JP2015179763A - ファイバレーザ装置 - Google Patents

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Hiroyuki Takada
寛之 高田
理 大澤
Osamu Osawa
理 大澤
蕪木 清幸
Kiyoyuki Kaburagi
清幸 蕪木
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Abstract

【課題】所望の波長のレーザ光を従来よりも狭帯域で取り出すことができ、また従来よりも簡易な方法で異なる波長のレーザ光を取り出し得るファイバレーザ装置を提供する。
【解決手段】 本発明のファイバレーザ装置は、励起光を射出する光源部と、コア部に所定のドーパントがドープされた光ファイバとを含み、光ファイバの第一端と光源部との間に設けられ、ブラッググレーティングが形成されてなる導光体と、光ファイバの第一端とは反対側の端部である第二端の位置に設けられ、導光体のブラッググレーティングと共に共振器ミラーを構成する反射膜とを有し、反射膜は、反射可能な光の波長範囲が、導光体のブラッググレーティングによって反射可能な光の波長範囲を包含する反射特性を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明はファイバレーザ装置に関する。
従来、コア部に希土類元素をドープし、両端面に共振器ミラーを構成してなる光ファイバに、所定波長の励起光(励起用レーザ光)を入射させることで、励起光とは異なる波長のレーザ光を発振させる技術がある。例えばコア部にPr(より詳細にはPr3+)をドープした光ファイバに、GaN系半導体レーザから射出された励起光を入射させることで、可視光域の波長のレーザ光を発振させる技術が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この技術を用い、ファイバレーザから取り出される光をプロジェクタ等の光源に利用することが検討されている。
特開平11−204862号公報
図9は、特許文献1に開示されたファイバレーザ装置の構成を模式的に示す図面である。図9に示すファイバレーザ装置70は、励起光を射出する光源部11、及び光ファイバ体69を有する。また、ファイバレーザ装置70は、光源部11から射出された励起光を光ファイバ体69に導くための結合光学系12、光ファイバ体69から射出される所望波長のレーザ光を後段の光学系に導くための光学部材61を備える。図9では、結合光学系12をレンズで構成し、光学部材61を石英ファイバで構成している。
光ファイバ体69は、一方の端面に反射膜51が形成され、他方の端面に反射膜52が形成されている。
図10Aは、図9に示す光ファイバ体69を反射膜51側から見た図である。なお、説明の都合上、図10Aには反射膜51の図示を省略している。また、図10Bは、光ファイバ体69を図10AにおけるA−A線で切断したときの模式的な断面図である。
図9、図10A及び図10Bに示すように、光ファイバ体69は、光ファイバ20と、筒状に形成されてその内側に光ファイバ20が挿入されるフェルール25とを備えている。光ファイバ20とフェルール25の間には接着層24が介在しており、この接着層24によって光ファイバ20とフェルール25とが固着されている。接着層24は一般的なエポキシ系の接着剤で構成される。
光ファイバ20は、コア部21、コア部21よりも低屈折率の材料で構成されたクラッド部22、及びクラッド部22の外側に配置されてクラッド部22を被覆する被覆部23を備える。コア部21にはPrがドープされている。
反射膜51は、光源部11から射出される励起光に対しては透過率の高い膜で構成される。励起光が結合光学系12を介して光ファイバ20のコア部21に導かれると、当該コア部21とクラッド部22の境界において反射を繰り返しながら、反射膜52の側へと進行する。このとき、励起光の一部がコア部21によって吸収されることで、コア部21にドープされたPrが励起され、励起光とは異なる波長の蛍光を生じさせる。
反射膜51及び反射膜52は、この蛍光が示す波長の光に対して高い反射率を有するように設計される。より詳細には、反射膜51は蛍光が示す波長の光に対して100%に近い極めて高い反射率を有するように設計され、反射膜52は蛍光が示す波長の光に対して反射膜51よりも反射率が少し低くなるように設計される。これにより、反射膜51及び反射膜52によって蛍光が示す波長の光に対する共振器ミラーが形成される。すなわち、光ファイバ20の両端間で、前記蛍光が反射を繰り返しながら増幅し、発振条件が成立した時点で反射膜52からレーザ光として取り出される。このレーザ光が光学部材61を介して後段の光学系へと導かれる。
図11は、従来のファイバレーザ装置70が備える反射膜51及び反射膜52の反射特性の一例を示す図面である。図11は、反射膜51及び反射膜52のそれぞれに関して入射光の波長に応じた反射率をグラフ化し、それらを重ね合わせたものである。
