JP2015173004A - ケーブル用撚線及びケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】耐屈曲性、軽量性、及び、耐食性に優れたケーブル用撚線を提供する。
【解決手段】ケーブル用撚線10は、アルミニウム線21と、アルミニウム線21を被覆する第1の銅被覆層22と、を有する銅被覆アルミニウム線20と、鋼線31と、鋼線31を被覆する第2の銅被覆層32と、を有する銅被覆鋼線30と、を備えており、銅被覆アルミニウム線20と銅被覆鋼線30は撚り合わせられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の素線を撚り合わせて構成されるケーブル用撚線、及び、それを備えたケーブルに関するものである。
ケーブルの特性を高めるための複合撚線として、例えば、銅線と銅被覆鋼線を撚り合わせた撚線(例えば特許文献1参照)や、銅線と銅被覆アルミニウム線を撚り合わせた撚線(例えば特許文献2参照)や、鋼線とアルミニウム線を撚り合わせた撚線(例えば特許文献3参照)が知られている。
特開2010−45040号公報 特開2009−152141号公報 特開2000−90744号公報
ロボット用ケーブル、自動車用ケーブル、オーディオ用ケーブル等の用途では、耐屈曲性、軽量性、及び、耐食性の3つの特性がケーブルに要求され、ケーブルがこれら全ての特性を兼ね備えていることが要求される。
これに対し、上記の銅線と銅被覆鋼線から構成される撚線は軽量性に劣っている。また、上記の銅線と銅被覆アルミニウム線から構成される撚線は耐屈曲性に劣っている。さらに、上記の鋼線とアルミニウム線から構成される撚線は、異種金属が接触しているため耐食性に劣っている。
本発明が解決しようとする課題は、耐屈曲性、軽量性、及び、耐食性に優れたケーブル用撚線、及び、それを備えたケーブルを提供することである。
[1]本発明に係るケーブル用撚線は、アルミニウム線と、前記アルミニウム線を被覆する第1の銅被覆層と、を有する少なくとも一本の銅被覆アルミニウム線と、鋼線と、前記鋼線を被覆する第2の銅被覆層と、を有する少なくとも一本の銅被覆鋼線と、を備えており、前記銅被覆アルミニウム線と前記銅被覆鋼線を撚り合わせたことを特徴とする。
[2]上記発明において、下記の(1)式を満たしてもよい。
5%≦SCA1/SCA2≦80% … (1)
但し、上記の(1)式において、SCA1は、前記銅被覆アルミニウム線における前記第1の銅被覆層の断面積であり、SCA2は、前記銅被覆アルミニウム線の全体の断面積である。
[3]上記発明において、下記の(2)式を満たしてもよい。
5%≦SCS1/SCS2≦80% … (2)
但し、上記の(2)式において、SCS1は、前記銅被覆鋼線における前記第2の銅被覆層の断面積であり、SCS2は、前記銅被覆鋼線の全体の断面積である。
[4]上記発明において、前記ケーブル用撚線は、複数の前記銅被覆鋼線を環状に配置して構成された外側撚線層を最外側に備えていてもよい。
[5]上記発明において、前記銅被覆アルミニウム線は、前記第1の銅被覆層をさらに被覆する第1の絶縁被覆層を有し、前記銅被覆鋼線は、前記第2の銅被覆層をさらに被覆する第2の絶縁被覆層を有してもよい。
[6]本発明に係るケーブルは、上記のケーブル用撚線と、前記ケーブル用撚線を被覆するケーブル絶縁層と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ケーブル用撚線が銅被覆アルミニウム線と銅被覆鋼線を備えているので、耐屈曲性、軽量性、及び、耐食性に優れたケーブル用撚線、及び、それを備えたケーブルを提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態におけるケーブルの断面図である。 図2(a)は、本発明の第1実施形態における銅被覆アルミニウム線の断面図であり、図2(b)は、本発明の第1実施形態における銅被覆アルミニウム線の変形例を示す断面図である。 図3(a)は、本発明の第1実施形態における銅被覆鋼線の断面図であり、図3(b)は、本発明の第1実施形態における銅被覆鋼線の変形例を示す断面図である。 図4は、本発明の第2実施形態におけるケーブルの断面図である。 図5(a)〜図5(c)は、実施例における屈曲試験の方法を示す図である。 図6は、屈曲試験における曲げ半径と破断までの屈曲回数の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
