JP2015168087A - 液体吐出装置、および加熱部制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、および加熱部制御方法 Download PDF

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秀一朗 中野
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Abstract

【課題】加熱部の制御を適切に行う液体吐出装置、および、加熱部制御方法を提供する。
【解決手段】液体吐出装置は、液体を吐出可能なヘッドと、液体が吐出される媒体を加熱可能な加熱部40と、検出範囲のエネルギーを検出する検出部72と、検出部72が検出したエネルギーに基づいて加熱部40の出力を変更可能な制御部と、検出範囲Bに位置する第1の位置36aと、第1の位置36aとは異なる第2の位置36bとに変位可能な被センシング部36と、を備え、検出部は、被センシング部36が第1の位置36aに位置するときに被センシング部36のエネルギーを検出する。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体吐出装置、および加熱部制御方法に関する。
液体を媒体に対して吐出するヘッドと、媒体を支持する媒体支持部と、媒体支持部に支持された媒体を加熱して液体を硬化させるヒーターと、を有する液体吐出装置は、既によく知られている。かかる液体吐出装置としては、例えば、インクジェットプリンターを挙げることができる。
このような液体吐出装置には、ヒーターの加熱範囲内において媒体の表面をセンシングすることにより赤外線のエネルギーを検知する赤外線センサーが備えられている場合がある。そして、かかる場合には、コントローラーが、赤外線センサーにより検知されたエネルギーに基づいて、ヒーターの照射エネルギーを制御する(例えば、特許文献1を参照)。
特開2009−251408号公報
特許文献1に記載の液体吐出装置において、上述した赤外線センサーは、構成上、センシング先に媒体が無い場合には媒体支持部に設けられた被センシング部をセンシングすることになる。そして、かかる場合には、媒体の表面がセンシングされるときとはセンシング先の状況が異なるため、センシング先に媒体があるときと同じ(媒体の表面をセンシングするときのような)照射エネルギー制御ができないという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例にかかる液体吐出装置は、液体を吐出可能なヘッドと、前記液体が吐出される媒体を加熱可能な加熱部と、検出範囲のエネルギーを検出する検出部と、前記検出部が検出したエネルギーに基づいて前記加熱部の出力を変更可能な制御部と、前記検出範囲に位置する第1の位置と、前記第1の位置とは異なる第2の位置とに変位可能な被センシング部と、を備え、前記検出部は、前記被センシング部が前記第1の位置に位置するときに前記被センシング部のエネルギーを検出することを特徴とする。
本適用例によれば、媒体が検出部の検出範囲に含まれないときでも、検出部は被センシング部のエネルギーを検出し、加熱部の出力を変更可能とすることができる。したがって、加熱部の出力を適切に制御することができる。
[適用例2] 上記適用例にかかる液体吐出装置において、前記媒体を支持する媒体支持部を備え、前記被センシング部は、前記第1の位置に位置するときに、前記媒体支持部と前記加熱部との間に位置していることを特徴とする。
本適用例によれば、被センシング部が媒体支持部よりも加熱部に近い位置に位置するので、被センシング部を加熱するエネルギーが抑えることができる。
[適用例3] 上記適用例にかかる液体吐出装置において、前記被センシング部は、回動することによって前記第1の位置と前記第2の位置とに変位可能であることを特徴とする。
本適用例によれば、被センシング部を、第1の位置と第2の位置とにスムーズに変位させることができる。
[適用例4] 上記適用例にかかる液体吐出装置において、前記制御部は、前記媒体が前記検出範囲に含まれないとき、前記被センシング部を前記第1の位置に位置させることを特徴とする。
本適用例によれば、検出部の検出範囲に媒体が含まれないときに、検出部が被センシング部のエネルギーを検出し、加熱部の出力を変更可能とすることができる。したがって、加熱部の出力を適切に制御することができる。
[適用例5] 上記適用例にかかる液体吐出装置において、前記制御部は、前記媒体が前記検出範囲に含まれるとき、前記被センシング部を前記第2の位置に位置させることを特徴とする。
本適用例によれば、検出部の検出範囲に媒体が含まれるとき、被センシング部を第2の位置に位置させ、検出部は、媒体のエネルギーを検出し、加熱部の出力を変更可能とすることができる。したがって、加熱部の出力を適切に制御することができる。
[適用例6] 上記適用例にかかる液体吐出装置において、前記被センシング部は、少なくとも一部が輻射率0.7以上1未満の部材で構成されることを特徴とする。
本適用例によれば、被センシング部の輻射率と、一般的に用いられる媒体の輻射率との差が少なくなり、加熱部の出力を適切に制御することができる。
