JP2015175754A - 力検出装置、およびロボット - Google Patents

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信二 安川
Shinji Yasukawa
信二 安川
河合 宏紀
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宏紀 河合
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Abstract

【課題】 温度の変動による影響を受けにくい力検出装置、ロボットおよび電子部品搬送装置を提供すること。【解決手段】 力検出装置1では、第1面221と、第1面221に対して傾斜した第1傾斜面231とを有する第1基部2と、第1傾斜面231に対向し、かつ第1面221に対して傾斜した第2傾斜面331を有する第2基部3と、第1傾斜面231と第2傾斜面331との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する圧電素子10と、第1基部2と第2基部3とが接近することにより圧電素子10を加圧した加圧状態で、第1基部2と第2基部3とを固定する固定部材71と、を備え、加圧状態とする前の非加圧状態における第2傾斜面331の第1面221に対する傾斜角度をθ1[?]とし、加圧状態における第2傾斜面331の第1面221に対する傾斜角度をθ1’[?]としたとき、θ1とθ1’とは、θ1’<θ1の関係を満足する。【選択図】図1

Description

本発明は、力検出装置、およびロボットに関する。
近年、生産効率向上を目的として、工場等の生産施設への産業用ロボットの導入が進められている。このような産業ロボットとしては、アルミニウム板等の母材に対して機械加工を施す工作機械が代表的である。工作機械には、機械加工を施す際に、母材に対する力を検出する力検出装置が内蔵されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の力測定装置は、圧電素子としての水晶を用いて、せん断、引張力、圧縮力等を検出することができる。
特開平10−68665号公報
しかしながら、特許文献1に記載の力測定装置では、機械加工中に生じた熱により圧電素子が変形してしまい、その結果、圧電素子の出力における真値に対するノイズ成分となってしまう。そして、特許文献1に記載の力測定装置では、このようなノイズ対策が考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、温度の変動による影響を受けにくい力検出装置、およびロボットを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
(適用例1)
本発明に係わる力検出装置は、第1面と、前記第1面に対して傾斜した第1傾斜面とを有する第1基部と、
前記第1傾斜面に対向し、かつ前記第1面に対して傾斜した第2傾斜面を有する第2基部と、
前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する圧電素子と、
前記第1基部と前記第2基部とを接近させることにより前記圧電素子を加圧した加圧状態で、前記第1基部と前記第2基部とを固定する固定部材と、を備え、
前記加圧状態とする前の非加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1[°]とし、
前記加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1’[°]としたとき、
前記θ1と前記θ1’とは、θ1<θ1’の関係を満足することを特徴とする。
これにより、力検出装置は、温度の変動による影響を受けにくい装置となり、よって、外力を正確に検出することができる。また、第1基部および第2基部によって圧電素子を均一に挟持することができ、よって、外力を偏りなく圧電素子に伝達することできる。その結果、外力を正確に検出することができる。
(適用例2)
本発明に係わる力検出装置では、前記非加圧状態における前記第1傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ2[°]とし、
前記加圧状態における前記第1傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ2’[°]としたとき、下記式(1)を満足することが好ましい。
θ1<θ2・・・(1)
これにより、第1基部および第2基部によって圧電素子をより均一に挟持することができ、よって、外力をより偏りなく圧電素子に伝達することができる。その結果、外力をより正確に検出することができる。
(適用例3)
本発明に係わる力検出装置では、下記式(2)を満足することが好ましい。
0°≦|θ2’−θ1’|<|θ2−θ1|・・・(2)
これにより、第1基部および第2基部によって圧電素子をさらに均一に挟持することができ、よって、外力をより偏りなく圧電素子に伝達することができる。その結果、外力をさらに正確に検出することができる。
(適用例4)
本発明に係わる力検出装置では、前記θ1は、30°以上60°以下であることが好ましい。
これにより、第1基部および第2基部によって圧電素子をより均一に挟持することができ、よって、外力をより偏りなく圧電素子に伝達することができる。また、力検出装置は、温度の変動による影響を受けにくい装置となる。
(適用例5)
本発明に係わる力検出装置では、前記θ1と前記θ2とは、θ2−θ1<3°の関係を満足することが好ましい。
これにより、第1傾斜面および第2傾斜面の面精度(製造精度)によらず、第2傾斜面をセンサーデバイスの上面の全体により均一に当接させることができる。そのため、外力をより偏りなく圧電素子に伝達することができる。
(適用例6)
本発明に係わる力検出装置では、前記圧電体素子は、水晶で構成された圧電体層を備えていることが好ましい。
これにより、力検出装置は、温度の変動による影響を受けにくい装置となり、よって、外力を正確に検出することができる。
(適用例7)
本発明に係わる力検出装置では、前記圧電素子は、前記第1基部および前記第2基部の面内の直交する2方向の外力を検出することが好ましい。
これにより、力検出装置は、温度の変動による影響を受けにくい装置となり、よって、外力を正確に検出することができる。
(適用例8)
本発明に係わる力検出装置は、第1面と、前記第1面に対して傾斜した第1傾斜面とを有する第1基部と、
前記第1傾斜面に対向し、かつ前記第1面に対して傾斜した第2傾斜面を有する第2基部と、
前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する圧電素子と、
前記第1基部と前記第2基部とを接近させることにより前記圧電素子を加圧した加圧状態で、前記第1基部と前記第2基部とを固定する固定部材と、を備え、
前記加圧状態とする前の非加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1[°]とし、
前記加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1’[°]としたとき、
前記θ1と前記θ1’とは、θ1=θ1’の関係を満足することを特徴とする。
これにより、力検出装置は、温度の変動による影響を受けにくい装置となり、よって、外力を正確に検出することができる。また、第1基部および第2基部によって圧電素子を均一に挟持することができ、よって、外力を偏りなく圧電素子に伝達することできる。その結果、外力を正確に検出することができる。
(適用例9)
本発明に係わる力検出装置では、前記非加圧状態における前記第1傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ2[°]とし、
前記加圧状態における前記第1傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ2’[°]としたとき、下記式(3)および式(4)を満足することが好ましい。
θ1=θ2・・・(3)
θ1’=θ2’・・・(4)
これにより、第1基部および第2基部によって圧電素子をより均一に挟持することができ、よって、外力をより偏りなく圧電素子に伝達することできる。その結果、外力をより正確に検出することができる。
(適用例10)
本発明に係わるロボットは、アームと、
前記アームに設けられたエンドエフェクターと、
前記アームと前記エンドエフェクターの間に設けられ、前記エンドエフェクターに加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
前記力検出装置は、第1面と、前記第1面に対して傾斜した第1傾斜面とを有する第1基部と、前記第1傾斜面に対向し、かつ前記第1面に対して傾斜した第2傾斜面を有する第2基部と、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する圧電素子と、前記第1基部と前記第2基部とを接近させることにより前記圧電素子を加圧した加圧状態で、前記第1基部と前記第2基部とを固定する固定部材と、を備え、
前記加圧状態とする前の非加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1[°]とし、
前記加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1’[°]としたとき、
前記θ1と前記θ1’とは、θ1<θ1’の関係を満足することを特徴とする。
これにより、ロボットは、温度の変動による影響を受けにくいロボットとなり、よって、外力が正確に検出され、エンドエフェクターによる作業を適正に行なうことができる。
(適用例11)
本発明に係わるロボットは、アームと、
前記アームに設けられたエンドエフェクターと、
前記アームと前記エンドエフェクターの間に設けられ、前記エンドエフェクターに加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
前記力検出装置は、第1面と、前記第1面に対して傾斜した第1傾斜面とを有する第1基部と、前記第1傾斜面に対向し、かつ前記第1面に対して傾斜した第2傾斜面を有する第2基部と、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する圧電素子と、前記第1基部と前記第2基部とを接近させることにより前記圧電素子を加圧した加圧状態で、前記第1基部と前記第2基部とを固定する固定部材と、を備え、
前記加圧状態とする前の非加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1[°]とし、
前記加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1’[°]としたとき、
前記θ1と前記θ1’とは、θ1=θ1’の関係を満足することを特徴とする。
これにより、ロボットは、温度の変動による影響を受けにくいロボットとなり、よって、外力が正確に検出され、エンドエフェクターによる作業を適正に行なうことができる。
