JP2015174606A - プログラム及び運転曲線作成装置 - Google Patents

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一将 熊澤
Kazumasa Kumazawa
一将 熊澤
峻一 田中
Shunichi Tanaka
峻一 田中
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Abstract

【課題】分岐器の通過を考慮した運転曲線の作成を可能とすること。【解決手段】運転曲線作成装置1は、指定された発駅の出発番線から着駅の到着番線に至る走行経路における分岐器(通過分岐器)を判定し、判定した通過分岐器それぞれを、その番線及び開通方向に基づき曲線とみなして線路条件を修正し、運転曲線を作成する。経路上の曲線は曲線抵抗として走行する列車に働くことで、列車の走行速度に影響を与える。【選択図】図4

Description

本発明は、運転曲線作成装置等に関する。
効率的な列車の運行計画を作成するための運転曲線を、コンピュータを用いて作成する装置が知られている。運転曲線は、速度制限を守りつつ列車の能力の範囲内で走行時分が最短となるように作成されるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特開平08−156794号公報
列車の走行の際には、その進行方向に対する列車抵抗が働き、走行速度に影響を与えることが知られている。列車抵抗には、主に、停止から動き出すときに発生する出発抵抗、レール走行時に常時発生する走行抵抗、勾配の走行時に発生する勾配抵抗、レールの曲線部分の走行時に発生する曲線抵抗、トンネル内の走行時に発生するトンネル抵抗などがある。
ところで、実際の走行では、経験上、分岐器の通過時に走行速度が低下することが知られている。特に、構内に多数の分岐器が設置されているターミナル駅における到着・出発時など、複数の分岐器を通過する場合に顕著であった。しかしながら、従来の運転曲線の作成においては、分岐器の通過自体が考慮されていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、分岐器の通過を考慮した運転曲線の作成を可能とすることである。
上記課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータに、所与の発駅の所与の出発番線から所与の着駅の所与の到着番線までの曲線及び勾配を含む線路条件を用いて運転曲線を作成させるためのプログラムであって、
配線データに基づいて、前記出発番線から前記到着番線までの経路と、当該経路上の通過分岐器と、当該通過分岐器の開通方向とを判定する判定手段(例えば、図4の走行経路判定部210)、
前記通過分岐器及び前記開通方向に基づいて前記線路条件のうちの当該通過分岐器の部分に所与の曲線を適用して前記線路条件を修正する修正手段(例えば、図4の線路条件修正部220)、
前記修正された線路条件を用いて運転曲線を作成する作成手段(例えば、図4の基本処理部230)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム(例えば、図4の運転曲線作成プログラム310)である。
また、他の発明として、
所与の発駅の所与の出発番線から所与の着駅の所与の到着番線までの曲線及び勾配を含む線路条件を用いて運転曲線を作成する運転曲線作成装置であって、
配線データに基づいて、前記出発番線から前記到着番線までの経路と、当該経路上の通過分岐器と、当該通過分岐器の開通方向とを判定する判定手段(例えば、図4の走行経路判定部210)と、
前記通過分岐器及び前記開通方向に基づいて前記線路条件のうちの当該通過分岐器の部分に所与の曲線を適用して前記線路条件を修正する修正手段(例えば、図4の線路条件修正部220)と、
前記修正された線路条件を用いて運転曲線を作成する作成手段(例えば、図4の基本処理部230)と、
を備えた運転曲線作成装置(例えば、図4の運転曲線作成装置1)を構成しても良い。
