JP2015178549A - インク組成物、記録装置及び記録方法 - Google Patents

インク組成物、記録装置及び記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出安定性及び密着性に優れるインク組成物、該インク組成物を用いた記録装置、及び記録方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、色材と水と第1ポリマー粒子と第2ポリマー粒子とを含み、加熱された記録媒体に記録されるインク組成物であって、第1ポリマー粒子は第1コアポリマーと第1シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有し、第2ポリマー粒子は第2コアポリマーと第2シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有し、第1シェルポリマーと第2シェルポリマーのガラス転移温度(Tg)は40℃以上であり、第1シェルポリマーのガラス転移温度Tgは第2シェルポリマーのTgより高い。【選択図】図1

Description

本発明は、インク組成物、記録装置及び記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、吐出安定性等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、吐出安定性に優れ、普通紙に対するフェザリング耐性が向上し、かつインク組成物を吸収しにくい記録媒体でも、高い耐擦過性を備えた画像、印刷物を得ることができるインクジェットインク組成物が記載されている。具体的には、少なくとも顔料、水、水溶性溶媒及び高分子微粒子を含有するインクジェットインクにおいて、該高分子微粒子がコア部とシェル部とからなるシェル構造を有し、該シェル部が所定の単量体を含有するインクジェットインクが開示されている。
特開2008−260300号公報
しかしながら、加熱により被記録媒体上に被膜を形成するインク組成物においては、記録用ヘッド内で樹脂が付着することがある。この付着を防止して吐出安定性を向上させるために、高分子微粒子(ポリマー粒子)を構成するシェル部のガラス転移点(以下、「Tg」ともいう。)を向上させることが考えられる。しかし、シェル部のTgを向上させると、加熱により被記録媒体上に被膜を形成する際に樹脂の軟化が起こりにくい。そのため、被記録媒体に対する被膜の密着性が劣るという問題がある。一方で、比較的低温の加熱であっても密着性が向上するようにシェル部のTgを低下させると、加温されている記録用ヘッド内において、ポリマー粒子の付着が起こりやすく、かえって吐出安定性に劣るという問題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、吐出安定性及び密着性に優れるインク組成物、該インク組成物を用いた記録装置、及び記録方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、シェルポリマーのガラス転移温度(Tg)が異なる2種類のポリマー粒子を用いることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
本発明の一態様は、色材と水と第1ポリマー粒子と第2ポリマー粒子とを含み、加熱された被記録媒体に記録されるインク組成物であって、第1ポリマー粒子は第1コアポリマーと第1シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有し、第2ポリマー粒子は第2コアポリマーと第2シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有し、第1シェルポリマーと第2シェルポリマーのガラス転移温度は40℃以上であり、第1シェルポリマーのガラス転移温度は第2シェルポリマーのガラス転移温度より高い、インク組成物である。
本発明のインク組成物は、好ましくは、第1シェルポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含み、第2シェルポリマーが構成単位として芳香族モノマーを含む場合、第2シェルポリマーの構成単位としての芳香族モノマーの含有量は第1シェルポリマーよりも低い。
好ましくは、第1及び第2ポリマー粒子は、乳化剤を実質的に用いずに合成されたものである。
好ましくは、第1ポリマー粒子は構成単位として芳香族モノマーを10質量%以上〜70質量%以下含む。
例えば、第1コアポリマーのTgは、第2コアポリマーのガラス転移温度よりも高い。
好ましくは、第1ポリマー粒子と第2ポリマー粒子の含有量の比率は、1:1〜3:1である。
好ましくは、第1及び第2ポリマー粒子の平均粒子径は10nm以上100nm以下である。
好ましくは、インク組成物は、環状窒素化合物および/または非プロトン性極性溶媒を含む。
本発明の一態様は、上述したインク組成物と、インク組成物を吐出する吐出ヘッドと、を備えた記録装置である。
吐出ヘッドは、例えば、インク組成物を吐出するノズルを備え、一つのノズルからインク組成物のドットをマルチサイズに吐出できるものである。
本発明の一態様は、吐出ヘッドを用いて、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物を加熱された被記録媒体に吐出して付着させる吐出工程を有する、記録方法である。
本実施形態のインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[インク組成物]
本実施形態に係るインク組成物は、色材と水と第1ポリマー粒子と第2ポリマー粒子とを含み、加熱された記録媒体に記録されるインク組成物であって、第1ポリマー粒子は第1コアポリマーと第1シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有し、第2ポリマー粒子は第2コアポリマーと第2シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有し、第1シェルポリマーと第2シェルポリマーのTg(ガラス転移点、以下、Tgという)は40℃以上であり、第1シェルポリマーのTgは第2シェルポリマーのTgより高い、インク組成物である。
〔色材〕
上記色材は、顔料及び染料から選択される。
(顔料)
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インクの耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、及び酸化シリカが挙げられる。無機顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
ブラックインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック(C.I.ピグメントブラック7)が挙げられる。また、カーボンブラックの市販品として、特に限定されないが、例えば、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上全て商品名、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250(以上全て商品名、デグサ社(Degussa AG)製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700(以上全て商品名、コロンビアカーボン社(Columbian Carbon Japan Ltd)製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12(以上全て商品名、キャボット社(Cabot Corporation)製)等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、60、65、66、C.I.バットブルー4、60が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントブルー15:3及び15:4のうち少なくともいずれかが好ましい。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:2、48:4、57、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される一種以上が好ましい。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180、185、213が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー74、155、及び213からなる群から選択される一種以上が好ましい。
ホワイトインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子が挙げられる。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料としては、従来公知のものが挙げられる。
(染料)
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。
色材の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.4〜12質量%であると好ましく、2〜7質量%であるとより好ましい。
〔水〕
本実施形態のインク組成物は、水を含む。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いたインクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。
水の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
〔第1ポリマー粒子〕
本実施形態のインク組成物は、第1コアポリマーと第1シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有する第1ポリマー粒子を含み、第1シェルポリマーのガラス転移温度は40℃以上であり、第1シェルポリマーのガラス転移温度は第2シェルポリマーのガラス転移温度より高い。
コア−シェル構造とは、第1シェルポリマーの空隙内部に第1コアポリマーが形成されている構造をいう。したがって、第1コアポリマーの表面を第1シェルポリマーが覆う構造のみならず、第1シェルポリマーによる3次元網目構造の空隙内部の一部に第1コアポリマーが充填されている構造も含まれる。したがって、本明細書におけるコアシェル構造とは、コア部とシェル部との境界が厳密に明確でないポリマー粒子も含まれる。
(第1コアポリマー)
第1コアポリマーのガラス転移温度は、第2ポリマー粒子の第2コアポリマーのガラス転移温度よりも高いことが好ましい。第1コアポリマーは、密着性を確保するために、第1シェルポリマーよりも低いガラス温度に設定される。第1シェルポリマーのガラス転移温度は第2シェルポリマーのガラス転移温度より高く設定されていることから、第1コアポリマーのガラス転移温度も、第2コアポリマーのガラス転移温度よりも高くした方が、第1ポリマー粒子及び第2ポリマー粒子のそれぞれにおいてコアポリマーとシェルポリマーのガラス転移温度の差を確保することができ、ポリマー粒子の安定性及び意図した機能を確保することができる。
第1コアポリマーのガラス転移温度に限定はないが、例えば60℃未満が好ましく、さらに好ましくは、0℃以上60℃未満である。第1コアポリマーのガラス転移温度が60℃未満である。また、シェルポリマーよりコアポリマーのガラス転移温度は低い。第1シェルポリマーが軟化した後、容易に第1コアポリマーが流出できるため、密着性に優れる。また、第1コアポリマーのガラス転移温度が0℃以上であることにより、インク組成物の保存安定性に優れる。
ガラス転移温度(以下、Tgという)は、粘弾性測定、熱分析等の解析手法を用いて、あるいは公知である重合性単量体の単独重合体のTgから計算式を用いて算出する。第1コアポリマー及び後述する第1シェルポリマーに含まれるポリマーが共重合体である場合、共重合体のガラス転移温度(Tg)は、各種単独重合体のTg(単位:K)と、単量体の質量分率(W)とから下記FOX式によって算出することができる。

ここで W ;各単量体の質量分率
Tg;各単量体のホモポリマーのTg(単位:K)
Tg ;共重合体のTg(単位:K)
換言すれば、第1コアポリマー又は第1シェルポリマーのガラス転移温度は、ポリマーが単独重合体である場合にはその単独重合体を選択することにより制御できる。また、ポリマーが共重合体である場合には上記単独重合体のTgと上記FOX式とを考慮することにより制御することができる。
第1コアポリマーは、疎水性の高いポリマーとなるように設計される。このため、第1コアポリマーの酸価は、第1シェルポリマーの酸価よりも低いことが好ましい。また酸価としては50mgKOH/g以下が好ましく、25mgKOH/g以下がさらに好ましく、5mgKOH/g以下がより好ましく、酸価を有しないことが最も好ましい。また、第1コアポリマーは、構成単位として少なくとも芳香族モノマーを含むことが好ましい。これにより、第1コアポリマーは疎水性となり、疎水性の被膜を形成できる。この結果、記録画像の耐擦性の1つである、耐水摩擦性を向上することができる。
また、第1コアポリマーは、特に限定されないが、構成単位として、例えば、親水性(メタ)アクリレートモノマー、炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー、環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー又はそのN−置換誘導体、及びカルボン酸モノマー単位の少なくともいずれかを有する。
芳香族モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンが挙げられる。
親水性(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。このなかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。ここで「親水性」とは、水100mL(20℃)に対する溶解度が0.3g以上であることをいう。
炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数が3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。このなかでも、ラウリル(メタ)アクリレートが好ましい。ここで「疎水性」とは、水100mL(20℃)に対する溶解度が0.3g未満であることをいう。
環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミドモノマー又はそのN−置換誘導体としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル(メタ)アミド等の(メタ)アクリルアミド又はそのN−置換誘導体が挙げられる。
