JP2015175395A - 衝撃吸収構造体及び衝撃吸収構造 - Google Patents

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啓一 安藤
Keiichi Ando
啓一 安藤
中嶋 宏典
Hironori Nakajima
宏典 中嶋
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Abstract

【課題】衝撃吸収特性の制御が容易であると共に、かかる衝撃吸収特性のバラツキを少なくすることが出来、しかも構成部品の共通化が可能な衝撃吸収構造体を提供すること、またそれらの特徴を有利に発揮することが出来る衝撃吸収構造を提供すること。
【解決手段】板状体に、複数の孔部が互いに所定の間隔を隔てて形成されていると共に、かかる複数の孔部のそれぞれに、孔辺縁部から一体的に所定高さで立ち上がる少なくとも一つの切起し片が、それぞれの孔部内に収容され得る平面形状を与える大きさにおいて形成されてなる変形部を設けて得られる衝撃吸収プレートを用い、その複数枚を相互に重ね合わせて、衝撃エネルギの入力時に、少なくとも一つの切起し片が、隣接する他の衝撃吸収プレートの板状体に当接して塑性変形することにより、かかる衝撃エネルギが吸収せしめられるように構成した。
【選択図】図6

Description

本発明は、衝撃吸収構造体及び衝撃吸収構造に係り、特に、衝撃エネルギを有利に吸収し得るように改良された衝撃吸収構造体と衝撃吸収構造とに関するものである。
従来から、衝撃エネルギの伝達される部材間に介装されて、塑性変形することにより、かかる衝撃エネルギを吸収するようにした種々の衝撃吸収構造体が、知られている。そして、そのような衝撃吸収構造体の一つとして、例えば、自動車等の車両には、その前部において、バンパリーンホースメントとサイドメンバとの間に、車両前後方向に延びるように略角筒体形状を呈する金属製のクラッシュボックスが介装されてなる構成が、採用されている。なお、かかるクラッシュボックスは、車両の衝突時に、バンパリーンホースメントを介して入力される衝撃荷重により、その入力方向となる軸方向において、蛇腹状に連続的に塑性変形することによって、衝撃エネルギを吸収し得るように、構成されている。
ところで、そのような従来の衝撃吸収構造体(クラッシュボックス)にあっては、筒壁部の厚さ等のサイズや全体形状、或いは形成材料として使用される金属材料の種類等を複合的に変更することによって、塑性変形に対する強度が調節されるようになっている。そのため、衝撃吸収特性のチューニングが複雑なものとなってしまうことが避けられないものであった。また、車種や配設場所等に応じて、衝撃吸収構造体全体の設計や評価を行なう必要があるために、構成部品の共通化を図ることが出来ず、製造コストが高騰する問題も内在している。更に、塑性変形(座屈)の進行の仕方が毎回異なることや、塑性変形後の部材、所謂潰れ残りの存在によって、衝撃エネルギの吸収特性にバラツキが生じるという問題もあったのである。
一方、低コストな構造で、衝突時に狙い通りのエネルギ吸収特性、即ち荷重入力方向への変形が進んでも、依然としてエネルギ吸収量が高い特性を得ることが出来る、車両の衝撃吸収構造体を得ることを目的として、特開2005−297623号公報(特許文献1)に示されるような車両の衝撃吸収構造体が、提案されている。そこでは、プレス成形によって中空の略円錐台形状に形成された衝撃吸収要素を用い、それを軸方向に複数個重ね合わせて、積層構造とすると共に、その小径側を荷重入力部側へ向け、また大径側を荷重伝達部側へ向けて、配置したことが特徴となっている。そして、荷重入力部を介して、衝撃吸収構造体の小径側に圧縮荷重が作用すると、個々の衝撃吸収要素の大径側には、周方向への引張荷重が作用するようになるところから、衝撃吸収要素の大径側には引張応力による面内塑性変形が生じ、この面内塑性変形の連なりによって、衝突時のエネルギが吸収されることとなる。従って、かかる中空円錐台形状の衝撃吸収要素を用いた衝撃吸収構造体においては、従来の壁面の面外座屈変形という不安定現象を利用したエネルギ吸収構造に比べて、エネルギ吸収過程における変形荷重が高めに安定するとされている。
しかしながら、そのような衝撃吸収構造体にあっては、中空円錐台形状の衝撃吸収要素の大径側に生じる比較的高い応力による面内塑性変形を利用するものであるために、衝撃吸収構造体全体の変形荷重が高くなり過ぎるという問題が内在している。また、隣接する衝撃吸収要素同士が全面的に接触している必要があるために、車種や配設場所等が異なる場合において、構成部品の共通化を図りつつ、変形荷重の調整を行なって、一定の変形荷重を維持することには、困難を伴なうものであったのである。
特開2005−297623号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、衝撃吸収特性の制御が容易であると共に、かかる衝撃吸収特性のバラツキを少なくすることが出来、しかも構成部品の共通化が可能な衝撃吸収構造体を提供することにあり、またそれらの特徴を有利に発揮することが出来る衝撃吸収構造を提供することにある。