この第1の発明等によれば、分岐器の通過を考慮した運転曲線の作成を行うことができる。すなわち、所与の出発番線から所与の到着番線までの経路上の通過分岐器とその開通方向を判定し、判定した通過分岐器及びその開通方向に基づいて、線路条件のうちの当該通過分岐器の部分に所与の曲線を適用して線路条件を修正し、修正した線路条件を用いて運転曲線を作成する。つまり、経路上の通過分岐器を曲線とみなして線路条件を修正し、運転曲線を作成している。経路上の曲線は曲線抵抗として走行する列車に働くことで、列車の走行速度に影響を与える。結果、通過分岐器を考慮した運転曲線を作成することができる。
また、第2の発明として、第1の発明のプログラムであって、
前記配線データには、前記発駅から前記着駅間の線路上に配置された各分岐器の種類及び番数が定められており、
前記修正手段は、前記通過分岐器の種類及び番数と前記開通方向とに応じた曲線半径を算出し、算出した曲線半径の曲線を適用して前記線路条件を修正する、
プログラムを構成しても良い。
この第2の発明によれば、線路条件の修正は、通過分岐器の種類及び番数と開通方向とに応じた曲線半径を算出し、算出した曲線半径の曲線を適用することで行われる。
また、第3の発明として、第1又は第2の発明のプログラムであって、
前記修正手段は、所与の列車長に基づいて、前記適用の範囲を設定する適用範囲設定手段を有する、
プログラムを構成しても良い。
この第3の発明によれば、通過分岐器の部分に所与の曲線を適用する範囲が、所与の列車長に基づいて設定される。
また、第4の発明として、第2の発明のプログラムであって、
前記修正手段は、前記通過分岐器の種類及び番線と前記開通方向とに基づいて、前記適用の範囲を設定する適用範囲設定手段を有する、
プログラムを構成しても良い。
この第4の発明によれば、通過分岐器の部分に所与の曲線を適用する範囲が、当該通過分岐器の種類及び番線と開通方向とに基づいて設定される。
また、第5の発明として、第3又は第4の発明のプログラムであって、
前記修正手段は、前記適用の範囲が重複した重複範囲については、曲線半径の短い方の曲線を適用する、
プログラムを構成しても良い。
この第5の発明によれば、通過分岐器の部分に所与の曲線を適用する範囲が重複した重複範囲については、曲線半径の短い方の曲線を適用することができる。
分岐器の形状の一例。 分岐器に対する等価な曲線抵抗の適用範囲の説明図。 適用範囲が重複する場合の説明図。 運転曲線作成装置の機能構成図。 配線の一例。 分岐器設定データのデータ構成例。 通過分岐器データのデータ構成例。 運転曲線作成処理のフローチャート。
[概要]
本実施形態の運転曲線作成装置では、列車抵抗として、分岐器の通過時に生じる抵抗(以下、「分岐器抵抗」という)を考慮して運転曲線を作成する。具体的には、分岐器抵抗を、列車抵抗の一つである曲線抵抗とみなして運転曲線の作成を行うこととする。
列車抵抗には、出発抵抗や走行抵抗、勾配抵抗、曲線抵抗、トンネル抵抗が含まれる。出発抵抗は、列車が出発して動き出すときに発生する抵抗であり、主に車軸と軸受の摩擦に起因して発生する。走行抵抗は、列車が走行しているときに発生する抵抗であり、空気抵抗や、車輪とレール間の摩擦抵抗、車軸と軸受の摩擦抵抗等を含む。勾配抵抗は、勾配を走行するときに発生する抵抗であり、重力のうち、勾配と平行な方向の成分として求められる。この勾配抵抗は、上り勾配では列車を減速させる方向に働き、下り勾配では列車を加速させる方向に働く。曲線抵抗は、曲線部分を走行するときに発生する抵抗であり、その曲線部分の曲線半径によって決まる。トンネル抵抗は、トンネル内を走行しているときに発生する抵抗であり、主に、トンネル外に比べて風圧が増大することによって発生する。
(a)分岐器の形状
線路において、例えば本線から支線(副線)が分岐する位置(分岐点)には分岐器が設置される。分岐器には、複数の形状がある。図1に、分岐器の代表的な形状を示す。図1(a)は片開き分岐器、図1(b)は両開き分岐器、図1(c)は振り分け分岐器、である。片開き分岐器は、直線軌道から分岐線を左または右の一方側に分岐させた分岐器である。両開き分岐器は、直線軌道から分岐線を左右両側に等角に開いて分岐させた分岐器である。振り分け分岐器は、直線軌道から分岐線を左右両側に不等角に開いて分岐させた分岐器であり、左右方向への分岐割合は振り分け率によって示される。
