JP2015164738A - 摩擦接合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスクに対して動翼を往復移動させて線形摩擦接合する際に、目標とする動翼の翼長に対応する動翼の摩擦接合量に応じて、ディスクに対する動翼の往復移動の停止タイミングを適切に管理する。【解決手段】通常駆動信号を用いた制御による振動付与部70の駆動中に、停止指令が発生すると、制御部80は、往復移動の半周期以内の、動翼5が往復移動のピーク点に達する切替時点Aにおいて、振動付与部70の駆動を、通常駆動信号を用いたフィードバック制御から、停止時駆動信号を用いた非フィードバック制御に切り替える。停止時駆動信号は、切替時点Aから往復移動の1/4周期が過ぎた往復移動の中点までに、振動付与部70乃至動翼5の移動を減速、停止させる波形の信号である。【選択図】図4

Description

本発明は、一方の部材を他方の部材に当接させた状態でそれらを繰り返し相対移動させて摩擦接合する摩擦接合装置に関する。
近年、航空機エンジンの分野においては、機械的強度及び軽量性の向上を図るために、圧縮機又はタービンのロータとして一体型翼車(ブリスク)が用いられる。一体型翼車とは、ディスクと翼を一体型構造にしたものである。
一体型翼車は、素材から削り出しによって形成するのが通常である。しかし、大量の切り粉が発生するなど素材の利用効率が悪い。そこで、別々に形成したディスクと翼を線形摩擦接合で一体化することで素材の利用効率を高めることが望まれている。
一体型翼車における翼の線形摩擦接合については、本出願人も過去に、一部欠損した翼の修理に際して採用することを提案している。この提案による修理方法では、修理対象の翼を欠損部の根元側で切断して欠損部を除去する。そして、翼の切断断面に補修用の翼片を線形摩擦接合する(例えば、特許文献1)。
したがって、一体型翼車を新造する際にも、修理の際と似たような手順でディスクの周面に翼を線形摩擦接合することになる。即ち、ディスクと翼との線形摩擦接合により一体型翼車を新造したり修理する際には、接合する翼側の部分とディスク側の部分とを、ディスクの径方向に近づけながら翼の翼弦方向に相対的に往復移動させることになる。
特開2012−17720号公報
ところで、翼側部分とディスク側部分とを相対的に往復移動させて摩擦接合する場合は、往復回数や加振ストロークが多いほど翼側部分やディスク側部分の摩擦による除去量が増えて、例えば翼側部分においては翼長が短くなる。そのため、翼側部分とディスク側部分との摩擦接合に当たっては、目標の翼長に対応した目標の摩擦接合量となる時点で翼側部分とディスク側部分との相対的な往復移動を停止させることが重要となる。
翼側部分とディスク側部分とを相対的に往復移動させるのには、往復移動の移動幅に応じた振幅の交流波形による駆動信号で駆動されるアクチュエータが用いられる。そして、アクチュエータを停止させる際には、例えば、ランプ係数等の係数を用いて交流波形の振幅を徐々に狭くし、やがて、振幅をゼロとする制御を行うことになる。
このような係数を用いた駆動信号の振幅制御でアクチュエータを停止させる場合は、アクチュエータにより往復移動させるワーク(翼側部分又はディスク側部分)に働く慣性と動摩擦とのバランスや、加振系(翼側部分とディスク側部分との相対移動系)の動特性及び強度を考慮して、係数が設定される。このため、アクチュエータを停止させる制御の開始(停止指令の発生)からアクチュエータが実際に停止するまでに、相応の時間がかかる。
また、駆動信号の振幅制御に用いられるフィードバック制御では、一般に、オーバーシュートやハンチングの発生に対応するためP(比例)I(積分)D(微分)制御が採用されるが、このPID制御の採用により、停止指令の発生からアクチュエータの停止までの期間がさらに長期間化する。
このように、停止指令の発生からアクチュエータの停止までにかかる期間が長期間化すると、上述した翼側部分のディスク側部分に対する摩擦接合量を目標の値として翼を目標の翼長とするのに適したタイミングで、ディスク側部分に対する翼側部分の往復移動を停止させることが困難になる。つまり、ディスク側部分に対する翼側部分の往復移動の停止指令をどのタイミングで発生させれば、翼が目標の翼長となったタイミングでディスク側部分に対する往復移動がちょうど停止するかを、特定することが非常に難しくなる。
