JP2015171793A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気キャップの吸引を行わない状況下で排気部材が駆動されて、液体供給部側の排気弁が開放されてしまう場合でも、排気キャップ内の内圧上昇を抑えて、排気キャップから液体供給部への空気の逆流を抑制すること。
【解決手段】インクジェットプリンタは、サブタンク内の気泡を排出するための4つの排気ユニット27と、4つの排気ユニット27の排気口30を覆う排気キャップ37と、排気キャップ37に接続された吸引ポンプ39と、排気キャップ37を貫通した状態で上下に移動可能な4本の排気部材40と、4本の排気部材40を駆動する回転カム50を備えている。回転カム50は、ブラックの排気部材40aを待機位置(A)から作動位置(B)に移動させる間に、カラーの排気部材40b〜40dを待機位置(A)から退避位置(C)に移動させる。
【選択図】図10

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出装置に関する。
特許文献1には、液体吐出装置としてのインクジェットプリンタが開示されている。特許文献1のインクジェットプリンタは、4色のインク(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)を吐出するインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)と、インクジェットヘッドに前記4色のインクをそれぞれ供給するサブタンク(液体供給部)とを備えている。
サブタンクには、4色のインクがそれぞれ流れるインク供給流路が形成されている。また、サブタンクには、4色のインク供給流路にそれぞれ接続された4つの排気ユニット(排気部)が設けられている。各排気ユニットは、排気口を開閉する排気弁を有する。
また、インクジェットプリンタは、前記サブタンクのインク供給流路内に混入した気泡を排気ユニットから排出するために(以下、排気パージという)、以下の構成を備えている。即ち、インクジェットプリンタは、前記4つの排気ユニットの排気口を共通に覆う排気キャップと、排気キャップに接続された吸引ポンプと、4つの排気ユニットの排気弁をそれぞれ開閉するための4本のピン(排気部材)を有する。
4本のピンは、排気キャップを貫通した状態で設置されている。また、4本のピンは、その下方に配置されている回転カム(排気駆動部)によって上下に駆動され、排気ユニットの排気弁を開閉する。4本のピンのうち、3色(イエロー、シアン、マゼンタ)のカラーインク用の3本のピンは互いに連結されており、一体的に上下に駆動される。一方、ブラックインク用のピンは、カラーインク用の3本のピンとは別に、独立して上下に駆動される。
サブタンクの排気パージは以下のようにして行われる。まず、排気パージが行われる前の状態では、回転カムは、所定の原点位置にあり、このとき、4本のピンは、排気弁から下方に離れた位置において待機している。回転カムが原点位置から回転すると、ブラックインク用のピンと、3本のカラーインク用のピンとが、それぞれ異なるタイミングで上方へ駆動される。上方へ駆動されたピンは、対応する排気ユニットの排気弁を開放し、このとき、サブタンク内のインク供給流路と排気キャップ内が連通する。さらに、上記の排気弁の開放とともに、吸引ポンプによって排気キャップ内の吸引が行われる。これにより、インク供給流路内の気泡が排気キャップへ排出される。
特開2011−207058号公報
ところで、特許文献1のインクジェットプリンタにおいて、サブタンクから気泡を排出する排気パージを行わない状況下で、4本のピンを駆動する回転カムのみを動かす特殊な場合がある。例えば、電源投入時など、プリンタが、回転カムの状態(カムのポジション)を認識できない場合に、回転カムを一通り動かして原点位置にあわせる(原点検出)を行う必要がある。
このような場合、回転カムの回転によって各ピンが上方に駆動されるが、排気パージを行うわけではないので、吸引ポンプによる排気キャップ内の吸引は行われない。そのため、ピンが排気キャップに対して上昇するに従って、ピンの、排気キャップ内に突出する部分の容積が増加し、その分、排気キャップ内の内圧が上昇する。また、ピンの上昇によって排気ユニット内の排気弁が開放される。そのため、内圧が上昇している排気キャップ内の空気が、排気ユニットから、サブタンク内のインク供給流路へ逆流する虞がある。
本発明の目的は、排気キャップ内の吸引を行わない状況下で排気部材が駆動されて排気弁が開放されてしまう場合でも、排気キャップ内の内圧上昇を抑えて、排気キャップから液体供給部への空気の逆流を抑制することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の液体吐出装置は、液体を吐出する複数のノズルを含む液体流路が形成された液体吐出ヘッドと、前記液体流路に連通する供給流路が形成され、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給部と、前記液体供給部の前記供給流路に接続され、且つ、前記供給流路内の気泡を排出するための排気口、及び、前記排気口を開閉可能な排気弁を有する、複数の排気部と、前記複数の排気部の前記排気口を共通に覆う排気キャップと、前記排気キャップに接続された吸引装置と、前記排気キャップを貫通した状態で前記複数の排気部に対してそれぞれ設けられ、前記排気弁を作動させるための作動位置と、前記作動位置よりも前記排気口から離れた待機位置とにわたって、前記排気キャップに対して移動可能な複数の排気部材と、前記複数の排気部材を駆動する排気駆動部と、を備え、
前記排気駆動部は、前記複数の排気部材に含まれる第1排気部材と第2排気部材とを、それぞれ異なるタイミングで、前記待機位置から前記作動位置に移動させるように構成され、さらに、前記排気駆動部は、前記第1排気部材を前記待機位置から前記作動位置に移動させる間に、前記第2排気部材を、前記待機位置から、この待機位置よりも前記排出口から離れた退避位置へ向けて移動させることを特徴とするものである。