現在、設置されている分岐器は片開き分岐器が殆どである。このため、以下では、片開き分岐器を対象として説明する。片開き分岐器は、直線レールである基準線から、曲線レールである分岐線が分岐するような形状をしている。つまり、片開き分岐器の分岐線(反位側)を通過時に、曲線レールである分岐線に起因する曲線抵抗が発生する。
(b)曲線抵抗
片開き分岐器の分岐線の曲線半径Rは、当該分岐器の番数Nから、次式(1)で与えられる。
R=2×D×N[m] ・・(1)
式(1)において、「D」は軌間[m]である。
番数Nは、基準線から分岐線が分岐する角度(分岐角)を示す値であり、片開き分岐器の場合、番数Nは、分岐角θから次式(2)で与えられる。
N=1/tanθ ・・(2)
そして、片開き分岐器の分岐線を通過時の曲線抵抗Rcは、当該分岐線の曲線半径Rから、次式(3)で与えられる。
Rc=800/R[kg/t] ・・(3)
このように、片開き分岐器の番数Nから当該分岐器の曲線半径Rが求まり、この曲線半径Rを曲線抵抗Rcに変換することができる。例えば、8番分岐器(番数N=8)の場合、式(1)から、軌間Dを、D=1.067[m]、とすると、曲線半径Rは、R=2×1.067×8=133.6[m]、となる。そして、曲線抵抗Rcは、Rc=800/133.6=5.85[kg/t]、となる。
(c)曲線抵抗Rcの適用範囲
分岐器の分岐器抵抗の曲線抵抗Rcは、図2に示すように、当該分岐器10の分岐点(分岐位置)を中心とし、想定する列車長Lの範囲に対して適用する。片開き分岐器では、分岐線(反位側)を通過時に分岐器抵抗が発生する。このため、分岐抵抗の曲線抵抗Rcの適用は、分岐線(反位側)を通過時にのみなされ、その適用範囲は、当該分岐線(反位側)を通過する経路に沿った範囲となる。なお、曲線抵抗Rcの適用範囲は、分岐器の分岐点を中心とする範囲に限らず、例えば、分岐点から分岐線(反位側)である曲線レール側の部分のみの範囲とし、直線レール(基準線)側を含まない範囲としても良い。
また、多数の側線を有する駅構内では、分岐点の数も多く、複数の分岐器が近接して設置されることが多い。このため、図3に示すように、複数の分岐器それぞれに適用する適用範囲が重複することがある。このような場合には、適用範囲同士が重複する部分(以下「重複範囲」という)については、それぞれの適用範囲に適用する曲線抵抗Rcのうち、最も大きい曲線抵抗Rcを適用する。
図3に示す例では、2つの分岐器10A,10Bが設置されている。分岐器10A,10Bともに分岐線(反位側)を通過する場合、分岐器10A,10Bの間で、分岐器10Aの適用範囲Aと、分岐器10Bの適用範囲Bとの一部が重複する。この場合、適用範囲Aのうち重複範囲を除く範囲については、分岐器10Aの曲線抵抗Rcaを適用し、適用範囲10Bのうち重複範囲を除く範囲については、分岐器10Bの曲線抵抗Rcbを適用する。そして、適用範囲A,Bの重複範囲については、Rca>Rcb、の場合には、分岐器10Aの曲線抵抗Rcaを適用し、Rca<Rcb、の場合は、分岐器10Bの曲線抵抗Rcbを適用する。
[機能構成]
図4は、運転曲線作成装置1の機能構成図である。図4によれば、運転曲線作成装置1は、操作部110と、表示部120と、通信部130と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される一種のコンピュータである。
操作部110は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等で構成される入力装置であり、ユーザの操作入力に応じた操作信号を処理部200に出力する。表示部120は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等で構成される表示装置であり、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。通信部130は、例えば無線通信モジュールやルータ、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路で構成される通信装置であり、外部機器との間でデータ通信を行う。
