JP2015172330A - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイヤフラムポンプ式のキャブレタを備えるエンジンにおいて、その始動に用いる燃料を、ばらつきを伴わずに的確に供給することのできるエンジンの燃料供給装置を提供する。【解決手段】燃料タンク98と、クランクケース16内に生じる圧力変動を受けて駆動するダイヤフラムポンプを備えるキャブレタ60と、クランクシャフト12に連結した電動モータ40と、エンジンの始動に際し、電動モータ40によってクランクシャフト12を正転及び逆転方向に交互に回転させて前記クランクケース16内の圧力変動を生じさせ、燃料タンク98に貯えられた燃料を、キャブレタ60を介してエンジン10に供給する始動燃料供給装置と、を含んでエンジンの燃料供給装置を構成する。【選択図】 図7
Description
本発明は、エンジンの燃料供給装置に関し、特にダイヤフラムポンプ式のキャブレタを備えるエンジンにおいて、その始動に用いる燃料を供給するための技術に関する。
ダイヤフラムポンプ式のキャブレタを備えるエンジンの始動に関し、下記特許文献1は、次のような燃料供給装置を開示している。キャブレタの燃料貯留部とクランクケース内とを、ピストンの上下方向位置によらず、始動用燃料供給流路を介して常に連通させるようにしたものである。具体的には、キャブレタのダイヤフラムポンプにクランクケース内の圧力変動を作用させるための脈動伝達通路を形成するとともに、この脈動伝達通路から分岐して燃料貯留部に通じる始動用燃料供給流路を形成し、シリンダの内周壁に、脈動伝達通路のクランクケース側の開口部とクランクケース内とを連通させる溝を形成する。ここで、上記脈動伝達通路の開口部は、始動用燃料供給流路のクランクケース側の開口部を兼ねる。
前掲特許文献1の燃料供給装置によれば、脈動伝達通路から分岐する始動用燃料供給流路を形成するとともに、シリンダの内周壁に、脈動伝達通路の開口部とクランクケース内とを連通させる溝を形成したことで、エンジンの始動に際してピストンが下死点又はその付近にあり、脈動伝達通路の開口部(始動用燃料供給流路の開口部を兼ねる)がピストンの周側面によって塞がれているとしても、キャブレタの燃料貯留部とクランクケース内とが溝及び始動用燃料供給流路を介して連通するので、ピストンが上昇して吸気ポートが開放されるのを待たず、クランキングの開始直後から始動用燃料供給流路を通じてエンジンに燃料を供給することが可能となる。しかし、キャブレタの燃料貯留部に充分な量の燃料が貯えられていることが前提となるので、燃料貯留部や燃料タンクとキャブレタとの間の燃料配管等における燃料の残留状況に応じて実際にエンジンに供給される燃料の量にばらつきが生じ得る、という問題がある。
そこで、本発明は、ダイヤフラムポンプ式のキャブレタを備えるエンジンにおいて、その始動に用いる燃料を、ばらつきを伴わずに的確に供給することのできるエンジンの燃料供給装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態では、燃料タンクと、エンジンのクランクケース内に生じる圧力変動を受けて駆動するダイヤフラムポンプを備えるキャブレタと、エンジンのクランクシャフトに連結した電動モータと、エンジンの始動に際し、前記電動モータによって前記クランクシャフトを正転及び逆転方向に交互に回転させて前記クランクケース内の圧力変動を生じさせ、前記燃料タンクに貯えられた燃料を、前記キャブレタを介してエンジンに供給する始動燃料供給装置と、を含んでエンジンの燃料供給装置を構成する。
本発明の一形態によれば、電動モータによってクランクシャフトを正転及び逆転方向に交互に回転させることで、クランクケース内に圧力変動を生じさせる。これにより、エンジンの始動に際し、キャブレタに備わるダイヤフラムポンプをこの圧力変動によって作動させ、燃料タンクからキャブレタに燃料を供給することが可能となる。従って、充分な量の燃料をキャブレタに確保し、エンジンに対して的確に燃料を供給することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関(エンジン)10の構成を、クランクシャフト12の中心軸Ctrに平行な縦方向断面によって示している。
本実施形態に係るエンジン(以下、単に「エンジン」という)10は、園芸用の携帯作業機、例えば、刈払機に備わり、その駆動源を構成する。エンジン10の出力が刈払機の駆動軸を介してその回転刃に伝達され、これを回転させる。しかし、刈払機に限らず、草刈機、チェーンソー、サーキュラーカッター(カットオフソー)、噴霧機、散布機、送風機(ブロワ)及び集塵機等のあらゆる携帯作業機において、その駆動源として備えることが可能である。