本発明に係る力検出装置の第1実施形態を示す断面図である。 図1に示す力検出装置の平面図である。 図1に示す力検出装置を概略的に示す回路図である。 図1に示す力検出装置が備える電荷出力素子を概略的に示す断面図である。 図1に示す力検出装置の電荷出力素子で検出される力の作用状態を示す概略図である。 図5中の矢印A方向から見た図である。 図1に示す力検出装置の第1基部と第2基部とを固定する前の状態を示す断面図である。 図1に示す力検出装置の第1基部と第2基部とを固定した状態を示す断面図である。 第2実施形態の力検出装置の第1基部と第2基部とを固定する前の状態を示す断面図である。 第2実施形態の力検出装置の第1基部と第2基部とを固定した状態を示す断面図である。 本発明に係る力検出装置を用いた単腕ロボットの1例を示す図である。 本発明に係る力検出装置を用いた複腕ロボットの1例を示す図である。 本発明に係る力検出装置を用いた電子部品検査装置および部品搬送装置の1例を示す図である。 本発明に係る力検出装置を用いた電子部品搬送装置の1例を示す図である。 本発明に係る力検出装置を用いた部品加工装置の1例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
1.力検出装置
≪第1実施形態≫
図1は、本発明に係る力検出装置の第1実施形態を示す断面図であり、図2は、図1に示す力検出装置の平面図であり、図3は、図1に示す力検出装置を概略的に示す回路図であり、図4は、図1に示す力検出装置が備える電荷出力素子を概略的に示す断面図であり、図5は、図1に示す力検出装置の電荷出力素子で検出される力の作用状態を示す概略図であり、図6は、図5中の矢印D方向から見た図であり、図7は、図1に示す力検出装置の第1基部と第2基部とを固定する前の状態を示す断面図であり、図8は、図1に示す力検出装置の第1基部と第2基部とを固定した状態を示す断面図である。
なお、以下では、図1、図4〜図8中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
また、図1、図2、図4〜図8には、互いに直交する3つの軸として、α(A)軸、β(B)軸およびγ(C)軸が図示されている。α軸に平行な方向を「α軸方向」、β軸に平行な方向を「β軸方向」、γ軸に平行な方向を「γ軸方向」という。また、α軸とβ軸で規定される平面を「αβ平面」と言い、β軸とγ軸で規定される平面を「βγ平面」と言い、α軸とγ軸で規定される平面を「αγ平面」と言う。また、α軸に平行な方向を「α方向」と言い、β軸に平行な方向を「β方向」と言い、γ軸に平行な方向を「γ方向」と言う。また、α方向、β方向およびγ方向において、矢印先端側を「+(正)側」、矢印基端側を「−(負)側」とする。
図1に示す力検出装置1は、力検出装置1に加えられた外力、すなわち、6軸力(α、β、γ軸方向の並進力成分およびα、β、γ軸周りの回転力成分)を検出する機能を有する。
この力検出装置1は、第1基部2と、第1基部2から所定の間隔を隔てて配置され、第1基部2に対向する第2基部3と、第1基部2と第2基部3との間に収納された(設けられた)アナログ回路基板4と、第1基部2と第2基部3との間に収納され(設けられ)、アナログ回路基板4と電気的に接続されたデジタル回路基板5と、アナログ回路基板4に搭載され、外力に応じて信号を出力する電荷出力素子(圧電素子)10および電荷出力素子10を収納するパッケージ60を有する4つのセンサーデバイス6と、固定部材としての8つの与圧ボルト(固定部材)71と、を備えている。
以下に、力検出装置1の各部の構成について詳述する。
なお、以下の説明では、図2に示すように、4つのセンサーデバイス6のうち、図2中の右側に位置するセンサーデバイス6を「センサーデバイス6A」といい、以降時計回りに順に「センサーデバイス6B」、「センサーデバイス6C」、「センサーデバイス6D」ということもある。
図1に示すように、第1基部(ベースプレート)2は、外形が板状をなし、その平面形状は、円形をなしている。なお、第1基部2の平面形状は、図示のものに限定されず、例えば楕円形や四角形等の多角形等であってもよい。
第1基部2の下面(第1面)221は、力検出装置1が例えばロボットに固定されて使用されるときに、当該ロボット(測定対象)に対する取付面(第1取付面)として機能する。
また、第1基部2は、底板22と、底板22から上方に向かって立設した4つの凸部23とを有している。
各凸部23には、第1基部2の下面(第1面)221に対して傾斜角度θで傾斜した4つの第1傾斜面231が形成されている(図5参照)。この4つの第1傾斜面231は、平坦な面であり、その傾斜角度θは、0°<θ<90°を満足する。また、本実施形態では、4つの第1傾斜面231は、ともに、第1基部2の下面(第1面)221に対して同じ角度で傾斜している。なお、図1、図5に示すように、この第1傾斜面231は、α軸と平行である。また、各凸部23には、後述する与圧ボルト71と螺合する雌ネジ25が2つずつ設けられている。
図1に示すように、第1基部2に対し所定の間隔を隔てて対向するように、第2基部(カバープレート)3が配置されている。
第2基部3も、第1基部2と同様に、その外形が板状をなしている。また、第2基部3の平面形状は、第1基部2の平面形状に対応した形状であることが好ましく、本実施形態では、第2基部3の平面視形状は、第1基部2の平面視形状と同様に、円形をなしている(図2参照)。また、第2基部3は、第1基部2を包含する程度の大きさであるのが好ましい。
第2基部3の上面(第2面)321は、力検出装置1が例えばロボットに固定されて使用されるときに、当該ロボットに装着されるエンドエフェクター(測定対象)に対する取付面(第2取付面)として機能する。なお、この第2基部3の上面321と、第1基部2の下面221とは、外力が付与していない自然状態では平行となっている。
また、第2基部3は、天板32と、天板32の縁部に沿って形成され、当該縁部から下方に向かって突出した側壁33とを有している。
側壁33には、第1基部2の4つの第2傾斜面331と対向する部分に、それぞれ、各第1基部2の第1傾斜面231と平行な、すなわち、傾斜角度θで傾斜した4つの第2傾斜面331が形成されている(図5参照)。そして、第1基部2の第1傾斜面231と第2基部3の第2傾斜面331との間には、各センサーデバイス6(センサーデバイス6A〜6D)が設けられている。
また、第1基部2と第2基部3とは、与圧ボルト71により、接続、固定されている。この与圧ボルト71は、図2に示すように、8本(複数)あり、そのうちの2本ずつが各センサーデバイス6の両側に配置されている。なお、1つのセンサーデバイス6に対する与圧ボルト71の数は、2つに限定されず、例えば、3つ以上であってもよい。
また、与圧ボルト71の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種の樹脂材料、各種の金属材料等を用いることができる。
このように与圧ボルト71によって接続された第1基部2と第2基部3とで、各センサーデバイス6A〜6D、アナログ回路基板4、およびデジタル回路基板5を収納する収納空間を形成している。この収納空間は、円形または角丸正方形の断面形状を有する。
また、図1に示すように、第1基部2と第2基部3との間には、各センサーデバイス6に接続されたアナログ回路基板4が設けられている。
各アナログ回路基板4の各センサーデバイス6(具体的には、電荷出力素子10)が配置されている部位には、第1基部2の各凸部23が挿入される孔41が形成されている。この孔41は、アナログ回路基板4を貫通する貫通孔である。また、各アナログ回路基板4には、与圧ボルト71が挿通する孔(図示せず)が形成されている。各アナログ回路基板4は、与圧ボルト71により、第1基部2の各凸部23に固定される。
また、図3に示すように、センサーデバイス6Aに接続されたアナログ回路基板4は、センサーデバイス6Aの電荷出力素子10から出力された電荷Qy1を電圧Vy1に変換する変換出力回路90aと、電荷出力素子10から出力された電荷Qz1を電圧Vz1に変換する変換出力回路90bと、電荷出力素子10から出力された電荷Qx1を電圧Vx1に変換する変換出力回路90cとを備えている。
センサーデバイス6Bに接続されたアナログ回路基板4は、センサーデバイス6Bの電荷出力素子10から出力された電荷Qy2を電圧Vy2に変換する変換出力回路90aと、電荷出力素子10から出力された電荷Qz2を電圧Vz2に変換する変換出力回路90bと、電荷出力素子10から出力された電荷Qx2を電圧Vx2に変換する変換出力回路90cとを備えている。
センサーデバイス6Cに接続されたアナログ回路基板4は、センサーデバイス6Cの電荷出力素子10から出力された電荷Qy3を電圧Vy3に変換する変換出力回路90aと、電荷出力素子10から出力された電荷Qz3を電圧Vz3に変換する変換出力回路90bと、電荷出力素子10から出力された電荷Qx3を電圧Vx3に変換する変換出力回路90cとを備えている。
センサーデバイス6Dに接続されたアナログ回路基板4は、センサーデバイス6Dの電荷出力素子10から出力された電荷Qy4を電圧Vy4に変換する変換出力回路90aと、電荷出力素子10から出力された電荷Qz4を電圧Vz4に変換する変換出力回路90bと、電荷出力素子10から出力された電荷Qx4を電圧Vx4に変換する変換出力回路90cとを備えている。
また、図1に示すように、第1基部2と第2基部3との間には、第1基部2上のアナログ回路基板4が設けられている位置とは異なる位置に、アナログ回路基板4に接続されたデジタル回路基板5が設けられている。図3に示すように、デジタル回路基板5は、変換出力回路(変換回路)90a、90b、90cに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部(演算回路)402とを有する外力検出回路40を備えている。
なお、上述した第1基部2、第2基部3、アナログ回路基板4の各素子および各配線以外の部位、デジタル回路基板5の各素子および各配線以外の部位の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、各種の樹脂材料、各種の金属材料等を用いることができる。
また、第1基部2、第2基部3は、それぞれ、外形が板状をなす部材で構成されているが、これに限定されず、例えば、一方の基部が板状をなす部材で構成され、他方の基部がブロック状をなす部材で構成されていてもよい。
次に、各センサーデバイス6について、詳述する。
[センサーデバイス]
図1に示すように、センサーデバイス6Aは、第1基部2の4つの凸部23のうちの1つの凸部23の第1傾斜面231と、第2基部3の4つの側壁33のうちの1つの側壁33の第2傾斜面331とによって挟持されている。このセンサーデバイス6Aと同様に、前記と異なる1つの凸部23の第1傾斜面231と前記と異なる側壁33の第2傾斜面331とによってセンサーデバイス6Bが挟持されている。また、前記と異なる1つの凸部23の第1傾斜面231と前記と異なる側壁33の第2傾斜面331とによってセンサーデバイス6Cが挟持されている。さらに、前記と異なる1つの凸部23の第1傾斜面231と前記と異なる側壁33の第2傾斜面331とによってセンサーデバイス6Dが挟持されている。
なお、以下では、各センサーデバイス6A〜6Dが第1基部2および第2基部3によって挟持されている方向を「挟持方向SD」という。また、各センサーデバイス6A〜6Dのうちセンサーデバイス6Aが挟持されている方向を第1挟持方向、センサーデバイス6Bが挟持されている方向を第2挟持方向、センサーデバイス6Cが挟持されている方向を第3挟持方向、センサーデバイス6Dが挟持されている方向を第4挟持方向ということもある。
なお、本実施形態では、図1に示すように、各センサーデバイス6は、アナログ回路基板4の第2基部3側に設けられているが、各センサーデバイス6は、アナログ回路基板4の第1基部2側に設けられていてもよい。