図11の例では、ファイバレーザ装置70から波長615nmのレーザ光を射出させることを意図して、反射膜51及び反射膜52の膜設計を行った場合が想定されている。図11によれば、波長615nmの光に対する反射率は、光源部11に近い側に設けられた反射膜51では100%に近い値であるのに対し、光学部材61に近い側に設けられた反射膜52では96%程度の値である。このような膜設計とすることで、反射膜51及び反射膜52によって形成される共振器ミラーによって波長615nmの光が反射を繰り返し、発振条件が成立すると反射膜52側からレーザ光として取り出される。
ところで、反射膜51及び反射膜52は、それぞれ誘電体多層膜を光ファイバ体69の端面に蒸着することで形成されている。より具体的には、屈折率の高い誘電体膜と屈折率の低い誘電体膜を交互に積層することで形成される。そして、得たいレーザ光の波長に応じて、用いられる誘電体膜の屈折率や膜厚、及び積層数が適宜設計される。
狭帯域の反射膜、すなわち反射させる光の波長範囲が狭い反射膜を、誘電体多層膜によって形成するためには、極めて多くの層数の誘電体膜を形成する必要がある。しかし、ファイバレーザ装置70の共振器ミラーを形成するために光ファイバ体69の端面に蒸着するという観点に立てば、あまりに多くの層数の誘電体膜を形成することはできない。なぜなら、誘電体膜の層数が増えれば増えるほど、光軸方向に係る反射膜の厚みが増すため、この反射膜を透過させるべき光についても一部が吸収されてしまい、この結果光取り出し効率が低下するためである。
このような観点から、従来のファイバレーザ装置70においては、図11に示すように、半値幅が数十nm〜百数十nm程度の反射特性を有する反射膜(51,52)が一般的に利用される。しかし、図11に示すような反射特性を有する反射膜(51,52)を用いた場合、ファイバレーザ装置70によって所望の波長のレーザ光が得られない場合がある。この点につき説明する。
図12は、Prをドープしたフッ化物ガラスに励起光を照射したときの蛍光スペクトルである。図12に示すスペクトルによれば、490nm、522nm、605nm、635nm、715nmの各波長においてピークを有している。コア部21にPrがドープされた光ファイバ20を含むファイバレーザ装置70において、光源部11から射出された励起光がコア部21に導かれると、この励起光がコア部21内を反射膜52に向けて進行する間にPrを励起し、蛍光が発生する。この蛍光は、図12に示すようなスペクトルを有する。
この蛍光が反射膜52に達すると、反射膜52の反射特性に従って所定の波長の光のみが選択的に反射される。図11に示す膜設計の場合、概ね605nm以上625nm以下の範囲内の波長の光が選択的に反射される。この反射光は反射膜51に達すると、反射膜51の反射特性に従って再び所定の波長の光のみが選択的に反射される。図11に示す反射特性の場合には、反射膜52で反射される波長範囲の光は反射膜51においても反射可能な態様であるため、概ね全ての光が反射膜51において再反射される。以下、概ね605nm以上625nm以下の波長の光が反射膜51及び反射膜52の間で反射を繰り返す。
図11によれば、反射膜52は波長615nmの光に対する反射率が最も高くなるように設計されているため、共振器ミラー内で反射を繰り返す間に、波長605nm以上625nm以下の光のうち波長615nmの光の強度が最も高くなるような環境が徐々に構築される。そして、発振条件が成立すると、波長615nmをピーク波長とするレーザ光が反射膜52から光学部材61側へと取り出される。
しかし、図11によれば、反射膜52は、半値幅が数十nmであり、また反射率が90%を示す波長範囲も十数nm程度存在する。このため、仮にピーク波長が615nmを示すレーザ光が得られたとしても、そのレーザ光は例えば615nmに対して±3nm程度の波長成分、すなわち余分な波長成分を有した光である可能性がある。このため、厳密に所望の波長のレーザ光を必要とする場合には不適切なレーザ光が得られてしまう。
更に、上述したように、反射膜(51,52)を誘電体多層膜で構成する場合には、誘電体多層膜の各層の屈折率、膜厚及び層数が適切に設定されて所望の反射特性が実現される。しかし、所望の反射特性を実現すべく上記の各パラメータを設定したとしても、誘電体多層膜を実際に蒸着する過程において多少のバラツキが生じ得る。この結果、各反射膜(51,52)が示す反射特性について、ピークとなる反射率を示す波長の値や半値幅が0.数nm〜数nm程度変化することが起こり得る。
もしこのようなバラツキが生じた場合には、所望する波長(ここでは615nm)と比較して例えば1〜数nm程度異なる波長をピーク波長とするレーザ光が取り出される可能性がある。このとき、反射膜(51,52)を再度形成し直す必要が生じる。得られるレーザ光の波長は、反射膜51と反射膜52の反射特性の重なり合いによって決定されるため、反射膜(51,52)の双方に対して設計変更や再蒸着が必要となり、煩雑な工程を要する。
本発明は、上記の課題に鑑み、所望の波長のレーザ光を従来よりも狭帯域で取り出すことができ、また従来よりも簡易な方法で異なる波長のレーザ光を取り出し得るファイバレーザ装置を提供することを目的とする。
本発明は、励起光を射出する光源部と、コア部に所定のドーパントがドープされた光ファイバとを含むファイバレーザ装置であって、
前記光ファイバの第一端と前記光源部との間に設けられ、ブラッググレーティングが形成されてなる導光体と、
