JP2015163916A - 採光パネル - Google Patents

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口 幸 夫 谷
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Abstract

【課題】採光効率の低下を抑制しながら、表示面の視認性を確保することが可能な採光パネルを提供する。【解決手段】採光パネル10は、一軸方向に配列された複数の単位レンズ30と、複数の単位レンズ30に対応して配列された複数の表示要素50と、を備える。表示要素50は、当該表示要素50に対応する単位レンズ30に対向して位置する表示面51を有する。或る方向から単位レンズ30に入射した光L22は、隣り合う2つの表示要素50の間に位置する光透過領域60を通過し、或る方向とは異なる別の方向L23から単位レンズ30を観察すると、表示面51が観察される。【選択図】図2

Description

本発明は、或る方向から入射した光を採光し、前記或る方向とは異なる別の方向から観察したときに表示面が観察される採光パネルに関する。
建物に入射する太陽光を屋内に取り込む採光部材では、採光部材を観察する観察者に対して、所定の表示機能を発揮することが求められる場合がある。例えば特許文献1には、窓板に所定の表示機能を発揮する表示面を持つ表示シートを貼り付けた採光部材が記載されている。この表示面には、例えば、建屋名称、店舗名称、商品広告及び公共メッセージが表示される。特許文献1に記載の採光部材では、不透明な表示シートを窓板に部分的に設けることにより、表示シートが設けられていない窓板の領域から、太陽光を採光することができる。
ところが、特許文献1に記載の採光部材では、表示シートが設けられた窓材の領域からは太陽光を採光することができないことから、採光機能と表示機能との両立は難しい。そこで、より多くの光を屋内に取り込むべく、表示シートを半透明にして、表示シートを透過した一部の太陽光をさらに取り込む工夫や、表示シートに複数の微細な開口を設けて、表示シートの開口を透過した太陽光をさらに取り込む工夫もなされている。
特開2007−219331号公報
しかしながら、表示シートを半透明にした場合、あるいは、表示シートに複数の微細な開口を設けた場合には、表示面全体の平均反射率が低下し、観察者にとって表示面が暗く観察される。また、表示面を介して屋内が透けて視えるため、表示面をはっきりと視認し難い。そこで、表示面全体の平均反射率を高めるべく、表示シートの透明度を調整したり、表示シートに設ける微細な開口が表示シートに占める割合を調整することも考えられる。しかしながら、表示シートの透明度を高めたり、微細な開口が表示シートに占める割合を高めると、その分、採光量が低下しまう。具体的には、表示面全体の平均反射率をT%とすると、採光量は(100−T)%以下となる。このように、従来において、より多くの光を取り込みながら、表示面の視認性を確保することが可能な採光部材は知られていない。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、より多くの光を取り込みながら、表示面の視認性を確保することが可能な採光パネルを提供することを目的とする。
典型的な従来の採光部材は、どの方向から入射する太陽光もその一部を取り込むことができ、どの方向から観察されても表示面を観察することが可能である。しかしながら、太陽光は、鉛直方向において上方に傾斜した方向から降り注ぎ、その入射方向が限られている。また、観察者からの観察方向は、外光の入射方向とは異なる方向となるのが通常である。そこで、本件発明者らは、外光の入射範囲と観察者からの観察範囲との相違に着目して、上記の課題を有効に解決する採光パネルを想到するに至った。
すなわち、本発明による採光パネルは、少なくとも一軸方向に配列された複数の単位レンズと、
前記複数の単位レンズに対応して配列された複数の表示要素と、を備え、
前記表示要素は、当該表示要素に対応する単位レンズに対向して位置する表示面を有し、
或る方向から前記単位レンズに入射した光は、隣り合う2つの前記表示要素の間に位置する光透過領域を通過し、前記或る方向とは異なる別の方向から前記単位レンズを観察すると、前記表示面が観察される。
本発明による採光パネルにおいて、前記表示要素と前記光透過領域とが、前記一軸方向に沿って交互に並べて配列されていてもよい。
本発明による採光パネルにおいて、各表示面は、当該採光パネルの法線方向に対して傾斜していてもよい。
本発明による採光パネルにおいて、各表示面は、当該採光パネルの法線方向に対して直交していてもよい。
本発明による採光パネルにおいて、各表示要素の前記表示面の前記一軸方向において一側に位置する端部は、当該表示要素に対応する単位レンズの先端よりも前記一軸方向において一側に位置し、
各表示要素の前記表示面は、前記一軸方向において一側に位置する端部が、前記一軸方向において他側に位置する端部よりも、前記採光パネルの法線方向において前記単位レンズに近接するように、前記採光パネルの法線方向に対して傾斜していてもよい。
本発明による採光パネルにおいて、前記表示要素を基準として前記単位レンズとは反対となる側に、前記光透過領域を通過した光の進行方向を変更させる偏向要素をさらに備えてもよい。
本発明による採光パネルにおいて、前記表示要素を基準として前記単位レンズとは反対となる側に、前記光透過領域を通過した光を散乱させる光散乱層をさらに備えてもよい。