本発明において、排気駆動部は、第1排気部材と第2排気部材を、それぞれ異なるタイミングで、待機位置から、排気弁を開放させるための作動位置に移動させる。また、排気駆動部は、第1排気部材が待機位置から作動位置へ移動する間、即ち、第1排気部材の、排気キャップ内の突出部分の体積が増加する間に、第2排気部材を、待機位置よりもさらに排気口から離れた退避位置へ移動させることで、第2排気部材の、排気キャップ内の突出部分の体積を逆に減少させる。これにより、第1排気部材の前記突出部分の体積増加が、第2排気部材の前記突出部分の体積減少と相殺されるため、排気キャップ内の内圧上昇が抑えられる。従って、排気部材によって排気弁が開放されても、排気キャップ内の空気が液体供給部へ逆流しにくくなる。
第2の発明の液体吐出装置は、前記第1の発明において、前記排気駆動部は、前記作動位置に移動した前記第1排気部材を、前記作動位置から前記待機位置に戻す間に、前記第2排気部材を、前記退避位置から前記作動位置へ向けて移動させることを特徴とするものである。
本発明は、第1排気部材が作動位置から待機位置に戻るときに、第2排気部材を作動位置に向けて移動させる。これにより、第1排気部材の後に第2排気部材を作動位置へ駆動する際に、第2排気部材の排気キャップ内の突出部分の体積増加が、第1排気部材が待機位置へ戻ることによる、第1排気部材の排気キャップ内の突出部分の体積減少によって相殺される。従って、第2排気部材が作動位置に移動する際の、排気キャップ内の内圧上昇が抑えられる。
第3の発明の液体吐出装置は、前記第1又は第2の発明において、前記第1排気部材が前記待機位置から前記作動位置に移動する間における、前記第1排気部材の前記排気キャップ内に突出した部分の体積増加量と、前記第2排気部材が前記待機位置から前記退避位置に移動する間における、前記第2排気部材の前記排気キャップ内に突出した部分の体積減少量とが、等しいことを特徴とするものである。
本発明では、第1排気部材の排気キャップ内の突出部分の体積増加と、第2排気部材の排気キャップ内の突出部分の体積減少が、完全に相殺されるため、排気キャップの内圧上昇が確実に抑えられる。
第4の発明の液体吐出装置は、前記第3の発明において、前記排気駆動部によって同じタイミングで駆動される前記第1排気部材の数をN1、前記排気駆動部によって同じタイミングで駆動される前記第2排気部材の数をN2、前記第1排気部材、及び、前記第2排気部材の、前記待機位置から前記作動位置までの移動量をS1、前記第2排気部材の、前記待機位置から前記退避位置までの移動量をS2、としたときに、N1<N2であり、且つ、S2=(N1/N2)×S1であることを特徴とするものである。
本発明では、同じタイミングで駆動される第2排気部材の数が、同じタイミングで駆動される第1排気部材の数よりも多い。従って、仮に、第1排気部材と第2排気部材とを、それぞれ同じ量だけ移動させた場合には、第2排気部材の移動による、排気キャップ内の突出部分の体積変化量の方が、第1排気部材の移動による前記体積変化量よりも大きくなる。逆に言えば、第1排気部材が待機位置から作動位置までS1だけ移動するときの、第2排気部材の、待機位置から退避位置までの移動量S2を、上記のS1よりも小さくすることができる。
本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 サブタンク及びインクジェットヘッドの斜視図である。 図2のII-IIV線鉛直断面図である。 排気ユニット、及び、排気キャップの鉛直断面図である。 メンテナンスユニットの斜視図である。 メンテナンスユニットの右側面図である。 ノズルキャップ及び排気キャップの昇降動作を説明する図である。 排気部材の上下駆動時における、メンテナンスユニットの概略的な上面図である。 排気部材の上下駆動時における、メンテナンスユニットの概略的な側面図である。 排気部材の上下駆動時における、排気ユニット、及び、排気キャップの断面図である。 ブラックの排気部材が先に駆動される利点を説明する図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1(本発明の液体吐出装置)は、プラテン2、キャリッジ3、サブタンク4、インクジェットヘッド5、ホルダ6、給紙ローラ7、排紙ローラ8、メンテナンスユニット9、制御装置10などを備えている。尚、図1に示す前後左右の各方向をプリンタの「前」「後」「左」「右」と定義する。また、図1の紙面手前側を「上」、紙面向こう側を「下」とそれぞれ定義する。以下では、前後左右上下の各方向語を適宜使用して説明する。
(プリンタの概略構成)
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙Pが載置される。また、プラテン2の上方には、左右方向(以下、走査方向ともいう)に平行に延びる2本のガイドレール11,12が設けられる。
キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール11,12に沿って走査方向に移動可能に構成されている。キャリッジ3には無端状の駆動ベルト14が連結され、キャリッジ駆動モータ13によって駆動ベルト14が駆動されることで、キャリッジ3は走査方向に移動する。
図2は、サブタンク4及びインクジェットヘッド5の斜視図である。図3は、図2のIII-III線鉛直断面図である。尚、図3では、インクジェットヘッド5については、図面の簡単化のため、断面図とせず、側面図で示している。サブタンク4(本発明の液体供給部)は、キャリッジ3に搭載されている。サブタンク4の上面には、チューブジョイント16が設けられており、ホルダ6と接続された4本のインク供給チューブ17がチューブジョイント16に接続されている。ホルダ6には、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクがそれぞれ貯留された4つのインクカートリッジ15が交換可能に装着されている。そして、4つのインクカートリッジ15にそれぞれ貯留された4色のインクが、4本のインク供給チューブ17を介して、サブタンク4に供給される。また、サブタンク4の右側面には、サブタンク4内の流路に混入した気泡を排出するための、4つの排気ユニット27(本発明の排気部)が設けられている。サブタンク4、及び、排気ユニット27の詳細構成については後述する。
