JP2015180608A - モルヒナン誘導体 - Google Patents

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Hiroshi Nagase
長瀬  博
藤井 秀明
Hideaki Fujii
秀明 藤井
恵理子 中田
Eriko Nakata
恵理子 中田
義一 渡邉
Yoshikazu Watanabe
義一 渡邉
大祐 齊藤
Daisuke Saito
大祐 齊藤
高橋 俊弘
Toshihiro Takahashi
俊弘 高橋
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Abstract

【課題】オピオイドδ受容体アゴニスト作用を有するモルヒナン誘導体の提供。【解決手段】下記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。式(I)中、R1は水素、C1−6アルキル、アラルキル他を表し、R2及びR3は、水素、ヒドロキシ他を表し、R4、R5及びR6は水素、C1−6アルキル他を表すか、或いはR5がR4又はR6と一緒になって、R5が結合するN原子と共に4〜7員環を形成しても良く、XはO又はCH2を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、オピオイドδ受容体アゴニスト作用を有するモルヒナン誘導体に関する。
オピオイド受容体にはμ、δ、κの3つのタイプが知られており、μ受容体に対して強い親和性を示すモルヒネは古くから鎮痛薬として使用されている。モルヒネの鎮痛作用は強力なものであるが、μ受容体を介して、依存形成、呼吸抑制、便秘等の有害事象を引き起こすことが知られている。
一方、δ受容体も鎮痛作用を有するが、δ受容体アゴニストはモルヒネで見られる有害事象には関与しないことが知られている。
従って、δ受容体に選択的なアゴニストはモルヒネよりも優れた鎮痛薬になる可能性があると考えられ、その創製に関する研究が盛んに行われている。また、δ受容体アゴニストは抗不安薬や抗うつ薬になる可能性があることも報告されている(非特許文献1)。
しかしながら、治療又は予防薬としての承認を受けたδ受容体アゴニストは未だ存在しない。
特許文献1には、次式(A)、
Figure 2015180608
で表される化合物がオピオイドδ受容体アゴニスト作用を有する旨の記載がある。
一方、本発明者らは、モルヒナン骨格の4位と6位をアセタール結合で環化させた次式(B)で表される化合物が、δ作動活性を有することを見いだし特許出願を行った。(特許文献2)
Figure 2015180608
さらにまた、本発明者らは、非特許文献2に、次式(C)、
Figure 2015180608
で表わされる化合物に関する報告を行っているが、この化合物はδ受容体よりもμ受容体に対する親和性が高かった。
なお上記の式(C)で表される化合物と後記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体を比較すると、いくつかの構造上の相違点がある。先ず窒素を含む6員環の窒素原子に前者はシクロプロピルメチル基が結合し、後者は環状のアミノ基を含む様々なアミノアルキル基が結合している。更に前者は窒素を含む5員環部分がヒドロキシ基を有するが、後者ではこれを有していない。
なお、前記のヒドロキシ基は単なる置換基ではなく、ヘミアミナール構造という特殊な部分構造を形成している。
WO 2008/001859 WO 2012/102360
J.Pharmacol.Exp.Ther. 2011,338,195. Tetrahedron 2011,67,6682
本発明の目的は下記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物、並びにこれらを有効成分として含有する鎮痛剤を提供することにある。
即ち、本発明は、次の一般式(I)、
Figure 2015180608
は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、ヘテロアリール(N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含む。)、アラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、ヘテロアリールアルキル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、シクロアルキルアルキル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、C2−6アルケニル、アリールアルケニル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、ヘテロアリールアルケニル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、シクロアルキルアルケニル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、C4−6シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、又はシクロアルケニルアルケニル(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)を表し、
及びRは同一又は異なって、水素、ヒドロキシ、シアノ、カルバモイル、C1−6アルコキシ、C6−10アリールオキシ又はC1−6アルカノイルオキシを表し、
、R及びRは同一又は異なって、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、シクロアルキルアルキル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、アラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)又はヘテロアリールアルキル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)を表すか、或いは、RがR又はRと一緒になって、Rが結合するN原子と共に4〜7員環(環構成原子として、Rが結合しているN原子以外に、N、O、Sから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い。)を形成しても良く、
XはO又はCHを表し、
m及びnは同一又は異なって、0〜2の整数を表す(m及びnの両方が0ということはない)。
但し、R、R、R及びRのC1−6アルキル、RとRで形成される4〜7員環、並びにRとRで形成される4〜7員環はヒドロキシ基で置換されていても良く、
そして、 RのC6−10アリール、及びアラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)のアリール部分、ヘテロアリール(N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含む。)及びヘテロアリーアルキル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)のヘテロアリール部分は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル(アルコキシ部分の炭素原子数は1〜6。)、カルバモイル、アルキルカルバモイル(アルキル部分の炭素原子数は1〜6。)、ジアルキルカルバモイル(アルキル部分の炭素原子数は1〜6。)、ハロゲン、ニトロ、シアノ、1〜3個のハロゲンで置換されたC1−6アルキル、1〜3個のハロゲンで置換されたC1−6アルコキシ、フェニル、ヘテロアリール(N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含む。)、フェノキシ、フェニルアルキル(アルキルの炭素原子数は1〜3。)、メチレンジオキシ及びNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、ここでR及びRは各々独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルカノイル、若しくはアルコキシカルボニル(アルコキシ部分の炭素原子数は1〜6。)を表すか、或いはRとRが、それらが結合するN原子と一緒になって、さらにN、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い4〜7員の環を形成しても良い。)
で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物に関する。
また、本発明は、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物からなる医薬に関する。
また、本発明は、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
また、本発明は、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する鎮痛薬に関する。
また、本発明は、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する抗不安薬に関する。
更にまた、本発明は、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する抗うつ薬に関する。
次に本発明をさらに詳しく説明する。
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物のうち、好ましくは次のものが挙げられる。
(1)
、R及びRが同一又は異なって、水素、C1−6アルキル又はシクロアルキルアルキル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)である上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
(2)
がR又はRと一緒になって、Rが結合するN原子と共に4〜7員環(環構成原子として、Rが結合しているN原子以外に、N、O、Sから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い。)を形成する上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
(3)
がRと一緒になって、Rが結合するN原子と共に4〜7員環(環構成原子として、Rが結合しているN原子以外に、N、O、Sから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い。)を形成する上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
(4)
mとnの合計が1〜3の整数である上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体又は上記(1)〜(3)記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
(5)
nが1である上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体又は上記(1)〜(3)記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
(6)
が置換基を有しても良いアラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)又はヘテロアリールアルキル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)である上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体又は上記(1)〜(5)記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
(7)
XがCHである上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体又は上記(1)〜(6)記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
(8)
が水素で、Rが水素、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイルオキシ、又はカルバモイルである上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体又は上記(1)〜(7)記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
(9)
が水素で、Rがヒドロキシである上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体又は上記(1)〜(7)記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
本件特許において、
1−6アルキルとしてはメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル若しくはヘキシル等が挙げられる。
1〜3個のハロゲンで置換されたC1−6アルキルとしては、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、2,2−ジフルオロエチル、トリフルオロメチル又は3,3,3−トリフルオロプロピル等が挙げられる。
2−6アルケニルとしては、2−プロペニル又は3−メチル−2−ブテニル等が挙げられる。
シクロアルキルアルキル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のC3−6シクロアルキルで置換されたメチル、エチル等が挙げられる。
アラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)としては、ベンジル基又はフェネチル基が挙げられる。
3−6シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等が挙げられる。
6−10アリールとしては、フェニル又はナフチル等が挙げられる。
ヘテロアリール(N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含む。)としては、ピリジル、フリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラジニル又はチアゾリル等が挙げられる。
ヘテロアリールアルキル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)としては、(ピリジン−2−イル)メチル、(ピリジン−3−イル)メチル、(ピリジン−4−イル)メチル、2−(ピリジン−2−イル)エチル、(フラン−2−イル)メチル、(フラン−3−イル)メチル、(イミダゾール−2−イル)メチル、(イミダゾール−4−イル)メチル、(イミダゾール−5−イル)メチル、(チアゾール−2−イル)メチル、(チアゾール−4−イル)メチル又は(チアゾール−5−イル)メチル等が挙げられる。
アリールアルケニル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)としては、フェニル又はナフチル等で置換された2−プロペニル又は3−メチル−2−ブテニル等が挙げられる。
ヘテロアリールアルケニル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)としては
ピリジル、フリル、イミダゾリル又はチアゾリル等で置換された2−プロペニル又は3−メチル−2−ブテニル等が挙げられる。
シクロアルキルアルケニル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のC3−6シクロアルキルで置換された2−プロペニル又は3−メチル−2−ブテニル等が挙げられる。
4−6シクロアルケニルとしては、シクロブテニル又はシクロペンテニル等が挙げられる。
シクロアルケニルアルキル(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)としては、シクロブテニル又はシクロペンテニル等で置換されたメチル、エチル等が挙げられる。
シクロアルケニルアルケニル(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)としては、シクロブテニル又はシクロペンテニル等で置換された2−プロペニル又は3−メチル−2−ブテニルが挙げられる。