本発明による採光パネルにおいて、前記複数の単位レンズは、前記一軸方向に互いから離間して配列され、前記一軸方向に隣り合う二つの単位レンズの間に、前記単位レンズとともに採光パネルの面をなす接続面が設けられていてもよい。
本発明による採光パネルにおいて、前記表示要素は、前記表示面が形成された面とは反対側となる面に、反射面を有していてもよい。
本発明による採光パネルにおいて、各表示要素の表示面に、表示対象要素が付与され、各表示要素の表示面に付与された前記表示対象要素の組み合わせによって、表示対象が形成されてもよい。
本発明によれば、より多くの光を取り込みながら、表示面の視認性を確保することが可能となる。
図1は、本発明による第1の実施の形態を説明するための図であって、採光パネルを示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、採光パネルの表示要素の光学機能を説明するための図である。 図4は、図2と同様の断面において、表示要素の光学機能を説明するための図である。 図5は、図2と同様の断面において、光透過領域の光学機能を説明するための図である。 図6は、採光パネルの製造方法を説明するための図である。 図7は、採光パネルの製造方法を説明するための図である。 図8は、採光パネルの製造方法を説明するための図である。 図9は、図2に対応する断面図であって、採光パネルが偏向要素をさらに備える例を説明するための図である。 図10は、図2に対応する断面図であって、採光パネルが光散乱層をさらに備える例を説明するための図である。 図11は、図2に対応する断面図であって、表示面の他の配置例を説明するための図である。 図12は、採光パネルの一変形例を説明するための図であって、表示面のさらに他の配置例を示す平面図である。 図13は、本発明による第2の実施の形態を説明するための図であって、採光パネルを示す断面図である。 図14は、図13と同様の断面において、表示要素の光学機能を説明するための図である。 図15は、図13と同様の断面において、光透過領域の光学機能を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
≪第1の実施の形態≫
図1〜図8は、本発明の第1の実施の形態を説明するための図である。このうち図1及び図2は、採光パネル10を示す斜視図または縦断面図であり、図3〜図5は、採光パネル10が発現する光学機能を説明するため図であり、図6〜図8は、採光パネルの製造方法の一例を説明するための図である。
ここで説明する採光パネル10は、外光を採光する機能と所定の表示機能とを発揮する。図1及び図2に示すように、採光パネル10には、所定の表示機能を発揮する表示面51と、隣り合う2つの表示面51の間に位置し、外光を採光する機能を発揮する光透過領域60と、が設けられている。また、採光パネル10は、第1軸方向d1に配列された複数の単位レンズ30を有している。この単位レンズ30は、採光パネル10に入射する光または採光パネル10から出射する光に対してレンズ機能を発現し、当該光の進行方向を調整する。単位レンズ30は、或る角度範囲AR1内の方向から入射した光を光透過領域60を通過させて屋内に取り込み、或る角度範囲AR2内の方向から入射した光を表示面51に導く。つまり、光透過領域60は、第1角度範囲AR1から採光パネル10へ入射する光に対して採光機能を発揮する。表示面51は、第2角度範囲AR2から採光パネル10を観察する観察者に対して表示機能を発揮する。つまり、表示面51から単位レンズ30に向かい第2角度範囲AR2へ向けて当該単位レンズ30から出射する光によって表示機能が発揮される。
そして、ここで説明する採光パネル10では、表示面51及び光透過領域60からの光学機能が連続して発現されるようになる角度範囲を、すなわち、第1角度範囲AR1及び第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整し得るようにするための工夫がなされている。この結果、表示面51及び光透過領域60での光学機能が安定して発揮され、採光パネル10が有効に機能するようになる。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。一具体例として、「光制御シート」には、「光制御フィルム」や「光制御板」等と呼ばれる部材も含まれる。
また、本明細書において、「シート面(フィルム面、板面、パネル面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。以下に説明する実施の形態においては、採光パネル10のパネル面、後述する光制御シート20のシート面、光制御シート20の後述する本体部40のシート面、並びに、後述する採光面61は、互いに並行となっている。さらに、本明細書において、シート状(フィルム状、板状、パネル状)の部材に対して用いる「法線方向」とは、当該部材のシート面への法線方向のことを指す。
以下、本実施の形態による採光パネル10の構成および作用効果について詳述していく。図1および図2によく示されているように、採光パネル10は、その内部に複数の表示面51及び複数の光透過領域60が配置された光制御シート20を備えている。光制御シート20は、採光パネル10の表面10a及び裏面10bを形成している。表面10aは、採光パネル10へ入射する太陽光等の外光等の入射面をなす。また、表面10aは、表示機能を発揮する表示面51からの光が採光パネル10から出射する出射面をなす。
