸、水、塩水の順で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=2/1)により精製し、下記式(10)で表されるN−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロペンアミド61.3mgを白い結晶として得た(回収率52%)。
Figure 2015180616
(2)1−(2−フルオロフェニルスルフォニル)−1H−インドールの合成
100mL容の二口フラスコにインドール(1.03g、8.79mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLを加えて溶解し、5分間撹拌した。その後、0℃に冷却し、これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.481g、12.0mmol)と無水テトラヒドロフラン10mLを順次加え、10分間撹拌した。その後、2−フルオロベンゼンスルホニルクロライド(1.67g、8.58mmol)と無水テトラヒドロフラン5mLを順次加えて、室温で2時間攪拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、酢酸エチル40mLで3回抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物中の不純物を再結晶により精製し、残った固体を真空乾燥させて、下記式(11)で表される1−(2−フルオロフェニルスルフォニル)−1H−インドール1.69gを淡褐色固体として得た(回収率70%)。
Figure 2015180616
(3)1−(2−フルオロフェニルスルフォニル)−2−アリルジメチルシリル−1H−インドールの合成
製造例7の(2)において8−((1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリンの代わりに1−(2−フルオロフェニルスルフォニル)−1H−インドールを使用することにより、下記式(12)で表される1−(2−フルオロフェニルスルフォニル)−2−アリルジメチルシリル−1H−インドールを製造した。
Figure 2015180616
(4)(E)−4−((1−((2−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)−N−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ブト−2−エンアミドの合成
30mL容の二口ナスフラスコの系内をアルゴン雰囲気下とした後、1−(2−フルオロフェニルスルフォニル)−2−アリルジメチルシリル−1H−インドール(168mg、0.45mmol)とN−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロペンアミド(70.4mg、0.41mmol)を無水ジクロロメタン(5mL)に溶解した。その混合溶液に対して第二世代グラブス触媒(ベンジリデン(1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム)(15.4mg、0.018mmol、4mol%)加え、混合溶液を3時間還流した。減圧濃縮により溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)により精製して、下記式(13)で表される(E)−4−((1−((2−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)−N−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ブト−2−エンアミド155.8mgを白色結晶として得た(回収率73.0%)。
Figure 2015180616
(5)化合物9((E)−4−((1−((2−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド)の合成
(E)−4−((1−((2−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)−N−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ブト−2−エンアミド(155.8mg、0.3mmol)をメタノール(10mL)に溶解した。その混合溶液に対してパラトルエンスルホン酸一水和物(5.6mg、0.029mmol、0.1eq)を加え室温で1時間撹拌した。減圧濃縮により溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)により精製して、下記式(14)で表される(E)−4−((1−((2−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド92.1mgを白色結晶として得た(回収率71.0%)。得られた化合物については、NMRにより確認した。(図9)
Figure 2015180616
製造例9:化合物10((E)−4−(ジメチル(1−(キノリン−8−イルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド)の合成
(1)4−(ジメチル(1−(キノリン−8−イルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)−N−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ブト−2−エンアミドの合成
30mL容の二口ナスフラスコの系内をアルゴン雰囲気下とした後、上記製造例7で得た8−((2−ジメチル(2−プロペニル)シリル−1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリン(207.1mg、0.51mmol、1.5当量)とN−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロペンアミド(57.9mg、0.34mmol)を無水ジクロロメタン(5mL)に溶解した。その混合溶液に対して第二世代グラブス触媒(ベンジリデン(1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(トリシクロヘキシルホシフィン)ルテニウム)(12.2mg、0.014mmol、4mol%)加え、混合溶液を5時間還流した。減圧濃縮により溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2)により精製して、下記式(15)で表される(E)−4−(ジメチル(1−(キノリン−8−イルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)−N−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ブト−2−エンアミド162.1mgを白色結晶として得た(回収率87.0%)。
Figure 2015180616
(2)化合物10((E)−4−(ジメチル(1−(キノリン−8−イルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド)の合成
