JP2015169223A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化を伴わずにリングギヤ等の第1歯車と、ドライブピニオン等の第2歯車との噛み合い調整が容易である動力伝達装置を提供する。
【解決手段】リングギヤ91と噛合するドライブピニオン10Aを備える終減速装置1Aであって、ドライブピニオン10Aは、軸受に支持されるスリーブ20Aと、スリーブ20Aに挿通されると共に、スリーブ20Aに対して周方向に相対回転可能且つ軸方向に相対移動不能であるロッド30Aと、リングギヤ91に噛合すると共に、スリーブ20Aに対して周方向に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能であるピニオンギヤ40と、を備え、ロッド30Aの後端に形成された雄ねじ部32と、ピニオンギヤ40に形成された雌ねじ穴44とが螺合し、ロッド30Aがスリーブ20Aに対して相対回転すると、雄ねじ部32と雌ねじ穴44との螺合位置が調整され、スリーブ20Aに対するピニオンギヤ40の軸方向位置が調整される。
【選択図】図2

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
後輪駆動又は四輪駆動の四輪車用の終減速装置(動力伝達装置)は、左右の後輪の略中央に配置され、推進軸(プロペラシャフト)からの動力を減速しつつ90°偏向させ、デフ装置(差動装置)に伝達する装置である。推進軸は、車幅方向中央で前後方向に延び、車両の前側に搭載された原動機、変速機からの動力を車両の後側に伝達する軸である。差動装置は、終減速装置からの動力を左右の後輪に分配すると共に、左右の後輪を差動回転させる装置である。
終減速装置は、推進軸と一体に回転し前後方向に延びるドライブピニオンと、デフ装置のデフケースに固定され、ドライブピニオンのピニオンギヤと平面視90°(直角)で噛合するリングギヤと、を備えて構成される。ピニオンギヤ、リングギヤは、例えば、ハイポイドギヤ(曲がり歯かさ歯車)で構成される。
このように、ドライブピニオンのピニオンギヤと、リングギヤとは、90°で噛合するため、双方の歯と歯の隙間であるバックラッシと、双方の歯が噛みあう位置(歯当り)は、ギヤの加工精度や、ドライブピニオン等が軸受を介して支持されるケースの加工精度によって変化する。
そして、バックラッシが適正でないと噛み合い音が異常となる虞があり、歯当りが適正でないと同様に噛み合い音が異常となる虞があるほか、ドライブピニオン及びリングギヤの耐久性が低下する虞もある。
そこで、ドライブピニオンギヤの背面と、デフ装置の両端を支持するベアリングの端面にシムを挿入し、バックラッシと歯当りを調整している。ここで、シムの厚さは、ギヤやケースの加工精度に基づいて決定される。
しかしながら、実際には、終減速装置の組み付け後、適宜な検査装置によってギヤの噛み合い音等が検査される。そして、この検査において、例えば、噛み合い音が検査基準を満たさない場合、終減速装置を分解し、シムを異なる厚さのものに交換していたため、手間を要している。
そこで、特許文献1では、ドライブピニオンを支持するテーパーローラベアリングをその径方向外側からベアリングリテーナで保持すると共に、ベアリングリテーナをケースに螺合し、ベアリングリテーナを回転することで、ベアリングリテーナ及びテーパーローラベアリングの軸方向位置を調整可能としている。
特開平8−238948号公報
しかしながら、特許文献1では、テーパーローラベアリング及びケースの間にベアリングリテーナを備えるため、ケースが径方向外側に大型化してしまう。
そこで、本発明は、大型化を伴わずにリングギヤ等の第1歯車と、ドライブピニオン等の第2歯車との噛み合い調整が容易である動力伝達装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、第1歯車と噛合する第2歯車を備える動力伝達装置であって、前記第2歯車は、軸受に支持される円筒部材と、前記円筒部材に挿通されると共に、前記円筒部材に対して周方向に相対回転可能且つ軸方向に相対移動不能である軸部材と、前記第1歯車に噛合すると共に、前記円筒部材に対して周方向に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能である前記第2歯部と、を備え、前記軸部材の一端に形成された軸部材一端側ねじ部と、前記第2歯部に形成された第2歯部側ねじ部とが螺合し、前記軸部材が前記円筒部材に対して相対回転すると、前記軸部材一端側ねじ部と前記第2歯部側ねじ部との螺合位置が調整され、前記円筒部材に対する前記第2歯部の軸方向位置が調整されることを特徴とする動力伝達装置である。
このような構成によれば、第2歯車は、軸受に支持される円筒部材と、円筒部材に挿通される軸部材と、第1歯車に噛合する第2歯部とを備える構成であるから、つまり、軸受の径方向外側にベアリングリテーナ等を備えない構成であるから、軸受の取り付けられるケースが径方向外側に大型化することはない。