≪第1実施形態≫
図1は本発明の第1実施形態におけるケーブルの断面図、図2(a)は本実施形態における銅被覆アルミニウム線の断面図、図2(b)は銅被覆アルミニウム線の変形例を示す断面図、図3(a)は第1実施形態における銅被覆鋼線の断面図、図3(b)は銅被覆鋼線の変形例を示す断面図である。
本実施形態におけるケーブル1は、耐屈曲性、軽量性、及び、耐食性が要求される用途に用いられるケーブルであり、例えば、ロボット用ケーブル、自動車用ケーブル、或いは、オーディオ用ケーブルとして用いられる。このケーブル1は、図1に示すように、複数の素線20,30を撚り合わせて構成された撚線10と、当該撚線10の外周を被覆するケーブル絶縁層40と、を備えている。
本実施形態における撚線10は、図1に示すように、19本の銅被覆アルミニウム線20と、18本の銅被覆鋼線30と、から構成されており、合計37本の素線20,30から構成されている。
それぞれの銅被覆アルミニウム線20は、図2(a)に示すように、アルミニウム線21と、当該アルミニウム線21の外周を被覆する第1の銅被覆層22と、を有している。アルミニウム線21は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金から構成されており、第1の銅被覆層22は、例えば、銅、又は、銅を主成分とする銅合金から構成されている。この銅被覆アルミニウム線20は、銅管の内孔にアルミニウム線21を挿入し伸線加工することで形成されている。なお、この銅被覆アルミニウム線20の製法は特に上記に限定されない。例えば、アルミニウム線21の外周面に銅めっき処理を施すことで銅被覆アルミニウム線20を形成してもよい。
本実施形態では、この銅被覆アルミニウム線20における銅占積率(以下、単に「第1の銅占積率」とも称する。)が、下記の(3)式を満たしている。下記の(3)式において、SCA1は、銅被覆アルミニウム線20における第1の銅被覆層22の断面積である。一方、SCA2は、銅被覆アルミニウム線20の全体の断面積であり、すなわち、このSCA2は、アルミニウム線21の断面積SCA3と第1の銅被覆層22の断面積SCA1との合計値である(SCA2=SCA3+SCA1)。なお、本実施形態における銅被覆アルミニウム線20の断面とは、銅被覆アルミニウム線20の軸方向に対して実質的に直交する方向に沿って銅被覆アルミニウム線20を切断した場合の断面である。
5%≦SCA1/SCA2≦80% … (3)
このように、銅被覆アルミニウム線20の第1の銅占積率(=SCA1/SCA2)が上記の(3)式を満たしていることで、第1の銅被覆層22が割れてアルミニウム線21が露出してしまうのを抑制することができ、耐食性を一層高めることができる。
これに対し、銅被覆アルミニウム線20の第1の銅占積率が5%未満であると、アルミニウム線21が露出して異種金属接触腐食が生じ、耐屈曲性や引張り強さが低下すると共に電気的な抵抗が高くなってしまう。また、銅被覆アルミニウム線20の第1の銅占積率が5%未満であると、同じく異種金属接触腐食により部分的に引張り強さが低下するため、伸線加工時に銅被覆アルミニウム線20が破断しやすくなるため生産性も低下してしまう。
一方、銅被覆アルミニウム線20の第1の銅占積率が80%を超えると、銅線とほとんど違いがなくなってしまい、軽量性に劣ることとなる。