インクジェットヘッド5(本発明の液体吐出部)は、サブタンク4の下部に取り付けられている。インクジェットヘッド5は、その下面(以下、インク吐出面5aともいう)に形成された複数のノズル18を含むインク流路19を有する。インクジェットヘッド5は、サブタンク4から供給されたインクを、複数のノズル18からそれぞれ吐出する。複数のノズル18は、4色のインクにそれぞれ対応して配列されて、4列のノズル列を構成している。
図1に戻り、給紙ローラ7と排紙ローラ8は、図示しない搬送モータによってそれぞれ同期して回転駆動される。給紙ローラ7と排紙ローラ8は協働して、プラテン2に載置された記録用紙Pを前方(以下、搬送方向ともいう)に搬送する。
メンテナンスユニット9は、プラテン2よりも走査方向一方側(図1の右側)の位置(以下、メンテナンス位置ともいう)に配置されている。このメンテナンスユニット9は、インクジェットヘッド5の吐出機能の維持、回復のための動作を行う。具体的には、メンテナンスユニット9は、インクジェットヘッド5の複数のノズル18からインクを強制的に吸引排出し、異物、気泡、あるいは、乾燥により高粘度化したインク等をインクジェットヘッド5から排出する(この動作を、吸引パージという)。また、メンテナンスユニット9は、サブタンク4内の流路に混入している気泡を、インクジェットヘッド5へ流れ込む前に排気ユニット27から吸引して排出する(この動作を、排気パージという)。メンテナンスユニット9の詳細構成については後述する。
制御装置10は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備える。制御装置6は、ROMに格納されたプログラムに従い、ASICにより、記録用紙100への印刷等の各種処理を実行する。例えば、印刷処理においては、制御装置6は、PC等の外部装置から入力された印刷指令に基づいて、インクジェットヘッド5やキャリッジ駆動モータ13等を制御して、記録用紙Pに画像等を印刷させる。また、メンテナンスユニット9の吸引パージや排気パージ等の動作を制御する。
<サブタンク、及び、4つの排気ユニットの構成>
次に、サブタンク4、及び、サブタンク4に設けられた4つの排気ユニット27の構成について、具体的に説明する。
図2、図3に示すように、サブタンク4は、水平面に沿って延在する本体部分20と、この本体部分20の後端部から鉛直下方に延びる連結部分21とを有する。サブタンク4には、4色のインクがそれぞれ流れる4つのインク供給流路22が形成されている。尚、図2では、1つのインク供給流路22については全体が図示されているが、残りの3つのインク供給流路22については、図面の簡単のため、一部の図示を省略している。
各インク供給流路22は、本体部分20に形成されたダンパー室24と、連結部分21に形成された連通流路25を含む。本体部分20の上下両面にはそれぞれ合成樹脂製の可撓性フィルム23が貼り付けられ、本体部分20に形成されたダンパー室24を含む流路が、フィルム23によって覆われている。ダンパー室24は、フィルム23の変形によって、インク供給流路22を流れるインクの圧力変動を吸収する。サブタンク4の連結部分21はインクジェットヘッド5に接続されている。インク供給流路22を流れるインクは、連結部分21に形成された連通流路25からインクジェットヘッド5へ供給される。
また、サブタンク4の本体部分20には、4つのインク供給流路22にそれぞれ接続された4つの排気流路26が形成されている。4つの排気流路26は、サブタンク4の右側面に設けられた4つの排気ユニット27にそれぞれ接続されている。
図4は、排気ユニット27、及び、排気ユニット27に装着される後述の排気キャップ37の鉛直断面図である。図4に示すように、4つの排気ユニット27a〜27dの構造は基本的に同一であるので、そのうちの1つの排気ユニット27について以下説明する。排気ユニット27は、サブタンク4の右側面に設けられたケース28と、ケース28内に収容された排気弁29を備えている。
ケース28の内部空間は、排気流路26(図2参照)と接続されている。また、ケース28の下部には排気口30が形成されている。排気弁29は、弁部材31と、コイルバネ32を備えている。弁部材31は、ケース28内において上下方向に移動可能な筒状の弁体31aと、この弁体31aから下方へ延びる弁棒31bを有する。ケース28の内壁面と弁体31aの外周面との間には隙間が存在している。弁体31aの下面には環状のシール材33が装着されている。
コイルバネ32の上端は、ケース28内に固定的に設けられたバネ受け部34に当接している。コイルバネ32の下端は、弁体31aの上面に当接している。また、コイルバネ32は、バネ受け部34と弁体31aの間において圧縮状態で配置されている。このコイルバネ32によって、弁部材31が下方に付勢されている。そして、弁部材31の弁体31aが、ケース28内に設けられた弁座面35にシール材33を介して当接することで、排気口30を閉止する。また、弁部材31の弁棒31bが、後述するメンテナンスユニット9の排気部材40によって、コイルバネ32の付勢力に抗して上方へ押し上げられたときには、弁体31aが弁座面35から離れ、排気口30が開放される。
<メンテナンスユニットの構成>
図1に示すように、メンテナンスユニット9は、プラテン2よりも走査方向一方側(図1の右側)の位置(以下、メンテナンス位置ともいう)に配置されている。図5は、メンテナンスユニット9の斜視図である。図6は、メンテナンスユニット9の右側面図である。メンテナンスユニット9は、ノズルキャップ36、排気キャップ37、キャップ駆動部38、吸引ポンプ39、4本の排気部材40(図4参照)、及び、メンテナンス駆動部41等を備えている。
(ノズルキャップ、排気キャップ)