本実施形態に係るエンジン(以下、単に「エンジン」という)10は、園芸用の携帯作業機、例えば、刈払機に備わり、その駆動源を構成する。エンジン10の出力が刈払機の駆動軸を介してその回転刃に伝達され、これを回転させる。しかし、刈払機に限らず、草刈機、チェーンソー、サーキュラーカッター(カットオフソー)、噴霧機、散布機、送風機(ブロワ)及び集塵機等のあらゆる携帯作業機において、その駆動源として備えることが可能である。
エンジン10は、電動モータ40を備え、エンジン10のクランクシャフト12と電動モータ40の回転軸42とが直結され、電動モータ40の出力トルクを、クランクシャフト12を介して刈払機の駆動軸(図示せず)に伝達するとともに、エンジン10の出力トルクを電動モータ40の回転軸42に伝達することもできるように構成されている。電動モータ40は、クランクシャフト12に対し、これと同軸上に回転軸42を連結するだけでなく、歯車又はチェーン機構等の動力伝達媒体を介して接続してもよく、クラッチを介して断続可能に接続してもよい。
エンジン10は、2ストロークエンジンであり、本実施形態では、単気筒の小型2ストロークエンジンを採用している。
エンジン10は、大きく分けてシリンダ14とクランクケース16とに分割形成され、クランクシャフト12は、クランクケース16に対してベアリング18によって軸支されている。ベアリング18の内側には、オイルシール20が設置されている。ピストン22は、シリンダ14にその内部を上下移動自在に挿入され、コンロッド24を介してクランクシャフト12に連結されている。
エンジン10は、大きく分けてシリンダ14とクランクケース16とに分割形成され、クランクシャフト12は、クランクケース16に対してベアリング18によって軸支されている。ベアリング18の内側には、オイルシール20が設置されている。ピストン22は、シリンダ14にその内部を上下移動自在に挿入され、コンロッド24を介してクランクシャフト12に連結されている。
具体的には、ピストン22は、ピストンピン26によってコンロッド24の一端部に接続され、コンロッド24は、他端部がクランクピン28に接続され、クランクピン28を保持するクランクアーム30を介してクランクシャフト12に接続されている。クランクアーム30は、クランクピン28の保持部とは反対側にカウンタウェイト32を備える。
シリンダ14には、ピストン22上方の部位に燃焼室Cが形成されており、燃焼室Cに臨ませるように点火プラグ34が設置されている。点火プラグ34は、コントロールユニット150からの指令信号に応じて作動し、燃焼室Cに形成された圧縮混合気に点火する。シリンダ14には、その外側面に複数の放熱フィン36が突出形成されている。
電動モータ40は、三相誘導型の電動モータ(ブラシレスモータ)であり、発動機(モータ)として機能するほか、発電機(ジェネレータ)として機能することもできる。本実施形態では、電磁コイル44を静止側に、永久磁石46を可動側に置き、永久磁石46を保持する回転子(ロータ)48を電磁コイル44の外側に配置している。電磁コイル44は、クランクケース16に対して固定されている。本実施形態において、永久磁石46は、有底円筒状に形成された回転子48の内周部に固定されており、回転子48は、クランクケース16外に延びるクランクシャフト12の延設部に、クランクシャフト12と同軸上で回転可能に取り付けられている。換言すれば、本実施形態において、クランクシャフト12の延設部は、電動モータ40の回転軸42の機能を兼ねる。回転子48の外周面には、冷却ファン50が形成されている。
コントロールユニット150は、点火回路152及びモータ制御回路154を備えるほか、エンジン10の運転状態を検出する構成として点火タイミング検出回路、スロットル開度検出回路及びロータ位置検出回路を備えている。
点火回路152は、エンジン10の運転条件に応じた点火タイミングTigを算出し、これに応じた指令信号を点火プラグ34に出力する。
モータ制御回路154は、電動モータ40の作動条件を算出し、これに応じた指令信号を電動モータ40に出力する。具体的には、エンジン10の通常運転時において、エンジン10の出力トルクに要求トルクに対する不足がある場合に、電動モータ40を発動機として動作させる指令信号を出力する一方、エンジン10の出力トルクに要求トルクに対する余裕がある場合に、これを発電機として動作させる指令信号を出力する。これに加え、本実施形態では、エンジン10の始動時において、後に述べる燃料供給制御を実行する。