本発明は、上記した課題又は明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) 板状体に、塑性変形によって衝撃エネルギを吸収する変形部を設けて得られる衝撃吸収プレートを用い、その複数枚を相互に重ね合わせて、積層してなる構造の衝撃吸収構造体であって、前記板状体に、複数の孔部が互いに所定の間隔を隔てて形成されていると共に、該複数の孔部のそれぞれに、孔辺縁部から一体的に所定高さで立ち上がる少なくとも一つの切起し片が、それぞれの孔部内に収容され得る平面形状を与える大きさにおいて形成されて、前記変形部が構成されており、衝撃エネルギの入力時に、該少なくとも一つの切起し片が、隣接する他の衝撃吸収プレートの板状体に当接して塑性変形することにより、かかる衝撃エネルギが吸収せしめられるように構成したことを特徴とする衝撃吸収構造体。
(2) 前記積層された衝撃吸収プレートの隣接するものの板状体に、それぞれ設けられた複数の孔部が、該衝撃吸収プレートの積層方向において重なり合わないように、該積層方向に直角な方向に変位せしめられており、衝撃エネルギの入力時に、隣接する一方の衝撃吸収プレートの板状体に設けられた前記少なくとも一つの切起し片が、他方の衝撃吸収プレートにおける前記少なくとも一つの切起し片が設けられていない板状体部位に当接せしめられるように構成されている前記態様(1)に記載の衝撃吸収構造体。
(3) 前記隣接する一方の衝撃吸収プレートとして、前記複数の孔部が所定間隔で設けられた第一の衝撃吸収プレートが用いられる一方、前記隣接する他方の衝撃吸収プレートとして、該第一の衝撃吸収プレートの該複数の孔部が設けられていない部位に対応する部位に前記複数の孔部が設けられた第二の衝撃吸収プレートが用いられて、それら第一及び第二の衝撃吸収プレートが交互に積層されてなる前記態様(2)に記載の衝撃吸収構造体。
(4) 前記衝撃吸収プレートの前記板状体の外周縁部から該衝撃吸収プレートの積層方向に少なくとも一対の係合片が一体的に突出形成され、且つ該係合片のそれぞれに、係合凸部及び係合孔が設けられると共に、隣接する一方の衝撃吸収プレートにおける前記係合片の前記係合凸部と、他方の衝撃吸収プレートにおける前記係合片の前記係合孔とが係合せしめられることによって、前記複数枚の衝撃吸収プレートの積層状態が保持されている前記態様(1)乃至(3)の何れか一つに記載の衝撃吸収構造体。
(5) 前記孔部が平面視で正方形形状を呈し、かかる孔部の孔辺縁部における正方形の4辺に対応する4つの孔辺縁部位からそれぞれ延出するように、前記切起し片の4つが形成されている前記態様(1)乃至(4)の何れか一つに記載の衝撃吸収構造体。
(6) 前記切起し片が、前記孔部の孔辺縁部においてのみ屈曲せしめられて、前記板状体に対して傾斜して立ち上がり且つ前記孔部上に延びるように形成されている前記態様(1)乃至(5)の何れか一つに記載の衝撃吸収構造体。
(7) 前記切起し片が、前記板状体に対して45°〜90°の角度をもって傾斜して立ち上がるように形成されている前記態様(6)に記載の衝撃吸収構造体。
(8) 前記衝撃吸収プレートが、金属製である前記態様(1)乃至(7)の何れか一つに記載の衝撃吸収構造体。
(9) 前記衝撃吸収プレートが、金属製の平板をプレス成形することにより製造されている前記態様(1)乃至(7)の何れか一つに記載の衝撃吸収構造体。
(10) 衝撃エネルギが入力せしめられる第一の部材と衝撃エネルギを受け止める第二の部材との間に、前記態様(1)乃至前記態様(9)の何れか一つに記載の衝撃吸収構造体を配設してなる衝撃吸収構造にして、該衝撃吸収構造体の前記衝撃吸収プレートの積層方向における一方の最外側に位置する衝撃吸収プレートが前記第一の部材に連結せしめられていると共に、該積層方向における他方の最外側に位置する衝撃吸収プレートが前記第二の部材に連結せしめられていることを特徴とする衝撃吸収構造。
(11) 車幅方向に延びるバンパリーンホースメントの両端部と、該バンパリーンホースメントに対して車両前後方向に間隔を隔てて位置する一対のサイドメンバとの間に、前記態様(1)乃至前記態様(9)の何れか一つに記載の衝撃吸収構造体を、それぞれ配設してなる車両の衝撃吸収構造にして、それぞれの衝撃吸収構造体の前記衝撃吸収プレートの積層方向における一方の最外側に位置する衝撃吸収プレートが、前記バンパリーンホースメントに連結せしめられていると共に、該積層方向における他方の最外側に位置する衝撃吸収プレートが、前記サイドメンバに連結せしめられていることを特徴とする車両の衝撃吸収構造。
このように、本発明に従う衝撃吸収構造体にあっては、塑性変形によって衝撃エネルギを吸収する変形部が、板状体に形成された孔部の孔辺縁部から一体的に所定高さで立ち上がるように形成された切起し片にて構成されているところから、変形部の変形状態の制御が行ない易くなると共に、変形荷重のバラツキを少なくすることが出来ることとなり、これによって、衝撃吸収構造体の衝撃吸収特性を容易に制御することが可能となるのである。また、衝撃吸収構造体の構成部品を共通化するに際し、衝撃吸収特性の設定を容易に行なうことが出来る利点も生じる。