ノズルキャップ36と排気キャップ37は、キャップ駆動部38により、上下に一体的に駆動される。排気キャップ37は、ノズルキャップ36の右側に配置されている。キャリッジ3がメンテナンス位置に移動すると、ノズルキャップ36がインクジェットヘッド5のインク吐出面5aと対向し、排気キャップ37がサブタンク4の4つの排気ユニット27の下面と対向する。その状態で、次述のキャップ駆動部38によってノズルキャップ36と排気キャップ37が上方へ駆動されると、ノズルキャップ36がインクジェットヘッド5のインク吐出面5aに密着して、排気キャップ37が4つの排気ユニット27の下面に密着する。これにより、複数のノズル18がノズルキャップ36によって覆われ、また、4つの排気キャップ37の排気口30が排気キャップ37によって共通に覆われる。
(キャップ駆動部)
図7は、ノズルキャップ36及び排気キャップ37の昇降動作を説明する図であり、(a)は2つのキャップ36,37が下方に退避している状態を示し、(b)は2つのキャップ36,37が上昇した状態を示す。図5〜図7に示すように、キャップ駆動部38は、キャップリフトホルダ42と、キャップスライドカム43と、駆動モータ44等を有する。
ノズルキャップ36と排気キャップ37は、キャップリフトホルダ42に収容されている。キャップスライドカム43は、キャップリフトホルダ42の下方に配置されている。図7に示すように、キャップスライドカム43は、高さ位置の異なる2つの水平面43a,43bと、2つの水平面43a,43bを繋ぐ傾斜面43cを有する。図5、図6に示すように、キャップスライドカム43の後端部には、ラックギヤ45と、このラックギヤ45に係合するピニオンギヤ46とが設けられている。ピニオンギヤ46は、駆動モータ44に連結されている。
図7(a)の状態から駆動モータ44によってピニオンギヤ46が駆動されると、キャップスライドカム43が後方へ移動する。すると、このキャップスライドカム43の移動によって、キャップリフトホルダ42が、キャップスライドカム43の水平面43b、傾斜面43c、及び、水平面43aにわたって移動する。これにより、キャップリフトホルダ42に保持されているノズルキャップ36と排気キャップ37が、図7(a)の退避状態から(b)のように上方へ移動し、インクジェットヘッド5と4つの排気ユニット27にそれぞれ密着する。ノズルキャップ36と排気キャップ37を下降させる場合は、駆動モータ44により、ピニオンギヤ46を上記とは逆に駆動して、キャップスライドカム43を前方へ移動させる。
(排気部材)
図2、図4に示すように、4本の排気部材40(40a〜40d)は、それぞれ、同じ太さを有する棒状部材である。4本の排気部材40は、それぞれ、排気キャップ37の底壁部を、気密を保持した状態で上下に貫通している。キャリッジ3がメンテナンス位置にあるときに、4本の排気部材40a〜40dは、サブタンク4の4つの排気ユニット27a〜27dの排気口30の真下に位置する。4本の排気部材40a〜40dのうち、排気部材40a(本発明の第1排気部材)は、ブラックの排気ユニット27aに対応している。また、3本の排気部材40b〜40c(本発明の第2排気部材)は、3色のカラーインク(イエロー、シアン、マゼンタ)の排気ユニット27b〜27cに対応している。ブラックインク用の排気部材40の下端部にはピン47aが連結されている。カラーの3本の排気部材40b〜40dの下端部において繋がっており、これら3本のカラーインクの下端部に1本のピン47bが連結されている、
4本の排気部材40は、後述するメンテナンス駆動部41の回転カム50によって、上下に昇降駆動される。各排気部材40が上昇することにより、その先端部が排気ユニット27内の排気弁29(弁部材31)を押し上げる。これにより、排気ユニット27の排気口30が開放され、サブタンク4内の気泡を排気キャップ37へ排出することが可能となる。尚、カラーの3本の排気部材40b〜40dは連結されていることから、これらの排気部材40b〜40dは一体的に上下に駆動される。また、ブラックの排気部材40aは、カラーの3本の排気部材40とは別に、独立して上下に駆動される。
(吸引ポンプ)
吸引ポンプ39(本発明の吸引装置)は、ノズルキャップ36と排気キャップ37の何れか一方と選択的に接続される。尚、吸引ポンプ39の接続先の切り換えは、後述するメンテナンス駆動部41の回転カム50によって行われる。吸引ポンプ39がノズルキャップ36と接続されている状態では、インクジェットヘッド5の複数のノズル18からのインクの吸引排出(吸引パージ)が可能となる、また、吸引ポンプ39が排気キャップ37と接続されている状態では、サブタンク4からの気泡の吸引排出(排気パージ)が可能となる。
(メンテナンス駆動部)
図5、図6に示すように、メンテナンス駆動部41は、キャップスライドカム43の下方に配置された回転カム50を備えている。また、回転カム50は駆動モータ51によって回転駆動される。この回転カム50は、吸引ポンプ39の接続先を、ノズルキャップ36と排気キャップ37との間で切り換える機能と、4つの排気部材40a〜40dを上下に駆動する機能とを備えている。
まず、メンテナンス駆動部41の、吸引ポンプ39の接続先切り換えに関する構成について、簡単に説明する。図6に示すように、回転カム50の下側には、図示しない切り換え部材が収容された、カバー52が取り付けられている。カバー52内の切り換え部材には、ノズルキャップ36と排気キャップ37とが、図示しないチューブによってそれぞれ接続されている。また、カバー52の下面には吸引ポンプ39に接続される吸引ポート60が設けられている。駆動モータ51によって回転カム50を回転させると、切り換え部材も回転カム50とともに回転する。そして、切り換え部材の回転位置によって、吸引ポンプ39が、ノズルキャップ36、あるいは、排気キャップ37に接続されるようになっている。尚、回転カム50が、所定の原点位置から、どれだけの角度、回転した位置にあるのかは、回転カム50を回転駆動する駆動モータ51のパルス数から検出することができる。
