JP2015172368A - 燃料タンク、燃料配管、および航空機 - Google Patents

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裕一 金巻
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Abstract

【課題】燃料に含まれる水が氷結しても、燃料の供給を確保することができる燃料供給装置を提供すること。
【解決手段】燃料供給装置10は、燃料Fを貯留する燃料タンク12と、燃料タンク12内からエンジン13へと送られる燃料Fが流れる燃料配管15と、を備える。燃料配管15の内壁15Aの全体または一部には、撥水性を与える表面処理が施される。燃料タンク12内において、貯留される燃料Fに接触する内壁12Aの全体または一部には、親水性を与える表面処理が施される。
【選択図】図1

Description

本発明は、供給先に燃料を供給するために用いられる燃料供給装置に関する。具体的には、燃料を貯留する燃料タンクや、燃料タンクと供給先(エンジン等)との間に介在する燃料配管等に関する。
また、本発明は、燃料供給装置を備えた航空機に関する。
航空機のエンジンに供給される燃料は、燃料タンクとして用いられる主翼の内部に貯留される。燃料タンク内の燃料は、燃料ポンプにより燃料タンク内から取り出され、燃料配管を通じてエンジンへと送られる。
航空機に限らず、一般に、燃料に水が含まれていると燃焼効率が低下するため、燃料および水のうち水のみが通過する多孔質膜を有する濾過装置を用いて水を沈降させたり(特許文献1)、燃料に炭素系材料(カーボンブラックのペレット等)を添加して撹拌し、炭素材料および燃料を凝集固化させて水と分離させることで(特許文献2)、燃料から水を分離、除去することが知られている。
特開平5−231257号公報 特開平11−347304号公報
航空機では、飛行高度の上昇に伴い、周囲の外気の温度が極めて低温となる。
航空機に限らず、氷点下の環境において燃料タンクが冷却され、タンク内の燃料も冷却されると、燃料中の水が氷結する。すると、氷粒が濾過膜を通過せず、また、燃料および炭素系材料の凝集固化がうまくいかないので、燃料から水を分離することが難しい。
そのため、燃料に含まれる水が十分には除去されず、燃料配管内で燃料中の水が凝固して配管の内壁に付着するおそれがある。氷の付着により燃料配管内が狭くなると、燃料配管を燃料が流れ難くなるので、エンジンへの燃料供給が滞ってしまう。
しかも、燃料配管内に付着した氷が、航空機の下降に伴う外気温の上昇や、推力増大による燃料の流量増加、あるいは振動などにより、燃料配管から一度に剥がれ落ち、塊状の氷が燃料配管内を塞いだり、エンジンの燃料入口を塞ぐことがありうる。
さらに、濾過膜を用いる場合は、目詰りするおそれがあるため頻繁なメンテナンス、濾過膜の交換が必要となる。また、炭素系材料を添加する場合は、炭素系材料を添加して凝集固化により水分と分離させるために、燃料タンクから燃料が移送されるタンクが必要となる。
燃料タンクとは別途、濾過装置やタンクを設けることは、重量低減が強く望まれる航空機では非常に難しい。
本発明は、以上のような課題に基づいてなされたもので、燃料に含まれる水が氷結しても、燃料の供給を確保することができる燃料タンク、燃料配管、および航空機を提供することを目的とする。
本発明の燃料タンクは、配管を通じて燃料供給先へと送られる燃料を貯留する燃料タンクであって、燃料タンク内において燃料に接触する貯留燃料接触部の全体または一部に、親水性を与える表面処理が施されることを特徴とする。
貯留燃料接触部は、燃料タンクの内壁や、燃料タンク内に配置された部材の表面をいう。
ここで、親水性を与える表面処理としては、親水性を有する材料を用いるコーティング、貯留燃料接触部の表面に対して親水性を有する形態を与える表面加工などが挙げられる。また、親水性を有する材料から形成されたフィルム等を貯留燃料接触部の表面に貼り付けることも、親水性を与える表面処理に含むものとする。
本発明によれば、燃料タンク内の貯留燃料接触部に接触する燃料に含まれる水を凝固させて、貯留燃料接触部に保持することができる。それによって燃料タンクから燃料配管へと流入する燃料中の水分濃度が下がり、燃料配管の内壁への氷の付着が抑制されるので、燃料配管を通じた燃料の供給を確保することができる。
もし、少量ながらも燃料配管の内壁に氷が付着し、燃料の脈動などにより氷が内壁から剥がれたとしても、その氷は粒状であるか、小さな塊であるに過ぎないので、燃料配管、および燃料供給先のポートを含む燃料供給経路が閉塞されない。
以上により、燃料に含まれる水が氷結したとしても、燃料供給先への燃料の供給を確保することができる。
以上に加えて、本発明によれば、濾過装置を用いる場合の頻繁なメンテナンスや、炭素系材料を用いる場合の移送タンクが必要ない。
本発明において、燃料タンクが複数あり、複数の燃料タンクのうちの一の燃料タンクから別の燃料タンクへと燃料を移送する移送機構が設けられることが好ましい。
移送機構が設けられていると、各燃料タンク内に貯留された燃料に流動が与えられる。そのため、各燃料タンク内の貯留燃料接触部に接触する燃料が効率よく入れ替わるので、多くの燃料の水分を貯留燃料接触部に集め、貯留燃料接触部への氷の付着を促進させることができる。
本発明の燃料タンクの底部には、燃料から分離された水を排出する排水口が開閉可能に設けられているとよい。
燃料タンク内の氷が融解すると、燃料タンクの内壁などを伝って水が自重により下り、燃料タンクの底部に到達する。
したがって、排水口を開けて、底部に溜まった水を排水口から排出させることができる。
本発明の燃料タンクは、燃料タンクの底部を、第1領域と第2領域とに隔てる単一または複数の堰を備えており、燃料タンク内の燃料を配管内へと導入する導入部が、第1領域および第2領域の一方に位置することが好ましい。
水と燃料との密度差に基づいて燃料タンクの底部に沈下した水が堰によってせき止められるので、燃料タンク内の燃料の流動により、導入部から燃料配管内へと燃料と共に水が吸い込まれるのを防ぐことができる。
また、堰に、親水性を与える表面処理が施されていると、水の凝固点よりも低温の環境下、堰の表面に十分に氷を付着させて保持することができ、それによって燃料タンク中の燃料の水分濃度を減少させることができるので好ましい。
堰を備える燃料タンクに関しては、必ずしも、燃料タンク内において燃料に接触する部材の全部または一部に親水性を与える表面処理が施されている必要はない。
つまり、本発明の第2の燃料タンクは、配管を通じて燃料供給先へと送られる燃料を貯留する燃料タンクであって、燃料タンクの底部を、第1領域と第2領域とに隔てる単数または複数の堰を備え、燃料タンク内の燃料を配管内へと導入する導入部が、第1領域および第2領域の一方に位置することを特徴とする。
本発明の燃料配管は、燃料を貯留するタンク内から燃料供給先へと送られる燃料が流れる燃料配管であって、燃料配管の内壁の全体または一部が、撥水性を有する材料からなるか、あるいは、撥水性を与える表面処理が施されることを特徴とする。
ここで、撥水性を与える表面処理としては、撥水性を有する材料を用いるコーティング、燃料配管の内壁表面に対して撥水性を有する形態を与える表面加工などが挙げられる。また、撥水性を有する材料から形成されたフィルム等を燃料配管の内壁表面に貼り付けることも、撥水性を与える表面処理に含むものとする。