処理部200は、例えばCPU等の演算装置で構成され、記憶部に記憶されたプログラムやデータ、操作部からの入力データ等に基づいて各種演算処理を行うとともに、運転曲線作成装置1を構成する各部への指示やデータ転送を行う。また、処理部200は、運転曲線作成プログラム310(図8参照)を実行することで、運転曲線作成部202として機能する。運転曲線作成部202には、走行経路判定部210と、線路条件修正部220と、基本処理部230とが含まれる。
走行経路判定部210は、運転曲線の作成対象として指定される所与の発駅の所与の出発番線から所与の着駅の所与の到着番線に至る走行経路を、配線データ340を参照して判定する。配線データ340は、各駅の構内や駅間を含む路線の配線のデータであり、ホームや線路(各番線の線路を含む)の配置のほか、線路の各位置の直線・曲線・勾配に関する情報、構内に設置されている分岐器の位置や種類、番数、信号機や軌道回路の位置や種類といった地上設備の情報、最高速度や制限速度等の走行速度条件の情報も含んでいる。判定した走行経路については、走行経路データ360として記憶される。
図5は、隣接する2つの駅(A,B駅)における配線の一例を示している。同図によれば、A駅構内には、3つの番線1〜3が設けられ、隣駅であるB駅との間には5つの分岐器10A〜10Eが設置されている。また、B駅構内には、4つの番線1〜4が設けられ、隣駅であるA駅との間には6つの分岐器10F〜10Kが設置されている。この場合、例えば「A駅の1番線」から「B駅の3番線」に至る走行経路における通過分岐器は、分岐器10A,10B,10C,10F,10J,10Kとなる。ただし、反位側の通過分岐器は、分岐器10A,10F,10Jとなる。
線路条件修正部220は、分岐器通過時の列車抵抗を考慮して線路条件を修正する。線路条件とは、運転曲線の作成対象となる走行経路の線路を定義するための情報であり、線路長や勾配、曲線半径、駅間最高速度、速度制限区間、トンネル区間といった情報が含まれる。修正が施される前の線路条件は、配線データ340のうち、走行経路に関するデータを参照して、基本線路条件(基本線路条件データ320)として設定・記憶される。また、基本線路条件を修正した線路条件は、修正線路条件(修正線路条件データ380)として記憶される。本実施形態では、線路条件に含まれる「曲線半径」を修正するものとする。
修正の処理手順について具体的に説明する。まず、走行経路判定部210によって判定された走行経路(走行経路データ360)上の分岐器(通過分岐器)を抽出し、抽出した通過分岐器それぞれについて、配線データ340を参照して、番数Nと、開通方向とを判定する。そして、通過分岐器それぞれについて、番数N及び開通方向に基づいて曲線半径Rを算出する。すなわち、開通方向が定位である通過分岐器については、直線レールである基準線を通過するため、曲線半径Rをゼロ(直線相当)とする。また、開通方向が反位である通過分岐器については、分岐器設定データ350を参照して、番数Nに応じて曲線半径Rを決定する。
図6は、分岐器設定データ350のデータ構成例を示す図である。図6によれば、分岐器設定データ350は、片開き分岐器について、番数351それぞれに、曲線半径352を対応付けて格納している。曲線半径352は、対応する番線Nから、式(1)に従って算出された値である。
続いて、通過分岐器それぞれについて、分岐器抵抗の曲線半径R(すなわち、この曲線半径から求められる曲線抵抗Rc)の適用範囲を設定する。すなわち、図2に示したように、走行経路に沿った範囲であって、通過分岐器の分岐点を中心とする列車長の範囲を、当該通過分岐器に対応する適用範囲とする。
このとき、図3に示したように、複数の通過分岐器についての適用範囲が重複する場合には、重複範囲については、当該複数の通過分岐器のうち、曲線半径Rが最も小さい(すなわち、等価な曲線抵抗Rcが最も大きい)通過分岐器の適用範囲とし、それ以外の通過分岐器については、重複範囲を除いた範囲を、当該通過分岐器の適用範囲とする。走行経路上の分岐器(通過分岐器)について判定した曲線半径Rや適用範囲のデータは、通過分岐器データ370として記憶される。
図7は、通過分岐器データ370のデータ構成例を示す図である。図7によれば、通過分岐器データ370は、通過分岐器それぞれについて、分岐器ID371と、番数372と、開通方向373と、曲線半径374と、適用範囲375とを対応付けて格納している。適用範囲375は、例えばキロ程で表現される。