1−6アルカノイルとしては、アセチル又はプロピオニル等が挙げられる。
1−6アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ又はプロポキシ等が挙げられる。
1−6アルカノイルオキシとしては、アセトキシ等が挙げられる。
アルコキシカルボニル(アルコキシ部分の炭素原子数は1〜6)としては、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニル等が挙げられる。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素又は臭素等が挙げられる。
1〜3個のハロゲンで置換されたC1−6アルコキシとしては、フルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ等が挙げられる。
フェニルアルキル(アルキルの炭素原子数は1〜3。)としては、ベンジル等が挙げられる。
6−10アリールオキシとしては、フェノキシ等が挙げられる。

アルキルカルバモイル(アルキル部分の炭素原子数は1〜6。)としては、エチルカルバモイル等が挙げられる。
ジアルキルカルバモイル(アルキル部分の炭素原子数は1〜6。)としては、ジエチルカルバモイル等が挙げられる。

そして、RがR又はRと一緒になって、Rが結合するN原子と共に形成する4〜7員環(環構成原子として、Rが結合しているN原子以外に、N、O、Sから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い。)、並びにRとRが、それらが結合するN原子と一緒になって、さらにN、O、Sから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い4〜7員環としては、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環又はモルホリン環等が挙げられる。

上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩において、薬学的に許容される塩としては、好ましくは酸付加塩が挙げられ、酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、フマル酸、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機酸又は無機酸との塩が挙げられる。

上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物において、立体異性体としてはシス、トランス異性体、ラセミ体や光学活性体等が挙げられる。
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物において、溶媒和物としては、本発明の化合物又はその塩の医薬上許容される溶媒和物で、水和物も含む。
次に、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の製造方法を次に示す。

(製造法1)
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体で、R がアルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、又はシクロアルケニルアルケニル、R 及びR は同一又は異なって、水素、C 1−6 アルコキシ、C 6−10 アリールオキシ、シアノ又はカルバモイル、R が水素の場合:
Figure 2015180608
Figure 2015180608
(式中、R10はアルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、又はシクロアルケニルアルケニル(アリール及びへテロアリールを除く、前記R)を表し、
20及びR30は同一又は異なって水素、C1−6アルコキシ、C6−10アリールオキシ、シアノ又はカルバモイルを表し、
Troc:2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルを表し、
PGはt−ブトキシカルボニル基等の保護基を表し、
Lはハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表し
そして、R、R、X、m、nは前記と同じ。)

第一工程
化合物(a)(合成法は後述する)の接触還元等により化合物(b)が得られる。該反応においける触媒としてはパラジウム−炭素、水酸化パラジウム等が用いられ、溶媒としてはエタノール、酢酸等が用いられる。
第二工程
ジクロロメタン等の溶媒中、炭酸カリウム等の塩基存在下に化合物(b)にクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチルを反応させることにより、化合物(c)が得られる。
第三工程
化合物(d)は、下記のいずれかの方法によって化合物(c)から合成される。
方法a
化合物(c)とクロロギ酸エステル類との反応及び続く脱カルバメート化反応からなる公知の脱N−アルキル化法(Bioorg.Med.Chem.Lett.,2010,20,6302など)。
方法b
アゾジカルボン酸ジエチルを用いる方法(Synthetic Communications, 1995,25, 829など )。
第四工程
ジクロロメタン等の溶媒中、トリエチルアミンやピリジン等の塩基存在下に化合物(d)に無水トリフルオロ酢酸を反応させることにより、化合物(e)が得られる。

第五工程
エタノール、酢酸等の溶媒中、化合物(e)を亜鉛粉末で処理することにより化合物(f)が得られる。
第六工程
アセトニトリル、N、N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、クロロホルム等の溶媒中、化合物(f)をヨードソベンゼン等で酸化することにより化合物(g)が得られる。
第七工程
DMF、テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒中、水素化ナトリウム等の塩基存在下に、化合物(g)を試薬(h―1)でN−アルキル化することにより化合物(i)が得られる。
第八工程
化合物(j)は、エタノール等の溶媒中での水酸化カリウム等の塩基による加水分解反応、またはメタノール等の溶媒中での水素化ホウ素ナトリウム等での処理により、化合物(i)から合成される。

第九工程
化合物(l)は、下記のいずれかの方法によって化合物(j)から合成される。
方法c
アセトニトリル、DMF等の溶媒中、炭酸水素ナトリウム等の塩基存在下に、化合物(h―2)を用いて化合物(j)をアルキル化する方法。
方法d
化合物(j)と化合物(h−3)との間で還元的アミノ化反応を行う方法。この場合、還元剤としては水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム等が用いられ、溶媒は還元剤の種類によって適宜選択される。
第十工程
化合物(l)の保護基がt−ブトキシカルボニル基の場合は、化合物(l)にトリフルオロ酢酸や塩酸等の酸を作用させることにより、発明化合物(m)へと導くことができる。