本発明によれば、燃料配管の内壁が撥水性を有するために、燃料配管内を流れる燃料に含まれる水が凝固したとしても、燃料配管の内壁に氷として付着し難い。そのため、燃料配管を通じた燃料の供給を確保することができる。
もし、少量ながらも燃料配管の内壁に氷が付着し、燃料の脈動などにより氷が内壁から剥がれたとしても、その氷は粒状であるか、小さな塊であるに過ぎないので、燃料配管、および燃料供給先のポートを含む燃料供給経路が閉塞されない。
したがって、燃料に含まれる水が氷結したとしても、燃料供給先への燃料の供給を確保することができる。
以上に加えて、本発明によれば、濾過装置を用いる場合の頻繁なメンテナンスや、炭素系材料を用いる場合の移送タンクが必要ない。
ここで、燃料配管の内壁への氷の付着を防ぐという観点では、燃料配管の内壁に疎水性を与えるコーティングや表面加工を施すことも有効である。本明細書において、撥水性と説明した箇所は、疎水性に置き換えても通用する。その意味で、本発明における「撥水性」は、疎水性をも包含する。
本発明の燃料配管には、燃料の流れを受け入れて旋回させる水分離器を設けることができる。
水分離器内で旋回する燃料に遠心力が働くことで、比重に基づいて燃料と水とが遠心分離される。氷点下の温度環境において、燃料から分離して凝固した水を水分離器の内壁に氷として留め、水分が分離された燃料を燃料配管へと戻すことができる。
水分離器の内壁に水分が保持されていると、水分離器を通過した燃料の水分濃度が通過前よりも下がるので、燃料配管内の氷の付着を抑制し、閉塞を防止することができる。
水分離器の内壁には、親水性を与える表面処理が施されることが好ましい。
本発明の燃料配管は、湾曲した区間を有し、燃料配管内における区間の外周側には、燃料配管内の燃料の流れの上流側に向けて開口した容器が配置されていることが好ましい。
そうすると、湾曲した区間を流れる燃料に働く遠心力により燃料から分離された水分が、当該区間の外周に位置する容器により捕集される。そのため、容器よりも下流側へと流れる燃料の水分濃度を低くすることができ、氷の塊により燃料の流路が閉塞されることを回避することができる。
容器に、燃料が通過する孔または細隙が形成されていると、燃料の圧力損失を小さくすることができる。
容器が設置された燃料配管に関しては、必ずしも、燃料配管の内壁に撥水性を与える表面処理が施されている必要はない。
つまり、本発明の第2の燃料配管は、燃料を貯留するタンク内から燃料供給先へと送られる燃料が流れる燃料配管であって、湾曲した区間を有し、燃料配管内における区間の外周側には、燃料配管内の燃料の流れの上流側に向けて開口した容器が配置されていることを特徴とする。
本発明の燃料供給装置は、上述の燃料タンクと、上述の燃料配管と、を備えることを特徴とする。
本発明の航空機は、上述の燃料供給装置と、燃料供給先としてのエンジンと、を備えることを特徴とする。
上述のように燃料タンクまたは燃料配管の水のぬれ性を設定する処置によれば、濾過装置や移送用のタンクを設ける必要がないので、航空機の重量低減の要求に応えることができる。
本発明の航空機では、エンジンに用いられる冷却用オイルが流れる冷却用オイル経路の一部が、燃料配管、または燃料配管に設けられて燃料が通過する部材に対して放熱可能に配置されていることが好ましい。
「燃料が通過する部材」には、上述の水分離器や容器が含まれる。
「冷却用オイル」には、エンジンオイルや、ギヤ冷却用のオイル等が含まれる。
冷却用オイル経路の一部から、燃料配管や、燃料が通過する部材に対して放熱されることにより、燃料に含まれる水分の氷結を防ぎ、また、燃料経路内氷粒を融解させることができるので、エンジンへの燃料の供給を確保することができる。
本発明の航空機は、燃料を貯留するタンク内から燃料供給先へと送られる燃料が流れる燃料配管と、燃料供給先としてのエンジンと、を備え、エンジンに用いられる冷却用オイルが流れる冷却用オイル経路の一部が、燃料配管、または燃料配管に設けられて燃料が通過する部材に対して放熱可能に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、燃料配管、または燃料配管に設けられて燃料が通過する部材が冷却用オイルで加熱されることにより、エンジンへと供給される燃料の氷結を抑制することができる。
本発明の燃料供給方法は、水の凝固点よりも低温の環境下、燃料を貯留する燃料タンク内において、親水性を有する燃料タンクの内壁、または燃料タンク内に位置する部材に接触する燃料に含まれる水分を凝固させて内壁または部材に付着させることで、燃料から水分の少なくとも一部を分離させるステップと、燃料タンク内の前記水分が分離された燃料を配管を通じて供給先へと供給するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、燃料に含まれる水が氷結しても、燃料の供給を確保することができる。
本発明の第1実施形態に係る燃料供給装置を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料供給装置を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る燃料供給装置を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る燃料供給装置を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る燃料供給装置を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る燃料供給装置が備える水分離器を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る燃料配管の湾曲した区間に配置される容器を示す図である。 エンジンオイル配管から燃料配管等に対して放熱されることを説明するための模式図である。 エンジンオイルと燃料とを熱交換する構成を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示す燃料供給装置10は、航空機に搭載されており、航空機の主翼により支持されるエンジン13に燃料Fを供給する。
燃料供給装置10は、燃料Fを貯留する燃料タンク12と、燃料タンク12内の燃料F(ジェット燃料)をエンジン13に向けて送り出す燃料ポンプ14と、燃料タンク12とエンジン13との間に介在する燃料配管15とを備える。
燃料供給装置10は、各図において模式的に示されている。
航空機の主翼はボックス状に形成されており、燃料タンク12を兼ねる。
燃料タンク12の内部(主翼の内部)には、飛行距離や乗客数などに応じた所定量の燃料Fが図示しない給油口から給油される。
燃料タンク12には、外気に通じる図示しない通気経路が設けられる。通気経路を介して行われる通気により、外気圧とタンク内圧とのバランスが図られる。
燃料Fには、空気中の水分や雨等に由来する水分が含まれる。燃料Fに含まれる水分は、水(過冷却水を含む)である場合と、氷である場合とがあり、水および氷が混在する場合もある。本明細書では、水および氷を包括的に「水分」と称する場合がある。
燃料Fに含まれる水分の濃度は、例えば、100ppm〜500ppm程度である。
燃料Fに水分が含まれていると、燃焼効率が低下するばかりか、燃料F中の水が上空での極寒の温度環境において凝固し、氷として燃料配管15の内壁に付着することで燃料Fが流れ難くなる。本実施形態の燃料供給装置10は、燃料配管15内の凍結により燃料Fの供給が滞ることを防ぐ。