なお、図2(b)に示すように、銅被覆アルミニウム線20Bが、第1の銅被覆層22の外周をさらに被覆する第1の絶縁被覆層23を備えてもよい。この第1の絶縁被覆層23は、例えば、エナメル塗料を第1の銅被覆層22に塗布して焼き付けることで形成されており、電気絶縁性を有している。これにより、撚線を構成する複数の素線を電気的に細分化して導体表面積を増加させることができ、高周波電流の通電時に生じる表皮効果による抵抗増加を抑制することができる。
銅被覆鋼線30は、図3(a)に示すように、鋼線31と、当該鋼線31の外周を被覆する第2の銅被覆層32と、を有している。鋼線31は、例えば、硬鋼線、ピアノ線、或いは、ステンレス鋼線等から構成されており、第2の銅被覆層32は、例えば、銅、又は、銅を主成分とする銅合金から構成されている。この銅被覆鋼線30は、銅管の内孔に鋼線31を挿入し伸線加工することで形成されている。なお、この銅被覆鋼線30の製法は特に上記に限定されない。例えば、鋼線31の外周面に銅めっき処理を施すことで銅被覆鋼線30を形成してもよい。
本実施形態では、この銅被覆鋼線30における銅占積率(以下、単に「第2の銅占積率」とも称する。)は下記の(4)式を満たしている。下記の(4)式において、SCS1は、銅被覆鋼線30における第2の銅被覆層32の断面積である。一方、SCS2は、銅被覆鋼線30の全体の断面積であり、すなわち、このSCS2は、鋼線31の断面積SCS3と第2の銅被覆層32の断面積SCS1との合計値である(SCS2=SCS3+SCS1)。なお、本実施形態における銅被覆鋼線30の断面とは、銅被覆鋼線30の軸方向に対して実質的に直交する方向に沿って銅被覆鋼線30を切断した場合の断面である。
5%≦SCS1/SCS2≦80% … (4)
このように、銅被覆鋼線30の第2の銅占積率(=SCS1/SCS2)が上記の(4)式を満たしていることで、第2の銅被覆層32が割れて鋼線31が露出してしまうのを抑制することができ、耐食性を一層高めることができる。
これに対し、銅被覆鋼線30の第2の銅占積率が5%未満であると、鋼線31が露出して異種金属接触腐食が生じ、耐屈曲性や引張り強さが低下すると共に抵抗が高くなってしまう。また、銅被覆鋼線30の第2の銅占積率が5%未満であると、同じく異種金属接触腐食により部分的に引張り強さが低下するため、伸線加工時に銅被覆鋼線30が破断しやすくなるため生産性も低下してしまう。
一方、銅被覆鋼線30の第2の銅占積率が80%を超えると、銅線とほとんど違いがなくなってしまい、耐屈曲性に劣ることとなる。
図3(b)に示すように、銅被覆鋼線30Bが、第2の銅被覆層32の外周をさらに被覆する第2の絶縁被覆層33を備えてもよい。この第2の絶縁被覆層33は、例えば、エナメル塗料を第2の銅被覆層32に塗布して焼き付けることで形成されており、電気絶縁性を有している。これにより、撚線を構成する複数の素線を電気的に細分化して導体表面積を増加させることができ、高周波電流の通電時に生じる表皮効果による抵抗増加を抑制することができる。
本実施形態の撚線10は、以上に説明した銅被覆アルミニウム線20と銅被覆鋼線30を撚り合わせることで形成されており、図1に示すように、中心導体11と、当該中心導体11の外側に配置された3つの撚線層12〜14と、を備えている。
中心導体11は、撚線10の中心に位置しており、1本の銅被覆アルミニウム線20から構成されている。
一方、第1の内側撚線層12は、3本の銅被覆アルミニウム線20と、3本の銅被覆鋼線30と、から構成されている。これら合計6本の素線20,30は、銅被覆アルミニウム線20と銅被覆鋼線30とが交互に並ぶように円周状に配置されており、この第1の内側撚線層12は、中心導体11の外周を取り囲んでいる。
また、第2の内側撚線層13は、6本の銅被覆アルミニウム線20と、6本の銅被覆鋼線30と、から構成されている。これら合計12本の素線20,30は、銅被覆アルミニウム線20と銅被覆鋼線30とが交互に並ぶように円周状に配置されており、この第2の内側撚線層13は、第1の内側撚線層12の外周を取り囲んでいる。
