JP2015176821A - リチウムイオン二次電池の充電方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウムイオン二次電池を電解液の分解やリチウムの析出といった問題を発生させることなく急速充電する充電方法の提供。【解決手段】リチウムイオン二次電池の温度が所定温度未満の場合に、充電と放電とを交互に少なくとも1回行うパルス充放電工程を実施することによりリチウムイオン二次電池を所定温度まで昇温した後に、リチウムイオン二次電池の充電工程を実施するリチウムイオン二次電池の充電方法において、パルス充放電工程における放電電流値が充電電流値よりも大きいことを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。【選択図】図2
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池の充電方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、高い起電力を生じることが可能であることから、高性能で、なおかつ小型軽量化を図ることができ、携帯電話等の情報機器や、ハイブリッド自動車等の電力供給源としての需要が高まっている。従来、リチウムイオン二次電池を急速充電する際に短時間で過度の大電流を供給すると、リチウム金属が析出することにより内部短絡が発生するという問題があることが一般的に知られている。リチウムイオン二次電池が、急速充電可能であるかどうかは、電池内部の電子及びイオンの動きやすさ、すなわち、電子伝導度及びイオン伝導度に依存し、電子伝導度及びイオン伝導度は、一般的に温度が高いほど高くなる。特にリチウムイオン二次電池が全固体電池である場合には、リチウムイオン伝導度の低さが課題となっている。
そこで、二次電池の充電方法として、例えば、電池を所定温度まで昇温させた後に充電を開始する方法が提案された(例えば、特許文献1〜5)。特許文献1には、電池温度が所定温度以下の場合に、充電と放電とを交互に繰り返すパルス充放電により電池を加温してから充電を開始する電池の充電制御方法が提案されており、特許文献2には、定電流充電とパルス充電とを組み合わせた二次電池の充電方法が提案されており、特許文献3には、電池の温度が所定温度未満であると、所定温度まで放電により電池を昇温させることが提案されている。特許文献4には、電池温度が冷却装置作動許可温度よりも低い場合に、電池を強制的に充電し、冷却装置作動許可温度以上まで作動させることが提案されている。特許文献5には、送風ファンにより二次電池に熱風を当てることにより二次電池を昇温することが提案されており、しかし、特許文献1〜4に記載されている方法では、充電に適する所定の温度まで電池の温度を上昇させるのに時間がかかる。所定の温度まで電池の温度を上昇させるのにかかる時間を短縮するには、パルス充放電中の電流をできるだけ大きくすることを考えられるが、温度が低い状態で充電時の電流を大きくすると、正極と負極の間の電位差が大きくなり、正極電位の増加により電解液の分解が起こったり、負極電位の低下によりリチウムが析出して正極と負極の間に内部短絡が生じるなどの課題が生じる。特許文献5に記載されている方法は、電池の加熱のために送風ファンを別途必要とする。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電解液の分解やリチウムの析出といった問題を発生させることなく従来技術よりもさらに短時間で満充電に到達させる急速充電を行うことを可能にする充電方法を提供することである。
すなわち、本発明は、一実施形態において、リチウムイオン二次電池の温度が所定温度未満の場合に、充電と放電とを交互に少なくとも1回行う充放電工程を実施することによりリチウムイオン二次電池を所定温度まで昇温した後に、リチウムイオン二次電池の充電工程を実施するリチウムイオン二次電池の充電方法において、充放電工程における放電電流値が充電電流値よりも大きいことを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法を提供する。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の充電工程に先立って、内部抵抗を減少させるための充放電工程を行い、当該充放電工程において電池が短時間で昇温するため、リチウムイオン二次電池を従来技術よりも短時間で充電することができる。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の充電工程に先立って、リチウムイオン二次電池を急速放電させることで負極を発熱させ、その結果、負極のリチウムイオン伝導度が増加して急速充電性能が向上するため、より短時間で充電を行うことが可能である。