燃料タンク12の上壁121は、主翼の上面側のスキンから構成される。燃料タンク12の下壁122(底部)は、主翼の下面側のスキンから構成される。上壁121は図示しないリブの上端に支持され、下壁122はリブの下端に支持される。上壁121、下壁122を構成するスキンの内面には、図示しない複数のストリンガが設けられる。
燃料タンク12の前側の側壁123は、主翼の前縁側のスパーから構成される。燃料タンク12の後側の側壁124は、主翼の後縁側のスパーから構成される。
主翼を構成するスキン、リブ、ストリンガ、およびスパーは、金属材料や、繊維強化樹脂(FRP;Fiber Reinforced Plastics)などから形成される。
金属材料としては、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の鉄合金などを用いることができる。
燃料タンク12の下壁122には、燃料Fから分離された水を排出する排水口16が設けられる。排水口16には、排水口16を開閉するための蓋やバルブ等が設けられている。
燃料ポンプ14は、エンジン13による燃料の最大消費量に足りる流量で、燃料配管15を通じて燃料Fをエンジン13へと圧送する。エンジン13による燃料の消費量に応じて、燃料ポンプ14により圧送された燃料Fの一部が図示しない配管を通じて燃料タンク12へと戻される。
燃料配管15は、燃料タンク12からエンジン13まで燃料Fを供給するための燃料供給経路を形成する。燃料配管15の一端は、燃料タンク12内に引き込まれ、燃料タンク12内に貯留された燃料Fを燃料配管15内に導入する導入部151を有する。
導入部151は、燃料タンク12の下壁122に滞留した異物や水分などの流入を避けるため、下壁122から少し上方に離して配置される。
また、導入部151には、メッシュ状の覆い19が被せられる。
冗長性を与えるため、燃料配管15の導入部151は、2つ以上設けることが好ましい。
燃料配管15は、下壁122に沿ってエンジン13まで取り回される。燃料配管15の他端は、エンジン13に用意された燃料受入ポート131に接続される。
燃料配管15の一端から他端までは、複数の配管、継手、バルブなどから構成される。燃料配管15を構成する配管として、金属や樹脂等から形成された通常の配管の他に、ストリンガを用いることもできる。具体的には、隣り合うストリンガとストリンガとの間に位置する空間を燃料タンク12内の貯留空間とは仕切ることで、それらのストリンガを配管として機能させることができる。
冗長性を与えるため、燃料配管15には、バイパス用の配管が接続される。バイパス用配管は、エンジン13の燃料受入ポート131に接続される。
さて、燃料供給装置10は、燃料配管15内の凍結により燃料Fの供給が滞ることを防ぐために、主として、以下に示す2つの構成を採用する。
第1に、燃料配管15の内壁15Aが撥水性を有する。
第2に、燃料タンク12の内壁が親水性を有する。
まず、第1の構成について説明する。
第1の構成は,燃料配管15を対象としている。撥水性を有する燃料配管15の内壁には、水や氷が付着し難いので、氷の堆積により燃料配管15内が狭まることを避けられる。
本実施形態では、燃料配管15の内側の素地、つまり金属や樹脂等により形成される母材に、撥水性を有する材料によるコーティングが施されるか、あるいは撥水性を与える表面加工が施される。
撥水性のコーティング・表面加工17は、燃料配管15の内壁の全体に施すことが理想的であるが、一部に施すことも許容される。少なくとも、凍結により配管内の流路が閉塞し易い箇所に撥水性のコーティング・表面加工17を施すことが好ましい。
撥水性のコーティングとしては、例えば、燃料配管15の母材(撥水性、親水性問わず)にフッ素系樹脂材料を使用し、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素系樹脂材料を用いてコーティングを施すことができる。このような撥水性コーティングにより得られる被膜の化学的性質により、平滑面に対する接触角が例えば100°以上の撥水性を実現できる。
接触角は、表面の微細な形態にも依存する。
表面の粗さが接触角に与える影響について説明する。
真の接触角をθ、みかけの接触角をφ、実際の表面積/みかけの面積から導かれる表面の粗さ(粗度:roughness factor)をrとしたとき、
cosφ=rcosθ(Wenzelの式)より、
真の接触角θ<90°の場合、φ<θであり、表面粗さが大きいほどぬれ易い。
真の接触角θ>90°の場合、φ>θであり、表面粗さが大きいほどぬれ難い。
つまり、表面の粗さは、表面の化学的性質に応じた接触角を強調するように作用する。
したがって、平滑面の接触角が90°を超える材料を母材とする燃料配管15に対して、やすり掛けやサンドブラスト、あるいは腐食性流体の塗布や曝露、エッチングなど、粗面を形成する表面加工を行うことにより、接触角が大きくなり、撥水性が高まる。
そのほか、撥水性の表面加工としては、例えば、プラズマを用いるエッチング加工を行い、結晶成長に伴う自己組織化を利用してフラクタル面を形成することができる。平滑面の接触角が90°を超える材料の場合、フラクタル面(または擬似フラクタル面)の形成により、接触角が非常に大きい超撥水性が得られる。
粗面形成、およびフラクタル面形成の表面加工は、上述の撥水性コーティングを行わずに単独で行うことができる。
撥水性コーティングと上記の表面加工を併用すれば、それらの相乗作用により、撥水性をより一層高めることができる。
例えば、燃料配管15の母材に対して上記の表面加工を行ってから、撥水性コーティングを施すことができる。
上述の撥水性のコーティングまたは表面加工を単独で行う、あるいは双方を行うことで、接触角が例えば100°以上の撥水性を実現できる。ここで、接触角が約120°以上であることが望ましい。
また、本実施形態において、撥水性を有する樹脂材料(例えば、フッ素系樹脂)から燃料配管15を形成し、燃料配管15の内壁15Aにコーティングも表面加工も施さないことも許容される。
次に、第2の構成について説明する。
第2の構成は、燃料タンク12の内壁12Aを対象としており、燃料タンク12の内側の素地、つまり金属材料等により形成される母材に、親水性を有する材料によるコーティングが施されるか、あるいは親水性を与える表面加工が施される。氷点下の低温環境において、親水性を有する燃料タンク12の内壁に接触する水を氷結させ、そのまま保持することで、燃料Fから水分を分離する。そうすることで、燃料F中の水分濃度を下げ、燃料配管15内への氷の付着を抑制する。
親水性のコーティング・表面加工18は、少なくとも、上空を巡航中など、機体の姿勢が水平であるときに、燃料Fの液面よりも下方に位置するために燃料Fに接触する部分に施すことが好ましい。
燃料Fの液面は、機体の姿勢の変化によって場所、範囲が変わる。そのため、燃料タンク12の内壁において、通常の飛行時にとりうる姿勢の範囲では燃料Fに接触しない部分を除いた全体が、燃料Fに接触する機会があり、接触時に氷点下の温度環境にあれば、燃料F中の水が氷結しうる。そのため、燃料Fに接触する機会がある燃料タンク12の内壁の全体に、親水性のコーティング・表面加工18を施すことが好ましい。
燃料タンク12の内壁は、スキン、スキンの内面に設けられるストリンガ、スパーから構成されており、これらの表面に親水性のコーティング・表面加工18が施される。
また、燃料タンク12内に位置する複数のリブの表面や、燃料タンク12内に配置される部材の表面にも同様のコーティング・表面加工18が施されることが好ましい。