さらに、外側撚線層14は、9本の銅被覆アルミニウム線20と、9本の銅被覆鋼線30と、から構成されている。これら合計18本の素線20,30は、銅被覆アルミニウム線20と銅被覆鋼線30とが交互に並ぶように円周状に配置されており、この外側撚線層14は、第2の内側撚線層13の外周を取り囲むと共に、撚線10の最外周に位置している。
ケーブル絶縁層40は、以上に説明した撚線10を覆っている。このケーブル絶縁層40は、例えば樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料から構成されている。なお、このケーブル絶縁層40にシールド層を積層し、さらにシールド層の外周をシース層で被覆することで、いわゆる同軸ケーブルを形成してもよい。
以上のように、本実施形態では、撚線10が銅被覆鋼線30を備えているので、ケーブル1の耐屈曲性を高めることができる。一方、本実施形態では、撚線10が銅被覆アルミニウム線20を備えているので、ケーブル1の軽量化を図ることができる。さらに、本実施形態では、いずれの素線20,30も外側に銅被覆層22,32を有しているので、素線20,30間で異種金属接触腐食が生じることがなく耐食性に優れている。すなわち、本実施形態では、撚線10が銅被覆アルミニウム線20と銅被覆鋼線30の両方を備えることで、ケーブル1の耐屈曲性、軽量性、及び、耐食性のいずれも良好とすることができる。
≪第2実施形態≫
図4は本発明の第2実施形態におけるケーブルの断面図である。
本実施形態では、撚線10Bにおける銅被覆アルミニウム線20と銅被覆鋼線30の配置が第1実施形態と相違するが、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。以下に、第2実施形態におけるケーブル1Bについて、第1実施形態との相違点についてのみ説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の撚線10Bも、図4に示すように、第1実施形態と同様に、合計37本の素線20,30(19本の銅被覆アルミニウム線20と18本の銅被覆鋼線30)から構成されており、中心導体11Bと、当該中心導体11Bの外側に配置された3つの撚線層12B〜14Bと、を備えているが、それぞれの撚線層12B〜14Bの構成が第1実施形態と相違している。なお、本実施形態における外側撚線層14Bが、本発明における外側撚線層の一例に相当する。
中心導体11Bは、第1実施形態と同様に、撚線10Bの中心に位置しており、一本の銅被覆アルミニウム線20から構成されている。
一方、第1の内側撚線層12Bは、6本の銅被覆アルミニウム線20から構成されており、銅被覆鋼線30を含んでいない点で第1実施形態と相違する。これら6本の銅被覆アルミニウム線20は、中心導体11Bを中心として円周状に配置されており、この第1の内側撚線層12Bは、中心導体11Bの外周を取り囲んでいる。
また、第2の内側撚線層13Bも、12本の銅被覆アルミニウム線20から構成されており、銅被覆鋼線30を含んでいない点で第1実施形態と相違する。この12本の銅被覆アルミニウム線20は、中心導体11Bを中心として円周状に配置されており、この第2の内側撚線層13Bは、第1の内側撚線層12Bの外周を取り囲んでいる。
一方、外側撚線層14Bは、18本の銅被覆鋼線30から構成されており、銅被覆アルミニウム線20を含んでいない点で第1実施形態と相違する。この18本の銅被覆鋼線30は、中心導体11Bを中心として円周状に配置されており、この外側撚線層14Bは、第2の内側撚線層13Bの外周を取り囲むと共に、撚線10Bの最外周に位置している。
