JP2015168042A - 摺接用シート及び該摺接用シートを用いた摺接用具 - Google Patents
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Abstract
【課題】切込部を設けた合成樹脂フィルムにより簡便に摺接用シートを得る。【解決手段】摺接用シート1において、切込部1cと、切込部1c間を直線上に接続し切込部1cよりも長さが短い接続部1dとにより、1列の切込列1eが形成されており、このような切込列1eの多数列が平行に形成されている。これらの切込列1eは横方向に平行に所定幅の連結片1fを介して設けられ、各切込部1cの横方向には、隣接する切込列1eの接続部1dが位置するように配列されている。切込部1c、接続部1dは横方向に対して千鳥状に配置されることになり、切込部1cが開口部に変形することにより、切込部1cに接する連結片1fが立ち上り、その縁部は研磨のための摺接部となる。【選択図】図4
Description
本発明は、例えば野菜の皮むき、或いは汚れ落とし、一般製品の表面研磨等に好適に使用し得る摺接用シート及び該摺接用シートを用いた摺接用具に関するものである。
特許文献1、2には、スポンジ等のクッション材の表面に研磨材を接着した野菜用皮むき器が開示されている。この野菜用皮むき器により芋類、ごぼう、にんじん等の野菜の表面を摺接して、表面の皮を除去することができる。
しかし、特許文献1、2に記載の野菜用皮むき器では、基材となるクッション材の上に研磨剤を接着させる必要があるため、製造に手間が掛かり、製造コストも高くなるという問題がある。
また、研磨材がクッション材から剥がれ落ちると、皮むき器として使用できなくなり、クッション材がまだ十分に使用に耐え得る状態でも、廃棄せざるを得ない。
本発明の目的は、上述の課題を解消し、簡素な素材を用いて簡便に組立て得る摺接用シート及び該摺接用シートを用いた摺接用具を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る摺接用シートは、合成樹脂フィルムに、切込部と接続部とから成る多数の切込列をこれらの切込列間の連結片を介して平行して配列し、これらの切込列は前記切込部と前記切込部よりも長さが短い前記接続部と交互に直線上に位置するようにし、隣接する切込列同士は前記切込部の横方向に前記接続部が位置するようにし、前記切込列と直交する方向に引っ張ることにより前記切込部が開口すると共に前記連結片が立ち上り、前記連結片の縁部を摺接部として用いることを特徴とする。
また、本発明に係る摺接用シートを用いた摺接用具は、合成樹脂フィルムに、切込部と接続部とから成る多数の切込列をこれらの切込列間の連結片を介して平行して配列し、これらの切込列は前記切込部と前記切込部よりも長さが短い前記接続部と交互に直線上に位置するようにし、隣接する切込列同士は前記切込部の横方向に前記接続部が位置するようにし、前記切込列と直交する方向に引っ張ることにより前記切込部が開口すると共に前記連結片が立ち上り、前記連結片の縁部を摺接部として用いる摺接用シートを、前記切込部を開口した状態で装着部材の表面に取り付けたことを特徴とする。
本発明では、合成樹脂から成る摺接用シートを用いることで、容易に野菜等の皮むきや各種食材或いは一般材料の研磨を行うことができる。更に、摺接用シートはフィルムにスリット状の切込みを形成するだけなので、製造コストを安価に抑えることが可能である。
また、摺接用シートは平面状のシートなので、嵩張ることがなく、運搬、保管が容易であり、部材に取り付けて摺接用具として使用できる。
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例1の摺接用シート1はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステム、ポリ塩化ビニール、ナイロン、ポリカーボネイト等の合成樹脂製の薄いフィルムから成っている。摺接用シート1の厚さは例えば100〜200μmであり、150μm程度が好適である。
摺接用シート1は矩形状とされ、その大きさは例えば縦辺1aの長さが15cm、横辺1bの長さが18cm程度であり、用途に応じて適宜の大きさのものを用いることができる。
摺接用シート1には、多数のスリット状の切込部1cが縦辺1aと平行にマイクロスリット加工等により切り込まれている。これらの切込部1cと、切込部1c間を直線上に接続し切込部1cよりも長さが短い接続部1dとにより、1列の切込列1eが形成されており、このような切込列1eの多数列が平行に形成されている。
