JP2015164406A - ライフサイエンス用容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、凹部を有する樹脂容器と、上記樹脂容器の上記凹部内の表面に貼付された水接触角調整層と、を有し、上記水接触角調整層がモスアイ構造を有する水接触角調整部を有することを特徴とするライフサイエンス用容器を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1
Description
また、マイクロメートルオーダーの幅の流路を有し、マイクロ流路が合流したり、分岐したりする構造を有するマイクロ流路に微量の溶液を流して、化合物の合成や検出、分離、精製、分析、評価等が試みられている。
また、化合物の検出等に用いた場合、容器を構成する樹脂によっては目的とする化合物等が容器表面に吸着することにより、化合物等の検出や評価を精度良く行うことができないといった問題がある。
さらに、マイクロ流路に用いた場合、容器を構成する樹脂とマイクロ流路に流す溶液との親和性が低い場合には、マイクロ流路と溶液との間に気泡が発生するといった問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、水接触角の調整が容易であり、かつ、水接触角の長期間維持が可能なライフサイエンス用容器を提供することを主目的とする。
また、上記水接触角調整層に含まれる水接触角調整部がモスアイ構造を有するものであることにより、水接触角の調整が容易であり、かつ、水接触角の長期間維持が可能なものとすることができる。
以下、本発明のライフサイエンス用容器について詳細に説明する。
なお、この例においては、水接触角調整層2は、表面の全面に水接触角調整部2Hを有するものである。また、樹脂容器1は1つの凹部11を有するものであり、凹部の底面および側面1aが水接触角調整部2Hにより覆われているものである。
また、上記水接触角調整部は、モスアイ構造を有するため、水接触角を水接触角調整層を構成する材料およびモスアイ構造の両者により調整することができる。
この理論について、水接触角を小さくする、つまり、親水化する場合について説明する。
すなわち、平坦な層を形成したときの層表面における水接触角が90°未満となる材料では、表面積を大きくすることで親水化することができる。図10にWenzel理論図の一例を示す。図中の表面積率γは微細加工による表面積の増加率である。例えば、平坦な層を形成したときの層表面における水接触角が70°の場合、表面積率γが1.5のときは水接触角は60°に変化し、表面積率γが3.5のときは水接触角は5°以下に変化する。
また、水接触角を大きくする、つまり、疎水化する場合も同様に、平坦な層を形成したときの層表面における水接触角が90°より大きくなる材料を用いた場合、表面積を大きくすることで疎水化することができる
また、モスアイ構造では表面積率γが大きいため、水接触角を十分に小さくすることや大きくすることが容易であり、水接触角の調整効果が顕著に発揮される。
このため、例えば、UV照射等により水接触角を調整したもの等と比較して、所定の水接触角の長期間維持が可能となり、水接触角の調整を行った後から使用するまでの間、さらには使用中の水接触角の経時変化を抑制できる。
また、化合物等の吸着を安定的に抑制できることにより、化合物等の検出や評価を精度良く行うことが可能となる。
さらに、樹脂容器の凹部に溜める溶液または流す溶液との親和性が良好な状態を安定的に維持することができる。このため、凹部と溶液との間の気泡発生を長期間抑制でき、凹部に溜める溶液の液量変化および凹部に流す溶液の流量変化を抑制できる。このため、細胞の培養や、化合物の合成や分離等を精度良く行うことができる。
このように、細胞培養や化合物の合成等のライフサイエンス分野に適用することにより、水接触角の調整が容易であり、かつ、水接触角の長期間維持が可能であるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるのである。
より具体的には、細胞の培養、検出、分離、精製、分析および評価や、生体分子を含む化合物の合成、検出、分離、精製、分析および評価等に用いられるものをいうものである。
以下、本発明のライフサイエンス用容器の各構成について詳細に説明する。
本発明における樹脂容器は、凹部を有するものである。
既に説明した図1および図2は、平面視形状が円形状である場合の一例を示すものである。また、図3および図4は、2つの円形状の凹部がマイクロ流路に用いられるようなライン状の凹部により結合された形状である場合の一例を示すものである。
なお、図3および図4中の符号については、図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
なお、既に説明した図1〜図4は、凹部の底面の形状が平坦状である場合の一例を示すものである。また、図5は、凹部の底面にさらに凹部が形成され、断面視上階段状に形成された凹部を有する場合の一例を示すものである。
なお、図5中の符号については、図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
なお、上記凹部の深さは、凹部の最も深い箇所から、凹部の側面の頂点、すなわち、凹部に最も多く収納物を収納した際に収納物と接する側面の最大高さまでの距離をいうものであり、具体的には図2、図4および図5中のaで示される距離をいうものである。また、既に説明した図5のように凹部内の内面に凹部が形成され、凹部が断面視上階段状に形成されたものである場合には、各段の深さaで示される距離をいうものである。