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の充電工程に先立って、リチウムイオン二次電池を急速放電させることで負極を発熱させ、その結果、負極のリチウムイオン伝導度が増加して急速充電性能が向上するため、より短時間で充電を行うことが可能である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るリチウムイオン二次電池(以下、たんに「二次電池」という)の充電方法の一実施形態について説明する。本発明に係る充電方法は、例えば、図1に示すような回路構成を有する充電装置を使用して実施することができる。図1に示す充電装置は、リチウムイオン二次電池1に電力を供給する外部電源2、制御部3、電流センサ4、電圧センサ5、温度センサ6、充電回路7、放電回路8、及び切替回路9を備える。当該充電装置は、制御部3が実行する各種制御処理により制御される。切替回路9は、制御部3に接続されており、端子10、11、12を備える。切替回路9の端子10が充電回路側に配置された端子11と接続された場合に充電が開始し、端子10が放電回路側に配置された端子12と接続された場合に放電が開始する。制御部3には、二次電池1に外部電源2から供給される充電電流及び二次電池1からの放電電流を検出する電流センサ4から出力される電流Iの信号と、二次電池1の端子電圧を検出する電圧センサ5から出力される電圧Vの信号と、二次電池1の温度を検出する温度センサ6から出力される二次電池の温度Tの信号とが入力される。
次に、図2を参照しながら、本発明の充電方法の実施形態について説明する。図2は、制御部3が実行する処理の手順を示すフローチャートである。この処理のステップS1では、温度センサ6により検出された二次電池の温度Tが所定値以上であるかどうかを判定する。ステップS1において、肯定判定された場合には、ステップS19に移行して通常充電を開始し、否定判定された場合には、ステップS2に移行する。
ステップS2では、二次電池の残容量(SOC:State of Charge)が所定値を超えるかどうかを判定する。ステップS2において肯定判定された場合、ステップS3に移行し、否定判定された場合にはステップS11に移行する。ステップS3では、ステップS1で測定された二次電池の温度と、制御部内に設けられた記憶装置(図示せず)に予め記憶された二次電池の内部抵抗と充放電電流値と昇温速度との関係についての情報とに基づいて、パルス放電における放電量(すなわちパルス放電電流値とパルス放電時間の積)がパルス充電における充電量(すなわちパルス充電電流値とパルス充電時間の積)を超え、かつ、パルス放電電流値がパルス充電電流値を超えるように、パルス充電電流値及び時間とパルス放電電流値及び時間を設定する。なお、ステップS3において、パルス充電電流値及びパルス放電電流値は、それぞれ、電圧センサ5により検出された電圧Vが二次電池1について予め設定された最大充電電圧及び最大放電電圧を超えないように設定される。
ステップS4〜S6では、ステップS3で設定したパルス充電電流値及び時間でパルス充電を行う。ステップS4において、パルス充電開始と同時に、制御部3内に設けられたタイマ(図示せず)を起動し、充電時間(パルス幅)のカウントを開始する。充電電流値とタイマでカウントした充電時間との積算値である充電量が設定充電量に等しいと判定されるまでパルス充電を行う。充電量が設定充電量に等しいと判定された場合には、パルス充電を終了し、充電量とタイマ値を記憶装置に記憶し、タイマをリセットする。パルス充電中に、パルス充電による二次電池の昇温以外の理由、例えばパルス充電中の二次電池の周囲環境の温度上昇によって、二次電池の温度が所定値以上に到達した場合には、それ以上、パルス充電する必要がなくなるため、パルス充電中に(すなわち、パルス充電開始からパルス充電終了まで)、二次電池の温度が所定値以上であるかどうか判定する(ステップS5)。ステップS5において、肯定判定された場合には、ステップS19に移行し、否定判定された場合には、パルス充電を続ける。パルス充電中の二次電池の温度判定(ステップS5)は、所定の時間間隔で繰り返すか、又は連続的に繰り返すことができる。
