以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態におけるゲームシステムは、例えば1つの店舗(アミューズメント施設等)内に店舗サーバ1が設けられている。店舗サーバ1は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、店舗内に設置された複数のゲーム機10(10−1,10−2,…,10−n)と接続されている。
店舗サーバ1は、プロセッサによりメモリに記録されたプログラムを実行して、ゲーム機10を利用するプレーヤ(顧客)の管理を行なう。店舗サーバ1には、顧客データベース1aが設けられている。顧客データベース1aは、例えばハードディスク装置などの記録装置に記録されている。
店舗サーバ1は、店舗全体(複数のゲーム機10)によるペイアウト率の管理、複数のゲーム機10におけるそれぞれのペイアウト率の管理を行なう。さらに、本実施形態では、ゲーム機10を利用するプレーヤ毎にペイアウト率を管理する。顧客データベース1aは、プレーヤ毎にペイアウト率を管理するための顧客情報を記録するためのもので、例えばプレーヤ(顧客)を識別するためのデータ(プレーヤ識別データ)と対応づけて、ゲーム機10の利用履歴に関するデータ等を記録する。利用履歴には、過去にゲームを使用するためにプレーヤが投入したメダルの枚数(IN枚数)や、プレーヤへの払い出しメダル枚数、ペイアウト率などが含まれる。なお、顧客データベース1aには、他のデータをプレーヤ毎に記録しても良い。
店舗サーバ1は、各ゲーム機10において取得されたデータ(顧客情報)を受信して顧客データベース1aに記録し、また必要に応じて顧客データベース1aに記録されたデータ(顧客情報)をゲーム機10に送信する。
図2は、本実施形態におけるゲーム機10の外観を示す斜視図、図3は、図2に示すゲーム機10の外観を示す平面図である。
ゲーム機10は、テーブル形状をしており、テーブル面を構成する上部筐体12と、上部筐体12を下から支持する下部筐体14から構成されている。
上部筐体12の上面中央部には、ディスプレイ16が配置されており、テーブル面の大部分を占めている。また、上部筐体12の上面には、ディスプレイ16の周囲に複数のコントロールパネル20,21,22,23,24,25が設けられている。本実施形態のゲーム機10では、例えば、同時に6人のプレーヤがゲームに参加できるように、6箇所にコントロールパネル(ターミナル1〜6)20〜25が設けられている。
コントロールパネル20には、トラックボール20a、ボタン20b、メダル投入口20c、及び識別ユニット20dが配置されている。トラックボール20aは、プレーヤがボールを回転させる操作をすることで、前後左右斜め等の方向を指示することができる。さらに、ボール内部にLED(Light Emitting Diode)を備え、例えば通常はプレーヤが操作するキャラクタ(以下に説明するモグラキャラクタ)に応じた色で点灯し、アイテム発見時やメダル払い出し時等のイベント時には内部制御により様々な色で点灯/点滅するといった演出をすることができる。ボタン20bは、プレーヤが押下することで、ゲーム処理において例えば実行/決定等を指示することができる。メダル投入口20cは、ゲームを進行させるためのメダルを投入するための挿入口である。メダル投入口20cには、複数枚のメダルを容易に投入することができるようにメダル受けが形成されている。識別ユニット20dは、コントロールパネル20を使用してゲームに参加するプレーヤを識別するためのデータを取得するためのユニットである。本実施形態において、識別ユニット20dは、例えばプレーヤ個人を識別するためのデータ、またはコントロールパネル20を操作しているプレーヤが存在していることを識別するためのデータを取得する機能、あるいは両方のデータを取得できる機能が設けられるものとする。
プレーヤ個人を識別する場合には、識別ユニット20dは、例えば、プレーヤ毎に発行されたプレーヤ識別データ(プレーヤID)を記録する記録媒体からデータを読み取るユニット、プレーヤの生体情報(バイオメトリクス情報)を読み取るユニット、プレーヤの顔や印刷物等の画像を撮影するカメラユニットとすることができる。プレーヤIDを記録する記録媒体には、例えばICカードや磁気カード、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、携帯電話機などを用いることができる。生体情報としては、指紋、手や腕の静脈パターン、目の虹彩パターンなどがある。カメラユニットにより撮影された画像については、例えばプレーヤの顔の目、鼻、口の配置パターンにより個人を識別することができ、また印刷物の画像ではバーコードや2次元コードなどのコードデータあるいは特別な図形や文字のパターンなどにより識別することができる。
また、コントロールパネル20を操作しているプレーヤが存在していることを識別する場合には、識別ユニット20dは、コントロールパネル20を操作するために座っているプレーヤに対して、赤外線や音波を照射して、その反射をもとにプレーヤの有無を検出するユニット(対人センサ)、あるいは画像を撮影するユニットとすることができる。なお、この種の識別ユニット20dを用いる場合には、上部筐体12の上面部ではなく、プレーヤと相対する側面部に設けることが好ましい。
なお、コントロールパネル20を継続して使用しているプレーヤを識別するために、メダル投入口20cから連続してメダルが投入されていることを判別するようにしても良い。すなわち、メダルが投入されている間隔が予め決められた時間内にある場合には、同じプレーヤがコントロールパネル20を操作しているものと判別する。さらに、プレーヤが座る椅子(図示せず)に圧力センサ等を設けることにより、プレーヤの存在を検知するようにしても良い。
なお、コントロールパネル21〜25においても、コントロールパネル20と同様にして、トラックボール21a〜25a、ボタン21b〜25b、メダル投入口21c〜25c、及び識別ユニット21d〜25dがそれぞれ配置されている。