尚、製造法1の出発原料である化合物(a)のうち、下記の化合物(a−1)、(a−2)及び(a−3)は、化合物(k)(WO2012/102360及びTetrahedron,2011,67,6682に記載)から下記の方法に従って合成される。
Figure 2015180608
(式中、Xは前記と同じ。)

化合物(a−1)
化合物(a−1)は、THF等の溶媒中、化合物(k)をボラン−THF錯体等で還元することにより合成される。
化合物(a−2)
化合物(a−2)は、ピリジン等の溶媒中、銅粉等の触媒及び炭酸カリウム等の塩基の存在下に、化合物(a−1)にブロモベンゼンを反応させることにより合成される。
化合物(a−3)
化合物(a−3)は、化合物(a−2)のBirch還元によって合成される。該反応では、例えば、THF等の溶媒中、ナトリウム シルカゲル ステージI及びエチレンジアミンが試薬として使用される。

また、上記製造法1に記載した合成中間体(i)のうち、R20が水素で、R30が水素、シアノ又はカルバモイル(CONH)である化合物は、それぞれ以下の方法によって合成される。

(1)R30=シアノ、CONHの場合
Figure 2015180608
(式中、R10はアルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、又はシクロアルケニルアルケニル(アリール及びへテロアリールを除く、前記R)を表し、そして
Xは前記と同じ。)

上記スキームで示されるように、化合物(i−3)は化合物(i−1)から2段階(第一工程:ヒドロキシ基のトリフルオロメタンスルホニル化、第二工程:パラジウム触媒下でのシアノ基の導入)で合成される。また、化合物(i−4)は上記スキームに記載された方法又は化合物(i−3)の通常の加水分解反応によって合成される。

(2)R30=水素の場合
Figure 2015180608

(式中、R10はアルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、又はシクロアルケニルアルケニル(アリール及びへテロアリールを除く、前記R)を表し、そして
Xは前記と同じ。)

化合物(i−5)は、化合物(i−2)のパラジウム触媒下での還元反応(Tetrahedron Letters,2010,51,2359に記載された方法等)によって合成される。

(製造法2)
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体で、R がアルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、又はシクロアルケニルアルケニル、R が水素、R がヒドロキシ、R が水素の場合:
Figure 2015180608

(式中、R10はアルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、又はシクロアルケニルアルケニル(アリール及びへテロアリールを除く、前記R)を表し、
PGはt−ブトキシカルボニル基等の保護基を表し、
そして、R、R、X、m、nは前記と同じ。)

第一工程
化合物(j―1)は、DMF等の溶媒中カリウムt−ブトキシド等の塩基存在下にドデカンチオール等のアルカンチオールを反応させることにより、化合物(i―1)から得られる。
第二工程及び第三工程
化合物(l−1)及び発明化合物(m−1)は、製造法1の第九工程に記載した方法及び製造法1の第十工程に記載した方法にそれぞれ従って(j−1)から合成される。

(製造法3)
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体で、R がアリール又はヘテロアリール、R が水素、C 1−6 アルコキシ又はC 6−10 アリールオキシ、R が水素又はC 1−6 アルコキシ、R が水素の場合:
Figure 2015180608
(式中、R11はアリール又はヘテロアリールを表し、
20及びR30は同一または異なって水素、C1−6アルコキシ、C6−10アリールオキシを表し、
31は水素、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C6−10アリールオキシを表し、
PGはt−ブトキシカルボニル基等の保護基を表し、
Lはハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、
そして、R、R、X、m、nは前記と同じ。)

第一工程及び第二工程
製造法1の第八及び第九工程に記載した方法にしたがって、化合物(o)及び化合物(p)がそれぞれ合成される。
第三工程
化合物(l−2)は、下記のいずれかの方法によって化合物(p)から合成される。
方法e
トルエン、DMF及びアセトニトリル等の溶媒中、ナトリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム等の塩基存在下に化合物(p)とハロゲン化ヘテロアリール等を反応させる方法。
方法g
トルエン、DMF及びジオキサン等の溶媒中、ナトリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム等の塩基、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン等のリガンド、及び酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム触媒の存在下に、化合物(p)とハロゲン化アリール又はハロゲン化ヘテロアリール等とのクロスカップリング反応を実施する方法。
第四工程
化合物(l−2)の発明化合物(m−2)への変換は、製造法1の第十工程に記載した方法により行われる。また、化合物(m−2)のR20、R30の一方がメトキシ基で他方が水素である場合、ジクロロメタン中で三臭化ホウ素等作用をさせる方法、又はDMF中でカリウムt−ブトキシド等の塩基存在下に1−ドデカンチオール等のアルカンチオールを作用させる方法により、R20、R30の一方がヒドロキシ基で他方が水素である発明化合物へと変換することができる。

(製造法4)
上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体で、R がC 1−6 アルキル、C 3−6 シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキルの場合:

上述の化合物は下記の方法A又はBのいずれかの方法によって合成される。
(1)方法A
Figure 2015180608
(式中、R40はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又はアラルキルを表し、そして
、R、R、R、R、X、m、nは前記と同じ。)

化合物(m−4)は、化合物(m−3)とアルデヒド類又はケトン類との還元的アミノ化反応によって合成される。該反応における還元剤としては水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム等が用いられ、出発原料である化合物(m−3)は既に述べた合成方法の組み合わせによって合成される。

(2)方法B
Figure 2015180608

(式中、R60は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又はアラルキルを表し、そして
、R、R、R、R、X、m、nは前記と同じ。)

化合物(j−2)(既に述べた合成方法の組み合わせによって合成される)のハロゲン化物(h−5)とのN−アルキル化反応及び生成する化合物(q)のアミン(r)との反応により、発明化合物(m−5)が得られる。

一般式(I)に含まれるその他の化合物についても、上記合成方法並びに後記実施例に記載の方法の組み合わせ等により製造することができる。
また、本発明者らは、非特許文献3(第38回反応と合成の進歩シンポジウム 2012年11月5〜6日(発表は6日 東京))及び非特許文献4(第30回メディシナルケミストリーシンポジウム 2012年11月28〜30日(発表は28日 東京))に次の化合物(D)を発表している。
Figure 2015180608
(式中、Rは、メチル、イソブチル、アリル、シクロプロピルメチル)
上記式(D)で表される化合物と本発明化合物とは、Rの部分、窒素を含む5員環部分、並びに前記の5員環の窒素に結合する置換基の種類が相違する。

次に薬理実験結果について述べる。
後記実施例9の表2に記載したとおり、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、オピオイド受容体機能試験において、優れたδ受容体アゴニスト作用を有することが明らかになった。
また、後記実施例10の表3に記載したとおり、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、オピオイド受容体結合試験においてオピオイドδ受容体に対して選択的な親和性を有することが明らかになった。

