JP2015174732A - 媒体処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】板状媒体の取り出しを小型化された機構で実行する媒体処理装置を提供する。
【解決手段】媒体処理装置は、爪部材と、調整部材と、カム機構と、抑制部とを備える。爪部材は、上下方向に積み重ねられた複数の板状媒体が保持された保持部から最も下に位置する板状媒体を離脱させるために板状媒体の側端部に引っかかる第1位置と最も下に位置する板状媒体から離間した第2位置との間を移動自在である。調整部材は、爪部材の移動に対応し移動して爪部材の移動姿勢を調整する。カム機構は、調整部材を移動させる。抑制部は、爪部材が板状媒体の離脱動作実行中に調整部材と爪部材との間に介在して爪部材が第1位置から第2位置へ移動することを抑制する。
【選択図】図7
【解決手段】媒体処理装置は、爪部材と、調整部材と、カム機構と、抑制部とを備える。爪部材は、上下方向に積み重ねられた複数の板状媒体が保持された保持部から最も下に位置する板状媒体を離脱させるために板状媒体の側端部に引っかかる第1位置と最も下に位置する板状媒体から離間した第2位置との間を移動自在である。調整部材は、爪部材の移動に対応し移動して爪部材の移動姿勢を調整する。カム機構は、調整部材を移動させる。抑制部は、爪部材が板状媒体の離脱動作実行中に調整部材と爪部材との間に介在して爪部材が第1位置から第2位置へ移動することを抑制する。
【選択図】図7
Description
本発明の実施形態は、媒体処理装置に関する。
従来、複数のカード状の媒体を上下方向に積み重ねて保持したカートリッジから、爪部を有するアームを用いて媒体を1枚ずつ取り出す媒体処理装置が知られている。
この種の装置の場合、処理能力及び動作信頼性の向上と共に小型化が求められる。例えば処理能力の向上のためにカートリッジに保持させる媒体の枚数を増加(例えば数百枚単位で増加)しつつ、小型化された機構で媒体の取り出しを確実に実行することが望まれている。
実施形態にかかる媒体処理装置は、爪部材と、調整部材と、カム機構と、抑制部とを備える。爪部材は、上下方向に積み重ねられた複数の板状媒体が保持された保持部から最も下に位置する板状媒体を離脱させるために板状媒体の側端部に引っかかる第1位置と最も下に位置する板状媒体から離間した第2位置との間を移動自在である。調整部材は、爪部材の移動に対応し移動して爪部材の移動姿勢を調整する。カム機構は、調整部材を移動させる。抑制部は、爪部材が板状媒体の離脱動作実行中に調整部材と爪部材との間に介在して爪部材が第1位置から第2位置へ移動することを抑制する。
以下の例示的な実施形態や変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。
本実施形態では、媒体処理装置は、一例として、運転免許証等のような扁平な板状媒体の作成装置(印刷装置)として構成されうる。図1に示されるように、媒体処理装置10は、一例として、媒体供給ユニット12(ホッパ)、印刷ユニット14、紫外線保護膜転写ユニット16、エレベータユニット18、表面保護層転写ユニット20、媒体蓄積ユニット22(スタッカ)、制御ユニット24等を備えている。印刷ユニット14、紫外線保護膜転写ユニット16、表面保護層転写ユニット20等は、図2に示すような未処理の扁平な板状媒体26(例えば、運転免許証等)に所定の処理を施す処理部の一例である。未処理の板状媒体26は、例えば表面に枠や共通意匠、共通文字等が印刷されたブランク媒体であり、印刷ユニット14等により必要な情報(個人情報、追加情報等)が追加される。
媒体供給ユニット12は、複数のカートリッジがセット可能で、各カートリッジには、種類の異なる板状媒体26(例えばベース色の異なる板状媒体26)が、個別に収納できるように構成されている(詳細は図3で説明する)。例えば、板状媒体26が運転免許証の場合、「ゴールドカード」、「ブルーカード」、「グリーンカード」等がそれぞれのカートリッジに複数枚(例えば、300枚)収納される。そして、媒体供給ユニット12から所望の色の板状媒体26が1枚ずつ取り出されて、図1には示されない搬送装置(搬送機構)によって、下流側に搬送される。媒体供給ユニット12の下流側には、処理部(印刷ユニット14、紫外線保護膜転写ユニット16、表面保護層転写ユニット20)が配置され、逐次処理される。図1中の矢印は、板状媒体26の搬送方向を示す。
印刷ユニット14は、カラー印刷を主に実行する印画部14a(イエロー)、印画部14b(マゼンダ)、印画部14c(シアン)及び主に印字を実行する印字部14d(ブラック)を含む。印画部14a〜14cは、媒体供給ユニット12から供給された板状媒体26に、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の三色を順次重ね合わせて感熱昇華印刷する。また、印画部14a〜14cは、それぞれ、プラテンローラや、サーマルヘッド、インクリボン(ロール)、インクリボンの供給軸、インクリボンの巻取軸等(いずれも図示されず)を有している。これらカラーの印画部14a〜14cは、一例としては、図2に示す板状媒体26の画像印刷領域26aに画像(例えば顔写真)等を印刷する場合に使用される。
印字部14dは、板状媒体26に、例えば、B(ブラック)の一色を溶融型熱転写で印字する。印字部14dは、プラテンローラや、ヘッド、インクリボン(ロール)、インクリボンの供給軸、インクリボンの巻取軸等(いずれも図示されず)を有している。モノクロ(黒)の印字部14dは、一例としては、図2に示す板状媒体26の文字印刷領域26bに文字等を印刷する場合に使用される。