親水性のコーティングとしては、例えば、燃料タンク12の母材(スキン、スパー等の主翼の構造部材の材料)にアルミニウム合金、ステンレス鋼等を使用し、シリカ(二酸化珪素)等を用いてコーティングを施すことができる。アルミニウム合金、ステンレス鋼は、接触角が90°未満であり、親水性を有するが、上記のような親水性コーティングにより得られる被膜の化学的性質により、平滑面に対する接触角が例えば40°以下の親水性を実現できる。
上述したように、表面の粗さは、表面の化学的性質に基づく接触角を強調するように作用する。
したがって、平滑面の接触角が90°未満の材料を母材とする燃料タンク12に対して、やすり掛けやサンドブラスト、あるいは腐食性流体の塗布や曝露、エッチング等の粗面を形成する表面加工を行うことにより、接触角が小さくなり、親水性が高まる。
粗面形成の表面加工は、上述の親水性コーティングを行わずに単独で行うことができる。
親水性コーティングと上記の表面加工を併用すれば、それらの相乗作用により、親水性をより一層高めることができる。
例えば、燃料タンク12の母材に対して上記の表面加工を行ってから、親水性コーティングを施すことができる。
上述の親水性のコーティングまたは表面加工を単独で行う、あるいは双方を行うことで、接触角が例えば40°以下の親水性を実現できる。ここで、接触角が20°以下であることが望ましい。
燃料供給装置10による作用について説明する。
航空機が離陸後、高度を上げるのに伴って、航空機の周囲の外気温が低下する。例えば1万フィート程度の上空に達すると、例えば−40℃程度の低温の外気に機体が曝される。外気により、機体の外表面を構成する燃料タンク12の壁(主翼)が直接的に冷却される。
ここで、燃料タンク12の内壁は親水性を有するため、燃料Fに分散された水の微粒子が大きい接触面積で燃料タンク12の内壁に接触する。そのとき燃料タンク12により水が氷点下以下に冷却されると水が凝固し、燃料タンク12の内壁に付着する。内壁に氷の結晶の核が形成されると、その結晶は、燃料F中の水の凝固、あるいは、隣り合う結晶や燃料F中の氷との合体により次第に成長し、燃料タンク12の内壁に堆積する。
燃料Fに含まれる水が、内在エネルギが大きい過冷却水である場合は、気流による機体の振動や、燃料ポンプ14による振動などの外的な働きかけを受けてエネルギを一度に放出する。それにより、燃料Fが接触する内壁の広い範囲において、結晶の十分な成長を待たずに氷結が生じる。燃料タンク12には振動が継続的に与えられるので、過冷却水の凝固による氷結が繰り返される。
親水性のコーティング・表面加工18が施されることにより、燃料タンク12の内壁と氷との付着力が増大されるので、振動等の外力を受けても氷が燃料タンク12の内壁から剥がれ落ちることなく保持される。
燃料タンク12内の燃料Fにおいて、低温外気に直接曝される燃料タンク12の壁面に近い部分と、壁面から遠い部分とで温度に差があるため、密度差に基づいて対流が生じる。対流により、燃料タンク12の壁面に接触する燃料Fが入れ替わるので、燃料タンク12内の燃料Fの水分を壁面に集め、壁面に氷を堆積させることができる。
ここで、燃料タンク12内の燃料Fを強制的に流動させる装置を設けると、壁面に接触する燃料Fを効率よく入れ替えることができる。その装置により、燃料Fの流れを壁面に当てるようにすれば、貯留する燃料Fの多くを壁面に確実に接触させて凝固させることができる。
上述のように、燃料タンク12内に貯留された燃料F中の水分が、燃料タンク12の内壁12Aにおいて凝固により燃料Fから分離され、内壁12Aに氷として保持されるため、導入部151から燃料配管15内へと流入する燃料F中の水分濃度は燃料タンク12内の当初の燃料Fと比べて低くなる。
但し、低温の外気により、上空では燃料供給装置10が全体的に氷点下に冷却されるので、少量ながら、燃料配管15内においても、燃料F中の水分が氷結しうる。
ここで、撥水性を有する燃料配管15の内壁15Aには、燃料F中の水分が小さい面積でしか接触しない。燃料配管15内の燃料Fの流れにより、内壁15Aに接触した水分が流されるので、燃料配管15の内壁に氷が付着し難い。したがって、燃料配管15内で水分が氷結したとしても、氷が分散した状態で燃料Fが流れ、エンジン13へと供給される。氷は燃料F中で分散しており、塊状ではない。しかも、燃料配管15内を流れる燃料Fは、エンジン13から放射される熱により温められるので、燃料Fに分散した氷が融解される。
したがって、燃料配管15からエンジン13の燃料受入ポート131にかけての燃料供給経路が氷によって閉塞されることはない。
上空から航空機が高度を下げるのに伴って、航空機の周囲の外気温が上昇する。外気温が凝固点、すなわち水の凝固点を上回ると、燃料タンク12の内壁12Aに付着した氷が融解する。すると、内壁12Aを伝って水が自重により下り、燃料タンク12の底部に到達する。また、内壁12Aに付着していた氷が剥がれ、燃料タンク12の底部に向けて落下する。なお、機体が機首下げの姿勢にあるとき、燃料タンク12の底部には前縁側の側壁123の一部も含まれる。
落下した氷が燃料タンク12の底部に滞留していても、メッシュ状の覆い19により、導入部151から燃料配管15内に氷が吸い込まれることを防止できる。
そして、燃料配管15の内壁15Aにもし氷が薄く付着していたとしても、融解により内壁15Aから剥がれた氷は、粒状か、せいぜい小さな塊であるに過ぎず、それによって燃料供給経路が塞がれることはない。着陸前の推力調整による燃料Fの圧力変動や、燃料配管15に振動が加わることによって内壁15Aから氷が剥がれた場合も同様である。
着陸後、下壁122の排水口16を開けて、燃料タンク12の底部に溜まった水分を排水口16から排出させる。着陸後、エンジン13を停止すると、燃料タンク12内に残留した燃料Fが流動のない静置状態におかれる。そのため、燃料Fと、燃料Fに含まれる水分との密度差に基づいて、燃料タンク12の底部に水分が十分に沈降する。その水分をも、排水口16から排出させることができる。
ここで、下壁122に、排水口16に向けて下る勾配を設けると、壁伝いに流れ落ちた水が排水口16へとスムーズに流れるので、より確実に排水することができる。
また、複数の排水口16を設けることも有効である。
本実施形態によれば、上述したように、燃料タンク12の内壁12Aに親水性を与え(コーティング・表面加工18)、内壁12Aに積極的に氷を付着させることで、燃料Fに含まれる水分を取り除いているので、燃料配管15内では氷結が生じ難い。
しかも、燃料配管15の内壁15Aに撥水性を与えているので(コーティング・表面加工17)、燃料F中の残余の水分が凝固したとしても内壁15Aに氷として付着し難い。
そのため、燃料配管15の内部が氷により狭められることなく、十分な流量で燃料Fが流れる。
もし、薄いながらも燃料配管15の内壁15Aに氷が付着しており、推力を増加させた際などに燃料Fの流れに押し流されるようにして氷が内壁15Aから剥がれたとしても、それは粒状であるか、小さな塊に過ぎないので、燃料供給経路が閉塞されない。
したがって、エンジン13への燃料Fの供給を確保することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図2を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
以下、第1実施形態で説明した構成と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略または簡略化する。
