JP2015169926A - プロジェクタ - Google Patents

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Shuichi Omori
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Abstract

【課題】寒冷環境下でプロジェクタの電源投入直後、電力消費を最小限に抑えながら、速やかに電池温度を適切な値まで上昇させ、安定的な動作を保障する機器を提供することである。
【解決手段】電池を内蔵し、それを利用して動作することができ、かつ光源を冷却する方式のプロジェクタであって、電池の温度を検出する温度検出手段を有し、電池の温度に応じて、光源を冷却した媒体と電池本体との間で任意に熱交換できることを特徴とする構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、電池を内蔵し、それを利用して動作するプロジェクタにおいて、寒冷地での電池電圧の安定化に関するものであり、特に発熱体でもある光源の冷却媒体を使用して電池温度を速やかに上昇させ、機器動作の安定化を図ることに関する。
LED光源、レーザー光源の技術進展により、プロジェクタにおいても電池内蔵の小型製品が登場している。このようなプロジェクタにおいては、他の携帯型機器と同様に使用環境が屋内外に拡大し、動作環境の多様化が予想される。
特に寒冷環境下での使用の場合、電源投入直後は電池内部の温度が低いために、化学反応が低下し、常温時と比較して電池電圧が著しく降下してしまう。そのため、電池の温度を適切に管理することは、機器の安定的な動作を保障するためにも重要である。
従来、プロジェクタ内部の温度を適切に管理する技術として、光源の冷却に関するものは多数開示されている(例えば特許文献1)。他方、電池を内蔵する携帯型パソコンでは、電池の充放電における発熱を抑制する技術や、筺体内で発生する熱を拡散する発明は多数開示されている。
特開2013−15696号公報
しかしながら、設置環境の温度変化に対して、プロジェクタに内蔵する電池の安定的な出力保障に関する発明はほとんどなされていない。特に、寒冷環境下で電源投入直後の電池温度を上昇させるためには、安定動作を保障するうえで重要である。
例えば、電池が配置される近傍にニクロム線などを用いた電熱器や、赤外線を利用したヒーターを配置することは容易に想像がつくが、これらは多くの電力を必要とし、かえって電池の消耗を早めてしまう。
さらに酸化還元反応の過程で熱を発生する携帯型カイロのような発熱体の利用も考えられるが、製品の電源のオン/オフに連動して化学反応を制御するのは機器の構成、制御、メンテナンスともに容易ではない。
そこで、本発明の目的は、寒冷環境下でプロジェクタの電源投入直後、電力消費を最小限に抑えながら、速やかに電池温度を適切な値まで上昇させ、安定的な動作を保障する機器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、プロジェクタの光源、およびその駆動回路で発生する熱を冷媒によって吸収し、それらを電池まで循環させ、熱を電池側に伝えることによって、電池温度を速やかに上昇させることを特徴とする。
本発明によれば、寒冷地においてプロジェクタの光源、およびその駆動回路で発生する熱を電池の予熱に再利用することで、新たな発熱源を準備とすることなく、必要最低限度の電力で電池電圧の初期降下を速やかに改善することができる。これにともない、幅広い温度環境下で安定した使用が可能になる。
第1の実施形態(外形) 第1の実施形態(内部構成) 第1の実施形態(ブロック図) 第1の実施形態(遮蔽板構成) 第1の実施形態(フローチャート) 電池の温度特性 第2の実施形態(外形) 第2の実施形態(内部構成) 第2の実施形態(ブロック図) 第2の実施形態(フローチャート)
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
[実施例1]
図1は、本発明に係る実施形態のプロジェクタを示す上面図(A)、側面図(B)、(C)、(D)である。
図1(A)、(C)、(D)において、101はプロジェクタ本体、102は投射レンズである。103は電源釦、104は設定画面を呼び出すためのメニュー釦、105は映像信号の入力先を選択する釦、106はメニュー画面で決定を行なう釦である。107〜110はメニュー項目の選択を行なうための上下左右方向の釦である。111は光源を冷却するのに必要な外気を取り入れる吸気口であり、112は光源の冷却風を機器外に排出するための第1の排出口である。113は光源の冷却風を機器外に排出するための第2の排気口である。
図1(B)において、114はデジタル映像信号入力端子、115はアナログ映像信号入力端子である。図1(D)において、116は電池充電時に使用するACインレットであり、外部の商用電源とケーブルで接続する。