以上のように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、撚線10Bが銅被覆鋼線30を備えているので、ケーブル1Bの耐屈曲性を高めることができる。一方、本実施形態では、撚線10Bが銅被覆アルミニウム線20を備えているので、ケーブル1Bの軽量化を図ることができる。さらに、本実施形態では、いずれの素線20,30も外側に銅被覆層22,32を有しているので、素線20,30間で異種金属接触腐食が生じることがなく耐食性に優れている。すなわち、本実施形態では、撚線10Bが銅被覆アルミニウム線20と銅被覆鋼線30の両方を備えることで、ケーブル1Bの耐屈曲性、軽量性、及び、耐食性のいずれも良好とすることができる。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、銅被覆アルミニウム線20の第1の銅占積率(=SCA1/SCA2)が上記の(3)式を満たしているので、第1の銅被覆層22からアルミニウム線21が露出してしまうのを抑制することができ、耐食性を一層高めることができる。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、銅被覆鋼線30の第2の銅占積率(=SCS1/SCS2)が上記の(4)式を満たしているので、第2の銅被覆層32から鋼線31が露出してしまうのを抑制することができ、耐食性を一層高めることができる。
さらに、ケーブルに加わる曲げ歪みは外側の方が高いため、外側に配置された素線の方が破断しやすい。これに対し、本実施形態では、耐屈曲性が相対的に高い銅被覆鋼線30のみで外側撚線層14Bを構成し、耐屈曲性が相対的に低い銅被覆アルミニウム線20を内側に配置しているので、ケーブル1Bの耐屈曲性をさらに高めることができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述の実施形態では37心の撚線を例にとって説明したが、撚線を構成する素線の本数や素線の配置等は特に限定されない。
また、撚線10,10Bの中心導体11,11Bは必須の構成ではない。例えば、第1の内側撚線層12,12Bを3本の素線で構成することで、中心導体11,11Bを省略してもよい。
以下に、本発明をさらに具現化した実施例及び比較例により本発明の効果を確認した。以下の実施例及び比較例は、上述した実施形態における撚線の耐屈曲性、軽量性、及び、露出抑制の効果を確認するためのものである。
なお、図5(a)〜図5(c)は実施例における屈曲試験の方法を示す図であり、図6は、屈曲試験における曲げ半径と破断までの屈曲回数の関係を示すグラフである。
<実施例1>
実施例1では、図1に示す構成を有し、長さが100mの撚線を作製した。この際、銅被覆アルミニウム線(以下、単に「CA線」とも称する)として、第1の銅占積率(=SCA1/SCA2)が15%であり、線径が0.1mmのものを用いた。また、銅被覆鋼線(以下、単に「CS線」とも称する)として、第2の銅占積率(=SCS1/SCS2)が15%であり、線径が0.1mmのものを用いた。なお、この実施例1では、図1に示すケーブル絶縁層は省略した。
この実施例1の撚線に対して、屈曲試験機(ユアサシステム機器株式会社製卓上型屈曲試験機 TCDM111LH)を用いて屈曲試験を行った。具体的には、この屈曲試験では、図5(a)〜図5(c)に示すように、一対の屈曲治具50の間に撚線を挿入すると共に撚線の下端に300gの荷重を印加した状態で、当該撚線の上部を左右に90°屈曲させた。この時の屈曲速度は60回/分とした。なお、屈曲回数1回とは、図5(a)〜図5(c)に示すように、左右へ1回ずつ曲げる1往復の屈曲を意味する。
そして、曲げ半径(屈曲治具50の円弧部51の半径R)が2mmで破断回数が1000回以上であり、且つ、曲げ半径20mmで10000回以上である場合に、撚線の耐屈曲性が良好であると評価した。これに対し、曲げ半径が2mmで破断回数が1000回未満であり、又は、曲げ半径20mmで破断回数が10000回未満である場合に、撚線の耐屈曲性が劣ると評価した。
この実施例1では、図6に示すように、曲げ半径が2mmで破断回数が1000回以上であり、且つ、曲げ半径20mmで破断回数が10000回以上であり、撚線の耐屈曲性は良好であった。
また、この実施例1の撚線の1m当たりの重量を測定したところ、下記の表1に示すように、1.7gであった。
Figure 2015173004
<実施例2>
