JP2015171776A - 樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャビティ残りの不良を予防可能で、コア型からの脱型抵抗を適度なレベルに調整可能な形状の脂成形体を提供する。
【解決手段】 樹脂成形体1は合成樹脂の射出成形により形成され、中空の筒状部11を有する。筒状部11の内周面は、脱型方向にアンダーカットが無く、かつ、前記内周面は脱型方向に沿って直線状に延在する複数の部分領域(11a、11b、11c、11d・・)に分割されて、隣接する部分領域が互いに筒状部の半径方向にオフセットするように段差が設けられている。段差は脱型方向に沿って直線状に延在しており、段差の筒状部半径方向の大きさは、筒状部11の肉厚の0.5〜20%とされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、合成樹脂の射出成形により形成される樹脂成形体に関する。特に、中空の筒状部を有する樹脂成形体に関する。
中空筒状部を有する樹脂成形体は、樹脂パイプ、樹脂キャップ、樹脂栓、樹脂カバー、あるいは、チューブなどの管路を接続するためのコネクタ部材などとして、広く使用されている。このような中空筒状部を有する樹脂成形体は、合成樹脂の、好ましくは熱可塑性樹脂の、射出成形により形成することができる。射出成形によりこれら成形体を形成すると、樹脂成形体を精度よく効率的に製造できるというメリットがある。
中空筒状部を有する樹脂成形体を射出成形により製造する場合には、通常、筒状部は、筒状部内周面形状を規定するコア型と、筒状部外周面形状を規定するキャビティ型とにより形成される。そして、金型を型開きして、樹脂成形体を取出す際には、通常、まず型開きの際にコア型の方に成形体が残るようにしながらキャビティ型から成形体を脱型し、その後、コア型の側に設けられた突き出しピンなどを用いてコア型から成形体を脱型するよう、樹脂成形体の取出しが行なわれる。
例えば、特許文献1には、パイプ状の中空筒状部を有する樹脂成形体を形成する金型が開示されている。当該金型では、樹脂成形体の脱型性を良好なものとするために、金型のセンターピン(コア型)の外周面や、キャビティ型の内周面に、滑り性の高い被膜をコーティングすることが開示されている。そして、成形体の金型からの脱型に関し、まず成形体をキャビティ型から脱型し、その後、成形体をセンターピン(コア型)から脱型することが開示されている(特許文献1の図3等)。
特開2001−219451号公報
上記のように、射出成形金型では、成形体を脱型すべき順序が定められているため、成形体が脱型される実際の順番が変わってしまうと、成形品を取出すことができなくなり、製造不良となってしまう。例えば、図6のように、成形体9をコア型91に残しつつキャビティ型92から脱型して型開きし(図6(a))、その後、突き出しピン93を動作させて成形体をコア型91から脱型する(図6(b))ように金型が構成されている場合に、図7に示すように、型開きした際に成形体9がキャビティ型92に残ってしまうと(図7(a))、もはやコア型91の側に設けられた突き出しピン93を動作させても、成形品9をキャビティ型92から取出すことはできなくなり、いわゆるキャビティ残りの不良となる(図7(b))。樹脂成形体を次々と量産する過程で、このような成形品の取り出し不良が発生すると、一連の射出成形工程を停止させて正常な状態への修復を図る必要が生ずるほか、金型が壊れたりすることもあり、好ましくない。
型開き時に成形体を確実にコア型の側に残存させるために、図8のように、成形体99の筒状部の内周面を、脱型方向にアンダーカットを生ずる形状とすることも考えられる。コア型991と成形体内周面がアンダーカット形状となっていれば、アンダーカット分が噛み合って、成形体を強制変形させないとコア型を脱型できない状態となり、コア型の脱型抵抗が高められるので、型開き時に成形体99を確実にコア型991の側に残存させることができる。
しかしながら、発明者の検討によれば、成形体筒状部の内周面にアンダーカットを設けることによって、別の弊害を生ずることがあることが判明した。コア型991側に残された成形品99は、その後突き出しピンなどにより、コア型991から脱型されるが、その際の脱型抵抗が大きいため、突き出しピンの力によって、樹脂成形体が変形してしまって、所定の形状精度が出せなくなってしまったり、樹脂成形品表面にピン跡が残ってしまい外観不良となったりすることがある。特に、樹脂成形品が、高い精度を要求されるような精密樹脂成形品であるような場合には、この問題が顕著に現れやすい。即ち、成形体筒状部の内周面にアンダーカットを設けると、コア型からの脱型抵抗が過大となりがちであることが判明した。