本実施形態におけるゲーム機10は、地面を掘り起こすことによって地面に埋もれている各種アイテムを取得するゲームを提供する。ゲーム機10は、ディスプレイ16において、地面に各種アイテムが埋もれているゲーム空間を表現するゲーム画面を表示し、トラックボール20aの操作によって掘り起こす位置が指定され、ボタン20bにより掘り起こし実行が指示されると、指定された位置の所定範囲の地面を掘り起こすような画面に変更する。指定された位置の所定範囲内にアイテムが配置されている場合に、アイテムを取得することができる。
アイテムには、化石、鉱石、宝石、宝箱、ロボットなど各種のものがステージ毎に用意されており、種類によって例えば大中小の異なるサイズがある。例えば、小サイズのアイテムの場合は、1回の掘り起こしによってアイテム全体を掘り起こすことができるが、大中サイズの場合は、アイテム全体が露出されるまで複数箇所を掘り起こす必要があるものとする。
ボタン20bの操作による掘り起こしの実行は、メダルが投入されている場合に有効となる。すなわち、本実施形態におけるゲーム機10では、メダルを投入して、ボタン20bの操作をすることによりゲームを進行させることができる。ゲーム機10は、メダル投入口20cから予め複数枚のメダルを投入してクレジットしておくことで、ボタン20bの操作により連続した掘り起こしを指示することが可能となる。
アイテムを掘り起こすことにより、アイテムの種類に応じた枚数のメダルがプレーヤに払い出される。基本的に、サイズが大きいアイテムほど多くのメダルが払い出される。本実施形態におけるゲーム機10では、複数箇所の掘り起こしが必要な大サイズのアイテム(大アイテム)については、複数のプレーヤが協同して掘り起こした場合に、各プレーヤの掘り起こし貢献度(掘り起こしに使用したメダル枚数)に応じて、大アイテムについて払い出されるメダルを分配することができる。また、ゲーム処理中には、大アイテムの掘り起こしに参加しているプレーヤ毎に掘り起こし貢献度を表す表示(例えば、払い出しの分配率など)をすることができる。
ゲーム機10は、複数のステージ(例えば20〜30パターン)が用意されており、ステージによって異なる演出が付加されたゲーム画像を表示する。例えば、亜熱帯のジャングル、鍾乳洞、恐竜の化石が埋まる古代地層、地下未来都市などを表現するゲーム画面がステージ毎に提供される。ゲーム機10は、例えば予め決められた一定時間を1ステージ分のプレイ時間とし、一定時間毎にステージを更新して新たなゲームを開始する。従って、プレーヤは、6つのコントロールパネル20〜25の何れかの前に着席して、任意のタイミングでゲームに参加することができる。
なお、ゲーム機10は、ディスプレイ16に表示されるゲーム画面を、例えばステージ毎に、表示位置を固定する他、縦横スクロール、フロントスクロールなどのように変化させることもできる。さらに、本実施形態におけるゲーム機10は、プレーヤ毎にペイアウト率を調整するために、ボタン20bの操作によって掘り起こしが指示された時に、掘り起こしが指定された位置にアイテムを配置して、掘り起こし後のゲーム画面に表示することもできる。プレーヤに対するペイアウト率を上げる場合には、メダルが払い出されるようにアイテムを配置し、ペイアウト率を下げる場合には、アイテムを配置しないようにする。また、アイテムを配置する場合に、アイテムの種類を選択することにより、アイテムに応じたメダルの払い出し枚数を調整することもできる。
なお、下部筐体14には、6つのコントロールパネル20〜25(ターミナル)毎に、メダルが払い出されるメダル払い出し口が設けられている。図2では、コントロールパネル20,21に対応するメダル払い出し口30,31を示している。例えば、コントロールパネル20を使用しているプレーヤは、メダル払い出し口30に払い出されたメダルを取り出すことができる。
図4は、本実施形態におけるゲーム機10の構成を示すブロック図である。ゲーム機10は、下部筐体14内に制御ユニット36及びメダル払い出しユニット30a,31a,…,35aが収容されている。制御ユニット36は、例えばCPU40、記録部41(ゲームプログラム41a、掘り起こし貢献度データ41b、IN枚数貢献度データ41c)、表示制御部42、音声制御部45、及び入出力制御部48が実装されている。
CPU40は、ゲーム機10全体の制御を司るもので、記録部41に記録された基本プログラムや各種アプリケーションプログラム(ゲームプログラム41aを含む)を実行することで各部を制御する。CPU40は、記録部41に記録されたゲームプログラム41aに基づいてゲーム処理を実行し、表示制御部42を通じてゲーム画面をディスプレイ16に表示させると共に、音声制御部45を通じてスピーカ46から音楽や効果音などの音声を出力させる。また、CPU40は、入出力制御部48を通じて、メダル払い出しユニット30a〜35aによるメダルの払い出しを制御する。
記録部41は、基本プログラムやゲームプログラム41aを含む各種アプリケーションプログラム、各種データが記録される。ゲームプログラム41aによって処理されるデータには、ゲーム画面中に表示されるステージ毎のゲーム空間を表す画像、ゲーム中に出力する音楽や演出用の効果音などのデータの他、大アイテムが掘り出された場合のメダルの払い出し枚数を管理するために掘り起こし貢献度データ41b、プレーヤ毎のペイアウト率を管理するためのIN枚数貢献度データ41cなどが含まれる。
表示制御部42は、CPU40の制御のもとで、ディスプレイ16における表示を制御する。
音声制御部45は、CPU40の制御のもとで、スピーカ46からの音声出力を制御する。
通信制御部47は、CPU40の制御のもとで、店舗サーバ1との通信を制御する。
入出力制御部48は、CPU40の制御のもとで、各コントロールパネル20〜25からのデータ入力、及びメダル払い出しユニット30a〜35aによるメダル払い出しを制御する。例えば、入出力制御部48は、コントロールパネル20については、トラックボール20a、ボタン20b、識別ユニット20d、及びメダルセンサ20eからの信号に応じてCPU40に通知する。なお、メダルセンサ20eは、メダル投入口20cに投入されたメダルを検知するためのセンサである。
メダル払い出しユニット30a,31a,…,35aは、入出力制御部48から入力される制御信号に応じて、所定枚数のメダルを、それぞれに対応するメダル払い出し口に払い出す。
図5は、本実施形態におけるゲーム機10のペイアウト管理に関係する機能の構成を示すブロック図である。