従って、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、急性痛及び慢性疼痛を伴う疾患における疼痛治療、関節リウマチ、変形性関節炎、骨腫瘍等の強い痛みを伴う癌性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛、内臓の痛み等の予防及び治療薬として用いることができる。
また、上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、うつ病やパニック障害、不安障害、ストレス障害(PTSD、急性ストレス障害)等の不安を伴う精神疾患の治療薬(抗うつ薬、抗不安薬等)として、尿失禁、心筋虚血、高血圧、パーキンソン病その他の運動機能障害の予防及び治療薬として用いることができる。

上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物
は、ヒトに対して経口投与又は非経口投与のような適当な投与方法により投与することができる。また、他の鎮痛薬と併用することも可能である。
製剤化するためには、製剤の技術分野における通常の方法で錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、坐薬等の剤型に製造することができる。
これらの調製には、例えば錠剤の場合、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素などが用いられる。ここで、賦形剤としては、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。注射剤の調製には溶剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤などが用いられる。
投与量は、通常成人においては、有効成分である上記一般式(I)で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を、注射剤においては、0.1μg〜1g/日、好ましくは0.001〜200mg/日、経口投与においては、1μg〜10g/日、好ましくは0.01〜2000mg/日投与されるが、年齢、症状等により増減することができる。
次に、参考例、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)−3−ベンジル−14−(シクロプロピルメチル)−10−メトキシ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−エポキシナフト[1,2−e]インドール−11−オール(1)の合成
Figure 2015180608
アルゴン雰囲気下、(1S,3aS,5aS,6R,11bR,11cR)−3−ベンジル−14−(シクロプロピルメチル)−3a,11−ジヒドロキシ−10−メトキシ−1,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−2H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−エポキシナフト[1,2−e]インドール−2−オン[WO2012/102360に記載の化合物](10.1g,20mmol)をTHF(100mL)に溶解し、ボラン−THF錯体/THF溶液(1.0mol/L,100mL,100mmol)を加え、2時間還流した。反応液を減圧濃縮し、6M塩酸(200mL)を加え1時間還流した。室温まで冷却後、反応液を炭酸カリウムでpH11とし、クロロホルムで3回抽出した。有機層をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色アモルファスとして表題化合物1(8.84g,94%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.02−0.16(m,2H),0.42−0.70(m,3H),0.90−1.02(m,1H),1.37−1.47(m,1H),1.51(dd,J=7.6,14.8Hz,1H),1.66−1.89(m,2H),1.97−2.12(m,2H),2.22(dd,J=7.2,12.8Hz,1H),2.55(dd,J=5.6,12.8,1H),2.56−2.68(m,1H),2.81−2.93(m,2H),3.05(d,J=18.4Hz,1H),3.31(dd,J=6.8,10.8Hz,1H),3.46−3.59(m,2H),3.60(d,J=6.4Hz,1H),3.74(d,J=13.6Hz,1H),3.75(d,J=13.6Hz,1H),3.79(s,3H)4.91−4.98(m,1H),6.25(br s,1H),6.60(d,J=8.4Hz,1H),6.64(d,J=8.4Hz,1H),7.11−7.31(m,5H).

(参考例2)
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)−3−ベンジル−14−(シクロプロピルメチル)−10−メトキシ−11−フェノキシ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−エポキシナフト[1,2−e]インドール(2)の合成
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物1(8.84g,19mmol)をピリジン(100mL)に溶解し、ブロモベンゼン(98.5mL,94mmol)、炭酸カリウム(7.76g,56mmol)及び銅粉末(1.19g,19mmol)を加え、16時間還流した。反応液にブロモベンゼン(4.92g,47mmol)、炭酸カリウム(7.76g,56mmol)及び銅粉末(1.19g,19mmol)を追加し、さらに24時間還流した。室温まで冷却後、反応液をセライトろ過し、濾液を水にあけ、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、黒色油状物として表題化合物2(10.1g,98%)を得た。

H NMR(CDCl,300MHz):δ 0.00−0.16(m,2H),0.40−0.78(m,3H),0.86−1.02(m,1H),1.04−1.14(m,1H),1.41−1.53(m,1H),1.68−1.93(m,3H),2.06(dt,J=3.0,12.3Hz,1H),2.23(dd,J=7.2,12.3Hz,1H),2.49−2.61(m,2H),2.83−2.99(m,1H),2.86(dd,J=2.4,10.8Hz,1H),3.11(d,J=18.6Hz,1H),3.15(dd,J=6.3,11.1Hz,1H),3.22(dd,J=6.0,7.5Hz,1H),3.53−3.63(m,2H),3.66(d,J=13.5Hz,1H),3.67(s,3H),3.75(d,J=13.5Hz,1H),4.77−4.86(m,1H),6.76(d,J=7.8Hz,2H),6.80(d,J=8.4Hz,1H),6.96(t,J=7.2Hz,1H),6.99(d,J=8.1Hz,1H),7.16−7.32(m,7H).

(参考例3)
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)−3−ベンジル−14−(シクロプロピルメチル)−10−メトキシ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−エポキシナフト[1,2−e]インドール(3)の合成
Figure 2015180608
アルゴン雰囲気下、化合物2(91mg,0.17mmol)をTHF(2mL)に溶解し、エチレンジアミン(333μL,6.2mmol)を加え、ナトリウムシリカゲル(ステージI)(900mg)を1時間ごと5回にわけて加えた。室温で5時間撹拌後、反応液を氷冷下水にあけ、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色油状物として表題化合物3(68mg,90%)を得た。

H NMR(CDCl,300MHz):δ 0.00−0.16(m,2H),0.41−0.59(m,3H),0.87−1.03(m,1H),1.13−1.30(m,1H),1.51(dd,J=6.9,15.0Hz,1H),1.62−1.84(m,2H),2.00−2.16(m,2H),2.23(dd,J=7.2,12.3Hz,1H),2.54−2.67(m,1H),2.55(dd,J=5.4,12.6Hz,1H),2.73−2.87(m,2H),2.97−3.07(m,1H),3.07(d,J=18.6Hz,1H),3.30(dd,J=6.9,10.8Hz,1H),3.47(t,J=6.6Hz,1H),3.62(d,J=6.9Hz,1H),3.66(d,J=13.5Hz,1H),3.75(s,3H),3.78(d,J=13.5Hz,1H),4.93−5.02(m,1H),6.66−6.74(m,2H),6.88−7.07(m,1H),7.17−7.34(m,5H).