このような樹脂系材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等を好適に用いることができ、なかでも、ポリスチレン樹脂であることが好ましい。ライフサイエンス用途の容器に広く用いられているからである。
なお、本発明においては、上記樹脂系材料の2以上を組み合わせて用いても良い。
本発明における水接触角調整層は、水接触角調整部を含むものである。
上記水接触角調整部は、モスアイ構造を有する領域であり、水接触角調整層の表面に形成される領域である。また、上記凹部内の表面の少なくとも一部を覆うものである。
また、上記樹脂容器の凹部内とは異なる水接触角を有するものであり、本発明のライフサイエンス用容器の凹部内に露出するように形成されるものである。
モスアイ構造を構成する微細突起の形状は、上述のように、微細突起の底部から頂部に向かうに従って、水平断面の断面積が徐々に小さくなる形状である。微細突起の底部から頂部に向かうに従って、水平断面の断面積が徐々に小さくなるとは、微細突起の高さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における微細突起の断面積占有率が、微細突起の底部から頂部に近づくに従い連続的に漸次減少することをいい、すなわち微細突起が先細りとなることをいう。このような微細突起の形状の具体例としては、半円状、半楕円状、三角形状、放物状、釣鐘状等の垂直断面形状を有するものが挙げられる。複数の微細突起は、同一の形状を有していてもよく異なる形状を有していてもよい。
なお、図6中の符号については、図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
なお、隣接突起間距離dにはばらつきがあってもよい。ここで、隣接突起間距離dとは、図6(a)、(b)に示すような隣接する微小突起2aの頂部から頂部までの距離をいう。
なお、微細突起の高さHにはばらつきがあってもよい。ここで、微細突起の高さHとは、図6(a)、(b)に示すような微小突起2aの付け根位置から頂部までの距離をいう。
(1)まず、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)または走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて微細突起の面内配列(微細突起配列の平面視形状)を検出する。
(2)続いて、この求められた面内配列から各微細突起の高さの極大点(以下、単に極大点と称する。)を検出する。なお、極大点を求める方法としては、平面視形状と対応する断面形状の拡大写真とを逐次対比して極大点を求める方法、平面視拡大写真の画像処理によって極大点を求める方法等、種々の手法を適用することができる。
(3)次に、検出した極大点を母点とするドロネー図(Delaunary Diagram)を作成する。ここで、ドロネー図とは、各極大点を母点としてボロノイ分割を行った場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分で結んで得られる三角形の集合体からなる網状図形である。各三角形は、ドロネー三角形と呼ばれ、各3角形の辺(隣接母点同士を結ぶ線分)は、ドロネー線と呼ばれる。
(4)次に、各ドロネー線の線分長の度数分布、すなわち隣接する極大点間の距離(隣接突起間距離)の度数分布を求める。
(5)このようにして求めた隣接突起間距離dの度数分布から平均値dAVGおよび標準偏差σを求める。
例えば、足場依存性細胞を安定的に接着させる観点からは、35°〜110°の範囲内とすることが好ましく、足場依存性細胞が筋芽細胞等である場合には、40°〜60°の範囲内であることが好ましく、足場依存性細胞が内皮細胞等である場合には、40°〜100°の範囲内であることが好ましい。
浮遊性細胞の接着を抑制し安定的な浮遊状態で培養する観点、および足場依存性細胞の接着を阻害する観点からは、35°未満とすることが好ましく、浮遊性細胞が受精卵等である場合には、5°〜25°の範囲内であることが好ましく、浮遊性細胞が昆虫細胞(血球系細胞、卵巣)等である場合には、5°以上35°未満の範囲内であることが好ましい。
また、水を主成分とする水性媒体との間の気泡抑制を目的とする場合には、30°以下であることが好ましく、なかでも20°以下であることが好ましい。
なお、水を主成分とするとは、水の全溶媒中の含有量が70質量%以上であるものをいうものである。
また、モスアイ構造の表面における水接触角は、通常3°以上である。
また、静的接触角は、水接触角調整層を形成する材料および水接触角調整部のモスアイ構造の形状等を変更することにより、調整することができる。
また、図8に例示するように異なる水接触角を有するように微細突起の形状等の異なる水接触角調整部(2H−1および2H−2)をパターン状に有するものであっても良い。
なお、図7および図8中の符号については、図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、凹部が樹脂容器に複数設けられている場合には、そのうちの1の凹部内の表面の少なくとも一部を覆うように貼付されるものであれば良いものである。
本発明においては、なかでも、上記凹部内の側面が上記水接触角調整部により覆われていることが好ましい。水接触角調整層が樹脂容器とは別体として設けられることにより、例えば、賦型やフォトリソグラフィ―法等により凹部内の側面に対してモスアイ構造を形成する場合と比較して、容易に凹部内の側面に対して水接触角調整部を形成できる。このため、水接触角の調整が容易であり、かつ、水接触角の長期間維持が可能であるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