(E)−4−(ジメチル(1−(キノリン−8−イルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)−N−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ブト−2−エンアミド(162.1mg、0.3mmolをジクロロメタン(5mL)に溶解した。その混合溶液に対してトリフルオロ酢酸(5μL、0.06mmol、0.2当量)を加え室温で終夜撹拌した。減圧濃縮により溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2)により精製して、下記式(16)で表される(E)−4−(ジメチル(1−(キノリン−8−イルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド12.5mgを白色結晶として得た(回収率9.0%)。得られた化合物については、NMRにより確認した。(図10)
Figure 2015180616
試験例1
試験化合物として上記製造例で得られた化合物1〜8を用い、以下の腫瘍細胞増殖阻害活性試験を実施した。結果は下表のとおりである。
試験化合物としてN−スルフォニルインドール誘導体化合物(化合物1〜8)の10mg/mlDMSO溶液を調製した。これを必要に応じてメタノールで希釈し、検体溶液とした。マウス由来メラノーマ細胞であるB16細胞を10%のFBSを添加したDMEM培地に加えて、4×10cells/mlに調製した細胞懸濁液の200μlを96穴プレートに播種し、CO培養器(CO5%、湿度100%、37℃)で2時間培養した。上記検体溶液を所定の濃度になるように添加し、CO培養器で120時間培養した。MTT比色法により生存細胞数を計測して、対照群に対する増殖率から50%細胞増殖阻害濃度(IC50)を求めた。
Figure 2015180616
試験例2
培養したヒト由来前立腺癌細胞(LNCaP−FGC又はPC−3)に所定の濃度となるよう、試験化合物をジメチルスルホキシド溶液として添加し、37℃で3日間培養した。生存細胞数をCelltiter−glo法により測定し、IC50(対照群に対する50%増殖阻害濃度)、TGI(化合物添加直前と同じ細胞数に増殖を抑制する濃度(見かけ上細胞数の増減がない濃度))及びLC50(化合物添加直前の50%に細胞数を減少せしめる濃度)を求めた。結果を下記表に示す。
Figure 2015180616
上記の結果から、化合物9及び化合物10は、毒性を示さない濃度でヒト前立腺癌細胞の増殖を有意に阻害することが分かった。
試験例3
ACE Kit−WST(#a502)(株式会社同仁科学研究所製)を用いて、製品添付の使用説明書に従って、化合物9及び化合物10のACE阻害活性を測定した。各群3回の試験を行い、その平均値から各化合物のある濃度における酵素の活性の割合を算出した。このとき、被験物質なしの場合を活性100%とした。結果を図11に示す。
上記の結果から、化合物9及び化合物10は、ACE阻害作用を示すことが分かった。
本発明のN−スルフォニルインドール誘導体化合物は、B16メラノーマ細胞増殖阻害活性およびヒト由来前立腺癌細胞増殖抑制活性を有し抗癌剤としての医薬組成物として有用である。また、本発明のN−スルフォニルインドール誘導体化合物は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有し抗高血圧剤としての医薬組成物として有用である。

Claims (19)

  1. 下記式(1)で表されるN−スルフォニルインドール誘導体化合物。
    Figure 2015180616
    (式(1)中、
    は置換していてもよいアリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基であり、
    はS(R)(R)(R)、置換していてもよいC〜Cのアルキル基またはアセチル基であり、
    およびRは、RがS(R)(R)(R)またはアセチル基である場合には隣接する炭素原子間結合としての二重結合であり、またRが置換していてもよいC〜Cのアルキル基である場合にはエポキシ基であり、
    、RおよびRは、独立して同じまたは異なっていてもよく、置換していてもよいアルキル基、アルケニル基またはアリール基である。)
  2. 上記式(1)中、Rが置換していてもよいアリール基である請求項1記載の化合物。
  3. アリール基がフェニル基である請求項2記載の化合物。
  4. アリール基がフッ素原子で置換されたフェニル基である請求項3記載の化合物。
  5. 上記式(1)中、RがS(R)(R)(R)である請求項1、2、3または4記載の化合物。
  6. 上記式(1)中、Rが置換していてもよいC〜Cのアルキル基である請求項1、2、3または4記載の化合物。
  7. 上記式(1)中、Rがアセチル基である請求項1、2、3または4記載の化合物。
  8. 上記式(1)中、R、RおよびRが、独立して同じまたは異なっていてもよく、置換していてもよいアルキル基である請求項1、2、3、4または5記載の化合物。
  9. 置換していてもよいアルキル基がメチル基である請求項8記載の化合物。
  10. 置換していてもよいアルキル基がエチル基である請求項8記載の化合物。
  11. 上記式(1)中、R、RおよびRのいずれか一つまたは二つが置換していてもよいアルケニル基である請求項1、2、3、4または5記載の化合物。
  12. 置換していてもよいアルケニル基が2―プロペニル基である請求項11記載の化合物
  13. 上記式(1)中、R、RおよびRのいずれか一つまたは二つが置換していてもよいアリール基である請求項1、2、3、4または5記載の化合物。
  14. アリール基がフェニル基である請求項13記載の化合物。
  15. 化合物が、下記の化合物から選ばれる化合物である請求項1記載の化合物。
    1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリメチルシリル)−1H−インドール
    1−(フェニルスルフォニル)−2−(トリエチルシリル)−1H−インドール
    2−(t−ブチルジフェニルシリル)−1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール
    1,2−ビス((1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)エタン
    1,3−ビス(2−(ジメチル(1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
    1−(フェニルスルフォニル)−2−アセチル―1H−インドール
    2−エチル―2,3−エポキシ−1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール
    8−((2−ジメチル(2―プロペニル)シリル−1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリン
    (E)−4−((1−((2−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール−2−イル)ジメチルシリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド
    (E)−4−(ジメチル(1−(キノリン−8−イルスルフォニル)−1H−インドール−2−イル)シリル)−N−ヒドロキシブト−2−エナミド
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物を有効成分として含有する医薬組成物。
  17. 抗癌剤組成物であることを特徴とする請求項16記載の医薬組成物。
  18. 癌が前立腺癌である請求項17記載の医薬組成物。
  19. 抗高血圧剤組成物であることを特徴とする請求項16記載の医薬組成物。
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