JP2015176858A - リチウムイオン電池負極活物質および二次電池 - Google Patents

リチウムイオン電池負極活物質および二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】Siの体積膨張を抑制した負極活物質、およびそれを用いた充放電サイクル特性に優れた二次電池を提供すること。【解決手段】Siを15〜70at%と、1種以上のFe、Mn、Co、Cr、NiおよびVから選択される元素Mを合計で6〜25at%と、結晶化温度においてSi、前記元素M、Al元素それぞれの固容量が5at%以下である元素Xを0.1〜5.0at%と、Alを10〜75at%とを含む実質的にアモルファスであるSi合金中に、分布密度が1?108〜1?1012個/mm2であるSiを含む金属間化合物を含む負極活物質。【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池用負極活物質に関し、特に、充放電サイクル特性に優れた二次電池に用いられる負極活物質に関する。
リチウムイオン電池の負極活物質には、従来では黒鉛などの炭素材料からなる粉末が用いられているが、黒鉛の理論容量は372mAh/gと低く、更なる高容量化には限界がある。そのため、黒鉛よりも理論容量の高いSiおよびSi合金の適用が検討され、実用化されている。Siは4000mAh/gを超える理論容量がある。しかし、Siを負極活物質として適用する場合、高容量は得られるものの、体積膨張などに起因してサイクル寿命が短いという課題があり、様々な改善が提案されている。
例えば、特許文献1では、Siと、SbおよびPよりなる群から選ばれる少なくとも1種またはBとを含む核粒子(固相A)の表面の一部または全部に、Siと、金属元素とを含む被覆層(固相B)が形成された複合粒子からなる非水電解質二次電池用負極活物質を用いることで、優れた充放電サイクル特性および高率放電特性を向上させた二次電池が開示されている。
また、特許文献2では、Si、Alおよびその他の添加元素を含む合金組成のリボンを、液体単ロール超急冷法により作製することで、サイクル特性の向上に寄与したアモルファス合金あるいは微結晶合金が開示されている。これらは微細なSiを形成させることでサイクル特性を改善している。
また、特許文献3では、非晶相及びナノ結晶相の混合物としている負極活物質が開示されている。巨大晶子(即ち、約50ナノメートル超の最大寸法を有する結晶)を含有する物質と比較して、合金組成物内の内部応力に起因した、負極の劣化を抑制することでサイクル特性が改善する技術である。この合金生成物は、(a)シリコン、(b)アルミニウム、(c)遷移金属、(d)スズ、(e)インジウム、及び(f)イットリウム、ランタニド元素、アクチニド元素、又はこれらの組み合わせを含む第6要素を含有する。前記非晶相は、シリコンを含有するが、前記ナノ結晶相は、シリコンを実質的に含まない。
Siは、リチウムと反応すると体積が約4倍に膨張する。このため、Siを負極活物質とするリチウム二次電池の充放電を繰り返すと、体積膨張と収縮によりSi粒子内に大きな内部歪みが生じてクラックが発生し、粒子が微粉化しやすいという問題がある。このような微粉化は、電池の充放電サイクル特性の低下につながる。
特開2004−335272号公報 特開2009−32644号公報 特表2009−503787号公報
体積膨張を抑制するために特許文献1〜3で種々の改善を実施しているが、特許文献1の技術はSi核粒子におけるSiの含有率が92wt%以上と高いために、核粒子における膨張収縮を十分に抑制することは困難である。
特許文献2ではSi粒子の核が小さくなると、個々のSi核の膨張収縮量が小さくなるため、Si核の破壊を抑制しやすいとされている。しかし核にSi粒子を用いているため、核粒子自体の膨張収縮を十分に抑制することは困難である。