第2実施形態では、第1実施形態と同様、燃料配管15の内壁15Aにコーティングや表面加工により撥水性を与える(コーティング・表面加工17)。
一方、燃料タンク12の内壁12Aには、親水性を与えるコーティングや表面加工を施していない。燃料タンク12はアルミニウム合金やステンレス鋼等の金属材料から形成されており、燃料タンク12の母材は親水性を有する(接触角が90°未満)。
本実施形態では、主として燃料配管15の内壁15Aが撥水性を有することにより、燃料配管15内の氷結による閉塞を防止する。
撥水性である燃料配管15の内壁15Aには、燃料F中の水分が小さい面積でしか接触せず、しかも燃料Fの流れに対して氷が抵抗となるために、燃料配管15の内壁には氷が付着し難い。
したがって、燃料配管15の内部が氷により狭められることなく、十分な流量で燃料Fが流れるので、エンジン13への燃料Fの供給を確保することができる。
本実施形態は、燃料タンク12の内壁12Aの親水性が強化されていない点を除けば、第1実施形態と同様に構成されている。第1実施形態と同様の構成により得られる効果については説明を省略する。
ところで、燃料タンク12の母材の接触角は親水性のコーティングや表面加工による接触角よりも大きいので、内壁12Aと水との接触面積は第1実施形態のようには大きくはない。しかし、氷点下の温度環境におかれた燃料タンク12の内壁12Aに接触する燃料F中の水が凝固し、内壁12Aに氷として付着する。付着する氷は、第1実施形態と比べれば少ないが、融解されるまで氷が内壁12Aに保持されることで、燃料タンク12内から燃料配管15へと流入する燃料Fに含まれる水分濃度を低く抑えられる。このことによっても、燃料配管15内の閉塞防止に寄与できる。
ここで、本発明は、燃料タンク12の内壁12Aが親水性を有しておらず、撥水性を有していても許容する。撥水性である燃料タンク12の内壁12Aに氷が付着せず、燃料タンク12内の燃料Fの水分濃度が低減されないとしても、燃料配管15内の内壁15Aが撥水性を有することにより、燃料配管15内の氷結による閉塞を防止し、燃料Fの供給を確保することができる。
〔第3実施形態〕
次に、図3を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、第1実施形態と同様、燃料タンク12の内壁12Aにコーティングや表面加工により親水性を与える(コーティング・表面加工18)。
一方、燃料配管15の内壁15Aには、撥水性を与えるコーティングや表面加工を施していない。燃料配管15は金属または樹脂から形成されており、材料に応じた水のぬれ性を有する。
燃料配管15がフッ素系樹脂材料などの撥水性の材料から形成されていると、燃料配管15の内壁15Aに氷が付着するのを防止することができるので好ましい。
但し、燃料配管15が親水性の材料から形成されることも許容される。燃料タンク12の内壁12Aの親水性がコーティング・表面加工18により強化されていることで、貯留する燃料Fに含まれる水分を燃料タンク12の内壁12Aに留め、燃料配管15へと流入する燃料F中の水分濃度を抑制することができるためである。それにより、燃料配管15の内壁15Aに付着する氷を少量に抑えることができるので、燃料配管15内の閉塞を防止できる。
ここで、エンジン13から燃料配管15に伝達される熱や、機体から燃料配管15に伝達される振動、燃料配管15内を流れる燃料Fの流れなども、燃料配管15の内壁15Aへの氷の付着を抑えることに寄与する。
本実施形態は、燃料配管15の内壁15Aに撥水性を与えるコーティングや表面加工が施されていない点を除けば、第1実施形態と同様に構成されている。第1実施形態と同様の構成により得られる効果については説明を省略する。
〔第4実施形態〕
次に、図4(a)を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。
燃料タンク12内の燃料Fに含まれる水分は、内壁12Aに凝固する一方で、密度差に基づいて燃料Fから分離して燃料タンク12の底部へと沈下する。
燃料ポンプ14により燃料Fがエンジン13に向けて燃料配管15を通じて圧送されることに伴い、燃料タンク12内には燃料配管15の導入部151に向けた燃料Fの流動が生じている。
第4実施形態では、密度差に基づいて燃料Fから分離した水が、燃料配管15の導入部151から燃料配管15内へと燃料Fと共に取り込まれることを防ぐため、燃料タンク12の下壁122(底部)に、燃料タンク12内の水に対して作用する堰125を設けている。
燃料タンク12内の底部は、堰125により、2つの領域R1,R2に隔てられている。
堰125よりも領域R1側には、燃料配管15の導入部151が位置している。
堰125よりも領域R2側には、燃料配管15の導入部151が位置していない。
領域R1および領域R2のそれぞれには、普段は閉じられている排水口16が位置している。
密度差による燃料Fからの水の分離は、特に、導入部151に近い領域R1よりも領域R2において生じる。
領域R2において、燃料Fから分離した水は、導入部151へ向けた燃料Fの流動の影響により一部が領域R1へと移動するが、残りはそのまま燃料タンク12の領域R2における底部へと沈下する。それによって、図4にWで示すように水が領域R2の底部に溜まる。
領域R2の底部へと沈下した水は、堰125によって領域R2内に留められる。堰125は、下壁122から所定の高さだけ立ち上がっている。堰125の高さは、領域R2の底部に溜まった水が付近の流動により堰125を乗り越えないだけの高さと、領域R2の底部に溜まる水Wの水位とを考慮して定めることが好ましい。
堰125は、燃料タンク12の内壁12Aから剥がれ落ちた氷も領域R2内に留める。
領域R2内に沈下した水分は、堰125により領域R2内に留められ、領域R1へは流出しない。そのため、燃料Fから分離して沈下した水が、領域R1内で底部に対向する導入部151から燃料配管15内へと燃料Fと共に取り込まれることを防ぐことができる。
また、領域R2の底部に水が溜まるにつれて、燃料タンク12内から燃料配管15内へと取り込まれる燃料Fの水分濃度が減少することによっても、燃料配管15内へと水分が取り込まれることを抑えることができる。
領域R2の底部に溜まった水分は、排水口16から燃料タンク12の外部に排出させることができる。領域R1の底部に溜まった水分についても同様である。
堰125の形状、堰125により隔てられる領域R1および領域R2の各々の形状は、燃料タンク12の形状や、導入部151の位置、排水口16の位置などに応じて適宜に定めることができる。
堰125は、アルミニウム合金等の金属材料から形成することができる。その場合、堰125の表面は親水性を示す。そうすると、低温の外気がスキンを介して堰125に伝わることで堰125の温度が氷点下以下に低下したならば、堰125に接触した燃料Fに含まれる水が堰125の表面で凝固し、堰125に付着したまま保持される。堰125に付着した水の分だけ、燃料タンク12に貯留された燃料Fの水分濃度が減少するので、それによっても、燃料配管15内へと水分が取り込まれることを抑えることができる。
さらに、親水性を与える表面処理を施すことで堰125の親水性を強化すると、堰125の表面に、より十分な水分を付着させて保持することができるので、燃料配管15内への水分の取り込みを抑える効果を大きくすることができる。
堰125に施す表面処理としては、第1実施形態の燃料タンク12の内壁12Aに施したものと同様のコーティング、表面加工を採用することができる。
図4(b)に示すように、燃料タンク12の底部に複数の堰125,126を設けることもできる。