図5に示すゲーム処理部40aは、CPU40がゲームプログラム41aを実行することにより実現される機能である。ゲーム処理部40aには、ゲーム制御部40b及びペイアウト制御部40cが含まれる。
ゲーム制御部40bは、コントロールパネル20〜25によるプレーヤの入力操作に応じてゲームを制御する。また、ゲーム制御部40bは、ペイアウト制御部40cにより管理されたプレーヤ毎のペイアウト率に基づいて、プレーヤ毎にペイアウト率を調整するようにゲーム内容を変更する。
ペイアウト制御部40cは、ゲーム制御部40bにより制御されるゲームの結果に対する払い出しについて、ゲーム機10全体のペイアウト率、及びプレーヤ毎のペイアウト率を管理する。ペイアウト制御部40cは、ペイアウト率の調整のために、ゲーム制御部40bによりゲーム内容を変更させる。ペイアウト制御部40cには、全体別管理部40d、ターミナル別ペイアウト管理部40e、及び識別判定部40fが含まれる。
全体別管理部40dは、複数のコントロールパネル20〜25(ターミナル1〜6)の操作によって実行されるゲームについての全体のペイアウト率(ゲーム機10全体のペイアウト率)を管理する。全体別管理部40dは、各ターミナル1〜6から入力されたメダル枚数(IN枚数)に対して、払い出されるメダル枚数の比率が、ゲーム機10に対して予め管理者等の操作により設定されたペイアウト率となるように、各ターミナル1〜6で実行されるゲーム結果として払い出されるメダル枚数を調整する。
ターミナル別ペイアウト管理部40eは、複数のコントロールパネル20〜25(ターミナル1〜6)毎にペイアウト率を管理する。本実施形態におけるターミナル別ペイアウト管理部40eは、識別判定部40fによって識別される各ターミナル1〜6でゲームに参加しているプレーヤ毎に、IN枚数積算カウント部40e1によりIN枚数(投入したメダル枚数)をカウントし、IN枚数積算カウント部40e1によりカウントされたIN枚数に基づいてIN枚数貢献度ペイアウト制御部40e2によりペイアウト率を調整する。IN枚数貢献度ペイアウト制御部40e2は、例えばゲーム制御部40bに対して、ペイアウト率の調整対象とするプレーヤが使用しているターミナルで実行されるゲームの内容の変更を指示する。ペイアウト率を上げる場合(メダル払い出しを多くする)場合には、例えば、該当するターミナルにおける入力操作に応じてアイテムを表示して、メダルが払い出されるようにする。
識別判定部40fは、コントロールパネル20〜25(ターミナル1〜6)を使用しているプレーヤを識別する。例えば、コントロールパネル20については、識別ユニット20dによって取得されたデータをもとに、例えばプレーヤ個人を識別する判定処理、あるいはコントロールパネル20を操作しているプレーヤが存在していることを識別する判定処理を実行する。何れの判定処理を実行するかはゲーム機10の運用方法に応じて決定されるものとする。
次に、本実施形態におけるゲーム機10によって実行されるゲームの詳細について説明する。
まず、ゲーム機10のディスプレイ16に表示されるゲーム空間を表現するゲーム画面について説明する。本実施形態におけるゲーム機10では、図6に示すようなアイテムが配置された第1のフィールド(以下、アイテムフィールド71と称する)を、図7に示すように、第2のフィールド(以下、クリアフィールド70と称する)により覆っているゲーム空間を表現する画像を表示する。図8には、クリアフィールド70とアイテムフィールド71との関係を概念的に示している。
アイテムフィールド71は、図6に示すように、異なる種類を含む複数のアイテム(大アイテム50、中アイテム51、小アイテム52)が配置されている。大アイテム50は、例えば恐竜の化石を表しており、他のアイテムよりも大きなサイズのため、広い範囲の掘り起こしが必要となる。すなわち、プレーヤは、多くのメダルを投入して、大アイテム50を掘り起こすための操作をしなければならない。大アイテム50については、複数のプレーヤが協同して掘り起こした場合に、各プレーヤの掘り起こし貢献度(掘り起こしに使用したメダル枚数)に応じて、大アイテムについて払い出されるメダルを分配することができる。大アイテム50が掘り出された場合には、中アイテム51や小アイテム52よりも大量のメダルが払い出されるものとする(掘り出しに要するメダル枚数に対する配当率が中アイテム51や小アイテム52よりも大きい)。なお、図6において、大アイテム50は、1つのみ示しているが、ステージによっては複数の大アイテム50が配置されていても良い。
中アイテム51は、例えば古代生物の化石や鉱物を表しており、大アイテム50よりもサイズが小さくなっている。中アイテム51は、大アイテム50よりも少ないメダル枚数を使用して掘り出すことができる。小アイテム52は、例えば宝石(球状)を表しており、中アイテム51よりもサイズが小さくなっている。小アイテム52は、例えばプレーヤによる1回の操作によって掘り出すことができる。
ゲーム処理では、プレーヤの操作によってアイテムが掘り出された場合(すなわち、アイテム全体が表示された状態になった場合)に、アイテムの種類に応じた枚数のメダルがプレーヤに対して払い出される。大アイテム50、中アイテム51及び小アイテム52は、図6に示すようにサイズが異なるために、掘り出すために投入したメダル枚数がアイテム毎に異なる。従って、アイテムを掘り出すために投入されたメダルの枚数に応じて、メダルの払い出しが実行される。
なお、図6に示すアイテムの種類と数は一例であって、ステージ毎に異なるものとする。また、同じ種類のアイテムであっても、サイズや形状が異なっていても良い。例えば、図6に示す例では、中アイテム51に異なるサイズと形状のアイテムが含まれている。
クリアフィールド70は、図7に示すように、予め決められたパターンが設定されている。図7では、正六角形が隙間なく配列されたパターン(以下、ハニカムグリッドと称する)が設定されている。ハニカムグリッドの1つのエリアは、プレーヤの1回の操作により表示が変更される所定範囲を示すものである。すなわち、プレーヤによるトラックボールの操作により何れかの位置(エリア)が指定され、ボタンの操作により実行が指示されると、指定された位置に対応する1つのエリアのクリアフィールド70の表示をアイテムフィールド71に代えて表示する。すなわち、例えば地面などが掘り起こされたように表示する。