[適用例7] 本適用例にかかる加熱部制御方法は、液体を吐出し、前記液体が吐出される媒体を加熱部によって加熱し、検出範囲のエネルギーを検出し、検出したエネルギーに基づいて前記加熱部の出力を変更可能とする加熱部制御方法であって、前記検出範囲に位置する第1の位置と、前記第1の位置とは異なる第2の位置とに変位可能な被センシング部を、前記第1の位置に変位させたときに前記被センシング部のエネルギーを検出することを特徴とする。
本適用例によれば、媒体が検出範囲に含まれないときでも、被センシング部のエネルギーを検出し、加熱部の出力を変更可能とすることができる。したがって、加熱部の出力を適切に制御することができる。
液体吐出装置としてのプリンター(インクジェットプリンター)の概略構成を示す模式図。 プリンターの全体構成ブロック図。 非巻き取りモードを説明するための説明図。 可動式の被センシング部を含む被センシングユニットを示すものであり、(a)は、被センシング部が第1の位置に配置された状態を示す説明図、(b)は、被センシング部が第2の位置に配置された状態を示す説明図。 種々のロール状媒体の輻射率を示した模式図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
〔プリンター1の概略構成例について〕
図1は、液体吐出装置の一例としてのインクジェットプリンター(以下、単に、プリンター1と呼ぶ)の構成例を示した模式図である。図2は、プリンター1の全体構成ブロック図である。
本実施形態に係るプリンター1は、図1及び図2に示すように、給送ユニット10と、搬送ユニット20と、巻き取りユニット25と、吐出ヘッド30と、ロール状媒体支持体32と、加熱部としてのヒーター40と、カッター50と、制御部としてのコントローラー60と、検出器群70と、を有している。
給送ユニット10は、媒体の一例としてのロール状媒体2を搬送ユニット20に給送するものである。この給送ユニット10は、図1に示すように、ロール状媒体2が巻かれ回転可能に支持されるロール状媒体巻軸18と、ロール状媒体巻軸18から繰り出されたロール状媒体2を巻き掛けて搬送ユニット20に導くための中継ローラー19と、を有している。
搬送ユニット20は、給送ユニット10により送られたロール状媒体2を、予め設定された搬送経路に沿って搬送方向に搬送するものである。この搬送ユニット20は、図1に示すように、第一搬送ローラー23と、当該第一搬送ローラー23から見て搬送方向下流側に位置する第二搬送ローラー24と、を有している。第一搬送ローラー23は、不図示のモーターにより駆動される第一駆動ローラー23aと、当該第一駆動ローラー23aに対してロール状媒体2を挟んで対向するように配置された第一従動ローラー23bとを有している。同様に、第二搬送ローラー24は、不図示のモーターにより駆動される第二駆動ローラー24aと、当該第二駆動ローラー24aに対してロール状媒体2を挟んで対向するように配置された第二従動ローラー24bとを有している。
巻き取りユニット25は、搬送ユニット20により送られたロール状媒体2(画像記録済みのロール状媒体2)を巻き取るためのものである。この巻き取りユニット25は、図1に示すように、第二搬送ローラー24から送られたロール状媒体2を、搬送方向上流側から巻き掛けて搬送方向下流側へ搬送するための中継ローラー26と、回転可能に支持され中継ローラー26から送られたロール状媒体2を巻き取るロール状媒体巻き取り駆動軸27と、を有している。
吐出ヘッド30は、搬送経路上の画像記録領域に位置するロール状媒体2の部位に画像を記録する(印刷する)ためのものである。すなわち、吐出ヘッド30は、図1に示すように、搬送ユニット20により後述するプラテン33上に送り込まれたロール状媒体2に対し、液体の一例としてのインクをノズルから吐出して画像を形成する。なお、吐出ヘッド30は、単にヘッドとも呼称する。
なお、ノズルには、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となってノズルから吐出される。まとめると、液体吐出装置は、液体を吐出可能なヘッドを備えている。
ロール状媒体支持体32は、ロール状媒体2を下方から支持するためのものである。このロール状媒体支持体32は金属製(より具体的には、アルミニウム製)である。本実施の形態においては、このロール状媒体支持体32として、図1に示すように、吐出ヘッド30と対向するプラテン33と、プラテン33の搬送方向上流側に位置する上流側支持部材34と、プラテン33の搬送方向下流側に位置する下流側支持部材35(媒体支持部に相当)と、が設けられている。
ヒーター40は、ロール状媒体2(換言すれば、ロール状媒体2上のインク)を加熱してインクを硬化させるためのものである。このヒーター40は、赤外線を照射する赤外線ヒーターであり、図1に示すように、前記下流側支持部材35と対向する位置に設けられている。このとき、ヒーター40は加熱範囲Aに含まれる物体を加熱する。すなわち、ヒーター40は、下流側支持部材35に支持されたロール状媒体2を加熱可能である。なお、ヒーター40、吐出ヘッド30によりロール状媒体2に吐出されたインクを乾燥させるヒーターであれば、その種類、形状及び設置場所等に特に限定はない。換言すれば、吐出ヘッド30によりインクが吐出されるロール状媒体2を加熱するヒーターであればよい。まとめると、液体吐出装置は、液体が吐出される媒体を加熱可能な加熱部を備えている。