紫外線保護膜転写ユニット16は、印画部14a〜14cで処理(印刷)された板状媒体26の表面、及び必要に応じて印字部14dで処理(印刷)された板状媒体26の表面に、紫外線保護層(膜)を形成する。紫外線保護膜転写ユニット16は、プラテンローラや、ヘッド、転写膜リボン(ロール)、転写膜リボンの供給軸、転写膜リボンの巻取軸等(いずれも図示されず)を有している。転写膜は、加熱されたヘッドにより、転写膜リボンから板状媒体26の表面の所定領域または全面に感熱転写される。
エレベータユニット18は、紫外線保護膜が転写された板状媒体26を、下層に配置された処理ユニットへ投入するために上下層間の搬送を行う。なお、エレベータユニット18は、媒体処理装置10を多層構造にした場合に必要となるユニットであって、単層タイプの媒体処理装置の場合は省略することができる。媒体処理装置10を多層構造とすることで、板状媒体26の搬送方向の装置幅を低減することができる。
エレベータユニット18によって、装置下層に搬送された板状媒体26は、表面保護層転写ユニット20に供給される。表面保護層転写ユニット20は、紫外線保護膜転写ユニット16で紫外線保護層が形成された板状媒体26の表面に、保護層(膜)を形成する。表面保護層は、例えば、熱転写あるいは塗布等により、板状媒体26の表面に形成される。また、表面保護層転写ユニット20には、保護層強化部(図示されず)が設けられてもよい。保護層強化部は、紫外線照射部(例えば水銀灯)を有し、当該照射された紫外線により、表面保護層が硬化される。紫外線保護膜転写ユニット16で形成される紫外線保護膜は、保護層強化部で照射される紫外線による画像の劣化を抑制するのにも効果を発揮する。
媒体蓄積ユニット22では、表面保護層が形成された完成した板状媒体26が順次蓄積される。媒体蓄積ユニット22では、板状媒体26は、処理順に蓄積されるようにしてもよいし、板状媒体26の種類毎(例えばカードの色毎)や処理時間帯毎に区分され蓄積されるようにしてもよい。
制御ユニット24には、媒体処理装置10の制御基板や電源装置、集塵装置、ファン等の媒体処理装置10の稼働に必要なユニットの他、廃棄物の収容ユニットや補充用の板状媒体26(ブランクカード)の収納スペースを含んでもよい。
なお、板状媒体26にICチップ等が内蔵されている場合、媒体処理装置10の処理部には、電子データのリード/ライトユニットを設けることが可能で、必要な電子データのリード/ライト処理が実行されうる。
媒体供給ユニット12は、本実施形態では、一例として、図3に示されるように、レール28(案内部)や、スライダ30(移動部、スライド部)、キャリッジ32(保持部、支持部)、カートリッジ34(保持部、支持部、ケース、カセット)、ベルト36(伝達部)、モータ38(回動部、駆動源)、ローラ40(プーリ)等を備えている。本実施形態では、媒体供給ユニット12が、板状媒体26を一枚ずつ取り出す(積層された板状媒体26群から離脱させる)媒体取出装置(ピッカ機構)を含む。
レール28は、横方向(水平方向、図1の紙面表裏方向)に沿って延びている。スライダ30は、レール28に、その長手方向に沿って移動可能に支持されている。キャリッジ32は、スライダ30に接続(固定)されている。よって、キャリッジ32も、レール28に、その長手方向に沿って移動可能に支持されている。キャリッジ32は、カートリッジ34を着脱可能に支持する。カートリッジ34は、複数の板状媒体26を、上下方向に積み重ねられた状態で収容することができる。ベルト36(エンドレスベルト)は、複数のローラ40の間に架け渡されている。図3では右側のローラ40は、モータ38のシャフト(減速機のシャフト)に固定され、当該シャフトの回動に伴って回動する。図3では左側のローラ40は、モータ38(減速機)のシャフトとは接続されず、ベルト36によって回動される。ベルト36には、スライダ30が接続(固定)されている。ベルト36のスライダ30と接続された部分は、スライダ30の長手方向に沿って延びている。このような構成において、モータ38(減速機)のシャフトが回動すると、当該シャフトに固定されたローラ40が回動し、ベルト36が回り、ベルト36に固定されたスライダ30と接続された部分がレール28に沿って移動する。よって、スライダ30、キャリッジ32、さらにカートリッジ34が、レール28に沿って移動する。制御ユニット24に含まれる制御部(制御基板)は、モータ38の動作(ロータ(図示されず)およびシャフトの回動角度)を制御することにより、キャリッジ32およびカートリッジ34の位置を変更することができる。媒体供給ユニット12では、板状媒体26が取り出される位置(処理部側に排出される位置、媒体取り出し位置)は、例えば図3中の符号Aの位置に決められている。したがって、媒体供給ユニット12において、これから処理を開始する板状媒体26を収納したカートリッジ34は、制御部によるモータ38の制御により、板状媒体26が印画部14a側(図1では右側、図3では紙面裏側)に取り出される位置に移動させられる。例えば、表面色がゴールドの板状媒体26がカートリッジ34aに収納され、ブルーの板状媒体26がカートリッジ34bに収納され、グリーンの板状媒体26がカートリッジ34cに収納されていた場合を考える。そして、次に作成処理を行う板状媒体26が「ゴールド」の場合、カートリッジ34aが図3中矢印Aの位置に移動させて、後述するピッカ機構でカートリッジ34aの最下部に位置する未処理の板状媒体26が取り出される。