特許文献3では、Siを含む非晶相及びSiを含まないナノ結晶相の混合物で負極が構成されている。ナノ結晶相はSn、In、M(イットリウム、ランタニド、アクチニド、第6元素(ミッシュメタル))から構成され、その強度は不十分である。加えて、Siは非晶質中に存在しているため、ナノ結晶相はSiを基調としない化合物でありSiを微細分散させる組織制御方法は明らかになっておらず、膨張収縮を十分に抑制することは困難である。またレアメタルを含む材料であるため高価であり、レアメタルレスの負極活物質が求められる。
上記の課題を鑑みて、本発明ではSiの体積膨張を抑制した負極活物質、およびそれを用いた充放電サイクル特性に優れた二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、Siを15〜70at%と、
1種以上のFe、Mn、Co、Cr、NiおよびVから選択される元素Mを合計で6〜25at%と、
結晶化温度においてSi、前記元素M、Al元素それぞれの固容量が5at%以下である元素Xを0.1〜5.0at%と、
Alを10〜75at%とを含む実質的にアモルファスであるSi合金中に、
分布密度が1×10〜1×1012個/mmであるSiを含む金属間化合物を含む負極活物質に関する。
具体的には、元素MがFeの場合、元素Xは、Ca、Sc、Ti、Mn、Cu、Nb、Ag、Zr、Cr、Snから、
元素MがMnの場合、元素Xは、Ni、Cu、Zr、Nb、Ag、Snから、
元素MがCoの場合、元素Xは、Sc、Ti、V、Zr、Nb、Ag、Snから、
元素MがCrの場合、元素Xは、Ti、V、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ag、Snから、
元素MがNiの場合、元素Xは、Zr、Nb、Sn、Hf、Ta、Agから、
元素MがVの場合、元素Xは、Cu、Zr、Ag、Hfから、
それぞれ選択される。
元素Mは、Siと好適にアモルファスを形成しやすい元素である。マトリクスがSi合金のアモルファス構造であることで、SiとLiの反応によるマトリクスの膨張を抑制できる。また、Siを含む金属間化合物をマトリクス中に分散させることで、隣接するマトリクスの膨張をさらに抑制できる。
このような金属間化合物は、元素Xが核となって生成されるものと考えられる。
また本発明は、前記のSiを含む金属間化合物相の平均結晶粒径は1nm〜100nmであることを特徴とする負極活物質に関する。粒径を調節することにより、隣接するマトリクスの膨張をさらに好適に抑制できる。
さらに本発明は、上記負極活物質を用いることを特徴とする、非水電解質二次電池用負極、およびそれを用いる二次電池に関する。
このような、マトリクスの膨張を抑制できる負極活物質を用いることによって、電池の充放電サイクル特性が向上するという従来技術にない顕著な効果を奏するものである。
本発明により、Siの体積膨張を抑制した負極活物質、即ち初回の放電容量を十分に備え、且つサイクル特性に優れた非水電解質二次電池用の負極活物質を提供することが可能となる。
本願実施例5にかかる負極活物質のSEM(走査型電子顕微鏡)像 本願発明にかかる負極組織の模式図
本発明におけるSiアモルファス合金作成時の熱処理とは、予めTG/DTA(示唆熱−熱重量)測定などにより結晶化温度を把握した上記材料において、結晶化温度−100℃〜結晶化温度+100℃の範囲で、0〜600分の熱処理を行う処理である。なお、0分の熱処理は保持時間0分を示し、結晶化温度までの昇温・降温中の熱影響を受けた条件である。昇温速度は1〜100℃/min.である。これによりSiを含む金属間化合物を分布させることができる。ここでTG/DTAによる結晶化温度の決定方法は、不活性ガス流気下で20℃から700℃まで20℃/min.の昇温速度で昇温し、低温側に最初にでる発熱ピークの最大値を示す温度を結晶化温度とした。
また、実質的なアモルファス構造とは、広角X線回折法により得られる回折ピークのパターンにおいて、結晶構造に帰属されるピークが検出できないことを示すものである。これに対し、Siを含む金属間化合物や結晶Siが属する結晶構造は、広角X線回折法により得られる回折パターンにおいて、各結晶面に帰属されるピークが存在することを示すものである。なお実質的なアモルファス構造は、所定の熱処理実施後に、広角X線回折法では長周期的な結晶構造のピークを検出できないが、電子顕微鏡(例えば高分解能透過型電子顕微鏡:HRTEM)等で微小な範囲の原子配列構造を確認できる材料を含むものである。