モータ制御回路154は、電動モータ40の作動条件を算出し、これに応じた指令信号を電動モータ40に出力する。具体的には、エンジン10の通常運転時において、エンジン10の出力トルクに要求トルクに対する不足がある場合に、電動モータ40を発動機として動作させる指令信号を出力する一方、エンジン10の出力トルクに要求トルクに対する余裕がある場合に、これを発電機として動作させる指令信号を出力する。これに加え、本実施形態では、エンジン10の始動時において、後に述べる燃料供給制御を実行する。
モータ制御回路154は、電動モータ40を発動機として動作させる場合に、蓄電装置(例えば、バッテリ又はキャパシタ)160からの直流電流を三相の交流電流に変換し、各相の電流成分を対応する電磁コイル44に供給する。一方で、発電機として動作させる場合は、電磁コイル44が発生した三相の交流電流を直流電流に変換し、蓄電装置160に供給する。
図2は、エンジン10に備わるキャブレタ60の概略的な構成を、吸気通路の中心軸に平行な縦方向断面によって示している。
図3は、エンジン10の概略的な構成を、クランクシャフト12の中心軸Ctrに対して垂直な縦方向断面によって示している。
図3は、エンジン10の概略的な構成を、クランクシャフト12の中心軸Ctrに対して垂直な縦方向断面によって示している。
図3を参照してエンジン10の構成について更に説明した後、図2を参照してキャブレタ60の構成について説明する。
エンジン10には、給気通路102、掃気通路104及び排気通路106が形成されている。本実施形態において、これらの通路102〜106は、いずれも一端がシリンダ14の内部に連通しており、ピストン22の往復移動に応じてその周側面によって開閉される。
エンジン10には、給気通路102、掃気通路104及び排気通路106が形成されている。本実施形態において、これらの通路102〜106は、いずれも一端がシリンダ14の内部に連通しており、ピストン22の往復移動に応じてその周側面によって開閉される。
給気通路102は、給気ポートP1においてシリンダ14内に連通しており、給気ポートP1は、その上縁が下死点にあるピストン22の上面よりも下方に位置し、下縁が上死点にあるピストン22の下面よりも下方に位置するように設定されている。これにより、給気通路102は、ピストン22が下死点にあるときにピストン22の周側面によって閉塞される一方、ピストン22の上昇行程中期から下降行程中期に移行する過程でピストン22の下方で開口し、クランクケース16の内部に生じた負圧を導入して、クランクケース16内に空気と燃料との混合気を吸入させる。この燃料は、次に述べるキャブレタ60によって大気中から取り込まれた空気に添加される。ここで、上昇行程は、ピストン22が燃焼室Cから最も離れる下死点から、逆に最も近付く上死点に向けて移動する行程をいい、下降行程は、ピストン22が上死点から下死点に向けて移動する行程をいう。
掃気通路104は、一端の掃気流入口P21においてクランクケース16内に連通する一方、他端の掃気ポートP22においてシリンダ14内に連通し、クランクケース16内とシリンダ14内とを空間的に接続している。掃気ポートP22は、その上縁が下死点にあるピストン22の上面よりも上方に位置し、下縁が上死点にあるピストン22の下面よりも上方に位置するように設定されている。これにより、掃気通路104は、掃気ポートP22がピストン22の下降行程終期にピストン22の上方で開口することで、クランクケース16内とシリンダ14内とを連通させ、クランクケース16内の混合気をシリンダ14内に供給するための通路を形成する。
排気通路106は、排気ポートP3においてシリンダ14内に連通しており、排気ポートP3は、その上縁が下死点にあるピストン22の上面よりも上方に位置し、下縁が上死点にあるピストン22の下面よりも上方に位置するように設定されている。これにより、排気通路106は、ピストン22が上死点にあるときにピストン22の周側面によって閉塞される一方、ピストン22の下降行程中期以降の期間において掃気ポートP22よりも先にシリンダ14内に開口し、排ガスを導出して、シリンダ14内の圧力を低下させる。
クランクケース16には、クランクケース16内に生じた圧力変動を次に述べるキャブレタ60のポンプ駆動圧力室72に導入するための圧力伝達通路16aが形成されている。本実施形態において、圧力伝達通路16aは、クランクケース16をクランクシャフト12の中心軸Ctrに対して垂直な方向に貫通して形成され、クランクケース16内とポンプ駆動圧力室72とは、この圧力伝達通路16aを介して連通している。