また、図2に示すように、センサーデバイス6Aとセンサーデバイス6Cとは、平面形状が円形をなす第2基部3(一方の基部)の中心軸641に関して対称的に配置され、センサーデバイス6Bとセンサーデバイス6Dとは、中心軸641に対し90度ずれた中心軸642に関して対称的に配置されている。すなわち、センサーデバイス6A〜6Dは、第2基部3の中心643回りに等角度間隔(90°間隔)に配置されている。このようにセンサーデバイス6A〜6Dを配置することより、外力をより偏りなく検出することができる。また、応力を均一に分散できるので、第1基部2や第2基部3の厚みを薄くすることができる。
なお、センサーデバイス6A〜6Dの配置は図示のものに限定されないが、センサーデバイス6A〜6Dは、第2基部3の上面321から見て、第2基部3の中心部(中心643)からできる限り離間した位置に配置されているのが好ましい。これにより、力検出装置1に加わる外力を安定して検出することができる。
また、本実施形態では、センサーデバイス6A〜6Dは、全て同じ方向を向いた状態に搭載されているが、センサーデバイス6A〜6Dの向きは、それぞれ、異なっていてもよい。
図1に示すように、センサーデバイス6は、電荷出力素子10と、電荷出力素子10を収納するパッケージ60とを有している。また、本実施形態では、センサーデバイス6A〜6Dは、同様の構成である。
<パッケージ>
図2に示すように、パッケージ60の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、平面形状で四角形をなしている。なお、パッケージ60の他の形状としては、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。また、パッケージ60の形状が多角形の場合、例えば、その角部が、丸みを帯びていてもよく、また、斜めに切り欠かれていてもよい。
また、図1に示すように、パッケージ60は、凹部を有する凹部部材(第1の部材)61と、その凹部部材61に接合された蓋体(第2の部材)62とを有している。
凹部部材61の凹部には、電荷出力素子10が設置されており、その凹部部材61の凹部は、蓋体62により封止されている。これにより、凹部部材61と蓋体62とで電荷出力素子10を保護することができ、信頼性の高い力検出装置1を提供することができる。なお、電荷出力素子10の上面は、蓋体62に接触している。
また、凹部部材61は、下側、すなわち、第1基部2側に配置されており、蓋体62は、上側、すなわち、第2基部3側に配置されている。そして、第1基部2および第2基部3が与圧ボルト71により固定されることで、凹部部材61と蓋体62とは、第1基部2の第1傾斜面231と第2基部3の第2傾斜面331とで挟持方向SDに挟持されて与圧される。さらに、凹部部材61と蓋体62とにより、電荷出力素子10も挟持方向SDに挟持されて与圧される。すなわち、電荷出力素子10は、パッケージ60を介して、1つの凸部23の第1傾斜面231と第2基部3の第2傾斜面331との間で挟持され、与圧されている。
また、凹部部材61は、その底面が平坦な面であり、第1基部2の第1傾斜面231に載置されるとともに、アナログ回路基板4に固定されている。また、凹部部材61の底面の端部には、電荷出力素子10と電気的に接続された複数の端子(図示せず)が設けられている。当該各端子は、それぞれ、アナログ回路基板4と電気的に接続されており、これにより、電荷出力素子10とアナログ回路基板4とが電気的に接続される。
また、蓋体62は、本実施形態では、板状をなし、その中央部625と外周部626との間の部位が屈曲することで、中央部625が第2基部3に向かって突出している。この中央部625は第2基部3の第2傾斜面331に当接している。また、中央部625の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、電荷出力素子10と同じ形状、すなわち、四角形をなしている。なお、各センサーデバイス6の上面65および下面は、いずれも平坦な面である。
なお、凹部部材61の構成材料としては、特に限定されず、例えば、セラミックス等の絶縁性材料等を用いることができる。また、蓋体62の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼等の各種の金属材料等を用いることができる。なお、凹部部材61の構成材料と蓋体62の構成材料は、同一でもよく、また、異なっていてもよい。
<電荷出力素子>
図1に示すように、前述したようなパッケージ60により電荷出力素子10が保護されている。この電荷出力素子10は、力検出装置1に加わった外力、すなわち第1基部2または第2基部3のいずれかの基部に加えられた外力に応じて電荷を出力する機能を有する。なお、第1基部2または第2基部3のいずれかの基部を外力が加わる基部としてもよいが、本実施形態では、第2基部3を外力が加わる基部として説明する。
図4に示すように、センサーデバイス6が備える電荷出力素子10は、グランド電極層11と、第1のセンサー12と、第2のセンサー13と、第3のセンサー14とを有している。
第1のセンサー12は、外力(せん断力)に応じて電荷Qx1(電荷Qx1〜Qx4のいずれか)を出力する機能を有する。第2のセンサー13は、外力(圧縮/引張力)に応じて電荷Qz1(電荷Qz1〜Qz4のいずれか)を出力する機能を有する。第3のセンサー14は、外力(せん断力)に応じて電荷Qy1(電荷Qy1〜Qy4のいずれか)を出力する。
また、センサーデバイス6が備える電荷出力素子10は、グランド電極層11と各センサー12、13、14は交互に平行に積層されている。以下、この積層された方向を「積層方向LD」という。
センサーデバイス6Aが備える電荷出力素子10の積層方向LD(第1積層方向)は、センサーデバイス6Aが載置された凸部23の第1傾斜面231の法線と同じ方向となっている。また、図1に示すように、積層方向LD(第1積層方向)は、第1基部2の下面221の法線NLと異なっている。
また、センサーデバイス6Bが備える電荷出力素子10の積層方向LD(第2積層方向)も、センサーデバイス6Bが載置された凸部23の第1傾斜面231の法線と同じ方向であり、第1基部2の下面221の法線NLと異なっている。また、第2積層方向は、第2基部3の中心643に関して第1積層方向と対称的な方向である。
また、センサーデバイス6Cが備える電荷出力素子10の積層方向LD(第3積層方向)も、センサーデバイス6Cが載置された凸部23の第1傾斜面231の法線と同じ方向であり、第1基部2の下面221の法線NLと異なっている。
また、センサーデバイス6Dが備える電荷出力素子10の積層方向LD(第4積層方向)も、センサーデバイス6Dが載置された凸部23の第1傾斜面231の法線と同じ方向であり、第1基部2の下面221の法線NLと異なっている。また、第4積層方向は、第2基部3の中心643に関して第3積層方向と対称的な方向である。
また、図6に示すように、各センサーデバイス6が備える電荷出力素子10は、第1のセンサー12のx軸と第1基部2の第1傾斜面231(α軸)とのなす角度をφとしたとき、角度φが0°≦φ<90°を満足する程度まで傾くのが許容される。なお、図6は、図5中の矢印D方向から見た図であり、第1傾斜面231に対して角度φで傾斜した場合の電荷出力素子10を仮想線(2点鎖線)で図示しいる。
なお、電荷出力素子10の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、各第1傾斜面231に対して垂直な方向から見て、四角形をなしている。なお、各電荷出力素子10の他の外形形状としては、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。
(グランド電極層)
グランド電極層11は、グランド(基準電位点)に接地された電極である。グランド電極層11を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、金、チタニウム、アルミニウム、銅、鉄またはこれらを含む合金が好ましい。これらの中でも特に、鉄合金であるステンレスを用いるのが好ましい。ステンレスにより構成されたグランド電極層11は、優れた耐久性および耐食性を有する。
(第1のセンサー)
第1のセンサー12は、積層方向LDと直交する方向、すなわち、法線NL(法線NL)の方向に対して傾斜した方向の第1検出方向の外力(せん断力)に応じて電荷Qxを出力する機能を有する。換言すると、第1のセンサー12は、外力(せん断力)に応じて正電荷または負電荷を出力するよう構成されている。
第1のセンサー12は、第1圧電体層(第1検出板)121と、第1圧電体層121と対向して設けられた第2圧電体層(第1検出板)123と、第1圧電体層121と第2圧電体層123との間に設けられた出力電極層122を有する。
第1圧電体層121は、Yカット水晶板で構成され、互いに直交する結晶軸であるx軸、y軸、z軸を有する。y軸は、第1圧電体層121の厚さ方向に沿った軸であり、x軸は、図4中の紙面奥行き方向に沿った軸であり、z軸は、図4中の斜め方向に沿った軸である。
以下では、これら図示した各矢印の先端側を「+(正)」、基端側を「−(負)」として説明する。また、x軸に平行な方向を「x軸方向」、y軸に平行な方向を「y軸方向」、z軸に平行な方向を「z軸方向」という。なお、後述する第2圧電体層123、第3圧電体層131、第4圧電体層133、第5圧電体層141、および第6圧電体層143についても同様である。
第1圧電体層121として水晶を用いることで、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い耐荷重性等の優れた特性を発揮することができる。また、Yカット水晶板は、その面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる。
そして、第1圧電体層121の表面に対し、x軸の正方向に沿った外力(せん断力)が加えられた場合、圧電効果により、第1圧電体層121内に電荷が誘起される。その結果、第1圧電体層121の出力電極層122側表面近傍には正電荷が集まり、第1圧電体層121のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第1圧電体層121の表面に対し、x軸の負方向に沿った外力(せん断力)が加えられた場合、第1圧電体層121の出力電極層122側表面近傍には負電荷が集まり、第1圧電体層121のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第2圧電体層123も、Yカット水晶板で構成され、互いに直交する結晶軸であるx軸、y軸、z軸を有する。y軸は、第2圧電体層123の厚さ方向に沿った軸であり、x軸は、図4中の紙面奥行き方向に沿った軸であり、z軸は、図4中の斜め方向に沿った軸である。
第2圧電体層123として同様に水晶を用いることで、第1圧電体層121と同様に、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い耐荷重性等の優れた特性を発揮することができる。また、Yカット水晶板であることにより、その面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる。
そして、第2圧電体層123の表面に対し、x軸の正方向に沿った外力(せん断力)が加えられた場合、圧電効果により、第2圧電体層123内に電荷が誘起される。その結果、第2圧電体層123の出力電極層122側表面近傍には正電荷が集まり、第2圧電体層123のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第2圧電体層123の表面に対し、x軸の負方向に沿った外力(せん断力)が加えられた場合、第2圧電体層123の出力電極層122側表面近傍には負電荷が集まり、第2圧電体層123のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