しかも、本発明に従う衝撃吸収構造体にあっては、切起し片が、板状体の一部を切り起こして形成されていることにより、その厚さが板状体の板厚と同一となることに加えて、かかる板状体に形成された孔部内に収容され得る平面形状を与える大きさにおいて形成されているところから、潰れ残りによる悪影響を受けないようになっており、以て、衝撃吸収特性のバラツキを効果的に少なくすることが出来るのである。また、衝撃吸収プレート(板状体)の板厚分以上の潰れ残りが生じないために、衝撃吸収構造体が配設される限られたスペース内において、より効率的に衝撃エネルギを吸収することが出来るという利点も生じることとなる。
さらに、衝撃エネルギの入力時に、切起し片が、隣接する他の衝撃吸収プレートの板状体に当接して塑性変形することにより、かかる衝撃吸収エネルギが吸収せしめられるように構成されているところから、各衝撃吸収プレートの切起し片は、隣接する他の衝撃吸収プレートの板状体による押圧によって、効果的に塑性変形せしめられ得ることとなるのであり、以て、衝撃エネルギを有利に吸収することが出来る特徴を発揮する。
そして、本発明に従う衝撃吸収構造にあっても、上記した本発明に従う衝撃吸収構造体において得られる作用・効果と実質的に同一の作用効果が、極めて有効に享受され得るのである。
本発明に従う構造を有する衝撃吸収構造体の一例を示す斜視説明図である。 本発明に従う構造を有する衝撃吸収構造体を構成する2種類の衝撃吸収プレートのうちの一方を示す斜視説明図である。 図2に示される衝撃吸収プレートの平面説明図である。 (a)は、図3におけるB1 −B1 断面説明図であり、(b)は、B2 −B2 断面説明図であり、(c)は、(a)におけるC部拡大説明図である。 本発明に従う構造を有する衝撃吸収構造体を構成する2種類の衝撃吸収プレートのうちの他方を示す平面説明図である。 図1におけるA−A断面部分拡大説明図である。 切起し片が順次変形する形態を模式的に示す、図6におけるD部拡大説明図であって、(a)は、衝撃吸収構造体に衝撃エネルギが入力される状態を示し、(b)は、切起し片が隣接する衝撃吸収プレートの平板部に当接せしめられた状態を示し、(c)は、切起し片の塑性変形が終了した状態を示している。 (a)は、図3に示される衝撃吸収プレートにおいて、切起し片の塑性変形が終了した状態を示す平面説明図であり、(b)は、(a)におけるE−E断面説明図である。 図1に示された衝撃吸収構造体を車両用クラッシュボックスとして用い、車両の前部に取り付けた状態を示す平面概略説明図である。 図9に示された車両用クラッシュボックスの荷重−変位特性を概略的に示すグラフである。 本発明に従う衝撃吸収構造体の他の一例を、図7に対応する断面形態において示す端面説明図である。 本発明に従う衝撃吸収構造体の別の一例を、図7に対応する断面形態において示す端面説明図である。 本発明に従う衝撃吸収構造体の更に他の一例を、図7に対応する断面形態において示す端面説明図である。 本発明に従う衝撃吸収構造体の更に別の一例を示す、図4の(a)に対応する断面説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う衝撃吸収構造体の一例が、斜視図の状態において示されている。そこにおいて、衝撃吸収構造体10は、2種類の衝撃吸収プレート、即ち第一の衝撃吸収プレート12と第二の衝撃吸収プレート14とが、交互に、互いに所定の間隔を隔てて積層されてなる、積層形態を呈していると共に、後に詳述するように、各衝撃吸収プレート12、14に突出形成された係合片16が、相互に係合せしめられて、その積層状態が保持されている。
そして、このような衝撃吸収構造体10を構成する第一の衝撃吸収プレート12は、単品の状態では、図2乃至図4に示される如き形態を呈しているのである。即ち、第一の衝撃吸収プレート12は、アルミ製の平板をプレス成形することにより形成され、図2及び図3に示されるように、平面視が略正方形形状の板状本体部18を有している。また、かかる板状本体部18の対向する2つ(一対)の辺部(図3における左右の辺部)には、衝撃吸収プレート12、14の積層方向(図3における紙面垂直方向)に、換言すれば板状本体部18の板厚方向に延びるように、矩形平板形状を呈する3つの係合片16が、それぞれ一体的に形成されている。
ここで、図4の(c)において詳細に示されるように、各係合片16は、それぞれ、板状本体部18の端縁部で直角に屈曲せしめられた基端部16aと、かかる基端部16aより係合片16の略板厚分だけ外方に位置するように屈曲形成されている先端部16bとが、段部16cを介して、連結されてなる、段付形状を呈している。そして、かかる係合片16の基端部16aには、長孔形状の係合孔20が形成されていると共に、先端部16bには、かかる係合孔20に係合し得る係合突起22が、内方に突出して形成されている。