図2に移り、キャブレタ60には、ベンチュリ部62が形成され、キャブレタ60に対し、ベンチュリ部62の下流側にエンジン10のシリンダ14が接続されている。ベンチュリ部62の上流側には、図示しない空気清浄器が取り付けられている。キャブレタ60の本体内部には、ベンチュリ部62の上流側にチョーク弁64が、下流側に空気調量弁66が回動自在に配設されている。
本実施形態において、ベンチュリ部62上側の本体壁部には、ダイヤフラム68によって画成されたポンプ室70及びポンプ駆動圧力室72が形成されている。ベンチュリ部62下側の本体壁部には、ダイヤフラム74によって画成された燃料貯留室76及び大気室78が形成されており、ポンプ室70は、逆止弁v1が介装された入口通路60aを介して燃料タンク98の内部に連通する一方、逆止弁v2が介装された中間通路60bを介して燃料貯留室76に連通している。ポンプ駆動圧力室72は、圧力導入通路60dを介してクランクケース16の圧力伝達通路16aと接続され、クランクケース16内に連通している。大気室78は、大気に開放されている。
ポンプ室70と燃料貯留室76との間の中間通路60bには、流入規制弁80が介装されている。流入規制弁80は、キャブレタ60の本体に対して軸82aを中心として回動可能に支持されたレバー部材82の一側部に結合されている。キャブレタ60の本体とレバー部材82との間には、スプリング84が圧縮状態で介装されており、レバー部材82は、流入規制弁80によって中間通路60bを閉塞させるように付勢されている。レバー部材82の他側部は、ダイヤフラム74の中央部に結合されている。
燃料貯留室76は、出口通路60cを介してベンチュリ部62に連通しており、出口通路60cの入口部には、この通路60cを流れる燃料の最大流量を規制する調量孔h1が形成され、出口部には、噴出孔h2が形成されている。出口通路60cの中間部には、燃料調節弁86が設置されている。燃料調節弁86は、作業者によって手動操作され、キャブレタ60によってエンジン10に供給する燃料量を調節する。
クランクケース16内の圧力変動が圧力通路16a,60dを通じてポンプ駆動圧力室72に導入されると、この圧力変動によってダイヤフラム68が動作して、燃料タンク98からポンプ室70に燃料が吸入される。燃料貯留室76の燃料は、ベンチュリ部62に生じた負圧によって燃料貯留室76から吸い出され、出口通路60cを通じてベンチュリ部62に供給され、空気清浄器を通過した空気に添加される。ここで、燃料調節弁86によって空気に添加される燃料量が調節されるとともに、その最大流量が調量孔h1によって規制される。燃料貯留室76に貯えられている燃料が減少すると、これに応じてダイヤフラム74が上昇し、レバー部材82を介して流入規制弁80を下降させる。これにより、中間通路60bが開放され、ポンプ室70から燃料貯留室76に燃料が供給される。
本実施形態において、キャブレタ60の「ダイヤフラムポンプ」は、ポンプ室70、ポンプ駆動圧力室72、入口通路60a、中間通路60b及び圧力導入通路60dを形成するキャブレタ60の本体上側壁部と、ダイヤフラム68と、逆止弁v1及びv2と、によって構成される。
ここで、エンジン10の動作について簡単に説明する。
図3〜6は、エンジン10の通常運転時における動作を時系列順に示している。
ピストン22が下死点を通過し、上死点に向けて移動を開始した後(図3)、ピストン22の周側面によって掃気ポートP22が閉塞されると、クランクケース16内が外部に対して密閉された状態となり、クランクケース16内に負圧が発達する。
図3〜6は、エンジン10の通常運転時における動作を時系列順に示している。
ピストン22が下死点を通過し、上死点に向けて移動を開始した後(図3)、ピストン22の周側面によって掃気ポートP22が閉塞されると、クランクケース16内が外部に対して密閉された状態となり、クランクケース16内に負圧が発達する。
上昇行程中期に至ると(図4)、ピストン22の下方で給気ポートP1が開放され、クランクケース16内の負圧が給気通路102に波及する。これにより、エンジン10外の空気がキャブレタ60に取り込まれ、キャブレタ60によって添加された燃料と空気との混合気が給気通路102を通じてクランクケース16内に導入される。
上昇行程終期に至ると、上死点近傍で点火プラグ34が作動して、燃焼室Cの圧縮混合気が点火される。上死点を通過して下降行程に移ると、ピストン22は、燃料の体積膨張によって押し下げられ、コンロッド24を介してクランクシャフト12を回転させる。クランクシャフト12の回転運動は、携帯作業機の駆動軸に伝達され、刈り刃を回転させる。
下降行程中期に至ると(図5)、ピストン22の上方で排気ポートP3が開放され、燃焼後の排ガスが排気通路106に導出される。これにより、シリンダ14内の圧力が急激に減少する。導出された排ガスは、図示しないマフラを通過し、大気中へ放出される。一方で、クランクケース16内では、ピストン22の下降によって混合気が圧縮され、圧力が上昇する。