図7は、クリアフィールド70の一部がプレーヤの操作により掘り起こされて、アイテムフィールド71に配置されたアイテムの一部が表示(アイテムが掘り起こされて露出)された状態を示している。
図7におけるモグラキャラクタ60(60a,60b,60c,60d)は、プレーヤによるトラックボールの操作により指定された位置に表示されるものであり、いわゆるカーソルに相当するものである。図7は、4人のプレーヤが同時にゲームに参加しているため、各プレーヤに対応する4つのモグラキャラクタ60a,60b,60c,60dが表示されている例を示している。
モグラキャラクタ60は、プレーヤによって何も操作されていない場合には、コントロールパネル(ターミナル)20〜25毎に予め決められたゲーム画面中のニュートラルポジション、例えばコントロールパネルの近傍に表示されているものとする。また、モグラキャラクタ60は、プレーヤの操作に応じて表示形態が変化するものとし、例えばメダルが投入されることで出現し、トラックボールが操作されることにより移動中を表し、ボタン操作されることにより穴を掘る様子を表すアニメーション演出がされるものとする。
なお、ゲーム画面には、図7に示すような、グリッドを示す線が表示されていないものとする。トラックボールの操作によって何れかの方向がプレーヤによって指示された場合に、ハニカムグリッドの配置に合わせてモグラキャラクタ60を指示された方向に移動させるものとする。また、ボタンの操作により掘り起こしが指示された場合には、その時のモグラキャラクタ60が位置しているエリアの表示をクリアフィールド70からアイテムフィールド71(地面を掘り起こしたことを表現する画像)に変更する。ただし、ゲーム画面おける演出上、該当するエリアのみを厳密に変更するのではなく、エリア境界近傍を穴が掘られていることを表現するような修飾を施すものとする。
図9は、ゲーム処理中に表示される山分けメータ80の一例を示す図である。山分けメータ80は、大アイテム50の全体が掘り出された場合に払い出されるメダルのプレーヤ(ターミナル)毎の割合を示すものである。図9に示す山分けメータ80は、矢印によって示す針が「しょんぼり」「まあまあ」「たんまり」の範囲で振れるメータを模している。例えば、大アイテム50を1人のプレーヤの操作によって掘り出している場合には、1人のプレーヤに全て払い出されることを示すように、「たんまり」側に100%を表すように山分けメータ80が表示される。また、2人のプレーヤによって1つの大アイテム50を掘り出している場合には、各プレーヤが大アイテム50を掘り出している面積、すなわち大アイテム50に対応するエリアの表示を変更する操作のために投入したメダルの枚数の割合を示すように、それぞれのプレーヤに対応する2つの山分けメータ80が表示される。山分けメータ80の表示は、ゲーム処理中に各プレーヤが大アイテム50を掘り起こすために投入したメダル枚数に応じて変化する。
山分けメータ80は、例えばゲーム処理中に、プレーヤの操作によって大アイテム50が配置されたエリア(少なくとも1エリア)の掘り出しをした場合に、同プレーヤが操作するコントロールパネル(ターミナル)に対応づけて表示される。例えば、山分けメータ80は、コントロールパネル(ターミナル)毎のニュートラルポジションに表示したり、ゲーム画面中の予め決められた位置に、各コントロールパネル(ターミナル)に対応する山分けメータ80を並べて表示したりしても良い。さらに、各プレーヤが操作するモグラキャラクタ60に付加して山分けメータ80を表示するようにしても良い。
図10は、モグラキャラクタ60に付加された山分けメータ81の一例を示す図である。図10に示すように、山分けメータ81をモグラキャラクタ60に付加することで、ゲーム処理中にゲーム画面内でモグラキャラクタ60を移動させている間にも、山分けメータ81の状態を容易に確認することができる。すなわち、通常、プレーヤは、モグラキャラクタ60を移動させる場合、モグラキャラクタ60を注視しながら操作をしているので、モグラキャラクタ60と共に山分けメータ81を視認することができる。
図11は、山分けメータ81cが付加されたモグラキャラクタ60cのゲーム画面中の表示例を示している。
図11に示すように、大アイテム(例えば、恐竜の化石)を掘り起こすために、大アイテムの形状に合わせてモグラキャラクタ60cが移動される。通常、複数のプレーヤによって1つの大アイテムの掘り出しがされている場合、山分けメータ81cの表示内容は、大アイテムの掘り出し(ハニカムグリッドに合わせたエリア単位の表示の変更)をする毎に変化する。しかし、モグラキャラクタ60cに山分けメータ81cが付加されていることで、表示内容の変化を容易に確認できる。
図11に示すゲーム画面の例では、コントロールパネル22に対してのみプレーヤが操作しているため、コントロールパネル22に対応するモグラキャラクタ60c(山分けメータ81c)のみがゲーム画面内で移動している。他のコントロールパネル20,21,23〜25に対応するモグラキャラクタ60a,60b,60d,60e,60fは、ニュートラルポジションに表示されている。
また、各コントロールパネル20〜25に対応するニュートラルポジションには、「SPECIAL」の文字列90a,90b,90c,90d,90e,90fが表示されている。「SPECIAL」の各文字は、複数のイベント判定用アイテムのそれぞれに対応するもので、イベント判定用アイテムが掘り出されることにより表示形態が変更される(例えば、色や輝度が変更される)。「SPECIAL」の全ての文字の表示形態が変更された場合、すなわち全てのイベント判定用アイテムが掘り出された場合にイベントフラグが立ち、通常のゲームと異なるイベントが実行される。本実施形態のゲーム機10では、イベントとして、通常のゲームとは異なる内容のミニゲームが実行され、ゲーム結果に応じてメダルの払い出しがされるものとする。ミニゲームには、イベントフラグが立った時点でゲーム中のプレーヤ(ターミナル)のみが参加できるものとする。