また、軸部材が円筒部材に対して相対回転すると、軸部材一端側ねじ部と第2歯部側ねじ部との螺合位置が調整(変位)され、円筒部材に対する第2歯部の軸方向位置が調整される。これにより、第2歯車の第2歯部と、第1歯車との噛み合い程度を容易に調整できる。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、第1歯車と噛合する第2歯車を備える動力伝達装置であって、前記第2歯車は、軸受に支持される円筒部材と、前記円筒部材に挿通されると共に、前記円筒部材に対して周方向に相対回転可能且つ軸方向に相対移動可能である軸部材と、前記第1歯車に噛合すると共に、前記円筒部材に対して周方向に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能である前記第2歯部と、を備え、前記軸部材の一端に形成された軸部材一端側ねじ部(後記する実施形態では、雄ねじ部32(図8参照))と、前記第2歯部に形成された第2歯部側ねじ部とが螺合し、前記軸部材の他端に形成された軸部材他端側ねじ部(後記する実施形態では、雄ねじ部37(図8参照))と、前記円筒部材に形成された円筒部材側ねじ部とが螺合し、前記軸部材が前記円筒部材に対して相対回転すると、前記軸部材一端側ねじ部と前記第2歯部側ねじ部との螺合位置が調整され、前記円筒部材に対する前記第2歯部の軸方向位置が調整されることを特徴とする動力伝達装置である。
このような構成によれば、第2歯車は、軸受に支持される円筒部材と、円筒部材に挿通される軸部材と、第1歯車に噛合する第2歯部とを備える構成であるから、つまり、軸受の径方向外側にベアリングリテーナ等を備えない構成であるから、軸受の取り付けられるケースが径方向外側に大型化することはない。
また、軸部材他端側ねじ部及び円筒部材側ねじ部が螺合しているので、軸部材が円筒部材に対して相対回転すると、その回転方向に対応して、軸部材が円筒部材に対して回転しながら軸方向に移動する。
そして、軸部材一端側ねじ部と第2歯部側ねじ部とが螺合しているので、軸部材の回転方向に対応して、軸部材一端側ねじ部と第2歯部側ねじ部との螺合位置が調整され、第2歯部が軸部材に対して軸方向において移動し、円筒部材に対する第2歯部の軸方向位置が調整される。これにより、第2歯車の第2歯部と、第1歯車との噛み合い程度を容易に調整できる。
なお、軸部材一端側ねじ部の一端側巻き向きと、軸部材他端側ねじ部の他端側巻き向きとが同一向きであり、かつ、軸部材一端側ねじ部の一端側ピッチと軸部材他端側ねじ部の他端側ピッチとが同一である構成の場合、円筒部材に対して軸部材が回転しても、第2歯部が軸方向において移動しないので、これ以外の構成、つまり、以下の3つのうちのいずれかである必要がある。
(1)一端側巻き向きと他端側巻き向きとは同一向きであり、軸部材一端側ねじ部の一端側ピッチと軸部材他端側ねじ部の他端側ピッチとは異なる。
(2)一端側巻き向きと他端側巻き向きとは逆向きであり、軸部材一端側ねじ部の一端側ピッチと軸部材他端側ねじ部の他端側ピッチとは同一である。
(3)一端側巻き向きと他端側巻き向きとは逆向きであり、軸部材一端側ねじ部の一端側ピッチと軸部材他端側ねじ部の他端側ピッチとは異なる。
また、動力伝達装置において、前記軸部材一端側ねじ部(後記する実施形態では、雄ねじ部32(図8参照))の一端側巻き向きと、前記軸部材他端側ねじ部(後記する実施形態では、雄ねじ部37(図8参照))の他端側巻き向きとは、同一の向きであり、前記軸部材一端側ねじ部の一端側ピッチと、前記軸部材他端側ねじ部の他端側ピッチとは異なることが好ましい。
このような構成によれば、軸部材一端側ねじ部の一端側巻き向きと、軸部材他端側ねじ部の他端側巻き向きとは、同一の向きであるので、円筒部材に対して軸部材が回転した場合において、円筒部材に対する軸部材の移動向きと、軸部材に対する第2歯部の移動向きとは、逆向きとなる。
そして、軸部材一端側ねじ部の一端側ピッチ(後記する実施形態では、雄ねじ部32のピッチ(図8参照))と、軸部材他端側ねじ部の他端側ピッチ(後記する実施形態では、雄ねじ部37(図8参照)と異なるので、第2歯部の円筒部材に対する移動距離は、円筒部材に対する軸部材の移動距離と、軸部材に対する第2歯部の移動距離との差となる。
このようにして、第2歯部(後記する実施形態ではピニオンギヤ40(図8参照))の円筒部材(後記する実施形態ではスリーブ20B(図8参照))に対する移動距離は、第2歯部と軸部材との螺合位置のみを変更させて軸方向に移動させる構成に対して、小さくなる。したがって、第1歯車に対する第2歯部の噛み合い程度を容易に微調整できる。
また、動力伝達装置において、車両に搭載され、前記第1歯車は、終減速装置を構成するリングギヤであり、前記第2歯車は、終減速装置を構成するドライブピニオンであることが好ましい。
また、動力伝達装置において、車両に搭載され、前記第1歯車は、副変速装置を構成するリングギヤであり、前記第2歯車は、副変速装置を構成し推進軸に動力を出力する出力軸であることが好ましい。
また、動力伝達装置において、シャフトドライブ型の自動二輪車に搭載され、前記第1歯車は、終減速装置を構成するリングギヤであり、前記第2歯車は、終減速装置を構成するドライブピニオンであることが好ましい。
本発明によれば、大型化を伴わずにリングギヤ等の第1歯車と、ドライブピニオン等の第2歯車との噛み合い調整が容易である動力伝達装置を提供することができる。
第1実施形態に係る終減速装置の平断面図である。 第1実施形態に係る終減速装置の拡大平断面図である。 第1実施形態に係る終減速装置の組み付け方法を説明する平断面図である。 第1実施形態に係る終減速装置の組み付け方法を説明する平断面図である。 第1実施形態に係る終減速装置の組み付け方法を説明する平断面図である。 第1実施形態に係る終減速装置の組み付け方法を説明する平断面図である。 第2実施形態に係る終減速装置の平断面図である。 第2実施形態に係る終減速装置の拡大平断面図である。 第2実施形態に係る終減速装置の組み付け方法を説明する平断面図である。 第2実施形態に係る終減速装置の組み付け方法を説明する平断面図である。 第2実施形態に係る終減速装置の組み付け方法を説明する平断面図である。 第2実施形態に係る終減速装置の組み付け方法を説明する平断面図である。
