JP2015164994A - 反応性紫外線吸収剤、その製造方法、並びにそれを含むコーティング組成物及び被覆物品 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 下記一般式(1)で表される反応性紫外線吸収剤。
R1、R2、R3は互いに独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数4〜12のシクロアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、ハロゲン原子、−C≡N、炭素数1〜5のハロアルキル基、−SO2R’、−SO3H、−SO3M(M=アルカリ金属)、−COOR’、−CONHR’、−CONR’R”、−OCOOR’、−OCOR’、−OCONHR’、(メタ)アクリルアミノ基、(メタ)アクリルオキシ基、又は置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基又は炭素数3〜12のヘテロアリール基であり、
R’及びR”は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基又は炭素数3〜12のヘテロアリール基を示し、
Xは2〜4価の直鎖又は分岐の酸素、窒素、硫黄及びリン原子のうち少なくとも1種が介在していてもよい飽和炭化水素残基であり、
Tはウレタン基−O−(C=O)−NH−を表し、
Qは2〜3価の直鎖又は分岐の酸素、窒素、硫黄及びリン原子のうち少なくとも1種が介在していてもよい飽和炭化水素残基であり、
Pは(メタ)アクリルオキシ基であり、
mは1又は2であり、
nは1〜3の整数であるが、mとnとが同時に1であることはない。}
[2] Xは下記一般式(3)又は(4)で示される基であり、Qは下記一般式(5)又は(6)で示される基であることを特徴とする[1]記載の反応性紫外線吸収剤。
[3] 前記式(1)において、R1、R2、R3は互いに独立して、水素原子又はメチル基であり、
Xは前記式(3)で示される基であり、
Qは前記式(6)で示される基であり、
mは2であり、
nは1であることを特徴とする[2]記載の反応性紫外線吸収剤。
[4] 下記工程(II)を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の反応性紫外線吸収剤の製造方法。
(II)下記式(7)で表される前駆化合物のXと結合した水酸基と、
下記式(8)で表される化合物のイソシアネート基とを反応させる工程。
[5] 下記工程(I)を経た後に、前記工程(II)を行うことを特徴とする[4]記載の反応性紫外線吸収剤の製造方法。
(I)前記式(1)において、Xが[2]記載の式(4)である場合、下記式(9)で表されるエステル化合物と、
下記式(10)で表される多価アルコール化合物とをエステル交換反応させて、前記式(7)の前駆化合物を得る工程。
[6] [1]〜[3]のいずれかに記載の反応性紫外線吸収剤及びバインダー前駆体を含むコーティング組成物。
[7] バインダー前駆体が少なくとも1種の単官能又は多官能(メタ)アクリレートを含み、更に少なくとも1種の光重合開始剤を含むことを特徴とする[6]記載のコーティング組成物。
[8] 前記バインダー前駆体がウレタンポリ(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランの加水分解物又は加水分解縮合物からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする[7]記載のコーティング組成物。
[9] 更に、前記バインダー前駆体が、コロイダルシリカと(メタ)アクリル官能性アルコキシシランとを加水分解・縮合して得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする[7]又は[8]記載のコーティング組成物。
[10] 防汚剤、撥水剤、レベリング剤、着色剤、顔料、接着促進剤、赤外線吸収剤、光安定剤、[7]記載の光重合開始剤以外の硬化触媒、[9]記載の有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレート以外の金属酸化物微粒子、及び[1]記載の式(1)以外の紫外線吸収剤を含む群から選択された1以上の添加剤を更に含むことを特徴とする[6]〜[9]のいずれかに記載のコーティング組成物。
[11] 基材に直接又は少なくとも1種の他の層を介して[6]〜[10]のいずれかに記載のコーティング組成物の硬化被膜を被覆してなる被覆物品。
[12] 基材が、有機樹脂又は木材である[11]記載の被覆物品。
本発明の反応性紫外線吸収剤の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、一般的なエステル交換反応やウレタン化反応とを組み合わせることにより得ることができる。なかでも好ましい製造方法を以下に説明する。
前記式(7)の前駆化合物において、Xが式(3)で示される場合等、公知の化合物であれば、公知の方法で準備する。