図4は、媒体供給ユニット12の側面図であり、図3における矢印Aで示される媒体取出位置に移動したカートリッジ34(ゴールド用のカートリッジ34a)及び、媒体取り出し位置に対応する位置に配置されるピッカ機構42の側面視図である。
カートリッジ34は、図3、図4に示すように、上下方向の下側をキャリッジ32によって支持され、当該キャリッジ32がスライダ30によってベルト36の移動方向(図3の場合左右方向、図4の場合紙面表裏方向)に移動する。キャリッジ32の構造の詳細は省略するが、図4、図5に示すように、例えば、テーパ形状の位置決め部材44がカートリッジ34に形成された位置決め孔34dに嵌り込むことで、キャリッジ32とカートリッジ34との相対的な位置決めを行うことができる。また、キャリッジ32とカートリッジ34とは、例えば、キャリッジ32側に形成された爪状のロック部材(図示されず)がカートリッジ34側に形成されたロック孔(図示されず)と噛み合うことによりしっかりと支持できるように構成されている。また、カートリッジ34における板状媒体26の取り出し位置に対応するキャリッジ32の部分には、開口部32aが形成されている。この開口部32aは、板状媒体26を印画部14a側(図1参照)に搬送する搬送機構に向かって開口している。なお、キャリッジ32の開口部32aの近傍には、ピッカ機構42によって取り出された板状媒体26を開口部32aから印画部14a側(図1参照)の搬送機構にスムーズに受け渡すためのフィードローラ46が配置されている。フィードローラ46は図示しない駆動源により常時または、ピッカ機構42により板状媒体26を取り出す(離脱させる)タイミングで排出方向に回転駆動するように構成されている。
ピッカ機構42は、図4、図5に示すように、例えば、スライダ30の左側(図3においては、スライダ30より紙面手前側)で、図3の矢印Aに対応する位置に配置されている。ピッカ機構42は、図5〜図9で詳細に説明するが、板状媒体26を1枚ずつ取り出し方向に離脱させるピッカアーム48を有している。ピッカアーム48は、第1位置と第2位置の間を移動自在な爪部材として機能する。ピッカアーム48の第1位置は、上下方向に積み重ねられた複数の板状媒体26が保持されたカートリッジ34から最も下に位置する板状媒体26を取り出す(離脱させる)ために板状媒体26の側端部26c(図2参照)に爪部48aが引っかかる位置(姿勢)である。したがって、爪部48aの高さは、板状媒体26の厚み、例えば0.7〜0.8mmより低い値に設定することで、1枚ずつ板状媒体26を積層された板状媒体26群の最下層から取り出すことができる。一方、ピッカアーム48の第2位置は、爪部48aがカートリッジ34の最も下に位置する板状媒体26から下方に離間した第2位置、つまり、板状媒体26の側端部26cに爪部48aが引っかからない位置である。
爪部材として機能するピッカアーム48は、図5に示すように、断面が略C字形状のブロック部材であり、例えばステンレスで形成されている。ピッカアーム48は、略C字形状の一端に爪部48aを有し、他端側に当該ピッカアーム48の姿勢調整用の作動アーム48bを有する。ピッカアーム48は、例えば直方体形状のベース50の短手方向の略中央に形成された長手方向に延びる長溝状の開口部から突出して、前述した第1位置の姿勢をとり得るように、回転中心48cを中心に揺動自在(移動自在)にベース50に支持されている。なお、図5は、ベース50を開口部の位置で切断し、ピッカアーム48の側面全体を露出させた状態を示している。ピッカアーム48の第1位置と第2位置における姿勢は、後述する図7、図9で詳細に示す。また、図7で詳細に説明するが、ピッカアーム48は付勢部材(後述するコイルスプリング82:第1付勢部材)によって第1位置に移動(回動)するように付勢されている。
また、ベース50には、ピッカアーム48の姿勢を調整する調整アーム52が回動自在(移動自在)に支持されている。調整アーム52は、ピッカアーム48の移動(回動)に対応し移動(回動)してピッカアーム48の移動姿勢(回動姿勢)を調整する調整部材として機能する。調整アーム52は、例えば断面が略V字形状の板状の部材であり、回転中心52aを中心にベース50に対して回動する。調整アーム52のV字形状の一端である固定端52bは、図6で詳細に説明するカム機構の一部を構成する姿勢調整用カムプレート54の移動に伴って移動するレバープレート56の側壁部56aに回転自在に支持されている。また、調整アーム52のV字形状の他端である自由端52cは、その先端にベアリング58を有し、ピッカアーム48の作動アーム48bと接触可能に構成されている。ベアリング58の機能については後述する。また、調整アーム52の回転中心52aと自由端52cとの間には、ピッカアーム48が第1位置から第2位置へ移動することを抑制する抑制部60が形成されている。なお、本実施形態の場合、一例として、抑制部60は、ピッカアーム48が第1位置へ移動するときに調整アーム52とピッカアーム48との間に進入する中間部材62を介して、ピッカアーム48が第1位置から第2位置へ移動することを抑制する構成を説明する。中間部材62の形状や機能については、図7で説明する。
次に図5に加え図6、図7を参照して、ピッカ機構42の詳細及びピッカアーム48が第1位置に位置する状態を説明する。