カッター50は、ロール状媒体2をカットするためのものである。このカッター50は、後述する非巻き取りモードが実行される際に、ロール状媒体2をカットして、画像記録済みのロール状媒体2を画像未記録のロール状媒体2から切り離す。このカッター50は、図1に示すように、搬送方向において、吐出ヘッド30とヒーター40との間に設けられている。
また、図2に示すように、プリンター1は、上記のユニット等を制御しプリンター1としての動作を司る制御部としてのコントローラー60と、検出器群70と、を備えている。外部装置であるコンピューター100から印刷指令(印刷データ)を受信したプリンター1は、コントローラー60により、各ユニット(給送ユニット10、搬送ユニット20、巻き取りユニット25、吐出ヘッド30、ヒーター40、カッター50)を制御する。コントローラー60は、コンピューター100から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、ロール状媒体2に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群70によって監視されており、検出器群70は、検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は、検出器群70から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
なお、本実施の形態に係るプリンター1においては、図1及び図2に示すように、検出器群70の一つとして、検出部としての赤外線センサー72が設けられている。この赤外線センサー72は、ヒーター40の加熱範囲A(換言すれば、照射範囲。図1参照)内においてロール状媒体2の表面をセンシングすることにより赤外線のエネルギーを検知する。
そして、赤外線センサー72により検知された当該エネルギーに基づいて、ヒーター40の照射エネルギーがコントローラー60により制御されるようになっている。つまり、液体吐出装置は、検出範囲Bのエネルギーを検出する検出部を備えている。
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター100とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、揮発性のメモリーであるRAM、不揮発性のメモリーであるEEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。また、上述したように、コントローラー60は、赤外線センサー72の検出したエネルギーに応じてヒーター40の出力を変動させる制御を行っている。したがって、液体吐出装置は、検出部が検出したエネルギーに基づいて加熱部の出力を変更可能な制御部を備えていると言える。
〔プリンター1の実行モードについて〕
次に、本実施の形態に係るプリンター1の実行モードである巻き取りモード及び非巻き取りモードについて、図1及び図3を用いて説明する。図3は、非巻き取りモードを説明するための説明図である。なお、図1には、巻き取りモードが実行されている様子が表されているため、巻き取りモードについては、図1を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係るプリンター1は、実行モードとして、巻き取りユニット25が使用されず、画像記録済みのロール状媒体2がロール状媒体巻き取り駆動軸27により巻き取られない非巻き取りモードと、巻き取りユニット25が使用され、画像記録済みのロール状媒体2がロール状媒体巻き取り駆動軸27により巻き取られる巻き取りモードと、を備えている。すなわち、コントローラー60は、搬送ユニット20により搬送されたロール状媒体2を巻き取りユニット25に巻き取らせる巻き取りモードと、搬送ユニット20により搬送されたロール状媒体2を巻き取りユニット25に巻き取らせない非巻き取りモードと、を実行するようになっている。
巻き取りモードが実行される際には、図1に示すように、ロール状媒体2は、給送ユニット10と巻き取りユニット25(ロール状媒体巻軸18とロール状媒体巻き取り駆動軸27)の双方に巻かれた状態を維持しつつ、搬送ユニット20により搬送される。
そして、ロール状媒体巻軸18から繰り出されたロール状媒体2の部位は、やがて、吐出ヘッド30に対向する位置に至り、当該位置で該部位に画像が形成される。ロール状媒体2がさらに搬送されると、画像が形成された当該部位は、やがて、ヒーター40に対向する位置に至り、当該位置で該部位に赤外線が照射される。そして、ロール状媒体2のさらなる搬送により、当該部位は、巻き取りユニット25に至り、ロール状媒体巻き取り駆動軸27により巻き取られることとなる。
一方、非巻き取りモードが実行される際には、図3に示すように、ロール状媒体2は、給送ユニット10のみに巻かれた状態を維持しつつ、搬送ユニット20により搬送される。
そして、ロール状媒体巻軸18から繰り出されたロール状媒体2の部位が吐出ヘッド30に対向する位置に至り、当該位置で該部位に画像(ロール状媒体2における画像形成範囲の一例を、図3において記号Wで示す)が形成される(図3の上図に、画像形成が完了した状態を示す)。