本発明の目的は、キャビティ残りの不良を予防可能で、コア型からの脱型抵抗を適度なレベルに調整可能な形状を有する樹脂成形体を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、樹脂成形体の筒状部の内周面を脱型方向に沿った直線状に複数の部分領域に分けて、隣接する部分領域の間に段差を設けるとともに、当該段差を所定の大きさとすると、上記目的を達成できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、合成樹脂の射出成形により形成され、中空の筒状部を有する樹脂成形体であって、前記筒状部の内周面は、脱型方向にアンダーカットが無く、かつ、前記内周面の少なくとも一部において、内周面は脱型方向に沿って直線状に延在する複数の部分領域に分割されて、隣接する部分領域が互いに筒状部の半径方向にオフセットするように段差が設けられており、前記段差は脱型方向に沿って直線状に延在しており、前記段差の筒状部半径方向の大きさが、筒状部の肉厚の0.5〜20%とされた樹脂成形体である(第1発明)。
第1発明においては、筒状部の軸方向の一部の領域においては、内周面が部分領域に分割されて段差が設けられる一方で、筒状部の軸方向の他の領域においては、内周面が平坦なものとされていることが好ましい(第2発明)。あるいは、第1発明では、筒状部の内周面において、筒状部の半径方向内側に位置する部分領域と、筒状部の半径方向外側に位置する部分領域との間で、互いに抜け勾配が異なるようにされていることが好ましい(第3発明)。あるいは、第1発明では、筒状部の断面形状が、多角形状、または、長円状、楕円状とされていることが好ましい(第4発明)。
本発明の樹脂成形体(第1発明)によれば、成形品の取り出し時のキャビティ残りの不良を予防でき、コア型からの脱型抵抗を適度なレベルに調整できる。また、第2発明や第3発明のようにされていれば、脱型抵抗の調整自由度が高められて、キャビティ残りの不良予防とコア型の脱型抵抗の調整をより効果的に行なうことができる。また、第4発明のようにされていれば、筒状部の断面形状を利用して筒状部を通じてトルクの伝達を行うことができる。
第1実施形態の樹脂成形体を示す図である。 第1実施形態の樹脂成形体を成形するための金型の構造を型閉じ状態で示す模式図である。 第1実施形態の樹脂成形体を成形するための金型の構造を型開き状態で示す模式図である。 第1実施形態の樹脂成形体における脱型工程を模式的に示す図である。 第2実施形態の樹脂成形体を示す図である。 従来の樹脂成形体における脱型工程を模式的に示す図である。 従来の樹脂成形体における脱型工程でのキャビティ残り不良を模式的に示す図である。 樹脂成形体の筒状部内周面にアンダーカットを設けた形態を示す図である。
以下図面を参照しながら、棒やパイプの端部に装着される樹脂製キャップを例として、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1には第1実施形態の樹脂成形体1を示す。図1の上側の図は樹脂成形体の筒状部の軸線に沿った断面図として示し、下側の図は筒状部の開放端部から見た外観の図として示している。樹脂成形体1は、合成樹脂製の部材であり、射出成形により形成されている。そして、樹脂成形体1は中空の筒状部11を有する。本実施形態では、樹脂成形体1は中空筒状部11と底部12とによって、開口部を有するカップ状に形成されている。本実施形態においては、筒状部11は、円筒状に形成されている。また、底部12には穴が設けられて、パイプ状の貫通部12aが形成されている。
本実施形態の樹脂成形体1は、棒やパイプの先端部に取り付けられるキャップ部材として使用される部材である。貫通部12aの穴には、棒や紐を挿通して使用できる。なお、樹脂成形体の具体的用途は特に限定されない。
後述するように、樹脂成形体1は、合成樹脂の射出成形により形成される。射出成形工程においては、樹脂成形体1の筒状部11は、コア型とキャビティ型の間の円筒状の空間(キャビティ)で形成されて、筒状部の軸線方向に沿って、キャビティ型やコア型から脱型される。
樹脂成形体1の筒状部11の外周面11fは、平滑な円筒状に形成されている。そして、筒状部の外周面11fには、脱型方向にアンダーカットとなる部分がない。また、外周面11fは、段差の無い平坦な曲面に形成されている。