前記光ファイバの前記第一端とは反対側の端部である第二端の位置に設けられた反射膜とを有し、
前記反射膜は、前記導光体のブラッググレーティングと共に共振器ミラーを構成すると共に、反射可能な光の波長範囲が、前記導光体のブラッググレーティングによって反射可能な光の波長範囲を包含する反射特性を有することを特徴とする。
上記ファイバレーザ装置は、ブラッググレーティングが形成された導光体を有する。ブラッググレーティングは、光誘起屈折率変化を利用して形成されるものであり、誘電体多層膜と比較して狭帯域の反射特性を示す反射部の実現が可能である。つまり、ブラッググレーティングは、反射膜よりも極めて狭帯域の反射特性を示すことができる。なお、導光体に形成されるブラッググレーティングが示す反射特性は、半値幅が数nm以下で構成されるのが好ましく、半値幅が2nm以下で構成されるのがより好ましく、半値幅が1nm以下で構成されるのが更により好ましい。
一方、反射膜は、導光体に形成されたブラッググレーティングと比べて、広帯域の反射特性を有する。より詳細には、反射膜は、当該反射膜によって反射可能な光の波長範囲が、このブラッググレーティングで反射可能な光の波長範囲を含むように構成される。
このとき、光源部より射出された励起光が光ファイバのコア部に入射されると、この励起光が当該コア部内を反射膜に向かって進行する間に、コア部にドープされたドーパントが励起されて蛍光が生成する。この蛍光は、反射膜に到達すると、反射膜の反射特性に従って所定の波長の光のみが選択的に反射される。上記の反射膜は広帯域の反射特性を有するため、蛍光が有する波長範囲のうち、広い波長範囲の光が反射されて光ファイバの第一端へと進行する。
この蛍光は、光ファイバの第一端から導光体のブラッググレーティングに導かれると、当該ブラッググレーティングの反射特性に従って所定の波長の光のみが選択的に反射される。ここで、ブラッググレーティングによって狭帯域の反射特性が実現されているため、極めて限定された所定波長の光のみが選択的に反射され、再び光ファイバの第一端から
コア部へと導かれる。
このように反射膜と導光体のブラッググレーティングの間で、限定された所定波長の光のみが反射を繰り返すことで増幅され、所定の発振条件が成立すると、この所定波長を示すレーザ光が反射膜を透過して取り出される。このとき取り出されるレーザ光は、ブラッググレーティングで実現される反射特性に依存して狭帯域の波長を有する。これにより、上記ファイバレーザ装置によれば、所望の波長のレーザ光を取り出すことができる。
なお、導光体のブラッググレーティングの反射特性を例えば半値幅が2nm以下の狭帯域とすることで、半値幅が1nm以下の極めて狭帯域のレーザ光を取り出すことが可能である。なお、図9−図11を参照して上述した従来のファイバレーザ装置70の場合、半値幅が2−3nm以上のレーザ光が取り出されるのが一般的である。
また、取り出されるレーザ光の波長は、反射膜で反射可能な波長範囲と、導光体のブラッググレーティングで反射可能な波長範囲の重なり合いで決定される。上述したように、本発明のファイバレーザ装置が備える反射膜は、当該反射膜によって反射可能な光の波長範囲が、このブラッググレーティングで反射可能な光の波長範囲を含むように構成されている。このことは、取り出されるレーザ光の波長がブラッググレーティングの反射特性に依存することを意味する。
反射膜として一般的に用いられる誘電体多層膜とは異なり、ブラッググレーティングはガラス材料に紫外光を照射して光誘起屈折率変化を利用して形成されるものであるため、反射膜よりも製造時のバラツキが小さい。他方、反射膜は広帯域の反射特性を有する膜として製造できるため、仮に多少の製造バラツキが生じたとしても、依然としてブラッググレーティングで反射可能な波長範囲を包含する波長範囲の光を反射させることが可能な膜として実現される。この結果、製造時のバラツキによって発振波長が異なるという従来のファイバレーザ装置の課題の発現は抑制される。
更に、仮にブラッググレーティングに対する設計ミスや製造バラツキ等によって、所望の発振波長とは異なる波長のレーザ光が取り出される事態が招来したとしても、ブラッググレーティングを再形成した導光体のみを準備すればよく、既に光ファイバに形成されている反射膜はそのまま利用することができる。これは、ブラッググレーディングと比較して、反射膜の反射特性を極めて広帯域とすることができるためである。これにより、取り出したいレーザ光の波長を異ならせたい場合であっても、従来のファイバレーザ装置と比べて必要な工程が簡素化される。
ここで、前記所定のドーパントが希土類元素で構成され、
前記光ファイバがフッ化物ガラスで構成され、
前記導光体はブラッググレーティングが施された酸化物ガラスで構成されているものとしても構わない。
コア部へのドーパントとして希土類元素を用いることで、入射される励起光から可視光域の広い波長範囲の中から選択された波長の蛍光を生成することができる。このように光ファイバのコア部にドーパントをドープするためには、石英ファイバのような酸化物ガラスではなく、フッ化物ガラスで光ファイバを構成する必要がある。なぜなら、光ファイバを酸化物ガラスで構成した場合には、ドーパントとしての希土類元素を当該光ファイバのコア部に適切にドーピングできないためである。