その後、線路条件修正部220は、通過分岐器データ370を参照して、基本線路条件(基本線路条件データ320)として定められている曲線半径を修正する。具体的には、通過分岐器データ370で定められる通過分岐器それぞれの適用範囲に対応する範囲について、基本線路条件として定められている曲線半径を、当該通過分岐器の曲線半径Rに置き換えることで、当該範囲の曲線半径を修正する。
基本処理部230は、修正線路条件(修正線路条件データ380)、及び、車両条件に基づいて、走行経路判定部210によって判定された走行経路(走行経路データ360)の運転曲線を作成する。車両条件は、最大加速力や最大減速力、重量、列車長といった想定する列車の諸元に関する条件であり、車両条件データ330として記憶されている。
基本処理部230は、修正線路条件で定められる制限速度を守りつつ、曲線抵抗や勾配抵抗を含む列車抵抗を考慮し、車両条件で定められる列車の能力の範囲内で、走行時分が最短となるように、指定された走行経路の運転曲線を作成する。この基本処理部230が行う処理は基本処理プログラム312として、運転曲線作成プログラム310のサブルーチンプログラムとして実現されるものであり、公知の処理で実現できるため、詳細な説明は省略する。作成した運転曲線は、運転曲線データ390として記憶される。
記憶部300は、処理部200が運転曲線作成装置1を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作部110からの入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、処理部200を運転曲線作成部202として機能させるための運転曲線作成プログラム310と、基本線路条件データ320と、車両条件データ330と、配線データ340と、分岐器設定データ350と、走行経路データ360と、通過分岐器データ370と、修正線路条件データ380と、運転曲線データ390とが記憶される。
[処理の流れ]
図8は、運転曲線作成装置1が実行する運転曲線作成処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、処理部200が運転曲線作成プログラム310を実行することで実現される。
図8によれば、先ず、走行経路判定部210が、例えば操作部110からのユーザの操作入力等に従って、発駅の出発番線及び着駅の到着番線を設定する(ステップS1)。そして、配線データ340を参照して、設定した発駅の出発番線から着駅の到着番線に至る走行経路を判定する(ステップS3)。次いで、配線データ340のうちの走行経路に係るデータに基づいて、基本線路条件(基本線路条件データ320)を設定する(ステップS5)。また、線路条件修正部220が、走行経路上の分岐器(通過分岐器)を抽出し、抽出したこれらの通過分岐器の番線、及び、開通方向を判定する(ステップS7)。
続いて、抽出した通過分岐器それぞれを対象としたループAの処理(繰り返し処理)を行う。ループAでは、対象の通過分岐器の番数N、及び、開通方向から、分岐器設定データ350を参照して、対象の通過分岐器の曲線半径Rを求める(ステップS9)。また、対象の通過分岐器の分岐点を含む列車長の範囲を、当該対象の通過分岐器による分岐器抵抗の適用範囲とする(ステップS11)。
次いで、通過分岐器データ370を参照して、この適用範囲が、他の通過分岐器の適用範囲と重複するかを判定する。他の通過分岐器の適用範囲と重複する場合には(ステップS13:YES)、重複範囲に既に設定されている曲線半径と、新たな適用範囲となる当該対象の通過分岐器の曲線半径Rとを比較し、小さい方を重複範囲に設定して、通過分岐器データ370を更新する(ステップS15)。また、対象の通過分岐器の適用範囲のうち、重複しない範囲については、対象の通過分岐器の曲線半径Rを設定して、通過分岐器データ370を更新する(ステップS17)。一方、重複しない場合には(ステップS13:NO)、対象の通過分岐器の適用範囲に、対象の通過分岐器の曲線半径Rを設定して、通過分岐器データ370を更新する(ステップS19)。ループAはこのように行われる