光制御シート20は、シート状の本体部40と、本体部40上に支持されたレンズ部25と、を有している。レンズ部25は、第1軸方向d1に配列された多数の単位レンズ30を含んでいる。多数の単位レンズ30は、その光軸odが互いに平行となるようにして、並べられている。とりわけ図示された例において、単位レンズ30は、その光軸odが、採光パネル10の法線方向ndと平行となるよう配置されている。また、第1軸方向d1は、採光パネル10のパネル面に沿っており、採光パネル10の法線方向ndに直交している。なお、図示された例において、採光パネル10は、第1軸方向d1が鉛直方向と平行になるようにして配置されており、採光パネル10の法線方向ndは、水平方向と平行になっている。
レンズ部25は、図1に示すように、いわゆるレンチキュラーレンズ又はシリンドリカルレンズを構成している。すなわち、各単位レンズ30は、その配列方向である第1軸方向d1に対して交差する方向に線状に延びている。とりわけ図示された例において、単位レンズ30は、第1軸方向d1及び法線方向ndの両方と直交する第2軸方向d2に、直線状に延びている。また、レンズ部25に含まれる複数の単位レンズ30は、互いに同一に構成されている。
単位レンズ30は、凸レンズ状のレンズ面31を有し、シート状の本体部40から、採光パネルの法線方向ndに向かって突出している。このレンズ面31は、採光パネル10の表面10aをなしている。第1軸方向d1及び法線方向ndの両方に平行な図2の断面(以下においては、「主切断面」とも呼ぶ)において、レンズ面31は、光軸odを中心として対称となっている。図2に示すように、各単位レンズ30は、そのレンズ面31に入射する平行光束を、焦点fp上に集める。図2に示された焦点fpは、単位レンズ30の光軸odに沿って入射する平行光L21に対する焦点であり、したがって単位レンズ30の光軸od上に位置している。
なお、図示された例において、単位レンズ30は、互いに隙間をあけて第1軸方向d1に配列されている。すなわち、第1軸方向d1に隣り合う二つの単位レンズ30のレンズ面31の間には、当該二つのレンズ面31の対面する基端部32b間を接続する接続面38が設けられている。図示された例において、接続面38は、採光パネル10のパネル面に沿って延びている。採光パネル10の表面10aは、単位レンズ30のレンズ面31と接続面38とによって形成されている。単位レンズ30を含む光制御シート20は、一例として、金型を用いた樹脂成型によって作製され得る。接続面38を設けて、隣り合う単位レンズ30の間に隙間を設けることによって、法線方向ndに対して大きく傾斜した角度範囲からの光が単位レンズ30に入射する前にその隣の単位レンズ30で遮られてしまう問題、いわゆる「ケラレ」を減らすことができる。
なお、単位レンズ30のレンズ面31の先端部32aは、レンズ面31のうちの、採光パネル10の法線方向ndに沿って本体部40から最も突出した部分のことである。また、単位レンズ30のレンズ面31の基端部32bは、レンズ面31のうちの、採光パネル10の法線方向ndに沿って本体部40に最も接近した部分、或いは、本体部40に接続する部分のことである。
本体部40は、互いに対向する一対の主面として、第1主面40a及び第2主面40bを有している。第1主面40aは、レンズ部25と隣接する面を形成し、第2主面40bは、採光パネル10の裏面10bを形成している。
この本体部40内に複数の表示要素50が配置されている。表示要素50は、単位レンズ30に対応して、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1に配列されている。各表示要素50は、当該表示要素50が対応する一つの単位レンズ30に対向して位置する表示面51を有している。図2に示すように、各表示要素50の表示面51は、対応する単位レンズ30と法線方向ndに沿って少なくとも部分的に対面するようにして、配置されている。言い換えると、各表示要素50の表示面51は、法線方向ndからみて、対応する単位レンズ30と少なくとも部分的に重なっている。本実施の形態では、表示要素50及び当該表示要素50に含まれる表示面51は、単位レンズ30と同様に、配列方向である第1軸方向d1と交差する方向に線状に延びている。より厳密には、表示要素50及び当該表示要素50に含まれる表示面51は、単位レンズ30と同様に、第1軸方向d1と直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。なお、図示された例において、単位レンズ30に対応して多数設けられた表示要素50は、互いに同一に構成されている。
各表示要素50の表示面51は、採光パネル10のシート面に対して傾斜し、採光パネル10の法線方向nd、すなわち、対応する単位レンズ30の光軸odに対しても傾斜している。すなわち、各表示要素50の表示面51は、採光パネル10のシート面及び採光パネル10の法線方向ndのいずれとも非平行になっている。このような表示面51によれば、後述するように、表示面51からの表示機能が発現されるようになる角度範囲である第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することが可能となり、また、光透過領域60からの採光機能が発現されるようになる角度範囲である第1角度範囲AR1も、高い自由度で調整することが可能となる。