そして、このような問題は、圧縮機やタービンの一体型翼車(ブリスク)におけるディスクと翼とを線形摩擦接合する場合に限らず、一方の部材を他方の部材に当接させた状態でそれらを繰り返し相対移動させて摩擦接合する際に共通して発生する問題である。
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、一方の部材を他方の部材に当接させた状態でそれらを同一軌跡上で繰り返し相対移動させて摩擦接合する際に、相対移動の停止指令をどのタイミングで発生させれば、2つの部材が適切な接合状態となるかを、特定しやすくすることができる摩擦接合装置を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に記載した本発明の摩擦接合装置は、
一方の部材を他方の部材に当接させた状態でそれらを同一軌跡上で繰り返し相対移動させて、前記一方の部材を前記他方の部材に摩擦接合する摩擦接合装置であって、
前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動の停止指令にしたがって、該停止指令の発生から前記一方の部材が前記他方の部材に対して前記軌跡を一回相対移動するまでの期間中に前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動を停止させる停止手段を備える、
ことを特徴とする。
請求項1に記載した本発明の摩擦接合装置によれば、一方の部材の他方の部材に対する相対移動の停止指令が発生すると、その時点から一方の部材が他方の部材に対して軌跡を一回相対移動するまでの期間中に、一方の部材の他方の部材に対する相対移動が停止される。
ここで、停止手段としては、例えば、停止指令から軌跡上を一回相対移動するまでの期間中に停止する強さの制動力を一方の部材と他方の部材との間に物理的に加えるメカニカルブレーキや、停止指令から軌跡上を一回相対移動するまでの期間中に相対移動が停止するような制御信号を用いて両者間の相対移動の動力源を駆動制御するコントローラを用いることができる。
そして、一方の部材の他方の部材に対する相対移動が、停止指令の発生から軌跡上を一回移動するまでの期間中に停止されるようになるので、停止指令の発生から相対移動が実際に停止するまでの期間が特定しやすくなる。このため、一方の部材と他方の部材との摩擦接合量を目標の値とするための相対移動の停止タイミングから、停止指令を発生させるタイミングを逆算して特定することが容易になる。
よって、一方の部材を他方の部材に当接させた状態でそれらを同一軌跡上で繰り返し相対移動させて摩擦接合する際に、相対移動の停止指令をどのタイミングで発生させれば、2つの部材が適切な接合状態となるタイミングで両者の相対移動がちょうど停止するかを、特定しやすくすることができる。
また、請求項2に記載した本発明の摩擦接合装置は、請求項1に記載した本発明の摩擦接合装置において、前記停止手段は、アクチュエータの駆動による前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動の停止指令が発生した際に、該停止指令の発生から所定期間後のタイミングを含む、前記一方の部材の前記他方の部材に対する前記軌跡の一回分の相対移動の期間中に、前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動を停止させる停止時駆動信号を用いて、前記アクチュエータの駆動を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