ピッカアーム48や調整アーム52を支持するベース50は、図6に示すように複数のガイドローラ64を有し、図5、図6に示すようにフレーム66に固定されたガイドレール68(例えば2本)に沿って移動可能である。ベース50には、図7に示すようにベース移動用カムプレート70と接触するカムフォロア72を支持する支持軸72aの一端側が固定され、ベース移動用カムプレート70の動作にしたがって、当該ベース50が移動するように構成されている。本実施形態の場合、前述した姿勢調整用カムプレート54と共にベース移動用カムプレート70が同一の駆動源、例えばモータによって駆動するように構成されている。なお、カムフォロア72を支持する支持軸72aの他端側はレバープレート56に形成された長孔56bに回動自在に嵌め込まれている。したがって、ベース移動用カムプレート70の移動に伴ってベース50が移動する場合、レバープレート56は、ベース50に対して相対移動可能となる。この長孔56bの存在により、同一の駆動源でリンク機構を動作させる場合、ピッカアーム48を第1位置へ移動させて板状媒体26を引っかける動作が可能な姿勢に移行した後に、ピッカアーム48はベース50と共に取り出し方向に移動する動作をスムーズに実現できる。なお、他の実施形態においては、姿勢調整用カムプレート54とベース移動用カムプレート70を別々の駆動源によって作動させるようにしてもよい。この場合、姿勢調整用カムプレート54とベース移動用カムプレート70の動作を個別に制御できるので、ピッカ機構42の動作バリエーションを容易に増加することができる。
図6は、ピッカ機構42の背面側(図5の矢印B方向)から見た図であり、ピッカ機構42を駆動するリンク機構の概略図である。また、図7は、リンク機構が図6の状態の場合に、ピッカ機構42が起立した場合、つまり第1位置に移動した状態を示す図である。なお、図7に示すように、ピッカアーム48が第1位置に移動している状態を板状媒体26が取り出されるためのピッカ機構42の待機姿勢としてもよいし、後述する図9に示すピッカアーム48が第2位置に移動している状態を待機姿勢としてもよい。
姿勢調整用カムプレート54及びベース移動用カムプレート70は、例えば板状の部品であり、連結軸74で相互に回転自在に接続されている。また、ベース移動用カムプレート70は、支点軸76でフレーム66に回転自在に接続されている。ベース移動用カムプレート70の一端には、図示しないモータにより回転する駆動円盤の中心から偏心した位置に立設された駆動ピン78が挿入されるピン受け入れ孔70aが形成され、モータの駆動力が伝達される。したがって、ベース移動用カムプレート70及び姿勢調整用カムプレート54は同一の駆動源からの駆動力を受けて動作する。ベース移動用カムプレート70の他端には、図7に示すようにカムフォロア72を受け入れるフォロア受け入れ孔70bが形成され、ベース移動用カムプレート70の動作にしたがいベース50を図6矢印C1,C2方向(C1は板状媒体26の取り出し方向)に移動させる。なお、図6は、図5に示すようにベース50の移動(板状媒体26の取り出し)に先立ち、ピッカアーム48が第1位置(起立姿勢)に移行した状態のベース50の位置を示している。前述したようにベース50は、複数(図6の場合4個)のガイドローラ64を備え、例えば2本のガイドレール68に沿って移動可能であり、本実施形態の場合、ピッカアーム48が第1位置に移動した後にベース50が移動を開始する。別の実施形態では、ベース50が移動しながらピッカアーム48が第1位置に向かって移動し、爪部48aが板状媒体26の側端部26cに接触するまでに移動を完了するようにしてもよい。この場合、ピッカ機構42全体の動作サイクルの短縮に寄与できる。
姿勢調整用カムプレート54は、前述したように、一例として2カ所の連結軸74でベース移動用カムプレート70と連結された板状の部材であり、図6、図7に示すように一端にレバープレート56に固定されたカムフォロア80と接触するカム面54aを有する。カム面54aは、第1位置を規定する底面部と第2位置を規定する高面部とを有し、ベース移動用カムプレート70に追従して姿勢調整用カムプレート54が揺動(移動)することで、カムフォロア80との接触位置が変化する。図6は、カムフォロア80とカム面54aの底面部とが接触している状態であり、この接触状態の場合、ピッカアーム48は図7に示すように起立姿勢の第1位置に移動(揺動、回動)する。
ところで、レバープレート56と、ベース50に支持されたピッカアーム48とは、図7に示すように第1付勢部材として機能する例えばコイルスプリング82によって、引っ張り方向、つまり、ピッカアーム48が第1位置に回動する方向に付勢されている。また、前述したように、レバープレート56は、ベース50に対して相対移動が可能である。したがって、カムフォロア80が姿勢調整用カムプレート54のカム面54aの底面部に接触している場合、レバープレート56はコイルスプリング82の付勢力によって、図7中矢印C1方向に移動する。その結果、ベース50に回転自在に支持された調整アーム52は、回転中心52aを中心に反時計方向に回動して、ピッカアーム48の作動アーム48bから離間する。つまり、ピッカアーム48が回動自在な状態になる。一方、ピッカアーム48もまた、コイルスプリング82の付勢力にしたがって、回転中心48cを中心に時計方向に回動する。つまり、ピッカアーム48が第1位置に移動する。このように、カムフォロア80と姿勢調整用カムプレート54のカム面54aの底面部が接触した状態でピッカアーム48は第1位置に移動可能となる。