下降行程終期に至ると(図6)、ピストン22の上方で掃気ポートP22が開放され、クランクケース16内の混合気が掃気通路104を通じてシリンダ14内に流出し、これにより、シリンダ14内に残存する排ガスが掃気される。
本実施形態に係る燃料供給制御について、以下に説明する。
図7〜11は、エンジン10の始動時における動作を示している。図7及び8は、燃料タンク98からキャブレタ60に燃料を供給する制御(以下「燃料充填制御」という)を、図9及び10は、キャブレタ60からエンジン10に燃料を供給し、混合気を形成する制御(以下「始動燃料供給制御」という)を、図11は、混合気に点火し、エンジン10を始動させる制御(以下「点火始動制御」という)を、夫々示している。図7〜11に示す一連の制御は、作業者が行う携帯作業機の始動操作に応じてコントロールユニット150によって実行される。従って、本実施形態において、「始動燃料供給装置」は、コントロールユニット150によって構成される。
図7〜11は、エンジン10の始動時における動作を示している。図7及び8は、燃料タンク98からキャブレタ60に燃料を供給する制御(以下「燃料充填制御」という)を、図9及び10は、キャブレタ60からエンジン10に燃料を供給し、混合気を形成する制御(以下「始動燃料供給制御」という)を、図11は、混合気に点火し、エンジン10を始動させる制御(以下「点火始動制御」という)を、夫々示している。図7〜11に示す一連の制御は、作業者が行う携帯作業機の始動操作に応じてコントロールユニット150によって実行される。従って、本実施形態において、「始動燃料供給装置」は、コントロールユニット150によって構成される。
図7及び8において、コントロールユニット150からの指令信号を受けた電動モータ40は、クランクシャフト12を正転及び逆転方向に交互に回転させて、クランクケース16内に圧力変動を生じさせ、この圧力変動をキャブレタ60のポンプ駆動圧力室72に波及させて、ダイヤフラム68を動作させる。これにより、燃料タンク98から燃料が吸い出され、ポンプ室70に供給される。
具体的には、クランクシャフト12を、給気ポートP1及び掃気ポートP22の双方がピストン22の周側面によって閉塞される範囲Cr1〜Cr2で正転及び逆転方向に回転させる。本実施形態では、ピストン22を上死点に近付けるクランク角Cr1の位置(「第2の位置」に相当する)と、ピストン22を上死点から遠ざけるクランク角Cr2の位置(「第1の位置」に相当する)と、の間を往復させる。ここで、クランク角Cr2では、ピストン22の冠面が掃気ポートP22の上縁よりも上死点側に位置し、クランク角Cr1では、ピストン22の下面が吸気ポートP1の下縁よりも下死点側に位置している。
このように、吸気ポートP1及び掃気ポートP22のいずれをも閉塞させる範囲Cr1〜Cr2で、換言すれば、クランクケース16内の外部に対する連通が圧力伝達通路16a以外で遮断された状態でクランクシャフト12を前後交互に回転させることで、クランクケース16内の圧力変動によってキャブレタ60のダイヤフラム68を動作させ、燃料タンク98からキャブレタ60に燃料を供給することができる。供給された燃料は、燃料貯留室76に対し、燃料の残留状況に応じて供給される。
ここで、給気ポートP1の閉塞が維持されることから、燃料充填制御の間にエンジン10に燃料が供給されることはなく、エンジン10に対する燃料の過剰供給を回避し、失火を防止することができる。
燃料充填制御におけるクランクシャフト12の往復回数は、キャブレタ60における燃料の残留状況に応じて適宜設定することが可能である。例えば、キャブレタ60の内部(例えば、燃料貯留室76)及び燃料タンク98からキャブレタ60までの燃料配管等における燃料の残存量が最も少ない条件に適合させる。
本実施形態では、クランクシャフト12をクランク角Cr2の位置に回転させる際に、ピストン22の冠面が排気ポートP3の上縁よりも下方に位置するまで回転させ、排気ポートP3の一部を開放させている。これにより、ピストン22の往復移動距離を拡大させ、クランクケース16内により大きな圧力変動を生じさせつつ、シリンダ14内での圧縮による反力作用を軽減し、電動モータ40に対する負荷を低減することが可能となる。しかし、これに限らず、ピストン22の冠面が排気ポートP3の上縁よりも上方に位置するクランク角Cr2’までの範囲でクランクシャフト12を回転させるようにしてもよい。図8は、クランクシャフト12がクランク角Cr2’の位置にあるときのピストン22を、二点鎖線によって示している。