当該画像形成範囲Wは、ロール状媒体2のさらなる搬送により、ヒーター40に対向する位置に至り、当該位置で該画像形成範囲Wに赤外線が照射される(図3の中央図に、画像形成範囲Wに対する赤外線照射が完了した状態を示す)。
次に、ロール状媒体2は搬送ユニット20により逆方向に搬送される(バックフィードされる)。すると、当該画像形成範囲Wは、カッター50の手前まで戻され、ロール状媒体2がカッター50によりカットされる(図3の下図参照)。そして、このことにより、画像記録済みのロール状媒体2が、画像未記録のロール状媒体2から切り離されて、下流側支持部材35上を滑りながら、白長矢印方向へ移動する(排紙される)こととなる。
〔非巻き取りモードにおける問題点と当該問題点を解決するために設置される被センシング部について〕
上述したとおり、本実施の形態においては、プリンター1にカッター50が設けられ、通常の巻き取りモードだけでなく、非巻き取りモードも実行することができるようになっている。
ここで、非巻き取りモードが実行される際には、図3に示したとおり、下流側支持部材35上にロール状媒体2が位置する場合(例えば、中央図の状態)と位置しない場合(例えば、上図の状態)が生ずる。そして、このことにより、以下に説明する問題点が起こり得る。
そして、本実施の形態においては、当該問題点を解決(換言すれば、抑制)するための対策(工夫)として、検出部としての赤外線センサー72の検出範囲Bを含む位置に、後述する被センシング部36が設置されている。
以下では、先ず、当該問題点について説明する。そして、当該問題点の説明に引き続いて、赤外線センサー72の検出範囲Bにおいて施された工夫について、図4を用いて説明する。図4は、可動式の被センシング部36を含む被センシングユニット136を示すものであり、(a)は、被センシング部36が第1の位置36aに配置された状態を示す説明図、(b)は、被センシング部36が第2の位置36bに配置された状態を示す説明図である。なお、図4(a),(b)では、被センシングユニット136をわかりやすく説明する便宜上、加熱部としてのヒーター40を断面にて示している。
<<<問題点について>>>
上述したとおり、非巻き取りモードが実行される際には、下流側支持部材35上にロール状媒体2が位置したり、位置しなかったりする。
下流側支持部材35上にロール状媒体2が位置する場合には、赤外線センサー72は、ヒーター40の照射部41(本実施形態では赤外線照射部)による加熱範囲A内においてロール状媒体2の表面をセンシングする。そして、コントローラー60は、赤外線センサー72により検知された赤外線のエネルギーに基づいて、ヒーター40の照射エネルギーを制御するヒーター40(加熱部)の出力制御を行う。そして、このことにより、ロール状媒体2を所定温度(本実施の形態においては、約100度)にしようとする。
しかしながら、下流側支持部材35上にロール状媒体2が位置しない状態となると、センシング先にロール状媒体2が無くなり、この場合には、赤外線センサー72は、下流側支持部材35をセンシングすることとなる。すなわち、下流側支持部材35に設けられた被センシング部36が赤外線センサー72によりセンシングされ、センシング結果に基づいて前記照射エネルギーの制御が行われる。換言すれば、検出部としての赤外線センサー72は、下流側支持部材35をセンシングする場合と、下流側支持部材35に支持された媒体(ロール状媒体2)をセンシングする場合とがあることになり、いずれの場合においても、センシング結果に基づいて照射エネルギーの制御が行われる。
そして、赤外線センサー72のセンシング先にロール状媒体2が無い状態(以下、第二状態と呼ぶ)においては、ロール状媒体2の表面がセンシングされるときとはセンシング先の状況が異なる(例えば、紙と金属の違い)ため、センシング先にロール状媒体2があるとき(以下、第一状態と呼ぶ)と同じ(ロール状媒体2の表面をセンシングするときのような)照射エネルギー制御ができない。そのため、第二状態から下流側支持部材35上にロール状媒体2が位置する状態となったとき(つまり、ロール状媒体2が下流側支持部材35に至ったとき)には、照射エネルギーがロール状媒体2を前記所定温度にするような適切な照射エネルギーになっていない問題が発生する。
したがって、赤外線センサー72のセンシング先にロール状媒体2がない状態でもロール状媒体2があるときのように照射エネルギー制御が実行されることが望まれる。そのようになれば、第二状態から下流側支持部材35上にロール状媒体2が位置する状態となったとき(つまり、ロール状媒体2が下流側支持部材35に至ったとき)に、照射エネルギーがロール状媒体2を前記所定温度にするような適切な照射エネルギーに既になっていることとなり、上述の問題が解決される。以下、上述の問題点を解決するために施された工夫について、詳細に説明する。
<<<問題点を解決するために施された工夫について>>>
本実施形態においては、赤外線センサー72のセンシング先にロール状媒体2がない状態でもロール状媒体2があるときのように照射エネルギー制御が実行されるようにするために、図4に示すように、可動式の被センシング部36を含む被センシングユニット136を設置した。また、被センシング部36の特性を、ロール状媒体2の特性に合わせることを行っている。