本発明の負極活物質は、Si単相のアモルファス構造では無く、Si合金相のアモルファス構造である。マトリクスがSi合金相のアモルファス構造であることで、SiとLiの反応によるマトリクスの膨張を抑制できる。
また、Siを含む金属間化合物をマトリクス中に分散させることで、隣接するマトリクスの膨張をさらに抑制できる。分布密度は1×10〜1×1012個/mmが好ましく、より好ましくは1×10〜1×1011個/mmである。分布密度が1×10個/mmよりも小さい材料は、金属間化合物の分布が疎であるためにマトリクスの膨張を抑制する効果に乏しい。一方で分布密度が1×1012個/mmよりも大きい材料は、局所的に粗大な化合物が存在しクラックの起点となり得ると推定される。化合物のサイズは、電子顕微鏡(SEM、TEM)などで観察することができ、Siを含む金属間化合物のサイズは1〜100nmが好ましい。1nmよりも小さいと隣接するマトリクスの膨張抑制効果が小さく、100nmよりも大きいと粗大な析出物であるためクラックが導入されやすくなる。
本発明においてマトリクスがSi合金の実質的なアモルファス構造であり、その中にSiを含む金属間化合物が均一分散した構造が好ましい。なお所定の熱処理においてマトリクスから一部の結晶質Siが析出しても、Siを含む金属間化合物が均一分散した構造であれば、容量維持率などのサイクル特性が改善される。
Siはリチウムイオン電池の負極活物質として用いた際に、リチウムイオンと反応し充放電容量の大部分を担う元素であり、合金中15〜75at%が好ましい。15%よりも小さいと容量が小さくなり過ぎてしまう。75%よりも大きいと容量が大きくなると同時に膨張量も大きくなり容量維持率などのサイクル特性が低下する。
元素MはSiとアモルファスを形成し易い遷移元素であり、少なくとも1種のFe、Mn、Co、Cr、NiおよびVを合金中6〜25at%含む組成である。6%よりも小さいと急冷凝固時のアモルファス形成能が低く、アモルファスの形成が困難である。また、25%よりも大きいと充放電容量が小さくなり過ぎてしまう。
AlはSiとアモルファスを形成し易い元素であり、リチウムイオンと反応し充放電の容量の一部を担うことができる元素であり、合金中10〜75at%が好ましい。
上記、Si、元素M、Alを例えば、単ロール法、ガスアトマイズ法、スパッタ法などによる急冷凝固を行うことでSi合金のアモルファスを形成することができる。
元素Xは0.1〜5at%を上記合金中に含むことができる。元素Xは、Si、元素M、Alのいずれの元素においても結晶化温度において固容量が5at%以下の元素であることが好ましい。すなわち、
MがFeの場合、Ca、Sc、Ti、Mn、Cu、Nb、Ag、Zr、Cr、Sn
Mnの場合、Ni、Cu、Zr、Nb、Ag、Sn
Coの場合、Sc、Ti、V、Zr、Nb、Ag、Sn
Crの場合、Ti、V、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ag、Sn
Niの場合、Zr、Nb、Sn、Hf、Ta、Ag、
Vの場合、Cu、Zr、Ag、Hf
が元素Xとして選択できる。
元素Xは急冷凝固後の所定の熱処理において、Siを含む金属間化合物が微細均一に析出する核として作用すると考えられる。元素Xが0.1at%よりも小さい場合は、添加量が少ないために均一析出の作用が小さい。元素Xが5at%よりも大きい場合、Si、元素M、Alに対する比率が高まり、アモルファス形成が困難になる可能性がある。少ない添加量で効果を得るための元素Xの添加量は、好ましくは0.1〜3at%、より好ましくは0.1〜1at%である。
以下に、本発明の負極活物質の製造方法について説明する。