光ファイバを酸化物ガラスで構成した場合、クラッド部も酸化物ガラスで構成される。酸化物ガラスは紫外光を透過する性質を有している。このため、酸化物ガラスで構成され、Geなどの材料をコア部にドープしてなる光ファイバに対して紫外光を照射すると、当該紫外光はクラッド部を透過してコア部に達する。このとき、Geがドープされたコア部において紫外光が吸収されるため、光誘起屈折率変化によって当該光ファイバにブラッググレーティングを施すことができる。
しかし、上述したように、可視光領域の広い波長範囲の中から選択された一の波長の光を取り出すには、Pr3+等の希土類元素をコア部にドープした光ファイバを用いることが必要となる。しかし、上記のような希土類元素は、添加濃度が高くなると局所的に分布が偏るため、酸化物ガラスのコア部にドープしても効率よく光を取り出すことができない。一方、光ファイバをフッ化物ガラスで構成した場合には、AlやP等を共添加して希土類イオンを溶けやすくすることで、添加濃度の分布が局所的に偏ることをある程度防ぐことができるため、そのコア部に希土類元素をドープした場合においても効率よく光を取り出すことができる。
ところが、フッ化物ガラスで構成された光ファイバに対して紫外光を照射した場合、クラッド部において紫外光が吸収されてしまうため、コア部に紫外光を照射することができない。このため、フッ化物ガラスで構成された光ファイバに対してはブラッググレーティングを施すことができない。
そこで、上記構成のように、フッ化物ガラスで構成され、コア部に希土類元素をドープされてなる光ファイバの第一端と光源部との間に、酸化物ガラスで構成された導光体を設ける。導光体は酸化物ガラスで構成されているため、上記のようにこの導光体に対して紫外光を照射することで、ブラッググレーティングを施すことができる。
フッ化物ガラスとしては、アルミニウムを主材料とし、アルカリ土類金属のフッ化物を添加したものを用いることができる。前記主材料としては、アルミニウムの他、ジルコニウムやインジウムを用いることもできる。
更に、この構成において、前記反射膜は、前記励起光によって前記コア部にドープされた前記所定のドーパントが励起されることで生じる蛍光のスペクトルのうち、少なくとも2つ以上のピーク波長を包含する波長範囲の光を反射する反射特性を有するものとしても構わない。
フッ化物ガラスで構成され、希土類元素がコア部にドープされた光ファイバは、励起光がコア部に入射されると、可視光域の広い範囲の波長を含む蛍光を生じさせる。そして、上述したように、反射膜が、この蛍光のスペクトルのうち、少なくとも2つ以上のピーク波長を包含する波長範囲の光を反射させる特性を有している。このとき、ブラッググレーディングの反射特性を適宜変更するのみで、特に可視光域の異なる波長のレーザ光を取り出すことが可能となる。例えば光ファイバ及び反射膜を同一の設計として生成したものを複数配置し、ブラッググレーティングの反射特性のみを変更した導光体を各別に配置し、同一の光源部から射出された励起光を各光ファイバのコア部に導く。これにより、複数の色のレーザ光を生成することが可能となり、例えばプロジェクタ等の光源として利用できる。
上記構成において、前記所定のドーパントがPrを含み、
前記反射膜は、少なくとも480nm以上720nm以下の波長範囲の光を反射する反射特性を有する誘電体多層膜で構成されているものとしても構わない。なお、前記反射膜が、480nm以上750nm以下の波長範囲の光を反射する反射特性を有する誘電体多層膜で構成されているものとしても構わない。
図12を参照して上述したように、Prをドープしたフッ化物ガラスに励起光を照射したときの蛍光スペクトルは、490nm、522nm、605nm、635nm、715nmの各波長においてピークを有する。すなわち、反射膜が上記波長範囲の光を反射する反射特性を有することで、ブラッググレーディングの反射特性を適宜設定すれば、極めて多くの波長のレーザ光を生成することができる。
また、上記構成において、前記反射膜は、前記励起光が有する波長の光を反射する反射特性を有するものとしても構わない。
上記構成によれば、光ファイバの光軸方向に係る長さを短くすることができる。すなわち、光源部から射出された励起光は、光ファイバの第一端よりコア部に入射されて反射膜に向けて進行するが、反射膜に達するまでに全ての励起光がドーパントで吸収されずに一部の励起光が反射膜に達したとしても、この励起光が反射膜で反射されて光ファイバの第一端の方向へと進行させることができる。これにより、光ファイバの第一端に励起光が入射されてから、反射膜で反射されて再び光ファイバの第一端に達するまでの間に励起光をドーパントに吸収させることができる。つまり、実質的に吸収長を光ファイバの光軸方向の長さの約2倍にできるため、光ファイバの長さ自体を短くすることができる。
本発明のファイバレーザ装置によれば、所望波長のレーザ光を従来よりも狭帯域で取り出すことができ、更には従来よりも簡易な方法で異なる波長のレーザ光を取り出すことができる。