まず、図4(a)において、下流側支持部材35、ヒーター40、および赤外線センサー72の間の領域に、可動式の被センシング部36を含む被センシングユニット136を設置した。被センシングユニット136は、プリンター1(本実施形態ではヒーター40の筐体)に固定された取付部137と、取付部137と軸部138により連結された被センシング部36とを有し、被センシング部36は、軸部138を回転軸として取付部137に対して回動可能に設けられている。具体的には、被センシング部36は、赤外線センサー72のセンシングエリア(検出範囲B)に含まれる第1の位置36aと、赤外線センサー72のセンシングエリアとは異なる位置である第2の位置36bとの間を移動(回動)可能に設けられている。被センシング部36は、第1の位置36aに位置するとき、加熱部の加熱範囲Aに含まれており、加熱部によって加熱されている。
ここで、被センシング部36は、検出範囲Bに位置する第1の位置36aと、第1の位置36aとは異なる第2の位置36bとに変位可能であると言える。このとき、検出部は、被センシング部36が第1の位置36aに位置するときに被センシング部36のエネルギーを検出する。これにより、媒体が検出部の検出範囲Bに含まれないときでも、検出部は被センシング部36のエネルギーを検出し、加熱部の出力を変更可能とすることができる。したがって、加熱部の出力を適切に制御することができる。
また、被センシング部36の移動動作についてまとめると、被センシング部36は、回動することによって第1の位置36aと第2の位置36bとに変位可能であると言える。これにより、被センシング部36を、第1の位置36aと第2の位置36bとにスムーズに変位させることができる。
また、被センシング部36における第1の位置36aと第2の位置36bとの間の変位を段階的に行うことで、被センシング部36の温度変化を緩やかにすることができる。これは、被センシング部36が、第1の位置36aのときは加熱部の加熱の影響を大きく受けるのに対し、第2の位置36bのときは加熱部の加熱の影響をあまり受けないことによる。
ここで、図4(a)に示すように、下流側支持部材35上の赤外線センサー72のセンシング先にロール状媒体2が無い第二状態では、被センシング部36を赤外線センサーの検出範囲B(第1の位置36a)に配置させることができる。被センシング部36の移動は、制御部が制御している。つまり、制御部は、媒体が検出範囲Bに含まれないとき、被センシング部36を第1の位置36aに位置させる。これにより、検出部の検出範囲Bに媒体が含まれないときに、検出部が被センシング部36のエネルギーを検出し、加熱部の出力を変更可能とすることができる。したがって、加熱部の出力を適切に制御することができる。また、図4(b)に示すように、下流側支持部材上の赤外線センサー72のセンシング先にロール状媒体2がある第一状態では、被センシング部36を赤外線センサーの検出範囲Bの範囲外(第2の位置36b)へ退避させることができるようになっている。つまり、制御部は、媒体が検出範囲Bに含まれるとき、被センシング部36を第2の位置36bに位置させる。これにより、検出部の検出範囲Bに媒体が含まれるとき、被センシング部36を第2の位置に位置させ、検出部は、媒体のエネルギーを検出し、加熱部の出力を変更可能とすることができる。したがって、加熱部の出力を適切に制御することができる。
なお、図4(b)で示した構成では、被センシング部36は、第2の位置36bに位置するときにも、加熱部の加熱範囲Aの範囲内に位置している。これにより、第2の位置36bに位置しているときでも被センシング部36が加熱されている状態になるので、第1の位置36aに位置されたときの被センシング部36の温度が直ぐに所定の温度に安定するという効果を奏する。ただし、被センシング部36を、第2の位置36bに位置するときに加熱部の加熱範囲Aの範囲外に位置させてもよい。このようにすれば、加熱部による媒体への加熱が、被センシング部36によって妨げられることがない。
ここで、被センシングユニット136は、被センシング部36が赤外線センサー72の検出範囲Bに含まれる第1の位置36aが、下流側支持部材35とヒーター40との間に位置するように配置されている。換言すれば、被センシング部36は、第1の位置36aに位置するときに、媒体支持部と加熱部との間に位置している。このような構成であれば、被センシング部36が媒体支持部よりも加熱部に近い位置に位置するので、被センシング部36を加熱するエネルギーが抑えることができる。
なお、第2の位置36bは、被センシング部36が第2の位置36bに位置するときに、検出部の検出範囲Bに含まれない位置であることが好ましい。ただし、第2の位置36bは、被センシング部36が第2の位置36bに位置するときに、検出部の検出範囲Bの少なくとも一部を遮らない位置であればよい。また、被センシング部36の形成材料としては、比較的安価で入手しやすく、機械加工も容易なアルミニウムなどを用いることができる(被センシング部36に望まれる好ましい特性については後述する)。
また、被センシングユニット136においては、被センシング部36の熱容量をロール状媒体2の熱容量に合わせることを行っている。より具体的には、被センシング部36の体積を、ヒーターの加熱範囲A(図1参照)にあるロール状媒体2の熱容量と被センシング部36の熱容量とが略等しくなるように設定している。金属製の被センシング部36とロール状媒体2とでは、単位体積当たりの熱容量は、前者の方が高いから、後述するように、金属製の被センシング部36の体積をなるべく小さくするような対策を行っている。