全ての通過分岐器を対象としたループAの処理を終了すると、基本線路条件データ320のうち、通過分岐器それぞれの適用範囲について、当該通過分岐器の曲線半径Rに置き換えることで、基本線路条件を修正する(ステップS19)。その後、基本処理部230が、修正後の線路条件(修正線路条件データ380)、及び、車両条件に従って、指定された走行経路の運転曲線を作成する(ステップS21)。
[作用効果]
このように、本実施形態の運転曲線作成装置1は、指定された発駅の出発番線から着駅の到着番線に至る走行経路における分岐器(通過分岐器)を判定し、判定した通過分岐器それぞれを、その番線及び開通方向に基づき等価な曲線とみなして線路条件を修正し、運転曲線を作成している。経路上の曲線は曲線抵抗として走行する列車に働くことで、列車の走行速度に影響を与える。これにより、通過分岐器を考慮した運転曲線の作成を行うことが可能となる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)重複範囲
上述の実施形態では、複数の分岐器の適用範囲の重複範囲について、当該複数の分岐器それぞれの曲線半径Rのうちの最小値を適用することとしたが(図3参照)、最小値ではなく、この曲線半径の最小値から所定値を減算した値を適用することとしても良い。
(B)曲線抵抗の適用範囲
また、上述の実施形態では、通過分岐器の曲線抵抗Rc(曲線半径R)の適用範囲を想定する列車長としたが、当該通過分岐器の番数Nに応じて適用範囲を決定することとしても良い。すなわち、分岐器の曲線部分(片開き分岐器では、分岐線)の長さを、曲線抵抗Rcの適用範囲とするが、この曲線部分の長さは曲線半径Rによって求めることができ、曲線半径Rは、式(8)のように、番数Nによって決まる。番数Nが大きいほど、分岐角θが小さく、分岐線の曲線部分の長さが長くなるため、適用範囲が広く(長く)なるように設定すればよい。
(C)基本線路条件の修正
また、上述の実施形態では、基本線路条件にて定められている通過分岐器に係る適用範囲を、通過分岐器の曲線半径Rに置き換えることで基本線路条件の修正を行うこととしたが、当該適用範囲が曲線部分である場合には、当該適用範囲の曲線半径と通過分岐器の曲線半径Rとを比較し、小さい方を適用することとしても良い。
(D)分岐器の種類
また、上述の実施形態では、片開き分岐器を中心に説明したが、他の形状の分岐器についても同様に本実施形態を適用可能であることは勿論である。
例えば、図1(b)に示した両開き分岐器は、基準線及び分岐線の何れも曲線レールであり、基準線(定位側)及び分岐線(反位側)の何れを通過する場合にも分岐器抵抗が発生する。また、基準線及び分岐線が等角に開いた形状であるため、それぞれの曲線半径Rは同じとなる。なお、両開き分岐器の番数Nは、分岐角θから、N=2/tan(θ/2)、と与えられる。
また、図1(c)に示した振り分け分岐器は、基準線及び分岐線の何れも曲線レールであり、基準線(定位側)及び分岐線(反位側)の何れを通過する場合にも分岐器抵抗が発生する。また、基準線及び分岐線が不等角に開いた形状であるため、それぞれの曲線半径Rは異なり、直線部分に対してなす角θ1,θ2に応じて決まる。
そして、複数種類の分岐器が設置されている場合には、配線データ340において、設置されている区々の分岐器の種類をさらに記憶しておく。また、分岐器設定データ350を、分岐器の種類毎に用意しておく。これにより、通過分岐器の種類に応じた分岐器設定データ350を参照することで、当該分岐器の曲線半径Rを判定し、線路条件を修正することができる。
(E)勾配抵抗への変換
上述した実施形態では、線路条件修正部220が通過分岐器の分岐器抵抗として曲線抵抗を用いて基本線路条件を修正し、修正線路条件(修正線路条件データ380)を作成する例を説明したが、曲線抵抗ではなく、勾配を用いて修正線路条件を作成することとしてもよい。
具体的に説明する。傾斜角φの上り勾配における勾配抵抗Reは、次式(4)で与えられる。
Re=W×g×sinφ[N] ・・(4)
式(4)において、「g」は重力加速度g、「W」は列車重量[t]である。
傾斜角φが充分小さい場合、sinφ≒tanφ、と近似できる。また、傾斜角φは、勾配量hで表すと、h=tanφ、となる。従って、式(4)に示す勾配抵抗Reは、次式(5)に近似できる。
Re≒φ[kg/t] ・・(5)
そして、式(3)で示した曲線抵抗Rcを、式(5)で示した勾配抵抗Reと等価であるとみなすと、次式(6)が成り立つ。