なお、図9に示す1つの山分けメータ80は、1つの大アイテム50に対応して表示される。従って、1つのステージのゲーム空間に複数の大アイテム50が配置されている場合、例えば2つの大アイテム50が配置されている場合には、1人のプレーヤが2つの大アイテム50の掘り出しに参加していれば、2つの山分けメータ80が1人のプレーヤ(ターミナル)に対して表示されるものとする。図10に示すように、モグラキャラクタ60に付加して山分けメータ81が表示される場合も、同様にして、2つの大アイテム50にそれぞれ対応する2つの山分けメータ81が表示されるものとする。
また、1つの山分けメータ80によって、複数の大アイテム50のそれぞれについての払い出しの割合を表示するようにしても良い。これにより、山分けメータ80の表示に要する面積を少なくすることができる。
また、図9〜図11では、針が振れるように表示される山分けメータ80,81によって払い出しの割合を示しているが、他の表示形態によって払い出しの割合をプレーヤに通知するようにしても良い。例えば、各種のグラフ(円グラフ、棒グラフなど)や数字によって割合を示す他、色、輝度、図形を変化させることで割合を示すようにしても良い。
次に、本実施形態におけるゲーム機10により実行されるゲーム処理について、フローチャートを参照しながら説明する。図12は、ゲーム機10により実行されるゲーム処理全体の処理の流れを示すフローチャート、図13は、ターミナル毎に実行されるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ゲーム処理全体の処理の流れについて、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
CPU40は、ゲーム機10の電源が投入されるとゲームプログラム41aの実行を開始する。CPU40は、予め用意された複数のステージのうち最初に実行する新ステージ画面をディスプレイ16において表示させて(ステップA1)、ゲームを開始する(ステップA2)。すなわち、1ステージ毎の時間が予め決められており、この時間を判別するためのタイマ計測を開始する。
CPU40は、各コントロールパネル21〜25に対するプレーヤの操作に応じてゲーム処理を実行する(ステップA3)。なお、ターミナル毎に実行されるゲーム処理の詳細については後述する。
CPU40は、タイマが0となったか、すなわち1ステージ分の時間が経過したかを判別する。ここで、タイマが0となった場合には(ステップA4、Yes)、CPU40は、次の新ステージの画面をディスプレイ16に表示させて、前述と同様にして、次のステージについてのゲーム処理を実行する(ステップA1〜A4)。
また、タイマが0となる前に、ゲームに参加しているプレーヤの操作によってステージの例えば90%の面積が掘り起こされた場合(ステップA5、Yes)、CPU40は、同様にして、現在のステージのゲーム処理を終了して、次の新ステージのゲームに移行する(ステップA1〜A5)。すなわち、ステージの大部分が掘り起こされた場合には、プレーヤの操作によって掘り起こしの対象となる部分が少なくゲームとして楽しめないため、ゲーム時間が余っていても強制的に次のステージに移行する。
また、ゲーム処理中にイベントフラグが立った場合には、CPU40は、イベントとしてミニゲームを実行する(ステップA7)。本実施形態では、アイテムフィールド71に配置された複数のイベント判定用アイテムが全て掘り起こされた場合にイベントフラグが立つものとする。例えば、「SPECIAL」の各文字に対応する7つのアイテムが配置されているものとする。7つのアイテムは、何れのプレーヤが掘り起こしてもよい。イベント判定用アイテムが掘り起こされた場合、各ニュートラルポジションに表示された「SPECIAL」の文字列90a〜90fの該当する文字の表示形態を変更して、現在の状態をプレーヤに通知する。なお、ミニゲームは、通常のゲームと異なるものであって、どのような種類のゲームであっても良い。
このように、本実施形態におけるゲーム機10は、複数のステージを繰り返して実行している。従って、プレーヤは、任意のタイミングでゲームに参加することができる。このため、1つのステージのゲームに参加するプレーヤの数は不定となる。
次に、ターミナル毎に実行されるゲーム処理の流れについて、図13のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、コントロールパネル20(ターミナル1)においてプレーヤが操作している場合を例にして説明する。
本実施形態におけるゲーム機10では、例えばプレーヤがゲームに参加する前に、プレーヤを識別するための識別判定処理を実行する(ステップB1)。
例えば、プレーヤは、プレーヤに対して予め発行されたプレーヤ識別データ(プレーヤID)を記録する記録媒体(例えばICカード)を識別ユニット20dに装着する。識別ユニット20dは、プレーヤにより装着された記録媒体からプレーヤIDを読み取り、CPU40に出力する。なお、プレーヤIDは、ゲーム機10あるいはゲーム機10とは別の装置によって発行できるようにしても良いし、インターネットを通じて配信されるようにしても良い。プレーヤは、所定の記録媒体にプレーヤ識別データを記録することにより、ゲーム機10において利用できるようになる。
CPU40(識別判定部40f)は、識別ユニット20dから取得したプレーヤIDをIN枚数貢献度データ41cとして記録すると共に、店舗サーバ1に送信する。店舗サーバ1は、ゲーム機10から受信したプレーヤIDが顧客データベース1aに記録されているか判別し、該当するプレーヤIDと対応づけて記録されたデータをゲーム機10に送信する。すなわち、過去にプレーヤがゲームを使用するために投入したメダルの枚数(IN枚数)や、プレーヤへの払い出しメダル枚数、ペイアウト率等を送信する。
CPU40(ゲーム処理部40a)は、店舗サーバ1から受信したデータをIN枚数貢献度データ41cとして記録する。図14には、IN枚数貢献度データ41cの一例を示している。図14に示すように、ターミナル別に、プレーヤ識別データ(プレーヤID)と対応づけて、IN枚数を示すIN枚数データ、ターミナル(プレーヤ)毎にペイアウト率の調整をすることを示す払い出し調整データの他、店舗サーバ1から受信したデータ(図示を省略している)が含まれる。払い出し調整データは、例えばIN枚数が予め決められた基準値以上(IN枚数の貢献度が高い)となり、プレーヤに対するペイアウト率が予め設定された値より低い場合(払い出しが少ない状態)にある場合にセットされる。ターミナル別ペイアウト管理部40eは、払い出し調整データがセットされている場合に、後述するようにゲーム制御部40bによりゲーム内容を変更させることで、プレーヤ毎にペイアウト率の調整を図る。