(参考例4)
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)−14−(シクロプロピルメチル)−10−メトキシ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−エポキシナフト[1,2−e]インドール(4)の合成
Figure 2015180608
化合物3(1.83g,4.0mmol)をエタノール(20mL)に溶解し、10%パラジウム−炭素(1.12g)を加え、水素雰囲気下40℃で15時間撹拌した。反応液をセライトろ過後、濾液を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色油状物として表題化合物4(1.27g,86%)を得た。

H NMR(CDCl,300MHz):δ 0.02−0.16(m,2H),0.42−0.60(m,2H),0.80−1.11(m,3H),1.20−1.35(m,1H),1.76(dd,J=4.8,10.8Hz,2H),1.96(br s,1H),2.00−2.20(m,2H),2.25(dd,J=7.2,12.3Hz,1H),2.55−2.70(m,1H),2.56(dd,J=5.4,12.3Hz,1H),2.74−2.93(m,2H),3.08(d,J=18.3Hz,1H),3.22(dd,J=2.4,12.6Hz,1H),3.38(dd,J=6.3,12.6Hz,1H),3.56−3.68(m,2H),3.79(s,3H),4.97(dt,J=2.1,6.3Hz,1H),6.66−6.77(m,2H),6.99−7.08(m,1H).

(参考例5)
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)−3−ベンジル−14−(シクロプロピルメチル)−10−メトキシ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−11−オール(5)の合成
Figure 2015180608

参考例1に記載した方法に従い、(1S,3aS,5aS,6R,11bS,11cS)−3−ベンジル−14−(シクロプロピルメチル)−3a,11−ジヒドロキシ−10−メトキシ−1,3,3a、4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−2H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2−オン[WO2012/102360に記載の化合物]を用いて表題化合物5を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.03−0.14(m,2H),0.40−0.50(m,2H),0.66−0.86(m,2H),1.08−1.15(m,1H),1.20−1.35(m,2H),1.49−1.75(m,3H),1.84−2.05(m,2H),2.30(d,J=5.9Hz,2H),2.49−2.59(m,1H),2.60−2.70(m,1H),2.87−3.00(m,3H),3.01−3.15(m,2H),3.20−3.31(m,1H),3.32−3.45(m,1H),3.60−3.80(m,2H),3.84(s,3H),5.63(br s,1H),6.61(d,J=8.3Hz,1H),6.63(d,J=8.3Hz,1H),7.16−7.40(m,5H).

(参考例6)
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)−3−ベンジル−14−(シクロプロピルメチル)−10−メトキシ−11−フェノキシ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール(6)の合成
Figure 2015180608

参考例2に記載した方法に従い、化合物5を用いて表題化合物6を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.03−0.15(m,2H),0.40−0.51(m,2H),0.70−0.85(m,2H),0.96−1.11(m,2H),1.12−1.25(m,1H),1.55−1.78(m,3H),1.99(dt,J=3.4,12.2Hz,1H),2.29(d,J=5.9Hz,2H),2.46(dd,J=3.9,11.2Hz,1H),2.58−2.80(m,3H),2.90−3.24(m,6H),3.55−3.75(m,2H),3.67(s,3H),6.73−6.85(m,3H),6.95(d,J=8.3Hz,1H),6.99(d,J=8.3Hz,1H),7.15−7.34(m,7H).

(参考例7)
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)−3−ベンジル−14−(シクロプロピルメチル)−10−メトキシ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール(7)の合成
Figure 2015180608

参考例3に記載した方法に従い、化合物6を用いて表題化合物7を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.04−0.15(m,2H),0.40−0.52(m,2H),0.57−0.70(m,1H),0.75−0.85(m,1H),1.05−1.19(m,2H),1.23−1.33(m,1H),1.46−1.71(m,3H),1.92−2.04(m,2H),2.25−2.40(m,2H),2.50−2.65(m,2H),2.81−3.05(m,4H),3.06−3.18(m,2H),3.22−3.30(m,1H),3.66(d,J=13.7Hz,1H),3.73(d,J=13.7Hz,1H),3.75(s,3H),6.65(dd,J=2.9,8.3Hz,1H),6.69(d,J=2.9Hz,1H),7.01(d,J=8.3Hz,1H),7.18−7.34(m,5H).

(参考例8)
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)−14−(シクロプロピルメチル)−10−メトキシ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール(8)の合成
Figure 2015180608

参考例4に記載した方法に従い、化合物7から表題化合物8を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.06−0.14(m,2H),0.44−0.52(m,2H),0.75−0.86(m,1H),0.98−1.10(m,3H),1.15(d,J=8.8Hz,1H),1.34−1.45(m,1H),1.60−1.72(m,1H),1.86−2.06(m,3H),2.26−2.36(m,2H),2.52−2.60(m,1H),2.70−2.76(m,1H),2.78−3.00(m,4H),3.08(d,J=5.9Hz,1H),3.10−3.25(m,1H),3.30(dd,J=7.8,11.2Hz,1H),3.50−3.58(m,1H),3.77(s,3H),6.66(dd,J=2.4,8.3Hz,1H),6.73(d,J=2.4Hz,1H),7.02(d,J=8.3Hz,1H).

(実施例1)
(1S,5aS,6R,11bR)−14−(2−アミノエチル)−3−ベンジル−10−ヒドロキシ−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(16)の合成

(1)(1S,5aS,6R,11bR)−14−(シクロプロピルメチル)−10−メトキシ−3a,4,5,6,7,11c−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−3(2H)−カルボン酸2,2,2−トリクロロエチル(9)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物8(1.00g,2.74mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、氷冷後、炭酸カリウム(768mg,5.49mmol)及びクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル(406μL,3.02mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物9(1.39g,94%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.05−0.20(m,2H),0.40−0.55(m,2H),0.70−0.92(m,2H),1.10−1.20(m,2H),1.35−1.60(m,2H),1.65−1.75(m,1H),1.85−2.05(m,2H),2.24−2.36(m,2H),2.55−2.60(m,1H),2.85−2.95(m,2H),3.00−3.15(m,3H),3.32−3.45(m,1H),3.50−3.63(m,1H),3.74−3.86(m,4H),4.28(dd,J=5.4,8.3Hz,1H),4.57(d,J=12.2Hz,0.5H),4.66(d,J=12.2Hz,0.5H),4.78(d,J=12.2Hz,0.5H),4.87(d,J=12.2Hz,0.5H),6.64−6.72(m,2H),7.02(d,J=8.3Hz,0.5H),7.03(d,J=8.3Hz,0.5H).

(2)(1S,5aS,6R,11bR)−10−メトキシ−3a,4,5,6,7,11c−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−3(2H)−カルボン酸2,2,2−トリクロロエチル(10)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物9(5.00g,9.26mmol)をトルエン(50mL)に溶解し、アゾジカルボン酸ジエチル(2.2Mトルエン溶液,16.8mL,37.0mmol)を加え、100℃で30分撹拌した。反応液を室温に戻し、減圧濃縮後、エタノール(50mL)に溶解し、ピリジン塩酸塩(10g)を加え、室温で14時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、2M塩酸を加えて酸性化し、ジエチルエーテルで3回洗浄した。水層を6%アンモニア水溶液で塩基性とし、クロロホルムで3回抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色アモルファスとして化合物10(2.14g,47%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.70−0.90(m,1H),1.30−1.60(m,4H),1.60−1.80(m,1H),1.95−2.10(m,1H),2.75−2.85(m,1H),3.00−3.30(m,5H),3.50−3.85(m,4H),3.78(s,1.5H),3.80(m,1.5H),4.25−4.40(m,1H),4.57(d,J=12.0Hz,0.5H),4.65(d,J=12.0Hz,0.5H),4.79(d,J=12.0Hz,0.5H),4.87(d,J=12.0Hz,0.5H),6.65−6.73(m,1H),6.73−6.85(m,1H),7.11(d,J=8.3Hz,0.5H),7.12(d,J=8.3Hz,0.5H).