図2は図1(A)に示したプロジェクタ本体の内部構成を示したものである。201は光源であり高輝度LEDとドライバICなどが実装された基板で構成されている。202は透過型の液晶パネルであり、LED光源201からの光はこれを透過して投射レンズ102に入射する。図では模式的に1対の光源と液晶パネルで表現しているが、実際にはRGBそれぞれのLED光源に対して液晶パネルが対になっており、これら液晶パネルの透過光の合成されたものが投射レンズ102に入射する構成になっている。
203は光源201を冷却するための気流を発生させるファンであり、吸気口111から外気を取り入れ、第1の排気口112または第2の排気口113から排気する役目をする。204は充電が可能な大容量の電池である。205は電池204が格納される電池ボックス内に配置した温度センサーである。206は開閉式の遮蔽板であり、光源201を冷却した気流を電池ボックス内に通過させたり、遮蔽したりする機能を有する。207、208はプロジェクタ内の気流を適切に導くための導風路である。
図2の2A〜2Fは、光源201を冷却する気流の流路を示したものである。遮蔽板206が開いている場合は機器内の冷却気流は第2の排気口113から流路2Fの方向に排出される。遮蔽板206が閉じている場合は、第1の排気口112から流路2Dの方向に排出される。
図3は図1に示すプロジェクタ本体101に内蔵する電子回路、センサー、アクチュエータ、光源、電池、電源などの構成部品を制御信号の観点からブロック図で示したものである。
301は外部の映像信号出力機器からアナログまたはデジタルのフォーマットで入力された映像信号をプロジェクタの液晶パネルの解像度にスケーリング処理するためのワンチップ型のマイクロコンピュータである(以下、映像信号処理マイコンという)。
映像信号処理マイコン301は、デジタル映像入力端子114、またはアナログ映像入力端子115からの入力を検知すると、入力端子から入力された映像信号を前者の場合はデコード、後者の場合はA/D変換して、液晶パネル303の表示サイズになるように解像度変換(スケーリング)を行ない、液晶パネルドライバ302にデータを送る。液晶パネル303は液晶パネルドライバ302からの信号を受け、映像を液晶パネル上に表示する。本実施例では、液晶パネルはR、G、Bの3板式の構成となっている。
304はプロジェクタの各種操作釦103〜110からの設定の処理、冷却ファンを駆動するドライバ回路307、LED光源の制御回路305、温度センサー205など、プロジェクタ内蔵のセンサー、アクチュエータ全体を統括制御するマイコン(以下、プロジェクタ制御マイコンという)である。
操作釦からズーム制御の指示が出されると、プロジェクタ制御マイコン304はモータドライバ回路306に信号を送り、ズームモータ310を駆動してレンズユニットを制御する。
205はプロジェクタの電池ボックス内外に取り付けられている1つまたは複数の温度センサーであり、プロジェクタ制御マイコン304が電池205近傍の温度を検知して、LED光源201の冷却気流を通過/遮断する遮蔽板制御モータ311を制御する。305はLED光源201の制御回路であり、LED光源の点灯・消灯をコントロールする。
308はプロジェクタのAC−DC電源変換回路であり、商用AC電源から変換されたDC電源を電池充電回路309に供給できるようになっている。充電回路309はプロジェクタ制御マイコンの管理のもとで電池205を充電する。
311、313は不揮発性のメモリであり、それぞれ接続先のマイコンのプログラム/データを格納している。312は揮発性のメモリであり、投影画像のフレームバッファとして使用される。
図4(A)は遮蔽板206の部分を拡大して図示したものである。401はフィンであり、遮蔽板はこれらを複数個並べて構成している。フィン401の両端はそれぞれ独立した紐408に固定されている。
402は遮蔽板制御用のモータであり、回転軸の先端403に紐408の一端が結び付けられている。404はゼンマイばねであり、前述の紐408のもう一端側が結び付けられている。405〜407はプーリーであり、フィン401を経由してモータ402、ゼンマイばね404間をスムーズにつなぐため、紐408の向きを調節している。紐408は上記ゼンマイばねに張られた状態で固定されている。
図4(B)は図4(A)のX−Y方向にフィン401の断面を見た図である。ここで、図4(A)の遮蔽板制御モータ402が回転し、紐408が巻き取られるにしたがって、フィン401は取付軸410を中心に回転し、巻き取り量に応じて角度が変更できるようになっている。最終的には、フィンが排気口118を塞ぐことができる。この状態を示したものが図4(C)である。 次に、図5に本実施例のフローチャートを示す。