樹脂成形体1の筒状部11の内周面は、複数の部分領域11a、11b、11c、11d・・に分割されている。そして、互いに隣接する部分領域11a、11b、11c、11d・・が、筒状部の半径方向にオフセットするように、部分領域の境界には段差が設けられている。そして、筒状部の内周面には脱型方向にアンダーカットとなる部分が生じないように、筒状部内周面が構成されている。
本実施形態においては、筒状部の軸方向で開口側の部分(B区間)で、筒状部11の内周面は、筒状部の脱型方向に沿って延在する複数の略直線状の部分領域11b、11c、11d・・・と、筒状部内周面からそれら部分領域を除いた残りの領域11aとに分割されている。部分領域11aと、部分領域11b、11c、11d・・は、それぞれが、平滑な円筒面の一部をなすように形成されている。そして、部分領域11aと部分領域11bの間には筒状部の脱型方向(軸方向)に沿って直線状に延在する段差が存在する。同様に、部分領域11aと部分領域11cの間、及び、部分領域11aと部分領域11dの間にも筒状部の脱型方向に沿って直線状に延在する段差が存在している。
部分領域11aは、部分領域11b、11c、11d・・よりも、筒状部の半径方向内側に配置されている。そして、部分領域11b、11c、11d・・は、筒状部の半径方向で同じ位置に配置されている。即ち、樹脂成形体の筒状部31の内周面は、部分領域11aに対応する円筒状の面に、部分領域11b、11c、11d・・・に対応する溝が設けられたような形態となっている。
そして、筒状部の内周面には、脱型方向にアンダーカットを生じないようになっている。部分領域11aには、抜け勾配αが設定されており、部分領域11b、11c、11d・・には、抜け勾配βが設定されている。なお、本実施形態においては、抜け勾配αは抜け勾配βよりも大きくされている。
部分領域11aと部分領域11b、11c、11d・・の間の段差は、段差の面が筒状部の半径方向におおむね沿うような形態で設けられている。段差の面が筒状部半径方向に対し傾いて設けられ、部分領域11b、11c、11d・・に対応して内周面に現れる凹溝が台形断面を有する溝となるようにされていても良い。
筒状部の直径が20mm、長さが10mm、肉厚が1.0mmである場合の、段差の大きさ(段差の筒状部半径方向の大きさ)は、0.005〜0.2mmの範囲に設けられる。段差は、より好ましくは、0.01〜0.1mmの範囲とされる。段差は、筒状部の肉厚を基準の寸法として、その0.5〜20%となるように設けられる。筒状部の肉厚に対する段差の大きさの比は、より好ましくは1〜10%程度の大きさとなるように設けられる。
本実施形態においては、筒状部を軸方向に2つの領域に分割して、軸方向に分割された筒状部の一方の領域のうち、筒状部の開口から奥側に位置する領域(図1のA区間)においては、筒状部内周面は、上述した部分領域には分割されておらず、A区間においては、筒状部内集面は、段差の存在しない平坦な円筒面とされている。一方で、軸方向に分割された筒状部の他方の領域、すなわち筒状部の開口の側に位置する領域(図1のB区間)においては、筒状部内周面は、部分領域11a、11b、11c、11d・・に分割され、これら部分領域の間には段差が設けられ、筒状部内周面に部分領域11b、11c、11d・・に対応する溝が設けられたようになっている。
このように、筒状部の軸方向の一部の領域においては、内周面が部分領域に分割されて段差が設けられる一方で、筒状部の軸方向の他の領域においては、内周面が平坦なものとされていてもよい。
なお、筒状部の軸方向の全長にわたって、内周面を部分領域に分割し、段差を設けるようにしても良い。すなわち、内周面の一部のみを部分領域に分割して段差を設けても良いし、内周面全体を部分領域に分割して段差を設けても良い。
図1に示した第1実施形態の樹脂成形体1では、筒状部内周面に10本の溝が現れるように、内周面が11個の部分領域に分割された例を示したが、部分領域の数は適宜変更してよい。また、樹脂成形体1の底部12に設けられた貫通穴は、必要がなければなくても良い。
樹脂成形体1を構成する合成樹脂は、射出成形により成形可能な樹脂であれば特に限定されない。好ましくは、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂や、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが使用できる。本実施形態の樹脂成形体1はポリアミド樹脂により形成されている。