さらに、本実施形態における第一の衝撃吸収プレート12にあっては、図3に示されるように、板状本体部18に対して、角部にRが付された略正方形孔状の孔部24の複数(ここでは、13個)が、縦方向及び横方向にそれぞれ互いに所定の間隔を隔てて形成されて、千鳥状に配置されていると共に、そのような孔部24の形成されていない平板部26が、それら孔部24間に複数(ここでは、12個)形成されている。なお、ここでは、図3中において二点鎖線で示されるように、板状本体部18を、それぞれが等面積となるように仮想的に区切った25個[5(縦)×5(横)]の区画に対して、孔部24と平板部26とが、上下左右に隣り合わないよう、交互に形成されているのである。
そして、そのような孔部24の孔辺縁部において、正方形の4辺に対応する4つの孔辺縁部位からは、それぞれ、山形平板状の切起し片28、28、28、28が、孔部24の中心に向かって延び出すように且つ板状本体部18の板面から立ち上がるようにして、板状本体部18と一体的に且つ同じ厚さで形成されており、その先端部においては、角部が面取りされて、略三角形状を呈している。具体的には、図4の(c)に詳細に示されるように、切起し片28は、板状本体部18からの延出部分(孔部24の孔辺縁部)に形成されている屈曲部30において、積層方向に向かって屈曲せしめられており、これによって、切起し片28の屈曲部30よりも先端側の部分が、板状本体部18に対して所定の角度(θ)で傾斜した状態で延出せしめられていると共に、切起し片28の先端が、所定の高さ(h)となるように立ち上げられているのである。なお、このような切起し片28が設けられてなる第一の衝撃吸収プレート12は、アルミ製の平板をプレス成形することにより容易に製造され得るものであるが、その中でも、特に製造コストの低い順送工程によって有利に製造されることとなる。
また、第一の衝撃吸収プレート12と共に、衝撃吸収構造体10を構成する第二の衝撃吸収プレート14は、上述した第一の衝撃吸収プレート12と同様な基本的構造を有しているのであるが、ここでは、その孔部24及び平板部26の配置が、第一の衝撃吸収プレート12とは異なるように構成されている。即ち、図5から明らかな如く、第二の衝撃吸収プレート14においては、板状本体部18を仮想的に25個[5(縦)×5(横)]の等面積の区画に区切った場合に、複数(ここでは、12個)の孔部24及び複数(ここでは、13個)の平板部26が、第一の衝撃吸収プレート12とは互い違いになるように、換言すれば第一及び第二の衝撃吸収プレート12、14の孔部24同士や平板部26同士が重なり合わないように、各区画に対して配置されているのである。なお、図1及び図5乃至図7に示される第二の衝撃吸収プレート14において、先の第一の衝撃吸収プレート12と同様な構造の部分には、同一の符号を付して、詳細な説明は省略することとする。
そして、上述の如き第一及び第二の衝撃吸収プレート12、14の複数が用いられて、それら第一の衝撃吸収プレート12と第二の衝撃吸収プレート14とが交互に積層されることにより、図1において示される如き形態の衝撃吸収構造体10が、構成されることとなるのである。ここで、隣り合う2つの衝撃吸収プレート12、14を積層させる際には、図6に示されるようにして、一方の衝撃吸収プレート12(14)の係合片16に形成された係合突起22を、他方の衝撃吸収プレート14(12)の係合片16に形成された係合孔20に嵌入させて、嵌合させることにより、隣り合う2つの衝撃吸収プレート12、14を所定の間隔(d)をもって容易に連結して、積層することが出来るようになっている。
また、それら第一及び第二の衝撃吸収プレート12、14を交互に積層させた際には、それらの板状本体部18、18の間において、孔部24及び平板部26の配置が互い違いとなるように、異なる千鳥状配置となっているところから、各衝撃吸収プレート12、14にそれぞれ設けられた複数の孔部24は、積層方向において互いに重なり合わないようになる。このため、図6から明らかなように、第一の衝撃吸収プレート12の切起し片28の先端が、第二の衝撃吸収プレート14の平板部26に対向せしめられる一方、第二の衝撃吸収プレート14の切起し片28の先端が、第一の衝撃吸収プレート12の平板部26に対向せしめられることとなるのである。なお、切起し片28の先端と隣接する衝撃吸収プレート12、14の平板部26との間には、所定の間隔(Δd)が隔てられており、これによって、衝撃エネルギが入力される前に、切起し片28と平板部26とが接触して、衝撃吸収プレート12、14が破損したり、異音が発生する等の問題の発生が回避されるようになっている。