なお、識別判定部40fは、プレーヤ個人を識別すると、それ以降のゲーム処理の識別判定処理において、同じターミナルで継続してゲームに参加していることを判別するものとする。例えば、識別ユニット20dに記録媒体が装着されたままである場合に、記録媒体から読み取られプレーヤIDが同じであれば、継続してゲームをしていると判定できる。また、前述したように、対人センサの検出結果やメダルセンサ20eによって検知されるメダルの投入間隔に基づいて識別することもできる。
なお、前述した説明では、ICカードに記録されたプレーヤIDを読み取ることによりプレーヤを識別しているが、他の方法(生体情報、画像等を用いる)によってプレーヤ個人を識別判定するようにしても良い。この場合、識別方法に応じたプレーヤを特定するためのデータが、予め店舗サーバ1の顧客データベース1aに登録されているものとする。
また、識別判定処理によって、コントロールパネル20を使用していたプレーヤがゲームを終了したことが判定された場合(コントロールパネル20から離れたことが検出された場合、あるいはメダルの投入が予め決められた時間内にされなかった場合など)、CPU40は、ゲームを終了したプレーヤのIN枚数貢献度データ41cを店舗サーバ1に送信する。店舗サーバ1は、ゲーム機10から受信したIN枚数貢献度データ41cを、顧客データベース1aに記録する。
プレーヤ個人が識別された後、CPU40は、ゲーム処理中にトラックボール20aの操作がされると(ステップB2、Yes)、トラックボール20aの操作方向、操作量に応じて、ゲーム画面中のモグラキャラクタ60a(カーソル)の表示位置を移動させる(ステップB3)。プレーヤは、トラックボール20aを操作することにより、アイテムが配置されていそうな位置に、任意にモグラキャラクタ60aを移動させることができる。
CPU40は、ボタン20bが押下されたことを検知すると(ステップB4、Yes)、その時点においてメダルが投入済みであるか判別する。例えば、プレーヤが予めメダル投入口20cからメダルを投入済みである場合には、CPU40は、メダルセンサ20eにより検知されたメダル枚数(クレジット)を記録部41に記録している。
ここで、メダルが投入済みでない場合には(ステップB5、No)、CPU40は、ボタン20bからの入力を無効として、クリアフィールド70の表示の変更は行わない(掘り起こしを実行しない)。なお、メダルが投入されていないことをプレーヤに認識させるために、モグラキャラクタ60aをメダル投入前にも表示しておき、所定の動作を表すアニメーション演出をするようにしても良い。
一方、メダルが投入済みであった場合には(ステップB5、Yes)、CPU40(IN枚数積算カウント部40e1)は、メダルのIN枚数をカウントアップして、IN枚数貢献度データ41cのIN枚数データを更新する(ステップB6)。なお、クレジットされたメダルはキャンセルによってプレーヤに戻す場合があるので、ボタン20bの押下により投入が確定された段階でIN枚数をカウントしている。
CPU40(ゲーム制御部40b)は、クレジットを1回分減じて、モグラキャラクタ60a(カーソル)の現在位置に対応するハニカムグリッド内のエリアの表示を変更する(ステップB7)。すなわち、クリアフィールド70の表示(例えば地面を表す)に代えて、アイテムフィールド71の表示(例えば、アイテム等が埋められた地中を表す)に変更する。この時、CPU40は、モグラキャラクタ60aが地面を掘り起こしている様子を表すアニメーション演出を施す。
掘り起こされたエリアにアイテムが存在しておらず、ペイアウト率の調整が必要ない場合には、CPU40は、メダルの払い出しを行わない。
掘り起こされたエリアに大アイテム50が存在していた場合(ステップB8、Yes)、CPU40は、掘り起こし貢献度データ41b中のコントロールパネル20(ここでは、ターミナル1)についての掘り起こし貢献度をカウントアップする(ステップB9)。すなわち、大アイテム50を掘り起こすために要したメダル枚数をカウントする。
また、CPU40は、大アイテム50の掘り起こしに伴って、例えば山分けメータ81をモグラキャラクタ60aに付加して表示する(ステップB10)。すなわち、コントロールパネル20(ターミナル1)が大アイテム50の掘り起こしに参加していない場合には、モグラキャラクタ60aのみを単独で表示しているが、大アイテム50が配置された位置に対応するエリアについて最初に掘り起こした時に、モグラキャラクタ60aに山分けメータ81を付加する。これにより、プレーヤは、大アイテム50の掘り起こしに参加したことを、山分けメータ81によって容易に確認することができる。
なお、既に大アイテム50の掘り起こしに参加していたため、モグラキャラクタ60aに山分けメータ81が付加されていた場合には、山分けメータ81の表示を現在の掘り起こし貢献度に応じて更新する。例えば、コントロールパネル20から大アイテム50に対応するエリアの表示を変更する操作のために投入した現在のメダル枚数の、全てのコントロールパネル20〜26から大アイテム50を掘り起こすために投入されたメダル枚数の占める割合を示すように、山分けメータ81の表示(針の位置)を変更する。
図15には、掘り起こし貢献度データ41bの一例を示している。図15に示す例では、1つのステージに大アイテム50が2つ(大アイテム1,2)存在し、それぞれに対する各ターミナル1〜6から掘り出しのために投入されたメダルの枚数を示すデータが含まれている。図15では、例えば、大アイテム1の掘り出しのために、ターミナル1からは5枚、ターミナル3からは10枚、ターミナル4からは2枚、ターミナル6からは4枚のメダルが投入されたことを示している。従って、ターミナル1に対応する山分けメータ81は、5/21を示すように表示される(なお、他のターミナル3に対応する山分けメータ81では、10/21を示すように表示される)。