(3)2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,5aS,6R,11bR)−10−メトキシ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−14−イル]エタノン(11)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物10(1.40g,2.89mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、無水トリフルオロ酢酸(804μL,5.78mmol)を加え、室温で30分撹拌した。反応液を減圧濃縮後、酢酸(15mL)に溶解し、亜鉛末(1.89g,28.9mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、減圧濃縮し、飽和炭酸カリウム水溶液を加えてpH12とした。その後クロロホルムで3回抽出した。有機層をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色油状物として化合物11(1.02g,化合物10からの収率87%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 1.02−1.13(m,2H),1.21−1.37(m,2H),1.44−1.76(m,3H),1.82−2.00(m,1H),2.17(t,J=11.7Hz,0.5H),2.31(t,J=11.7Hz,0.5H),2.70−3.00(m,4H),3.14(dt,J=3.9,13.7Hz,0.5H),3.35−3.75(m,4H),3.80(s,3H),4.19(d,J=6.8Hz,0.5H),4.32(dd,J=5.4,14.1Hz,0.5H),4.88(d,J=6.8Hz,0.5H),6.73−6.80(m,2H),7.06(d,J=8.3Hz,0.5H),7.08(d,J=8.3Hz,0.5H).

(4)(1S,5aS,6R,11bR)−10−メトキシ−14−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(12)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物11(641mg,1.58mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、ヨードソベンゼン(1.04g,4.73mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、10分間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色アモルファスとして化合物12(631mg,95%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.80−0.96(m,1H),0.99−1.12(m,1H),1.27−1.39(m,1H),1.55−1.80(m,4H),2.30(t,J=12.7Hz,0.5H),2.44(t,J=12.7Hz,0.5H),2.68−2.98(m,2.5H),3.14(dt,J=3.4,14.2Hz,0.5H),3.22(q,J=7.9Hz,1H),3.52−3.76(m,1.5H),3.80(s,3H),3.90−4.00(m,1H),4.25−4.40(m,1H),4.99(d,J=6.8Hz,0.5H),6.00−6.35(m,1H),6.67(d,J=2.4Hz,0.5H)),6.68(d,J=2.4Hz,0.5H),6.79(dd,J=2.4,8.3Hz,1H),7.11(d,J=8.3Hz,0.5H),7.13(d,J=8.3Hz,0.5H).

(5)(1S,5aS,6R,11bR)−3−ベンジル−10−メトキシ−14−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(13)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物12(382mg,0.909mmol)をTHF(10mL)に溶解し、60%水素化ナトリウム(182mg,4.54mmol)を加え、室温で10分撹拌した。その後反応液にベンジルブロミド(323μL,2.73mmol)及びヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAI)(33.6mg,0.0909mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液に氷冷下飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色アモルファスとして化合物13(401mg,86%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.63−0.77(m,1H),1.17−1.59(m,3H),1.60−1.86(m,3H),2.35(t,J=11.7Hz,0.5H),2.48(t,J=11.7Hz,0.5H),2.67−2.93(m,1.5H),3.02−3.17(m,2.5H),3.52−3.65(m,1H),3.75(s,3H),3.67−3.80(m,1.5H),3.85−3.94(m,1H),4.26−4.38(m,1H),4.90(dd,J=4.4,15.1Hz,1H),4.98(d,J=7.3Hz,0.5H),6.58(d,J=2.4Hz,0.5H),6.59(d,J=2.4Hz,0.5H),6.75(dd,J=2.4,8.3Hz,1H),7.08(d,J=8.3Hz,0.5H),7.10(d,J=8.3Hz,0.5H),7.19−7.35(m,5H).

(6)(1S,5aS,6R,11bR)−3−ベンジル−10−ヒドロキシ−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(14)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物13(42.1mg,0.0825mmol)をDMF(2mL)に溶解し、カリウムt−ブトキシド(92.6mg,0.825mmol)及びドデカンチオール(297μL,1.24mmol)を加え、150℃で3時間撹拌した。反応液に氷冷下2M塩酸(10mL)を加えて酸性化後、ヘキサンで2回洗浄した。次に水層に炭酸カリウムを加えてpH12とし、クロロホルムで3回抽出した。抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物を分取TLCにて精製し、無色油状物として化合物14(30.1mg,91%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.61−0.77(m,1H),1.08−1.46(m,3H),1.61−1.77(m,3H),2.62−2.82(m,4H),2.90−3.05(m,2H),3.05−3.10(m,1H),3.10−3.20(m,1H),3.30−3.40(m,1H),3.42−3.53(m,1H),3.68−3.76(m,1H),3.85(d,J=14.6Hz,1H),4.94(d,J=14.6Hz,1H),6.49(d,J=2.4Hz,1H),6.62(dd,J=2.4,8.3Hz,1H),7.01(d,J=8.3Hz,1H),7.18−7.36(m,5H).

(7)[2−[(1S,5aS,6R,11bR)−3−ベンジル−10−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3,3a,4,5,6,7,11c−オクタヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−14−イル]エチル]カルバミン酸t−ブチル(15)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物14(25mg,0.062mmol)をTHF(1mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(26mg,0.31mmol)、TBAI(2.3mg,0.0062mmol)、2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エチルブロミド(42mg,0.19mmol)を加え、60℃で30時間撹拌した。室温まで冷却後、反応液に水を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物15(22.0mg,65%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.60−0.78(m,1H),1.04−1.21(m,2H),1.46(s,9H),1.22−1.81(m,4H),2.06(dt,J=3.4,12.2Hz,1H),2.35−2.62(m,3H),2.86−3.02(m,4H),3.05−3.33(m,4H),3.67−3.77(m,1H),3.84(d,J=15.1Hz,1H),4.88(br s,1H),4.92(d,J=15.1Hz,1H),5.80−6.40(m,1H),6.50(s,1H),6.63(d,J=8.3Hz,1H),6.97(d,J=8.3Hz,1H),7.16−7.36(m,5H).