請求項2に記載した本発明の摩擦接合装置によれば、請求項1に記載した本発明の摩擦接合装置において、アクチュエータの駆動による一方の部材の他方の部材に対する相対移動の停止指令が発生すると、アクチュエータの駆動が制御手段により停止時駆動信号を用いて制御される。そして、停止時駆動信号により駆動制御されたアクチュエータにより、停止時駆動信号の内容通りに、一方の部材の他方の部材に対する相対移動が、停止指令の発生から所定期間後のタイミングを含む、一方の部材の他方の部材に対する軌跡の一回分の相対移動の期間中に停止されることになる。
このため、一方の部材の他方の部材に対する相対移動の停止指令をどのタイミングで発生させれば、一方の部材と他方の部材とが目標の接合度となったタイミングで一方の部材の他方の部材に対する相対移動がちょうど停止するかを、特定しやすくすることができる。
なお、停止時駆動信号は、停止時駆動信号を用いた制御でアクチュエータを駆動させた場合に、一方の部材の他方の部材に対する相対移動が慣性で停止できずアクチュエータが制御不能となることがないような波形とすることが好ましい。
また、請求項3に記載した本発明の摩擦接合装置は、請求項2に記載した本発明の摩擦接合装置において、前記制御手段は、前記停止指令の発生時に、前記アクチュエータの駆動制御を、前記一方の部材の前記他方の部材に対して前記軌跡上で繰り返し相対移動させるための通常駆動信号を用いた制御から、前記停止時駆動信号を用いた制御に切り替えることを特徴とする。
請求項3に記載した本発明の摩擦接合装置によれば、請求項2に記載した本発明の摩擦接合装置において、一方の部材の他方の部材に対する相対移動の停止指令の時点で、アクチュエータを駆動させる信号が通常駆動信号から停止時駆動信号に切り替わる。
したがって、例えば、通常駆動信号を用いたアクチュエータの駆動制御にPI制御を適用する等して、一方の部材の他方の部材に対する相対移動の開始から一方の部材が他方の部材に対して正規の移動量で安定して相対移動するまでの期間が短期間で済むようにすることができる。その結果、一方の部材の他方の部材に対する相対移動を開始してその相対移動の移動幅が目標の幅に至るまでの間に、一方の部材と他方の部材とがどれだけ摩擦接合されて両者の接合度がどれだけになったかを、一義的に特定しやすくすることができる。
よって、一方の部材の他方の部材に対する相対移動の開始から停止までを通じて、一方の部材と他方の部材との摩擦接合量の変化を容易に特定できるようにして、停止指令の発生後に、一方の部材の他方の部材に対する相対移動を、より一層正確に、一方の部材と他方の部材とが目標の接合度となったタイミングで停止させることができる。
なお、請求項4に記載した本発明の摩擦接合装置のように、請求項2又は3に記載した本発明の摩擦接合装置において、前記所定期間を、前記停止指令の発生から前記一方の部材が前記他方の部材に対して前記軌跡上で一回相対移動するまでの期間とすることができる。これにより、停止指令の発生から極力短い期間で一方の部材の他方の部材に対する相対移動が停止されるようにし、目標とする接合度に対応する一方の部材と他方の部材との摩擦接合量を、停止指令の発生タイミングによって管理できるようにすることができる。
また、請求項5に記載した本発明の摩擦接合装置は、請求項1、2、3又は4に記載した本発明の摩擦接合装置において、前記一方の部材は、ディスクと翼とを一体化した一体型翼車における、少なくとも前記ディスクを含むディスク側部分を除いた翼側部分であり、前記他方の部材は、前記翼側部分を当接させた状態で該翼側部分の翼弦方向に前記翼側部分を往復移動させることで該翼側部分が摩擦接合される前記ディスク側部分であり、前記停止手段は、前記翼側部分の往復移動の停止指令にしたがって、該停止指令の発生から前記翼側部分が前記往復移動を一往復するまでの期間中に前記翼側部分の往復移動を停止させることを特徴とする。
請求項5に記載した本発明の摩擦接合装置によれば、請求項1、2、3又は4に記載した本発明の摩擦接合装置において、翼側部分の往復移動の停止指令が発生すると、その時点から翼側部分が翼弦方向に一往復するまでの期間中に、翼側部分の往復移動が停止される。
ここで、停止手段としては、例えば、停止指令から一往復移動するまでの期間中に往復移動が停止する強さの制動力を翼側部分に物理的に加えるメカニカルブレーキや、停止指令から一往復移動するまでの期間中に往復移動が停止するような制御信号を用いて翼側部分の往復移動の動力源を駆動制御するコントローラを用いることができる。
