以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
図1は、本発明のある実施形態に係る蓄冷式冷凍機を概略的に示す図である。GM冷凍機1のような蓄冷式冷凍機は、蓄冷器部、膨張機、及び圧縮機を備える。たいていの場合、蓄冷器部は膨張機に設けられている。蓄冷器部は、作動ガス(例えばヘリウムガス)を予冷するよう構成されている。膨張機は、蓄冷器部により予冷された作動ガスをさらに冷却するために、予冷された作動ガスを膨張させる空間を備える。蓄冷器部は、膨張により冷却された作動ガスによって冷却されるよう構成されている。圧縮機は、蓄冷器部から作動ガスを回収し圧縮して、蓄冷器部に再び作動ガスを供給するよう構成されている。
図示のGM冷凍機1のような二段式の冷凍機においては、蓄冷器部は、一段蓄冷器と二段蓄冷器とを備える。一段蓄冷器は、圧縮機から供給される作動ガスを一段蓄冷器の低温端温度へと予冷するよう構成されている。二段蓄冷器は、一段蓄冷器により予冷された作動ガスを二段蓄冷器の低温端温度へと予冷するよう構成されている。
GM冷凍機1は、圧縮機として機能するガス圧縮機3と、膨張機として機能する二段式のコールドヘッド10とを有する。コールドヘッド10は、一段冷却部15と、二段冷却部50とを有し、これらの冷却部は、フランジ12に同軸となるように連結されている。一段冷却部15は一段高温端23a及び一段低温端23bを備え、二段冷却部50は二段高温端53a及び二段低温端53bを備える。一段冷却部15は二段冷却部50と直列に接続されている。従って一段低温端23bは二段高温端53aに隣接する。
一段冷却部15は、一段シリンダ20、一段ディスプレーサ22、一段蓄冷器30、一段膨張室31、及び一段冷却ステージ35を備える。一段シリンダ20は中空の気密容器である。一段ディスプレーサ22は、軸方向Qに往復運動可能であるように一段シリンダ20内に設けられている。一段蓄冷器30は、一段ディスプレーサ22内に充填された一段蓄冷材を備える。従って一段ディスプレーサ22は、一段蓄冷材を収容する容器である。一段膨張室31は、一段低温端23bにおいて一段シリンダ20内に形成される。一段膨張室31は、一段ディスプレーサ22の往復運動により容積が変化する。一段冷却ステージ35は、一段低温端23bにおいて一段シリンダ20の外側に取り付けられている。
一段シリンダ20は、一段冷却ステージ35から高温側へと軸方向Qに沿って延びる一段シリンダ側壁21を備える。一段ディスプレーサ22は、一段シリンダ側壁21に対向して軸方向Qに沿って延びる一段ディスプレーサ側壁24を備える。
一段高温端23aには、一段蓄冷器30にヘリウムガスを流出入させるために複数の一段高温側ガス通路40aが設けられている。一段低温端23bには、一段蓄冷器30と一段膨張室31との間でヘリウムガスを流出入させるために一段低温側ガス流路40bが設けられている。一段低温側ガス流路40bは、一段膨張室31と一段蓄冷器30の低温端とを連通する。
一段低温側ガス流路40bは、一段ディスプレーサガス通路40cと、一段ガス流通隙間40dと、を備える。一段ディスプレーサガス通路40cは、一段ガス流通隙間40dと一段蓄冷器30の低温端とを連通する。一段ディスプレーサガス通路40cは、一段ガス流通隙間40dに通じる隙間側開口と、一段蓄冷器30の低温端に通じる蓄冷器側開口と、隙間側開口と蓄冷器側開口とを接続する接続路と、を有する。
一段ガス流通隙間40dは、一段ディスプレーサ側壁24の外周面と一段シリンダ側壁21の内周面とにより画定されている。一段ガス流通隙間40dは、軸方向Qにおける低温側にて一段膨張室31に連続する。一方、軸方向Qにおいて一段ガス流通隙間40dの高温側には、一段ガス流通隙間40dと一段高温端23aとの間のガス流れを封じる一段シール39が設けられている。一段シール39は、一段シリンダ20と一段ディスプレーサ22との間に配設されている。従って、一段高温端23aと一段低温端23bとの間の作動ガス流れは一段蓄冷器30を経由する。