また、Xが式(4)で示されるもの等のエステル基(COO基)を含むものの場合は、
下記式(9)で表されるエステル化合物と、
下記式(10)で表される多価アルコール化合物とをエステル交換反応させて、下記式(7a)の前駆化合物を得る。
工程(II)は、前記式(7)で表される前駆化合物中のXと結合した水酸基と、下記式(8)で表される化合物のイソシアネート基とを反応させ、本発明の前記式(1)で表される反応性紫外線吸収剤を得る工程である。
本発明のコーティング組成物は、本発明の反応性紫外線吸収剤とバインダー前駆体とを含むものである。
コーティング組成物を塗布した後、必要に応じて乾燥を行うことができる。乾燥は、溶剤を除去できる条件であれば特に限定されるものではない。例えば、基材の耐熱温度以下で加熱するのが一般的である。具体的には15〜120℃の温度で、1〜20分間加熱することができる。
コーティング組成物の硬化は、好ましくは光照射することにより行う。ここで照射源及び照射量は特に限定されるものではない。具体的な照射源としては、低圧、中圧、高圧、超高圧の水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、蛍光灯、タングステン灯、太陽光などが挙げられる。照射量としては、好ましくは100〜10000mJ/cm2、より好ましくは300〜5000mJ/cm2の範囲が挙げられる。
装置:東ソー社製 HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製 TSKgel G4000HXL+G3000HXL+G2000HXL+G2000HXL(各内径6mm、長さ150mm)
展開溶液:テトラヒドロフラン
カラム槽温度:40℃
流速:1mL/min
検出器:屈折率(RI)
標準:単分散ポリスチレン
装置:BRUKER社製 AVANCE III 400
溶媒:CDCl3
内部標準:テトラメチルシラン(TMS)
装置:Thermo Fisher社製 Nicolet 6700
[実施例1]
1Lのフラスコに、Tinuvin405(BASF社製;2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン)を87.6g(0.15モル)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを391.5g、メトキシフェノールを0.12g仕込み、4%酸素/窒素雰囲気下、80℃にて加熱撹拌した。次いで、カレンズBEI(昭和電工社製;1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート)を35.9g(0.15モル)、ジオクチルスズオキシドを0.12g投入後、80℃で5時間反応させた。室温まで冷却した後、シリカゲルを充填したカラムに通し、減圧濃縮して、黄色透明粘調液体110.8gを得た。この液体は、GPC(図1)、1H−NMR(図2)及びIR(図3)の結果から、下記式(12)で示される化合物(S1)であった。また下記式(12)から計算されるS1の紫外線吸収性基含有率は、48%である。
1Lのフラスコに、Tinuvin400(BASF社製;2−[4−{(ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン)を115g(有効成分85%、固形分換算0.15モル)仕込み、揮発分を除去するため減圧濃縮した。室温まで冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを391.5g、メトキシフェノールを0.12g仕込み、4%酸素/窒素雰囲気下、80℃にて加熱撹拌した。次いで、カレンズBEI(昭和電工社製;1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート)を35.9g(0.15モル)、ジオクチルスズオキシドを0.12g投入後、80℃で5時間反応させた。室温まで冷却した後、シリカゲルを充填したカラムに通し、減圧濃縮して、下記式(13)で示される化合物(S2)を120.3g得た。また下記式(13)から計算されるS2の紫外線吸収性基含有率は、44%である。
1Lのフラスコに、Tinuvin479(BASF社製;2−[2−ヒドロキシ−4−(1−オクチルオキシカルボニルエトキシ)フェニル]−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン)101.7g(0.15モル)、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン220g、ジオクチルスズオキシド8gを仕込み、窒素雰囲気下、165℃にて5時間加熱撹拌した。次いで室温まで冷却後、メタノールを用いて結晶析出させて濾過し、結晶をメタノールで洗浄した。その後、トルエンから再結晶化させることにより、下記式(20)で示される前駆化合物を得た。