出力電極層122は、第1圧電体層121内および第2圧電体層123内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qxとして出力する機能を有する。前述のように、第1圧電体層121の表面または第2圧電体層123の表面にx軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層122近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層122からは、正の電荷Qxが出力される。一方、第1圧電体層121の表面または第2圧電体層123の表面にx軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層122近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層122からは、負の電荷Qxが出力される。
また、第1のセンサー12が第1圧電体層121と第2圧電体層123とを有する構成となっていることは、第1圧電体層121および第2圧電体層123のうちの一方のみと出力電極層122とで構成されている場合と比較して、出力電極層122近傍に集まる正電荷または負電荷を増加させることができる。このため、出力電極層122から出力される電荷Qxを増加させることができる。なお、後述する第2のセンサー13、第の3センサー14についても同様である。
また、出力電極層122の平面視での大きさは、第1圧電体層121および第2圧電体層123の平面視での大きさ以上であることが好ましい。出力電極層122が、第1圧電体層121または第2圧電体層123よりも小さい場合、第1圧電体層121または第2圧電体層123の一部は出力電極層122と接しない。そのため、第1圧電体層121または第2圧電体層123に生じた電荷の一部を出力電極層122から出力できない場合がある。その結果、出力電極層122から出力される電荷Qxが減少してしまう。なお、後述する出力電極層132、142についても同様である。
(第2のセンサー)
第2のセンサー13は、外力(圧縮/引張力)に応じて電荷Qzを出力する機能を有する。すなわち、第2のセンサー13は、圧縮力に応じて正電荷を出力し、引張力に応じて負電荷を出力するよう構成されている。
第2のセンサー13は、第3圧電体層131と、第3圧電体層131と対向して設けられた第4圧電体層133と、第3圧電体層131と第4圧電体層133との間に設けられた出力電極層132を有する。
第3圧電体層131は、Xカット水晶板で構成され、互いに直交する結晶軸であるx
軸、y軸、z軸を有する。x軸は、第3圧電体層131の厚さ方向に沿った軸であり、y軸は、図3中の斜め方向に沿った軸であり、z軸は、図3中の紙面奥行き方向に沿った軸である。
そして、第3圧電体層131の表面に対し、x軸に平行な圧縮力が加えられた場合、圧電効果により、第3圧電体層131内に電荷が誘起される。その結果、第3圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第3圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第3圧電体層131の表面に対し、x軸に平行な引張力が加えられた場合、第3圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第3圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第4圧電体層133も、Xカット水晶板で構成され、互いに直交する結晶軸であるx軸、y軸、z軸を有する。x軸は、第4圧電体層133の厚さ方向に沿った軸であり、y軸は、図3中の斜め方向に沿った軸であり、z軸は、図3中の紙面奥行き方向に沿った軸である。
そして、第4圧電体層133の表面に対し、x軸に平行な圧縮力が加えられた場合、圧電効果により、第4圧電体層133内に電荷が誘起される。その結果、第4圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第4圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第4圧電体層133の表面に対し、x軸に平行な引張力が加えられた場合、第4圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第4圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
出力電極層132は、第3圧電体層131内および第4圧電体層133内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qzとして出力する機能を有する。前述のように、第3圧電体層131の表面または第4圧電体層133の表面にx軸に平行な圧縮力が加えられた場合、出力電極層132近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層132からは、正の電荷Qzが出力される。一方、第3圧電体層131の表面または第4圧電体層133の表面にx軸に平行な引張力が加えられた場合、出力電極層132近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層132からは、負の電荷Qzが出力される。
(第3のセンサー)
第3のセンサー14は、積層方向LDと直交し、第1のセンサー12が電荷Qxを出力する際に作用する第1検出方向の外力と交差する第2検出方向の外力(せん断力)に応じて電荷Qyを出力する機能を有する。すなわち、第3のセンサー14は、外力(せん断力)に応じて正電荷または負電荷を出力するよう構成されている。
第3のセンサー14は、第5圧電体層(第2検出板)141と、第5圧電体層141と対向して設けられた第6圧電体層(第2検出板)143と、第5圧電体層141と第6圧電体層143との間に設けられた出力電極層142を有する。
第5圧電体層141は、Yカット水晶板で構成され、互いに直交するx軸、y軸、z軸を有する。y軸は、第5圧電体層141の厚さ方向に沿った軸であり、x軸は、図4の斜め方向に沿った軸であり、z軸は、図4中の紙面奥行き方向に沿った軸である。 第5圧電体層141として水晶を用いることで、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い耐荷重性等の優れた特性を有する。また、Yカット水晶板は、その面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる。
そして、第5圧電体層141の表面に対し、x軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第5圧電体層141内に電荷が誘起される。その結果、第5圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第5圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第5圧電体層141の表面に対し、x軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第5圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第5圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第6圧電体層143も、Yカット水晶板で構成され、互いに直交するx軸、y軸、z軸を有する。y軸は、第6圧電体層143の厚さ方向に沿った軸であり、x軸は、図4中の斜め方向に沿った軸であり、z軸は、図4中の紙面奥行き方向に沿った軸である。
第6圧電体層143として同様に水晶を用いることで、第5圧電体層141と同様に、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い耐荷重性等の優れた特性を有し、Yカット水晶板であることにより、その面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる。
そして、第6圧電体層143の表面に対し、x軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第6圧電体層143内に電荷が誘起される。その結果、第6圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第6圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第6圧電体層143の表面に対し、x軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第6圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第6圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
また、第5圧電体層141および第6圧電体層143の各x軸とは、積層方向LDからの平面視で、第1圧電体層121および第2圧電体層123の各x軸と、交差している。また、第5圧電体層141および第6圧電体層143の各z軸とは、積層方向LDからの平面視で、第1圧電体層121および第2圧電体層123の各z軸と、交差している。
出力電極層142は、第5圧電体層141内および第6圧電体層143内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qyとして出力する機能を有する。前述のように、第5圧電体層141の表面または第6圧電体層143の表面にx軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層142近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層142からは、正の電荷Qyが出力される。一方、第5圧電体層141の表面または第6圧電体層143の表面にx軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層142近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層142からは、負の電荷Qyが出力される。
このように、電荷出力素子10では、第1のセンサー12、第2のセンサー13、および第3のセンサー14は、各センサーの力検出方向が互いに直交するように積層されている。これにより、各センサーは、それぞれ、互いに直交する力成分に応じて電荷を誘起することができる。そのため、電荷出力素子10は、x軸、y軸およびz軸に沿った各外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qx、Qy、Qzを出力することができる。
また、電荷出力素子10は、上述したように、電荷Qzを出力することができるが、力検出装置1では、各外力を求める際、電荷Qzを用いないことが好ましい。すなわち、力検出装置1は、圧縮や引張力(第1基部2および第2基部3の厚さ方向であるγ方向に沿った力)を検出せずに、せん断力(第1基部2および第2基部3の面内の直交する2方向であるα方向およびβ方向に沿った外力)を検出する装置として用いることが好ましい。これにより、力検出装置1の温度変化に起因するノイズ成分を低減することができる。