そして、翼側部分の往復移動が停止指令の発生から一往復するまでの期間中に停止されるようになるので、翼側部分の往復移動の停止指令の発生から翼側部分の往復移動が実際に停止するまでの期間が特定しやすくなる。このため、翼側部分のディスク側部分に対する摩擦接合量を目標の値として翼を目標の翼長とするための翼側部分の往復移動の停止タイミングから、翼側部分の往復移動の停止指令を発生させるタイミングを逆算して特定することが容易になる。
よって、ディスクに対して翼を往復移動させて線形摩擦接合する際に、ディスク側部分に対する翼側部分の往復移動の停止指令をどのタイミングで発生させれば、翼が目標の翼長となったタイミングでディスク側部分に対する往復移動がちょうど停止するかを、特定しやすくすることができる。
本発明によれば、一方の部材を他方の部材に当接させた状態でそれらを同一軌跡上で繰り返し相対移動させて摩擦接合する際に、相対移動の停止指令をどのタイミングで発生させれば、2つの部材が適切な接合状態となるタイミングで両者の相対移動がちょうど停止するかを、特定しやすくすることができる。
本発明の一実施形態に係る一体型翼車の線形摩擦接合装置の概略構成を示す説明図である。 図1の線形摩擦接合装置を用いて製造される一体型翼車の要部を示す拡大斜視図である。 図1の動翼保持部が保持した動翼の振動付与部による往復移動を停止させる場合の動翼の移動量を時系列で示したグラフであり、(a)は一般的な波形の駆動信号を用いたフィードバック制御により振動付与部を駆動して動翼の往復移動を停止させる場合、(b)は図1の制御部が停止指令以前の通常駆動信号を用いた制御から停止指令以降の停止時駆動信号を用いた制御に切り替えて振動付与部を駆動し動翼の往復移動を停止させる場合をそれぞれ示す。 図3(b)に示すパターンで動翼を往復移動及び停止させるために制御部が振動付与部の駆動に用いる通常駆動信号及び停止時駆動信号を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る一体型翼車の線形摩擦接合装置の概略構成を示す説明図である。
図1に示す線形摩擦接合装置10(請求項中の摩擦接合装置に相当)は、圧縮機やタービンの一体型翼車(ブリスク)の製造に用いるものである。図2の拡大斜視図で要部を示すように、一体型翼車1は、円筒状のディスク3とその周面3aから立設された複数の動翼5とを一体化したものである。
本実施形態の線形摩擦接合装置10は、動翼5をディスク3の周面3aに摩擦接合することで、動翼5をディスク3と一体化させる。なお、本実施形態では、ディスク3が請求項中のディスク側部分に相当し、動翼5が請求項中の翼及び翼側部分に相当する。
そして、図1に示す線形摩擦接合装置10は、ベース部20、ディスク保持部30、荷重付与部40、動翼保持部50、軸受部60、振動付与部70、及び、制御部80(請求項中の制御手段に相当)を有している。
ベース部20は平板テーブル状を呈しており、線形摩擦接合装置10の設置床面に干渉機構を介して設置されている。このベース部20上には、制御部80を除く各部30〜70が配置されている。
ディスク保持部30は、ベース部20上のガイドレール21に沿って動翼保持部50に対し接近離間する水平方向に移動可能に配置されている。このディスク保持部30には、油圧シリンダ等の荷重付与部40によって、動翼保持部50に対して接近する向きへの荷重が付与される。なお、ディスク保持部30は、ディスク3を隣り合う動翼5どうしの1ピッチ分ずつ周方向に回転させるロータリーアクチュエータ31を内蔵している。
動翼保持部50は、ベース部20上の軸受部60によって、ベース部20に対して上下方向に移動可能に支持されている。動翼保持部50は、詳しくは、軸受部60によって軸受支持されるベースブロック51と、ベースブロック51に取り付けられるメインブロック52と、メインブロック52に保持されるサブブロック53とを有している。サブブロック53は、図1のディスク保持部30のディスク3に摩擦接合する動翼5を保持した状態でメインブロック52に取り付け固定される。