樹脂成形体1の製造方法、及び製造に使用される金型について説明する。樹脂成形体1は樹脂の射出成形によって製造される。図2、図3に、樹脂成形体1の射出成形に供される金型2を示す。図2は、金型2を型閉じした状態を模式的に示しており、図3は、金型2を型開きした状態を模式的に示している。図2及び図3には、キャビティ型22およびコア型21を断面図で示している。なお、図2及び図3においては、図を見やすくするために、キャビティ型22およびコア型21の断面のハッチングは省略し、型閉じした際にキャビティ型22とコア型21により形成されるキャビティ部分(成形体が形成される部分)にハッチングをかけている。
金型2は、コア型21とキャビティ型22とを有する。コア型21によって樹脂成形体1の筒状部11の内周面が形成され、キャビティ型22によって樹脂成形体1の筒状部11の外周面が形成される。従って、コア型21には、樹脂成形体の筒状部11の内周面形状11a、11b、11c、11d・・に対応する形状が与えられていて、キャビティ型22には、樹脂成形体の筒状部11の外周面形状11fに対応する形状が与えられている。
後述する脱型工程では、型開き時にコア型の側に成形体が残るように工程が設計されており、最終的にコア型21から樹脂成形体1を取り外すために、コア型には突き出しピン23が設けられている。金型に突き出しピンを構成する観点から、コア型21の側が移動金型の側となり、キャビティ型22の側が固定金型の側となるように金型2を構成することが好ましい。
金型2が型閉じされてキャビティが形成された状態で、金型に設けられたスプルーやランナー、ゲートを通じて樹脂の射出が行なわれ、樹脂成形体1が形成される。図2〜4においてこれらの詳細は図示を省略している。ランナーやゲートの種類は、特に限定されず、種々のものが採用可能である。樹脂を射出した後、樹脂が固化するのを待って、金型2から樹脂成形体1を取出す。図4にその脱型工程を模式的に示す。樹脂成形体1が形成されると、まず、コア型21とキャビティ型22が型開きされる。このとき、樹脂成形体1はコア型21の側に残る(図4(a))。その後、コア型に設けられた突き出しピン23を作動させて、樹脂成形体1をコア型21から取り外す(図4(b))。金型2から取出した樹脂成形体1は、搬送ロボットなどによって回収する。
発明の作用および効果について説明する。
樹脂成形体1によれば、図4(a)に示された型開き工程の際に、樹脂成形体1がコア型21の方に残りやすくでき、いわゆるキャビティ残りの不具合を予防・抑制できる。そして、コア型21から樹脂成形体1を取り外す工程において樹脂成形体が変形したりしないように、脱型抵抗を過大なものとせず、適度なレベルに調整できる。
樹脂成形体1は、筒状部11の内周面が、脱型方向にアンダーカットが無く、かつ、内周面が脱型方向に沿った複数の直線状部分領域11a、11b、11c、11d・・に分割されて、隣接する部分領域が互いに筒状部の半径方向にオフセットするように段差が設けられている。このように、内周面に段差が設けられていると、内周面側において樹脂成形体と金型表面が接触する面の形状が複雑となり、かつ接触面積が増えるため、内周面側(コア型側)の脱型抵抗が増加し、型開き時に樹脂成形体がコア型21側に残りやすくなるのである。
内周面側(コア型側)の脱型抵抗を高めるという観点からは、部分領域や段差の数を多くして、内周面をより複雑な形状とすることが好ましい。また、部分領域と段差の境界部をより明瞭な、即ち、角R、隅Rが小さいものとすることが好ましく、このようになっていると、角R部や隅R部で樹脂と金型の離型抵抗が高まりやすく、効果的に脱型抵抗を高めることができる。
そして、樹脂成形体1は、筒状部11の内周面に脱型方向にアンダーカットとなる部分を有しないため、金型から樹脂成形体1を脱型する際に、形成された樹脂成形体が強制変形を受けることが無く、脱型抵抗は過大なものとはならない。従って、脱型時の樹脂成形体の変形等を予防・抑制できる。樹脂成形体1において、筒状部内周面の部分領域への分割が筒状部の脱型方向に沿って直線状に行われることや、部分領域の間の段差が脱型方向に沿って存在することは、脱型抵抗を過大なものとせず、樹脂成形体の変形の抑制・予防に寄与する。
そして、前記段差の筒状部半径方向の大きさが、筒状部の肉厚の0.5〜20%とされていると、コア型からの脱型抵抗を過大なものとすることなく、樹脂成形体をコア型の側に残すことがより確実にできるようになる。段差が大きくなりすぎると脱型抵抗が過大となり成形体を突き出しピンで取り出す際に成形体が変形しやすくなる。逆に段差が小さすぎると、脱型抵抗が十分に高められない。