また、図2に示すように、各隣り合う2つの表示要素50の間に光透過領域60が位置している。本実施の形態では、光透過領域60は、隣り合う2つの表示要素50の間に位置する本体部40の部分によって構成されている。複数の光透過領域60は、表示要素50と同様に、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1に配列されている。したがって、複数の表示要素50と複数の光透過領域60とが、第1軸方向d1に沿って交互に並べて配列されている。本実施の形態では、各光透過領域60は、対応する単位レンズ30と法線方向ndに沿って少なくとも部分的に対面している。さらに、光透過領域60は、表示要素50に対応して、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1と交差する方向、より厳密には、第1軸方向d1と直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。
また、各光透過領域60は、本体部40の第2主面40b上に採光面61を形成している。採光面61は、第1角度範囲AR1から単位レンズ30に入射し光透過領域60を透過してきた光を、屋内に取り込む面をなす。各採光面61は、当該採光面61に対応する単位レンズ30に対向して平面状に広がっている。図示された例において、採光面61は、本体部40のシート面、言い換えると、採光パネル10のパネル面と平行に延びている。
次に、表示要素50の表示面51と単位レンズ30との配置関係について説明していく。図2に示すように、各表示要素50の表示面51は、第1軸方向d1において一側(図示する例では、図2における上側であって、鉛直方向における上側)に位置する一端部52が、第1軸方向d1において他側(図示する例では、図2における下側であって、鉛直方向における下側)に位置する他端部53よりも、採光パネル10の法線方向ndにおいて単位レンズ30に近接するように、採光パネル10の法線方向ndに対して傾斜している。したがって、表示面51の一端部52は、当該表示面51の他端部53よりも、採光パネル10の法線方向ndにおいて単位レンズ30に近接している。図2から理解されるように、このような表示面51には、法線方向ndに対して他側(下側)に傾斜した角度範囲からの光が、入射しやすくなる。したがって、表示面51からの表示機能は、法線方向ndに対して他側(下側)に傾斜した方向から観察されたときに、効果的に発揮されるようになる。
このような傾向を強化する観点から、採光パネル10の主切断面において、表示面51は、第1軸方向d1における一側(上側)から他側(下側)に向けて、段階的又は連続的に、採光パネル10の法線方向ndに沿って単位レンズ30から離間していくことが好ましい。図示された例において、表示面51は平面として形成されている。そして、図2に示された採光パネルの主切断面において、表示面51は、第1軸方向d1における一側から他側に向けて、連続的に一定の傾斜の程度で、採光パネル10の法線方向ndに沿って単位レンズ30から離間していく。このような表示面51によれば、表示面51からの表示機能が、法線方向ndに対して他側に傾斜した方向D23から観察されたときに、効果的に発揮されるようになる。
また、図2に示すように、各表示要素50の表示面51は、第1軸方向d1において一側(上側)に位置する一端部52が、当該表示要素50に対応する単位レンズ30の先端部32aよりも第1軸方向d1において一側に位置している。すなわち、各表示要素50の表示面51は、第1軸方向d1において一側(上側)に位置する一端部52が、当該表示要素50に対応する単位レンズ30の光軸odよりも第1軸方向d1において一側に位置している。上述のように、単位レンズ30のレンズ面31は、光軸odを中心として対称となっており、単位レンズ30にて屈折して法線方向ndに対して他側に傾斜した方向から本体部40内を進行する光は、光軸odよりも第1軸方向d1において一側に位置した領域を通過し易い。したがって、各表示面51の一端部52が、対応する単位レンズ30の光軸odよりも第1軸方向d1において一側に位置することにより、単位レンズ30にて屈折して法線方向ndに対して他側に傾斜した方向から本体部40内を進行する光を、表示面51にてさらに受光し易くなる。すなわち、表示面51からの表示機能は、法線方向ndに対して他側(下側)に傾斜した角度範囲から観察されたときに、さらに効果的に発揮されるようになる。
また、図2に示された採光パネル10の主切断面において、表示面51の第1軸方向d1における他側(下側)の端部である他端部53は、当該表示面51に対応する単位レンズ30のレンズ面31の先端部32aと、第1軸方向d1において同一位置に位置している。もっとも、図2に示された採光パネルの主切断面において、表示要素50の表示面51の他端部53は、当該表示面51に対応する単位レンズ30のレンズ面31の先端部32aから、第1軸方向d1においてずれて位置していてもよい。また、図2に示された採光パネル10の主切断面において、表示面51の第1軸方向d1における一側の端部である一端部52は、当該表示面51に対応する単位レンズ30のレンズ面31の第1軸方向d1における一側の基端部32bと、第1軸方向d1において同一位置に位置している。もっとも、図2に示された採光パネルの主切断面において、表示要素50の表示面51の一端部52は、当該表示要素50に対応する単位レンズ30のレンズ面31の第1軸方向d1における一側の基端部32bから、第1軸方向d1においてずれて位置していてもよい。また、図示された例では、図2に示された採光パネルの主切断面において、表示面51の一端部52は、単位レンズ30のレンズ面31の第1軸方向d1における一側の基端部32bから、採光パネル10の法線方向ndに沿って採光パネル10の裏面10b側に離間している。