負極活物質を構成する各元素を所定の割合で配合し、アーク溶解または高周波溶解などの手法で溶解凝固させ、母合金を製造する。母合金は石英管に装填後、単ロール急冷凝固装置の高周波コイルにて再溶解され、4000rpmで回転する水冷銅ロール上で急冷凝固させる。アモルファスの形成方法はこの限りでは無く、例えば母合金をターゲットとしてスパッタ法により銅箔あるいはステンレス箔上に負極材料を急冷凝固できる。また、ガスアトマイズ法でも急冷凝固させることができる。急冷試料はTG/DTA(示唆熱-熱重量)測定で結晶化温度を把握した上で、結晶化温度−100℃〜結晶化温度+100℃の範囲で、0〜600分の熱処理を行い、当該の負極活物質を得る。
次に非水電解質二次電池用負極として電極を構成するための方法を説明する。
例えば、単ロール法により本発明の負極活物質を作製した場合、負極活物質をバインダーと導電助剤および溶媒とともに混練してスラリー状の負極合材を作製し、このスラリー状の負極合材を、厚み1〜100μmの銅箔あるいはステンレス箔などからなる集電体上に塗布し、溶媒を乾燥後に圧延して、負極平板を作製することができる。導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどの炭素材料を選択できる。バインダーは銅箔と負極活物質の結合および負極活物質同士の結合を担い、スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミドイミドなどを選択できる。溶媒はスラリー形成に用いられるが、前記のバインダーを溶解する必要がある。溶媒は水やn-メチルピロリドンなどをバインダー種に対応して選択される。本発明の負極活物質、バインダー、導電助剤の重量比率は、負極活物質を1とすると、バインダーは0.01〜0.50、導電助剤は0.01〜0.50が好ましい。導電助剤およびバインダーの比率が高いと負極層の重量あたりの充放電容量が減少するため、それぞれ負極を1に対して、0.30以下の重量比率が好ましい。
例えば、スパッタ法により本発明の負極活物質を作製した場合、スパッタした銅箔またはステンレス箔を集電体として電極を構成することができ、スパッタ後に所定の熱処理を実施した銅箔あるいはステンレス箔を負極として用いることができる。この際、箔の厚みは1〜100μm程度を適用することができ、密着性の観点から表面粗化した銅箔またはステンレス箔を用いても良い。
(実施例1)
Siを18at%、元素MとしてMnを13at%、元素XとしてCuを1at%、残部をAlとなるように秤量し、アーク溶解装置で溶解凝固させ、母合金を作製した。得られた母合金を数mmから10mm程度に粉砕し、石英管に装填後、単ロール急冷凝固装置の高周波コイルで、母合金を溶解後、4000rpmで回転させた水冷銅ロール上で急冷凝固させて急冷試料を得た。解析用にTg/DTAの示唆熱-熱重量測定を20℃〜700℃の範囲で昇温速度20℃/min.、アルゴン流気条件下で行い、最も低温側にある350℃の発熱ピーク位置を結晶化温度として求めた。次に負極活物質を形成させた銅箔を直径20mmで切り抜き、アルゴン雰囲気で350℃、10分保持の熱処理を実施し、負極活物質を作製した。なお、表1中のタイプ1の熱処理は、不活性ガス中で結晶化温度で10分間保持する熱処理である。タイプ2の熱処理は不活性ガス中で結晶化温度よりも50℃高い温度で60分間保持する熱処理である。
<結晶構造の評価>
スパッタなどの急冷凝固後、あるいは所定の熱処理後の結晶構造を測定するために、波長1.5406nmのCuKα線を線源とする広角X線回折装置(理学電機社製)を用い、回折角2θ=10〜80°の範囲における回折強度を測定した。帰属されるピークの有無を調べた。急冷凝固後に、結晶構造に帰属されるピークが無いものをアモルファス形成有りとして表1中「○」と表記した。結晶構造に帰属されるピークがある物はアモルファスが形成していないロットとして表1中「×」を表記した。但し、銅箔あるいはステンレス箔に帰属するピークのみがある場合は、スパッタされた負極活物質部分は結晶構造に帰属されるピークが無いと判断しアモルファス形成ありとして表1中「○」と表記した。実施例1は銅以外の結晶構造に帰属されるピークが無いため、アモルファス形成ありとした。