ここで、サブブロック53に保持される動翼5の構成について説明する。動翼5は、ディスク3の周面に摩擦接合される接合面5a寄りの周面部分に、断面矩形状の保持部5bを有している。また、保持部5bの接合面5a側に、保持部5bよりも一回り大きい外形の矩形のフランジ部5cを有している。保持部5b及びフランジ部5cは、ディスク3に動翼5を摩擦接合した後に、図2に仮想線で示すように、正規の動翼5の外形となるまで切削除去される。
なお、ベースブロック51、メインブロック52、及び、サブブロック53は、例えばステンレス鋼で形成することができる。これらは、ディスク保持部30のディスク3やその周面3aに接合面5aを当接させた動翼5を介して伝わる荷重付与部40からの荷重に対抗する剛性を有している。また、サブブロック53は、ディスク3の周面3aに摩擦接合する際の動翼5の加熱温度に対する耐熱性を有している。
上述した動翼保持部50には、図1に示すベース部20上の振動付与部70によって、動翼5の翼弦方向Xに往復移動する振動力が付与される。振動付与部70は、油圧シリンダ等のアクチュエータ(請求項中のアクチュエータに相当)を有している。
なお、振動付与部70により振動力を付与する前に、動翼保持部50のサブブロック53に保持された動翼5の特に接合面5aを、摩擦接合に適した温度に加熱してもよい。動翼5を加熱する際には、動翼5を直接加熱してもよく、動翼保持部50を介して間接的に動翼5を加熱してもよい。
動翼5を加熱するか否かは、ディスク3や動翼5に用いる材料や、線形摩擦接合装置10によって行う線形摩擦接合動作の内容といった条件に応じて、任意に決定することができる。
なお、ディスク保持部30に設けたロータリーアクチュエータ31によるディスク3の回転や、荷重付与部40によるディスク保持部30の動翼保持部50側への荷重付与、振動付与部70による動翼保持部50への翼弦方向Xの振動力付与等は、制御部80によって制御される。
このように構成された本実施形態の線形摩擦接合装置10では、動翼保持部50に保持させた動翼5の接合面5aを、ディスク保持部30に保持したディスク3の周面3aに当接させる。そして、荷重付与部40によりディスク3を動翼5の接合面5aに押し付けつつ動翼5を振動付与部70により翼弦方向Xに往復移動(振動)させる。これにより、動翼5の接合面5aがディスク3の周面3aに摩擦接合される。
以上の作業を、ディスク保持部30のロータリーアクチュエータ31によりディスク3を動翼5の立設間隔ずつ回転させつつ繰り返す。そして、ディスク3の周面3aに必要数の動翼5を摩擦接合することで、ディスク3と動翼5とを一体化した一体型翼車1が完成する。
次に、制御部80が行う振動付与部70の駆動制御の詳細について説明する。図3は、動翼保持部50に保持された動翼5の往復移動を振動付与部70の不図示のアクチュエータが停止させる場合の動翼5の移動量を時系列で示したグラフであり、(a)は一般的な波形の駆動信号を用いたフィードバック制御により振動付与部70を駆動して動翼5の往復移動を停止させる場合、(b)は制御部80が停止指令以前の通常駆動信号を用いた制御から停止指令以降の停止時駆動信号を用いた制御に切り替えて振動付与部70を駆動し動翼5の往復移動を停止させる場合をそれぞれ示す。
ここで、図3(a),(b)に示す動翼5の減速時(往復移動の停止時)において、動翼5の往復移動の停止指令の発生時から、振動付与部70による動翼5の往復移動が実際に停止する(図3(a),(b)の波形の振幅Wが「ゼロ」になる)までの期間を比較する。各図の波形から明らかなように、動翼5の往復移動の停止指令が発生してから実際に動翼5が停止するまでの期間は、一般的なフィードバック制御で動翼5の往復移動量を徐々に減らす場合よりも、本実施形態の制御部80のように非フィードバック制御で駆動信号の波形通りに往復移動量を制御する方が、遙かに短い。
図4は、図3(b)に示すパターンで動翼5を往復移動及び停止させるために制御部80が振動付与部70の駆動に用いる通常駆動信号及び停止時駆動信号を示す説明図である。