h=Rc ・・(6)
このように、片開き分岐器の番数Nから求まる当該分岐器の曲線抵抗Rcは、等価な勾配量hに変換することができる。例えば、8番分岐器(番数N=8)の場合、式(1)から、軌間Dを、D=1.067[m]、とすると、曲線半径Rは、R=2×1.067×8=133.6[m]、となる。そして、曲線抵抗Rcは、Rc=800/133.6=5.85[kg/t]、となる。これは、約6[‰]の上り勾配hにおける勾配抵抗Reと等価となる。
つまり、線路条件修正部220が次の処理を行う。すなわち、通過分岐器それぞれについて、番数N及び開通方向に基づき、式(1),(3),(6)から等価な勾配量hを算出する。また、複数の通過分岐器の適用範囲が重複する重複範囲については、勾配量hが最も大きい通過分岐器の適用範囲とする。なお、複数の分岐器の適用範囲の重複範囲について、該当する勾配量hのうちの最大値ではなく、この勾配量の最大値にさらに所定値を加算した値を適用することとしても良いし、該当する勾配量hの総和を適用することとしても良い。そして、通過分岐器それぞれに対応する範囲について、基本線路条件に定められている勾配量に、当該通過分岐器に等価な勾配量hを加算することで、基本線路条件を修正する。
1 運転曲線作成装置
110 操作部、120 表示部、130 通信部
200 処理部
202運転曲線作成部、210 走行経路判定部、220 線路条件修正部、230 基本処理部
300 記憶部
310 運転曲線作成プログラム、312 基本処理プログラム、320 基本線路条件データ、330 車両条件データ、340 配線データ、350 分岐器設定データ、360 走行経路データ、370 通過分岐器データ、380 修正線路条件データ、390 運転曲線データ

Claims (6)

  1. コンピュータに、所与の発駅の所与の出発番線から所与の着駅の所与の到着番線までの曲線及び勾配を含む線路条件を用いて運転曲線を作成させるためのプログラムであって、
    配線データに基づいて、前記出発番線から前記到着番線までの経路と、当該経路上の通過分岐器と、当該通過分岐器の開通方向とを判定する判定手段、
    前記通過分岐器及び前記開通方向に基づいて前記線路条件のうちの当該通過分岐器の部分に所与の曲線を適用して前記線路条件を修正する修正手段、
    前記修正された線路条件を用いて運転曲線を作成する作成手段、
    として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
  2. 前記配線データには、前記発駅から前記着駅間の線路上に配置された各分岐器の種類及び番数が定められており、
    前記修正手段は、前記通過分岐器の種類及び番数と前記開通方向とに応じた曲線半径を算出し、算出した曲線半径の曲線を適用して前記線路条件を修正する、
    請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記修正手段は、所与の列車長に基づいて、前記適用の範囲を設定する適用範囲設定手段を有する、
    請求項1又は2に記載のプログラム。
  4. 前記修正手段は、前記通過分岐器の種類及び番線と前記開通方向とに基づいて、前記適用の範囲を設定する適用範囲設定手段を有する、
    請求項2に記載のプログラム。
  5. 前記修正手段は、前記適用の範囲が重複した重複範囲については、曲線半径の短い方の曲線を適用する、
    請求項3又は4に記載のプログラム。
  6. 所与の発駅の所与の出発番線から所与の着駅の所与の到着番線までの曲線及び勾配を含む線路条件を用いて運転曲線を作成する運転曲線作成装置であって、
    配線データに基づいて、前記出発番線から前記到着番線までの経路と、当該経路上の通過分岐器と、当該通過分岐器の開通方向とを判定する判定手段と、
    前記通過分岐器及び前記開通方向に基づいて前記線路条件のうちの当該通過分岐器の部分に所与の曲線を適用して前記線路条件を修正する修正手段と、
    前記修正された線路条件を用いて運転曲線を作成する作成手段と、
    を備えた運転曲線作成装置。
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