カルボン酸モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。このなかでも、(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで、「カルボン酸モノマー単位」とは、カルボキシル基と重合性不飽和基を有する重合性モノマー単位をいう。
上記モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
第1コアポリマーに含まれるポリマーを構成する全繰り返し単位のうち、疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量が上記範囲であることにより、加熱処理等を行うことによって被記録媒体上に記録された画像の表面に疎水性被膜が形成されるので耐擦性がより向上する傾向にある。
(第1シェルポリマー)
第1シェルポリマーのガラス転移温度は40℃以上であり、好ましくは、40℃以上150℃以下である。第1シェルポリマーのガラス転移温度は40℃以上であることにより、高温の環境下でインク組成物を吐出する場合に、コアシェル型の構造を崩壊させずにポリマー粒子を記録ヘッドから吐出することが可能となり、ノズル内におけるポリマー粒子の付着をより抑制できるため、ノズルの目詰まりを防止でき、間欠印刷の安定性により優れる傾向にある。記録媒体上に成膜する場合には、第1シェルポリマーのガラス転位温度よりも高い温度に被記録媒体上のインク組成物を加熱することにより、軟化した第1シェルポリマーから第1コアポリマーが流出し、第1コアポリマー及び第1シェルポリマーによる被膜が記録媒体上に形成される。このとき、軟化状態の第1コアポリマーが被記録媒体上に広がりつつ密着することにより、定着性に優れた被膜が形成される。また、第1シェルポリマーのガラス転移温度が150℃以下であることにより、被記録媒体上で第1シェルポリマーが軟化しやすいため、密着性により優れる傾向にある。一方、第1シェルポリマーのガラス転移温度が150℃を越えると、エマルジョン型樹脂の熱変形性が悪くなり、系の増粘等の悪影響を及ぼすおそれがある。
本実施形態では、第1シェルポリマーのガラス転移温度は第2シェルポリマーのガラス転移温度よりも高い。このような第1シェルポリマーを備える第1ポリマー粒子は、第2ポリマー粒子と比べてノズル内におけるポリマー粒子の付着をより抑制できるため、ノズルの目詰まりを防止できる。一方、第1シェルポリマーよりも低いガラス転移温度をもつ第2シェルポリマーを備える第2ポリマー粒子は、第1ポリマー粒子と比べて被記録媒体に対する密着性を向上できる。したがって、第1ポリマー粒子と第2ポリマー粒子とを併用することにより、被記録媒体に対する密着性と、吐出安定性のバランスを図ることができる。
第1シェルポリマーは、親水性であることから酸価を有し、好ましくは第1シェルポリマーの酸価は20mgKOH/g〜120mgKOH/gである。この数値範囲の酸価を有することにより、第1シェルポリマーとして必要十分な親水性を確保することができる。
第1シェルポリマーは、構成単位として、芳香族モノマーを含むことが好ましく、第2シェルポリマーが構成単位として芳香族モノマーを含む場合であっても、第1シェルポリマーの構成単位としての芳香族モノマーの含有量は第2シェルポリマーよりも高い。第1シェルポリマーが構成単位として芳香族モノマーを含むことにより、詳細な作用機序は不明なものの、吐出曲がりが防止される。特に、小ドットのときにインク液滴が曲がりやすいことから、本発明の一態様によればこの吐出曲がりが抑制される。したがって、本発明の一態様は、1つのノズルからインクドットをマルチサイズに吐出できるヘッドに適している。また、第1シェルポリマーが比較的固い芳香族モノマーを第2シェルポリマーよりも多く含むことにより、被記録媒体上に形成された被膜の耐水摩擦性(湿摩擦性)を向上できる。また、第1シェルポリマーの構成単位としての芳香族モノマーの含有量を第2シェルポリマーよりも高くすることにより、ガラス転移温度が高い第1シェルポリマーの疎水性を向上させることができ、水分の蒸発によって有機溶剤の濃度が高くなった状態においても安定性を確保することができる。
また、第1シェルポリマーは、構成単位として、(メタ)アクリレートモノマーとカルボン酸モノマーを含むことが好ましい。このようなポリマーを用いることにより、第1シェルポリマーの表面にカルボキシル基を存在させることができる。これにより、ポリマー粒子の分散安定性がより向上するとともに、インク組成物の粘度が比較的低くなるため、吐出安定性がより向上する傾向にある。上記(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、親水性(メタ)アクリレートモノマー、炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー、環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。(メタ)アクリレートモノマー及びカルボン酸モノマーの具体例は、コアポリマーに含まれるポリマーを構成するモノマーについて上述したものと同様のものが挙げられ、モノマーは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
第1シェルポリマーにおいて、カルボン酸モノマーに対する芳香族モノマーの比率(芳香族モノマー/カルボン酸モノマー)は、好ましくは0.15以上である。これにより、芳香族モノマーによる耐擦性の向上と、カルボン酸モノマーによる再分散性のバランスに優れたインク組成物が得られる。
第1シェルポリマーに含まれるポリマーを構成する全繰り返し単位のうち、(メタ)アクリル酸エステル及び不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位の含有量は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上がさらに好ましい。
第1シェルポリマーに含まれるポリマーを構成する全繰り返し単位のうち、親水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上がさらに好ましい。親水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量が上記範囲であることにより、第1シェルポリマーの親水性が向上するので、インク組成物中における第1ポリマー粒子の分散安定性が向上する傾向にある。また、第1ポリマー粒子がノズルに付着することをより効果的に抑制することができるので、記録用ヘッドのノズルからの吐出安定性がより良好となる傾向にある。
また、シェルポリマーに含まれる樹脂を構成する全繰り返し単位のうち、疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量が上記範囲であることにより、記録ヘッド内及び記録メディア上で水の乾燥が進み有機溶剤の占有率が高くなった場合でも、ポリマー粒子の分散が安定し、ポリマー粒子同士の凝集を抑制が出来る傾向にある。
(第1ポリマー粒子全体)
好ましくは、第1ポリマー粒子は、第1コアポリマー及び第1シェルポリマーを合わせて、構成単位として芳香族モノマーを10質量%以上〜70質量%以下含む。比較的固い芳香族モノマーを10質量%以上〜70質量%以下含むことにより、被記録媒体上に形成された被膜の耐水摩擦性(湿摩擦性)を向上できる。
例えば、第1ポリマー粒子の酸価が50mgKOH/g以上となるように調製される。第1ポリマー粒子の50mgKOH/g以上であることにより、水に対する再分散性を向上できることから、目詰まり回復性に優れ、長期のノズル目詰まり防止性能(目詰まり回復性)が向上する。