実施例2では、図4に示す構成を有し、長さが100mの撚線を作製した。この際、上述の実施例1と同様に、CA線として、第1の銅占積率が15%であり、線径が0.1mmのものを用い、CS線として、第2の銅占積率が15%であり、線径が0.1mmのものを用いた。
この実施例2の撚線に対して、実施例1と同様の条件で屈曲試験を行った。その結果、図6に示すように、曲げ半径が2mmで破断回数が1000回以上であり、且つ、曲げ半径20mmで10000回以上であり、撚線の耐屈曲性は良好であった。
また、この実施例2の撚線の1m当たりの重量を測定したところ、上記の表1に示すように、1.7gであった。
<比較例1>
比較例1では、18本の全てのCS線を銅線に置き換えたことを除いて、実施例1と同様の条件で撚線を作製し屈曲試験を行った。その結果、図6に示すように、曲げ半径が2mmで破断回数が1000回未満であり、曲げ半径20mmでも破断回数が10000回未満であり、撚線の耐屈曲性が劣っていた。
また、この比較例1の撚線の1m当たりの重量を測定したところ、上記の表1に示すように、1.8gであった。
<比較例2>
比較例2では、19本のCA線と18本のCS線の全てを銅線に置き換えたことを除いて、実施例1と同様の条件で撚線を作製し屈曲試験を行った。その結果、図6に示すように、曲げ半径が2mmで破断回数が1000回未満であり、曲げ半径20mmでも破断回数が10000回未満であり、撚線の耐屈曲性が劣っていた。
また、この比較例2の撚線の1m当たりの重量を測定したところ、上記の表1に示すように、2.6gであった。
<比較例3>
比較例3では、19本の全てのCA線を銅線に置き換えたことを除いて、実施例1と同様の条件で撚線を作製し屈曲試験を行った。その結果、図6に示すように、曲げ半径が2mmで破断回数が1000回以上であり、且つ、曲げ半径20mmで10000回以上であり、撚線の耐屈曲性は良好であった。
一方、この比較例3の撚線の1m当たりの重量を測定したところ、上記の表1に示すように、2.5gであった。
<実施例3>
実施例3では、アルミニウム線を銅管に挿入した後にこれらを伸線加工することで、第1の銅占積率(=SCA1/SCA2)が10%であり、線径が1.0mmであり、長さが20mであるCA線を作製した。そして、この実施例3のCA線に対して、アルミニウム線が銅被覆層から露出している箇所の数を目視で計測した。この実施例3では、下記の表2に示すように、アルミニウム線が銅被覆層から露出している箇所はなかった。
Figure 2015173004
<実施例4>
実施例4では、第1の銅占積率を5%としたことを除いて、実施例3と同様の条件でCA線を作製しアルミニウム線が銅被覆層から露出している箇所の数を目視で計測した。その結果、上記の表2に示すように、アルミニウム線が銅被覆層から露出している箇所はなかった。
<比較例4>
比較例4では、第1の銅占積率を3%としたことを除いて、実施例3と同様の条件でCA線を作製しアルミニウム線が銅被覆層から露出している箇所の数を目視で計測した。その結果、上記の表2に示すように、アルミニウム線が銅被覆層から露出している箇所が13個あった。
<実施例5>
実施例5では、鋼線を銅管に挿入した後にこれらを伸線加工することで、第2の銅占積率(=SCS1/SCS2)が10%であり、線径が1.0mmであり、長さが20mであるCS線を作製した。そして、この実施例5のCS線に対して、鋼線が銅被覆層から露出している箇所の数を目視で計測した。この実施例3では、下記の表3に示すように、鋼線が銅被覆層から露出している箇所はなかった。
Figure 2015173004
<実施例6>
実施例6では、第2の銅占積率を5%としたことを除いて、実施例5と同様の条件でCS線を作製し鋼線が銅被覆層から露出している箇所の数を目視で計測した。その結果、上記の表3に示すように、鋼線が銅被覆層から露出している箇所はなかった。
<比較例5>