ただし、ピッカアーム48を第1位置に維持する維持力をコイルスプリング82の付勢力のみとした場合、板状媒体26を取り出す(離脱させる)ときに、ピッカアーム48が第2位置側に押し返され、板状媒体26の取り出しミスを発生してしまうおそれがある。そこで、本実施形態のピッカ機構42は、ピッカアーム48が板状媒体26の取り出し姿勢を解消してしまうことを抑制する抑制部60を備えている。つまり、ピッカアーム48が板状媒体26の離脱動作実行中に調整アーム52とピッカアーム48との間に介在して、ピッカアーム48が第1位置から第2位置へ移動することを抑制する。一例として抑制部60は、ピッカアーム48が第1位置に移動した場合にピッカアーム48の背面部48dと直接的または間接的に接触して当該ピッカアーム48が第2位置へ移動することを抑制する。ピッカアーム48の背面側を抑制部60を用いて直接的または間接的に支持することによりピッカアーム48が第2位置へ移動することを抑制することができる。
なお、抑制部60がピッカ機構42の背面を間接的に支持する一例として、本実施形態のピッカ機構42は、図7等に示すように、ピッカアーム48が第1位置へ移動するときに抑制部60とピッカアーム48との間に進入する中間部材62を含む。そして、抑制部60は、中間部材62を介してピッカアーム48が第2位置へ移動することを抑制するように構成されている。別の実施形態においては、抑制部60の形状またはピッカアーム48の背面部48dの形状を調整して抑制部60とピッカアーム48の背面部48dを直接接触させてピッカアーム48が第2位置へ移動することを抑制するように構成してもよい。この場合、構成部品数の低減により構造の簡略化ができる。一方、図7等に示すように、抑制部60とピッカアーム48の背面部48dとの間に中間部材62を進入させて、当該中間部材62を介してピッカアーム48が第2位置へ移動することを抑制するように構成することで、各部品の小型化が可能になる。また、ピッカアーム48の小型化は、第1位置と第2位置との間の空間で、第2位置への移動を抑制するための抑制部品が移動する場合に他の部品と干渉する問題が軽減され、移動範囲の設定自由度が向上し、ピッカ機構42全体の小型化に寄与できる。
本実施形態の場合、中間部材62は、例えばベアリングで構成され、ピン86を有するプレート88に支持されている。プレート88に支持される中間部材62及びピン86は、いずれの部品にも固定されることなく、調整アーム52(抑制部60)とピッカアーム48との間の空間にフリーの状態で配置されている。ただし、ピン86には、一例としてα形状の捻りスプリング90の一端が掛け渡されて、中間部材62が図7で示す位置に向かって付勢されるように構成されている。つまり、捻りスプリング90により中間部材62は、一部が抑制部60に接触し、他の一部でピッカアーム48の背面部48dに接触する姿勢に付勢され、当該中間部材62は、抑制部60と背面部48dとの間に楔のように付勢されることになる。その結果、抑制部60は、中間部材62を介してピッカアーム48が第2位置へ移動することを抑制することができる。なお、図5においては、捻りスプリング90は図示を省略している。
このように、ピッカアーム48が第1位置に移動した場合、抑制部60及び中間部材62によって背面側から支持されることにより、ピッカアーム48は実質的に第1位置に固定される。この状態で、ベース移動用カムプレート70が板状媒体26の取り出し方向(矢印C1方向)に移動して、カムフォロア72を支持する支持軸72aがレバープレート56の長孔56bの端部に接触すると、ベース50と共にピッカアーム48が矢印C1方向に移動する。その結果、ピッカアーム48の爪部48aに引っ掛かった板状媒体26は1枚ずつカートリッジ34から取り出される。なお、姿勢調整用カムプレート54の形状は、ベース50が矢印C1方向に移動している間、カムフォロア80が姿勢調整用カムプレート54のカム面54aの底面部と接触し続けられるように構成されている。
このように抑制部60(中間部材62)を用いてピッカアーム48が第1位置から第2位置に移動することを抑制する機構を有するピッカ機構42を媒体処理装置10に備えることにより、以下のような効果が得られる。例えば、カートリッジ34に積層される板状媒体26の枚数が増加して、その自重により最下層の板状媒体26を押さえ付ける力が増加して、最下層の板状媒体26を取り出す際の摩擦抵抗が増加した場合でも、その摩擦抵抗に負けることなく板状媒体26の取り出し動作が実現できる。また取り出す板状媒体26とそれより上層にある板状媒体26との間に静電気が発生して吸着現象が生じている場合や、板状媒体26の表面保護層が原因で吸着状態になってしまっている場合でも、その吸着力に負けることなく板状媒体26の取り出し動作が実現できる。
次に、図8、図9を用いて、ピッカアーム48が第2位置に移動する場合を説明する。図6に示す姿勢調整用カムプレート54及びベース移動用カムプレート70の状態から板状媒体26の取り出しを行うために、矢印C1方向に各カムプレートが移動した場合を考える。ベース50が矢印C1方向に移動を完了した場合、つまり、板状媒体26の取り出しが完了した場合、ピッカアーム48は、次の板状媒体26の取り出しのために図6の位置まで戻る必要がある。この場合、ピッカアーム48の爪部48aは、カートリッジ34の最も下に位置する板状媒体26(次に取り出す板状媒体26)に接触しないように板状媒体26から下方に離間した第2位置に移動した状態で、図6の位置まで戻る必要がある。本実施形態のピッカ機構42は、ベース50が図8に示す位置に移動した場合に、レバープレート56も矢印C1方向に移動するが、その移動に伴いカムフォロア80と姿勢調整用カムプレート54のカム面54aとの接触位置が刻々と変化する。本実施形態の場合、板状媒体26の取り出しが完了すると、カムフォロア80とカム面54aの接触位置が高面部に移行するように構成されている。つまり、レバープレート56は、ベース50に対して矢印C2方向に相対移動する。