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
≪終減速装置の構成≫
図1、図2に示すように、終減速装置1A(動力伝達装置)は、FFベースの四輪駆動車(車両)に搭載され、前後方向に延びるプロペラシャフト(図示しない)から動力を減速しつつ90°偏向させ、デフ装置200(差動装置)に伝達する装置である。
終減速装置1Aは、ドライブピニオン10A(第2歯車)と、第1テーパーローラベアリング60及び第2テーパーローラベアリング70(軸受)と、リングギヤ91(第1歯車)と、ケース100(キャリア)と、を備えている。
<ドライブピニオン>
ドライブピニオン10Aは、前後方向に延びる軸線O1を中心として回転し、プロペラシャフト(図示しない)からの動力をリングギヤ91に伝達するものである。ドライブピニオン10Aは、スリーブ20A(円筒部材)と、ロッド30A(軸部材)と、ピニオンギヤ40(第2歯部)と、を備えている。そして、なお、以下の説明において、前側が他端側に対応し、後側が一端側に対応している。
<ドライブピニオン−スリーブ、ハブ>
スリーブ20Aは、円筒状の部材であり、第1テーパーローラベアリング60及び第2テーパーローラベアリング70を介して、第1ケース片110の円筒部130に回転自在に支持されている。
スリーブ20Aの後端には径方向外側に延出するフランジ部21が形成されており、フランジ部21は第2テーパーローラベアリング70の第2内輪71の後面に当接している。
スリーブ20A内には、小径である前側の前側中空部22と、前側中空部22に連なる共に大径である後側中空部23と、を備えている。前側中空部22と後側中空部23との間には径方向に延びるリング状の段差面24が形成されている。段差面24は、ロッド30Aの拡径部31が当接し、ロッド30Aの軸方向移動を規制するストッパ面として機能している。
後側中空部23を囲むスリーブ20Aの内周面には、スプライン孔25が形成されている。スプライン孔25は、ピニオンギヤ40の後記するスプライン軸43とスプライン結合している。
スリーブ20Aの前側の外周面には、スプライン軸26が形成されている。スプライン軸26には、環状のハブ50がスプライン結合している。詳細には、ハブ50は、円筒部51と、円筒部51の前端から径方向外側に延びるフランジ部52と、を備えている。円筒部51の内周面にはスプライン孔51aが形成されており、スプライン軸26とスプライン結合している。なお、円筒部51の後端は、第1テーパーローラベアリング60の第1内輪61に当接している。
そして、ハブ50から前方に突出したスリーブ20Aの部分にナット53が螺合しており、ナット53は軸方向においてワッシャ54を介してハブ50の円筒部51に当接している。これにより、ハブ50がスリーブ20Aから抜けないようになっている。
また、軸方向において、ナット53とスリーブ20Aのフランジ部21とは、第1テーパーローラベアリング60の第1内輪61、軸方向においてばね力を有する円筒状のコラプサブルスペーサ55、第2テーパーローラベアリング70の第2内輪71を挟んでいる。さらに、軸方向において、第1テーパーローラベアリング60の第1外輪62と第2テーパーローラベアリング70の第2外輪72とは、第1ケース片110の突条部131を挟んでいる。
これにより、スリーブ20Aは、第1ケース片110に対して軸方向において位置決めされている。
ハブ50の円筒部51とスリーブ20Aとの間にはOリング56が設けられている。
ハブ50の円筒部51とケース100の円筒部130との間にはオイルシール57が設けられている。
ハブ50のフランジ部52には、ボルト孔52aが形成されている。フランジ部52は、プロペラシャフト側の十字軸ジョイントを構成するフランジヨーク(図示しない)と締結される部分であり、この締結用のボルトがボルト孔52aに螺合するようになっている。
<ドライブピニオン−ロッド>
ロッド30Aは、前後方向に延びる棒状の部材であり、スリーブ20A内に挿通されている。そして、ロッド30Aは、スリーブ20Aに対して相対回転自在である。
ロッド30Aの軸方向中間には径方向外側に拡径した拡径部31(段差部)が形成されている。そして、拡径部31が前記したように段差面24に当接することで、スリーブ20Aに対するロッド30Aの軸方向移動が規制されるようになっている。
ロッド30Aの後端(一端)には雄ねじ部32(軸部材側ねじ部、軸部材一端側ねじ部)が形成されている。雄ねじ部32は、ピニオンギヤ40の後記する雌ねじ穴44と螺合している。
ロッド30Aの前端には雄ねじ部33が形成されており、雄ねじ部33はスリーブ20Aから前方に突出している。雄ねじ部33には、ナット34が螺合しており、ナット34はワッシャ35を介してスリーブ20Aの前端面に当接している。
このようにナット34がスリーブ20Aに当接することによって、ロッド30Aがスリーブ20Aに対して周方向においてロック(位置決め)されるようになっている。すなわち、ロッド30Aがスリーブ20Aに対してロックされると、ロッド30Aがスリーブ20Aに対して相対回転不能となるから、ロッド30Aに螺合したピニオンギヤ40の軸方向位置、つまり、スリーブ20Aに対するピニオンギヤ40の軸方向位置が位置決めされるようになっている。
雄ねじ部33の前面には、スリット、六角穴等の工具穴(図示しない)が形成されている。工具穴は、ロッド30Aを回転させるための工具(マイナスドライバ、六角レンチ等)が差し込まれる穴である。その他、雄ねじ部33の前面に工具を係止するための係止突起が形成された構成でもよい。