その場合、導入部151が位置する領域R1と、導入部151が位置していない領域R2とが複数の堰125,126により隔てられる。そうすると、燃料タンク12内の燃料Fの流動により、沈下した水が1つの堰126を乗り越えたとしても、別の堰125によりその水をせき止めることができるので、領域R2に沈下した水が領域R1に流出することをより確実に防ぐことができる。
堰125および堰126は、上述の第1〜第3実施形態のいずれにも適用することができる。
〔第5実施形態〕
次に、図5を参照し、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、燃料タンク12内の燃料Fに流動を与えることで、燃料タンク12の内壁12Aへの氷の付着を促進する。第5実施形態は、第1〜第4実施形態のいずれの構成とも組み合わせることができる。
本実施形態では、主翼の内部が複数の燃料貯留空間に区画されており、主翼の基端側から胴体にかけてインナータンク21が配置され、インナータンク21よりも翼端側にアウタータンク22が配置される。アウタータンク22は、左右の主翼にそれぞれ設けられており、それらのアウタータンク22,22の間にインナータンク21が設けられている。
インナータンク21およびアウタータンク22,22の各々の内壁には、親水性のコーティング・表面加工18を施すことが好ましい。
左右のアウタータンク22には、エンジン13に向けてアウタータンク22内の燃料Fを圧送する燃料ポンプ14がそれぞれ設けられる。
主翼が受ける揚力によって燃料を効率よく支える観点から、アウタータンク22にはインナータンク21よりも多くの燃料Fを貯留し、アウタータンク22内の燃料Fよりもインナータンク21内の燃料Fを先に消費することが好ましい。
このことを簡便な制御により実現するために、本実施形態では、インナータンク21内の燃料Fをアウタータンク22内へと移送する移送ポンプ23と、アウタータンク22内の燃料Fをインナータンク21内へとオーバーフローさせるための燃料通路24とを備える。
インナータンク21内の燃料Fは、インナータンク21とアウタータンク22とを繋ぐ移送管25を介してアウタータンク22へと移送される。移送管25には移送ポンプ23が接続されている。
移送ポンプ23として、電動ポンプを含む各種のポンプを用いることができるが、特に、流体ポンプ(ジェットポンプ)を用いることが好ましい。ジェットポンプは、高圧流体が加速により減圧されることで外部の流体を吸引し、その後、ディフューザによって減速昇圧する流体ポンプである。
移送管25および移送ポンプ23は、図示していないインナータンク21の右側にも設けられており、インナータンク21内の燃料Fは、移送先である左右の主翼のアウタータンク22,22の各々に設けられた燃料ポンプ14によってエンジン13へと供給される。
燃料通路24は、主翼が上反角を有するため、アウタータンク22内に連通する入口241から、それよりも低い位置でインナータンク21内に連通する出口242まで連続した下り勾配を有する。
燃料通路24も、左右の主翼にそれぞれ設けられている。
本実施形態では、インナータンク21からアウタータンク22へと移送される燃料Fの量がエンジン13による燃料の消費量を上回る能力で移送ポンプ23を作動させる。すると、アウタータンク22内には、エンジン13に消費されるために減少する分以上の燃料Fが補充されるので、アウタータンク22内の燃料Fは満タンの貯留量を維持し、その満タン貯留量を超える分は、燃料通路24を通じてインナータンク21内へと重力によりオーバーフローする。
さらに燃料消費が進行し、インナータンク21内の燃料Fが尽きるか、移送ポンプ23により燃料Fを汲み上げられなくなると、燃料Fの移送が終了し、これに続いてオーバーフローが停止する。これ以降は、アウタータンク22内の燃料Fが消費される。
本実施形態では、移送ポンプ23によりインナータンク21からアウタータンク22へと燃料Fが移送されるととともに、燃料通路24を通じてアウタータンク22からインナータンク21へと燃料Fが移送される。したがって、移送ポンプ23および燃料通路24はそれぞれ燃料Fの移送機構を構成する。
移送機構が設けられていると、各タンク21,22内に貯留された燃料Fに流動が与えられる。そのため、各タンク21,22の壁面に接触する燃料Fが効率よく入れ替わるので、より多くの燃料Fの水分を壁面に集めることができる。
さらに、本実施形態では、移送機構により移送されてタンク21,22内へと流れ出る燃料Fの流れの近傍に部材を設ける。
具体的に、インナータンク21内には、燃料通路24の出口242よりも下方に板27を設ける。板27は液面よりも下方にあってもよい。また、アウタータンク22内には、移送管25の出口252に対向する板28を設ける。
そのため、氷点下の温度環境において板27および板28に燃料Fが接触すると、板27および板28の各々の表面で燃料F中の水が凝固し、堆積する。
板27,28の表面に、親水性を与える表面処理を施すことも好ましい。
本実施形態によれば、燃料Fを強制的に流動させる装置等を用いることなく、タンク21,22間で移送される燃料Fの流れを利用してタンク21,22内の燃料Fに流動を与え、タンク21,22内で燃料Fが接触する壁面や部材(板27,28)に氷を付着させることができる。
本実施形態において、板27および板28を設ける代わりに、移送機構から流れ出る燃料Fの流れをタンク21,22の内壁に向けて当てるように構成することもできる。
〔第6実施形態〕
次に、図6を参照し、本発明の第6実施形態について説明する。
第6実施形態では、燃料配管15に設けられた取出管(狭隘部)の存在により燃料Fの流速が増すことを利用して容器の内部で燃料Fに旋回流を生じさせる。そして、旋回流に作用する遠心力によって燃料Fから水分を分離させる。
第6実施形態は、第1〜第5実施形態のいずれの構成とも組み合わせることができる。
水分離器30は、燃料Fの流れを受け入れて内部で旋回させることにより、燃料Fから水分を遠心分離させる。
水分離器30は、燃料配管15の取出管15Bに接続される。水分離器30内の旋回流に作用した遠心力により水分が分離された燃料Fが、取出管15Bに取り出される。
水分離器30は、円錐台状に形成され、先端を下方に向けて配置される。水分離器30の底部(円錐台の先端)には、燃料Fから分離された水分を抜き取るための水抜取口31が形成される。水抜取口31は開閉可能であり、普段は閉じられる。
水分離器30は、筒状や円錐状に形成されていてもよい。
水分離器30は、アルミニウム合金やステンレス鋼などの金属から形成される。その他、樹脂や、繊維強化樹脂などから形成することもできる。
水分離器30は、燃料配管15において外気に直接的に曝されるか、外気に近い箇所に設けられる。
水分離器30の内壁30Aには、親水性のコーティングや表面加工が施されることが好ましい。第1実施形態の燃料タンク12の内壁12Aに施したものと同様のコーティング、表面加工を採用することができる。
親水性のコーティングや表面加工が施されていない場合でも、水分離器30の母材が親水性を有することが必要である。
水分離器30の上方の壁面には、水分離器30内に燃料Fが流入する流入口33が形成される。流入口33を介して、水分離器30の壁面の接線方向に沿い(図6(b)参照)、かつ水分離器30の底部に向けて燃料Fが流入する。流入口33には、燃料配管15の配管15Cが接続される。
ここで、配管15Cと取出管15Bとは水分離器30の内部で連通している。