ステップS7〜S9では、ステップS3で設定されたパルス放電電流値及び時間でパルス放電を行う。ステップS7においてパルス放電を開始するにあたって、ステップS3で設定されたパルス放電電流値及び時間は、ステップS7のパルス放電の開始直前に測定された二次電池の温度に応じて補正することができる。ステップS7において、パルス放電の開始と同時にタイマを起動し、放電時間(パルス幅)のカウントを開始する。放電電流値とタイマでカウントした放電時間との積算値である放電量が設定放電量に等しいと判定されるまでパルス放電を行う。放電量が設定放電量に等しいと判定された場合には、パルス放電を終了し、放電量とタイマ値を記憶装置に記憶し、タイマをリセットする。パルス放電中に、パルス放電による二次電池の昇温以外の理由、例えばパルス放電中の二次電池の周囲環境の温度上昇によって、二次電池の温度が所定値以上に到達した場合には、それ以上、パルス放電する必要がなくなるため、パルス放電中に(すなわち、パルス放電開始からパルス放電終了まで)、二次電池の温度が所定値以上であるかどうか判定する(ステップS8)。ステップS8において、肯定判定された場合には、ステップS19に移行し、否定判定された場合には、パルス放電を続ける。パルス放電中の二次電池の温度判定(ステップS8)は、所定の時間間隔で繰り返すか、又は連続的に繰り返すことができる。
ステップS10では、温度センサ6により検出された二次電池の温度Tが所定値以上であるかどうかを判定し、否定判定された場合には、ステップ3に戻り、ステップS3では、ステップS10で測定された二次電池の温度と、制御部に予め記憶された二次電池の内部抵抗と充放電電流値と昇温速度との関係についての情報とに基づいて、パルス放電における放電量がパルス充電における充電量を超え、かつ、パルス放電電流値がパルス充電電流値を超えるように、パルス充電電流値及び時間とパルス放電電流値及び時間を設定する。パルス充電電流値及びパルス放電電流値は、それぞれ、電圧センサ5により検出された電圧Vが二次電池1について予め設定された最大充電電圧及び最大放電電圧を超えないように設定される。二次電池の温度Tが所定値以上であると判定されるまでステップS3〜S10を繰り返す。ステップS10において、肯定判定された場合には、ステップS19に移行して通常充電を開始する。
ステップS2において、否定判定された場合、すなわち、二次電池の残容量が所定値以下であると判定された場合、ステップS11において、ステップS1で測定された二次電池の温度と、制御部に予め記憶された二次電池の内部抵抗と充放電電流値と昇温速度との関係についての情報とに基づいて、パルス充電量とパルス放電量が等しくなり、かつ、パルス放電電流値がパルス充電電流値を超えるように、パルス充電電流値及び時間とパルス放電電流値及び時間を設定する。なお、ステップS11において、パルス充電電流値及びパルス放電電流値は、それぞれ、電圧センサ5により検出された電圧Vが二次電池1について予め設定された最大充電電圧及び最大放電電圧を超えないように設定される。
ステップS12〜S14では、ステップS11で設定したパルス充電電流値及び時間でパルス充電を行う。ステップS12において、パルス充電開始と同時に、制御部3内に設けられたタイマ(図示せず)を起動し、充電時間(パルス幅)のカウントを開始する。充電電流値とタイマでカウントした充電時間との積算値である充電量が設定充電量に等しいと判定されるまでパルス充電を行う。充電量が設定充電量に等しいと判定された場合、パルス充電を終了し、充電量とタイマ値を記憶装置に記憶し、タイマをリセットする。パルス充電中に、パルス充電による二次電池の昇温以外の理由、例えばパルス充電中の二次電池の周囲環境の温度上昇によって、二次電池の温度が所定値以上に到達した場合には、それ以上、パルス充電する必要がなくなるため、パルス充電中に(すなわち、パルス充電開始からパルス充電終了まで)、二次電池の温度が所定値以上であるかどうか判定する(ステップS13)。ステップS13において、肯定判定された場合には、ステップS19に移行し、否定判定された場合には、パルス充電を続ける。パルス充電中の二次電池の温度判定(ステップS13)は、所定の時間間隔で繰り返すか、又は連続的に繰り返すことができる。
ステップS15〜S17では、ステップS11で設定されたパルス放電電流値及び時間でパルス放電を行う。ステップS15においてパルス放電を開始するにあたって、ステップS11で設定されたパルス放電電流値及び時間は、ステップS15のパルス放電の開始直前に測定された二次電池の温度に応じて補正することができる。ステップS15において、パルス放電の開始と同時にタイマを起動し、放電時間(パルス幅)のカウントを開始する。放電電流値とタイマでカウントした放電時間との積算値である放電量が設定放電量に等しいと判定されるまでパルス放電を行う。放電量が設定放電量に等しいと判定された場合、放電量とタイマ値を記憶装置に記憶し、タイマをリセットし、パルス放電を終了する。パルス放電中に、パルス放電による二次電池の昇温以外の理由、例えばパルス放電中の二次電池の周囲環境の温度上昇によって、二次電池の温度が所定値以上に到達した場合には、それ以上、パルス放電する必要がなくなるため、パルス放電中に(すなわち、パルス放電開始からパルス放電終了まで)、二次電池の温度が所定値以上であるかどうか判定する(ステップS16)。ステップS16において、肯定判定された場合には、ステップS19に移行し、否定判定された場合には、パルス放電を続ける。パルス放電中の二次電池の温度判定(ステップS16)は、所定の時間間隔で繰り返すか、又は連続的に繰り返すことができる。