次に、メンテナンス駆動部41(本発明の排気駆動部に相当)の、排気部材40の上下駆動に関する構成について説明する。図8〜図10は、それぞれ、排気部材40の上下駆動の状態を説明する図であり、図8は、メンテナンスユニット9の概略的な上面図である。図9は、メンテナンスユニット9の概略的な側面図、図10は、排気ユニット27、排気キャップ37、及び、排気部材40を示す図である。図5、図6、図8〜図10に示すように、メンテナンス駆動部41は、前記の回転カム50と、回転カム50の回転に従って左右方向に移動する2つのスライダ53(53a,53b)とを有する。
図8に示すように、回転カム50の上面には、カム溝54が形成されている。カム溝54は、回転カム50と同心の円弧状に形成された非駆動溝部54aと、非駆動溝部54aよりも径方向内側へ湾曲した第1駆動溝部54bと、非駆動溝部54aよりも径方向外側へ湾曲した第2駆動溝部54cとを有する。
2つのスライダ53は、前後方向に並べて配置されている。図8、図9に示すように、各スライダ53の下面には、下方に突出し、回転カム50のカム溝54に係合する凸部55が形成されている。また、各スライダ53の上面は、排気部材40を上下に駆動するための駆動面となっている。駆動面は、水平な基準面56と、基準面56よりも右側に配置され、基準面56から斜め上方へ延びる傾斜面57と、基準面56よりも左側に配置された凹部58とが形成されている。一方のスライダ53の駆動面には、ブラックインク用の排気部材40aに連結されたピン47aの下端が当接している。また、他方のスライダ53の駆動面には、カラーインク用の3本の排気部材40b〜40dに連結されたピン47bの下端が当接している。
回転カム50が図8(a)の位置(原点位置という)にある状態では、2つのスライダ53の凸部55は、共に、カム溝54の非駆動溝部54aに係合している。この状態では、図9(a)に示すように、各スライダ53の基準面56にピン47の下端が当接している。このとき、図10(a)に示すように、ブラックの排気部材40aと3本のカラーの排気部材40b〜40dは、共に待機位置にあって、それらの上端は排気ユニット27から離れている。つまり、4つの排気ユニット27の排気弁29は、全て閉止状態である。
図8(a)の状態から、回転カム50が時計回りの方向に回転し、図8(b)に示すように、ブラックのスライダ53aの凸部55がカム溝54の第1駆動溝部54bと係合すると、第1駆動溝部54bの内面から凸部55が力を受けて、スライダ53aが左方へ移動する。このとき、図9(b)に示すように、スライダ53aの傾斜面57によってピン47aが押し上げられ、ブラックの排気部材40aが、待機位置よりも上方の作動位置に移動する。これにより、図10(b)に示すように、排気部材40aの上端部が排気ユニット27aの弁部材31を押し上げることになり、排気弁29が開放される。
尚、図8(b)に示すように、ブラックのスライダ53aの凸部55がカム溝54の第1駆動溝部54bに係合しているときには、カラーのスライダ53bの凸部55は、カム溝54の第2駆動溝部54cに係合し、スライダ53bは逆に右方へ移動する。このとき、図9(c)に示すように、スライダ53bの凹部58にピン47bの下端部が落ち込む。これにより、図10(b)に示すように、カラーの3本の排気部材40b〜40dが、それぞれ待機位置よりも、排気口30から離れた下方の退避位置に移動する。排気部材40を退避位置に移動させる理由は、後で説明する。
図8(b)の状態から、さらに回転カム50が時計回りの方向に回転すると、カラーのスライダ53bの凸部55がカム溝54の第1駆動溝部54bに係合し、スライダ53bが左方へ移動する。このとき、スライダ53bの凹部58に落ち込んでいたピン47bの下端部が、基準面56を越えて傾斜面57にまで達する。これにより、カラーの3本の排気部材40b〜40dが、退避位置から待機位置を越えて、さらに上方の作動位置へ移動する。従って、図10(c)に示すように、3本の排気部材40b〜40dの上端部が、3つの排気ユニット27b〜27dの弁部材31をそれぞれ押し上げることになり、排気弁29が開放される。
また、このとき、図8(c)に示すように、ブラックのスライダ53aの凸部55は、カム溝54の非駆動溝部54aに係合する。従って、ピン47の下端がスライダ53の基準面56と当接した状態となり、ブラックの排気部材40aは、図9(c)の待機位置に戻る。従って、図10(c)に示すように、先に開放されていたブラックの排気ユニット27aの排気弁29が閉止される。
図8(c)の状態から、さらに回転カム50が時計回りの方向に回転すると、カラーのスライダ53bの凸部55も、カム溝54の非駆動溝部54aに係合する。従って、3本のカラーの排気部材40b〜40dが、図9(c)の待機位置に戻る。つまり、開放されていたカラーの3つの排気ユニット27b〜27dの排気弁29が、それぞれ閉止される。
以上の説明から理解されるように、メンテナンス駆動部41の回転カム50の回転によって、ブラックの排気部材40a→3つのカラーの排気部材40b〜40dの順に駆動されて、それぞれ排気ユニット27の排気弁29を開放する。尚、ブラックの排気部材40aとカラーの3本の排気部材40b〜40dの、作動位置に向けて駆動される順番は逆でもよいのであるが、以下の観点では、ブラックの排気部材40aが先、カラーの3本の排気部材40b〜40dが後に駆動されるのが好ましい。
図11は、ブラックの排気部材40が先に駆動される利点を説明する図である。図11(a)は、先に左方へ駆動されるスライダ53の凸部55が、カム溝54の第1駆動溝部54bに係合し始めて、ブラックの排気部材40aの駆動が開始されたときの図である。図11(b)は、後に左方へ駆動されるスライダ53の凸部55が、カム溝54の第1駆動溝部54bに係合し始めて、カラーの排気部材40b〜40dの駆動が開始されたときの図である。
ブラックの排気部材40aが1本であるのに対し、同じタイミングで駆動されるカラーの排気部材40b〜40dの本数は3本である。そのため、カラーの排気部材40b〜40dを上方へ駆動するときには、ブラックの排気部材40aを駆動するときと比べて、重量が大きい分、大きな駆動力が必要となる。この点、図11(a)に示すように、先に左方へ駆動されるスライダ53の凸部55が第1駆動溝部54bに係合するときに、カム溝54の溝内面部分59が凸部55に接触して、凸部55を左方に移動させる。しかし、このときは、上記の溝内面部分59が、左右方向と平行に近い状態であり、凸部55に対して左方へ大きな力を作用させにくい。そのため、先に駆動されるスライダ53は、排気部材40の数が少ないブラックのスライダ53aであることが望ましい。