ところで、このような構造を有する衝撃吸収構造体10にあっては、積層方向に隣接する2つの衝撃吸収プレート12、14において、図7の(a)中に白抜き矢印で示されるようにして、衝撃荷重が入力されると、先ず、それら衝撃吸収プレート12、14を連結する係合片16、16による係合状態が解除されて、荷重入力方向後方(図7における上方、以下、単に後方ともいう)側の衝撃吸収プレート(ここでは、第一の衝撃吸収プレート12)が、荷重入力方向前方(以下、単に前方ともいう)に変位(Δd)せしめられる。すると、図7の(b)に示されるように、後方側の衝撃吸収プレート12の切起し片28が、前方側に隣接する衝撃吸収プレート(ここでは、第二の衝撃吸収プレート14)の平板部26に当接せしめられて、かかる図中に白抜き矢印で示される方向へ応力を受けつつ、更に衝撃吸収プレート12が前方に変位(h)せしめられる。これによって、切起し片28が倒れ込むように塑性変形せしめられ、最終的には、図7の(c)に示されるように、板状本体部18と面一の状態となるように塑性変形させられることとなるのである。即ち、ここでは、衝撃エネルギの入力時に、切起し片28が、屈曲部30において、孔部24内に収容されるように塑性変形せしめられ、これにより、入力される衝撃のエネルギが吸収されるようになっているのである。
そして、このような衝撃エネルギの吸収作用(切起し片28の塑性変形)が、衝撃吸収構造体10を構成する複数の衝撃吸収プレート12、14のそれぞれにおいて発現せしめられることによって、衝撃吸収構造体10全体で入力した衝撃エネルギが吸収せしめられるように構成されているのである。理想的には、係合片16、16の係合を解除するための荷重は、切起し片28を塑性変形させるための荷重より低いため、先ず、全ての衝撃吸収プレート12、14の係合が解除され、次いで、各切起し片28が、隣接する衝撃吸収プレート12、14の平板部26に当接せしめられた後、塑性変形せしめられることとなる。なお、ここでは、第一及び第二の衝撃吸収プレート12、14間において、孔部24の形成個数の差(第一の衝撃吸収プレート12は13個、第二の衝撃吸収プレート14は12個)による切起し片28の形成個数の差(4個)はあるものの、衝撃吸収構造体10において、切起し片28の塑性変形の開始から完了までの間の最大荷重は、略一定に保たれるように構成されている。
また、図8の(a)及び(b)に示される如く、切起し片28の塑性変形完了後の衝撃吸収プレート12においては、それぞれの切起し片28が、孔部24内に収容されてなる形態において、全体として板状本体部28と面一の状態となるように構成されており、切起し片28のそれぞれが、板状本体部18及び他の切起し片28と重なり合うことがない形状及び大きさとされている。そのために、ここでは、切起し片28が、その先端部において角部が面取りされた三角形状とされていると共に、切起し片28の長さ(a)が、その延出方向における孔部24の長さ(b)に対して、a<b/2(2a<b)を満たすように構成されており、以て、孔部24内に収容され得る平面形状を与える大きさにおいて形成されているのである。なお、このような構成は、先述したように、アルミ製の平板をプレス成形することにより有利に実現することが可能である。また、図8においては、第一の衝撃吸収プレート12のみが示されているが、第二の衝撃吸収プレート14においても、同様の構成が採用されていることは、言うまでもないところである。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、各衝撃吸収プレート12、14における切起し片28が、塑性変形することによって、衝撃エネルギが吸収されることとなるところから、従来のように、筒状の衝撃吸収構造体の壁面の面外座屈変形という不安定現象を利用したエネルギ吸収構造に比べて、エネルギ吸収過程における変形荷重が安定することとなる。即ち、切起し片28の塑性変形は、金属板材の曲げ変形を利用していることになるが、面外座屈と異なって、変形の進行に伴なう荷重変動が少なく、安定したエネルギ吸収特性となるため、衝撃吸収特性の制御が容易であると共に、かかる衝撃吸収特性のバラツキを少なくすることが出来るのである。
また、衝撃吸収プレート12、14に形成された複数の切起し片28を塑性変形せしめるために必要な荷重は、衝撃吸収プレート12、14を構成する材質や板厚、又は切起し片28の形態や個数等を適宜に設定することによって、容易に制御可能である。しかも、一枚の衝撃吸収プレート12(14)によって吸収することが出来る衝撃エネルギ量は、係合片16の係合を解除するのに必要な荷重を除いては、切起し片28を塑性変形せしめるために必要な荷重と、変位量[ここでは、切起し片28の立ち上げ量(板状本体部18に対する切起し片28先端の高さ:h)]とによって決まるものであり、それらを適宜設定することで、容易に衝撃吸収特性の制御を行なうことが可能となっている。
さらに、そのような切起し片28が、板状本体部18に形成された孔部24内に収容され得る平面形状を与える大きさにおいて形成されているところから、衝撃エネルギ吸収後(塑性変形完了後)において、切起し片の潰れ残りが存在しないように構成されており、これによって、衝撃吸収特性のバラツキを少なくすることが出来ることとなる。また、衝撃吸収プレート12、14の板厚分以上の潰れ残りが生じないため、衝撃吸収構造体が配設される限られたスペース内において、より効率的に衝撃エネルギを吸収することが出来るのである。