その結果、図9に示すように、レバープレート56に回転自在に支持される調整アーム52は、回転中心52aを中心に時計回り方向に回動する。調整アーム52が時計回り方向に回動することで、抑制部60と中間部材62との接触が解消される。図9の場合、抑制部60は、例えばピッカアーム48の切り欠き部に収納される。その結果、中間部材62は捻りスプリング90により付勢されているものの、フリーの状態になる。同様に、調整アーム52が回転中心52aを中心に時計回り方向に回動することで、調整アーム52の一端である自由端52cに支持されたベアリング58は、ピッカアーム48の作動アーム48bをコイルスプリング82の付勢力に抗して反時計方向に押し下げる。さらに、作動アーム48bの押し下げ動作によって、ピッカアーム48の背面部48dは、中間部材62を捻りスプリング90の付勢力に抗して押し下げ、収納位置(例えば、ピッカアーム48の下側切り欠き部内)に移動させる。その結果、ピッカアーム48は、図9に示すように回転中心48cを中心に回動して第2位置に移動し、カートリッジ34の最下面に保持されている板状媒体26に接触しないようになる。
その後、ベース移動用カムプレート70の一端に接続された駆動ピン78の移動に応じて支点軸76を中心に回動して、連結軸74によって連結されたベース移動用カムプレート70及び姿勢調整用カムプレート54が、矢印C2方向に移動する。その結果、ガイドローラ64によって、ガイドレール68にガイドされたベース50は矢印C2方向、つまり板状媒体26の取り出し開始位置に向けて移動する。本実施形態の場合、姿勢調整用カムプレート54の形状は、矢印C1方向に移動する場合、姿勢調整用カムプレート54のカム面54aの高面部とカムフォロア80との接触が維持されるように構成されている。したがって、ピッカアーム48の爪部48aはカートリッジ34の最下面に保持されている板状媒体26に接触することなく、板状媒体26の取り出し開始位置に向けて移動できる。
図10は、本実施形態にかかる媒体処理装置10の機能ブロック図、及び当該媒体処理装置10へデータを供給する入力側システム100の機能ブロック図の一例である。
入力側システム100は、例えば、運転免許証のデータ取り込み装置(パーソナルコンピュータ等)であり、主制御部102、メモリ104、インターフェース106、操作パネル108、画像入力部110、文字情報入力部112等を含む。主制御部102は、入力側システム100全体を制御する。メモリ104は、例えば、運転免許証を作成するための画像処理プログラムやデータ処理プログラム等を格納するROMや各種データを一時的に記憶したり演算処理を実行するRAM等で構成される。インターフェース106は、媒体処理装置10側とのデータの入出力を行う。操作パネル108を介して、ユーザは、運転免許証を作成するために必要な画像の読み込み指示、加工処理、作成処理等の指示を入力する。画像入力部110には、例えばデジタルカメラやビデオカメラが接続され、運転免許証の作成に必要な画像情報が入力される。文字情報入力部112は、例えば、運転免許証の申請用紙に記載された文字情報をキーボードやスキャナ等を介して受け付ける。
媒体処理装置10は、印刷装置制御部114を中心に構成されて、当該印刷装置制御部114は、媒体処理装置10全体の制御を実行する。印刷装置制御部114には、画像処理部116、ヒータ温度制御部118、カード搬送制御部120、エレベータ制御部122、転写・剥離制御部124、カード搬送・IC−R/W制御部126等が接続されている。
画像処理部116は、入力側システム100側から入力された画像/文字データ、例えば申請者の顔写真や記載事項等の印刷を実行するための画像処理を行う。画像処理部116は、入力された画像/文字データに基づき、ヘッド制御部128が制御する各サーマルヘッド130(イエロー:Y、マゼンダ:M、シアン:C、ブラック:B)に対応するデータを生成する。ヘッド制御部128は、提供された各色の情報に基づいて対応する色のサーマルヘッド130を制御して写真印刷及び文字印刷を実行する。
ヒータ温度制御部118は、表面保護層転写ユニット20(図1参照)における表面保護層(例えばラミネートフィルム)を転写する場合に表面保護層及び板状媒体26を加熱するためのヒータ132の温度を制御する。
カード搬送制御部120は、図1に示す媒体処理装置10の媒体供給ユニット12から表面保護層転写ユニット20まで板状媒体26を搬送するために制御を実行する。カード搬送制御部120は、カード取込機構134、カード搬送機構136、転写部搬送機構138、排出搬送機構140等を制御する。カード取込機構134は、図1に示す媒体供給ユニット12に含まれる。例えば、作成対象の色の板状媒体26を搭載するカートリッジ34を媒体取り出し位置に移動する機構や、ピッカ機構42が含まれる。カード搬送機構136は、媒体供給ユニット12から取り出され1枚ずつに分けられた板状媒体26を媒体処理装置10内部の処理経路内に沿って搬送するための機構で、例えばベルトタイプの搬送機構で実現される。転写部搬送機構138は、印刷が完了した板状媒体26に表面保護層転写加工(例えばラミネート加工)を施しながら搬送を行うための搬送機構である。排出搬送機構140は、表面保護層転写ユニット20における表面保護層転写処理が完了した板状媒体26(例えば、完成した運転免許証)を媒体蓄積ユニット22のスタッカに順次蓄積するために排出搬送を実行する搬送機構である。