図9及び10において、電動モータ40は、クランクシャフト12をクランク角Cr1〜Cr2よりも広い範囲Cr3〜Cr4に亘って正転及び逆転方向に交互に回転させ、クランクケース16内に生じた圧力変動をキャブレタ60のポンプ駆動圧力室72に波及させるとともに、これを吸気通路102にも波及させる。これにより、キャブレタ60を通過した空気と燃料との混合気がクランクケース16内に供給される。
具体的には、クランクシャフト12を、ピストン22の下面が給気ポートP1の下縁よりも上方に位置し、給気ポートP1の一部がクランクケース16内に開口するクランク角Cr3の位置まで逆転方向に回転させるとともに、これに続いて正転に転じさせ、ピストン22の冠面が掃気ポートP22の上縁よりも下方に位置し、掃気ポートP22の一部がシリンダ14内に開口するクランク角Cr4の位置まで正転方向に回転させる。このクランク角Cr3及びCr4の間での往復回転は、シリンダ14内に点火可能な混合気が形成されるまで繰り返される。本実施形態において、掃気ポートP22を開口させるクランク角Cr4の位置は、「第3の位置」に相当し、クランク角Cr2(第1の位置)におけるよりもピストン22を下死点に近付ける。一方で、給気ポートP1を開口させるクランク角Cr3の位置は、「第4の位置」に相当し、クランク角Cr1(第2の位置)におけるよりもピストン22を上死点に近付ける。
このように、クランクシャフト12を給気ポートP1が開口するまで一方向に回転させた後、これとは逆方向に掃気ポートP22が開口するまで回転させることで、クランクケース16内に混合気を吸入し、クランクケース16内から掃気通路104を通じてシリンダ14内に混合気を供給することができる。
ここで、先の燃料充填制御によってキャブレタ60に充分な量の燃料が確保されていることから、始動燃料供給制御におけるクランクシャフト12の往復回数を一定に設定したとしても、次の点火に際して燃焼室Cに形成される圧縮混合気の濃度にばらつきが生じるのを抑制し、失火を防止し、エンジン10を確実に始動させることができる。換言すれば、エンジン10の始動に必要な量の燃料を供給するのに要する往復回数にばらつきが生じるのを抑制することができる。
図11において、電動モータ40は、クランクシャフト12を、ピストン22が上死点前の所定の位置に到達するクランク角Cr5の位置まで逆転方向に回転させる。クランクシャフト12がクランク角Cr5の位置に至る過程で、掃気ポートP22及び排気ポートP3がピストン22の周側面によって閉塞され、燃焼室Cに圧縮混合気が形成される。
本実施形態において、クランク角Cr5は、エンジン10の始動時における点火タイミングを定める角度に設定されており、クランクシャフト12がクランク角Cr5の位置に到達した時点で点火プラグ34が作動し、燃焼室Cの圧縮混合気に対する点火が実行される。電動モータ40は、点火に同期してクランクシャフト12の回転駆動を停止する。これにより、ピストン22は、燃料の体積膨張によって上記所定の位置から押し下げられ、クランクシャフト12は、クランク角Cr5の位置から正転に転じ、正転方向の回転を開始する。
回転変動が大きく、点火後最初の上死点を良好に通過することができない場合は、上死点前に電動モータ40を再度駆動し、クランクシャフト12に対して正転方向のアシストトルクを生じさせるようにしてもよい。これにより、フライホイルの機能を電動モータ40によって兼ねることができる。
本実施形態では、クランクシャフト12を到達させる上死点前の位置Cr5を点火タイミングに対応させて設定し、点火に同期させて電動モータ40の回転駆動を停止するようにしたが、これに限らず、クランクシャフト12の実際の回転速度を検出する構成(例えば、ロータ位置検出回路)を備える場合は、点火に際してクランクシャフト12を回転させる位置を予め設定しておき、電動モータ40によってクランクシャフト12をこの所定の位置まで回転させた後、クランクシャフト12の回転停止に同期して点火プラグ34を作動させるようにしてもよい。
このように、本実施形態によれば、電動モータ40によってクランクシャフト12を正転及び逆転方向に交互に回転させることで、クランクケース16内に圧力変動を生じさせ、この圧力変動をキャブレタ60のポンプ駆動圧力室72に波及させることで、ダイヤフラム68を動作させ、燃料タンク98からキャブレタ60に燃料を供給することが可能となる。従って、エンジン10の始動に際して充分な量の燃料をキャブレタ60に確保することができる。