第1ポリマー粒子の平均粒子径は、好ましくは、10nm以上100nm以下である。このようにポリマー粒子の平均粒子径が比較的小さいことにより、記録画像の光沢を出しやすいこと、成膜性に優れるという特徴がある。また、ポリマー粒子の平均粒子径が比較的小さいことにより、凝集しても大きな塊ができにくいことから、ノズルの目詰まりを抑制することができる。さらに、第1ポリマー粒子の平均粒子径が小さいことにより、インク組成物の粘度を比較的高めることができ、記録ヘッド内においてインク組成物の温度が上昇しても、インク吐出性が不安定になる程に粘度が低下してしまうことを防止することができる。
なお、本明細書における平均粒子径は、特に明示がない限り体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装社(Nikkiso Co., Ltd.)製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
上記第1ポリマー粒子の第1コアポリマーの質量と第1シェルポリマーの質量との比率は、第1コアポリマーの質量≦第1シェルポリマーの質量であるが好ましく、より好ましくは第1コアポリマーの質量<第1シェルポリマーの質量である。さらに好ましくは第1シェルポリマーの質量を100%とした場合、第1コアポリマーの質量は40〜80%が好ましい。これにより第1コアポリマーの質量と第1シェルポリマーの質量とのバランスが良好となるため、インク組成物の定着性が良好であり、吐出安定性に優れ、縦アライメント不良が発生しにくい傾向にある。縦アライメント不良とはインクの連続吐出において、長時間吐出することによってノズル周辺でインクが部分的に固化し、吐出方向が曲がりきれいな縦線が印刷できなくなる現象である。
〔第2ポリマー粒子〕
本実施形態のインク組成物は、上記第1ポリマー粒子に加えて、第2コアポリマーと第2シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有する第2ポリマー粒子を含み、第2シェルポリマーのガラス転移温度は40℃以上である。コアシェル構造の定義については、第1ポリマー粒子で述べたのと同様である。なお、以下では、第2ポリマー粒子に関して、第1ポリマー粒子と異なる点について主として述べる。特に記載がなければ、第1ポリマー粒子に関する説明は、第2ポリマー粒子に対しても同様に適用可能である。
(第2コアポリマー)
第2コアポリマーのガラス転移温度に限定はないが、例えば50℃未満であり、好ましくは、0℃以上50℃未満である。ただし、上述したように、第2コアポリマーのガラス転移温度は、第1コアポリマーのガラス転移温度よりも低いことが好ましい。
第2コアポリマーは、疎水性の高いポリマーとなるように設計される。このため、第2コアポリマーは酸価を有しないことが好ましい。また、第2コアポリマーは、構成単位として少なくとも芳香族モノマーを含むことが好ましい。これにより、第2コアポリマーは疎水性となり、疎水性の被膜を形成できる。この結果、記録画像の耐擦性の1つである、耐水摩擦性を向上することができる。
また、第2コアポリマーの構成単位としてのモノマーは、第1コアポリマーについて述べたのと同様のものが使用され、モノマーは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(第2シェルポリマー)
第2シェルポリマーのガラス転移温度は、第1シェルポリマーのガラス転移温度よりも低い限りにおいて限定はなく、第1シェルポリマーと同様の理由により、40℃以上であり、好ましくは、40℃以上150℃以下である。
第2シェルポリマーは、親水性であることから酸価を有し、好ましくは第2シェルポリマーの酸価は20mgKOH/g〜120mgKOH/gである。この数値範囲の酸価を有することにより、第2シェルポリマーとして必要十分な親水性を確保することができる。
第2シェルポリマーは、構成単位として、芳香族モノマーを含んでいてもよい。この場合、第2シェルポリマーの構成単位としての芳香族モノマーの含有量は、第1シェルポリマーよりも低い。第2シェルポリマーが構成単位として芳香族モノマーを含むことにより、詳細な作用機序は不明なものの、吐出曲がりが防止される。特に、小ドットのときにインク液滴が曲がりやすいことから、本発明の一態様によればこの吐出曲がりが抑制される。したがって、本発明の一態様は、1つのノズルからインクドットをマルチサイズに吐出できるヘッドに適している。また、第2シェルポリマーが比較的固い芳香族モノマーを含むことにより、被記録媒体上に形成された被膜の耐水摩擦性(湿摩擦性)を向上できる。第2シェルポリマーの構成単位としての芳香族モノマーの含有量を第1シェルポリマーよりも低くすることにより、第2シェルポリマーのガラス転移温度を高くすることが可能となり、第1シェルポリマーよりも耐擦性や耐水摩擦性に強いポリマーとなる。
また、第2シェルポリマーは、構成単位として、(メタ)アクリレートモノマーとカルボン酸モノマーを含むことが好ましい。このようなポリマーを用いることにより、第2シェルポリマーの表面にカルボキシル基を存在させることができる。これにより、ポリマー粒子の分散安定性がより向上するとともに、インク組成物の粘度が比較的低くなるため、吐出安定性がより向上する傾向にある。上記(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、親水性(メタ)アクリレートモノマー、炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー、環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。(メタ)アクリレートモノマー及びカルボン酸モノマーの具体例は、コアポリマーに含まれるポリマーを構成するモノマーについて上述したものと同様のものが挙げられ、モノマーは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(第2ポリマー粒子全体)
第2ポリマー粒子の平均粒子径は、好ましくは、10nm以上100nm以下である。このようにポリマー粒子の平均粒子径が比較的小さいことにより、記録画像の光沢を出しやすいこと、成膜性に優れるという特徴がある。また、ポリマー粒子の平均粒子径が比較的小さいことにより、凝集しても大きな塊ができにくいことから、ノズルの目詰まりを抑制することができる。さらに、第2ポリマー粒子の平均粒子径が小さいことにより、インク組成物の粘度を比較的高めることができ、記録ヘッド内においてインク組成物の温度が上昇しても、インク吐出性が不安定になる程に粘度が低下してしまうことを防止することができる。
第1ポリマー粒子と第2ポリマー粒子の含有量の比率は、1:1〜3:1であることが好ましい。構成単位として芳香族モノマーを多く含む第1ポリマー粒子の含有量を第2ポリマー粒子よりも多く添加することにより、吐出安定性、密着性、及び目詰まり性のバランスを良好にすることができる。
第1及び第2ポリマー粒子を含めたポリマー粒子のインク組成物中の含有量(固形分換算)は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、0.6質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.7質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。ポリマー粒子の含有量が上記範囲内であることにより、吐出安定性、密着性、及び目詰まり性を向上させることができる。なお、第1ポリマー粒子及び第2ポリマー粒子を区別する必要がないときには、単にポリマー粒子と称する。