ユーザーが電源釦103を押して電源を投入する(S501)。電池ボックスに取り付けられた温度センサー205で測定した温度が、ある閾値Θthを下回るかどうか、プロジェクタ制御マイコン304で判定する(S502)。
もし温度がΘthを下回る場合、プロジェクタ制御マイコン304が遮蔽板制御モータ402を駆動し、遮蔽板206に取り付けられたフィン401を開く方向に回転させる。このとき、LEDを冷却した気流は第2の排気口113から流路2Fの向きに排出されるようになり、排気熱で電池204が温められる(S503)。
一方、温度がΘth以上の場合、プロジェクタ制御マイコン304が遮蔽板制御モータ402を駆動し、遮蔽板206に取り付けられたフィン401が排気口を塞ぐ方向に回転させる。このときLEDを冷却した気流は第1の排気口112から流路2Dの向きに排出されるようになり、電池204側に気流は流れ込まない(S504)。
このあと所定時間動作する中で(S505)、もし電源釦103が押された場合は、プロジェクタは電源を落とす(S507)。もし電源釦103が押されない場合は、再び電池ボックス内の温度を測定し、再びステップS502に戻って、以降のシーケンスを繰り返す。
上記実施例では、遮蔽板を閉じたり開いたりしているが、システムに応じて遮蔽板の開閉度合いを調節することで、最適な温度の気流を電池ボックス内に供給することも可能である。
図6に電池の放電特性と温度の関係を図示する。
電池は化学反応によって、電力を外部に供給するため、一般的に低温環境下では化学反応速度が低下し、電力を安定的に供給することが困難になる。
例えば、プロジェクタの動作に必要な最低限度の電池電圧をVbatとする。図6において、電池の初期電圧からVbatまで降下する時間を、低温環境下でT1、常温環境下(Θth)ではT2とするとT1<T2の関係になる。つまり、温度によってプロジェクタの動作時間に大きな差が出てくることになる。
本実施形態では、低温環境下では通常T1時間しか動作できないところを、前記フローチャートの制御をおこなうことで、電池温度を速やかに常温(Θth)まで引き上げ、動作時間をT2時間まで引き延ばせる点で効果的である。
[実施例2]
次に第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態が電池本体の熱交換を行う媒体として空気を利用したが、第2の実施形態では媒体として液体を利用する例を示す。
図7は、本発明に係る実施形態のプロジェクタを示す上面図(A)、側面図(B)、(C)、(D)である。図の701から716の構成は図1の101〜116に対応し、図1の第2の排気口113が削除され、第1の排気口712の位置が変更されていること以外は、実施例1の構成と同じである。
図8は本実施例におけるプロジェクタ本体の内部構成を示したものである。801は光源であり高輝度LEDとドライバICなどが実装された基板で構成されている。802は透過型の液晶パネルであり、LED光源801からの光はこれを透過して投射レンズ802に入射する。図では模式的に1対の光源と液晶パネルで表現しているが、実際にはRGBそれぞれのLED光源に対して液晶パネルが対になっており、これら液晶パネルの透過光の合成されたものが投射レンズ702に入射する構成になっている。
808はLED光源801を冷却するためのヒートシンクである。804は充電可能な電池であり、ヒートシンク807に接触するように配置されている。ヒートシンク807〜809は内部に液体の冷媒が流れるようになっており、それぞれ伸縮性のあるパイプ8A〜8Fのいずれかと接続されている。805は冷媒循環用ポンプであり、ここからヒートシンクに向けて冷却用の液体を循環させている。806は冷媒の循環経路の切換え器であり、以下の2つの経路のうちの1つを選択できる。
一つ目は、ポンプ805→パイプ8F→ヒートシンク807→パイプ8E→切換え器806→パイプ8C→ヒートシンク809→パイプ8B→ヒートシンク808→パイプ8A→ポンプ805に至る第1の循環経路である。
二つ目は、ポンプ805→パイプ8D→切換え器806→パイプ8C→ヒートシンク809→パイプ8B→ヒートシンク808→パイプ8A→ポンプ805に至る第2の循環経路である。
804は充電可能な電池であり、かつ電池本体の温度を測定し、測定したデータを通信により外部に通知できる機能を有している。
803はファンであり、711から外気を吸入してヒートシンク809を冷やしたのち、第1の排気口712から排出される。図の矢印は気流の経路を示したものである。
図9はプロジェクタ本体701に内蔵する電子回路、センサー、アクチュエータ、光源、電池、電源などの構成部品を制御信号の観点からブロック図で示したものである。
901はマイコンであり、図3に記載した映像信号処理マイコン301と同じ役割を担う。映像信号処理マイコン901は、デジタル映像入力端子714、またはアナログ映像入力端子715からの入力を検知すると、入力端子から入力された映像信号を前者の場合はデコード、後者の場合はA/D変換して、液晶パネル903の表示サイズになるように解像度変換(スケーリング)を行ない、液晶パネルドライバ902にデータを送る。本実施例では、液晶パネルはR、G、Bの3板式の構成となっている。