なお、このような衝撃吸収構造体10においては、衝撃エネルギ吸収時の最大荷重(ピーク荷重)が、構成部品(衝撃吸収プレート12、14)の積層によって変化するものではないため、所定のピーク荷重を有する衝撃吸収プレート12、14の積層枚数によって衝撃吸収構造体10の総変位量を調整して、衝撃吸収エネルギ量を容易に制御することが可能となるのである。加えて、衝撃吸収構造体10を異なる場所に配設する場合にあっても、そのスペースに応じて、衝撃吸収プレート12、14の積層枚数を変更することで対応することが出来るため、衝撃吸収構造体10の構成部品(衝撃吸収プレート12、14)を共通化することが可能となるのである。
しかも、ここでは、隣接する衝撃吸収プレート12、14に、それぞれ一体的に突出形成された係合片16、16に設けられた係合突起22と係合孔20との係合(嵌合)によって、複数枚の衝撃吸収プレート12、14の積層状態が保持されるようになっているところから、そのような積層状態を保持するための別部材が不要であり、それらの積層作業も容易であるという利点がある。
また、このように、個々の衝撃吸収プレート12、14が、極めてシンプルな形態であることにより、換言すれば、従来のように複雑な構造を有する筒体形状ではないところから、金属製の平板をプレス成形することによって容易に衝撃吸収プレート12、14を製作することが出来、これによって、衝撃吸収構造体の製造コストを有利に削減することが出来る利点がある。また、衝撃吸収プレート12、14をアルミ(金属)製とすることによって、そのようなアルミ(金属)材質の比較的高く安定した曲げ応力を利用して、衝撃エネルギを有利に吸収することが出来る利点もある。
そして、本実施形態においては、孔部24の形状が、平面視で略正方形形状とされていると共に、かかる孔部24の孔辺縁部における正方形の4辺に対応する4つの孔辺縁部位から、それぞれ切起し片28が形成され、これによって、孔部24の中心に向かって異なる4方向から切起し片28が延出するように形成されているところから、衝撃荷重の入力方向が積層方向に対して傾斜した場合であっても、切起し片28が効果的に塑性変形せしめられることとなり、衝撃エネルギを有利に吸収することが可能となるのである。また、そのような構造の採用によって、衝撃吸収プレート12、14の板状本体部18において、孔部24及び平板部26を効率的に配置することが出来るという利点もある。
さらに、切起し片28が、孔部24の孔辺縁部においてのみ屈曲せしめられて、板状本体部18に対して傾斜して立ち上がるように形成されているところから、切起し片28の立ち上がり量(板状本体部18に対する切起し片28先端の高さ:h)が、有利に確保されるようになっている。
加えて、本実施形態においては、切起し片28が、板状本体部18に対して約45°の角度(θ)もって傾斜して立ち上がるように形成されており、これによって、切起し片28の立ち上がり量(h)が有利に確保されていると共に、衝撃エネルギの入力によって、切起し片28が、座屈することなく倒れ込ませられることとなり、衝撃吸収能力が効果的に発揮せしめられ得るのである。なお、そのような傾斜角度(θ)としては、90°未満程度であることが好ましく、90°以上となると、切起し片28が板状本体部18と重なり合う方向へ倒れる恐れが高くなる等といった問題を惹起する。
ところで、かくの如き構造を有する衝撃吸収構造体10は、例えば、図9に示されるように、自動車の前部において、衝突時に入力される衝撃エネルギを吸収し得るように構成されるクラッシュボックス32として、好適に用いられることとなるのである。なお、図9中、矢印:Fは、車両前側方向を、矢印:Rは、車両後側方向を、矢印:Wは、車幅方向を、それぞれ示している。
具体的には、図9に示されるクラッシュボックス32の配設形態において、自動車の前部には、剛性の高い長手の金属部材からなるバンパリーンホースメント34が、車幅方向に延びるように配置されている。そして、かかるバンパリーンホースメント34の後方、長さ(車幅)方向の両端部位には、それぞれ、クラッシュボックス32が、衝撃吸収プレート12、14の積層方向における一方の最外側(ここでは、車両最前方側)に位置する第一の衝撃吸収プレート12が、ブラケット36を介して連結せしめられるようにして、配置されている。また、そのような配置状態下で、ブラケット36は、バンパリーンホースメント34の後面にボルト等の固定手段によって固定されており、車両前後方向(衝撃吸収プレート12、14の積層方向)に対して平行に延出された複数の保持片38によって各クラッシュボックス32、32が、バンパリーンホースメント34に対して固定保持されている。
また、そのような配設状態下で、2個のクラッシュボックス32、32のそれぞれが、衝撃吸収プレート12、14の積層方向における他方の最外側(ここでは、車両最後方側)に位置する第二の衝撃吸収プレート14が、ブラケット40を介して、車両前後方向に真っ直ぐに延びる、車体メンバである一対のサイドメンバ42、42のそれぞれの前端面に、連結せしめられるようにして、配置されている。そして、かかるブラケット40は、サイドメンバ42の前端部にボルト等の固定手段によって固定されており、車両前後方向に対して平行に延出された複数の保持片44によって、2個のクラッシュボックス32、32が、一対のサイドメンバ42、42の前端面に、それぞれ固定保持されているのである。