(第1及び第2ポリマー粒子の製造方法)
上述したポリマー粒子の製造方法に限定はないが、好ましくは、ポリマー粒子は乳化剤を実質的に用いないソープフリー重合により形成される。ソープフリー重合とは、乳化剤を実質的に用いずにコア−シェルポリマーを製造する重合方法をいう。ここでいう「乳化剤」とは、合成で使用される界面活性剤という意味である。また、ソープフリー重合としては、例えば、溶液中における乳化剤の含有量が1質量%以下の存在下でポリマー粒子を重合すること、が挙げられる。従来、このような乳化剤を用いて合成したポリマー粒子を含むインク組成物は、泡立ちやすく、画像の光沢が出にくく、異物が発生しやすいという問題があった。本発明の一態様によれば、このような問題の発生を抑制したインク組成物が得られる。ソープフリー重合では、例えば、(メタ)アクリル酸を構成単位に含むシェルポリマーを形成し、そのシェルポリマーの中にコアを形成する。また、ソープフリー重合を用いてポリマー粒子を製造した場合、平均粒子径が非常に小さくなり、インク組成物の吐出安定性や光沢性が向上する。
合成で使用される界面活性剤とは、特に限定されないが、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好適である。アニオン系界面活性剤としては、ドデシルベンザンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられる。本実施形態に用いるコアシェルポリマーは、これらの界面活性剤を用いずに製造される。
上記ソープフリー重合で用いられる重合開始剤としては、特に限定されないが、親水性開始剤が用いられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等が挙げられる。
ソープフリー重合の方法の一例について説明するが合成方法は以下に制限されない。例えば、ジャケット付重合反応槽内にイオン交換水、重合開始剤を入れ、重合槽内部を減圧して酸素除去を行った後、窒素にて大気圧に圧戻しを行った窒素雰囲気下において、まず重合槽内を所定の温度にした後、シェルポリマーの構成要素となるモノマーを含むプレエマルジョン溶液を一定量ずつ滴下することにより、重合反応させてシェルポリマーを合成する。次に、得られたシェルポリマーの空隙を重合場として、コアポリマーを重合し、本実施形態に係るポリマー粒子を合成する。具体的には、シェルポリマーを含有する水系分散媒体中に上述の疎水性モノマーを含むモノマー混合物を滴下し、コアポリマーを重合し、ポリマー粒子とする。このように、シェルポリマーをコアポリマーの重合場とする場合、モノマー混合物には乳化剤を用いる必要がなくなる。
かかるソープフリー重合によれば、インク組成物中の乳化剤の含有量を容易に0.01質量%以下とすることができ、ポリマー粒子の平均粒子径も微小にすることができる。
〔有機溶剤〕
本実施形態のインク組成物は、各種の有機溶剤を含んでいてもよい。本実施形態のインク組成物は、好ましくは、標準沸点150℃以上250℃以下であり、ハンセン法に基づくSP値が10(cal/cm1/2以上15(cal/cm1/2のアルキルポリオールを含む。標準沸点150℃〜250℃の有機溶剤は、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上で加熱により蒸発して、被記録媒体にインクを定着させることができる。
上述した要件を満たすアルキルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。これらのうち、特に好ましくは炭素鎖が5以下のアルキルポリオールであり、例えば1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールが好ましい。炭素鎖が5以下のアルキルポリオールは、疎水性が強くなる。このため、吐出ヘッドの加温により水が蒸発して有機溶剤の濃度が高くなった状態においても、アルキルポリオールが安定に存在し得ることから、短期目詰まりを抑制でき、間欠吐出性を向上できる。
SP値が10(cal/cm1/2以上15(cal/cm1/2以下のアルキルポリオールの含有率は、1質量%以上30質量%以下、より好ましくは2質量%以上20質量%以下である。SP値が10(cal/cm1/2以上15(cal/cm1/2以下の範囲の場合、親水性の官能基を外側に有するポリマー粒子との相溶性が良く、ポリマー粒子の分散を良好にさせることができる。特に、カルボキシル基が付与されたポリマー粒子との相性が良い。このため、間欠吐出性能を向上でき、かつ、ドットの抜けを防止することができる。
ここで、溶解度パラメーター(SP値)について説明する。本願明細書におけるSP値とは、Hansen法に基づくSP値である。Hansen法はSP値δを3つの項に分類し、δ=δ +δ +δ と表して算出したものである。δ、δ、δはそれぞれ分散力項、双極子間力項、水素結合力項に相当する溶解度パラメーターである。各溶媒のHansen法に基づくSP値は、表1に記載のとおりである。
上述したアルキルポリオールの含有量は、特に限定はないが、インク組成物の総量に対して、好ましくは1.0〜35質量%であり、より好ましくは2.0〜15.0質量%である。
(環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒)
本実施形態のインク組成物は、環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の少なくともいずれかをさらに含んでいてもよい。インク組成物は環状窒素化合物又は非プロトン性極性溶媒を含むことにより、ポリマー粒子の見かけのガラス転位温度を低温側に移行させることができ、本来よりもコアポリマー及びシェルポリマーを低い温度で軟化させることができることから、被記録媒体へのインク組成物の密着性を向上させることができる。これにより、特に、被記録媒体がポリ塩化ビニルからなる場合に、被記録媒体へのインク組成物の密着性を向上させることができる。
非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、環状ケトン化合物、鎖状ケトン化合物、鎖状窒素化合物が挙げられる。また、環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒としては、ピロリドン系、イミダゾリジノン系、スルホキシド系、ラクトン系、アミドエーテル系が代表例として挙げられる。なかでも2−ピロリドン、N−アルキル−2−ピロリドン、1−アルキル−2−ピロリドン、γ‐ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、アルコキシプロピオンアミドが挙げられる。
環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の含有量は、特に限定はないが、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.1〜40.0質量%、より好ましくは1.0〜30.0質量%である。このような範囲で添加することにより、特にポリ塩化ビニルからなる被記録媒体に対する密着性に加えて、目詰まり防止性または吐出安定性を確保することができる。ただし、含有量が多すぎると乾燥不良となる場合がある。
(その他の溶剤)