904はマイコンであり、図3に記載したプロジェクタ制御マイコン304と同じ役割を担う。操作釦からズーム制御の指示が出されると、プロジェクタ制御マイコン804はモータドライバ回路906に信号を送り、ズームモータ910を駆動してレンズユニットを制御する。
プロジェクタ制御マイコン904は電池804から電池温度情報を通信により取得する。これを基に循環切換器914を制御し、前記のとおりヒートシンク907〜909を循環する冷媒の経路を切り換える。905はLED光源801の制御回路であり、LED光源の点灯・消灯・調光を制御する。
908はプロジェクタのAC−DC電源変換回路であり、商用AC電源から変換されたDC電源を電池充電回路909に供給できるようになっている。充電回路909はプロジェクタ制御マイコン904の管理下で電池804を充電する。 911、913は不揮発性のメモリであり、それぞれ接続先のマイコンのプログラム/データを格納している。912は揮発性のメモリであり、投影画像のフレームバッファとして使用される。
次に、図10に本実施例のフローチャートを示す。
ユーザーが電源釦703を押して電源を投入する(S1001)。電池に内蔵する温度センサーから通信により取得した数値が、ある閾値Θthを下回るかどうか、プロジェクタ制御マイコン704で判定する(S1002)。
もし温度がΘthを下回る場合、プロジェクタ制御マイコン304が循環切換器914を制御し、前記第1の経路に冷媒を循環させる。このとき、LED光源で温められた冷媒が電池804のヒートシンク807を経由することになり、電池804が温められる(S1003)。
一方、温度がΘth以上の場合、プロジェクタ制御マイコン904が循環経路切換器914を制御し、前記第2の経路に冷媒を循環させる。このときLED光源を温められた冷媒は電池804のヒートシンク807を経由せず、ヒートシンク809から放熱される(S1004)。
このあと所定時間動作する中で(S1005)、もし電源釦703が押された場合は、プロジェクタは電源を落とす(S1007)。もし電源釦103が押されない場合は、プロジェクタ制御マイコンが再び電池内の温度を通信により取得し、再びステップS1002に戻って、以降のシーケンスを繰り返す。
本実施形態においても前記実施例1と同様に、低温環境下におけるプロジェクタの動作時間を常温時と同程度に改善することができる。
以上、実施例1、2において本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
111 吸気口
112、712 第1の排気口
114 第2の排気口
201 LED光源
204 電池
205 温度センサー
206 遮蔽板
701 吸気口
805 ポンプ
806 流路切換え器
807、808、809 ヒートシンク

Claims (7)

  1. 電池を内蔵し、それを利用して動作することができ、
    かつ光源を冷却する方式のプロジェクタであって、
    電池の温度を検出する温度検出手段を有し、
    電池の温度に応じて、光源を冷却した媒体と電池本体との間で任意に熱交換できること
    を特徴とするプロジェクタ。
  2. 光源を冷却する媒体が空気であって、電池を格納する空間に光源を冷却した気流を通過、あるいは遮断することが可能な調節機構を有することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
  3. 前記調節機構は、前記冷却気流を任意の流量で制御することが可能なことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
  4. 光源を冷却する媒体が液体であって、電池を格納する空間に前記冷却液体と熱交換できる熱交換機を有することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
  5. 前記熱交換機は、前記冷却液体を任意の流量で制御することが可能なことを特徴とする請求項4に記載のプロジェクタ。
  6. 前記電池の温度を検出する温度検出手段は、前記電池格納空間周辺の温度を測定すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のプロジェクタ。
  7. 前記電池の温度を検出する温度検出手段は、前記電池自体が自身の内部温度を測定することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のプロジェクタ。
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