二段冷却部50は、二段シリンダ51、二段ディスプレーサ52、二段蓄冷器60、二段膨張室55、及び二段冷却ステージ85を備える。二段シリンダ51は中空の気密容器である。二段ディスプレーサ52は、一段ディスプレーサ22とともに軸方向Qに往復運動可能であるように二段シリンダ51内に設けられている。二段蓄冷器60は、二段ディスプレーサ52内に充填された二段蓄冷材を備える。従って二段ディスプレーサ52は、二段蓄冷材を収容する容器である。二段膨張室55は、二段低温端53bにおいて二段シリンダ51内に設けられている。二段膨張室55は、二段ディスプレーサ52の往復運動により容積が変化する。二段冷却ステージ85は、二段低温端53bにおいて二段シリンダ51の外側に取り付けられている。
二段シリンダ51は、二段冷却ステージ85から高温側へと軸方向Qに沿って延びる二段シリンダ側壁56を備える。二段ディスプレーサ52は、二段シリンダ側壁56に対向して軸方向Qに沿って延びる二段ディスプレーサ側壁57を備える。二段ディスプレーサ側壁57の低温端は二段ディスプレーサ底部58により塞がれている。
二段高温端53aには、二段蓄冷器60にヘリウムガスを流出入させるために二段高温側ガス通路40eが設けられている。図示されるGM冷凍機1においては、二段高温側ガス通路40eは、一段膨張室31を二段蓄冷器60に接続する。二段低温端53bには、二段膨張室55にヘリウムガスを流出入させるために二段低温側ガス流路54aが設けられている。二段低温側ガス流路54aは、二段膨張室55と二段蓄冷器60の低温端とを連通する。
二段低温側ガス流路54aは、二段ディスプレーサガス通路54bと、二段ガス流通隙間54cと、を備える。二段ディスプレーサガス通路54bは、二段ガス流通隙間54cと二段蓄冷器60の低温端とを連通する。
二段ガス流通隙間54cは、二段ディスプレーサ側壁57の外周面と二段シリンダ側壁56の内周面とにより画定されている。二段ガス流通隙間54cは、軸方向Qにおいて低温側で二段膨張室55に連続する。一方、軸方向Qにおいて二段ガス流通隙間54cの高温側には、二段ガス流通隙間54cと二段高温端53aとの間のガス流れを封じる二段シール59が設けられている。二段シール59は、二段シリンダ51と二段ディスプレーサ52との間に配設されている。従って、二段高温端53aと二段低温端53bとの間の作動ガス流れは二段蓄冷器60を経由する。なお、二段冷却部50は、二段ガス流通隙間54cを通じた二段高温端53aと二段低温端53bとの間のいくらかのガス流れが許容されるよう構成されていてもよい。
図2は、本発明のある実施形態に係る蓄冷式冷凍機の二段低温端53bを概略的に示す図である。二段ディスプレーサガス通路54bは、二段ガス流通隙間54cに通じる隙間側開口70と、二段蓄冷器60の低温端に通じる蓄冷器側開口71と、を有する。よって、隙間側開口70は二段ディスプレーサ側壁57の外周面に形成され、蓄冷器側開口71は二段ディスプレーサ側壁57の内周面に形成されている。また、二段ディスプレーサガス通路54bは、隙間側開口70と蓄冷器側開口71とを接続する接続路72を有する。隙間側開口70は、二段ディスプレーサ52の低温側に設けられている二段ディスプレーサ52からその外部へのガス出口(及びディスプレーサ外部から二段ディスプレーサ52へのガス入口)である。
二段ディスプレーサガス通路54bは、二段ディスプレーサ側壁57に形成されている屈曲流路である。隙間側開口70及び蓄冷器側開口71は軸方向Qに垂直な径方向に沿って形成され、接続路72は軸方向Qに沿って形成されている。
隙間側開口70の軸方向位置は、二段蓄冷器60の低温端の軸方向位置に比べて高温側にある。すなわち、隙間側開口70は、蓄冷器側開口71よりも軸方向Qに関し高温側に位置する。