本実施形態におけるインクは、上記以外のその他の溶剤をさらに含んでもよい。上記以外のその他の溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類が挙げられる。その他の溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の溶剤の沸点は、好ましくは140〜280℃であり、より好ましくは160〜260℃であり、さらに好ましくは180〜240℃である。その他の溶剤の沸点が上記範囲内であることにより、間欠特性がより向上する傾向にある。
その他の溶剤の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは1.0〜25質量%であり、より好ましくは5.0〜20質量%である。
〔標準沸点280℃以上のアルキルポリオール〕
本実施形態のインク組成物は、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まないことが好ましい。標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まないことにより、記録媒体上におけるインク組成物の速乾性がより向上する。一方、吐出ヘッド内におけるインクの保存安定性については、本実施形態にコア−シェル構造を有するポリマー粒子を用いることによって、十分に確保出来る。標準沸点280℃以上のアルキルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリンが挙げられる。なお、「標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まない」とは、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールの含有量が、インク組成物の総量に対し、好ましくは0〜0.50質量%であることをいい、好ましくは0質量%であることをいう。
〔界面活性剤〕
本実施形態で用いるインク組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。インク組成物がこれらの界面活性剤を含むことにより、被記録媒体に付着したインク組成物の乾燥性が一層良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。
これらの中でも、インク組成物への溶解度が大きくなりインク組成物中に異物が一層発生し難くなるため、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61やサーフィノールDF110D(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.1〜7.0質量%であり、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、被記録媒体に付着したインク組成物の濡れ性がより向上する傾向にある。
〔pH調整剤〕
本実施形態のインクは、pH調整剤を含んでもよい。pH調整剤として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モルホリン、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウムが挙げられる。
pH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。pH調整剤の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
〔その他の成分〕
本実施形態のインクは、上記の成分に加えて、溶解助剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、腐食防止剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
本実施形態のインク組成物は、加熱された被記録媒体に記録されるものであることが好ましい。上述したように加熱された状態の被記録媒体に適用することにより、耐擦性に優れた画像を形成することができる。また、被記録媒体が加熱されている場合には、その輻射熱によりヘッドが加温される。本実施形態に係るインク組成物によれば、ヘッドが加温されるような場合においてもノズル目詰まりを抑制することができ、吐出安定性を向上させることができる。加熱温度は、好ましくは35℃以上であり、より好ましくは40℃以上110℃以下であり、さらに好ましくは45℃以上120℃以下である。
被記録媒体を加熱するには、例えば、プラテンヒーターや赤外線放射が用いられる。また、本実施形態のインク組成物は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に発揮する点から、インクジェット記録方法に用いられるインク組成物であることが好ましい。
〔インクの製造方法〕
本実施形態のインクは、上述の成分(材料)を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過などを行い、不純物を除去することにより得ることができる。ここで、顔料は、あらかじめ溶媒中に均一に分散させた状態に調製してから混合することが、取り扱いが簡便になるため好ましい。
各材料の混合方法としては、メカニカルスターラーやマグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法として、例えば、遠心濾過やフィルター濾過などを必要に応じて行うことができる。
〔被記録媒体〕
被記録媒体は、吸収性、低吸収性被記録媒体又は非吸収性被記録媒体である。被記録媒体としては、インク組成物を付着させる前に予め又は付着中に加熱されているものを用いる。本実施形態のインク組成物を用いて、加熱された被記録媒体上に付着させて記録を行うことにより、インク組成物が被記録媒体に付着した際にシェルポリマーが軟化し、耐擦性に優れる皮膜を形成することができる。また、被記録媒体が加熱されていればよいため、インク組成物の粘度を低下させるために必要以上にノズルを加熱しなくてもよい。これにより、インク組成物中の樹脂などの成分がノズル内壁に付着することを抑制でき、目詰まり回復性に優れる。加熱の際の被記録媒体の表面温度は30〜60℃が好ましく、より好ましくは40〜60℃である。
吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、特に布帛のような高い吸収性の被記録媒体であることが好ましい。布帛としては、以下に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル、及びレーヨン等の天然繊維又は合成繊維が挙げられる。
低吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、表面に油性インク組成物を受容するための塗工層が設けられた塗工紙が挙げられる。塗工紙としては、特に限定されないが、例えば、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙が挙げられる。
非吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレート等が挙げられる。また、非吸収性被記録媒体としては、シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層が形成されていないものが好ましい。
ここで、「低吸収性被記録媒体」及び「非吸収性被記録媒体」は、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msecまでの水吸収量が10mL/m以下である被記録媒体をいう。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