比較例5では、第2の銅占積率を3%としたことを除いて、実施例5と同様の条件でCS線を作製し鋼線が銅被覆層から露出している箇所の数を目視で計測した。その結果、上記の表3に示すように、鋼線が銅被覆層から露出している箇所が18個あった。
以上のように、図6に示すように、CS線を用いた実施例1,2及び比較例3の撚線の耐屈曲性が良好であった。また、表1に示すように、CA線を用いた実施例1,2及び比較例1の撚線は、比較例2,3と比較して軽量性に優れていた。従って、CS線とCA線を用いた実施例1,2の撚線は、耐屈曲性に優れていると共に軽量性にも優れていた。
また、実施例1と実施例2を比較すると、CA線を内側に配置すると共にCS線を外側に配置することで、撚線の耐屈曲性が一層向上していた。実施例1の場合には、外側のCA線が早く断線して素線数が減り、残りの素線のそれぞれに対して印加される荷重が大きくなり、疲労によるクラックの進展に加えて伸び切れが当該残りの素線に生じたため、実施例2よりも早く断線に至ったと考えられる。
また、表2に示すように、実施例3,4及び比較例4を比較すると、CA線の第1の銅占積率(=SCA1/SCA2)を5%以上とすることで、アルミニウム線の露出を抑制することができた。
さらに、表3に示すように、実施例5,6及び比較例5を比較すると、CS線の第2の銅占積(=SCS1/SCS2)を5%以上とすることで、鋼線の露出を抑制することができた。
1,1B…ケーブル
10,10B…撚線
11,11B…中心導体
12,12B…第1の内側撚線層
13,13B…第2の内側撚線層
14,14B…外側撚線層
20、20B…銅被覆アルミニウム線
21…アルミニウム線
22…第1の銅被覆層
23…第1の絶縁被覆層
30、30B…銅被覆鋼線
31…鋼線
32…第2の銅被覆層
33…第2の絶縁被覆層
40…ケーブル絶縁層
50…屈曲治具

Claims (6)

  1. アルミニウム線と、前記アルミニウム線を被覆する第1の銅被覆層と、を有する少なくとも一本の銅被覆アルミニウム線と、
    鋼線と、前記鋼線を被覆する第2の銅被覆層と、を有する少なくとも一本の銅被覆鋼線と、を備えており、
    前記銅被覆アルミニウム線と前記銅被覆鋼線を撚り合わせたことを特徴とするケーブル用撚線。
  2. 請求項1に記載のケーブル用撚線であって、
    下記の(1)式を満たすことを特徴とするケーブル撚線。
    5%≦SCA1/SCA2≦80% … (1)
    但し、上記の(1)式において、SCA1は、前記銅被覆アルミニウム線における前記第1の銅被覆層の断面積であり、SCA2は、前記銅被覆アルミニウム線の全体の断面積である。
  3. 請求項1又は2に記載のケーブル用撚線であって、
    下記の(2)式を満たすことを特徴とするケーブル用撚線。
    5%≦SCS1/SCS2≦80% … (2)
    但し、上記の(2)式において、SCS1は、前記銅被覆鋼線における前記第2の銅被覆層の断面積であり、SCS2は、前記銅被覆鋼線の全体の断面積である。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のケーブル用撚線であって、
    前記ケーブル用撚線は、複数の前記銅被覆鋼線を環状に配置して構成された外側撚線層を最外側に備えていることを特徴とするケーブル用撚線。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のケーブル用撚線であって、
    前記銅被覆アルミニウム線は、前記第1の銅被覆層をさらに被覆する第1の絶縁被覆層を有し、
    前記銅被覆鋼線は、前記第2の銅被覆層をさらに被覆する第2の絶縁被覆層を有することを特徴とするケーブル用撚線。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のケーブル用撚線と、
    前記ケーブル用撚線を被覆するケーブル絶縁層と、を備えたことを特徴とするケーブル。
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