また、被センシング部36の輻射率をロール状媒体2の輻射率に合わせることを行っている。図5は、種々のロール状媒体の輻射率を示した模式図である。図5に示すように、ロール状媒体2として用いる主な媒体の輻射率を、放射率測定器により測定したところ、媒体の輻射率は、約0.8〜約0.95の範囲であった。したがって、被センシング部36の輻射率を、0.7以上1未満に設定している。このようにすれば、被センシング部36の輻射率は、当該輻射率とロール状媒体2の輻射率との差(輻射率差)が0.1以内となる。輻射率差が0.1以内であれば、輻射率差を温度差に換算した場合に約3度以内に相当し、温度制御上問題ないレベルと解釈されるからである。したがって、被センシング部36の輻射率を、0.7以上1未満に設定すれば、本実施形態で挙げたアクリル樹脂、PET樹脂、塩化ビニル樹脂、布、紙といった媒体に対し、ヒーター40の制御を適切に行うことが可能となる。被センシング部36の輻射率は、全体が均一の輻射率でなくてもよく、センシングされる部分の輻射率が、目標とする輻射率となっていればよい。したがって、被センシング部36は、少なくとも一部が輻射率0.7以上1未満の部材で構成されるようにしている。これにより、被センシング部36の輻射率と、一般的に用いられる媒体の輻射率との差が少なくなり、加熱部の出力を適切に制御することができる。
また、被センシング部36の輻射率を、0.85以上0.95以下に設定すれば、本実施例で挙げたPET樹脂、塩化ビニル樹脂、布、紙といった媒体に対して、より輻射率差を少なくすることができる。したがって、被センシング部36の輻射率を、0.85以上0.95以下に設定すれば、ヒーター40の制御を一部の媒体に対してより適切に行うことが可能となる。
また、被センシング部36の輻射率を0.9に設定すれば、本実施形態で挙げた塩化ビニル樹脂の媒体に対して、より輻射率差を少なくすることができる。したがって、被センシング部36の輻射率を0.9に設定すれば、一部の媒体に対してのヒーター40の制御をより適切に行うことが可能となる。
このとき、アルミニウム製(アルミニウムの輻射率は約0.1)の被センシング部36とロール状媒体2とでは、輻射率は前者の方が小さいから、後述するように、金属製の被センシング部36の輻射率を大きくするような対策を行っている。
すなわち、本実施の形態においては、アルミニウム製の下流側支持部材35にアルマイト処理を施すことにより、下流側支持部材35に設けられた被センシング部36の輻射率を大幅に上昇させ(約0.1から約0.9へ上昇する)、被センシング部の輻射率とロール状媒体2の輻射率との差(輻射率差)が0.1以内となるようにしている。
〔本実施の形態に係るプリンター1の有効性(効果)について〕
以上述べたように、本実施形態に係るプリンター1によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係るプリンター1は、インクをロール状媒体2に対して吐出する吐出ヘッド30と、ロール状媒体2を支持する下流側支持部材35と、下流側支持部材35に支持されたロール状媒体2を加熱するヒーター40と、センシングを行なってエネルギーを検知する赤外線センサー72と、を有しており、赤外線センサー72により検知された前記エネルギーに基づいて、ヒーター40の照射エネルギーを制御することとした。
また、赤外線センサー72の検出範囲Bである第1の位置36aと、第1の位置36aとは異なる第2の位置36bに移動可能に設けられた被センシング部36を含む被センシングユニット136を配置させた。
すなわち、本実施形態に係るプリンター1は、インクをロール状媒体2に対して吐出する吐出ヘッド30と、ロール状媒体2を支持する下流側支持部材35と、下流側支持部材35に支持されたロール状媒体2を加熱してインクを硬化させるヒーター40と、ヒーター40の加熱範囲A内においてロール状媒体2の表面をセンシングすることにより赤外線のエネルギーを検知する赤外線センサー72であって、センシング先にロール状媒体2が無い場合には、被センシングユニット136の被センシング部36を第1の位置36aに移動させて被センシング部36をセンシングする赤外線センサー72と、赤外線センサー72により検出された前記エネルギーに基づいて、ヒーター40の照射エネルギーを制御するコントローラー60と、を有することとした。そして、当該プリンター1においては、被センシング部36の輻射率が、0.7以上1未満に設定されていることとした。
そのため、センシング先にロール状媒体2がない状態でもロール状媒体2があるときのように照射エネルギー制御が実行され、ヒーター40の制御を適切に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係るプリンター1においては、被センシング部36が第1の位置36aに位置するときに、その被センシング部36が下流側支持部材35とヒーター40との間に位置するように被センシングユニット136を配置した。