また、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体は、記録面の水に対する濡れ性によっても分類することができる。例えば、被記録媒体の記録面に0.5μLの水滴を滴下し、接触角の低下率(着弾後0.5ミリ秒における接触角と5秒における接触角の比較)を測定することによって被記録媒体を特徴付けることができる。より具体的には、被記録媒体の性質として、「非吸収性被記録媒体」の非吸収性は上記の低下率が1%未満のことを指し、「低吸収性被記録媒体」の低吸収性は上記の低下率が1%以上5%未満のことを指す。また、吸収性とは上記の低下率が5%以上のことを指す。なお、接触角はポータブル接触角計 PCA−1(協和界面科学株式会社製)等を用いて測定することができる。
〔記録装置〕
本実施形態に係る記録装置は、上記インク組成物を、被記録媒体に対し吐出する吐出ヘッドと、被記録媒体を加熱する加熱手段と、被記録媒体に付着したインクジェット用インク組成物を、乾燥する乾燥手段と、を有する。この記録装置は、上述のインクジェット用インク組成物を更に有していてもよい。
図1に、本実施形態に係る記録装置の概略断面図を示す。図1に示すように、記録装置1は、吐出ヘッド2と、IRヒーター3と、プラテンヒーター4と、硬化ヒーター5と、冷却ファン6と、プレヒーター7と、通気ファン8と、を備えている。
吐出ヘッド2は被記録媒体に対しインク組成物を吐出するものである。吐出ヘッド2としては、従来公知の方式を使用できる。公知の方式の一例としては、例えば、圧電素子の振動を利用して液滴を吐出するもの、即ち電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するヘッドが挙げられる。
被記録媒体加熱手段は、吐出ヘッド2からのインク組成物吐出時において、被記録媒体を加熱しているものである。被記録媒体加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、温風やIRヒーター3により吐出ヘッド2を直接加熱する手段や、プラテンヒーター4により加熱した被記録媒体を介して吐出ヘッド2を加熱する手段が挙げられる。
なお、IRヒーター3を用いると、吐出ヘッド2側から被記録媒体を加熱することができる。これにより、吐出ヘッド2も同時に加熱されやすいが、プラテンヒーター4など被記録媒体の裏面から加熱される場合と比べて、被記録媒体の厚みの影響を受けずに昇温することができる。また、プラテンヒーター4を用いると、吐出ヘッド2側と反対側から被記録媒体を加熱することができる。これにより、吐出ヘッド2が比較的加熱されにくくなる。
記録装置1は、被記録媒体に対しインク組成物が吐出される際に、被記録媒体の表面温度は35℃以上となるように加熱する被記録媒体加熱手段をさらに備えることが好ましい。より好ましい温度は30℃以上70℃以下である。被記録媒体加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、IRヒーター3、プラテンヒーター4が挙げられる。被記録媒体加熱手段を有することにより、被記録媒体に付着したインク組成物をより速やかに乾燥し、ブリードを一層抑制することができる。また、当該温度は、第1シェルポリマー及び第2シェルポリマーのガラス転移温度よりも低いことが好ましい。これによって、コアシェルポリマーの構造が被記録媒体に着弾する前に崩壊してしまうことを防止することが出来る。
乾燥手段は、インクジェット用インク組成物が付着した被記録媒体を、加熱して乾燥するものである。乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、硬化ヒーター5、温風機構(不図示)、及び恒温槽(不図示)などの手段が挙げられる。乾燥手段が、画像が記録された被記録媒体を加熱することにより、インク組成物中に含まれる水分などがより速やかに蒸発飛散して、インク組成物中に含まれるポリマー粒子によって皮膜が形成される。このようにして、被記録媒体上においてインク乾燥物が強固に定着(接着)して、耐擦性に優れた高画質な画像を短時間で得ることができる。乾燥手段は、被記録媒体加熱手段よりも高い温度であることが好ましく、より好ましくは70℃以上であり、さらに好ましくは70℃以上110℃以下である。また、当該温度は、第1シェルポリマー及び第2シェルポリマーのガラス転移温度よりも高いことが好ましい。これによって、シェルポリマーを被記録媒体上で軟化させ、流出したコアポリマーと軟化したシェルポリマーによって密着性や耐擦性が向上する。
なお、上記の「被記録媒体を加熱」するとは、被記録媒体の温度を所望の温度まで上昇させることを言い、被記録媒体を直接加熱することに限られない。
記録装置1は、冷却ファン6を有していてもよい。乾燥後、冷却ファン6により被記録媒体上のインク組成物を冷却することにより、被記録媒体上に密着性よく被膜を形成することができる傾向にある。
また、記録装置1は、被記録媒体に対しインク組成物が吐出される前に、被記録媒体を予め加熱する(プレ加熱する)プレヒーター7を備えていてもよい。さらに、記録装置1は、被記録媒体に付着したインク組成物がより効率的に乾燥するように通気ファン8を備えていてもよい。
本実施形態に係る記録装置によれば、ノズルの目詰まりを防止しつつ、被記録媒体への密着性が向上した被膜を形成することができる。
〔記録方法〕
本実施形態に係る記録方法は、例えば図1に示した記録装置を用いて被記録媒体に対して画像を記録するものである。本実施形態に係る記録方法は、加熱された被記録媒体に対してノズルからインク組成物を吐出する工程と、インク組成物が付着した被記録媒体をさらに加熱する工程と(乾燥工程)とを有する。
本実施形態に係る記録方法によれば、ノズルの目詰まりを防止しつつ、被記録媒体への密着性が向上した被膜を形成することができる。
以下、上述した本発明に係るインク組成物の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(コアシェル型ポリマー粒子水分散液の作製)
反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過硫酸アンモニウムを0.2部添加しておき、メチルメタクリレート(MMA)29部、アクリル酸(AA)6部、ラウリルメタクリレート(LMA)7部、およびスチレン(St)28部を入れたモノマー溶液を、反応容器に滴下して反応させてシェルポリマーを重合し作製した。その後、過硫酸カリウム0.2部、スチレン(St)22部およびn−ブチルアクリレート(BA)8部混合液を滴下して70℃で攪拌しながら重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5に調整して0.3μmのフィルターでろ過することにより第1ポリマー粒子(コアシェルポリマーA)の分散液を作製した。
表1に示すようにシェル及びコアを構成する成分およびその割合を変えた以外は、コアシェルポリマーAと同様の方法にて、もう1種類の第1ポリマー粒子(コアシェルポリマーB)を作製し、さらに、2種類の第2ポリマー粒子(コアシェルポリマーC,D)を作製した。
なおコアシェルポリマーに含まれるコアポリマーとシェルポリマーのガラス転移温度は、上述のFOX式を用いて算出した。
また、上記で得られたコアシェル型ポリマー粒子をマイクロトラックUPA(日機装株式会社)により測定して、コアシェル型ポリマー粒子の粒子径φ(nm)を求めた。