また、本実施形態の樹脂成形体1のように、筒状部の軸方向の一部の領域(図1のB区間)においては、内周面が部分領域に分割されて段差が設けられる一方で、筒状部の軸方向の他の領域(図1のA区間)においては、内周面が段差のない平坦なものとされている場合には、より、脱型抵抗の調節がしやすくなる。すなわち、コア型に追加工して、A区間とB区間の比率を変更すれば、脱型抵抗の調整ができる。すなわち、部分領域に分割されるB区間を大きくすれば、脱型抵抗が大きくなり、部分領域に分割されないA区間を大きくすれば、脱型抵抗が小さくなる。このように、脱型抵抗の調整自由度が高められうる。
また、本実施形態の樹脂成形体1のように、筒状部の内周面において、筒状部の半径方向内側に位置する部分領域と、筒状部の半径方向外側に位置する部分領域との間で、互いに抜け勾配が異なるようにされていることも、脱型抵抗の調節のしやすさに寄与する。筒状部の半径方向内側に位置する部分領域の抜け勾配(α)は、成形体の内周面形状の制限により自由に設定できない場合が多いが、筒状部の半径方向外側に位置する部分領域の抜け勾配(β)を内側に位置する部分領域の抜け勾配(α)と異なる抜け勾配とすれば、外側に位置する部分領域の抜け勾配の設定の自由度が高められて、脱型抵抗の調整幅が大きくなる。部分領域に分割することによる脱型抵抗の調整の感度を高めるという観点からは、筒状部の半径方向外側に位置する部分領域の抜け勾配(β)を内側に位置する部分領域の抜け勾配(α)よりも小さくすることが、特に好ましい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については、その詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を互いに置き換えて実施することができる。
図5には、第2実施形態の樹脂成形体3を示す。本実施形態においては、樹脂成形体3の筒状部内周面の形態等が異なっている。本実施形態においては、樹脂成形体の筒状部31の内周面は、筒状部の軸線方向に沿って部分領域31a、31b、31c、31d・・・に分割されている。部分領域31aと、部分領域31b、31c、31d・・・は、周方向に交互に配置されており、部分領域31aが部分領域31b、31c、31d・・・よりも、半径方向外側に位置している。そして、部分領域31aと部分領域31b、31c、31d・・・の境界部には段差が設けられている。即ち、樹脂成形体の筒状部31の内周面は、部分領域31aに対応する角筒状の面に、部分領域31b、31c、31d・・・に対応する凸条が設けられたような形態となっている。
本実施形態のように、部分領域31b、31c、31d・・に対応して内周面に凸条が形成されるように部分領域が設けられた構成であっても、第1実施形態と同様に、成形品の取り出し時のキャビティ残りの不良を予防でき、コア型からの脱型抵抗を適度なレベルに調整できる。
また、本実施形態においては、樹脂成形体3の筒状部は角筒状に形成されている。すなわち、筒状部の形態は第1実施形態のように円筒状であっても良いが、本実施形態のように角筒状であっても良い。同様に、筒状部の軸線方向(すなわち脱型方向)に垂直な平面でとった筒状部の断面形状は、多角形状(特に三角形状、四角形状、五角形状もしくは六角形状)、または、長円状、楕円状、などであっても良い。
本実施形態のように、筒状部の断面形状が、多角形状、または、長円状、楕円状とされていれば、筒状部の断面形状を利用して、筒状部が結合される相手部材にトルクを伝えることができるようになり、筒状部を利用してトルクの伝達を行いうる。
また、本実施形態においては、筒状部の開口部から軸方向で奥側の領域(A区間)において、内周面が部分領域に分割されて部分領域の境界に段差が設けられているのに対し、筒状部の軸方向の残りの開口部側の領域(B区間)においては、内周面が段差のない平坦な角筒状とされている。
このように、筒状部内周面を部分領域に分割して部分領域の境界に段差を設けるべき区間は、本実施形態(図5)のように、筒状部の開口部から奥側の領域であっても良いし、第1実施形態のように開口部の側の領域であっても良い。
また、筒状部の内周面の軸方向の全体にわたって、筒状部内周面を部分領域に分割して部分領域の境界に段差を設けるようにしても良い。