このように、第1の位置36aにおける被センシング部36をヒーター40に近い位置に位置させることにより、赤外線センサー72により検知されたエネルギーに基づいて、ヒーター40の照射エネルギーを制御するプリンター1の構成において、被センシング部36を所定の温度に加熱するエネルギーが抑えられるという効果を奏する。
また、本実施形態に係るプリンター1に設置した被センシングユニット136において、被センシング部36は、プリンター1に固定された取付部137に軸部138を介して連結され、当該被センシング部36は、軸部138を回転軸として取付部137に対して回動可能に設けられた構成とした。
これにより、比較的簡易的な構造にて、被センシング部36を、第1の位置36aと第2の位置36bとにスムーズに移動させることができる。
また、本実施の形態においては、被センシング部の輻射率と、ロール状媒体2の輻射率との差が0.1以内であることとした。
そのため、センシング先にロール状媒体2がない状態でもロール状媒体2があるときのように照射エネルギー制御が実行され、ヒーター40の制御を適切に行うことが可能となる。
また、本実施の形態において、被センシング部36は、アルマイト処理が成されたアルミニウムからなることとした。
そのため、下流側支持部材35として金属という強度の高い材料を使用するというメリットを享受しつつ、簡易な方法で、センシング先にロール状媒体2がない状態でもロール状媒体2があるときのように照射エネルギー制御が実行される状況を作り出すことができ、適切なヒーター制御を実現することができる。
また、本実施形態においては、ヒーター40の加熱範囲A(図1参照)にあるロール状媒体2の熱容量と、被センシング部36の熱容量とが略等しいこととした。
そのため、センシング先にロール状媒体2がない状態でもロール状媒体2があるときのように照射エネルギー制御が実行され、ヒーター40の制御を適切に行うことが可能となる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、被センシング部36は、プリンター1に固定された取付部137と軸部138により連結され、軸部138を回転軸として取付部137に対して回動可能に設けることにより、第1の位置36aと第2の位置36bとに移動可能に設けられた構成とした。ここで、取付部137に対して被センシング部36を回動させる回転軸の方向は軸部138の方向に限らず、例えば、軸部138による回転軸と直交する方向の回転軸回りに被センシング部36を回動させて、被センシング部36を、赤外線センサー72の検出範囲B(第1の位置36a)に配置させたり、検出範囲Bから外れた第2の位置36bに配置させたりする構成としてもよい。
また、本実施形態のように、被センシング部36を回動させることにより、第1の位置36aおよび第2の位置36bに移動させる構成に限らず、スライド機構などの回動とは異なる動作により第1の位置および第2の位置に被センシング部36を移動させる構成としてもよい。
また、被センシング部36は、ヒーター40の筐体に固定しなくてもよい。例えば、媒体支持部の領域内に被センシング部36を設けてもよい。ただし、媒体支持部が被センシング部36を設けるのに適していない部材であった場合は、上記実施形態のような構成がより好ましくなる。例えば、媒体支持部がメッシュ状の部材であった場合は、媒体支持部に被センシング部36を設けることが困難になる。そのため、このようなときには、媒体支持部以外(例えば加熱部の筐体やリフレクター、液体吐出装置の筐体、等)に被センシング部36を設けると良い。
なお、液体吐出装置において、媒体支持部を備えていなくてもよい。このような構成の場合の一例として、媒体の搬送方向上流側の端部と搬送方向下流側の端部とがそれぞれ保持部に保持されており、2つの保持部材の間で媒体が宙吊りとなる構成が挙げられる。
また、上記実施形態では、液体吐出装置(液体噴射装置)をインクジェット方式のプリンターに具体化して説明したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。
また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。
また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
また、本実施形態のインクは、樹脂エマルジョンを含んでもよい。樹脂エマルジョンは、被記録媒体が加熱される際、好ましくはワックス(エマルジョン)と共に樹脂被膜を形成することで、着色インクを被記録媒体上に十分定着させて画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。上記の効果により樹脂エマルジョンを含有する着色インクを用いて記録された記録物は、特にインク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上で耐擦性に優れたものとなる。樹脂エマルジョンとしては、以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかがより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
また、上記実施の形態において、搬送ユニット20は、吐出ヘッド30よりも搬送方向上流側に位置する第一搬送ローラー23と、吐出ヘッド30よりも搬送方向下流側に位置する第二搬送ローラー24と、を有することとしたが、搬送ローラーの数や配置はこれに限定されるものではない。