図4中に示す、通常駆動信号を用いたフィードバック制御による振動付与部70の不図示のアクチュエータの駆動中に、停止指令が発生すると、制御部80は、往復移動の半周期以内の、動翼5が往復移動のピーク点に達する切替時点Aにおいて、振動付与部70のアクチュエータの駆動を、通常駆動信号を用いたフィードバック制御から、停止時駆動信号を用いた非フィードバック制御に切り替える。停止時駆動信号は、図4に示すように、上記した切替時点Aから往復移動の1/4周期が過ぎた往復移動の中点までで、振動付与部70乃至動翼5の移動を減速、停止させる波形の信号である。
なお、当然ながら停止時駆動信号は、これを用いた制御で振動付与部70の不図示のアクチュエータを駆動させた場合に、振動付与部70乃至動翼5が慣性で停止できず振動付与部70のアクチュエータを制御部80が制御できなくなることがないような波形とする。
上述した切替時点A以降は制御部80が制御に用いる駆動信号を通常駆動信号から停止時駆動信号に切り替えるので、振動付与部70は停止時駆動信号の波形通りに移動し、切替時点Aから往復移動の1/4周期分移動する間に減速、停止する。
このように、本実施形態の制御部80が行う切替時点A以降の制御では、動翼5の往復移動の停止指令の発生から動翼5の往復移動が実際に停止するまでの期間が非常に短くなり、そのため期間が特定しやすくなる。このため、動翼5のディスク3に対する摩擦接合量を目標の値として動翼5を目標の翼長とするための、動翼5の往復移動の停止タイミングから、動翼5の往復移動の停止指令を発生させるタイミングを逆算して特定することが容易になる。
よって、ディスク3に対して動翼5を往復移動させて線形摩擦接合する際に、ディスク3に対する動翼5の往復移動の停止指令をどのタイミングで発生させれば、動翼5が目標の翼長となったタイミングでディスク3に対する往復移動がちょうど停止するかを、特定しやすくすることができる。
これにより、動翼5の往復移動の停止指令から動翼5の往復移動が実際に停止するまでの間に、動翼5がどれだけ摩擦接合されて動翼5の翼長がどれだけ短くなるかを、一義的に特定しやすくすることができる。
したがって、動翼5の往復移動による摩擦接合量や動翼5の翼長の変化を容易に特定できるようにして、停止指令の発生後に動翼5の往復移動を、動翼5が目標の翼長となったタイミングで停止させることができる。
なお、振動付与部70乃至動翼5の往復移動を停止させるのは、動翼5の往復移動の停止指令が発生した時点から、例えば往復移動の一周期等の所定期間が経過した後のタイミングを含む、往復移動の一往復の期間中とするのが好ましい。また、これに合わせて、振動付与部70の駆動信号を通常駆動信号から停止時駆動信号に切り替える切替時点Aを決定すればよい。
より好ましくは、動翼5の往復移動の停止指令が発生した時点から動翼5が一周期(一往復)往復移動するまでの間に、振動付与部70乃至動翼5の往復移動を停止させるのがよい。さらに好ましくは、本実施形態のように、動翼5が、往復移動の停止指令の発生後に最初に往復移動のピーク点に達してからさらに1/4周期分移動し、往復移動の中点に到達したところで、振動付与部70乃至動翼5の往復移動を停止させるのがよい。
また、停止指令の発生から一往復以内に動翼5の往復移動が停止するのであれば、停止時駆動信号を用いた制御を非フィードバック制御でなくフィードバック制御としてもよい。
なお、本実施形態では、動翼5を根元からディスク3の周面3aに摩擦接合して一体型翼車1を新しく製造する場合について説明した。しかし、本発明は、既に形成された一体型翼車1の一部欠けた動翼5を修理する際に、動翼5の一部欠けた部分を切除し補修用の翼部を接合する際にも、利用することができる。
また、本実施形態では、ディスクの周面に摩擦接合するのが、ディスクと共に回転する動翼である場合について説明した。しかし、本発明は、静翼のように回転しない翼とディスクとを一体化したブリスクを摩擦接合により製造する際にも適用可能である。
さらに、本実施形態では、振動付与部70の不図示のアクチュエータを、停止指令の発生後に制御部80が停止時駆動信号を用いて駆動制御することで、停止指令の発生時点から動翼5が翼弦方向Xに一往復するまでの期間中に動翼5の往復移動を停止させる構成とした。したがって、本実施形態では、制御部80が請求項中の停止手段に相当することになる。