図5に示した本実施形態のように、筒状部の軸方向の開口部から奥側の領域(A区間)を、内周面が部分領域に分割されて部分領域の境界に段差が設けられている領域とし、かつ、当該区間において、分割された部分領域31b、31c、31d・・に対応する部分が、内周面(31a)から凸条のように突出形成されるようにすると、脱型抵抗を高めようとする際のコア金型の追加工が効率的に行われて好ましい。
また、本実施形態の樹脂成形体では、樹脂成形体3の筒状部内周面の凸条に相当する部分の部分領域31b、31c、31d・・・の部分が、筒状部の半径方向に沿って見て、抜け方向のテーパ形状となるように、すなわち、部分領域31b、31c、31d・・・の筒状部奥側の幅が、筒状部開口部側の幅よりも大きくなるようにされている。このように、半径方向から見た部分領域の形状に、抜け方向のテーパを与えることにより、脱型抵抗が過大になることを効果的に予防し、より効果的に脱型抵抗の適正化を図りうる。
また、本実施形態のように、筒状部の半径方向外側に位置する部分領域(31a)と、筒状部の半径方向内側に位置する部分領域(31b、31c、31d・・)とが、実質的に同じ抜け勾配を有する面となるようにしても良い。抜け勾配が同じになっていると、コア型の追加工が効率的となる。
なお、上記実施形態においては、筒状部の外周面(11f)に全く段差がない実施形態について説明したが、発明はこれに限定されず、筒状部の外周面の形状は、適宜設定できる。
また、本実施形態の樹脂成形体3では、成形体の底部32には穴がなく、円盤状に形成されている。本発明では、中空筒状部を有する限り、樹脂成形体の筒状部以外の部分の形状については、特に限定されるものではなく、樹脂成形体は、他の部分、例えば中空筒状部の端部にフランジ部等を備えるものであっても良い。
また、樹脂成形体は、互いに平行に配置される複数の筒状部を有するものであっても良い。この場合、これら複数の筒状部のうち、少なくとも1つの筒状部において、上記実施形態のように、筒状部の内周面で脱型方向にアンダーカットが無く、かつ、内周面が脱型方向に延在する複数の部分領域に分割されて、隣接する部分領域が互いに筒状部の半径方向にオフセットするように段差が設けられて、段差が所定の大きさを有するようにされていれば、同様の効果が得られる。
樹脂成形体が使用される具体的な適用分野は特に限定されない。合成樹脂製の樹脂成形体が適用可能な分野に、広く適用できる。例えば、本発明の樹脂成形体は、樹脂キャップや、樹脂栓、スペーサ、カバーなどに使用できる。更に、筒状部を有する樹脂成形体が利用できる樹脂ケースや樹脂タンクなどの構成部品、シール部材、機構部品などとして、本発明の樹脂成形体を使用することもできる。
本発明の樹脂成形体は、樹脂の射出成形により効率的に製造できて、産業上の利用価値が高い。
1 樹脂成形体
11 筒状部
11a、11b、11c、11d 部分領域
11f 外周面
12 底部
2 金型
21 コア型
22 キャビティ型
23 突き出しピン
3 樹脂成形体
31 筒状部
31a、31b、31c、31d、 部分領域
32 底部
9 成形体
91 コア型
92 キャビティ型
93 突き出しピン

Claims (4)

  1. 合成樹脂の射出成形により形成され、中空の筒状部を有する樹脂成形体であって、
    前記筒状部の内周面は、脱型方向にアンダーカットが無く、
    かつ、前記内周面の少なくとも一部において、内周面は脱型方向に沿って直線状に延在する複数の部分領域に分割されて、隣接する部分領域が互いに筒状部の半径方向にオフセットするように段差が設けられており、
    前記段差は脱型方向に沿って直線状に延在しており、前記段差の筒状部半径方向の大きさが、筒状部の肉厚の0.5〜20%とされた樹脂成形体。
  2. 筒状部の軸方向の一部の領域においては、内周面が部分領域に分割されて段差が設けられる一方で、
    筒状部の軸方向の他の領域においては、内周面が平坦なものとされている請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 筒状部の内周面において、筒状部の半径方向内側に位置する部分領域と、筒状部の半径方向外側に位置する部分領域との間で、互いに抜け勾配が異なるようにされている請求項1に記載の樹脂成形体。
  4. 筒状部の断面形状が、多角形状、または、長円状、楕円状とされている請求項1に記載の樹脂成形体。
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