表2に、各ポリマー粒子における、コアポリマーのTg、シェルポリマーのTgおよびポリマー粒子の平均粒子径を併記した。
なお、表2における略号の意味は以下のとおりである。
BA:n−ブチルアクリレート
St:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
AA:アクリル酸
LMA:ラウリルメタクリレート
MA:メタクリル酸
MAA:アクリル酸メチル
比較例のポリマーは、メチルメタクリレート(MMA)80部と、ラウリルメタクリレート(LMA)10部と、メタクリル酸(MA)10部を重合反応させた調製した、非コアシェルポリマー(Tg80℃)である。
(インク組成物の調製)
各材料を下記の表3に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),およびブラック(Bk)のインクセットを得た(実施例1〜5および比較例1,2)。実施例1〜5および比較例1,2におけるインクセットに含まれる各インクの樹脂成分は表4に示すとおりである
(評価方法)
(1)吐出安定性
プリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)の一部を改造して、インクジェット記録時に記録媒体を加熱調節できるプリンターとした。このプリンターのインクカートリッジに上記で得られたインクセットを充填した。このプリンターを用いて、被記録媒体の表面温度が40℃以上、ヘッド内インク温度が35℃または55℃の条件下で間欠印刷時における吐出安定性の評価を行った。まず、すべてのノズルから正常にインクが吐出されることを確認した。そして、1分間の休止時間を設け、その後にインクを吐出したときの吐出安定性を測定した。評価基準は以下の通りである。結果を表4に併せて示す。
(評価基準)
A:ヘッド内インク温度55℃で、印刷停止から1分後、インクを吐出したときに、不吐出や吐出乱れはなく、問題ない
B:ヘッド内インク温度55℃で、印刷停止から1分後、インクを吐出したときに、やや不吐出や吐出乱れがあるが、吐出中に復帰し問題ない
C:、ヘッド内インク温度55℃で、印刷停止から1分後、インクを吐出したときに、やや不吐出や吐出乱れがあり、吐出中に復帰せずメンテナンスが必要となる
(2)密着性
上述したインクジェットプリンター(商品名PX−G930、セイコーエプソン株式会社製)にインク組成物を充填して、被記録媒体(塩ビコート紙)に記録した。この際、被記録媒体の表面温度は30℃または45℃とし、印刷後、乾燥ヒーターにて100℃で乾燥した。印刷面をJIS規格クロスカット試験を用いて以下のように評価した。評価結果を表4に併せて示す。
(評価基準)
A:剥離が一切起こらない
B:25個の格子の内3個未満の剥離が見られる状態となった
(3)目詰まり性
インクジェットプリンター(商品名PX−G930、セイコーエプソン株式会社製)にインク組成物を充填して、充填後、ノズルチェックパターンを印刷して充填不良・ノズル目詰まりのないことを確認した。その後、プリンタヘッドのキャップを外した状態(ヘッドノズル面が乾燥しやすい状態)にして、温度25℃、相対湿度40%〜60%の環境下で1週間放置した。放置後、クリーニング動作を行ってからノズルチェックパターンを印刷して、ノズルの吐出状態を観察することで、インクのヘッドにおける目詰まり性を評価した。なお、評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に併せて示す。
(評価基準)
A: クリーニング動作3回以内で全ノズルからインクが正常吐出された
B: クリーニング動作4〜8回で全ノズルからインクが正常吐出された
C: クリーニング動作9回以上行っても正常吐出しないノズルがあった
表3に示すように、実施例1〜5のインク組成物は、比較例1,2に比べて、吐出安定性、密着性、目詰まり性のバランスが良好であることがわかる。具体的には、実施例1では吐出温度が低温なので何ら問題は発生しなかった。実施例2では、吐出温度が上がったため、吐出がやや不安定になったが、それでも密着性および目詰まり性について良好な結果が得られた。実施例3では、使用ポリマーのTgが高いため、吐出温度があがっても吐出安定性についても良好な結果が得られた。実施例4では、印刷時のメディア温度を下げたため、密着性はやや低下した。実施例5では、使用したコアシェルポリマーBは疎水性成分が多いので目詰まり性がやや低下した。比較例1では、コアシェルポリマーを用いていないことから、目詰まり性が非常に悪かった。比較例2では、低Tgのコアシェルポリマーのみを使用したことから、短期目詰まり性が低く、吐出安定性の評価が悪くなった。

Claims (11)

  1. 色材と水と第1ポリマー粒子と第2ポリマー粒子とを含み、加熱された被記録媒体に記録されるインク組成物であって、
    前記第1ポリマー粒子は第1コアポリマーと第1シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有し、
    前記第2ポリマー粒子は第2コアポリマーと第2シェルポリマーを有するコア−シェル構造を有し、
    前記第1シェルポリマーと前記第2シェルポリマーのガラス転移温度は40℃以上であり、
    前記第1シェルポリマーのガラス転移温度は前記第2シェルポリマーのガラス転移温度より高い、
    インク組成物。
  2. 前記第1シェルポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含み、
    第2シェルポリマーが構成単位として芳香族モノマーを含む場合、第2シェルポリマーの構成単位としての芳香族モノマーの含有量は第1シェルポリマーよりも低い、
    請求項1記載のインク組成物。
  3. 前記第1及び第2ポリマー粒子は、乳化剤を実質的に用いずに合成されたものである、
    請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記第1ポリマー粒子は構成単位として芳香族モノマーを10質量%以上〜70質量%以下含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記第1コアポリマーのガラス転移温度は、前記第2コアポリマーのガラス転移温度よりも高い、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記第1ポリマー粒子と前記第2ポリマー粒子の含有量の比率は、1:1〜3:1である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 前記第1及び第2ポリマー粒子の平均粒子径は10nm以上100nm以下である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記インク組成物は、環状窒素化合物および/または非プロトン性極性溶媒を含む、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに1項に記載のインク組成物と、前記インク組成物を吐出する吐出ヘッドと、を備えた記録装置。
  10. 前記吐出ヘッドは、インク組成物を吐出するノズルを備え、一つの前記ノズルから前記インク組成物のドットをマルチサイズに吐出できるものである、請求項9に記載の記録装置。
  11. 吐出ヘッドを用いて、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物を加熱された被記録媒体に吐出して付着させる吐出工程を有する、記録方法。
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