加えて、図2に示された採光パネルの主切断面において、表示面51の第1軸方向d1における他側(下側)に位置する他端部53は、採光パネル10の法線方向ndに進む平行光束L21(図2参照)が単位レンズ30に入射した際における単位レンズ30の焦点位置fp上に位置している。言い換えると、表示面51の他端部53は、単位レンズ30の光軸od上に位置している。このような採光パネル10によれば、採光パネル10の法線方向ndを境界として、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とを切り分けることが可能となる。
一方、図2に示すように、採光パネル10の裏面10bに位置する採光面61は、単位レンズ30の焦点fp上に位置している。より厳密には、採光面61は、レンズ部25に含まれる多数の単位レンズ30の焦点fpによって画成される仮想面上に位置している。図示された本実施の形態では、上述したように、光透過領域60の採光面61は、外光を屋内に取り込む面として機能する。すなわち、第1角度範囲AR1から採光パネル10へ入射する光は、光透過領域60の採光面61から屋内に取り込まれ、屋内照明光として利用される。
一方、図示された形態での表示面51は、表示対象13を表示するための面をなしている。したがって、第2角度範囲AR2へ向けて採光パネル10から出射する光は、表示対象13を可視化させる。すなわち、第2角度範囲AR2から表示面51が視認され、結果として、表示面51に付与された表示対象13を観察することができる。
図3には、表示面51に付与される表示対象13の一例が示されている。複数の表示面51が、第1軸方向d1に配列されるとともに、各表示面51は、第1軸方向d1に直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。したがって、第1軸方向d1における各位置に位置する表示面51が、当該表示面51の第1軸方向d1における位置に応じた表示対象要素13aを付与されることによって、第2軸方向d2に細長く延びる各表示面51に形成された表示対象要素13aの組み合わせとして二次元的な表示対象13を表示することが可能となる。図3に示された例では、アルファベットの大文字の「N」が表示対象13として表示されている。ただし、表示対象13として、図形、パターン、デザイン、色彩、絵、写真、キャラクターなどの絵柄(イメージ)や、文字、マーク、数字などの情報を例示することができる。表示対象13は、静止していても動いていてもよい。このように、複数の表示対象要素13aの組み合わせとして表示対象13を表示することで、各表示面51および各単位レンズ30のサイズを小さくできるため、第2角度範囲AR2を広げたりパネル部材10のサイズを大きくしたとしても、より良好な表示対象13を観察できるようになる。
次に、上述してきた採光パネル10の製造方法の一例について、主として図6〜図8を参照しながら、説明する。
まず、図6に示すように、透明樹脂を成型することにより、成型物を作製する。成型は、熱溶融押出加工や射出成型等を採用することができる。図6に示すように、得られた成型物90は、上述した光制御シート20の本体部40のうち、表示要素50とその周囲となる部分とが、切欠部92として削り取られた形状となっている。また、成型物90には、レンズ部25が賦型されている。
次に、図7に示すように、成型物90の切欠部92内に、表示面51を有する表示要素50を形成する。本実施の形態では、インクジェット印刷によって、成型物90の切欠部92内に、表示対象13を印刷することによって表示面51を有する表示要素50を形成する。あるいは、他の例として、基材に表示対象13を印刷することにより形成された表示面51を有する表示要素50を、各切欠部92内に配置してもよい。
次に、図8に示すように、成型物90の切欠部92を透明樹脂で埋め戻す。例えば、液状の透明樹脂を塗布するとともにスキージで掻き取ることによって、表示要素50が形成されている切欠部92に、透明樹脂を充填する。次に、この透明樹脂を切欠部92内で固化させることにより、光制御シート20からなる採光パネル10を作製することができる。
次に、主として、図4及び図5を参照しながら、採光パネル10の作用について説明する。採光パネル10は、例えば、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1が鉛直方向に沿うようにして、建物の窓材に貼り付けられる。また、表示面51の第1軸方向d1における一側に位置する一端部52が、鉛直方向における上側に位置し、表示面51の第1軸方向d1における他側に位置する他端部53が、鉛直方向における下側に位置するように、採光パネル10が配置される。