雄ねじ部33とスリーブ20Aとの間には、Oリング36が設けられている。
<ドライブピニオン−ピニオンギヤ>
ピニオンギヤ40は、円錐台状の歯部41と、歯部41の背面(前面)から前方に延びる棒状の軸部42(ボス部)と、を備えている。歯部41は例えばハイポイドギヤで構成され、リングギヤ91に平面視で直角に噛合している。
軸部42の外周面には、スプライン軸43が形成されており、スプライン軸43は前記したスプライン孔25とスプライン結合している。これにより、ピニオンギヤ40は、スリーブ20Aに対して、周方向に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に構成されている。すなわち、ピニオンギヤ40は、スリーブ20Aに対して、軸方向において摺動可能である。
軸部42の軸線上には、前側が開口した雌ねじ穴44(第2歯部側ねじ部)が形成されている。雌ねじ穴44には、ロッド30Aの雄ねじ部32が螺合している。
そして、ロッド30Aがスリーブ20Aに対して回転すると、ピニオンギヤ40はロッド30Aの回転方向に対応してスリーブ20A内を前後方向に摺動(移動)するようになっている。すなわち、ロッド30Aがスリーブ20Aに対して回転すると、スリーブ20Aに対して相対回転するロッド30Aとスリーブ20Aに対して相対回転しないピニオンギヤ40との螺合位置が調整され、スリーブ20Aに対するピニオンギヤ40の軸方向位置が調整されるようになっている。これにより、ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛合程度が調整されるようになっている。
<第1テーパーローラベアリング>
第1テーパーローラベアリング60は、スリーブ20Aに外嵌した第1内輪61と、第1ケース片110に内嵌した第1外輪62と、第1内輪61及び第1外輪62の間を転動する第1ローラ63と、を備えている。
<第2テーパーローラベアリング>
第2テーパーローラベアリング70は、スリーブ20Aに外嵌した第2内輪71と、第1ケース片110に内嵌した第2外輪72と、第2内輪71及び第2外輪72の間を転動する第2ローラ73と、を備えている。
<リングギヤ>
リングギヤ91は、例えばハイポイドギヤで構成されている。リングギヤ91は、後記するデフケース210のフランジ部213に、複数のボルト92で締結されている。これにより、リングギヤ91とフランジ部213(デフケース210)とは一体で軸線O2を中心として回転するようになっている。ただし、リングギヤ91とデフケース210とが摩擦圧接等による接合構造でもよい。
<ケース>
ケース100は、終減速装置1Aの外殻を構成する殻状の容器であり、デフ装置200の回転中心である軸線O2を通る鉛直面を合わせ面として、前後に分割されている。すなわち、ケース100は、軸線O2の前側の第1ケース片110(ケース本体)と、軸線O2の後側の第2ケース片140(カバー)と、を備えている。第1ケース片110と第2ケース片140とは前後方向に延びる複数のボルト(図示しない)によって相互に締結されている。
<ケース−第1ケース片>
第1ケース片110は、後側が開口した半球殻状の半殻状部120と、半殻状部120の前側頂部から前方に延びる円筒部130とを備えている。
半殻状部120には、ケース100内へのオイルの注入口121が形成されている。注入口121にはフィラープラグ122が着脱自在に取り付けられている。
円筒部130の内周面には径方向内側に突出し、前後方向視(軸方向視)においてリング状を呈する突条部131が形成されている。突条部131は、前記したように、軸方向において、第1テーパーローラベアリング60の第1外輪62と第2テーパーローラベアリング70の第2外輪72とで挟まれている。
<ケース−第2ケース片>
第2ケース片140は、前側が開口した半球殻状を呈している。
<ケース−円筒部>
ケース100は、第1ケース片110の半殻状部120と第2ケース片140とが組み合わさってなる球殻状部の左側、右側には、円筒状の円筒部150が形成されている。円筒部150は、後記するサイドギヤ231と左輪又は右輪とを連結するドライブシャフト(図示しない)が挿通されると共に、ラジアルボールベアリング240を支持する部分である。
すなわち、円筒部150の内周面には、径方向内側に突出し、ラジアルボールベアリング240の径方向外側に圧接する径方向圧接部151と、径方向圧接部151の軸方向(車幅方向)外側に連続しラジアルボールベアリング240の軸方向外側に圧接する軸方向圧接部152とが形成されている。
また、円筒部150の内側には、円筒部150とドライブシャフトとの隙間をシールするオイルシール160が取り付けられている。
<差動装置>
デフ装置200は、車両がカーブ等を走行した場合、左輪と右輪とを差動回転させる装置である。デフ装置200は、デフケース210と、2つのピニオンギヤ221と、2つのサイドギヤ231と、を備えている。
デフケース210は、左右方向に延びる軸線O2を中心として回転するものであり、球殻状のデフケース本体211と、デフケース本体211の両端にそれぞれ形成された円筒状のボス部212、212と、デフケース本体211から径方向外側に延びるリング状のフランジ部213と、を備えている。
デフケース本体211にはピニオンシャフト222が固定されており、ピニオンシャフト222はデフケース本体211の一径方向(図1では前後方向)に延びている。各ピニオンギヤ221は、ピニオンシャフト222を回転中心として、ピニオンシャフト222に回転自在に取り付けられている。