ここで、外力検出時に電荷Qzを用いないことが好ましい理由として、力検出装置1を、エンドエフェクターが装着されたアームを有する産業用ロボットに用いた場合を例に挙げて説明する。この場合、アームやエンドエフェクターに設けられたモーター等の発熱源からの熱伝達により、第1基部2または第2基部3が加熱されて熱膨張し、変形する。この変形により、電荷出力素子10に対する与圧が所定の値から変化してしまう。この電荷出力素子10に対する与圧変化が、力検出装置1の温度変化に起因するノイズ成分として、電荷Qzに著しい影響を及ぼす程度に含まれてしまうからである。
このようなことから、電荷出力素子10は、圧縮や引張力が加えられることで生じる電荷Qzを用いずに、せん断力が加えられることで生じる電荷Qx、Qyのみを検出することで、温度の変動による影響をより受けにくくすることができる。
なお、出力された電荷Qzは、例えば、与圧ボルト71による与圧の調整に用いられる。
また、本実施形態では、前述した各圧電体層(第1圧電体層121、第2圧電体層123、第3圧電体層131、第4圧電体層133、第5圧電体層141、および第6圧電体層143)は、全て水晶を用いた構成としているが、各圧電体層は、水晶以外の圧電材料を用いた構成であったもよい。水晶以外の圧電材料としては、例えば、トパーズ、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等が挙げられる。しかしながら、各圧電体層は、水晶を用いた構成であることが好ましい。水晶で構成された圧電体層は、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い耐荷重性等の優れた特性を有するためである。
次に、各アナログ回路基板4が備える変換出力回路90a、変換出力回路90b、および変換出力回路90cについて詳述する。
[変換出力回路]
図3に示すように、各変換出力回路90cが、電荷Qx1〜Qx4のいずれか(電荷Qx)を電圧Vx1〜Vx4のいずれか(代表的に「電圧Vx」という)に変換し、各変換出力回路90bが、電荷Qz1〜Qz4のいずれか(電荷Qz)を電圧Vz1〜Vz4のいずれか(代表的に「電圧Vz」という)に変換し、各変換出力回路90aが、電荷Qy1〜Qy4のいずれか(電荷Qy)を電圧Vy1〜Vy4のいずれか(代表的に「電圧Vy」という)に変換する。
以下に、変換出力回路90a、90b、90cの構成等について詳述するが、各変換出力回路90a、90b、90cは、同じ構成であるため、以下では、変換出力回路90cについて代表的に説明する。
図3に示すように、変換出力回路90cは、電荷出力素子10から出力された電荷Qxを電圧Vxに変換して電圧Vxを出力する機能を有する。変換出力回路90cは、オペアンプ91と、コンデンサー92と、スイッチング素子93とを有する。オペアンプ91の第1の入力端子(マイナス入力)は、電荷出力素子10の出力電極層122に接続され、オペアンプ91の第2の入力端子(プラス入力)は、グランド(基準電位点)に接地されている。また、オペアンプ91の出力端子は、外力検出回路40に接続されている。コンデンサー92は、オペアンプ91の第1の入力端子と出力端子との間に接続されている。スイッチング素子93は、オペアンプ91の第1の入力端子と出力端子との間に接続され、コンデンサー92と並列接続されている。また、スイッチング素子93は、駆動回路(図示せず)に接続されており、駆動回路からのオン/オフ信号に従い、スイッチング素子93はスイッチング動作を実行する。
スイッチング素子93がオフの場合、電荷出力素子10から出力された電荷Qxは、静電容量C1を有するコンデンサー92に蓄えられ、電圧Vxとして外力検出回路40に出力される。次に、スイッチング素子93がオンになった場合、コンデンサー92の両端子間が短絡される。その結果、コンデンサー92に蓄えられた電荷Qxは、放電されて0クーロンとなり、外力検出回路40に出力される電圧Vは、0ボルトとなる。スイッチング素子93がオンとなることを、変換出力回路90cをリセットするという。なお、理想的な変換出力回路90cから出力される電圧Vxは、電荷出力素子10から出力される電荷Qxの蓄積量に比例する。
スイッチング素子93は、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、その他、半導体スイッチまたはMEMSスイッチ等である。このようなスイッチは、機械式スイッチ(メカスイッチ)と比べて小型および軽量であるので、力検出装置1の小型化および軽量化に有利である。以下、代表例として、スイッチング素子93としてMOSFETを用いた場合を説明する。なお、図3に示すように、このようなスイッチは、変換出力回路90cや、変換出力回路90a、90bに実装されているが、その他、ADコンバーター401にも実装することができる。
スイッチング素子93は、ドレイン電極、ソース電極、およびゲート電極を有している。スイッチング素子93のドレイン電極またはソース電極の一方がオペアンプ91の第1の入力端子に接続され、ドレイン電極またはソース電極の他方がオペアンプ91の出力端子に接続されている。また、スイッチング素子93のゲート電極は、駆動回路(図示せず)に接続されている。
各変換出力回路90a、90b、90cのスイッチング素子93には、同一の駆動回路が接続されていてもよいし、それぞれ異なる駆動回路が接続されていてもよい。各スイッチング素子93には、駆動回路から、全て同期したオン/オフ信号が入力される。これにより、各変換出力回路90a、90b、90cのスイッチング素子93の動作が同期する。すなわち、各変換出力回路90a、90b、90cのスイッチング素子93のオン/オフタイミングは一致する。
次に、デジタル回路基板5が備える外力検出回路40について詳述する。
[外力検出回路]
外力検出回路40は、各変換出力回路90aから出力される電圧Vy1、Vy2、Vy3、Vy4と、各変換出力回路90bから出力される電圧Vz1、Vz2、Vz3、Vz4と、各変換出力回路90cから出力される電圧Vx1、Vx2、Vx3、Vx4とに基づき、加えられた外力を検出する機能を有する。
この外力検出回路40は、変換出力回路(変換回路)90a、90b、90cに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部(演算回路)402とを有する。
ADコンバーター401は、電圧Vx1、Vy1、Vz1、Vx2、Vy2、Vz2、Vx3、Vy3、Vz3、Vx4、Vy4、Vz4をアナログ信号からデジタル信号へ変換する機能を有する。ADコンバーター401によってデジタル変換された電圧Vx1、Vy1、Vz1、Vx2、Vy2、Vz2、Vx3、Vy3、Vz3、Vx4、Vy4、Vz4は、演算部402に入力される。
演算部402は、デジタル変換された電圧Vx、Vy、Vzに対して、例えば、各変換出力回路90a、90b、90c間の感度の差をなくす補正等の各処理を行なう。そして、演算部402は、電荷出力素子10から出力される電荷Qx、Qy、Qzの蓄積量に比例する3つの信号を出力する。
<α軸、β軸およびγ軸方向の力検出(力検出方法)>
前述したように、電荷出力素子10は、積層方向LDと挟持方向SDとが第1基部2に対して傾斜角度θで傾斜するように設置された状態となっている(図1、図5参照)。すなわち、第1のセンサー12が電荷Qxを出力する際に作用する第1検出方向の外力、および第2のセンサー13が電荷Qz出力する際に作用する第2検出方向の外力を含む平面と、α軸とβ軸を含む平面とのなす角度が傾斜角度θとなっている。
α軸方向の力F、β軸方向の力Fおよびγ軸方向の力Fは、それぞれ、下記式(6)、(7)および(8)で表すことができる。なお、式(6)〜(8)中の「fx」は、第1のセンサー12(第1検出板)のx軸方向に加わる力、すなわち、電荷Qx(第1の出力)から求められた力であり、「fx」は、第3のセンサー14(第2検出板)のx軸方向に加わる力、すなわち、電荷Qy(第2の出力)から求められた力である。
=fx・cosφ−fx・sinφ・・・(6)
=fx・sinφ・sinθ+fx・cosφ・sinθ・・・(7)
=−fx・sinφ・cosθ−fx・cosφ・cosθ・・・(8)
例えば、図1に示す構成の力検出装置1において、θは45°、φは0°としたとき、式(6)〜(8)のθに45°を代入し、φに0°を代入すると、力F〜Fは、それぞれ、下記式(9)、(10)、および(11)で表される。
=fx・・・(9)
=fx/√2・・・(10)
=−fx/√2・・・(11)
となる。
このように力検出装置1では、力F〜Fを検出する際、温度の変動による影響を受け易い、すなわち、ノイズが乗り易い第2のセンサー13(電荷Qz)を用いずに、その検出を行なうことができる。したがって、力検出装置1は、温度の変動による影響を受けにくく、例えば従来の力検出装置の1/20以下に低減された装置となる。これにより、力検出装置1は、温度変化の激しい環境下でも、力F〜Fを正確に安定して検出することができる。
なお、実施形態での力検出装置1全体の並進力F〜F、および回転力M〜Mは、各電荷出力素子10からの電荷に基づいて算出される。また、本実施形態では、電荷出力素子10は4つ設けられているが、電荷出力素子10は少なくとも3つ設けられていれば、回転力M〜Mを算出することが可能である。
このように、電荷出力素子10が第1基部2の下面221に対して傾斜または垂直な状態で配置された場合(0°<θ<90°、および、θ=90°の場合)には、第2のセンサー13(電荷Qz)を用いずに6軸力を検出することができる。特に、電荷出力素子10は、第1基部2の下面221に対して0°<θ<90°の関係を満足していることが好ましく、30°<θ<60°の関係を満足していることが好ましく、45°であることがさらに好ましい。これにより、温度の変動による影響を受け易い第2のセンサー13(電荷Qz)を用いずに6軸力を検出することができるとともに、力検出装置1の低背化を図ることができる。
また、このような構成の力検出装置1は、総重量が1kgよりも軽いものとなる。これにより、力検出装置1の重量を取り付けた手首にかかる負荷を低減させることができ、手首を駆動するアクチュエータの容量を小さくできるため、手首を小型に設計することができる。さらに、この力検出装置1の重量は、ロボットアームが搬送できる最大能力の20%よりも軽い。これにより、力検出装置1の重量を取り付けたロボットアームの制御を容易にすることができる。
また、このような力検出装置1では、前述したように、第1基部2、および第2基部3とは、与圧ボルト(固定部材)71によって固定されている。
この与圧ボルト71による固定は、第1基部2と第2基部3との間に各センサーデバイス6を配置した状態で、与圧ボルト71を第2基部3側から第1基部2に形成された雌ネジ25に差し込むことで行なう。具体的には、与圧ボルト71の頭部715が第2基部3側となるように、与圧ボルト71を第2基部3に形成された孔(図示せず)に挿入し、アナログ回路基板4の孔(図示せず)を挿通し、各与圧ボルト71の雄ネジ716を第1基部2に形成された雌ネジ25に螺合する。