エレベータ制御部122は、図1に示す媒体処理装置10において、紫外線保護膜の転写処理が完了した板状媒体26を上層の処理領域から下層の処理領域に搬送するエレベータを制御する。エレベータ制御部122は、キャリッジ上下機構142及びカード搬送機構144を制御する。キャリッジ上下機構142は、板状媒体26を上下搬送するためにエレベータ用キャリッジを駆動する機構で、エレベータ用キャリッジは、板状媒体26を1枚ずつ収容し上下搬送する。カード搬送機構144は、上層領域で板状媒体26をエレベータ用キャリッジに受け入れるための搬送と、下層領域でエレベータ用キャリッジから板状媒体26を排出するための搬送を実行する。なお、媒体処理装置10が単層(各処理が同一平面内で実行される)場合は、エレベータ制御部122等は省略される。
転写・剥離制御部124は、表面保護層転写ユニット20における処理を制御する。転写・剥離制御部124は、ヒートローラ昇降機構146、ヘッド昇降機構148、転写剥離機構150等を含む。ヒートローラ昇降機構146は、表面保護層転写ユニット20で表面保護層転写加工(ラミネート加工)を実行する際にヒータ132を内蔵する加熱ローラの加圧値等を制御するための昇降動作を実行する機構である。ヘッド昇降機構148は、印刷を実行する際のサーマルヘッド130の昇降状態を制御する機構である。転写剥離機構150は、板状媒体26に転写された表面保護層と、当該表面保護層を支持していた台紙を剥離するための剥離機構である。
カード搬送・IC−R/W制御部126は、板状媒体26に内蔵されるICメモリに対して、情報の読み出し/書き込み処理を実行する。カード搬送・IC−R/W制御部126は、カード取込機構152、カード搬送機構154、IC−R/W部156、キャリッジ搬送機構158等を制御する。カード取込機構152は、板状媒体26のICメモリ部に対し情報の読み書きを行うために、板状媒体26をICキャリッジに1枚ずつ乗せ込むための機構である。カード搬送機構154は、ICキャリッジに板状媒体26を供給するために、印刷処理等が完了した板状媒体26を搬送するための機構である。IC−R/W部156は、ICキャリッジに搭載された板状媒体26に対して、当該板状媒体26のICメモリに対し情報の読み書きを実行する。キャリッジ搬送機構158は、R/W処理が終了した板状媒体26を当該板状媒体26の種類や処理期間等に応じて分類するためにICキャリッジを振り分け搬送するための機構である。
なお、媒体処理装置10には、この他カード集積機構160や集塵機構162等を含む。カード集積機構160は、キャリッジ搬送機構158によって分類された完成済みの板状媒体26(例えば、完成した運転免許証)を順次集積する。また、集塵機構162は、板状媒体26の印刷品質等を維持するために媒体処理装置10内の集塵を行う機構である。
なお、図10に示す構成は、一例であり、処理する板状媒体26に応じて、入力側システム100側の構成や媒体処理装置10側の構成は適宜変更可能である。
以上、説明されたように、本実施形態では、媒体処理装置10は、一例として、ピッカアーム48(爪部材)と、調整アーム52(調整部材)と、カム機構と、抑制部60とを備える。ピッカアーム48(爪部材)は、上下方向に積み重ねられた複数の板状媒体26が保持されたカートリッジ34(保持部)から最も下に位置する板状媒体26を離脱させるために板状媒体26の側端部26cに引っかかる第1位置と最も下に位置する板状媒体26から離間した第2位置との間を移動自在である。調整アーム52(調整部材)は、ピッカアーム48の移動に対応し移動して当該ピッカアーム48の移動姿勢を調整する。カム機構は、調整アーム52を移動させる。抑制部60は、ピッカアーム48が板状媒体26の離脱動作実行中に調整アーム52とピッカアーム48との間に介在してピッカアーム48が第1位置から第2位置へ移動することを抑制する。よって、本実施形態によれば、一例としては、媒体処理装置10における板状媒体26の取り出しを小型化された機構で実行できる。また、ピッカアーム48は板状媒体26の離脱動作中に第2位置に移動することが抑制されるので、板状媒体26の取り出しミスが抑制できる。
また、本実施形態の媒体処理装置10では、一例として、抑制部60は、ピッカアーム48が第1位置に移動した場合にピッカアーム48の背面と接触して当該ピッカアーム48が第2位置へ移動することを抑制する。よって、本実施形態によれば、一例としては、ピッカアーム48が板状媒体26の取り出し動作中(離脱動作中)に第2位置に向かって移動してしまうことが防止できる。
また、本実施形態の媒体処理装置10では、一例として、抑制部60は、調整アーム52に設けられピッカアーム48の第1位置への移動に対応して、ピッカアーム48が第2位置へ移動することを抑制する位置に移動する。よって、本実施形態によれば、一例としては、ピッカアーム48の移動に対応してピッカアーム48が第2位置に移動することが抑制できる。その結果、ピッカアーム48が板状媒体26の取り出し動作中(離脱動作中)に第2位置に向かって移動してしまうことが防止できる。
また、本実施形態の媒体処理装置10では、一例として、ピッカアーム48が第1位置へ移動するときに抑制部60とピッカアーム48との間に進入する中間部材62を含む。抑制部60は、中間部材62を介してピッカアーム48が第2位置へ移動することを抑制する。よって、本実施形態によれば、一例としては、ピッカアーム48が第2位置に移動することを抑制するための各構成部品の小型化が可能になる。また、ピッカアーム48の小型化は、第1位置と第2位置との間の空間で、第2位置への移動を抑制するための抑制部品が移動する場合に他の部品と干渉する問題が軽減され、移動範囲の設定自由度が向上し、ピッカ機構42全体の小型化に寄与できる。