各サイドギヤ231は、ピニオンシャフト222の左側又は右側のそれぞれにおいて、軸線O2を中心として回転自在に配置されると共に、2つのピニオンギヤ221、221と噛合している。各サイドギヤ231の背面(軸方向外面)とデフケース本体211との間には、スラストワッシャ232が介装されている。
そして、各サイドギヤ231の背面には、左側又は右側の後輪と連動して回転するドライブシャフト(図示しない)が差し込まれ、サイドギヤ231とドライブシャフトとはスプライン結合している。これにより、サイドギヤ231とドライブシャフトとは一体で回転するようになっている。
各ボス部212の中空部には、左側又は右側のドライブシャフト(図示しない)が挿通されている。各ボス部212の内周面には、螺旋状のオイル案内溝214が形成されている。オイル案内溝214は、ラジアルボールベアリング240の外側に介在するオイルを、デフケース210の中心(車幅方向中央)に案内する溝である。オイル案内溝214の螺旋の向きは、ドライブシャフトが車両の前進方向に対応した正方向で回転した場合において、オイルが中心に案内される向きに設定されるので、左右で逆向きとなる。
各ボス部212は、ラジアルボールベアリング240(軸受)を介して、ケース100に回転自在に取り付けられている。各ラジアルボールベアリング240とケース100との間には、リングギヤ91の車幅方向位置を調整するためのシム251が設けられている。
≪終減速装置の組み付け方法≫
終減速装置1Aの組み付け方法を説明する。
<スリーブの取り付け>
図3に示すように、スリーブ20Aを第1ケース片110の円筒部130に取り付ける。
具体的には、スリーブ20Aに第2テーパーローラベアリング70及びコラプサブルスペーサ55を取り付けたものを、円筒部130に後側から挿入する。そして、スリーブ20A、円筒部130の前側から、第1テーパーローラベアリング60、オイルシール57を取り付けた後、ハブ50をスリーブ20Aにスプライン結合する。
次いで、ナット53をスリーブ20Aに螺合する。これにより、スリーブ20Aと円筒部130との軸方向位置が固定される。
<ロッド、ピニオンギヤの組み付け>
次いで、図4に示すように、ロッド30Aとピニオンギヤ40とを組み付ける。
具体的には、ロッド30Aの雄ねじ部32をピニオンギヤ40の雌ねじ穴44に所定位置まで螺合し、ロッド30Aとピニオンギヤ40とを一体化させる。
次いで、ロッド30Aとピニオンギヤ40とが一体化したものを、スリーブ20A内に後側から挿入する。このとき、ピニオンギヤ40のスプライン軸43と、スリーブ20Aのスプライン孔25とがスプライン結合する。そして、ロッド30Aの拡径部31が段差面24に当接すると、ロッド30A等の挿入を終了する。
<デフ装置の組み付け>
次いで、図5に示すように、デフ装置200を組み付ける。
具体的には、デフケース210にピニオンギヤ221、サイドギヤ231及びリングギヤ91を取り付ける。そして、デフケース210の各ボス部212にラジアルボールベアリング240を圧入し、ラジアルボールベアリング240の車幅方向外側にシム251を重ねる。
次いで、左右のシム251、251を車幅方向内側に押さえながら、デフ装置200、ラジアルボールベアリング240及びシム251前半分を、第1ケース片110の半殻状部120内に押し込む(図5参照)。すなわち、ラジアルボールベアリング240及びシム251の前半分を、径方向圧接部151及び軸方向圧接部152内に圧入する。
<ギヤの噛み合い調整>
次いで、図6に示すように、ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態(歯当り状態)を調整する。
具体的には、ピニオンギヤ40とリングギヤ91の噛み合い面(歯面)に光明丹を塗布し、デフ装置200、ラジアルボールベアリング240及びシム251の露出している後半分を、適宜な治具で車幅方向内側に押さえながら、ピニオンギヤ40とリングギヤ91を回転させる。そして、目視にて、ピニオンギヤ40とリングギヤ91の噛み合い状態を確認する。
ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態を調整する場合、マイナスドライバ、六角レンチ等の工具301を、ロッド30Aの雄ねじ部33の前面に形成された工具穴(図示しない)に差し込み、スリーブ20Aを非回転状態で保持したまま、ロッド30Aを回転させる(図6の矢印A1参照)。
そうすると、ロッド30Aの雄ねじ部32と、ピニオンギヤ40の雌ねじ穴44との噛合位置が変化し、スリーブ20Aにスプライン結合するピニオンギヤ40が前後方向に案内されながら、ロッド30Aの回転方向に対応して前後方向に移動する(図6の矢印A2参照)。このようにして、デフ装置200等の前半分を第1ケース片110に取り付けたまま、ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態が調整される。
ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態を調整後、ワッシャ35、ナット34を雄ねじ部33に取り付ける。すなわち、ナット34を雄ねじ部33に螺合し、ナット34がワッシャ35を介してスリーブ20Aの前端面に当接すると、ロッド30Aがスリーブ20Aに対して周方向においてロックされる。そうすると、スリーブ20Aに対するピニオンギヤ40の軸方向位置が位置決めされる。
次いで、図1に示すように、デフ装置200等の後半分に第2ケース片140を取り付け、第2ケース片140と第1ケース片110とをボルトで締結する。そして、ケース100にフィラープラグ122、オイルシール160を取り付ける。