1Lのフラスコに、Tinuvin479(BASF社製;2−[2−ヒドロキシ−4−(1−オクチルオキシカルボニルエトキシフェニル]−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン)101.7g(0.15モル)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジノン250g、及びペンタエリトリトール250g、ジオクチルスズオキシド8gを仕込み、窒素雰囲気下、165℃にて5時間加熱撹拌した。次いで室温まで冷却後、メタノールを用いて結晶析出させて濾過し、結晶をメタノールで洗浄した。その後、トルエンから再結晶化させることにより、下記式(21)で示される前駆化合物を得た。
[参考例1(メタクリルオキシ基を1つ有する紫外線吸収剤)]
500mLのフラスコに、Tinuvin405(BASF社製;2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン)を29.2g(0.05モル)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを130g、メトキシフェノールを0.04g仕込み、4%酸素/窒素雰囲気下、80℃にて加熱撹拌した。次いで、カレンズMOI(商品名、昭和電工社製、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)を7.8g(0.05モル)、ジオクチルスズオキシドを0.04g投入後、80℃で5時間反応させた。室温まで冷却した後、シリカゲルを充填したカラムに通し、減圧濃縮して、下記式(22)で示される化合物(T405MOI)を34.3g得た。また下記式(22)から計算されるT405MOIの紫外線吸収性基含有率は、53%である。
特開2012−31434号公報の実施例1に記載の方法によって、紫外線吸収性基及びアクリルオキシ基を有するポリマー(PolUVA、不揮発分40%)を得た。またPolUVAの紫外線吸収性基含有率は、16%である。
特開2012−219102号公報の実施例1に記載の方法によって、紫外線吸収性基及びアクリルオキシ基を有するシルセスキオキサン(SiUVA−1、不揮発分50%)を得た。またSiUVA−1の紫外線吸収性基含有率は、16%である。
特開2010−111715号公報の合成例3に記載の方法によって、アルコキシシリル基を有する紫外線吸収剤(SiUVA−2)を得た。またSiUVA−2の紫外線吸収性基含有率は、55%である。
KBM5103(商品名、信越化学工業社製、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)142部、イソプロピルアルコール500部、メトキノン0.1部、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド1.0部、脱イオン水20部を配合し、20℃で24時間反応させ、無色透明の液体を得た。減圧蒸留にて濃縮し、無色透明の液体であるアクリルシラン加水分解縮合物(5103SQ)を得た。この不揮発分は99.3%、重量平均分子量は1,900であった。
KBM5103(商品名、信越化学工業社製、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)2.8部、メチルエチルケトンシリカゾルMEK−ST(商品名、日産化学工業社製、数平均粒子径45nm、シリカ濃度30%)95.6部(固形分27.4部)及びイオン交換水0.1部の混合液を、80℃、3時間撹拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.4部を添加し、更に1時間同一温度で加熱撹拌することで表面処理シリカ粒子分散液を得た。固形分含量を求めたところ32質量%であった。このシリカ粒子の平均粒子径は45nmであった。
[実施例5]
実施例1で得られた化合物(S1)1.33部、アロニックスM403(東亞合成社製、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート)21.1部、HDDA(ダイセルサイテック社製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)3.9部、IRGACURE184(BASF社製重合開始剤、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)0.45部、LUCILIN TPO(BASF社製重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)0.45部、レベリング剤としてKP341(信越化学工業社製、ポリエーテル変性シリコーン)0.17部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部を配合し、光硬化性コーティング組成物(C1)を調製した。
実施例1〜4の化合物及び参考例の化合物や他の紫外線吸収剤を用い、表1及び表2に記載の配合で、実施例5と同様の操作でコーティング組成物(C2〜C6)及び比較例1〜11のコーティング組成物(R1〜R11)を調製した。これらコーティング組成物を三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリカーボネートNF−2000シート(厚さ5mm×長さ15cm×幅10cm)の表面に流し塗り法により塗布、5分間風乾、及び80℃にて1分間加熱の後、高圧水銀灯を用い600mJ/cm2の照射量で光照射して塗膜を硬化させ、試験片を得た。