本発明における水接触角調整層は上記樹脂容器上に貼付されるものである。
上記水接触角調整層形成用材料としては、金属材料、無機材料および樹脂材料のいずれ用いることができる。また、これらの材料を組み合わせたものであっても良い。本発明においては、なかでも、樹脂材料であることが好ましい。上記モスアイ構造の形成が容易だからである。
上記樹脂としては、なかでも成形性および機械的強度に優れる点から電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離放射線硬化性樹脂とは、分子中にラジカル重合性やカチオン重合性結合を有する単量体または重合体を適宜混合したものであり、適宜重合開始剤を用いて電離放射線により硬化されるものである。また、成形性に優れるとは、所望の形状に精度良く成形できることをいう。
本発明においては、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系の電離放射線硬化性樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、さらに、アクリロイル基やメタクリロイル基を有するアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、特に、紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
ここで、Wenzel理論によれば上記水接触角調整部の水接触角を90°未満とする場合には、水接触角調整層形成用材料を用いて平坦な水接触角調整層形成用材料層を形成したときの水接触角調整層形成用材料層表面における水接触角が90°未満のものであれば良く、また、上記水接触角調整部の水接触角を90°より大きくする場合には、90°より大きなものであれば良いが、このような表面積を大きくすることによる親水化または疎水化の限界点となる水接触角は表面の凹凸形状等によっても影響を受ける。本発明における水接触角調整部のようなモスアイ構造の表面では、実験的に、水接触角調整層形成用材料層表面における水接触角が75°近傍に親水化または疎水化の限界点となる水接触角が存在する。このため、上記水接触角調整部の水接触角を75°以下とする場合には水接触角調整層形成用材料層表面における水接触角が75°以下であることが好ましく、上記水接触角調整部の水接触角を75°より大きくする場合には75°より大きいことが好ましい。
より具体的には、水接触角調整部の水接触角を5°〜75°の範囲内とする場合には、上記水接触角調整層形成用材料の水接触角は、40°〜75°の範囲内であることが好ましく、なかでも、40°〜60°の範囲内であることが好ましい。
また、水接触角調整部の水接触角を100°〜120°の範囲内とする場合には、上記水接触角調整層形成用材料の水接触角は、75°より大きく90°以下であることが好ましく、なかでも、80°〜90°の範囲内であることが好ましい。
上記水接触角調整部を所望の水接触角を有するものとすることが容易だからである。
ここで、水接触角調整層が樹脂材料を硬化させてなるものである場合、上記の水接触角調整層形成用材料層の表面における水接触角は、樹脂材料を硬化させて平坦な水接触角調整層形成用材料層を形成したときの水接触角調整層形成用材料層の表面における水接触角である。例えば樹脂材料が電離放射線硬化性樹脂を含むものである場合には、電離放射線の照射により硬化させたものの水接触角をいうものであり、熱可塑性樹脂を含むものである場合には、室温である25℃まで冷却し硬化させたものの水接触角をいうものである。
例えば、上記水接触角調整部を含む層と、樹脂容器側に形成され、樹脂容器との密着性を向上させる中間層と、を有するものとすることができる。
なお、上記水接触角調整層の厚みは、上記樹脂容器の表面から上記水接触角調整層表面までの距離のうち最も長い距離をいうものである。
具体的には図6中のTで示されるように、樹脂容器表面から微細突起2aの頂部までの樹脂容器表面に対する垂直方向の距離を意味するものである。
本発明においては、なかでも、既に説明した図1および図2に示すように、上記樹脂容器を横断するような箇所、すなわち、樹脂容器の外周端と、その外周端から最も遠い箇所の外周端との間を直線的に結ぶように形成されることが好ましい。射出成型法により、本発明のライフサイエンス用容器を形成する場合、樹脂容器を形成するための上型および下型の間に水接触角調整層をロールトゥロールで配置することが可能となる等、上記水接触角調整層の樹脂容器への貼付が容易となるからである。
具体的には、支持基材上に、樹脂材料を滴下した後、樹脂材料にモスアイ構造形成用原版を押し付けて、モスアイ構造を形成するモスアイ構造形成工程と、上記モスアイ構造形成用原版を剥離する剥離工程とを有する方法を挙げることができる。
上記樹脂材料を支持基材上に滴下する方法としては、所定の領域に樹脂材料を滴下することができる方法であればよく、例えば、インクジェット法、ディスペンサーを用いる方法等の吐出法が挙げられる。
樹脂材料の硬化方法は、樹脂材料の種類等に応じて適宜選択することができる。
本発明のライフサイエンス用容器は、樹脂容器と、水接触角調整層と、を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。