採光パネル10の最も観察者側には、レンズ部25が設けられている。レンズ部25の単位レンズ30は、採光パネル10に入射する光または採光パネル10から出射する光に対してレンズ機能を発揮して、当該光の進行方向を調整する。或る角度範囲AR1内の方向から単位レンズ30に入射した光は、レンズ面31の集光作用によって、光透過領域60を通過するように集められる。したがって、採光パネル10は、第1角度範囲AR1から採光パネル10へ入射する光を屋内に取り込むことができる。また、第1角度範囲AR1とは異なる別の或る角度範囲AR2内の方向から単位レンズ30を観察すると、レンズ面31のレンズ作用によって、表示面51が観察される。すなわち、採光パネル10は、表示面51から単位レンズ30に向かい当該単位レンズ30にて屈折された光を、第2角度範囲AR2へ向けて出射することができる。
上述のように、光透過領域60を通過した光が屋内に導かれ、屋内照明光として利用され得る。したがって、広い角度範囲から採光パネル10に入射する多くの光を光透過領域60を介して屋内に導くことが好ましい。とりわけ、太陽光は、時間帯や季節に応じて位置を変化させる。採光パネル10では、このように時間帯や季節に応じて入射方向を変化させる太陽光を光透過領域60に導くことができれば好ましい。すなわち、入射方向を変化させる太陽光を高効率で取り込むにあたり、上述した第1角度範囲AR1が広角化されていることが好ましい。
一方、本実施の形態において、表示要素50の表示面51は、表示対象13を表示するための面となっている。したがって、第2角度範囲AR2から表示面51に付与された表示対象13を観察することができる。この用途において、第2角度範囲AR2は、表示対象13を観察し得る視野角となる。一般的に、視野角である第2角度範囲AR2は、広角化されていることが好ましい。視野角が狭いと、視野角からずれた方向から表示対象を視認することが困難となるため、情報表示機能を有効に発揮することができないおそれがある。
また、表示対象13を観察している際に、表示対象13とともに採光面61を介して屋内が視認されると、表示対象13の視認性や意匠性を著しく害することになる。したがって、表示対象13が付与された表示面51が観察され得る第2角度範囲AR2は、採光面61が観察されるようになる第1角度範囲AR1と区分けされていること、すなわち重なり合っていないことが好ましい。
一方、上述してきた本実施の形態による採光パネル10は、第1軸方向d1に配列された単位レンズ30と、第1軸方向d1に配列されて単位レンズ30に対向して位置する表示面51を有する複数の表示要素50と、を有し、隣り合う2つの表示要素50の間に光透過領域60が位置している。そして、表示面51は、採光パネル10の法線方向ndに対して傾斜している。とりわけ、表示面51は、単位レンズ30の光軸odに直交する方向に対して傾斜して広がっている一方で、光透過領域60の採光面61は、単位レンズ30の光軸odに直交する方向に広がっている。
このような採光パネル10では、図4によく示されているように、傾斜した表示面51が、当該表示面51の正面方向から視認され易くなる。図5に示す例では、表示面51が単位レンズ30の光軸odに対して第1軸方向d1における一側に傾斜しているため、当該光軸odに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向D42、D43、D44から単位レンズ30を観察したときに表示面51を視認し易くなる。とりわけ、光軸odに対して第1軸方向d1における他側に大きく傾斜した方向D44から単位レンズ30を観察した場合であっても、レンズ面31のレンズ作用によって、観察した単位レンズ30に対向する表示面51を観察することができる。仮に、複数の表示面51が本体部40の第2主面40b上で、当該第2主面40bに沿って並べられていた場合、このような方向D44から単位レンズ30を観察すると、図4に点線で示すように、観察した単位レンズ30と隣り合う単位レンズ30に対向する表示面51、もしくは表示面51の間の採光面61が観察されてしまい、意図された表示機能が発現されなくおそれがある。すなわち、表示面51を採光パネル10の法線方向ndに対して傾斜させることにより、表示面51が観察される視野角となる第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することができる。
一方、図5に示すように、単位レンズ30に入射する外光は、表示面51に対してなす角度がより小さい方向から本体部40内を進行する光L52、L53、L54ほど、表示面51に入射し難い。このことから、傾斜した表示面51に遮られずに光透過領域60を有効に通過する光L52、L53、L54は、表示面51を視認し易い方向D42、D43、D44とは逆側に傾斜した方向から単位レンズ30に入射する光L52、L53、L54となる。つまり、第1軸方向d1において他側に進みながら単位レンズ30へ入射する光、図示する例では、鉛直方向における下方に進みながら単位レンズ30へ入射する光L52、L53、L54が、光透過領域60を通過して屋内に取り込まれ易くなる。