二段冷却ステージ85は、二段冷却ステージ側部86と二段冷却ステージ底部87とを備える。図2に示されるように、二段ディスプレーサ52が上死点に位置するとき、隙間側開口70の軸方向位置は、二段冷却ステージ側部86の高温側の端部の軸方向位置に一致する。
二段ガス流通隙間54cは、二段ディスプレーサガス通路54bより狭い。このようにすれば、ヘリウムガスが二段ガス流通隙間54cを通るときのガスと二段冷却ステージ側部86との熱交換量を増加することができる。具体的には、二段ガス流通隙間54cの径方向の幅は、接続路72の径方向の幅より小さい。また、二段ガス流通隙間54cの径方向の幅は、隙間側開口70及び/または蓄冷器側開口71の軸方向の幅より小さくてもよい。
図1に示されるように、GM冷凍機1は、ガス圧縮機3とコールドヘッド10とを接続する配管7を備える。配管7には高圧バルブ5及び低圧バルブ6が設けられている。GM冷凍機1は、高圧のヘリウムガスがガス圧縮機3から高圧バルブ5及び配管7を介して一段冷却部15に供給されるよう構成されている。また、GM冷凍機1は、低圧のヘリウムガスが一段冷却部15から配管7及び低圧バルブ6を介してガス圧縮機3に排気されるよう構成されている。
GM冷凍機1は、一段ディスプレーサ22及び二段ディスプレーサ52の往復運動のための駆動モータ8を備える。駆動モータ8により、一段ディスプレーサ22及び二段ディスプレーサ52は軸方向Qに沿って一体に往復運動する。また、駆動モータ8は、この往復運動に連動して高圧バルブ5の開弁と低圧バルブ6の開弁とを選択的に切り替えるように高圧バルブ5及び低圧バルブ6に連結されている。このようにして、GM冷凍機1は、作動ガスの吸気行程と排気行程とを適切に切り替えられるよう構成されている。
以上のように構成されたGM冷凍機1の動作について説明する。まず、一段ディスプレーサ22及び二段ディスプレーサ52がそれぞれ一段シリンダ20及び二段シリンダ51内の下死点またはその近傍に位置するとき、高圧バルブ5が開かれる。一段ディスプレーサ22及び二段ディスプレーサ52は下死点から上死点に向けて移動する。この間、低圧バルブ6は閉じられている。
ガス圧縮機3から、高圧のヘリウムガスが一段冷却部15に流入する。高圧のヘリウムガスは、一段高温側ガス通路40aから一段ディスプレーサ22の内部に流入し、一段蓄冷器30によって所定の温度まで冷却される。冷却されたヘリウムガスは、一段低温側ガス流路40bから一段膨張室31に流入する。一段膨張室31へ流入した高圧のヘリウムガスの一部は、二段高温側ガス通路40eから二段ディスプレーサ52の内部に流入する。このヘリウムガスは、二段蓄冷器60によって、さらに低い所定の温度まで冷却され、二段低温側ガス流路54aから二段膨張室55に流入する。これらの結果、一段膨張室31及び二段膨張室55内は、高圧状態となる。
一段ディスプレーサ22及び二段ディスプレーサ52がそれぞれ一段シリンダ20及び二段シリンダ51内の上死点またはその近傍に到達すると、高圧バルブ5が閉弁される。それと概ね同時に低圧バルブ6が開かれる。一段ディスプレーサ22及び二段ディスプレーサ52は、今度は上死点から下死点に向けて移動を開始する。
一段膨張室31及び二段膨張室55内のヘリウムガスは減圧され膨張する。その結果、ヘリウムガスが冷却される。一段膨張室31にて冷却されたヘリウムガスは、一段低温側ガス流路40b(すなわち、一段ガス流通隙間40d及び一段ディスプレーサガス通路40c)を通じて一段蓄冷器30に入る。一段膨張室31及び一段ガス流通隙間40dのガス流れによるガスと一段冷却ステージ35との熱交換により、一段冷却ステージ35が冷却される。また、二段膨張室55にて冷却されたヘリウムガスは、二段低温側ガス流路54a(すなわち、二段ガス流通隙間54c及び二段ディスプレーサガス通路54b)を通じて二段蓄冷器60に入る。二段膨張室55及び二段ガス流通隙間54cのガス流れによるガスと二段冷却ステージ85との熱交換により、二段冷却ステージ85が冷却される。ヘリウムガスは一段蓄冷器30及び二段蓄冷器60を冷却し、低圧バルブ6及び配管7を介してガス圧縮機3に戻る。