しかし、請求項中の停止手段は、例えばメカニカルブレーキによって構成することもできる。その場合には、停止指令の発生時点でメカニカルブレーキを作動させ、メカニカルブレーキが動翼保持部50の例えばベースブロック51に作用させる制動力によって、停止指令の発生時点から動翼5が翼弦方向Xに一往復するまでの期間中に、動翼5の往復移動を停止させることになる。
また、本発明は、動翼や静翼のディスクと翼とを線形摩擦接合する場合に限らず、一方の部材を他方の部材に摩擦接合する際に広く適用可能である。そして、線形摩擦接合に本発明を適用する場合は、上述した実施形態のように、摩擦接合する2つの部材が相対的に一往復移動する間に両者の相対移動を停止させることになる。また、摩擦接合する2つの部材を相対的に回転移動させる回転式摩擦接合に本発明を適用する場合は、2つの部材が相対的に一回転する間に両者の相対移動を停止させることになる。
1 一体型翼車
3 ディスク
3a 周面
5 動翼
5a 接合面
5b 保持部
5c フランジ部
10 線形摩擦接合装置
20 ベース部
21 ガイドレール
30 ディスク保持部
31 ロータリーアクチュエータ
40 荷重付与部
50 動翼保持部
51 ベースブロック
52 メインブロック
53 サブブロック
60 軸受部
70 振動付与部
80 制御部
A 切替時点
W 振幅
X 翼弦方向

Claims (5)

  1. 一方の部材を他方の部材に当接させた状態でそれらを同一軌跡上で繰り返し相対移動させて、前記一方の部材を前記他方の部材に摩擦接合する摩擦接合装置であって、
    前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動の停止指令にしたがって、該停止指令の発生から前記一方の部材が前記他方の部材に対して前記軌跡を一回相対移動するまでの期間中に前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動を停止させる停止手段を備える、
    ことを特徴とする摩擦接合装置。
  2. 前記停止手段は、アクチュエータの駆動による前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動の停止指令が発生した際に、該停止指令の発生から所定期間後のタイミングを含む、前記一方の部材の前記他方の部材に対する前記軌跡の一回分の相対移動の期間中に、前記一方の部材の前記他方の部材に対する相対移動を停止させる停止時駆動信号を用いて、前記アクチュエータの駆動を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の摩擦接合装置。
  3. 前記制御手段は、前記停止指令の発生時に、前記アクチュエータの駆動制御を、前記一方の部材の前記他方の部材に対して前記軌跡上で繰り返し相対移動させるための通常駆動信号を用いた制御から、前記停止時駆動信号を用いた制御に切り替えることを特徴とする請求項2記載の摩擦接合装置。
  4. 前記所定期間は、前記停止指令の発生から前記一方の部材が前記他方の部材に対して前記軌跡上で一回相対移動するまでの期間であることを特徴とする請求項2又は3記載の摩擦接合装置。
  5. 前記一方の部材は、ディスクと翼とを一体化した一体型翼車における、少なくとも前記ディスクを含むディスク側部分を除いた翼側部分であり、前記他方の部材は、前記翼側部分を当接させた状態で該翼側部分の翼弦方向に前記翼側部分を往復移動させることで該翼側部分が摩擦接合される前記ディスク側部分であり、前記停止手段は、前記翼側部分の往復移動の停止指令にしたがって、該停止指令の発生から前記翼側部分が前記往復移動を一往復するまでの期間中に前記翼側部分の往復移動を停止させることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の摩擦接合装置。
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