各切込部1cの長さは例えば5〜15mm程度であり、約10mmが好適であり、各接続部1dの長さは例えば1〜5mm程度であり、約3mmが好適である。
これらの切込列1eは横辺1bと平行に横方向に、例えば2mm程度の幅間隔の連結片1fを介して設けられ、各切込部1cの横方向には、隣接する切込列1eの接続部1dが位置するように交互に配列されている。このように配置することで、切込部1c、接続部1dは横方向に対して千鳥状に配置され、1列おきの切込列1eは、縦辺1aと平行な縦方向の同一位置に、切込部1cと接続部1dとを有する配列となる。
摺接用シート1は合成樹脂フィルム製であるので、容易に伸張し、摺接用シート1を横方向に引っ張ると、図2に示すように各切込部1cは、切込み方向と直交する方向である横方向に拡がり、唇形状の開口部1gに変形する。唇形状に拡った開口部1gは、隣接する開口部1gと千鳥状に配置されることになる。
摺接用シート1の両側の縁辺である縦辺1a、1a同士は、図3に示すように幅数mmに渡って溶着により接着した接着部1hとされ、平面状に重ねられている。摺接用シート1はこの状態で包装パック等に封入され、運搬、保管、店頭での陳列に供される。
使用に際しては、摺接用シート1を図4に示すように拡げて筒状体2とし、この筒状体2に円筒体である空きペットボトル3等の装着部材を細径の飲み口側から挿入する。これにより、摺接用シート1は横方向に沿って円周方向に引っ張られ、図5に示すように空きペットボトル3の表面を巻回して覆う状態となる。なお、この摺接用シート1の横方向の伸張につれ、縦辺1aの長さは稍々短くなる。
図6は空きペットボトル3に装着し、円周方向に伸張させた状態の摺接用シート1の一部を拡大した説明図である。切込部1cが開口部1gに変形することにより、開口部1gに接する連結片1fが立ち上り、その縁部が研磨作用を行うための摺接部となり、摺接部は適度の強度と可撓性を有する。この実施例1のように、切込部1cの中点と隣接する接続部1dの中点とが横辺1bと平行な位置に設けると、開口部1gは縦方向に対称の唇形状に開口する。
装着部材には、摺接用シート1に対応する専用の巻付材を用いるのではなく、簡便に入手できる実施例1のような空きペットボトル3を利用することが経済的である。なお、空きペットボトル3に水又は空気を入れて蓋を閉めることにより、内部を密封状態で使用すると、空きペットボトル3は押しても変形し難くなるので研磨が容易となる。空きペットボトル3には、円筒状の他に適宜の角筒状等を用いてもよい。
このように装着部材に被着した摺接用シート1から成る摺接用具により、例えば野菜の表面を摺動すると、皮が摺接部に引っ掛かり、開口部1g内に削られた削り屑が入り込む。そこで、水を適度に使いながら使用することで、削られた削り屑は水と共に流れ落ちる。また、この研磨は食材だけでなく、工学用材料などに対しても適用できる。
繰り返して研磨を続けると、摺接部は徐々に擦り減り、当初の鋭さを保持できなくなり、研磨材として機能が低下してくる。この状態に至ると、摺接用シート1を空きペットボトル3から取り外し、筒状体2を裏返して再度、装着部材に被着する。このように裏返すことで、使用されていなかった連結片1fの裏面側が今度は表面となり、摺接用シート1として再生することができる。
この裏返した状態で、摺接用シート1を再度使用しても、研磨材としての機能を有しなくなったり、接続部1d等が切断した場合には、空きペットボトル3から取り外して廃棄し、新たな摺接用シート1の筒状体2を空きペットボトル3に装着して使用を始めればよい。
なお、使用前の摺接用シート1は平面状のシートなので、嵩張ることがなく、運搬、保管は容易である。
上述の実施例1においては、摺接用シート1の縦辺1a、1a同士を溶着して筒状体2としたが、両面テープを用いて筒状体2としたり、摺接用シート1を任意の大きさに切断して、装着部材に接着テープにより接着するなどして、摺接用具とすることも可能である。
図7は筒状体にした摺接用シート1を、装着部材として合成樹脂製の箱状容器4に装着した状態の摺接用具の斜視図を示している。
摺接用シート1は蓋を外して上方を開口部とした箱状容器4の周囲に拡開した状態で装着されており、摺接用シート1は連結片1fを立ち上げた摺接部を有している。箱状容器4の裏側の底部及び側部外側には摺接用シート1が密着しており、実施例1と同様に研磨用として使用できる。或いは、角部に位置する摺接用シート1を用いて摺接すると特に効果的である。