また、上記実施の形態において、媒体の一例としてロール状媒体2を用いた例を挙げたが、媒体は単票媒体であってもよい。媒体が単票媒体の場合、印刷開始時において、下流側支持部材35上に媒体が位置しない状態となる可能性が高い。しかし、印刷開始時においても、ヒーター40の照射エネルギーが媒体を所定温度にするような(適切な)照射エネルギーに既になっていることが望ましい。本発明を用いれば、媒体が単票媒体の場合でも、ヒーター40の制御を適切に行うことが可能となる。
また、上記実施の形態において、検出部として赤外線センサー72を用いた例を挙げたが、検出部に他のセンサーを用いてもよい。媒体の表面から放射される電磁波を検知するセンサーであれば、紫外線、マイクロ波などを検知するセンサーであってもよい。その中でも、媒体の温度を推測するという目的においては、赤外線センサーを用いることがより効果的である。なお、赤外線とは、約0.7μm〜1000μmの波長域の電磁波のことである。赤外線センサー72は、約0.7μm〜1000μmの波長域のうち、少なくとも一部の波長域の電磁波を検知するものであればよい。
また、検出部がセンシングするセンシングエリア(検出範囲B)の大きさは可変であり、センシング先にロール状媒体2がある第一状態とセンシング先にロール状媒体2が無い第二状態とで当該センシングエリアの大きさが変わることとしてもよい。換言すれば、検出部が被センシング部をセンシングする場合と、検出部が媒体支持部に支持された媒体をセンシングする場合とで、センシングエリアの大きさが変わることとなる。
1…液体吐出装置としてのプリンター(インクジェットプリンター)、2…ロール状媒体、10…給送ユニット、18…ロール状媒体巻軸、19…中継ローラー、20…搬送ユニット、23…第一搬送ローラー、23a…第一駆動ローラー、23b…第一従動ローラー、24…第二搬送ローラー、24a…第二駆動ローラー、24b…第二従動ローラー、25…巻き取りユニット、26…中継ローラー、27…媒体巻き取り駆動軸、30…吐出ヘッド、32…ロール状媒体支持体、33…プラテン、34…上流側支持部材、35…下流側支持部材、36…被センシング部、36a…第1の位置、36b…第2の位置、40…加熱部としてのヒーター、50…カッター、60…制御部としてのコントローラー、61…インターフェイス部、62…CPU、63…メモリー、64…ユニット制御回路、70…検出器群、72…検出部としての赤外線センサー、100…コンピューター、136…被センシングユニット、137…取付部、138…被センシング部の回転軸となる軸部。

Claims (7)

  1. 液体を吐出可能なヘッドと、
    前記液体が吐出される媒体を加熱可能な加熱部と、
    検出範囲のエネルギーを検出する検出部と、
    前記検出部が検出したエネルギーに基づいて前記加熱部の出力を変更可能な制御部と、
    前記検出範囲に位置する第1の位置と、前記第1の位置とは異なる第2の位置とに変位可能な被センシング部と、を備え、
    前記検出部は、前記被センシング部が前記第1の位置に位置するときに前記被センシング部のエネルギーを検出することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記媒体を支持する媒体支持部を備え、
    前記被センシング部は、前記第1の位置に位置するときに、前記媒体支持部と前記加熱部との間に位置していることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体吐出装置において、
    前記被センシング部は、回動することによって前記第1の位置と前記第2の位置とに変位可能であることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
    前記制御部は、前記媒体が前記検出範囲に含まれないとき、前記被センシング部を前記第1の位置に位置させることを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
    前記制御部は、前記媒体が前記検出範囲に含まれるとき、前記被センシング部を前記第2の位置に位置させることを特徴とする液体吐出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
    前記被センシング部は、少なくとも一部が輻射率0.7以上1未満の部材で構成されることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 液体を吐出し、
    前記液体が吐出される媒体を加熱部によって加熱し、
    検出範囲のエネルギーを検出し、
    検出したエネルギーに基づいて前記加熱部の出力を変更可能とする加熱部制御方法であって、
    前記検出範囲に位置する第1の位置と、前記第1の位置とは異なる第2の位置とに変位可能な被センシング部を、前記第1の位置に変位させたときに前記被センシング部のエネルギーを検出することを特徴とする加熱部制御方法。
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