かくして、車幅方向に延びるバンパリーンホースメント34の長さ方向の両端部と、かかるバンパリーンホースメント34の車両後方側に、所定間隔を隔てて車両前後方向に延びる一対のサイドメンバ42、42との間に、クラッシュボックス32、32が、車両前後方向に延出するように、それぞれ1個ずつ設置されるようになっている。
従って、このように、バンパリーンホースメント34と各サイドメンバ42との間において、車両前後方向に延出するように、2個のクラッシュボックス32、32が設置されてなる自動車にあっては、例えば、衝突事故等により、バンパリーンホースメント34に対して衝撃荷重(エネルギ)が入力した際(図9における白抜き矢印参照)には、かかる衝撃エネルギが、バンパリーンホースメント34を介して、2個のクラッシュボックス32、32に伝達されて、それら2個のクラッシュボックス32、32を構成する衝撃吸収プレート12、14が、積層方向(車両前後方向)に変位せしめられ、更にそれら衝撃吸収プレート12、14に形成された切起し片28が塑性変形せしめられることによって、衝撃エネルギが効果的に吸収され得るようになっているのである。
ここで、上記のような構造を有するクラッシュボックス32を用いた車両に対して、従来から行なわれている衝突試験を行なった結果が、図10に模式的に示されているが、それより明らかなように、荷重を所望のピーク荷重まで出来るだけ速やかに上昇させると共に、衝撃吸収プレート12、14の変形(変位)が進んでも、そのピーク荷重が維持されるという、理想的な衝撃エネルギ吸収特性が得られるようになるのである。
さらに、クラッシュボックス32の変形形態を観察した結果においては、衝撃吸収プレート12、14の変形が、車両最後方側に位置する第二の衝撃吸収プレート14から、車両前方側に隣接する衝撃吸収プレート12、14へと、順に、進行する現象を確認することが出来た。これは、おそらく、サイドメンバ42が非常に剛性の高い部材であるため、車両最後方側に位置する第二の衝撃吸収プレート14の切起し片28が、ブラケット40を介してサイドメンバ42に当接せしめられた際に、真っ先に塑性変形せしめられるためと考えられるのである。即ち、そのようにして変形した車両後方側の衝撃吸収プレート14(12)を介して、車両前方側に隣接する衝撃吸収プレート12(14)が、順に、サイドメンバ42に向かって押し付けられて、切起し片28の塑性変形が進行することとなるのである。なお、衝突試験時に、クラッシュボックス32が、瞬間的に、そのような変形形態をとっていたとしても、第一及び第二の衝撃吸収プレート12、14における、切起し片28の形成個数の差が、それぞれの衝撃吸収プレート12、14に形成された全ての切起し片28の個数に対して占める割合が小さいため、ピーク荷重が略一定に維持されるものと考えられている。
そして、このような構造を有するクラッシュボックス32を用いた車両の衝撃吸収構造を採用することにより、一定のピーク荷重が得られるよう設計された構成部品(衝撃吸収プレート12、14)の積層枚数を変更することで、容易に、車両衝突時の衝撃エネルギ吸収量を調整出来ることとなるところから、車種や配設場所等に応じた個別の設計や評価を行なう必要がなくなると共に、構成部品の共通化を図ることが出来、製造コストを有利に低減することが出来るのである。更に、衝撃エネルギ吸収後の所謂潰れ残りが、衝撃吸収プレート12、14の板厚分で済むため、そのような潰れ残りを見越して、車両のオーバーハング量(前方への突出量)を増加させる必要がなくなるところから、車両前部のデザイン(設計)自由度を有利に向上させることが可能となり、以て、車両の意匠性の向上に寄与することとなったのである。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、切起し片28の形態は、上述の態様に何等限定されるものではなく、図11に示されるように、孔部24の孔辺縁部以外に、別の屈曲部30が形成されていても何等差し支えない。この場合、切起し片28は、板状本体部18の板厚方向両側に隣接する衝撃吸収プレート14、14(12、12)に挟まれるようになることで、完全に塑性変形せしめられることとなる。また、図12に示されるように、孔部24に対して、単に一つの切起し片28が形成されてなる構成も採用可能である。更に、切起し片28が延出せしめられる方向も何等限定されるものではなく、複数の孔部24のそれぞれにおいて異なっていてもよい。そうすることにより、衝撃エネルギの入力方向が、衝撃吸収プレートの積層方向に対して傾斜した場合でも、有利に衝撃エネルギを吸収することが可能となる。更にまた、図13に示されるように、切起し片28の全体が屈曲(湾曲)せしめられていても、何等差し支えない。