実施例1〜4の紫外線吸収剤を用い、表1に記載の配合で、実施例5と同様の操作でコーティング組成物(C7〜C10)を調製した。これらコーティング組成物を三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリカーボネートNF−2000シート(厚さ5mm×長さ15cm×幅10cm)の表面に流し塗り法により塗布、5分間風乾、及び80℃にて1分間加熱の後、高圧水銀灯を用い600mJ/cm2の照射量で光照射して塗膜を硬化させ、試験片を得た。
(B)成分
A−M403:アロニックスM403(商品名、東亞合成社製、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート)
HDDA:HDDA(商品名、ダイセルサイテック社製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)
U−4HA:ウレタンアクリレートU−4HA(商品名、新中村化学工業社製、無黄変タイプ)
5103SQ:KBM5103(商品名、信越化学工業社製、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)の加水分解縮合物
シリカ:有機無機ハイブリッドアクリレート分散液[KBM5103(商品名、信越化学工業社製、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)にて表面処理したシリカ粒子分散液]
(C)成分
I184:IRGACURE184(商品名、BASF社製、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
L−TPO(商品名、BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)
添加剤
KP341:KP341(商品名、信越化学工業社製、ポリエーテル変性シリコーン)
溶剤
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
その他の紫外線吸収剤
R93:RUVA−93(商品名、大塚化学社製、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール)、計算される紫外線吸収性基含有率は、65%である。
T405:Tinuvin405(商品名、BASF社製、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン)、計算される紫外線吸収性基含有率は、67%である。
T479:Tinuvin479(商品名、BASF社製、2−[2−ヒドロキシ−4−(1−オクチルオキシカルボニルエトキシ)フェニル]−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン)、計算される紫外線吸収性基含有率は、72%である。
T405MOI:参考例1に記載のTinuvin405とカレンズMOI(商品名、昭和電工社製、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)との付加反応生成物
PolUVA:参考例2に記載の紫外線吸収性基及びアクリルオキシ基を有するポリマー
SiUVA−1:参考例3に記載の紫外線吸収性基及びアクリルオキシ基を有するシルセスキオキサン
SiUVA−2:参考例4に記載のアルコキシシリル基を有する紫外線吸収剤
<塗膜外観>
塗膜を目視で観察し、異常の有無を判定した。
○:異常なし
△:着色あり
×:異物、ムラ、白化の異常あり
ASTM1044に準じ、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着、荷重500g下での500回転後の曇価を測定し、試験後と試験前の曇価差を耐擦傷性とした。
JIS K5400に準じ、カミソリ刃を用いて、塗膜に2mm間隔で縦、横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作製し、セロテープ(登録商標、ニチバン社製)をよく付着させた後、90°手前方向に急激に剥がした時、塗膜が剥離せずに残存したマス目数(X)を、X/25で表示した。
評価サンプルを、沸騰水に2時間浸漬した後の密着性を、上記初期密着性と同様に評価した。
岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスターW−151を使用し、[ブラックパネル温度63℃、湿度50%RH、照度50mW/cm2、降雨10秒/1時間で5時間]→[ブラックパネル温度30℃、湿度95%RHで1時間]を1サイクルとして、このサイクルを繰り返す条件で100時間、200時間、300時間の試験を行った。耐候性試験後の被膜の状態を目視又は顕微鏡(倍率250倍)にて観察し、下記の基準で評価した。