一段ディスプレーサ22及び二段ディスプレーサ52がそれぞれ一段シリンダ20及び二段シリンダ51内の下死点またはその近傍に到達すると、低圧バルブ6が閉弁される。それと概ね同時に高圧バルブ5が再び開かれる。
GM冷凍機1は、以上の動作を1サイクルとし、これを繰り返す。こうして、GM冷凍機1は、一段冷却ステージ35、二段冷却ステージ85においてそれぞれに熱接続された冷却対象物(不図示)から熱を吸収し、冷却することができる。一段高温端23aの温度は、例えば室温である。一段低温端23b及び二段高温端53a(すなわち一段冷却ステージ35)の温度は、例えば約20K〜約40Kの範囲にある。二段低温端53b(すなわち二段冷却ステージ85)の温度は、例えば約4Kである。
本実施形態においては、隙間側開口70が二段蓄冷器60の低温端に比べて高温側に位置する。言い換えれば、二段ディスプレーサ52の低温側のガス出入口の位置を二段蓄冷器60の端部よりも高温側に設けられている。そのため、隙間側開口70から二段ディスプレーサ底部58までの軸方向距離が大きくなり、二段ガス流通隙間54cを軸方向Qに長くとることができる。二段ガス流通隙間54cは、二段膨張室55で膨張し冷却されたガスが二段膨張室55から隙間側開口70へと二段冷却ステージ側部86に隣接して流れるガス流路である。冷却されたガスの流路が長いので、ガスと二段冷却ステージ側部86との熱交換量が増える。よって、GM冷凍機1の冷凍能力を向上することができる。
本実施形態に係るガス流路構成の利点は、図3に例示する構成との比較によって明確となる。図3に示される二段低温端153bは、本実施形態に係り図2に示す二段ディスプレーサガス通路54bに代えて、二段蓄冷器160の低温端から径方向に沿って直線的に二段ディスプレーサ側壁157に形成された二段ディスプレーサガス通路154bを有する。また、図3に示される二段低温端153bは、本実施形態に係り図2に示す二段ガス流通隙間54cと同じ軸方向長さを有する二段ガス流通隙間154cを有する。そのために、二段低温端153bは、本実施形態に係り図2に示す二段冷却ステージ底部87に比べて軸方向Qに顕著に厚い二段ディスプレーサ底部158を有する。二段蓄冷器160の低温端は二段膨張室155から離れる。
したがって、本実施形態によると、二段ディスプレーサ底部58の軸方向厚さが小さいので、二段蓄冷器60の低温端を二段膨張室55に近づけることができる。図3に示すような厚い二段ディスプレーサ底部158に占められていた無駄スペースは不要となる。二段冷却部50の軸方向長さを短くして、GM冷凍機1を小型化することが可能となる。
見方を変えると、本実施形態においては蓄冷器側開口71が隙間側開口70に比べて低温側に配置されるので、本実施形態に係る二段蓄冷器60は、図3に示す二段蓄冷器160よりも軸方向に長くすることができる。よって、二段蓄冷器60の蓄冷材を増量することができるので、GM冷凍機1の冷凍能力を向上することができる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
例えば、図4に示されるように、二段ディスプレーサガス通路54bの蓄冷器側開口71は、二段ディスプレーサ底部58に形成されていてもよい。隙間側開口70は、上述の実施形態と同様に、二段ディスプレーサ側壁57の外周面に形成されている。このようにして、隙間側開口70が蓄冷器側開口71よりも軸方向Qに関し高温側に配置されていてもよい。