本発明のファイバレーザ装置の一実施形態の構成を模式的に示す図面である。 光ファイバ体を光源部に近い反射膜の側から見た状態を示す模式的な図面である。 光ファイバ体を図2AにおけるA−A線で切断したときの模式的な断面図である。 導光体及び光ファイバ体を拡大して模式的に示した図面である。 本実施形態のファイバレーザ装置が備える反射膜及びブラッググレーティングの反射特性の一例を示す図面である。 従来のファイバレーザ装置で生成されるレーザ光及び本実施形態のファイバレーザ装置で生成されるレーザ光のスペクトル分布を示す図面である。 本発明のファイバレーザ装置の一実施形態の別構成を模式的に示す図面である。 本発明のファイバレーザ装置の別実施形態の構成を模式的に示す図面である。 別実施形態のファイバレーザ装置が備えるブラッググレーティング及び反射膜の反射特性の一例を示す図面である。 従来のファイバレーザ装置の構成を模式的に示す図面である。 光ファイバ体を光源部に近い反射膜の側から見た状態を示す模式的な図面である。 光ファイバ体を図10AにおけるA−A線で切断したときの模式的な断面図である。 従来のファイバレーザ装置が備える反射膜の反射特性の一例を示す図面である。 Pr3+をドープしたフッ化物ガラスに励起光を照射したときの蛍光スペクトルである。
[構成]
本発明のファイバレーザ装置につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。また、図9、図10A及び図11に示す従来のファイバレーザ装置70と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を適宜簡略化する。
図1は、本実施形態のファイバレーザ装置の構成を模式的に示す図面である。図1に示すファイバレーザ装置1は、励起光を射出する光源部11、導光体13、及び光ファイバ体26を有する。また、ファイバレーザ装置1は、光源部11から射出された励起光を導光体13に導くための結合光学系12、光ファイバ体26から射出される所望波長の蛍光を後段の光学系に導くための光学部材61を備える。なお、図1において符号10は光軸を表している。
なお、図1に示す構成では、ファイバレーザ装置1が結合光学系12を備える構成としたが、例えば光源部11と導光体13との間隔が極めて狭いといった場合には、必ずしも結合光学系12を備えなくても構わない。
光ファイバ体26は、光源部11側の端面には反射膜を備えず、光学部材61側の端面に反射膜32を備える。なお、後述するが、本実施形態におけるファイバレーザ装置1が備える反射膜32は、図9に示す従来のファイバレーザ装置70が備える反射膜52と比較して、反射特性が異なっている。
図2Aは光ファイバ体26を導光体13側から見た図面であるが、図10Aと同様の図面であるため、説明を簡略化する。また、図2Bは、光ファイバ体26を図2AにおけるA−A線で切断したときの図面であるが、図10Bと同様の図面であるため、説明を簡略化する。
すなわち、光ファイバ体26は、光ファイバ20と、筒状に形成されて内部に光ファイバ20が挿入されるフェルール25とを備えている。光ファイバ20とフェルール25の間には接着層24が介在しており、この接着層24によって光ファイバ20とフェルール25とが固着されている。接着層24は一般的なエポキシ系の接着剤で構成される。
光ファイバ20は、コア部21、コア部21よりも低屈折率の材料で構成されたクラッド部22、及びクラッド部22の外側に配置されてクラッド部22を被覆する被覆部23を備える。コア部21にはPrがドープされている。なお、コア部21にドープされる材料(ドーパント)は、Prの他、Nd、Tm等の希土類元素とすることができる。ドープされる希土類元素は、目的とするレーザ光の波長に応じて適宜選択される。特に、ドーパントをPr(より詳細にはPr3+)とすることで、後述する共振器ミラーを適宜設定すれば、可視光域内の広い波長範囲に含まれる任意の波長の光を得ることができる。
ファイバレーザ装置1は、光源部11と光ファイバ体26の間に配置された導光体13を有する。なお、図1に示すようにファイバレーザ装置1が結合光学系12を備える場合には、導光体13は、より詳細には結合光学系12と光ファイバ体26の間に配置される。導光体13と光ファイバ体26とは、互いのコア部が調心された状態でコネクタ(例えばSMAコネクタ)によって固定されている。
以下では、導光体13の端部のうち、光源部11に近い側の端部を「第一端13a」と呼び、第一端13aと反対側の端部、すなわち光ファイバ体26(光ファイバ20)に近い側の端部を「第二端13b」と呼ぶ。また、光ファイバ20の端部のうち、導光体13に近い側の端部を「第一端20a」と呼び、第一端20aと反対側の端部、すなわち光学部材61に近い側の端部を「第二端20b」と呼ぶ。
導光体13は、例えば石英などの酸化物ガラスで構成されている。そして、導光体13は、少なくとも第二端13bに近い側の位置にブラッググレーティング14が形成されている。図3は、導光体13及び光ファイバ体26を拡大して模式的に示した図面である。図3に示すように、導光体13は、第二端13bに近い側の位置において、屈折率n1の領域15、及びn1と異なる屈折率n2の領域16が交互に周期的に配置されることでブラッググレーティング14が形成されている。なお、各領域15内における屈折率は、完全にn1で一致していなければならないというものではなく、微小な範囲で異なる値であっても構わない。同様に、各領域16内における屈折率は、完全にn2で一致していなければならないというものではなく、微小な範囲で異なる値であっても構わない。少なくとも、低い屈折率の領域と高い屈折率の領域とが交互に配置されていればよい。