一方、図11(b)に示すように、後に左方へ駆動されるスライダ53の凸部55が第1駆動溝部54bに係合するときには、図11(a)から回転カム50の回転が進んでいるため、カム溝54の溝内面部分59は、左右方向に対して大きく傾斜した状態となっている。そのため、凸部55に対して左方へ大きな力を作用させることができる。そこで、後に駆動されるスライダ53は、排気部材40の数が多い、カラーのスライダ53bであることが望ましい。
また、先に述べたように、本実施形態では、回転カム50が、吸引ポンプ39の連通先の切り換えにも用いられる。そのため、排気弁29が開放されるときに排気キャップ37内を吸引することができるように、カバー52内の切り換え部材は、排気部材40が排気ユニット27の排気弁29を開放するタイミング(凸部55が、カム溝54の第1駆動溝部54aに係合するタイミング)で、吸引ポンプ39を排気キャップ37に連通させる構成となっている。
(メンテナンスユニットの動作)
次に、上述したメンテナンスユニット9の動作について説明する。メンテナンスユニット9の動作としては、先に触れているように、吸引パージと排気パージがある。また、吸引パージ及び排気パージ以外にも、回転カム50の原点位置の検出のために、回転カム50を回転させる場合もある。
(1)吸引パージ
吸引パージを行う場合は、まず、キャップ駆動部38によりキャップリフトホルダ42を上方へ移動させ、ノズルキャップ36をインクジェットヘッド5のインク吐出面5aに密着させる。これにより、ノズルキャップ36が複数のノズル18を覆った状態となる。また、メンテナンス駆動部41の回転カム50を回転させて、吸引ポンプ39をノズルキャップ36に連通させる。この状態で、吸引ポンプ39による吸引を行って、ノズルキャップ36内を減圧する。これにより、複数のノズル18からノズルキャップ36内へインクが吸引排出され、その際に、インクジェットヘッド5内の異物や気泡等がインクとともに排出される。
(2)排気パージ
排気パージを行う場合は、まず、キャップ駆動部38によりキャップリフトホルダ42を上方へ移動させ、排気キャップ37を4つの排気ユニット27の下面に密着させる。これにより、排気キャップ37が4つの排気ユニット27の排気口30を覆った状態となる。
また、メンテナンス駆動部41の回転カム50を回転させて、ブラックの排気部材40a、カラーの3本の排気部材40b〜40dの順に、4本の排気部材40を作動位置へ向けて駆動する。これにより、ブラックの排気ユニット27a、カラーの3つの排気ユニット27b〜27dの順で、排気弁29を開放させる。また、排気弁29が開放されるタイミングで、切り換え部材によって吸引ポンプ39が排気キャップ37に接続される。この状態で、吸引ポンプ39による吸引を行って、排気キャップ37内を減圧することで、サブタンク4のインク供給流路22内の気泡が、排気ユニット27から排気キャップ37へ吸引排出される。
即ち、サブタンク4内のブラックのインク供給流路22の排気パージが先に行われ、その後に、サブタンク4内の3色のカラーのインク供給流路22の排気パージが同時に行われる。尚、この排気パージにおいては、サブタンク4から気泡(空気)のみが排出されるとは限らず、インク供給流路22内のインクが気泡と一緒に排出される場合もある。
(3)原点検出
先にも述べたが、回転カム50が、現在どの位置(角度)にあるかは、原点位置からの駆動モータ51のパルス数から検出される。しかし、電源投入時や、何らかの異常が発生してプリンタ1が動作を停止した後の復帰時など、プリンタ1の制御装置10が、回転カム50の位置を把握できていない場合がある。そこで、上記の場合には、回転カム50を1回転させて原点位置を検出し、回転カム50を原点位置に戻す動作が必要になる。
回転カム50の原点位置の検出について、少し補足する。まず、メンテナンスユニット9は、回転カム50の原点検出用のスイッチ(図示省略)を有する。一方で、回転カム50は、その外周部に、前記のスイッチを操作するための凸部(図示省略)を有する。回転カム50を回転させると、ある角度位置では、回転カム50の凸部がスイッチに接触してスイッチがONとなり、別の角度位置では、回転カム50の凸部がスイッチから離れてスイッチがOFFとなる。その上で、スイッチがON→OFF、又は、OFF→OFに切りかわる角度位置が、回転カム50の原点位置に設定されている。従って、プリンタ1の制御装置10は、回転カム50の角度位置を把握していない場合には、まず、回転カム50を回転させる。そして、スイッチのON/OFFが切りかわったときにそこを原点位置と認識し、その位置で回転カム50を停止させる。
このときのメンテナンスユニット9の動作は、上記(2)の排気パージとほぼ同様である。即ち、回転カム50が1回転することにより、ブラックの排気部材40a、カラーの3本の排気部材40b〜40dの順に、排気部材40が上方へ駆動される。つまり、排気パージを行う必要がないのに、ブラックの排気ユニット27a、カラーの3つの排気ユニット27b〜27dの順に、排気弁29が開放されてしまうことになる。また、上記のように排気ユニット27の排気弁29が開放されるために、キャップ駆動部38により排気キャップ37を上方へ移動させて、排気キャップ37を4つの排気ユニット27の下面に密着させておく必要がある。
但し、この原点検出は、本来、排気パージを行う必要がないため、排気弁29が開放されるタイミングで吸引ポンプ39が排気キャップ37に接続されても、吸引ポンプ39による吸引を行わない。つまり、原点検出時は、4つの排気ユニット27の排気口30が排気キャップ37で共通に覆われ、且つ、吸引ポンプ39により排気キャップ37内の減圧が行われない状況下で、排気部材40が上昇して排気弁29を開放する。そのため、排気部材40が排気キャップ37に対して上昇するに従って、排気部材40の、排気キャップ37内に突出する部分の容積が増加し、その分、排気キャップ37内の内圧が上昇する。そして、排気弁29が開放されたときに、内圧が上昇している排気キャップ37内の空気が、排気ユニット27から、サブタンク4内のインク供給流路22へ逆流する虞がある。