そうすると、終減速装置1Aを得る。
このようにして、デフ装置200等の前半分を第1ケース片110に組み付けた状態のまま、ロッド30Aを回転することにより、ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態を調整できる。
すなわち、ピニオンギヤ40の背面に、つまり、ピニオンギヤ40と第2テーパーローラベアリング70との間に、ピニオンギヤ40の軸方向位置調整用のシムを備えず、ロッド30Aの回転によってピニオンギヤ40の軸方向位置が調整される構成であるから、軸方向位置調整用のシムの交換や、第1ケース片110に対してのデフ装置200、ドライブピニオン10Aの取り外しも不要である。したがって、終減速装置1Aを少ない工程で容易に組み付けることができる。
また、第1テーパーローラベアリング60、第2テーパーローラベアリング70の径方向外側に、特許文献1のベアリングリテーナを備えない構成であるから、第1ケース片110(ケース100)の円筒部130が径方向外側に大型化することはない。
≪変形例≫
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更してもよい。
前記した実施形態では、ロッド30Aに雄ねじ部32が形成され、ピニオンギヤ40に雌ねじ穴44が形成された構成を例示したが、その他に例えば、ロッド30Aに雌ねじ穴が形成され、ピニオンギヤ40に雄ねじ部が形成された構成でもよい。
前記した実施形態では、第2ケース片140を組み付け前、デフ装置200等の後半分が露出した状態で、ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態を調整したが、その他に例えば、第2ケース片140を組み付けた後、ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態を調整してもよい。この場合、ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態を視認可能なように、第1ケース片110又は第2ケース片140に視認用の窓を形成し、噛み合い状態の調整、確認後、この窓を適宜なカバーで塞ぐ構成とする。
前記した実施形態では、第1歯車が終減速装置1Aを構成するリングギヤ91であり、第2歯車が終減速装置1Aを構成するドライブピニオン10Aである構成を例示したが、その他に例えば、第1歯車が副変速装置(トランスファ装置)を構成するリングギヤであり、第2歯車が副変速装置を構成し推進軸に動力を出力する出力軸である構成でもよい。
なお、副変速装置は、例えば特許第5193390号公報に記載されるように、FFベースの四輪駆動車に搭載され、車幅方向に延びると共に原動機からの動力で回転するリングギヤシャフトと、リングギヤに固定されたリングギヤ(第1歯車)と、リングギヤと平面視90°で噛合するピニオンギヤ(第2歯部)を前端に有し前後方向に延びる出力軸(第2歯車)と、を備えて構成される。出力軸の後端は、十字軸ジョイント等を介して推進軸の前端に連結されている。
また、シャフトドライブ型の自動二輪車に搭載され、第1歯車が終減速装置を構成するリングギヤであり、第2歯車が終減速装置を構成するドライブピニオンである構成でもよい。
なお、シャフトドライブ型の自動二輪車は、略前後方向に延び原動機からの動力で回転する推進軸と、推進軸の後端に連結され略前後方向に延びるドライブピニオン(第2歯車)と、ドライブピニオンに略90°で噛合し、左右方向に延びる軸線回りに回転するリングギヤ(第1歯車)と、リングギヤに内嵌すると共に後輪が取り付けられるリングギヤシャフトと、を備えて構成される。
≪第2実施形態≫
本発明の第2実施形態について、図7〜図12を参照して説明する。なお、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
≪終減速装置の構成≫
図7、図8に示すように、終減速装置1Bは、ドライブピニオン10Aに代えて、ドライブピニオン10Bを備えている。
<ドライブピニオン>
ドライブピニオン10Bは、スリーブ20B(円筒部材)と、ロッド30B(軸部材)と、ピニオンギヤ40(第2歯部)と、ハブ50とを備えている。
<ドライブピニオン−スリーブ>
スリーブ20Bの前側の内周面には、雌ねじ27(円筒部材側ねじ部)が形成されている。雌ねじ27は、ロッド30Bの後記する雄ねじ部37(軸部材他端側ねじ部)と螺合している。
<ドライブピニオン−ロッド>
ロッド30Bは、その前端側に雄ねじ部37を備えている。雄ねじ部37は前記したようにスリーブ20Bの雌ねじ27に螺合している。
<雄ねじ部37、32の向き>
雄ねじ部37(雌ねじ27、軸部材他端側ねじ部)の向きは、ロッド30Bの前端をねじ頭とした場合、右向き(右回り)である。したがって、ロッド30Bが後方視において右向きで回転すると、ロッド30Bは、スリーブ20Bに対して右回転しながら後方に移動するようになっている。一方、ロッド30Bが後方視において左回転すると、ロッド30Bはスリーブ20Bに対して前方に移動するようになっている。
雄ねじ部32(雌ねじ穴44、軸部材一端側ねじ部)の向きは、ロッド30Bの前端をねじ頭とした場合、右向き(右回り)であり、雄ねじ部37(雌ねじ27)の向きと同一である。したがって、ロッド30Bが後方視において右向きで回転すると、ピニオンギヤ40は、スプライン結合によって軸方向にガイドされながら、ロッド30Bに対して前方に移動するようになっている。一方、ロッド30Bが後方視において左回転すると、ピニオンギヤ40は、スプライン結合によって軸方向にガイドされながら、ロッド30Bに対して後方に移動するようになっている。