ブラッググレーティング14は、Geを含む材料(例えばGeO)が添加された酸化物ガラス(例えば石英ガラス)に波長223nm−253nm程度の紫外光を照射することで形成される。このとき、酸化物ガラスの構成材料の結合(石英ガラスの場合にはSi−O結合)の変化に起因した光誘起屈折率変化により、ガラス内の屈折率が半永続的に変化する。屈折率を周期的に変化させる方法としては、紫外レーザの干渉縞を利用する方法が知られており、例えば位相マスク法や二光束干渉法などを利用することができる。
屈折率n1とn2の比率は、酸化物ガラスに対するGeOの添加量や、紫外光の照射時間などによって制御することができる。また、光軸10の方向に係る領域15及び領域16の長さ、及び領域15及び領域16の周期数は、位相マスク法を用いる場合には紫外光を照射する際の透過マスクの形状によって制御でき、二光束干渉法を用いる場合には二光束に分岐した紫外光を再び集光するときの交差角度によって制御できる。このように屈折率が異なる領域15及び領域16を周期的に配置することで、所定の波長の光を反射することのできるブラッググレーティング14が形成される。
図1に示すように、本実施形態におけるファイバレーザ装置1では、光ファイバ20の第二端20bにおいて反射膜32が形成されている。この反射膜32は、図1に示すように、フェルール25の部分を含む光ファイバ体26の光学部材61側の端面全面に形成されているものとしても構わない。
反射膜32及びブラッググレーティング14は、それぞれ所定の波長範囲の光を反射可能に構成されている。つまり、本実施形態のファイバレーザ装置1は、導光体13に形成されたブラッググレーティング14と反射膜32とによって共振器ミラーが構成されている。
ここで、反射膜32は、反射可能な光の波長範囲が、ブラッググレーティング14で反射可能な波長範囲を包含するような反射特性を示す。より詳細には、ブラッググレーティング14はファイバレーザ装置1として取り出したい波長(以下、「所望波長」という。)の光に対する反射率が極めて高くなるように(例えば99%以上)に設定されており、反射膜32は前記所望波長を含む広帯域の波長範囲の光に対する反射率が高くなるように(例えば96%程度)設定されている。
図4は、本実施形態のファイバレーザ装置1が備える反射膜32及びブラッググレーティング14の反射特性の一例を示す図面である。図4は、反射膜32及びブラッググレーティング14のそれぞれに関して入射光の波長に応じた反射率をグラフ化し、それらを重ね合わせたものである。
なお、図4の例では、ファイバレーザ装置1から波長615nmのレーザ光を出射させることを意図してブラッググレーティング14の設計を行った場合が想定されている。一方、反射膜32については、極めて広帯域の波長範囲の光に対して反射可能に構成されている。
反射膜32は、例えば光ファイバ体26の端面に蒸着することで形成されている。より具体的には、屈折率の高い誘電体膜と屈折率の低い誘電体膜を交互に積層することで形成される。図4に示すような反射特性が実現されるよう、用いられる誘電体膜の屈折率や膜厚、及び積層数が適宜設定される。
「発明が解決しようとする課題」の項で上述したように、誘電体多層膜によって狭帯域の反射特性を実現するためには、極めて多くの層数の誘電体膜を形成する必要があり、ファイバレーザ装置の共振器ミラーとして実現するのは困難である。これに対し、上述したように、ブラッググレーティング14は、Geを含む材料が添加された酸化物ガラスに紫外光を照射し、光誘起屈折率変化を利用して形成されるものであり、誘電体多層膜と比較して狭帯域の反射特性を容易に実現できる。図4では、ブラッググレーティング14は、半値幅が1nm以下を示す反射特性を有する態様が示されている。前記半値幅は、このように数nm以下で構成されるのが好ましく、2nm以下で構成されるのがより好ましく、1nm以下で構成されるのが更により好ましい。
図4に示すように、反射膜32で反射可能な光の波長範囲は、420nm以上780nm以下であり、ブラッググレーティング14で反射可能な光の波長範囲(ここでは615nm±2nm程度)を含むように構成されている。
かかる構成の下、光源部11より例えば波長442nmの励起光が射出されると、この励起光は結合光学系12を介して光ファイバ20のコア部21に入射される。そして、コア部21内を反射膜32に向かって進行する間に、コア部21にドープされたPrが励起されて蛍光が生成する。この蛍光は、図12に示すスペクトル分布を示す。
この蛍光は、反射膜32に到達すると、反射膜32の反射特性に従って所定の波長の光のみが選択的に反射される。図4の例では、反射膜32は、420nm以上780nm以下の波長範囲の光に対して高反射率を有しているため、図12のスペクトルに示されている各ピーク波長490nm、522nm、605nm、635nm、及び715nmの光は全て反射膜32において反射される。また、蛍光が有するその他の波長成分についても、420nm以上780nm以下の波長範囲に関して反射膜32において反射される。反射膜32において反射された蛍光は、コア部21内を光ファイバ20の第一端20aに向けて進行する。