配管15Cを流れる燃料Fは取出管15B側へと引き込まれる。したがって、流入口33からは、流速が大である燃料Fが、水分離器30の内壁30Aに沿って旋回しながら下方へと進む。
取出管15Bは、閉塞された水分離器30の上端の中央部に、水分離器30と軸心を一致させて設けられる。取出管15Bは、水分離器30の底部の近くまで延びていてもよい。
旋回しながら下方へと進んだ燃料Fの流れは、水分離器30の底部側から取出管15Bの内側へと流入する。
燃料配管15内の燃料Fは、水分離器30内で螺旋状に旋回する。旋回する燃料Fに遠心力が働くことで、比重に基づいて燃料Fと水分とが遠心分離される。
氷点下の温度環境において、水分離器30が氷点下にまで冷却されると、燃料Fから分離した水分が水分離器30の内壁30Aで凝固する。内壁30Aは親水性であるために、付着した氷Icを留めることができる。内壁30Aに燃料F中の水分が保持されるので、水分が分離された燃料Fが燃料配管15の取出管15Bへと戻される。
内壁30Aに氷を保持する水分離器30を通過した燃料Fの水分濃度は、水分離器30を通過する前よりも下がるので、閉塞し易い取出管15Bにおいても、内壁15Aへの氷の付着を抑制し、必要な流量を確保することができる。
本実施形態においては、燃料配管15の内壁15Aに、第1実施形態で説明した撥水性のコーティングや表面加工を施し、内壁15Aへの氷の付着を防止することも好ましい。
水分離器30の内壁30Aに付着した氷は、着陸後、融解し、自重により内壁30Aを伝って水抜取口31への付近へと溜まる。このとき、水分離器30内に燃料Fが存在する場合と存在しない場合とがあるが、水分離器30内に燃料Fが存在していても、燃料Fと水分との密度差に基づいて水が水分離器30の底部に沈降する。
したがって、メンテナンス時などに水抜取口31を開け、水抜取口31を介して水を抜き取ればよい。
〔第7実施形態〕
次に、図7を参照し、本発明の第7実施形態について説明する。
第7実施形態では、燃料配管15が有する湾曲した区間15Rの外周側に容器40を配置している。
区間15Rは、エンジン13に用いられるエンジンオイルと燃料Fとの間で熱交換する熱交換器45への導入部に相当し、エンジン13の直前に位置している。
容器40は、区間15Rを流れる燃料Fに作用する遠心力により、燃料Fとの密度差に基づいて区間15Rの外周側において分離された水分(水および氷)を捕集する。容器40は、区間15Rの終端付近に位置している。
容器40は、燃料Fの流れの上流側に向けて形成された開口40Aを有している。この開口40Aから容器40内に水や氷を受け入れる。
容器40内に水や氷を捕集可能な適宜な形状に容器40を形成することができる。
本実施形態の容器40は、図7(a)および(b)に示すように、燃料配管15の半径方向に沿った底部41と、底部41の周縁部から立ち上がる壁部42とを備えている。
また、図7(b)に示すように、容器40を燃料Fの流れの方向に沿って見たときに扇形となるように形成し、容器40の内周側を燃料Fが流れるようにしている。
燃料配管15内を流れる燃料Fから区間15Rにおいて分離された水や氷が容器40内に捕集されるため、水や氷が燃料Fと共にエンジン13に取り込まれるのを防ぐことができる。特に、氷が容器40内に捕集されることにより、エンジン13の燃料受入ポート131を氷が塞いで給油が滞ることを阻止することができる。
容器40により捕集された氷は、周囲温度の上昇により(航空機の駐機時など)、いずれ融解する。
容器40は、水および氷のうち少なくとも氷を捕集するものであれば足りる。したがって、図7(c)に示すように、容器40に、底部41や壁部42を厚み方向に貫通する孔43を形成することもできる。
孔43の大きさは、水が通り抜け、所定の大きさの氷の粒や塊が通り抜けられない適宜な大きさに定めることができる。
孔43の代わりに細隙(スリット)を形成することもできる。また、容器40をメッシュ状に形成することもできる。
容器40の底部41に孔43や細隙が形成されていると、それらの開口を燃料Fが通り抜けるので、燃料Fの圧力損失を小さくすることができる。
容器40は、燃料配管15の内壁15Aに付着し、その後剥がれ落ちた大きな塊状の氷をも捕捉することができる。つまり、エンジン13の手前の湾曲した区間15Rに容器40が設置される場合は、燃料配管15の内壁15Aに水分が付着することが許容される。つまり、容器40が設置される燃料配管15の内壁15Aに、撥水性を与える表面処理が施されていなくてもよい。
〔第8実施形態〕
次に、図8を参照し、本発明の第8実施形態について説明する。
第8実施形態では、航空機のエンジンに用いられるエンジンオイル(冷却用オイル)が流れるエンジンオイル配管51の一部が、燃料配管15に対して放熱可能に配置されている。
図8に示す例では、エンジンオイル配管51の一部と燃料配管15の一部とが熱伝達部材52を介して熱的に結合している。
熱伝達部材52は、適宜な形態に構成することができ、エンジンオイル配管51および燃料配管15の継ぎ手を兼ねていてもよい。
エンジン内部の高温部に供給されるエンジンオイルは、燃料配管15の一部の区間を加熱する熱源として機能する。
エンジンオイル配管51内のエンジンオイルから、熱伝達部材52を介して燃料配管15へと放熱されることで、燃料配管15を流れる燃料に含まれる水分の氷結を防ぐことができる。また、燃料配管15内の氷粒を融解させることができる。
図示を省略するが、燃料配管15に設けられて燃料が通過する部材に対してエンジンオイル配管51内のエンジンオイルから放熱させることもできる。燃料が通過する部材としては、第6実施形態(図6)の水分離器30や、第7実施形態(図7)の容器40を例示することができる。
エンジンオイルから容器40に放熱されると、容器40が捕集した氷が融解されるので、容器40により氷を継続的に捕集することができる。
本実施形態によれば、エンジンの排熱であるエンジンオイルの熱を燃料に放熱させることで、燃料供給経路における氷結を抑制し、エンジンへの燃料の供給を確保することができる。
エンジンオイルの代わりに、エンジンが内蔵するギヤを冷却するギヤ冷却用オイル等、各種の冷却用オイルを使用することもできる。
冷却用オイルが流れる経路から、燃料が流れる経路へと放熱される構成として、図9に示すように、一般的な熱交換器の構成を採用することもできる。
熱交換器53と接続される燃料配管15aと15bは熱交換機53の内部で連通し、熱交換器53と接続されるエンジンオイル配管51aと51bは熱交換機53の内部で連通している。熱交換器53の内部で、燃料とエンジンオイルのそのもの自体が互いに分離された経路が形成されていればよい。
燃料に放熱させるエンジンの排熱としてエンジンの抽気を用いることも許容される。
例えば、エンジンから空調装置やデフロスト装置等に抽気を送る配管の下流から燃料配管へと放熱させてもよい。
また、エンジンに設けられる熱交換器等の装備品から燃料配管へと放熱させることもできる。
以上で説明した、燃料タンク12内において燃料Fに接触する部材(燃料タンク12の内壁12A等)に親水性を与える表面処理を施すこと(第1実施形態および第3実施形態)、燃料配管15の内壁15Aに撥水性を与える表面処理を施すこと(第1実施形態および第2実施形態)、燃料タンク12の底部に堰125を設けること(第4実施形態)、複数の燃料タンクの間で燃料を移送することにより燃料タンク内の燃料に流動を与えることで、燃料タンク12内において燃料Fに接触する部材の表面への氷の付着を促進すること(第5実施形態)、燃料配管15の途中に燃料Fから水を分離する水分離器30を配置すること(第6実施形態)、燃料配管15の湾曲した経路の外周側に水分を捕集可能な容器を配置すること(第7実施形態)、エンジンの排熱を燃料に放熱させること(第8実施形態)は、いずれも、エンジン13に供給される燃料Fに含まれる水分量を抑え、氷の付着や閉塞により燃料配管15を通じた燃料供給が滞ることを阻止することに寄与する。