また、本実施形態の媒体処理装置10では、一例として、ピッカアーム48はコイルスプリング82(第1付勢部材)により第1位置に付勢される。また、中間部材62は捻りスプリング90(第2付勢部材)により抑制部60とピッカアーム48との間に進入する方向に付勢される。調整アーム52は、ピッカアーム48を第2位置に移動させる場合は、捻りスプリング90の付勢力に抗して中間部材62を付勢位置から退避させる。また、調整アーム52は、コイルスプリング82の付勢力に抗してピッカアーム48を第2位置に移動させる。よって、本実施形態によれば、一例としては、板状媒体26の取り出し動作を行う際には、ピッカアーム48が第1位置に移動しその状態を容易に維持することが可能になり、板状媒体26の取り出し動作の信頼性が向上する。
また、本実施形態の媒体処理装置10では、一例として、カム機構は、ピッカアーム48が第1位置に移動した姿勢を維持したまま板状媒体26をカートリッジ34から離脱する方向にピッカアーム48を移動させる。よって、本実施形態によれば、一例としては、第1位置に移動したピッカアーム48の姿勢維持を容易に実現し、板状媒体26の取り出し動作中(離脱動作中)に第2位置に向かって移動してしまうことが防止できる。また、カム機構によりピッカアーム48の姿勢移動動作及び板状媒体26の取り出し移動動作を迅速に実行することができる。
本実施形態では、板状媒体26の一例として、運転免許証を示したが1枚ずつ取り出して処理を必要とする板状媒体であれば本実施形態の構成が適用可能であり、同様の効果を得ることができる。例えば、板状媒体26として、会員カード、診察券、キャッシュカード、クレジットカード、入場カード等に本実施形態の構成が適用可能であり同様の効果を得ることができる。また、いわゆるカードに限らず、板状の媒体であれば同様に本実施形態の媒体処理装置を適用できる。
以上、本発明の実施形態や変形例を例示したが、上記実施形態や変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各実施形態や変形例の構成は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
10…媒体処理装置、12…媒体供給ユニット、14…印刷ユニット、16…紫外線保護膜転写ユニット、18…エレベータユニット、20…表面保護層転写ユニット、22…媒体蓄積ユニット、24…制御ユニット、26…板状媒体、26c…側端部、42…ピッカ機構、48…ピッカアーム、48a…爪部、52…調整アーム、54…姿勢調整用カムプレート、56…レバープレート、60…抑制部、62…中間部材、70…ベース移動用カムプレート、82…コイルスプリング、90…捻りスプリング。
Claims (6)
- 上下方向に積み重ねられた複数の板状媒体が保持された保持部から最も下に位置する前記板状媒体を離脱させるために前記板状媒体の側端部に引っかかる第1位置と前記最も下に位置する前記板状媒体から離間した第2位置との間を移動自在な爪部材と、
前記爪部材の移動に対応し移動して前記爪部材の移動姿勢を調整する調整部材と、
前記調整部材を移動させるカム機構と、
前記爪部材が前記板状媒体の離脱動作実行中に前記調整部材と前記爪部材との間に介在して前記爪部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動することを抑制する抑制部と、
を備える媒体処理装置。 - 前記抑制部は、前記爪部材が前記第1位置に移動した場合に前記爪部材の背面と接触して当該爪部材が前記第2位置へ移動することを抑制する請求項1に記載の媒体処理装置。
- 前記抑制部は、前記調整部材に設けられ前記爪部材の前記第1位置への移動に対応して、前記爪部材が前記第2位置へ移動することを抑制する位置に移動する請求項1または請求項2に記載の媒体処理装置。
- 前記爪部材が前記第1位置へ移動するときに前記抑制部と前記爪部材との間に進入する中間部材を含み、前記抑制部は、前記中間部材を介して前記爪部材が前記第2位置へ移動することを抑制する請求項3に記載の媒体処理装置。
- 前記爪部材は第1付勢部材により前記第1位置に付勢され、前記中間部材は第2付勢部材により前記抑制部と前記爪部材との間に進入する方向に付勢され、
前記調整部材は、前記爪部材を前記第2位置に移動させる場合は、前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記中間部材を付勢位置から退避させるととともに、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記爪部材を前記第2位置に移動させる請求項4に記載の媒体処理装置。 - 前記カム機構は、前記爪部材が前記第1位置に移動した姿勢を維持したまま前記板状媒体を前記保持部から離脱する方向に前記爪部材を移動させる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の媒体処理装置。
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JP2014052389A JP2015174732A (ja) | 2014-03-14 | 2014-03-14 | 媒体処理装置 |
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2014
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