<金属間化合物の構造評価>
所定の熱処理後の組織評価として、透過電子顕微鏡(TEM)を用いた。熱処理後の負極活物質の断面をFIBにより切り出し、透過電子顕微鏡で加速電圧300kVで5000〜500000倍の組織写真を撮影した。その写真上で金属間化合物の粒径および分布密度を測定した。
粒径は観察視野数nを10として、局所的な視野の偏りを排除して測定した。各視野においてランダムに10個の粒径を測定し、合計100個の粒子の平均径を粒径とした。実施例1の金属間化合物は平均粒径22nmであった。
分布密度は観察視野数nを10として、局所的な視野の偏りを排除して測定した。各視野において金属間化合物の個数を測定し、単位面積あたりの個数(個/mm)へ演算した。実施例1の金属間化合物の分布密度は4×1010(個/mm)であった。
<電池特性評価>
銅箔上に形成させた負極活物質を負極とし、正極にLi箔、参照極にLi箔を用いて3極セルを形成した。セパレータには多孔性のポリエチレンフィルムを用いた。
EC(エチレンカーボネート):MEC(メチルエチルカーボネート):DMC(ジエチルカーボネート)を体積比30:40:30で混合した溶媒中に電解質:LiPFを1.3モル/Lとなるように溶解し電解液とした。
上記の3極セルに電解液を注液し、非水電解質電池を作製した。充放電試験条件は、充放電レートは0.1C(1Cは1時間で満充電できる充電レート)とし、0.02〜1.5V(vsLi/Li)間で充放電を行った。また、1サイクル目の放電容量(C1)に対する50サイクル目の放電容量(C50)の比率を求めた値R(%)を容量維持率として求めた。容量維持率の値は式(1)で示される。
R(%)=(C50/C1)*100 ・・・式(1)
実施例1では50サイクル後の放電容量の容量維持率は82%であった。
(実施例2〜12)
Si組成比、元素Mの種類および組成比、元素X種および組成比、を表1に記載の内容に変えて、残部をAlとなるように秤量した以外は、実施例1と同じ様に負極活物質を作製した。なお、実施例4、5、8、9では、上記のように秤量し母合金を作製した後、得られた母合金をターゲットとして、Arイオンでスパッタし銅箔上に負極活物質を形成させた。また、実施例11、12は元素M種として複数種の元素を配合した。負極活物質は、実施例1と同様の結晶構造評価、金属間化合物の評価、電池特性評価をそれぞれ実施し、表1にその結果を記載した。
(比較例1)
数mmから10mm程度のSiインゴットをBNコートした黒鉛製の坩堝に装填後、単ロール急冷凝固装置の高周波コイルで、Siインゴットを溶解後、4000rpmで回転させた水冷銅ロール上で急冷凝固させて純Siの急冷試料を得た。結晶構造評価では結晶Siに帰属されるXRDのピークが検出されたことからアモルファスは形成されていないと判断され、表1中ではアモルファス形成無しとして「×」を記載した。結晶化熱処理は実施せず、得られた急冷試料を実施例1と同様の電池特性評価を実施し、その結果を表1に記載した。
(比較例2〜9)
Si組成比、元素Mの種類および組成比、元素X種および組成比、を表1に記載の値とし、残部をAlとなるように秤量した以外は、実施例1と同じ様に負極活物質を作製した。比較例1と同様に結晶構造評価においてSiあるいは金属間化合物に帰属されるXRDのピークが検出された場合、アモルファス形成無しとして表1中に「×」を記載し、その後の結晶化熱処理は実施せず、電池特性を評価した。アモルファスが形成された試料は、実施例1と同様の結晶構造評価、金属間化合物の評価、電池特性評価をそれぞれ実施し、表1にその結果を記載した。
(実施例1〜12で得られた負極活物質の電池特性評価)
いずれもSiアモルファス合金であり、金属間化合物が一定量分散している試料である。試料初回の放電容量が700〜1500mAh/g、50サイクルでの容量維持率が75%以上。これはマトリクスの充放電容量がSiの理論容量ほど高く無く、充放電時の膨張が抑制されたためであり、また金属間化合物が微細均一に分散して膨張を抑制したために微粉化が抑制され、優れたサイクル特性が得られたと考えられる。