あるいは、図5に示されるように、二段ディスプレーサ52は、隙間側開口70を有するディスプレーサ本体部75と、蓄冷器側開口71を有するディスプレーサ蓋部76と、を備えてもよい。ディスプレーサ本体部75は、本体ネジ部77を備え、ディスプレーサ蓋部76は、蓋ネジ部78を備えてもよい。このような構成によると、本実施形態に係る屈曲したガス流路構成をディスプレーサ低温端に実現することが容易である。
ディスプレーサ本体部75の低温端は開放されており、この開口部からディスプレーサ蓋部76がディスプレーサ本体部75の低温端に挿入され、蓋ネジ部78が本体ネジ部77に螺合される。このようにして、ディスプレーサ蓋部76がディスプレーサ本体部75に固定される。
ディスプレーサ蓋部76は、ディスプレーサ本体部75の低温端を塞ぐディスプレーサ底部79と、ディスプレーサ本体部75の低温端に挿入されるようディスプレーサ底部79から高温側へと延びる内壁部80と、を備える。蓄冷器側開口71は内壁部80の低温端に設けられている。蓋ネジ部78は内壁部80の高温側の端部に設けられている。複数の蓄冷器側開口71が周方向に沿って形成されていてもよい。
ディスプレーサ本体部75は、ディスプレーサ蓋部76の内壁部80を囲む外壁部81を備える。隙間側開口70は、蓄冷器側開口71よりも軸方向Qに関し高温側に位置するように外壁部81に設けられている。複数の隙間側開口70が周方向に沿って形成されていてもよい。外壁部81の低温端は、ディスプレーサ底部79の外周部に当接する。本体ネジ部77は、隙間側開口70よりいくらか高温側に設けられている。内壁部80と外壁部81との間に接続路72が形成される。
なお、図5に示す実施形態とは逆に、ディスプレーサ本体部75が蓄冷器側開口71を有する内壁部を備え、ディスプレーサ蓋部76が隙間側開口70を有する外壁部を備えてもよい。この場合、ディスプレーサ本体部75の低温端がディスプレーサ蓋部76で覆われ、蓋ネジ部78が本体ネジ部77に螺合され、ディスプレーサ蓋部76がディスプレーサ本体部75に固定されてもよい。
上述の実施形態においては、二段式の蓄冷式冷凍機の第二段を例として説明したが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、実施形態に係るガス流路構成は、二段式の蓄冷式冷凍機の第一段の低温端(例えば、一段低温端23b)に設けられてもよい。この場合、一段ディスプレーサガス通路40cが、一段ディスプレーサ側壁24及び/または一段ディスプレーサ底部に形成された屈曲流路として形成されてもよい。例えば、一段ディスプレーサガス通路40cの隙間側開口及び蓄冷器側開口が径方向に沿って一段ディスプレーサ側壁24に形成され、一段ディスプレーサガス通路40cの接続路が軸方向Qに沿って一段ディスプレーサ側壁24に形成されてもよい。隙間側開口の軸方向位置は、一段蓄冷器30の低温端の軸方向位置に比べて高温側にある。隙間側開口は、蓄冷器側開口よりも軸方向Qに関し高温側に位置する。実施形態に係るガス流路構成は、第一段及び第二段の両方の低温端に設けられてもよい。
あるいは、実施形態に係るガス流路構成は、単段式の蓄冷式冷凍機の低温端に設けられてもよい。さらには、実施形態に係るガス流路構成は、三段式(またはその他の多段式)の蓄冷式冷凍機の少なくとも1つの段の低温端に設けられてもよい。
上述の実施形態においては、GM冷凍機1を例として説明したが、これに限られず、実施形態に係るガス流路構成は、蓄冷器を内蔵するディスプレーサを備える他の種類の蓄冷式冷凍機に設けられてもよい。
実施形態に係るガス流路構成を備えるGM冷凍機1又はその他の蓄冷式冷凍機は、超伝導マグネット、クライオポンプ、X線検出器、赤外線センサ、量子光子検出器、半導体検出器、希釈冷凍機、He3冷凍機、断熱消磁冷凍機、ヘリウム液化機、クライオスタット等における冷却手段または液化手段として使用されてもよい。