(8)(1S,5aS,6R,11bR)−14−(2−アミノエチル)−3−ベンジル−10−ヒドロキシ−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(16)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物15(22.0mg,0.040mmol)をジクロロメタン(0.5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、室温で13時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を炭酸カリウム水溶液、水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物を分取TLCにて精製し、表題化合物16(15.5mg,86%)を得た。得られた化合物16(13.2mg,0.030mmol)を0.5Mメシル酸/酢酸エチル溶液(119μL,0.120mmol)で処理し、化合物16のメシル酸塩(14.0mg,73%)を得た。

化合物9(メシル酸塩) H NMR(CDOD,400MHz):δ 0.65−0.80(m,1H),1.31(dd,J=6.8,15.1Hz,1H),1.42−1.58(m,2H),1.74−1.90(m,2H),1.98−2.17(m,1H),2.73(s,6H),2.77−3.09(m,2H),3.16−3.70(m,9H),3.77−3.88(m,1H),4.00(br s,1H),4.06(d,J=15.1Hz,1H),4.78(d,J=15.1Hz,1H),6.60(d,J=2.4Hz,1H),6.70(dd,J=2.4,8.3Hz,1H),7.12(d,J=8.3Hz,1H),7.22−7.40(m,5H).

(実施例2)
(1S,5aS,6R,11bR)−3−ベンジル−10−ヒドロキシ−14−(2−(メチルアミノ)エチル)−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(17)の合成
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物14(40mg,0.1mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、2−(N−t−ブトキシカルボニル−N−メチルアミノ)アセトアルデヒド(52μL,0.3mmol)及び水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(64mg,0.3mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液に6%アンモニア水を加え1時間攪拌し、クロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を炭酸カリウム水溶液、水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物を分取TLCにて精製して表題化合物17を得、続いてメシル酸塩化した(42mg,66%)。

化合物17(メシル酸塩) H NMR(CDOD,400MHz):δ 0.65−0.80(m,1H),1.25−1.35(m,2H),1.45−1.55(m,2H),1.75−1.90(m,2H),2.05−2.15(m,1H),2.73(s,6H),2.82(s,3H),2.80−2.85(m,1H),2.90−3.04(m,1H),3.15−3.70(m,8H),3.75−3.85(m,1H),3.95−4.05(m,1H),4.06(d,J=15.1Hz,1H),4.78(d,J=15.1Hz,1H),6.60(d,J=2.4Hz,1H),6.70(dd,J=2.4,8.3Hz,1H),7.12(d,J=8.3Hz,1H),7.20−7.40(m,5H)

(実施例3)
(1S,5aS,6R,11bR)−3−ベンジル−14−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−10−ヒドロキシ−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(18)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物17(20mg,0.044mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、氷冷下、37%ホルムアルデヒド水溶液(15μL,0.20mmol),塩化亜鉛(7mg,0.022mmol)及び水素化シアノホウ素ナトリウム(6mg,0.088mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。氷浴下、反応液に6%アンモニア水加え、室温で一時間撹拌後、クロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物を分取TLCにて精製して表題化合物18を得、続いてメシル酸塩化した(12mg,41%)。

化合物18(メシル酸塩) H NMR(CDOD,400MHz):δ 0.65−0.80(m,1H),1.25−1.35(m,2H),1.45−1.55(m,2H),1.75−1.90(m,2H),2.00−2.15(m,1H),2.73(s,6H),2.75−2.90(m,1H),2.90−3.10(m,1H),3.01(s,6H),3.15−3.45(m,3H),3.45−4.00(m,7H),4.06(d,J=15.1Hz,1H),4.78(d,J=15.1Hz,1H),6.60(d,J=2.4Hz,1H),6.70(dd,J=2.4,8.3Hz,1H),7.13(d,J=8.3Hz,1H),7.20−7.40(m,5H).

(実施例4)
(1S,5aS,6R,11bR)−3−ベンジル−10−ヒドロキシ−14−(3−モルホリノプロピル)−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(20)の合成

(1)(1S,5aS,6R,11bR)−3−ベンジル−14−(3−クロロプロピル)−10−ヒドロキシ−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(19)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物14(160mg,0.40mmol)をTHF(2mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(67.2mg,0.80mmol)及び1−ブロモ−3−クロロプロパン(396mL,4.0mmol)を加え、60℃で24時間撹拌した。反応液を室温に戻し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色アモルファスとして化合物19(93.2mg,49%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.63−0.78(m,1H),1.04−1.18(m,2H),1.23−1.39(m,1H),1.50−1.97(m,5H),2.07(dt, J=3.2,12.0Hz ,1H),2.39(dd, J=4.8,11.6Hz ,1H),2.39−2.52(m,1H),2.54−2.64(m,1H),2.86−2.98(m,4H),3.03−3.12(m,1H),3.24−3.36(m,1H),3.56−3.68(m,2H),3.73(dd,J=5.2,8.4Hz,1H),3.84(d,J=15.2Hz,1H),4.87(d,J=15.2Hz,1H),6.51(d,J=2.4Hz,1H),6.66(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),7.15−7.33(m,5H).

(2)(1S,5aS,6R,11bR)−3−ベンジル−10−ヒドロキシ−14−(3−モルホリノプロピル)−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−6,11b−(イミノエタノ)−1,5a−メタノナフト[1,2−e]インドール−2(11cH)−オン(20)
Figure 2015180608

アルゴン雰囲気下、化合物19(23.9mg,0.050mmol)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(150mg,1.0mmol)及びモルホリン(43.6μL,0.50mmol)を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物を分取TLCにて精製し、白色アモルファスとして化合物20(24.9mg,94%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ 0.60−0.75(m,1H),0.98−1.08(m,2H),1.13(dd,J=7.2,15.2Hz,1H),1.22−1.39(m,1H),1.48−1.74(m,5H),1.93(dt,J=3.6,12.0Hz,1H),2.26−2.56(m,9H),2.82−2.95(m,4H),3.07(dt,J=2.0,11.6Hz,1H),3.25−3.46(m,1H),3.66−3.78(m,5H),3.83(d,J=14.8Hz,1H),4.90(d,J=14.8Hz,1H),6.47(d,J=2.4Hz,1H),6.57(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),6.97(d,J=8.0Hz,1H),7.15−7.33(m,5H).

(実施例5−8)
化合物14を用い、表1に記載した方法に従って実施例5〜8の化合物(フリー塩基及びそのメシル酸塩)を得た。
Figure 2015180608

表中の合成法
方法a:実施例1(7)および(8)に記載の方法
方法b:実施例2に記載の方法
方法c:実施例3に記載の方法
方法d:実施例4に記載の方法

(実施例9)
オピオイド受容体機能試験
本発明化合物のμ、δおよびκオピオイド受容体に対する機能活性を調べた。

方法:Lance Ultra cAMP kit(パーキンエルマー社)を用い、所定の方法に従って実施した。アゴニスト活性の評価では、各ヒトオピオイド受容体(δ、μおよびκ「アクセッション番号とカタログ番号は下記」)発現CHO細胞と被験化合物をそれぞれ10μM フォルスコリン存在下にて、アッセイバッファー(1×HBSS,1M HEPES,pH7.4,250mM IBMX(Isobutylmethylxanthine),7.5% BSA)中で30分間反応させた。続けて、キット中のcAMP検出試薬を添加し、1時間後にEnVisionプレートリーダー(パーキンエルマー社)を用いて時間分解蛍光測定を行った。被験化合物および各対照薬(δ:SNC80、μ:DAMGO、κ:U−69593 )は10−12〜10−5Mの濃度範囲で評価を行い、665nmの蛍光値から被験化合物の用量反応曲線を求め、EC50値およびEmax値を算出した。Emax値は各対照薬の最大反応を100%とした時の、被験化合物の最大反応の割合で求めた。