このようにして、第1基部2および第2基部3は、与圧ボルト71により互いに接近するように固定される。これにより、各電荷出力素子10は、該電荷出力素子10を収納するパッケージ60ごと第1基部2の第1傾斜面231と第2基部3の第2傾斜面331とで挟持され、各電荷出力素子10には、所定の大きさの圧力、すなわち、与圧が加えられる。ここで、第1基部2と、第2基部3とは、2つの与圧ボルト71により、互いに所定量の変位(移動)が可能なように固定される。なお、各与圧ボルト71による与圧方向は、積層方向LDにほぼ平行な方向となっている。第1基部2と、第2基部3とが互いに所定量の変位が可能なように固定されることで、力検出装置1に外力(せん断力)が加わり、電荷出力素子10にせん断力が作用したとき、電荷出力素子10を構成する層同士の間での摩擦力が確実に生じ、よって、電荷を確実に検出することができる。なお、前記与圧の大きさは、特に限定されず、適宜設定される。
このような力検出装置1は、第1基部2と第2基部3とが与圧ボルト71より固定される前の状態における第2傾斜面331の下面221に対する傾斜角度θ1と、第1基部2と第2基部3とが与圧ボルト71より固定された状態における第2傾斜面331の下面221に対する傾斜角度θ1’とが異なっている。この点について以下に詳述する。
なお、以下では、与圧ボルト71により第1基部2と第2基部3とが固定される前の状態、すなわち電荷出力素子10が第1基部2と第2基部3とによって加圧される前の状態を非加圧状態という。また、以下では、与圧ボルト71により第1基部2と第2基部3とが固定された状態、すなわち、電荷出力素子10が第1基部2と第2基部3とによって加圧された状態を加圧状態という。
図7は、非加圧状態における電荷出力素子10付近の拡大断面図であり、図8は、加圧状態における電荷出力素子10付近の拡大断面図である。
図7に示す非加圧状態では、第1基部2の下面221に対する第1傾斜面231の傾斜角度をθ2[°](以下、単に「傾斜角度θ2」と言う。)とし、第1基部2の下面221に対する第2傾斜面331の傾斜角度をθ1[°](以下、単に「傾斜角度θ1」と言う。)としたとき、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2とは、θ1<θ2の関係を満足している。
この状態から、与圧ボルト71の雄ネジ716を第1基部2に形成された雌ネジ25に螺合させ、与圧ボルト71を締め付けると、側壁33(第2基部3)が第1基部2に接近するように徐々に変形する。この際、傾斜角度θ1は、徐々に大きくなる。与圧ボルト71をさらに締め付けると、第2傾斜面331がセンサーデバイス6(電荷出力素子10)に当接する。その後、与圧ボルト71を十分に締め付けると、センサーデバイス6が第1基部2と第2基部3とにより加圧(与圧)されるとともに、第1基部2と第2基部3とが与圧ボルト71により固定された状態(加圧状態)となる。したがって、この状態において、第1基部2の下面221に対する第2傾斜面331の傾斜角度をθ1’[°](以下、単に「傾斜角度θ1’」と言う。)とすれば、この傾斜角度θ1’は、傾斜角度θ1より大きくなり、θ1<θ1’の関係を満足する。
ここで、側壁33は、図7および図8に示すように、外壁面334に対する内壁面335の距離(側壁33のβ軸方向の長さ)tがほぼ一定な定常部332と、定常部332の下側に位置し、内壁面335が外壁面334に対して接近するように距離tが下方に向かって漸減する漸減部333とを有している。したがって、漸減部333の内壁面335が、第2傾斜面331を構成している。
このような構成により、漸減部333の剛性は、その下端方向に向かって徐々に減少している。そのため、漸減部333は、その下側部が、上側部よりも外部からの圧力によって変形しやすい。したがって、与圧方向(第1基部2と第2基部3とが接近する方向)に力が加えられると、漸減部333は、その下側部が上側部よりも第1傾斜面231に向かって大きく変形する。
このようなことから、傾斜角度θ1と傾斜角度θ1’とが、θ1<θ1’の関係を満足するように、与圧ボルト71によって第1基部2と第2基部3とを固定すれば、漸減部333の下側部の変形量(変形代)を見込んで、第1基部2と第2基部3とによりセンサーデバイス6を押圧することができる。このため、第2基部3の第2傾斜面331をセンサーデバイス6の上面65の全体にわたって均一に当接させることができるので、パッケージ60を介して電荷出力素子10に加わる圧力の差(第2基部3を第1基部2に固定することによる圧力の差)を極めて小さくすることができる。これにより、力検出装置1(本実施形態では第1基部2)に外力が加わった際に、その外力を、パッケージ60を介して電荷出力素子10に、偏りなく均一に伝えることできる。その結果、力検出装置1に加わった外力を正確に検出することができ、測定精度を向上させることができる。
また、このような関係を満足していれば、第1基部2と第2基部3との製造精度により、各センサーデバイス6に対応する第2傾斜面331の部分に微細な傾斜角度の差がある場合であっても、与圧ボルト71を締める量を調整することで、第2傾斜面331を各センサーデバイス6の上面65の全体にわたって均一に当接させることができる。これにより、センサーデバイス6間での検出精度のバラつきが生じるのを好適に防止することができる。また、与圧ボルト71の締め量を調整するという簡単な操作で、センサーデバイス6の検出精度を調整することができるため、歩留まりも向上する。
これに対して、傾斜角度θ1と傾斜角度θ1’とが、θ1’<θ1の関係をなす場合には、漸減部333の下側部が不必要に変形してしまい、第2傾斜面331の下側部と上側部とが、センサーデバイス6の上面65に不均一に当接するようになる。したがって、傾斜角度θ1と傾斜角度θ1’とがθ1’ <θ1の関係をなす場合には、第2基部3の第2傾斜面331をセンサーデバイス6の上面65の全体にわたって均一に当接させることが極めて困難である。
そして、加圧状態において、第1基部2の下面221に対する第1傾斜面231の傾斜角度をθ2’[°](以下、単に「傾斜角度θ2’」と言う。)とすると、この傾斜角度θ2’と傾斜角度θ1’とが、0°≦|θ2’―θ1’|<|θ2―θ1|の関係を満足するようにするのが好ましい。これにより、第1基部2と第2基部3とがより接近することになるので、センサ-デバイス6の上面65の全体にわたって、十分かつより均一に第2傾斜面331を当接させることができる。これにより、力検出装置1の測定精度をより向上させることができる。
特に、傾斜角度θ2’と傾斜角度θ1’とが、θ2’=θ1’の関係を満足していると、第2傾斜面331を各センサーデバイス6の上面65の全体により均一に当接させることができるため、力検出装置1に外力が加わったとき、パッケージ60を介して電荷出力素子10に加わる圧力の差をより小さくすることができる。これにより、力検出装置1に加わった外力を特に正確に検出することができる。
なお、傾斜角度θ1’の上限値は、特に限定されないが、θ1’≦1.15×θ2’であることが好ましく、θ1’≦1.1×θ2’であることがより好ましい。これにより、第2傾斜面331の下側部と上側部とが、センサーデバイス6の上面65に不均一に当接することをより効果的に防ぐことができる。
また、傾斜角度θ2と傾斜角度とθ1は、その差(θ2−θ1)が、3°未満であることが好ましく、2°未満であることがより好ましい。これにより、第1傾斜面231および第2傾斜面331の面精度(製造精度)によらず、与圧ボルト71の締め量を調整することで、第2基部3の第2傾斜面331をセンサーデバイス6の上面65の全体にわたって均一に当接させることができる。
また、傾斜角度θ1は、30°以上60°以下であることが好ましく、42°以上45°以下であることがより好ましい。また、傾斜角度θ2は、30°以上60°以下であることが好ましく、45°以上48°以下であることがより好ましい。
傾斜角度θ1と傾斜角度θ2とが、θ1<θ2の関係を満足しつつ、上記範囲内の角度であることにより、第2傾斜面31をセンサーデバイス6の上面65全体にわたってより確実に当接させることができることのみならず、温度の変動による影響を受け易い第2のセンサー13(電荷Qz)を用いずに外力の検出を行なうことができる。このため、力検出装置1に加わった外力を特に正確に検出することができる。
なお、第2基部3の第2傾斜面331が各センサーデバイス6の上面65の全面に均一に当接している状態であるかは、圧縮/引張力に応じて電荷出力素子10から出力される電荷Qzを検出することにより確認することができる。
≪第2実施形態≫
図9は、第2実施形態の力検出装置の第1基部と第2基部とを固定する前の状態を示す断面図であり、図10は、第2実施形態の力検出装置の第1基部と第2基部とを固定した状態を示す断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態では、第1傾斜面と第2傾斜面の傾斜角度同士の関係が異なり、それ以外は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、図9および図10に示すように、傾斜角度θ1と傾斜角度θ1’とが、θ1=θ1’の関係を満足するよう、与圧ボルト71により第1基部2と第2基部3とを固定する。
また、図9に示すように、傾斜角度θ1と傾斜角度をθ2とが、θ1=θ2の関係を満足していること、すなわち、非加圧状態において、第1傾斜面231と第2傾斜面331とが、ほぼ平行になっていることが好ましい。
還元すれば、図10に示すように、傾斜角度θ1’と傾斜角度θ2’とが、θ2’=θ1’の関係を満足していること、すなわち、加圧状態においても、第1傾斜面231と第2傾斜面331とが、ほぼ平行になっていることが好ましい。
このような構成により、例えば、漸減部333の下側部の変形量が比較的小さい(漸減部333の剛性が比較的高い、漸減部333の距離tが比較的短い等)場合には、上述のような関係を満足するだけで、第2基部3の第2傾斜面331をセンサーデバイス6の上面65の全体にわたって均一に当接させることができる。その結果、力検出装置1に加わった外力を正確に検出することができ、測定精度を向上させることができる。
2.単腕ロボット
次に、図11に基づき、本発明に係るロボットの実施形態である単腕ロボットを説明する。
図11は、本発明に係る力検出装置を用いた単腕ロボットの1例を示す図である。図11の単腕ロボット500は、基台510と、アーム520と、アーム520の先端側に設けられたエンドエフェクター530と、アーム520とエンドエフェクター530との間に設けられた力検出装置1とを有する。なお、力検出装置1としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
基台510は、アーム520を回動させるための動力を発生させるアクチュエータ(図示せず)およびアクチュエータを制御する制御部(図示せず)等を収納する機能を有する。また、基台510は、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などに固定される。
アーム520は、第1のアーム要素521、第2のアーム要素522、第3のアーム要素523、第4のアーム要素524および第5のアーム要素525を有しており、隣り合うアーム同士を回動自在に連結することにより構成されている。アーム520は、制御部の制御によって、各アーム要素の連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
エンドエフェクター530は、対象物を把持する機能を有する。エンドエフェクター530は、第1の指531および第2の指532を有している。アーム520の駆動によりエンドエフェクター530が所定の動作位置まで到達した後、第1の指531および第2の指532の離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。