大アイテム50の全てが掘り起こされていない場合には(ステップB11、No)、CPU40は、大アイテム50に応じたメダルの払い出しを行わない。ただし、大アイテム50の一部を掘り起こしたことによるメダルの払い出しをしても良い。
また、大アイテム50の全てが掘り起こされた場合には(ステップB11、Yes)、CPU40は、大アイテム50に応じて払い出されるメダルの枚数を、掘り起こし貢献度データ41bとして記録された掘り起こし貢献度に応じてターミナル毎に分割する。そして、CPU40は、入出力制御部48を通じて、メダルの払い出しの対象とするターミナルのメダル払い出しユニットに対して、ターミナル毎に分割された枚数分のメダルの払い出しを指示する(ステップB12)。
例えば、図15に示す掘り起こし貢献度データ41bのように、大アイテム2についての掘り出しのために各ターミナルからメダルが投入されていた場合、ターミナル1については、大アイテム2に応じて払い出されるメダル枚数の12/30分のメダルが払い出される。例えば、大アイテム2の掘り出しに応じて100枚のメダルが払い出される場合には、100×12/30=40枚のメダルが払い出される。なお、例えば、ターミナル6については、同様にして、100×3/30=10枚のメダルが払い出される。
このようにして、大アイテム50については、複数のターミナルのプレーヤが協同して掘り出して、掘り出しの貢献度(メダル投入枚数)に応じた枚数のメダルの払い出しを得ることができる。従って、例えば大アイテム50の掘り出しによって多くのメダルを獲得しようとする場合には、大アイテム50の掘り出しを積極的に行い、1ステージの時間内に大アイテム50の全てを掘り起こすことが困難な場合には、他のプレーヤに掘り出しの参加を促すようにするなど、ゲーム戦略を変えてゲームを楽しむことができる。
なお、ターミナル1に対応する払い出し調整データが、ペイアウト調整することを示すようにセットされている場合には、CPU40(IN枚数貢献度ペイアウト制御部40e2)は、大アイテム50の掘り起こしに対する払い出しにおいて、IN枚数データに応じて払い出すメダルの枚数を変更(加減)するようにしても良い。例えば、掘り起こし貢献度に対して、IN枚数に応じた係数値を掛けて、この得られた値に応じた枚数のメダルを払い出す。
また、ターミナル1に対応する払い出し調整データが、ペイアウト調整することを示すようにセットされている場合には、IN枚数貢献度ペイアウト制御部40e2は、ゲーム制御部40bに対して、プレーヤに対するペイアウト率の調整のためにゲーム内容を変更するように指示する。ここでは、ゲーム制御部40bによって、掘り起こしが指示された位置に中アイテム51または小アイテム52を配置させる。すなわち、小当たりを意図的に発生させて、メダルが払い出されるようにする。
掘り起こされた位置に中アイテム51または小アイテム52が配置されていた場合(ステップB13、Yes)、CPU40は、中アイテム51または小アイテム52がイベント判定用アイテムでなければ(ステップB14、No)、アイテムの種類に応じた枚数のメダルを、メダル払い出しユニット30aによって払い出させる(ステップB16)。こうして、プレーヤに対してメダルを払い出すことにより、IN枚数の多いプレーヤに対して利益を還元するようにペイアウト率を調整することができる。
なお、払い出し調整データがセットされていない場合には、アイテムフィールド71に予め配置された中アイテム51または小アイテム52の有無に応じて、メダルの払い出しがされるものとする(ステップB13〜B16)。
また、掘り起こされた位置に配置されたアイテムがイベント判定用アイテムであった場合(ステップB14、Yes)、CPU40は、掘り起こされたイベント判定用アイテムを記録すると共に、「SPECIAL」の文字列90a,90b,90c,90d,90e,90f中のイベント判定用アイテムに該当する文字の表示形態を変更する(ステップB15)。なお、ゲームに参加しているターミナルにおいてのみ文字の表示形態を変更するようにしても良い。「SPECIAL」の各文字に対応するイベント判定用アイテムの全て(7つ)が掘り起こされた場合には、前述したように、イベントフラグが立ち、ミニゲームを実行する。
本実施形態におけるゲーム機10では、大アイテム50の掘り出しだけでなく、ミニゲームについても複数のプレーヤが協力して全てのイベント判定用アイテムを掘り出して実行することが可能となる。
ターミナル別ペイアウト管理部40eは、IN枚数積算カウント部40e1によりカウントされるメダルのIN枚数、及びプレーヤに対して払い出されたメダル枚数に応じて、プレーヤの現在のペイアウト率を算出して、IN枚数貢献度データ41cとして記録する。ペイアウト率の調整によってプレーヤに十分なメダルを払い出した場合には、IN枚数貢献度ペイアウト制御部40e2は、調整対象としていたターミナル(プレーヤ)についてのペイアウト率の調整を終了し(払い出し調整データのセットを解除し)、IN枚数データをクリアする。その後、同様にして、IN枚数のカウントを開始して、IN枚数が予め決められた基準値以上となり、プレーヤに対するペイアウト率が予め設定された値より低い場合に、前述と同様にしてプレーヤ毎のペイアウト率の調整をする。
なお、前述した説明では、ペイアウト率の調整をする場合、掘り起こしが指定された位置に中アイテム51または小アイテム52を配置するようにゲーム内容を変更して、メダルが払い出されるようにしているが、他の方法により払い出すメダル枚数を調整しても良い。例えば、前述したように大アイテム50に対する払い出しのメダル数を変更する他、意図的に小当たりを発生させるのではなく、中アイテム51または小アイテム52が掘り出された場合に、払い出されるメダルの枚数をアイテムの種類だけでなくIN枚数貢献度を考慮して増減するようにしても良い。
また、アイテムの配置を変更することで、ペイアウト率を調整するようにしても良い。例えば、メダルの払い出しを多くする(ペイアウト率を上げる)プレーヤに対しては、ゲーム制御部40bによって、このプレーヤが使用しているターミナルの近くに払い出しが多いアイテム(例えば、大アイテム50)を配置する。ターミナルに近い位置にアイテムが配置されていることで、アイテムを掘り出す操作を他のターミナルを使用しているプレーヤよりも容易にすることができるので、結果的にメダルの払い出しを増やすことができる。