SNC80:
(+)−4−[(α R)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−メトキシベンジル]−N,N−ジエチルベンズアミド

DAMGO:
[D−Ala,N−MePhe,Gly−ol]enkephalin

U−69593:
(+)−(5α,7α,8β)−N−メチル−N−[7−(1−ピロリジニル)−1−オキサスピロ[4.5]デシ−8−イル]ベンゼンアセトアミド

アクセッション番号及びカタログ番号
δ:Catalog No.CT4607,accession No.NM_000911.2
μ:Catalog No.CT4605,accession No.NM_000914
κ:Catalog No.CT4606,accession No.NM_000912
(ChanTest Corporation)
Figure 2015180608
N.C.:最高濃度(10μM)において最大反応に達していなかったため、EC50値は算出しなかった。
:最高濃度において最大反応に達していなかったため、参考値として最高濃度での反応率を示した。

1)塩酸塩又はメシル酸塩を用いた。

表2に示すとおり、本発明の化合物は、オピオイドδ受容体に対して強力なアゴニスト活性を有することが確認された。

(実施例10)
オピオイド受容体結合試験
本発明化合物のμ、δおよびκオピオイド受容体に対する結合親和性を調べた。

方法:既報(J.Biol.Chem.2001 276:15409―15414.)に準じてマウス大脳およびモルモット小脳膜画分を調製した。各オピオイド受容体に対する放射性リガンドとして[H]DAMGO(μオピオイド受容体)、[H]DPDPE(δオピオイド受容体)、[H]U69,593(κオピオイド受容体)を用いた。μおよびδ受容体のアッセイはマウス大脳膜画分、κ受容体のアッセイはモルモット小脳膜画分を用いた。非特異的結合は、μ:DAMGO、δ:DPDPE、κ:U69,593をそれぞれ1μMで用いた。各受容体膜画分と放射性リガンド及び各種濃度の検体を所定の時間反応させ、B/F分離後、液体シンチレーションカウンターにてフィルター上に残存する放射能量を測定し、被験化合物の結合阻害率(IC50値)を算出した。Ki値は、得られたIC50値から下式を用いて算出した。
Ki=IC50/(1+L/Kd)
L:用いた放射性リガンドの濃度
Kd:放射性リガンドのKd値

また、オピオイド受容体におけるδ−受容体選択性は、μまたはκに対するKi値とδに対するKi値との比(μ/δまたはκ/δ)を算出して求めた。

DAMGO:
[D−Ala,N−MePhe,Gly−Ol]enkephalin
DPDPE:
[D−Pen,D−Pen]enkephalin
Figure 2015180608
1)塩酸塩又はメシル酸塩を用いた。

表3に示すとおり、本発明の化合物は、オピオイドδ受容体に対して選択的な親和性を示した。

Claims (16)

  1. 次の一般式(I)、
    Figure 2015180608

    は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、ヘテロアリール(N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含む。)、アラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、ヘテロアリールアルキル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、シクロアルキルアルキル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、C2−6アルケニル、アリールアルケニル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、ヘテロアリールアルケニル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、シクロアルキルアルケニル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)、C4−6シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、又はシクロアルケニルアルケニル(シクロアルケニル部分の炭素原子数は4〜6で、アルケニル部分の炭素原子数は2〜6。)を表し、
    及びRは同一又は異なって、水素、ヒドロキシ、シアノ、カルバモイル、C1−6アルコキシ、C6−10アリールオキシ又はC1−6アルカノイルオキシを表し、
    、R及びRは同一又は異なって、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、シクロアルキルアルキル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)、アラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)又はヘテロアリールアルキル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)を表すか、或いは、RがR又はRと一緒になって、Rが結合するN原子と共に4〜7員環(環構成原子として、Rが結合しているN原子以外に、N、O、Sから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い。)を形成しても良く、
    XはO又はCHを表し、
    m及びnは同一又は異なって、0〜2の整数を表す(m及びnの両方が0ということはない)。
    但し、R、R、R及びRのC1−6アルキル、RとRで形成される4〜7員環、並びにRとRで形成される4〜7員環はヒドロキシ基で置換されていても良く、
    そして、 RのC6−10アリール、及びアラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)のアリール部分、ヘテロアリール(N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含む。)及びヘテロアリーアルキル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)のヘテロアリール部分は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル(アルコキシ部分の炭素原子数は1〜6。)、カルバモイル、アルキルカルバモイル(アルキル部分の炭素原子数は1〜6。)、ジアルキルカルバモイル(アルキル部分の炭素原子数は1〜6。)、ハロゲン、ニトロ、シアノ、1〜3個のハロゲンで置換されたC1−6アルキル、1〜3個のハロゲンで置換されたC1−6アルコキシ、フェニル、ヘテロアリール(N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含む。)、フェノキシ、フェニルアルキル(アルキルの炭素原子数は1〜3。)、メチレンジオキシ及びNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、ここでR及びRは各々独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルカノイル、若しくはアルコキシカルボニル(アルコキシ部分の炭素原子数は1〜6。)を表すか、或いはRとRが、それらが結合するN原子と一緒になって、さらにN、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い4〜7員の環を形成しても良い。)
    で表されるモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  2. 、R及びRが同一又は異なって、水素、C1−6アルキル又はシクロアルキルアルキル(シクロアルキル部分の炭素原子数は3〜6で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)である請求項1記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  3. がR又はRと一緒になって、Rが結合するN原子と共に4〜7員環(環構成原子として、Rが結合しているN原子以外に、N、O、Sから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い。)を形成する請求項1記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  4. がRと一緒になって、Rが結合するN原子と共に4〜7員環(環構成原子として、Rが結合しているN原子以外に、N、O、Sから選択されるヘテロ原子を含んでいても良い。)を形成する請求項1記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  5. mとnの合計が1〜3の整数である請求項1〜4記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  6. nが1である請求項1〜4記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  7. が置換基を有しても良いアラルキル(アリール部分の炭素原子数は6〜10で、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)又はヘテロアリールアルキル(ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1〜5。)である請求項1〜6記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  8. XがCHである請求項1〜7記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  9. が水素で、Rが水素、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイルオキシ、又はカルバモイルである請求項1〜8記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  10. が水素で、Rがヒドロキシである請求項1〜8記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
  11. 塩が酸付加塩である請求項1〜10記載のモルヒナン誘導体の薬学的に許容される塩、その互変異性体、立体異性体、又はそれらの溶媒和物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物からなる医薬。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する鎮痛薬。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する抗不安薬。
  16. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のモルヒナン誘導体、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する抗うつ薬。
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