ステップS18では、温度センサ6により検出された二次電池の温度Tが所定値以上であるかどうかを判定し、否定判定された場合には、ステップS11に戻り、ステップS11では、ステップS18で測定された二次電池の温度と、制御部に予め記憶された電池の内部抵抗と充放電電流値と昇温速度との関係についての情報とに基づいて、パルス充電量とパルス放電量が等しくなり、かつ、パルス放電電流値がパルス充電電流値を超えるように、パルス充電電流値及び時間とパルス放電電流値及び時間を設定する。パルス充電電流値及びパルス放電電流値は、それぞれ、電圧センサ5により検出された電圧Vが二次電池1について予め設定された最大充電電圧及び最大放電電圧を超えないように設定される。二次電池の温度Tが所定値以上になるまでステップS11〜S18を繰り返す。ステップS18において、肯定判定された場合には、ステップS19に移行して通常充電を開始する。二次電池を通常充電により所定の容量まで充電したら、充電制御を終了する。
通常充電は、リチウムイオン二次電池の急速充電方法として一般的に広く採用されている定電流・定電圧充電(cc−cv)方式により実施することができる。定電流・定電圧充電方式は、充電開始直後の充電電流が定電圧方式よりも大きいため、定電圧方式よりも短時間で二次電池を充電することができる。定電流・定電圧充電方式では、電流供給の際に二次電池の破裂や発火などの不具合が発生しない通常の許容電流範囲内の定電流を外部電源から二次電池に供給することにより定電流充電を行い、二次電池の電圧Vが所定値以上の電圧に達したかどうか判定し、肯定判定された場合には、定電流充電を終了して定電圧充電ステップに移行し、否定判定された場合には、電池電圧が所定値以上まで増加して肯定判定されるまで定電流充電を続ける。定電圧充電ステップでは、通常の定電圧状態で充電を行い、充電電流が所定値以下に減少したかどうかを判定し、肯定判定された場合には、充電制御を終了し、否定判定された場合には、充電電流が所定値以下に減少したと判定されるまで定電圧充電を続ける。本発明において、通常充電は、定電流・定電圧充電(cc−cv)方式に限定されず、定電流充電方法などの当該技術分野で知られている他の充電方式でも実施することができる。なお、パルス充放電の電流パターンは、矩形波に限られず、例えば、三角波や、正弦波などの他の形状を有していてもよいが、充放電工程にかかる時間を最大限短縮できるため、矩形波が好ましい。
本発明の充電方法によって、総充電時間が従来技術と比べて短縮される理由は、充放電工程における放電電流値が充電電流値よりも大きいためである。二次電池を充電又は放電する場合に、上記のとおり、充電量は充電電流値Iと時間tの積I・tであり、充電又は放電により発生するジュール熱量Qは、下記式:
Q=I2・R・t
(式中、Iは充電又は放電電流値であり、Rは電池の内部抵抗であり、tは充電又は放電時間である)
により表すことができる。そのため、充電量と放電量が等しい場合には、電流値が高いほど、発生するジュール熱量が多い。従って、リチウムイオン二次電池の温度が所定温度未満の場合に、通常の急速充電工程を実施するのに先立って、パルス放電量がパルス充電量以上の値をとり、かつ、パルス放電電流値がパルス充電電流値を超えるように設定されたパルス充電電流値及び時間とパルス放電電流値及び時間でパルス充放電工程を実施することによって、二次電池を従来技術よりも短時間で所定の温度まで昇温することができる。
パルス充電電流値及び時間とパルス放電電流値及び時間は、所定温度未満である二次電池の温度と、制御部に予め記憶された電池の内部抵抗と充放電電流値と昇温速度との関係についての情報とに基づいて設定される。
Q=I2・R・t
(式中、Iは充電又は放電電流値であり、Rは電池の内部抵抗であり、tは充電又は放電時間である)
により表すことができる。そのため、充電量と放電量が等しい場合には、電流値が高いほど、発生するジュール熱量が多い。従って、リチウムイオン二次電池の温度が所定温度未満の場合に、通常の急速充電工程を実施するのに先立って、パルス放電量がパルス充電量以上の値をとり、かつ、パルス放電電流値がパルス充電電流値を超えるように設定されたパルス充電電流値及び時間とパルス放電電流値及び時間でパルス充放電工程を実施することによって、二次電池を従来技術よりも短時間で所定の温度まで昇温することができる。
パルス充電電流値及び時間とパルス放電電流値及び時間は、所定温度未満である二次電池の温度と、制御部に予め記憶された電池の内部抵抗と充放電電流値と昇温速度との関係についての情報とに基づいて設定される。