また、上述した実施形態においては、全ての切起し片28が同一の方向(係合片16の延出方向)に向かって屈曲せしめられ、立ち上げられていたが、これに限らず、一部乃至全部の切起し片28が逆方向に向かって立ち上げられていてもよい(図14参照)。なお、このような場合であっても、隣接する各衝撃吸収プレート12、14(14、12)間の切起し片28の形成個数が、それぞれ、大きく異なることがないように構成されていることが、好ましい。即ち、これによって、各衝撃吸収プレート12、14(14、12)間において、切起し片28を塑性変形させるための最大荷重が大きく異なるようなことがなく、それ故に、衝撃吸収構造体10において、切起し片28の塑性変形の開始から完了までの間の最大荷重が、略一定に保たれるように構成されていることが、望ましいのである。
加えて、孔部24の形態も、上述の如き略正方形の孔形状に限られるものではなく、円孔状、多角形孔状等の形態も適宜に採用可能である。また、板状本体部18における、孔部24及び平板部26の配設形態についても、それらの形態を考慮して、限られた板状本体部18の面積を有効に利用するように、適宜設定可能である。
なお、上述した各実施形態では、アルミ薄板のプレス成形によって衝撃吸収プレート12、14を製造したが、これに限らず、鉄板等の金属板や他の公知の材料を使ってこれらを製造してもよい。但し、衝撃吸収プレートにおいては、変形部(切起し片28)の塑性変形による荷重を利用して衝撃エネルギを吸収するため、比較的大きく安定した変形応力を有する金属材料を用いることが望ましい。
また、上述した各実施形態では、衝撃吸収構造体10を、車両におけるクラッシュボックス32として利用した例を示したが、これに限らず、他の用途に利用することも当然可能である。
さらに、上述した各実施形態では、隣り合う衝撃吸収プレート12、14を係合片16(係合孔20と係合突起22との嵌合)により接合して、その積層状態を保持するようにしたが、ボルト及びナットによる接合構造又はこれ以外の接合構造によって隣り合う衝撃吸収プレート12、14を接合するようにしてもよい。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
10 衝撃吸収構造体 12 第一の衝撃吸収プレート
14 第二の衝撃吸収プレート 16 係合片
18 板状本体部 20 係合孔
22 係合突起 24 孔部
26 平板部 28 切起し片
30 屈曲部 32 クラッシュボックス
34 バンパリーンホースメント 42 サイドメンバ

Claims (4)

  1. 板状体に、塑性変形によって衝撃エネルギを吸収する変形部を設けて得られる衝撃吸収プレートを用い、その複数枚を相互に重ね合わせて、積層してなる構造の衝撃吸収構造体であって、
    前記板状体に、複数の孔部が互いに所定の間隔を隔てて形成されていると共に、該複数の孔部のそれぞれに、孔辺縁部から一体的に所定高さで立ち上がる少なくとも一つの切起し片が、それぞれの孔部内に収容され得る平面形状を与える大きさにおいて形成されて、前記変形部が構成されており、衝撃エネルギの入力時に、該少なくとも一つの切起し片が、隣接する他の衝撃吸収プレートの板状体に当接して塑性変形することにより、かかる衝撃エネルギが吸収せしめられるように構成したことを特徴とする衝撃吸収構造体。
  2. 前記積層された衝撃吸収プレートの隣接するものの板状体に、それぞれ設けられた複数の孔部が、該衝撃吸収プレートの積層方向において重なり合わないように、該積層方向に直角な方向に変位せしめられており、衝撃エネルギの入力時に、隣接する一方の衝撃吸収プレートの板状体に設けられた前記少なくとも一つの切起し片が、他方の衝撃吸収プレートにおける前記少なくとも一つの切起し片が設けられていない板状体部位に当接せしめられるように構成されている請求項1に記載の衝撃吸収構造体。
  3. 前記衝撃吸収プレートの前記板状体の外周縁部から該衝撃吸収プレートの積層方向に少なくとも一対の係合片が一体的に突出形成され、且つ該係合片のそれぞれに、係合凸部及び係合孔が設けられると共に、隣接する一方の衝撃吸収プレートにおける前記係合片の前記係合凸部と、他方の衝撃吸収プレートにおける前記係合片の前記係合孔とが係合せしめられることによって、前記複数枚の衝撃吸収プレートの積層状態が保持されている請求項1又は請求項2に記載の衝撃吸収構造体。
  4. 衝撃エネルギが入力せしめられる第一の部材と衝撃エネルギを受け止める第二の部材との間に、請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の衝撃吸収構造体を配設してなる衝撃吸収構造にして、
    該衝撃吸収構造体の前記衝撃吸収プレートの積層方向における一方の最外側に位置する衝撃吸収プレートが前記第一の部材に連結せしめられていると共に、該積層方向における他方の最外側に位置する衝撃吸収プレートが前記第二の部材に連結せしめられていることを特徴とする衝撃吸収構造。
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