また、前述した説明では、プレーヤの過去(他のゲーム機10等を利用した時)のIN枚数貢献度データ41cを含めて、ターミナル(プレーヤ)別のペイアウト調整をするものとしているが、1回のゲームの参加毎にペイアウト率を調整するようにしても良い。この場合、過去のIN枚数貢献度データ41c等が不要となるので、識別判定処理ではプレーヤ個人を識別する必要がなく、プレーヤが存在していること(ゲームを継続してプレーしていること)を識別すれば良い。ターミナル別ペイアウト管理部40eは、継続してゲームに参加しているプレーヤのIN枚数をカウントし、IN枚数に応じてペイアウト率を調整する。これにより、例えば長時間プレーしてIN枚数に貢献している(多くのメダルを投入した)プレーヤに対しては、予め決められたペイアウト率に相当する払い出しを意図的に行って利益を還元することができる。従って、他のターミナルにプレーヤがいないためゲーム機10全体でのIN枚数が少なかったとしても、プレーヤ単位である程度の払い出しをするので、より長い時間のプレーを促すことができる。
また、同時にゲームに参加しているプレーヤの数が少ない場合、例えば1人でゲームに参加している場合には、大アイテム50を1ステージの時間内で掘り起こすことが困難な場合がある。プレーヤがペイアウト率の調整対象となっている場合には、ゲーム制御部40bによって、1人のプレーヤでも時間内に掘り起こしが可能な、通常よりもサイズが小さい大アイテム50を表示させる。これにより、大アイテム50の掘り起こしによるメダルの払い出しが発生しやすくなる。
また、図7及び図8に示すように、クリアフィールド70が同一面積、同一形状のエリアに分割されたハニカムグリッドを設定しているが、クリアフィールド70を複数の異なる形状のエリアに分割しても良い。これにより、プレーヤの1回の掘り起こしの操作に対して、キャラクタ60の位置に応じて掘り起こされる面積や形状を変化させることができる。
また、一層のクリアフィールド70を設定しているが、複数層のクリアフィールドを設定しても良い。すなわち、複数層のクリアフィールドを掘ることにより、アイテムが掘り出されるようにする。また、複数層のクリアフィールドを設けた場合に、クリアフィールド毎にグリッドの形状や大きさが異なっていても良い。
また、アイテムフィールド71に配置されるアイテムを二次元の形状ではなく、三次元の形状として表現し、複数層のクリアフィールドを剥がして(掘って)いくにつれて徐々に表れるように表示することも可能である。
また、前述した説明では、アイテムフィールド71に配置されたアイテムの位置を固定としているが、ゲーム中にスクロールさせても良い。すなわち、アイテムを掘り出すための位置をゲーム中に変動させることで、アイテムを掘り出す難易度を変化させることもできる。
また、前述した説明では、大アイテム50を掘り出すために投入したメダルの枚数(掘り起こし貢献度)に応じて、払い出すメダルの各プレーヤに対する割合を決定していたが、大アイテム50の何れの部分(エリア)を掘り起こしたかに応じて掘り起こし貢献度に重み付けをしても良い。例えば、大アイテム50の掘り出しが難しいところ(細いところなど)のエリアを掘り起こした場合には、他のエリアよりも掘り起こし貢献度を2倍にして掘り起こし貢献度データ41bとして記録する。
また、大アイテム50を掘り出した順番に応じて掘り起こし貢献度を変更しても良い。例えば、大アイテム50を最初に掘り出したプレーヤの掘り起こし貢献度を高くすることができる(例えば、最初の掘り出しを数倍に換算したり、同じ大アイテム50についての掘り出しの全てについて重み付けしたりしても良い)。
さらに、大アイテム50の掘り出しに要したメダルの枚数が多くなるほど掘り起こし貢献度の重み付けを大きくしても良い。これにより、大アイテム50の掘り出す面積が広くなるほど、大幅に払い出されるメダル枚数が多くなる。
また、大アイテム50を掘り出すために投入したメダルの枚数(掘り起こし貢献度)に応じて、払い出すメダルの各プレーヤに対する割合を決定していたが、プレーヤ毎のIN枚数貢献度データ41cも考慮して、各プレーヤに払い出すメダル枚数を決定しても良い。例えば、2人のプレーヤが同じ枚数のメダルを用いて大アイテム50を掘り起こしたとしても、他のアイテムを掘り出すために投入したメダルを含めた枚数(IN枚数)が多いプレーヤの方に払い出すメダルを多くする。
また、前述した説明では、予め決められたイベント判定用アイテムの全てが掘り出された(イベントフラグが立った)場合に、イベント(ミニゲーム)を実行するとしているが、他の条件に基づいてイベントを実行するようにしても良い。例えば、複数のステージについてゲーム処理をしている間にランダムにイベントを実行したり、ゲームに参加しているプレーヤ数に応じてイベント発生の頻度を調整したりしても良い。また、イベント(ミニゲーム)における結果に対するメダルの払い出しの際にも、IN枚数貢献度データ41cをもとに、プレーヤ毎にペイアウト率を調整するように払い出すメダル枚数を決定しても良い。
また、図1に示すシステムでは、店舗サーバ1によって店舗内に設置された複数のゲーム機10におけるデータを管理することで、プレーヤが何れのゲーム機10を利用する場合であっても過去のIN枚数のデータ(IN枚数貢献度)に基づいてペイアウト率の調整ができるようにしているが、さらに複数の店舗に設置された複数の店舗サーバ1のデータを統括して管理するサーバを設けて、複数の店舗の店舗サーバ1によりデータを共有できるようにすることで、プレーヤが他の店舗のゲーム機10を利用する場合であっても、同様にしてIN枚数貢献度に応じてペイアウト率の調整を可能にできる。
また、前述した説明では、複数のゲーム機10−1,10−2,…,10−nは、同じ種類のゲームを提供するものとしているが、異なる種類のゲームを提供するメダルゲーム機が混在していても良い。すなわち、プレーヤが何れの種類のゲーム機を利用する場合であってもメダルのIN枚数をカウントして、他のゲーム機とプレーヤ毎のIN枚数貢献度データを共有する。これにより、他の種類のゲーム機においてもIN枚数貢献度に応じたプレーヤ毎のペイアウト率調整を実現することができる。
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。