このような他の構成としては、例えば、樹脂容器を覆うように配置される蓋部等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、射出成型法を用いることが好ましい。より具体的には、図9に例示するように、水接触角調整層形成用フィルム2´を上型21aおよび下型21bの間に配置した後(図9(a))、両金型(21aおよび21b)を密着させ、溶融状態の樹脂容器形成用材料1´を射出し(図9(b))、固化させた後、両金型(21aおよび21b)を取り外すことにより、ライフサイエンス用容器10を得ることが好ましい(図9(c))。樹脂容器の内面側に水接触角調整層が貼付された本発明のライフサイエンス用容器を容易に得ることができるからである。また、型に沿って水接触角調整層を変形させつつ樹脂容器と密着させることができるため、樹脂容器の凹部の側面が上記水接触角調整部により覆われるように、水接触角調整層を貼付することを容易に行うことができるからである。
また、マイクロ流路は、マイクロメートルオーダーの幅の流路(凹部)を有し、マイクロ流路に沿って、微量の溶液を流動させることができるものである。また、マイクロ流路が合流したり、分岐したりする構造を有するものである。
細胞培養容器としては、一般的に細胞培養用途に用いられる容器を挙げることができ、具体的には、細胞培養用のディッシュ、フラスコさらには複数の凹部を有するマルチウェルプレート等を挙げることができる。
また、浮遊性細胞としては、血球系細胞やリンパ系細胞や受精卵等を挙げることができる。
(1)モスアイ構造形成用原版の作製
純度99.50%の圧延されたアルミニウム板を、研磨後、0.02Mシュウ酸水溶液の電解液中で、印加電圧40V、20℃の条件にて100秒間、陽極酸化を実施した。次に、第一エッチング処理として、陽極酸化後の電解液で50秒間エッチング処理を行った。続いて、第二エッチング処理として、1.0Mリン酸水溶液で120秒間孔径処理を行った。さらに、上記処理を繰り返し、これらを合計5回追加実施した。これにより、アルミニウム基板上に微小孔が密に形成された陽極酸化アルミニウム層が形成された。最後にフッ素系離型剤を塗布し、余分な離型剤を洗浄することで、モスアイ構造形成用原版を得た。
なお、モスアイ構造形成用原版のアルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、平均隣接微小孔間距離100nm、平均深さ160nmであった。また、頂点を複数有する微小突起となるような微小孔が一部存在しており、一部の微小孔に深さのばらつきがある形状であった。
支持基材上に、下記組成のUV硬化性樹脂組成物をインクジェット法によって滴下した。次に、UV硬化性樹脂組成物にモスアイ構造用原版Aを押し付け、支持基材側よりUV光(波長365nm)を照射して、UV硬化性樹脂組成物を完全に硬化し、原版Aを剥離して水接触角調整層を形成した。水接触角調整層の厚みは5μmであり、表面にはモスアイ構造が形成されていた。モスアイ構造は隣接する突起間の距離の平均値が100nm、平均突起高さが160nmであった。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 70質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート 30質量部
・ジフェニル(2,4,6-トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
UV硬化性樹脂組成物を、INS−3N(十条ケミカル株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様にして水接触角調整層を得た。
モスアイ構造を形成せず、平坦な膜状に形成した以外は実施例1と同様にして水接触角調整層を得た。
モスアイ構造を形成せず、平坦な膜状に形成した以外は実施例2と同様にして水接触角調整層を得た。
協和界面科学社製 接触角計(DM 500)を使って、θ/2法によって静的接触角を測定した。この際、着滴1秒後および10秒後に接触角を測定した。結果を下記表1に示す。
また、接触角の測定は、モスアイ構造の形成の直後、2週間後および6ヵ月後に実施した。
実施例で得られた水接触角調整層は6ヵ月後でも水接触角が変化しなかった。
2 … 水接触角調整層
2H … 水接触角調整部
10 … ライフサイエンス用容器
11 … 凹部
Claims (6)
- 凹部を有する樹脂容器と、
前記樹脂容器の前記凹部内の表面に貼付された水接触角調整層と、
を有し、
前記水接触角調整層がモスアイ構造を有する水接触角調整部を有することを特徴とするライフサイエンス用容器。 - 前記水接触角調整部の水接触角が35°〜110°の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のライフサイエンス用容器。
- 前記水接触角調整部の水接触角が35°未満であることを特徴とする請求項1に記載のライフサイエンス用容器。
- 前記凹部内の側面が、前記水接触角調整部により覆われていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のライフサイエンス用容器。
- 前記水接触角調整層が、前記樹脂容器を横断するように貼付されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のライフサイエンス用容器。
- 前記ライフサイエンス用容器が、マイクロ流路、ディッシュまたは細胞培養容器に用いられることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のライフサイエンス用容器。
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