キャブレタ60に燃料を供給した後、給気ポートP1と掃気ポートP22とが交互に開口するようにクランクシャフト12を前後交互に回転させることで、キャブレタ60を介してクランクケース16内に混合気を供給し、更にこの混合気を、掃気通路104を通じてシリンダ14内に供給することができる。
そして、クランクシャフト12を逆転方向に回転させて、シリンダ14内の混合気を圧縮し、クランクシャフト12が上死点前の位置に到達した時点で点火することで、エンジン10の始動に燃料の体積膨張力を利用することが可能となる。従って、エンジン10を確実に始動させるとともに、これまで始動モータ等によって行っていたクランキングを不要として、電動モータ40の小型省力化が可能となる。
本実施形態では、エンジン10の始動に際して行われる上記一連の制御において、ピストン22に上死点を通過させる必要がないので、より小型省力型の電動モータ40を採用することができる。
図12は、本発明の他の実施形態に係る燃料供給装置を構成するキャブレタ60の概略的な構成を、図2と同様な縦方向断面によって示している。
先の実施形態では、燃料タンク98からキャブレタ60への燃料の供給(充填)をクランクシャフト12の往復回転によって実現したが、本実施形態では、プライミングポンプ90によってこれを実現している。プライミングポンプ90及びその周辺以外の構成は、先の実施形態におけると同様である。
先の実施形態では、燃料タンク98からキャブレタ60への燃料の供給(充填)をクランクシャフト12の往復回転によって実現したが、本実施形態では、プライミングポンプ90によってこれを実現している。プライミングポンプ90及びその周辺以外の構成は、先の実施形態におけると同様である。
エンジン10の始動に際して作業者がプライミングポンプ90のスポイド92を押し潰し、更にこれを復元させると、傘型弁94の傘部94aによって具現される逆止弁がスポイド容積の増大に伴って吸入通路90aを開放し、燃料貯留室76の燃料蒸気及び空気を、この吸入通路90aを通じてスポイド92内に流入させる。そして、作業者が次にスポイド92を押し潰すことで、傘型弁94の軸部94bによって具現される逆止弁が吐出通路90bを開放し、スポイド92内の燃料蒸気等を燃料タンク98に還流させる。このような動作を繰り返すことで、燃料貯留室76に負圧が発達し、流入規制弁80が開弁して、燃料タンク98からキャブレタ60(燃料貯留室76)に燃料が供給される。
キャブレタ60に燃料を充填した後の制御は、先の実施形態におけると同様(始動燃料供給制御、点火始動制御)であってよい。具体的には、クランクシャフト12をクランク角Cr3の位置とクランク角Cr4の位置との間で往復させて、シリンダ14内に混合気を供給した後、クランクシャフト12を上死点前の位置Cr5まで逆転方向に回転させ、燃焼室Cの圧縮混合気に点火する。
本実施形態によれば、エンジン10の始動に際してシリンダ14内に混合気を予め形成し、燃料の体積膨張力を利用して始動させることが可能となるので、これまで始動モータ等によって行っていたクランキングが不要となり、電動モータ40の小型省力化が可能となる。
本実施形態では、キャブレタ60の本体上側壁部と、ダイヤフラム68と、逆止弁v1及びv2と、によってキャブレタ60の「ダイヤフラムポンプ」が構成され、コントロールユニット150及びプライミングポンプ90によって「始動燃料供給装置」が構成される。
以上の説明では、ピストン22を上死点に近付ける場合のクランクシャフト12の回転方向を逆転方向とし、逆に遠ざける場合の回転方向を正転方向とした。このような設定によれば、点火に際してクランクシャフト12を上死点前の位置に到達させる際の回転角度が小さくて済むので、エンジン10の始動に要する時間を短縮することが可能である。しかし、回転方向の正逆は、ピストン22を上死点に近付ける場合を正転方向とし、遠ざける場合を逆転方向としてもよい。この場合は、例えば、図7に示す例に対し、クランクシャフト12が、シリンダ14の中心軸を基準とした鏡面対称の位置を往復することになる。
エンジンには、4ストロークエンジンを採用することもできる。この場合は、エンジンの始動に際し、吸気弁が閉弁するクランク角の範囲(例えば、排気行程)でクランクシャフトを正転及び逆転方向に交互に回転させ、クランクケース内に生じた圧力変動を、キャブレタに備わるダイヤフラムポンプに作用させる。そして、クランクシャフトの往復回転を、ピストンの到達範囲を変更させて継続し、吸気ポートを介して混合気をシリンダ内に供給した後、クランクシャフトを圧縮上死点前の所定の位置まで逆転方向に回転させ、点火する。