この点について、本実施形態では、図8(b)に示すように、ブラックのスライダ53aの凸部55が、カム溝54の第1駆動溝部54bに係合したときに、カラーのスライダ53bの凸部55がカム溝54の第2駆動溝部54cに係合する。これにより、図10(b)に示すように、ブラックの排気部材40aが待機位置(図10における位置A)から作動位置(位置B)へ向けて上方へ移動する間に、カラーの3本の排気部材40b〜40dが、逆に、待機位置(位置A)から退避位置(位置C)へ下降する。
ブラックの排気部材40aが待機位置(位置A)から作動位置(位置B)へ移動する間には、この排気部材40aの、排気キャップ37内の突出部分の体積が増加するが、このときに、カラーの3本の排気部材40b〜40dが待機位置(位置A)から退避位置(位置C)へ下降するため、これらの排気部材40b〜40dの、排気キャップ37内の突出部分の体積は減少する。つまり、ブラックの排気部材40aの前記突出部分の体積増加が、カラーの3本の排気部材40b〜40dの前記突出部分の体積減少と相殺されるため、排気キャップ37の内圧上昇が抑えられる。従って、排気部材40aによって、排気ユニット27aの排気弁29が開放されても、排気キャップ37内の空気がサブタンク4へ逆流しにくくなる。
さらに、回転カム50が回転することで、図8(c)に示すように、ブラックのスライダ53aの凸部55がカム溝54の非駆動溝部54aに係合し、同時に、カラーのスライダ53bの凸部55が、カム溝54の第1駆動溝部54bに係合する。これにより、図10(c)に示すように、ブラックの排気部材40aは、作動位置(位置B)から待機位置(位置A)へ戻る。この間に、カラーの3本の排気部材40b〜40dが、退避位置(位置C)から、待機位置(位置A)を越えて、さらに、作動位置(位置B)へ移動する。
このように、ブラックの排気部材40aが作動位置(位置B)から待機位置(位置A)に戻るときに、カラーの3本の排気部材40b〜40dが退避位置(位置C)から作動位置(位置B)に向けて移動する。つまり、ブラックの排気部材40aに続いて、カラーの3本の排気部材40b〜40dが作動位置へ駆動されるときには、カラーの排気部材40b〜40dの排気キャップ37内の突出部分の体積が増加するが、この体積増加が、ブラックの排気部材40aが待機位置に戻ることによる、突出部分の体積減少によって相殺される。従って、カラーの排気部材40b〜40dが作動位置に移動する際の、排気キャップ37内の内圧上昇が抑えられる。
また、本実施形態では、排気キャップ37の内圧上昇を確実に抑えるために、図10(b)に示す、ブラックの排気部材40aの上昇時における、排気キャップ37内の突出部分の体積増加量と、3本のカラーの排気部材40b〜40dの下降時における、排気キャップ37内の突出部分の体積減少量とが等しくなっている。
上記内容について、より具体的に説明する。まず、4本の排気部材40a〜40dの太さは同一である。また、先に作動位置へ駆動されるブラックの排気部材40aの本数N1=1であり、後に駆動されるカラーの排気部材40b〜40dの本数N2=3である。その上で、待機位置から作動位置に移動する間における、ブラックの排気部材40aの上方への移動量をS1、作動位置から退避位置に移動する間における、カラーの排気部材40b〜40dの下方への移動量をS2としたときに、S2=(N1/N2)×S1=S1/3となるように、スライダ53の傾斜面57の傾斜、及び、凹部58の深さが設定される。
即ち、本実施形態では、同じタイミングで駆動されるカラーの排気部材40b〜40dの数が、ブラックの排気部材40aの数よりも多い。従って、仮に、ブラックの排気部材40aとカラーの排気部材40b〜40dとを、それぞれ同じ量だけ移動させた場合に、カラーの排気部材40b〜40dの移動による、排気キャップ37内の突出部分の体積変化量の方が、ブラックの排気部材40aの移動による前記体積変化量よりも大きくなる。逆に言えば、ブラックの排気部材40aが待機位置から作動位置までS1だけ移動するときの、カラーの排気部材40b〜40dの、待機位置から退避位置までの移動量S2を、上記のS1よりも小さく(具体的には1/3に)することができる。
尚、先の説明では省略したが、ブラックの排気部材40aについても、作動位置へ移動する前に、スライダ53aの凸部55がカム溝54の第2駆動溝部54cに係合することによって、一旦、退避位置へ移動する。つまり、正確には、ブラックの排気部材40aも、待機位置から一旦退避位置まで下降した後、退避位置から待機位置を越えて作動位置へ移動する。
また、排気部材40の、待機位置から退避位置への移動は、回転カム50のカム溝54の第2駆動溝部54cで行われるため、上記の原点検出を行う際に限らず、通常の排気パージの際においても、排気部材40の退避位置への移動は行われる。しかし、排気パージの際に、各排気部材40が待機位置から退避位置へ移動しても、排気パージの動作には特に支障は出ない。
但し、排気部材40の退避位置への移動量S2が大きいと、通常の排気パージ時に、排気部材40が、退避位置から待機位置を越えて作動位置に移動するまでの総移動量(S1+S2)が大きくなるため、排気弁29を開放させるまでの時間ロスが大きくなる。そのため、上記のように、排気部材40の、待機位置から退避位置までの移動量S2を小さくできることには、大きな意義がある。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、図10に示すように、ブラックの排気部材40aの後で、カラーの3本の排気部材40b〜40dが作動位置へ移動する間に、ブラックの排気部材40aが作動位置から退避位置に戻ることで、カラーの排気部材40b〜40dが上昇することによる排気キャップ37内の内圧上昇が抑えられている。これに対して、排気弁29を開放したブラックの排気部材40aが作動位置から待機位置へ完全に戻った後で、カラーの排気部材40b〜40dの作動位置への移動が開始されてもよい。尚、この場合は、カラーの排気部材40b〜40dが作動位置へ移動する間の、排気キャップ37内の内圧上昇を抑えるために、待機位置へ戻った後のブラックの排気部材40aを、カラーの排気部材40b〜40dの上昇に合わせて、待機位置よりもさらに下方の退避位置へ移動させてもよい。