なお、エンドエフェクター530は、ここでは、ハンドであるが、本発明では、これに限定されるものではない。エンドエフェクターの他の例としては、例えば、部品検査用器具、部品搬送用器具、部品加工用器具、部品組立用器具、測定器等が挙げられる。これは、他の実施形態におけるエンドエフェクターについても同様である。
力検出装置1は、エンドエフェクター530に加えられる外力を検出する機能を有する。力検出装置1が検出する力を基台510の制御部にフィードバックすることにより、単腕ロボット500は、より精密な作業を実行することができる。また、力検出装置1が検出する力によって、単腕ロボット500は、エンドエフェクター530の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行なうことができ、単腕ロボット500は、より安全に作業を実行することができる。
なお、アーム520は、合計5本のアーム要素によって構成されているが、本発明はこれに限られない。アーム520が、1本のアーム要素に構成されている場合、2〜4本のアーム要素によって構成されている場合、6本以上のアーム要素によって構成されている場合も本発明の範囲内である。
3.複腕ロボット
次に、図12に基づき、本発明に係るロボットの実施形態である複腕ロボットを説明する。
図12は、本発明に係る力検出装置を用いた複腕ロボットの1例を示す図である。図12の複腕ロボット600は、基台610と、第1のアーム620と、第2のアーム630と、第1のアーム620の先端側に設けられた第1のエンドエフェクター640aと、第2のアーム630の先端側に設けられた第2のエンドエフェクター640bと、第1のアーム620と第1のエンドエフェクター640a間および第2のアーム630と第2のエンドエフェクター640bとの間に設けられた力検出装置1を有する。なお、力検出装置1としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
基台610は、第1のアーム620および第2のアーム630を回動させるための動力を発生させるアクチュエータ(図示せず)およびアクチュエータを制御する制御部(図示せず)等を収納する機能を有する。また、基台610は、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などに固定される。
第1のアーム620は、第1のアーム要素621および第2のアーム要素622を回動自在に連結することにより構成されている。第2のアーム630は、第1のアーム要素631および第2のアーム要素632を回動自在に連結することにより構成されている。第1のアーム620および第2のアーム630は、制御部の制御によって、各アーム要素の連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
第1、第2のエンドエフェクター640a、640bは、対象物を把持する機能を有する。第1のエンドエフェクター640aは、第1の指641aおよび第2の指642aを有している。第2のエンドエフェクター640bは、第1の指641bおよび第2の指642bを有している。第1のアーム620の駆動により第1のエンドエフェクター640aが所定の動作位置まで到達した後、第1の指641aおよび第2の指642aの離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。同様に、第2のアーム630の駆動により第2のエンドエフェクター640bが所定の動作位置まで到達した後、第1の指641bおよび第2の指642bの離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。
力検出装置1は第1、第2のエンドエフェクター640a、640bに加えられる外力を検出する機能を有する。力検出装置1が検出する力を基台610の制御部にフィードバックすることにより、複腕ロボット600は、より精密に作業を実行することができる。また、力検出装置1が検出する力によって、複腕ロボット600は、第1、第2のエンドエフェクター640a、640bの障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行なうことができ、複腕ロボット600は、より安全に作業を実行することができる。
なお、図示の構成では、アームは合計2本であるが、本発明はこれに限られない。複腕ロボット600が3本以上のアームを有している場合も、本発明の範囲内である。
4.電子部品検査装置および電子部品搬送装置
次に、図13、図14に基づき、本発明の力検出装置を備えた電子部品検査装置および電子部品搬送装置を説明する。
図13は、本発明に係る力検出装置を用いた電子部品検査装置および部品搬送装置の1例を示す図である。図14は、本発明に係る力検出装置を用いた電子部品搬送装置の1例を示す図である。
図13の電子部品検査装置700は、基台710と、基台710の側面に立設された支持台720とを有する。基台710の上面には、検査対象の電子部品711が載置されて搬送される上流側ステージ712uと、検査済みの電子部品711が載置されて搬送される下流側ステージ712dとが設けられている。また、上流側ステージ712uと下流側ステージ712dとの間には、電子部品711の姿勢を確認するための撮像装置713と、電気的特性を検査するために電子部品711がセットされる検査台714とが設けられている。なお、電子部品711の例として、半導体、半導体ウェハー、CLDやOLED等の表示デバイス、水晶デバイス、各種センサー、インクジェットヘッド、各種MEMSデバイス等などが挙げられる。
また、支持台720には、基台710の上流側ステージ712uおよび下流側ステージ712dと平行な方向(Y方向)に移動可能にYステージ731が設けられており、Yステージ731からは、基台710に向かう方向(X方向)に腕部732が延設されている。また、腕部732の側面には、X方向に移動可能にXステージ733が設けられている。また、Xステージ733には、撮像カメラ734と、上下方向(Z方向)に移動可能なZステージを内蔵した電子部品搬送装置740が設けられている。また、電子部品搬送装置740の先端側には、電子部品711を把持する把持部741が設けられている。また、電子部品搬送装置740の先端と、把持部741との間には、力検出装置1が設けられている。更に、基台710の前面側には、電子部品検査装置700の全体の動作を制御する制御装置750が設けられている。なお、力検出装置1としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
電子部品検査装置700は、以下のようにして電子部品711の検査を行なう。最初に、検査対象の電子部品711は、上流側ステージ712uに載せられて、検査台714の近くまで移動する。次に、Yステージ731およびXステージ733を動かして、上流側ステージ712uに載置された電子部品711の真上の位置まで電子部品搬送装置740を移動させる。このとき、撮像カメラ734を用いて電子部品711の位置を確認することができる。そして、電子部品搬送装置740内に内蔵されたZステージを用いて電子部品搬送装置740を降下させ、把持部741で電子部品711を把持すると、そのまま電子部品搬送装置740を撮像装置713の上に移動させて、撮像装置713を用いて電子部品711の姿勢を確認する。次に、電子部品搬送装置740に内蔵されている微調整機構を用いて電子部品711の姿勢を調整する。そして、電子部品搬送装置740を検査台714の上まで移動させた後、電子部品搬送装置740に内蔵されたZステージを動かして電子部品711を検査台714の上にセットする。電子部品搬送装置740内の微調整機構を用いて電子部品711の姿勢が調整されているので、検査台714の正しい位置に電子部品711をセットすることができる。次に、検査台714を用いて電子部品711の電気的特性検査が終了した後、今度は検査台714から電子部品711を取り上げ、Yステージ731およびXステージ733を動かして、下流側ステージ712d上まで電子部品搬送装置740を移動させ、下流側ステージ712dに電子部品711を置く。最後に、下流側ステージ712dを動かして、検査が終了した電子部品711を所定位置まで搬送する。
図14は、力検出装置1を含む電子部品搬送装置740を示す図である。電子部品搬送装置740は、把持部741と、把持部741に接続された6軸の力検出装置1と、6軸の力検出装置1を介して把持部741に接続された回転軸742と、回転軸742に回転可能に取り付けられた微調整プレート743を有する。また、微調整プレート743は、ガイド機構(図示せず)によってガイドされながら、X方向およびY方向に移動可能である。
また、回転軸742の端面に向けて、回転方向用の圧電モーター744θが搭載されており、圧電モーター744θの駆動凸部(図示せず)が回転軸742の端面に押しつけられている。このため、圧電モーター744θを動作させることによって、回転軸742(および把持部741)をθ方向に任意の角度だけ回転させることが可能である。また、微調整プレート743に向けて、X方向用の圧電モーター744xと、Y方向用の圧電モーター744yとが設けられており、それぞれの駆動凸部(図示せず)が微調整プレート743の表面に押しつけられている。このため、圧電モーター744xを動作させることによって、微調整プレート743(および把持部741)をX方向に任意の距離だけ移動させることができ、同様に、圧電モーター744yを動作させることによって、微調整プレート743(および把持部741)をY方向に任意の距離だけ移動させることが可能である。
また、力検出装置1は、把持部741に加えられる外力を検出する機能を有する。力検出装置1が検出する力を制御装置750にフィードバックすることにより、電子部品搬送装置740および電子部品検査装置700は、より精密に作業を実行することができる。また、力検出装置1が検出する力によって、把持部741の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行なうことができ、電子部品搬送装置740および電子部品検査装置700は、より安全な作業を実行可能である。
5.部品加工装置の実施形態
次に、図15に基づき、本発明の力検出装置を備えた部品加工装置の実施形態を説明する。
図15は、本発明に係る力検出装置を用いた部品加工装置の1例を示す図である。図15の部品加工装置800は、基台810と、基台810の上面に起立形成された支柱820と、支柱820の側面に設けられた送り機構830と、送り機構830に昇降可能に取り付けられた工具変位部840と、工具変位部840に接続された力検出装置1と、力検出装置1を介して工具変位部840に装着された工具850を有する。なお、力検出装置1としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
基台810は、被加工部品860を載置し、固定するための台である。支柱820は、送り機構830を固定するための柱である。送り機構830は、工具変位部840を昇降させる機能を有する。送り機構830は、送り用モーター831と、送り用モーター831からの出力に基づいて工具変位部840を昇降させるガイド832を有する。工具変位部840は、工具850に回転、振動等の変位を与える機能を有する。工具変位部840は、変位用モーター841と、変位用モーター841に連結された主軸(図示せず)の先端に設けられた工具取付け部843と、工具変位部840に取り付けられ主軸を保持する保持部842とを有する。工具850は、工具変位部840の工具取付け部843に、力検出装置1を介して取り付けられ、工具変位部840から与えられる変位に応じて被加工部品860を加工するために用いられる。工具850は、特に限定されないが、例えば、レンチ、プラスドライバー、マイナスドライバー、カッター、丸のこ、ニッパー、錐、ドリル、フライス等である。