とりわけ、光軸odに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向から単位レンズ30に入射する光L54のうち表示要素50に近い側の光線は、当該単位レンズ30にて光軸odとのなす角度が小さくなるように曲げられて、光透過領域60を通過するように集められる。すなわち、レンズ面31の集光作用によって、広範な角度範囲AR1から単位レンズ30に入射する光を光透過領域60を通過するように導くことができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1軸方向d1に配列された複数の単位レンズ30と、複数の単位レンズ30に対応して配列された複数の表示要素50と、を備え、表示要素50は、当該表示要素50に対応する単位レンズ30に対向して位置する表示面51を有し、或る方向から単位レンズ30に入射した光は、隣り合う2つの表示要素50の間に位置する光透過領域60を通過し、或る方向とは異なる別の方向から単位レンズ30を観察すると、表示面51が観察される。このような採光パネル10によれば、或る角度範囲AR1内の方向から単位レンズ30に入射した光を、隣り合う2つの表示要素50の間に位置する光透過領域60を通過させるように集めることができる。このため、或る角度範囲AR1内の方向から採光パネル10に入射した多くの光を屋内に取り込むことができる。多くの外光を屋内に採り込むことで屋内の照明光の使用時間を削減することができ、また屋内の照明光の照明強度も弱めることができることから、二酸化炭素の消費量とエネルギー消費の削減を図ることができる。一方、或る角度範囲AR1とは異なる別の角度範囲AR2内の方向から単位レンズ30を観察すると、レンズ面31のレンズ作用によって、表示面51を視認することができる。したがって、外光の入射する方向と、観察者によって観察されることが想定される方向とが異なる場合に、本実施の形態の採光パネル10は、多くの外光を屋内に取り込むと共に、表示面の視認性をも確保することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、複数の表示要素50と複数の光透過領域60とが、単位レンズ30の配列方向となる第1軸方向d1に沿って交互に並べて配列されている。この場合、単位レンズ30と表示要素50とをコンパクトに配置することができるため、採光パネル10をコンパクトに構成することができる。
また、本実施の形態によれば、各表示面51は、採光パネル10の法線方向ndに対して傾斜している。このような形態によれば、傾斜した表示面51の正面方向D42、D43、D44から単位レンズ30を観察したときに表示面51を視認し易くなる。一方、傾斜した表示面51に遮られずに光透過領域60を有効に通過する光L22、L52、L53、L54は、表示面51を視認し易い方向D23,D42、D43、D44とは逆側に傾斜した方向から単位レンズ30に入射する光L22、L52、L53、L54となる。このように、表示面51を採光パネル10の法線方向ndに対して傾斜させることにより、採光機能が発揮される方向の角度範囲である第1角度範囲AR1及び表示面51が観察される視野角となる第2角度範囲AR2を効果的に広角化させることができる。また、表示面51を採光パネル10の法線方向ndに対して傾斜させる角度を調整することにより、第1角度範囲AR1および第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することが可能となる。このような第1角度範囲AR1及び第2角度範囲AR2の調整又は広角化は、一般的に高価となる高屈折率材料を単位レンズ30に用いることを必要とせず、単位レンズ30に通常用いられる材料を使用すればよい。すなわち、材料面からのコスト上昇を来すことなく、第1角度範囲AR1及び第2角度範囲AR2の調整又は広角化を行うことができる。
加えて、広い第1角度範囲AR1内の方向から光透過領域60を通過するように太陽光が集められるため、時間帯や季節に応じて入射方向が変化しても、多くの太陽光を室内照明光として利用することが可能となる。加えて、広い視野角となる第2角度範囲AR2から表示面51に付与された表示対象13を安定して観察することができる。したがって、観察者は、優れた視認性で表示対象13を観察することができ、且つ、優れた意匠性で表示対象13を表示することができる。
また、本実施の形態では、図2に示すように、各表示面51の第1軸方向d1において一側に位置する一端部52は、当該表示面51に対応する単位レンズ30の先端部32aよりも第1軸方向d1において一側に位置し、各表示面51は、第1軸方向d1において一側に位置する一端部52が、第1軸方向d1において他側に位置する他端部53よりも、採光パネル10の法線方向ndにおいて単位レンズ30に近接するように、採光パネル10の法線方向ndに対して傾斜している。表示面51は、当該表示面51の正面方向D23、D42、D43、D44から観察され易いことから、採光パネル10の法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向D23、D42、D43、D44から、表示面51が視認され易くなる。言い換えると、表示面51からの光は、採光パネル10の法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向へ向かって単位レンズ30から出射しやすくなる。一方、採光パネル10の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向からの光L22、L52、L53、L54は、表示面51となす角度が小さい方向から本体部40内を進行するため、表示面51に遮られ難い。この表示面51に遮られ難い、採光パネル10の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向からの光、言い換えると第1軸方向d1において他側に進みながら採光パネル10へ入射する光L22、L52、L53、L54は、光透過領域60を透過して屋内に取り込まれ易くなる。