2]周囲の構成等の条件によっては、ブラックの排気部材40aが作動位置へ上昇するときよりも、カラーの3本の排気部材40b〜40dが作動位置へ上昇するときの方が、サブタンク4への空気の逆流が問題になることも考えられる。そこで、このような場合は、ブラックの排気部材40aが先に作動位置へ移動するときには、カラーの3本の排気部材40bは待機位置のままとし(退避位置には移動させず)、その後に、3本のカラーの排気部材40b〜40dが作動位置へ移動するときに、ブラックの排気部材40aを待機位置から退避位置へ移動させるようにしてもよい。
3]前記実施形態でも少し触れたが、ブラックの排気部材40a、カラーの排気部材40b〜40dの順に、作動位置へ駆動する形態には限られず、駆動順が逆であってもよい。即ち、カラーの排気部材40b〜40dが先に作動位置へ駆動されたときに、同時に、ブラックの排気部材40aが待機位置から退避位置へ下降する構成であってもよい。
4]同じタイミングで駆動される排気部材40の数は、適宜変更できる。例えば、ブラックの排気部材40aが2本以上あり、これら2本以上のブラックの排気部材40aが同じタイミングで駆動されてもよい。あるいは、カラーインク(イエロー、シアン、マゼンタ)の3本の排気部材40b〜40dが同じタイミングで駆動される必要はなく、上記3本の排気部材40b〜40dが異なるタイミングで駆動されてもよい。
5]排気部材40を駆動する排気駆動部は、前記実施形態のような、カム溝54を有する回転カム50には限られない。例えば、モータやシリンダ等のアクチュエータによって、排気部材40を直接駆動する構成であってもよい。このような構成でも、電源投入時などに排気部材40の位置が分からない場合に、一度、排気部材40を動かして原点位置(待機位置)に戻す、ということはあり得る。
以上、説明した前記実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットプリンタに適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を噴射して、基板表面に導電パターンを形成する液体吐出装置にも、本発明を適用することは可能である。
1 プリンタ
4 サブタンク
5 インクジェットヘッド
18 ノズル
22 インク供給流路
27 排気ユニット
29 排気弁
30 排気口
37 排気キャップ
39 吸引ポンプ
40a 排気部材(ブラック)
40b〜40d 排気部材(カラー)
41 メンテナンス駆動部
50 回転カム
51 駆動モータ
54 カム溝

Claims (4)

  1. 液体を吐出する複数のノズルを含む液体流路が形成された液体吐出ヘッドと、
    前記液体流路に連通する供給流路が形成され、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給部と、
    前記液体供給部の前記供給流路に接続され、且つ、前記供給流路内の気泡を排出するための排気口、及び、前記排気口を開閉可能な排気弁を有する、複数の排気部と、
    前記複数の排気部の前記排気口を共通に覆う排気キャップと、
    前記排気キャップに接続された吸引装置と、
    前記排気キャップを貫通した状態で前記複数の排気部に対してそれぞれ設けられ、前記排気弁を作動させるための作動位置と、前記作動位置よりも前記排気口から離れた待機位置とにわたって、前記排気キャップに対して移動可能な複数の排気部材と、
    前記複数の排気部材を駆動する排気駆動部と、を備え、
    前記排気駆動部は、
    前記複数の排気部材に含まれる第1排気部材と第2排気部材とを、それぞれ異なるタイミングで、前記待機位置から前記作動位置に移動させるように構成され、
    さらに、前記排気駆動部は、
    前記第1排気部材を前記待機位置から前記作動位置に移動させる間に、前記第2排気部材を、前記待機位置から、この待機位置よりも前記排出口から離れた退避位置へ向けて移動させることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記排気駆動部は、
    前記作動位置に移動した前記第1排気部材を、前記作動位置から前記待機位置に戻す間に、前記第2排気部材を、前記退避位置から前記作動位置へ向けて移動させることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第1排気部材が前記待機位置から前記作動位置に移動する間における、前記第1排気部材の前記排気キャップ内に突出した部分の体積増加量と、前記第2排気部材が前記待機位置から前記退避位置に移動する間における、前記第2排気部材の前記排気キャップ内に突出した部分の体積減少量とが、等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記排気駆動部によって同じタイミングで駆動される前記第1排気部材の数をN1、
    前記排気駆動部によって同じタイミングで駆動される前記第2排気部材の数をN2、
    前記第1排気部材、及び、前記第2排気部材の、前記待機位置から前記作動位置までの移動量をS1、
    前記第2排気部材の、前記待機位置から前記退避位置までの移動量をS2、としたときに、
    N1<N2であり、且つ、S2=(N1/N2)×S1であることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
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