本発明の充電方法は、電解質が液体である液系リチウムイオン二次電池及び電解質が固体である全固体リチウムイオン二次電池の両方に対して有効な充電方法である。一般的に、全固体リチウムイオン二次電池におけるリチウムイオン伝導度は液系リチウムイオン二次電池におけるリチウムイオン伝導度よりも低いため、より短時間で同じ発熱量を得ることができるなどの利点を提供する。
以下に示す実施例及び比較例を参照して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例によって限定されない。
<比較例1並びに実施例1及び2>
比較例1並びに実施例1及び2は、それぞれ、同じ構造及び内部抵抗を有するリチウムイオン二次電池を充電する例を示す。比較例1並びに実施例1及び2では、二次電池の内部抵抗により発生したジュール熱により二次電池が断熱的に昇温すると仮定した。比較例1並びに実施例1及び2のいずれにおいても、パルス充放電を行った後に電流値6C及び充電時間10分間で通常の急速充電を行う。比較例1並びに実施例1及び2のパルス充放電条件を下記表1に示す。1Cとは、電池を1時間で満充電又は完全放電することができる定電流値を指す。
比較例1並びに実施例1及び2は、それぞれ、同じ構造及び内部抵抗を有するリチウムイオン二次電池を充電する例を示す。比較例1並びに実施例1及び2では、二次電池の内部抵抗により発生したジュール熱により二次電池が断熱的に昇温すると仮定した。比較例1並びに実施例1及び2のいずれにおいても、パルス充放電を行った後に電流値6C及び充電時間10分間で通常の急速充電を行う。比較例1並びに実施例1及び2のパルス充放電条件を下記表1に示す。1Cとは、電池を1時間で満充電又は完全放電することができる定電流値を指す。
図3では、比較例1のタイムチャートが破線で示されており、実施例1のタイムチャートが実線で示されている。図4では、比較例1のタイムチャートが破線で示されており、実施例2のタイムチャートが実線で示されている。
表1に示したとおり、比較例1では、パルス充放電工程の総所要時間は180秒間(s)であるのに対し、実施例1では、パルス充放電工程の総所要時間は90秒間である。従って、実施例1におけるパルス充放電工程の総所要時間は、比較例1と比べて90秒間短縮される。比較例1と実施例1との間で、パルス充放電工程の後に行われる通常の急速充電の条件が同じであれば、総充電時間(すなわち、パルス充放電と通常の急速充電にかかる合計時間)は、90秒間短縮される。
比較例1では、パルス充放電工程の総所要時間は180秒間(s)であるのに対し、実施例2では、パルス充放電工程の総所要時間は81.7秒間である。従って、実施例2におけるパルス充放電工程の総所要時間は、比較例1と比べて98.3秒間短縮される。実施例2では、パルス充放電工程における容量の減少分を6C/10分の急速充電により回復するのに40.9秒かかるため、実施例2におけるパルス充放電工程の総所要時間は、比較例1と比べて57.4秒間短縮される。
本発明の充電方法は、急速充電に適切でない低温にさらされるリチウムイオン二次電池を急速充電するのに好適である。
1 二次電池
2 外部電源
3 制御部
4 電流センサ
5 電圧センサ
6 温度センサ
7 充電回路
8 放電回路
9 切替回路
10、11、12 端子
2 外部電源
3 制御部
4 電流センサ
5 電圧センサ
6 温度センサ
7 充電回路
8 放電回路
9 切替回路
10、11、12 端子
Claims (3)
- リチウムイオン二次電池の温度が所定温度未満の場合に、充電と放電とを交互に少なくとも1回行うパルス充放電工程を実施することによりリチウムイオン二次電池を所定温度まで昇温した後に、リチウムイオン二次電池の充電工程を実施するリチウムイオン二次電池の充電方法において、パルス充放電工程における放電電流値が充電電流値よりも大きいことを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
- リチウムイオン二次電池がパルス充放電工程を開始するときに所定の下限値を超える残容量を有する場合に、充放電工程における放電量が当該充放電工程における充電量を超える値に設定されることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法。
- 前記放電量が、リチウムイオン二次電池を第1の温度から第2の温度まで昇温するのに必要な予め求められた電流値と時間と内部抵抗の関係に前記所定温度未満の温度及び前記所定温度とパルス充放電工程の所望の所要時間とを当てはめることによって、前記パルス充放電工程を実施するのに先立って決定されることを特徴とする、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法。
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