○:異常なし
△:僅かにクラックありもしくは一部剥離あり
×:塗膜全体にクラックありもしくは全面剥離あり
実施例5及び比較例10のコーティング組成物(C1、R10)を用い、石英ガラス板(厚さ1mm×長さ4cm×幅1cm)に流し塗り法により塗布し、5分間風乾後、高圧水銀灯を用い600mJ/cm2の照射量で光照射して塗膜を硬化させた。得られた被膜に関して、透過スペクトルを測定したところ、図4に示したとおり、コーティング組成物C1から得られた被膜は波長300nm以上の領域の紫外線を吸収しており、一方コーティング組成物R10から得られた被膜では300nm以上の紫外線を吸収できていないことが明らかである。
Claims (12)
- 下記一般式(1)で表される反応性紫外線吸収剤。
R1、R2、R3は互いに独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数4〜12のシクロアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、ハロゲン原子、−C≡N、炭素数1〜5のハロアルキル基、−SO2R’、−SO3H、−SO3M(M=アルカリ金属)、−COOR’、−CONHR’、−CONR’R”、−OCOOR’、−OCOR’、−OCONHR’、(メタ)アクリルアミノ基、(メタ)アクリルオキシ基、又は置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基又は炭素数3〜12のヘテロアリール基であり、
R’及びR”は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基又は炭素数3〜12のヘテロアリール基を示し、
Xは2〜4価の直鎖又は分岐の酸素、窒素、硫黄及びリン原子のうち少なくとも1種が介在していてもよい飽和炭化水素残基であり、
Tはウレタン基−O−(C=O)−NH−を表し、
Qは2〜3価の直鎖又は分岐の酸素、窒素、硫黄及びリン原子のうち少なくとも1種が介在していてもよい飽和炭化水素残基であり、
Pは(メタ)アクリルオキシ基であり、
mは1又は2であり、
nは1〜3の整数であるが、mとnとが同時に1であることはない。} - Xは下記一般式(3)又は(4)で示される基であり、Qは下記一般式(5)又は(6)で示される基であることを特徴とする請求項1記載の反応性紫外線吸収剤。
- 前記式(1)において、R1、R2、R3は互いに独立して、水素原子又はメチル基であり、
Xは前記式(3)で示される基であり、
Qは前記式(6)で示される基であり、
mは2であり、
nは1であることを特徴とする請求項2記載の反応性紫外線吸収剤。 - 下記工程(I)を経た後に、前記工程(II)を行うことを特徴とする請求項4記載の反応性紫外線吸収剤の製造方法。
(I)前記式(1)において、Xが請求項2記載の式(4)である場合、下記式(9)で表されるエステル化合物と、
下記式(10)で表される多価アルコール化合物とをエステル交換反応させて、前記式(7)の前駆化合物を得る工程。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載の反応性紫外線吸収剤及びバインダー前駆体を含むコーティング組成物。
- バインダー前駆体が少なくとも1種の単官能又は多官能(メタ)アクリレートを含み、更に少なくとも1種の光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項6記載のコーティング組成物。
- 前記バインダー前駆体がウレタンポリ(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシランの加水分解物又は加水分解縮合物からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項7記載のコーティング組成物。
- 更に、前記バインダー前駆体が、コロイダルシリカと(メタ)アクリル官能性アルコキシシランとを加水分解・縮合して得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項7又は8記載のコーティング組成物。
- 防汚剤、撥水剤、レベリング剤、着色剤、顔料、接着促進剤、赤外線吸収剤、光安定剤、請求項7記載の光重合開始剤以外の硬化触媒、請求項9記載の有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレート以外の金属酸化物微粒子、及び請求項1記載の式(1)以外の紫外線吸収剤を含む群から選択された1以上の添加剤を更に含むことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載のコーティング組成物。
- 基材に直接又は少なくとも1種の他の層を介して請求項6乃至10のいずれか1項記載のコーティング組成物の硬化被膜を被覆してなる被覆物品。
- 基材が、有機樹脂又は木材である請求項11記載の被覆物品。
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