<雄ねじ部37、32のピッチ>
前側の雄ねじ部37(雌ねじ27)の前側ピッチ(他端側ピッチ、操作側ピッチ)と、後側の雄ねじ部32(雌ねじ穴44)の後側ピッチ(一端側ピッチ、被操作(ギヤ)側ピッチ)とは、異なっており、ここでは、後側ピッチは前側のピッチよりも大きく設定されている(後側ピッチ>前側ピッチ)。例えば、「後側ピッチ:前側ピッチ=1.5:1.25」に設定されている。
このように、「後側ピッチ>前側ピッチ」であり、「後側ピッチ:前側ピッチ=1.5:1.25」である場合、例えば、後方視においてロッド30Bが右向きで1回転すると、ロッド30Bがスリーブ20Bに対して「後方に1.25」進み、ピニオンギヤ40がロッド12に対して「前方に1.5」進むようになっている。したがって、ピニオンギヤ40はスリーブ20Bに対して「前方に0.25」進むようになっている。
一方、後方視においてロッド30Bが左向きで1回転すると、ロッド30Bがスリーブ20Bに対して「前方に1.25」進み、ピニオンギヤ40がロッド12に対して「後方に1.5」進むようになっている。したがって、ピニオンギヤ40はスリーブ20Bに対して「後方に0.25」進むようになっている。
このようにして、工具301で実際に回転させ移動させるロッド30Bの軸方向の移動距離に対して、ピニオンギヤ40の軸方向の移動距離が小さいので、ピニオンギヤ40の前後方向位置を微調整し易くなっている。
なお、スリーブ20Bから前方に突出した雄ねじ部37にナット34が螺合し、ナット34がスリーブ20Bに当接することで、スリーブ20Bに対してロッド30Bが軸方向及び周方向においてロックされている。
また、雄ねじ部37の前面には工具穴38が形成されている。
≪終減速装置の組み付け方法≫
終減速装置1Bの組み付け方法を説明する。
<スリーブの取り付け>
図9に示すように、スリーブ20Bを第1ケース片110の円筒部130に取り付ける。
<ロッド、ピニオンギヤの組み付け>
次いで、図10に示すように、ロッド30Bとピニオンギヤ40とを組み付ける。
具体的には、ロッド30Bの雄ねじ部32をピニオンギヤ40の雌ねじ穴44に必要な位置まで螺合し、ロッド30Aとピニオンギヤ40とを一体化させる。
次いで、ロッド30Bとピニオンギヤ40とが一体化したものを、スリーブ20B内に後側から挿入する。このとき、ピニオンギヤ40のスプライン軸43と、スリーブ20Bのスプライン孔25とがスプライン結合する。
次いで、雄ねじ部37の前端がスリーブ20Bの雌ねじ27の後端に当接すると、スリーブ20Bの前側から工具301を挿通し、工具301の先端(後端)を工具穴38に差し込む。そして、スリーブ20Bを保持しながら、工具301を回転させ、雄ねじ部37を雌ねじ27に螺合させる。
そうすると、非回転状態であるスリーブ20B内でロッド30Bを回転させながら前進させ、雄ねじ部37の前端をスリーブ20Bから前方に突出させる。これと同時に、ピニオンギヤ40はスリーブ20Bに対して回転不能であるから、雄ねじ部32が雌ねじ穴4から不完全に抜け、前後方向における雄ねじ部32と雌ねじ穴44との螺合長さが短くなる。
<デフ装置の組み付け>
次いで、図11に示すように、デフ装置200を組み付ける。
<ギヤの噛み合い調整>
次いで、図12に示すように、ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態(歯当り状態)を調整する。
ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態を調整する場合、マイナスドライバ、六角レンチ等の工具301を、ロッド30Bの工具穴38に差し込み、スリーブ20Bを非回転状態で保持したまま、ロッド30Bを回転させる(図12の矢印A3参照)。
そうすると、ロッド30Bの雄ねじ部32と、ピニオンギヤ40の雌ねじ穴44との噛合位置が変化し、スリーブ20Bにスプライン結合するピニオンギヤ40が前後方向に案内されながら、ロッド30Bの回転方向に対応して前後方向に移動する(図12の矢印A4参照)。このようにして、デフ装置200等の前半分を第1ケース片110に取り付けたまま、ピニオンギヤ40とリングギヤ91との噛み合い状態が調整される。
次いで、第2ケース片140、フィラープラグ122、オイルシール160を取り付ける。そうすると、終減速装置1Bを得る。
≪変形例≫
前記した実施形態では、雄ねじ部37(雌ねじ27)の向きと、雄ねじ部32(雌ねじ穴44)の向きとは同一向き(右向き)あり、「後側ピッチ>前側ピッチ」である構成としたが、次のようにしてもよい。
「雄ねじ部37の向き、雄ねじ部32の向き:同一向き、後側ピッチ<前側ピッチ」
雄ねじ部37(雌ねじ27)の向きと、雄ねじ部32(雌ねじ穴44)の向きとは同一向き(右向き)であり、「後側ピッチ<前側ピッチ」である構成としてもよい。
このような構成とすれば、例えば、「後側ピッチ:前側ピッチ=1.25:1.5」である場合、例えば、後方視においてロッド30Bが右向きで1回転すると、ロッド30Bがスリーブ20Bに対して「後方に1.5」進み、ピニオンギヤ40がロッド12に対して「前方に1.25」進むようになっている。したがって、ピニオンギヤ40はスリーブ20Bに対して「後方に0.25」進むようになっている。
一方、後方視においてロッド30Bが左向きで1回転すると、ロッド30Bがスリーブ20Bに対して「前方に1.5」進み、ピニオンギヤ40がロッド12に対して「後方に1.25」進むようになっている。したがって、ピニオンギヤ40はスリーブ20Bに対して「前方に0.25」進むようになっている。