反射膜32において反射された蛍光は、光ファイバ20の第一端20aから導光体13のブラッググレーティング14に導かれると、ブラッググレーティング14の反射特性に従って所定の波長の光のみが選択的に反射される。図4の例では、ブラッググレーティング14は、615nm±2nmの狭い波長範囲の光に対してのみ高反射率を有している。このため、広い波長範囲を示す蛍光から、上記615nm±2nm程度の狭い波長範囲を示す蛍光のみが選択的にブラッググレーティング14において反射され、再びコア部21へと導かれる。
これ以後は、ブラッググレーティング14において反射可能な波長範囲の光のみが、反射膜32とブラッググレーティング14で構成される共振器ミラー内で反射を繰り返すことで増幅される。特に、ブラッググレーティング14は、615nmの波長の光に対して最も反射率が高くなるように構成されているため(99%以上)、共振器ミラー内で反射を繰り返すことで波長615nmの光の強度が極めて増幅される。その後、所定の発振条件が成立すると、この波長615nmのレーザ光が反射膜を透過して取り出される。つまり、本実施形態のファイバレーザ装置1は、取り出されるレーザ光の波長がブラッググレーティング14の反射特性にのみ依存する。
図5は、従来のファイバレーザ装置70で生成されるレーザ光及び本実施形態のファイバレーザ装置1で生成されるレーザ光のスペクトル分布を示す図面である。上述したように、反射膜51及び反射膜52で形成される共振器ミラーを有する従来のファイバレーザ装置70は、ピーク波長が615nmであるものの半値幅が±3nm程度を示すレーザ光が生成されている。これに対し、本実施形態のファイバレーザ装置1は、ピーク波長が615nmであり、半値幅が±0.5nm程度の狭帯域のレーザ光が生成されている。これは、極めて狭帯域の反射特性を有するブラッググレーティング14が共振器ミラーの一端を構成しているためである。
また、ブラッググレーティング14はガラス材料に紫外光を照射して光誘起屈折率変化を利用して形成されるものであるため、誘電体多層膜で構成される反射膜(51,52)よりも製造時のバラツキが小さい。もっとも、反射膜32は誘電体多層膜で構成される場合には、反射膜(51,52)と同様に製造時にバラツキが起こり得る。しかし、図4に示すように、反射膜32は広帯域の反射特性を有する膜として製造できるため、仮に多少の製造バラツキが生じたとしても、依然としてブラッググレーティング14で反射可能な波長範囲を包含する波長範囲の光を反射させることが可能な膜として実現される。つまり、反射膜32に製造バラツキが生じても、ブラッググレーティング14によって反射可能な光、すなわちここではピーク波長が615nmであり、半値幅が±0.5nm程度の狭帯域のレーザ光を依然として生成することができる。
また、上記の例では、光源部11から射出される励起光の波長を442nmとした。ここで、図4に示すように、反射膜32は442nmの光に対しても高い反射率を示している。このため、仮にこの励起光が反射膜32まで達した時点で、依然として全ての励起光がコア部21にドープされたPrで吸収されていなかったとしても、この反射膜32で反射されて光ファイバ20の第一端20aに向けて進行させることができる。これにより、反射膜32から光ファイバ20の第一端20aまでの間において、この励起光をPrに吸収させることが可能となる。よって吸収効率が高められる。
更に、図4を参照すれば分かるように、ファイバレーザ装置1によれば、ブラッググレーティング14の反射特性を変更するのみで、異なる波長のレーザ光を生成することができる。例えば、本実施形態において、ブラッググレーティング14を635nm±2nmの狭い波長範囲の光に対してのみ高反射率を有する反射特性を示すように変更するのみで、ファイバレーザ装置1を、ピーク波長が635nmで半値幅が±0.5nm程度の狭帯域のレーザ光源とすることができる。
特にコア部21へのドーパントをPrとした場合、図12に示すように可視光域の広い範囲の波長を含む蛍光が生成される。よって、ブラッググレーティング14の反射特性を適宜変更することで、ファイバレーザ装置1によって異なる色のレーザ光を生成することができる。
なお、図6に示すように、導光体13の第二端13bと光ファイバ20の第一端20aを当接しても構わない。本実施形態のファイバレーザ装置1は、図9を参照して上述した従来のファイバレーザ装置70と異なり、光ファイバ20の第一端20a側には反射膜が形成されていないため、このように他の光学部材を当接しても反射膜が破損するおそれがない。また、このような構成とすることで、導光体13と光ファイバ20のコア部21との間のカップリング効率を高めることができる。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉 上述した実施形態では、ファイバレーザ装置1が、反射膜32側からレーザ光を射出する構成について説明したが、ブラッググレーティング14側からレーザ光を射出する構成も採用可能である。