また、箱状容器4の表面側の凹部4aとなる開口部上に張られた摺接用シート1は、例えば食材の摺り下ろし用として使用できる。連結片1fを用いて大根、チーズ、ゆで卵などを摺り下ろすことにより、摺り下ろした食材を凹部4a内に落下させて溜めることができる。
図8は筒状体にした摺接用シート1を玉柄杓の杓部に装着した状態の摺接用具の斜視図を示している。
摺接用シート1は玉柄杓5の杓部5aの周囲に拡開して装着されている。例えば煮汁などを調理中に、柄部5bを持って、裏側の半球状に膨らんだ部分に位置する摺接用シート1の連結片1fを、煮汁上に接するように摺動させることで灰汁を吸着することが可能である。杓部5aの表側の凹部5c上に張られた摺接用シート1では、味噌などをすくい取って、煮汁中に溶きほぐすことや、煮汁上に灰汁のみをすくい取ることができる。また、摺接用シート1を泡立て器に装着することで容易に泡立てをすることもできる。
また、上述の実施例1〜3においては、筒状体にした摺接用シート1を例えば空きペットボトル3、箱状容器4、玉柄杓5に被着して摺接用具として使用したが、板片等に被着、貼付等をすることにより、各種材料に対する摺接用具とすることもできる。
更には、この摺接用シート1は単なる平面シートとして、手に巻き付けて拡開しながら研磨用、食材摺り下ろし用等、多様な用途に使用することも可能であり、或いは2枚重ねにして使用するようにしてもよい。
1 摺接用シート
1a 縦辺
1b 横辺
1c 切込部
1d 接続部
1e 切込列
1f 連結片
1g 開口部
1h 接着部
2 筒状体
3 空きペットボトル
4 箱状容器
5 玉柄杓
1a 縦辺
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2 筒状体
3 空きペットボトル
4 箱状容器
5 玉柄杓
Claims (5)
- 合成樹脂フィルムに、切込部と接続部とから成る多数の切込列をこれらの切込列間の連結片を介して平行して配列し、これらの切込列は前記切込部と前記切込部よりも長さが短い前記接続部と交互に直線上に位置するようにし、隣接する切込列同士は前記切込部の横方向に前記接続部が位置するようにし、前記切込列と直交する方向に引っ張ることにより前記切込部が開口すると共に前記連結片が立ち上り、前記連結片の縁部を摺接部として用いることを特徴とする摺接用シート。
- 前記切込列と平行する縁辺同士を接着したことを特徴とする請求項1に記載の摺接用シート。
- 合成樹脂フィルムに、切込部と接続部とから成る多数の切込列をこれらの切込列間の連結片を介して平行して配列し、これらの切込列は前記切込部と前記切込部よりも長さが短い前記接続部と交互に直線上に位置するようにし、隣接する切込列同士は前記切込部の横方向に前記接続部が位置するようにし、前記切込列と直交する方向に引っ張ることにより前記切込部が開口すると共に前記連結片が立ち上り、前記連結片の縁部を摺接部として用いる摺接用シートを、前記切込部を開口した状態で装着部材の表面に取り付けたことを特徴とする摺接用シートを用いた摺接用具。
- 前記装着部材は筒体として、前記摺接用シートを前記筒体の周囲に巻回したことを特徴とする請求項3に記載の摺接用シートを用いた摺接用具。
- 前記装着部材は凹部を有し、該凹部上を前記摺接用シートにより覆ったことを特徴とする請求項3に記載の摺接用シートを用いた摺接用具。
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JPS54122490A (en) * | 1978-02-17 | 1979-09-22 | Minnesota Mining & Mfg | Drilled nonwoven abrasives product with high quality |
JP2002239928A (ja) * | 2001-02-13 | 2002-08-28 | Mitsuwa:Kk | 研磨布紙用支持ベース |
JP3147264U (ja) * | 2008-07-08 | 2008-12-25 | 展章 山本 | 野菜用皮むき器 |
-
2014
- 2014-03-10 JP JP2014046363A patent/JP2015168042A/ja active Pending
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