「雄ねじ部37の向き、雄ねじ部32の向き:逆向き、後側ピッチ>前側ピッチ」
雄ねじ部37(雌ねじ27)の向きと、雄ねじ部32(雌ねじ穴44)の向きとは逆向きであり、「後側ピッチ>前側ピッチ」である構成としてもよい。
このような構成とすれば、例えば、「雄ねじ部37:右向き、雄ねじ部32:左向き、後側ピッチ:前側ピッチ=1.5:1.25」である場合、後方視においてロッド30Bが右向きで1回転すると、ロッド30Bがスリーブ20Bに対して「後方に1.25」進み、ピニオンギヤ40がロッド12に対して「後方に1.5」進むようになっている。したがって、ピニオンギヤ40はスリーブ20Bに対して「後方に2.75(=1.5+1.25)」進むようになっている。
すなわち、雄ねじ部37の向きと雄ねじ部32の向きとが逆向きである場合、ピニオンギヤ40の移動距離は、後側ピッチと前側ピッチとの和となる。
なお、雄ねじ部37(雌ねじ27)の向きと雄ねじ部32(雌ねじ穴44)の向きとが逆向きである場合、「後側ピッチ<前側ピッチ」、「後側ピッチ=前側ピッチ」のように変更してもよい。
1A、1B 終減速装置(動力伝達装置)
10A、10B ドライブピニオン(第2歯車)
20A、20B スリーブ(円筒部材)
25 スプライン孔
26 スプライン軸
27 雌ねじ(円筒部材側ねじ部)
30A、30B ロッド(軸部材)
32 雄ねじ部(軸部材側ねじ部、軸部材一端側ねじ部)
33 雄ねじ部
37 雄ねじ部(軸部材他端側ねじ部)
40 ピニオンギヤ(第2歯部)
43 スプライン軸
44 雌ねじ穴(第2歯部側ねじ部)
60 第1テーパーローラベアリング(軸受)
70 第2テーパーローラベアリング(軸受)
91 リングギヤ(第1歯車)
100 ケース
200 デフ装置

Claims (6)

  1. 第1歯車と噛合する第2歯車を備える動力伝達装置であって、
    前記第2歯車は、
    軸受に支持される円筒部材と、
    前記円筒部材に挿通されると共に、前記円筒部材に対して周方向に相対回転可能且つ軸方向に相対移動不能である軸部材と、
    前記第1歯車に噛合すると共に、前記円筒部材に対して周方向に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能である前記第2歯部と、
    を備え、
    前記軸部材の一端に形成された軸部材一端側ねじ部と、前記第2歯部に形成された第2歯部側ねじ部とが螺合し、
    前記軸部材が前記円筒部材に対して相対回転すると、前記軸部材一端側ねじ部と前記第2歯部側ねじ部との螺合位置が調整され、前記円筒部材に対する前記第2歯部の軸方向位置が調整される
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 第1歯車と噛合する第2歯車を備える動力伝達装置であって、
    前記第2歯車は、
    軸受に支持される円筒部材と、
    前記円筒部材に挿通されると共に、前記円筒部材に対して周方向に相対回転可能且つ軸方向に相対移動可能である軸部材と、
    前記第1歯車に噛合すると共に、前記円筒部材に対して周方向に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能である前記第2歯部と、
    を備え、
    前記軸部材の一端に形成された軸部材一端側ねじ部と、前記第2歯部に形成された第2歯部側ねじ部とが螺合し、
    前記軸部材の他端に形成された軸部材他端側ねじ部と、前記円筒部材に形成された円筒部材側ねじ部とが螺合し、
    前記軸部材が前記円筒部材に対して相対回転すると、前記軸部材一端側ねじ部と前記第2歯部側ねじ部との螺合位置が調整され、前記円筒部材に対する前記第2歯部の軸方向位置が調整される
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 前記軸部材一端側ねじ部の一端側巻き向きと、前記軸部材他端側ねじ部の他端側巻き向きとは、同一の向きであり、
    前記軸部材一端側ねじ部の一端側ピッチと、前記軸部材他端側ねじ部の他端側ピッチとは異なる
    ことを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 車両に搭載され、
    前記第1歯車は、終減速装置を構成するリングギヤであり、
    前記第2歯車は、終減速装置を構成するドライブピニオンである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
  5. 車両に搭載され、
    前記第1歯車は、副変速装置を構成するリングギヤであり、
    前記第2歯車は、副変速装置を構成し推進軸に動力を出力する出力軸である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
  6. シャフトドライブ型の自動二輪車に搭載され、
    前記第1歯車は、終減速装置を構成するリングギヤであり、
    前記第2歯車は、終減速装置を構成するドライブピニオンである。
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106969134A (zh) * 2017-04-17 2017-07-21 中国第汽车股份有限公司 中桥输入端轴承定位预紧调整及密封结构

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