10…内燃機関(エンジン)、12…クランクシャフト、14…シリンダ、16…クランクケース、16a…圧力伝達通路、18…ベアリング、20…オイルシール、22…ピストン、24…コンロッド、26…ピストンピン、28…クランクピン、30…クランクアーム、32…カウンタウェイト、34…点火プラグ、36…放熱フィン、40…電動モータ、42…回転軸、44…電磁コイル、46…永久磁石、48…回転子(ロータ)、50…冷却ファン、102…給気通路、104…掃気通路、106…排気通路、P1…給気ポート、P21…掃気流入口、P22…掃気ポート、P3…排気ポート、60…キャブレタ、60a…入口通路、60b…中間通路、60c…出口通路、60d…圧力導入通路、62…ベンチュリ部、68…ダイヤフラム、70…ポンプ室、72…ポンプ駆動圧力室、74…ダイヤフラム、76…燃料貯留室、78…大気室、80…流入規制弁、82…レバー部材、84…スプリング、86…燃料調節弁、90…プライミングポンプ、92…スポイド、94…傘型弁、98…燃料タンク、v1,v2…逆止弁、h1…調量孔、h2…噴出孔、150…コントロールユニット、152…点火回路、154…モータ制御回路、160…蓄電装置。
Claims (9)
- 燃料タンクと、
エンジンのクランクケース内に生じる圧力変動を受けて駆動するダイヤフラムポンプを備えるキャブレタと、
エンジンのクランクシャフトに連結した電動モータと、
エンジンの始動に際し、前記電動モータによって前記クランクシャフトを正転及び逆転方向に交互に回転させて前記クランクケース内の圧力変動を生じさせ、前記燃料タンクに貯えられた燃料を、前記キャブレタを介してエンジンに供給する始動燃料供給装置と、
を含んで構成されるエンジンの燃料供給装置。 - 2ストロークエンジンに備わる請求項1に記載の燃料供給装置であって、
前記始動燃料供給装置は、ピストンの冠面が掃気ポートよりも上死点側にある第1の位置と、前記ピストンの下面が吸気ポートよりも下死点側にあり、前記第1の位置におけるよりも前記ピストンの冠面が上死点に近付く第2の位置と、の間で前記クランクシャフトを回転させる、
エンジンの燃料供給装置。 - 前記クランクシャフトが前記第1の位置にあるときに、排気ポートの少なくとも一部が開口する、請求項2に記載のエンジンの燃料供給装置。
- 前記始動燃料供給装置は、前記第1及び第2の位置の間で前記クランクシャフトを回転させた後、前記第1の位置におけるよりも前記ピストンの冠面が下死点に近付き、前記掃気ポートの少なくとも一部が開口する第3の位置と、前記第2の位置におけるよりも前記ピストンの冠面が上死点に近付き、前記吸気ポートの少なくとも一部が開口する第4の位置と、の間で前記クランクシャフトを回転させる、
請求項2又は3に記載のエンジンの燃料供給装置。 - 2ストロークエンジンに備わる請求項1に記載の燃料供給装置であって、
前記始動燃料供給装置は、
前記燃料タンクに貯えられた燃料を前記ダイヤフラムポンプによらずに前記キャブレタに供給するプライミングポンプを備え、
ピストンの冠面が掃気ポートの上縁及び吸気ポートの上縁の間にあり、前記掃気ポートの少なくとも一部が開口する第3の位置と、前記ピストンの冠面が前記掃気ポートよりも上死点側にあり、前記吸気ポートの少なくとも一部が開口する第4の位置と、の間で前記クランクシャフトを回転させる、
エンジンの燃料供給装置。 - 前記第3及び第4の位置の間で前記クランクシャフトを回転させた後、前記クランクシャフトを圧縮上死点前の所定の位置まで逆転方向に回転させる、請求項4又は5に記載のエンジンの燃料供給装置。
- 前記所定の位置は、エンジンの始動時における点火タイミングに対応する、請求項6に記載のエンジンの燃料供給装置。
- 前記クランクシャフトを前記所定の位置まで回転させた後、前記クランクシャフトの回転停止に同期して、供給された燃料の混合気に点火する、請求項6に記載のエンジンの燃料供給装置。
- 請求項1〜8のいずれか1つに記載の燃料供給装置を備えるエンジンを含んで構成された、前記エンジンを駆動源とする携帯作業機。
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JP2012147742A JP2015172330A (ja) | 2012-06-29 | 2012-06-29 | エンジンの燃料供給装置 |
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2012
- 2012-06-29 JP JP2012147742A patent/JP2015172330A/ja active Pending
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2013
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