その効果を高めるために、上記の構成から任意に選択した2つ以上の構成を相互に組み合わせることが好ましい。
上記の各実施形態では、航空機の燃料タンク12、燃料配管15について説明したが、本発明は、航空機に限らず、船舶、自動車等の輸送装置、あるいは寒冷地や低温環境で用いられる各種の燃料供給装置に適用することができる。
それらの燃料タンクの内壁に積極的に氷を付着させる場合には、燃料タンクの外壁を断熱材などで覆わずに、冷たい外気に開放するとよい。
輸送装置においては、自走により受ける気流を燃料タンクの外壁に向けて取り込むことにより燃料タンクを冷却し、燃料タンクの内壁に氷を付着させることが有効である。
その他の装置においては、送風機を用いて燃料タンクの外壁に向けて送風することができる。
本発明は、燃料配管の外周を断熱材で覆うことを許容する。
以上で説明した以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10 燃料供給装置
12 燃料タンク
12A 内壁(貯留燃料接触部)
13 エンジン(燃料供給先)
14 燃料ポンプ
15 燃料配管
15A 内壁
15B 取出管
15C 配管
15R 区間
16 排水口
17 コーティング・表面加工
18 コーティング・表面加工
19 覆い
21 インナータンク
22 アウタータンク
23 移送ポンプ
24 燃料通路
25 移送管
27,28 板
30 水分離器
30A 内壁
31 水抜取口
33 流入口
40 容器
40A 開口
41 底部
42 壁部
43 孔
45 熱交換器
51 エンジンオイル配管
52 熱伝達部材
53 熱交換器
121 上壁
122 下壁
123 側壁
124 側壁
125 堰
126 堰
131 燃料受入ポート
151 導入部
241 入口
242 出口
252 出口
F 燃料
R1 領域(第1領域)
R2 領域(第2領域)

Claims (17)

  1. 配管を通じて燃料供給先へと送られる燃料を貯留する燃料タンクであって、
    前記燃料タンク内において前記燃料に接触する貯留燃料接触部の全体または一部には、
    親水性を与える表面処理が施される、
    ことを特徴とする燃料タンク。
  2. 前記燃料タンクは、複数あり、
    複数の前記燃料タンクのうちの一の前記燃料タンクから別の前記燃料タンクへと前記燃料を移送する移送機構が設けられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク。
  3. 前記燃料タンクの底部には、
    前記燃料から分離された水を排出する排水口が開閉可能に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料タンク。
  4. 前記燃料タンクの底部を、第1領域と第2領域とに隔てる単一または複数の堰を備え、
    前記燃料タンク内の前記燃料を前記配管内へと導入する導入部は、
    前記第1領域および前記第2領域の一方に位置する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料タンク。
  5. 前記堰には、
    親水性を与える表面処理が施される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料タンク。
  6. 配管を通じて燃料供給先へと送られる燃料を貯留する燃料タンクであって、
    前記燃料タンクの底部を、第1領域と第2領域とに隔てる単一または複数の堰を備え、
    前記燃料タンク内の前記燃料を前記配管内へと導入する導入部は、
    前記第1領域および前記第2領域の一方に位置する、
    ことを特徴とする燃料タンク。
  7. 燃料を貯留するタンク内から燃料供給先へと送られる前記燃料が流れる燃料配管であって、
    前記燃料配管の内壁の全体または一部は、
    撥水性を有する材料からなるか、
    あるいは、撥水性を与える表面処理が施される、
    ことを特徴とする燃料配管。
  8. 前記燃料配管には、
    前記燃料の流れを受け入れて旋回させる水分離器が設けられる、
    ことを特徴とする請求項7に記載の燃料配管。
  9. 前記水分離器の内壁には、
    親水性を与える表面処理が施される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の燃料配管。
  10. 前記燃料配管は、
    湾曲した区間を有し、
    前記燃料配管内における前記区間の外周側には、
    前記燃料配管内の前記燃料の流れの上流側に向けて開口した容器が配置されている、
    ことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の燃料配管。
  11. 前記容器には、
    前記燃料が通過する孔または細隙が形成されている、
    ことを特徴とする請求項10に記載の燃料配管。
  12. 燃料を貯留するタンク内から燃料供給先へと送られる前記燃料が流れる燃料配管であって、
    湾曲した区間を有し、
    前記燃料配管内における前記区間の外周側には、
    前記燃料配管内の前記燃料の流れの上流側に向けて開口した容器が配置されている、
    ことを特徴とする燃料配管。
  13. 請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料タンクと、
    請求項7から12のいずれか一項に記載の燃料配管と、を備える、
    ことを特徴とする燃料供給装置。
  14. 請求項13に記載の燃料供給装置と、
    前記燃料供給先としてのエンジンと、を備える、
    ことを特徴とする航空機。
  15. 前記エンジンに用いられる冷却用オイルが流れる冷却用オイル経路の一部が、
    前記燃料配管、または前記燃料配管に設けられて前記燃料が通過する部材に対して放熱可能に配置されている、
    ことを特徴とする請求項14に記載の航空機。
  16. 燃料を貯留するタンク内から燃料供給先へと送られる前記燃料が流れる燃料配管と、
    前記燃料供給先としてのエンジンと、を備え、
    前記エンジンに用いられる冷却用オイルが流れる冷却用オイル経路の一部が、
    前記燃料配管、または前記燃料配管に設けられて前記燃料が通過する部材に対して放熱可能に配置されている、
    ことを特徴とする航空機。
  17. 水の凝固点よりも低温の環境下、燃料を貯留する燃料タンク内において、
    親水性を有する前記燃料タンクの内壁、または親水性を有する前記燃料タンク内に位置する部材に接触する前記燃料に含まれる水分の少なくとも一部を凝固させて前記内壁または前記部材に付着させることで、前記燃料から水分を分離させるステップと、
    前記燃料タンク内の前記水分が分離された前記燃料を配管を通じて供給先へと供給するステップと、を含む、
    ことを特徴とする燃料供給方法。
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