比較例1は純Siの急冷試料である。アモルファスが形成されていない。容量が高いが、充放電時に負極活物質が微粉化し、サイクル特性が低下した。
比較例2はSiアモルファス合金の試料である。金属間化合物の核として作用すると考えられる元素Xが添加されていない。熱処理後の金属間化合物の分布密度が小さく、サイクル特性が劣っている。膨張収縮を抑制する作用が少なく微粉化が起こり進んだため、金属間化合物が一定密度以上の試料に比べサイクル特性が低いと考えられる。
比較例3はSiアモルファス合金の試料である。熱処理を実施しなかったため、金属間化合物が形成されず、サイクル特性が劣っている。比較例2と同じ理由でサイクル特性が劣ったと考えられる。
比較例4はSiアモルファス合金の試料で、金属間化合物を所定量含有している。サイクル特性に優れたが、放電容量が小さかった。Siの比率が小さいため放電容量が低いと考えられる。
比較例5はSi非アモルファス合金の試料である。Siの比率が大きすぎたため、金属間化合物を微細均一に分散できず、結果としてマトリクスの膨張を抑制しきれず微粉化が起こりサイクル特性に劣ったと推察された。
比較例6はSi非アモルファス合金の試料である。アモルファスを形成できず金属間化合物を微細均一に分散できなかったため、マトリクスの膨張を抑制しきれず微粉化がおこりサイクル特性に劣ったと推察された。
比較例7は元素Mの比率が高すぎたため、放電容量が小さかった。
比較例8は、Siアモルファス合金の試料である。金属間化合物の核として作用すると考えられる元素Xが少ないため、熱処理後の金属間化合物の分布密度が小さく、膨張収縮を抑制する作用が少なく微粉化が起こり、サイクル特性が劣ったと考えられる。
比較例9はSi非アモルファス合金の試料である。アモルファスを形成できず金属間化合物を微細均一に分散できなかったため、マトリクスの膨張を抑制しきれず微粉化がおこりサイクル特性に劣ったと推察された。
1・・・金属間化合物
2・・・アモルファスSi合金

Claims (5)

  1. Siを15〜70at%と、
    1種以上のFe、Mn、Co、Cr、NiおよびVから選択される元素Mを合計で6〜25at%と、
    結晶化温度においてSi、前記元素M、Al元素それぞれの固容量が5at%以下である元素Xを0.1〜5.0at%と、
    Alを10〜75at%とを含む実質的にアモルファスであるSi合金中に、
    分布密度が1×10〜1×1012個/mmであるSiを含む金属間化合物を含む負極活物質。
  2. 元素MがFeの場合、元素Xは、Ca、Sc、Ti、Mn、Cu、Nb、Ag、Zr、Cr、Snから、
    元素MがMnの場合、元素Xは、Ni、Cu、Zr、Nb、Ag、Snから、
    元素MがCoの場合、元素Xは、Sc、Ti、V、Zr、Nb、Ag、Snから、
    元素MがCrの場合、元素Xは、Ti、V、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Ag、Snから、
    元素MがNiの場合、元素Xは、Zr、Nb、Sn、Hf、Ta、Agから、
    元素MがVの場合、元素Xは、Cu、Zr、Ag、Hfから、
    それぞれ選択されることを特徴とする請求項1記載の負極活物質。
  3. Siを含む金属間化合物の平均結晶粒径は1nm〜100nmであることを特徴とする請求項1または2記載の負極活物質。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の負極活物質を用いることを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  5. 請求項4記載の負極を用いることを特徴とする二次電池。
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