図7は別実施形態のファイバレーザ装置の構成を模式的に示す図面である。図7に示すファイバレーザ装置1aは、図1に示すファイバレーザ装置1に加えて、ダイクロイックミラー41及び結合光学系42を備える。また、光学部材61は、ダイクロイックミラー41の後段に配置される。
そして、所望の波長の光に対して、反射膜32の反射率が99%以上を示し、ブラッググレーティング14の反射率が96%程度を示す。図8は、このファイバレーザ装置1aが備えるブラッググレーティング14及び反射膜32の反射特性の一例を示す図面である。
ダイクロイックミラー41は、光源部11から射出される励起光(この例では波長442nmの光)を透過し、所望波長のレーザ光(この例では615nmの光)を反射するように構成される。
このように構成されるとき、上述した実施形態の構成と同様、反射膜32とブラッググレーティング14の間で波長615nm±2nmの光が反射を繰り返すことで、波長615nmの光の強度が極めて増幅される。その後、所定の発振条件が成立すると、この波長615nmのレーザ光が、反射膜32よりも反射率が少し低く設定されているブラッググレーティング14を透過して取り出される。このレーザ光は、結合光学系12を介してダイクロイックミラー41で反射され、矢印d1の方向に取り出され、光学部材61へと導かれる。
〈2〉 上述した実施形態では、反射膜32が、蛍光のスペクトルに示される複数のピーク波長を包含する波長帯域の光に対して、高い反射率を示すものとした。しかし、反射膜32は、少なくとも2つ以上のピーク波長を包含する波長範囲の光を反射する反射特性を有すればよい。このように構成されたファイバレーザ装置であっても、ブラッググレーティング14の反射特性に比べて広帯域の反射特性が実現されると共に、ブラッググレーティング14の設計に応じて異なる波長のレーザ光を生成することが可能である。
〈3〉 上述した実施形態では、反射膜32が、光源部11から射出される励起光に対しても高い反射率を示す反射特性を有しているものとした。しかし、反射膜32は、必ずしも励起光に対して高反射率を示さなくても構わない。この場合、光の利用効率の観点から、光ファイバ体26は光軸10の方向に係る長さを一定程度確保し、反射膜32に到達するまでの間に全ての励起光がコア部21で吸収されるように構成するのが好ましい。
〈4〉 上述した実施形態において、光源部11から射出される励起光の波長や、反射膜32及びブラッググレーティング14において高い反射率を示す入射光の波長範囲及びその反射率などの各数値はあくまで一例である。
1,1a : 本発明のファイバレーザ装置
10 : 光軸
11 : 光源部
12 : 結合光学系
13 : 導光体
13a : 導光体の第一面
13b : 導光体の第二面
14 : ブラッググレーティング
15 : 屈折率がn1である領域
16 : 屈折率がn2である領域
20 : 光ファイバ
21 : コア部
22 : クラッド部
23 : 被覆部
24 : 接着層
25 : フェルール
32 : 反射膜
41 : ダイクロイックミラー
42 : 結合光学系
51 : 反射膜
52 : 反射膜
61 : 光学部材
69 : 光ファイバ体
70 : 従来のファイバレーザ装置

Claims (6)

  1. 励起光を射出する光源部と、コア部に所定のドーパントがドープされた光ファイバとを含むファイバレーザ装置であって、
    前記光ファイバの第一端と前記光源部との間に設けられ、ブラッググレーティングが形成されてなる導光体と、
    前記光ファイバの前記第一端とは反対側の端部である第二端の位置に設けられた反射膜とを有し、
    前記反射膜は、前記導光体のブラッググレーティングと共に共振器ミラーを構成すると共に、反射可能な光の波長範囲が、前記導光体のブラッググレーティングによって反射可能な光の波長範囲を包含する反射特性を有することを特徴とするファイバレーザ装置。
  2. 前記所定のドーパントが希土類元素で構成され、
    前記光ファイバがフッ化物ガラスで構成され、
    前記導光体はブラッググレーティングが施された酸化物ガラスで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ装置。
  3. 前記反射膜は、前記励起光によって前記コア部にドープされた前記所定のドーパントが励起されることで生じる蛍光のスペクトルのうち、少なくとも2以上のピーク波長を包含する波長範囲の光を反射する反射特性を有することを特徴とする請求項2に記載のファイバレーザ装置。
  4. 前記所定のドーパントがPrを含み、
    前記反射膜は、少なくとも480nm以上720nm以下の波長範囲の光を反射する反射特性を有する誘電体多層膜で構成されていることを特徴とする請求項3に記載のファイバレーザ装置。
  5. 前記導光体のブラッググレーティングは、半値幅が2nm以下の反射特性を有することを特徴とする請求項3又は4に記載のファイバレーザ装置。
  6. 前記反射膜は、前記励起光が有する波長の光を反射する反射特性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のファイバレーザ装置。
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