力検出装置1は、工具850に加えられる外力を検出する機能を有する。力検出装置1が検出する外力を送り用モーター831や変位用モーター841にフィードバックすることにより、部品加工装置800は、より精密に部品加工作業を実行することができる。また、力検出装置1が検出する外力によって、工具850の障害物への接触等を検知することができる。そのため、工具850に障害物等が接触した場合に緊急停止することができ、部品加工装置800は、より安全な部品加工作業を実行可能である。
以上、本発明の力検出装置、およびロボットを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、力検出装置、およびロボットを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の力検出装置、およびロボットは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明の力検出装置では、電荷出力素子は、4つ設けられていたが、電荷出力素子の数は、これに限定されない。例えば、電荷出力素子は、1つであっても、2つであっても、3つであってもよく、また、5つ以上であってもよい。
また、本発明では、パッケージ、すなわち、基部および蓋体が省略されていてもよい。
また、本発明では、固定部材として与圧ボルトを用いたが、固定部材としてはこれに限定されない。
また、本発明のロボットは、アームを有していれば、アーム型ロボット(ロボットアーム)に限定されず、他の形式のロボット、例えば、スカラーロボット、脚式歩行(走行)ロボット等であってもよい。
また、本発明の力検出装置は、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置、部品加工装置および移動体に限らず、他の装置、例えば、他の搬送装置、他の検査装置、振動計、加速度計、重力計、動力計、地震計、傾斜計等の測定装置、入力装置等にも適用することができる。
1…力検出装置
2…第1基部
22…凸部
221…下面(第1面)
23…底板
231…第1傾斜面
25…雌ネジ
3…第2基部
32…天板
33…側壁
321……上面(第2面)
331…第2傾斜面
332…定常部
333…漸減部
334…内壁面
335…外壁面
4…アナログ回路基板
40…外力検出回路
401…ADコンバーター
402…演算部
41…孔
5…デジタル回路基板
6、6A、6B、6C、6D…センサーデバイス
60…パッケージ
61…凹部部材
62…蓋体
625…中央部
626…外周部
641、642…中心軸
643…中心
65…上面
71…与圧ボルト(固定部材)
715…頭部
716…雄ネジ
90a、90b、90c…変換出力回路
91…オペアンプ
92…コンデンサー
93…スイッチング素子
10…電荷出力素子(圧電素子)
11…グランド電極層
12…第1のセンサー
121…第1圧電体層(圧電体層)
122…出力電極層
123…第2圧電体層(圧電体層)
13…第2のセンサー
131…第3圧電体層(圧電体層)
132…出力電極層
133…第4圧電体層(圧電体層)
14…第3のセンサー
141…第5圧電体層(圧電体層)
142…出力電極層
143…第6圧電体層(圧電体層)
500…単腕ロボット
510…基台
520…アーム
521…第1のアーム要素
522…第2のアーム要素
523…第3のアーム要素
524…第4のアーム要素
525…第5のアーム要素
530…エンドエフェクター
531…第1の指
532…第2の指
600…複腕ロボット
610…基台
620…第1のアーム
621…第1のアーム要素
622…第2のアーム要素
630…第2のアーム
631…第1のアーム要素
632…第2のアーム要素
640a…第1のエンドエフェクター
641a…第1の指
642a…第2の指
640b…第2のエンドエフェクター
641b…第1の指
642b…第2の指
700…電子部品検査装置
710…基台
711…電子部品
712u…上流側ステージ
712d…下流側ステージ
713…撮像装置
714…検査台
720…支持台
731…Yステージ
732…腕部
733…Xステージ
734…撮像カメラ
740…電子部品搬送装置
741…把持部
742…回転軸
743…微調整プレート
744x、744y、744θ…圧電モーター
750…制御装置
800…部品加工装置
810…基台
820…支柱
830…送り機構
831…送り用モーター
832…ガイド
840…工具変位部
841…変位用モーター
842…保持部
843…工具取付け部
850…工具
860…被加工部品
900…移動体
910…本体
920…動力部
930…制御部
LD…積層方向
SD…挟持方向
NL、NL…法線
Qx、Qy、Qz、Qx1、Qy1、Qz1、Qx2、Qy2、Qz2、Qx3、Qy3、Qz3、Qx4、Qy4、Qz4…電荷
Vx、Vy、Vz、Vx1、Vy1、Vz1、Vx2、Vy2、Vz2、Vx3、Vy3、Vz3、Vx4、Vy4、Vz4…電圧
θ、θ1、θ2、θ1’、θ2’…傾斜角度
φ…角度
ε…傾斜角度
η…角度

Claims (11)

  1. 第1面と、前記第1面に対して傾斜した第1傾斜面とを有する第1基部と、
    前記第1傾斜面に対向し、かつ前記第1面に対して傾斜した第2傾斜面を有する第2基部と、
    前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する圧電素子と、
    前記第1基部と前記第2基部とを接近させることにより前記圧電素子を加圧した加圧状態で、前記第1基部と前記第2基部とを固定する固定部材と、を備え、
    前記加圧状態とする前の非加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1[°]とし、
    前記加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1’[°]としたとき、
    前記θ1と前記θ1’とは、θ1<θ1’の関係を満足することを特徴とする力検出装置。
  2. 前記非加圧状態における前記第1傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ2[°]とし、
    前記加圧状態における前記第1傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ2’[°]としたとき、下記式(1)を満足する請求項1に記載の力検出装置。
    θ1<θ2・・・(1)
  3. 下記式(2)を満足する請求項2に記載の力検出装置。
    0°≦|θ2’−θ1’|<|θ2−θ1|・・・(2)
  4. 前記θ1は、30°以上60°以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の力検出装置。
  5. 前記θ1と前記θ2とは、θ2−θ1<3°の関係を満足する請求項2ないし4のいずれか1項に記載の力検出装置。
  6. 前記圧電素子は、水晶で構成された圧電体層を備えている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の力検出装置。
  7. 前記圧電素子は、前記第1基部および前記第2基部の面内の直交する2方向の外力を検出する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の力検出装置。
  8. 第1面と、前記第1面に対して傾斜した第1傾斜面とを有する第1基部と、
    前記第1傾斜面に対向し、かつ前記第1面に対して傾斜した第2傾斜面を有する第2基部と、
    前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する圧電素子と、
    前記第1基部と前記第2基部とを接近させることにより前記圧電素子を加圧した加圧状態で、前記第1基部と前記第2基部とを固定する固定部材と、を備え、
    前記加圧状態とする前の非加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1[°]とし、
    前記加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1’[°]としたとき、
    前記θ1と前記θ1’とは、θ1=θ1’の関係を満足することを特徴とする力検出装置。
  9. 前記非加圧状態における前記第1傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ2[°]とし、
    前記加圧状態における前記第1傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ2’[°]としたとき、下記式(3)および式(4)を満足する請求項8に記載の力検出装置。
    θ1=θ2・・・(3)
    θ1’=θ2’・・・(4)
  10. アームと、
    前記アームに設けられたエンドエフェクターと、
    前記アームと前記エンドエフェクターの間に設けられ、前記エンドエフェクターに加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
    前記力検出装置は、第1面と、前記第1面に対して傾斜した第1傾斜面とを有する第1基部と、前記第1傾斜面に対向し、かつ前記第1面に対して傾斜した第2傾斜面を有する第2基部と、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する圧電素子と、前記第1基部と前記第2基部とを接近させることにより前記圧電素子を加圧した加圧状態で、前記第1基部と前記第2基部とを固定する固定部材と、を備え、
    前記加圧状態とする前の非加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1[°]とし、
    前記加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1’[°]としたとき、
    前記θ1と前記θ1’とは、θ1<θ1’の関係を満足することを特徴とするロボット。
  11. アームと、
    前記アームに設けられたエンドエフェクターと、
    前記アームと前記エンドエフェクターの間に設けられ、前記エンドエフェクターに加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
    前記力検出装置は、第1面と、前記第1面に対して傾斜した第1傾斜面とを有する第1基部と、前記第1傾斜面に対向し、かつ前記第1面に対して傾斜した第2傾斜面を有する第2基部と、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する圧電素子と、前記第1基部と前記第2基部とを接近させることにより前記圧電素子を加圧した加圧状態で、前記第1基部と前記第2基部とを固定する固定部材と、を備え、
    前記加圧状態とする前の非加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1[°]とし、
    前記加圧状態における前記第2傾斜面の前記第1面に対する傾斜角度をθ1’[°]としたとき、
    前記θ1と前記θ1’とは、θ1=θ1’の関係を満足することを特徴とするロボット。
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