つまり、上記の形態によれば、光透過領域60からの採光機能が発揮されるようになる方向の角度範囲である第1角度範囲AR1と、表示面51が観察される視野角となる第2角度範囲AR2とが、法線方向ndを基準として区分けされやすくなる。言い換えると、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とが、重なり合いにくくなる。これにより、第1角度範囲AR1及び第2角度範囲AR2をそれぞれ有効に広角化させることができる。
このように第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2との重なり合いが少なくなれば、さらには第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とを切り分けることが可能となれば、光透過領域60からの採光機能および表示面51での表示機能が、互いに悪影響を及ぼすことなく、より有効に発揮されるようになる。本実施の形態においては、表示面51に付与された表示対象13を観察している際に、採光面61を介して屋内が表示対象13とともに観察されることを効果的に防止することが可能となる。この場合、表示対象13の視認性や表示対象13の意匠性を改善することができる。
とりわけ、本実施の形態による採光パネル10では、光透過領域60から屋内に取り込まれるようになる採光パネル10への入射方向の角度範囲である第1角度範囲AR1を鉛直方向における上側に傾斜した方向に設定し、表示面51が観察される視野角である第2角度範囲AR2を鉛直方向における下側に傾斜した方向に設定している。この場合、典型的な利用として想定される採光パネル10を目線よりも高い位置に設置する場合に好適である。観察者は、鉛直方向における上側に見上げながら採光パネル10を観察するため、第2角度範囲AR2から表示面51に表示される表示対象13を観察することができる。一方、太陽光は、時間帯や季節に応じて入射方向が変化するが、鉛直方向における下側に傾斜した方向に進みながらレンズ面31に入射する。このため、太陽光は、時間帯や季節に応じて入射方向が変化しても、第1角度範囲AR1からレンズ面31に入射して光透過領域60を通過することができる。したがって、このような形態によれば、太陽光の取り込みおよび表示対象13の表示を効果的に両立させることができる。
さらに本実施の形態によれば、複数の単位レンズ30は、第1軸方向d1に互いから離間して配置され、第1軸方向d1に隣り合う二つの単位レンズ30の間に、単位レンズ30とともに採光パネル10の表面10aをなす接続面38が設けられている。接続面38を設けることによって、法線方向ndに対して大きく傾斜した方向に進む光に対する隣接レンズの「けられ」を少なくすることができる。
とりわけ本実施の形態において、接続面38は、採光パネル10のパネル面に沿って延びている。また、表示面51は、採光パネル10のパネル面に沿って接続面38からずれて配置されている。このような形態によれば、図2に示すように、接続面38を介して採光パネル10に入射する光L25が、光透過領域60を通過し得る。したがって、これらの光L56も、屋内に取り込むことが可能となる。
ところで、下記の表1は、世界の幾つかの国の主要な都市における季節ごとの南中高度(°)を示している。使用が想定される国の主要な都市における春分秋分の南中高度が第1角度範囲AR1に含まれることが好ましい。その国で有効に使用できる可能性が高いからである。例えば、使用されることが想定される国が日本の場合は54°から56°までの高度が第1角度範囲AR1に含まれるようにすればよい。さらに、49°から61°までの高度が第1角度範囲AR1に含まれるようにすれば、世界の多くの国で有効に使用できる可能性が高いため、好ましい。また、使用が想定される国の主要な都市における夏至の南中高度から冬至の南中高度までが第1角度範囲AR1に含まれることがさらに好ましい。その国で一年を通して有効に使用できる可能性が高いからである。例えば、使用されることが想定される国が日本の場合は31°から79°までの高度が第1角度範囲AR1に含まれるようにすればよい。さらに、25°から84°までの高度が第1角度範囲AR1に含まれるようにすれば、世界の多くの国で有効に使用できる可能性が高いため、好ましい。なお、所望の高度が第1角度範囲AR1に含まれることを容易にするために、第1角度範囲AR1の角度範囲が45°程度以上連続していることが好ましい。もっとも、採光パネル10を傾けて配置することによって、所望の高度を第1角度範囲AR1に含まれるようにすることも可能である。一方、第1角度範囲AR1の角度範囲の上限については、第2角度範囲AR2とのバランスで適宜設定すればよいが、135°程度未満とすることによって、後述のように、本実施の形態の採光パネル10の特長をより発揮させることができる。
Figure 2015163916
≪変形例≫
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
上述した実施の形態では、図2に示すように、光透過領域60を通過した光がそのまま屋内に進入していた。しかしながら、光透過領域60を通過した光が屋内に進入する経路は、このような例に限定されない。図9及び図10に、光透過領域60を通過した光の進行方向を変更して屋内に誘導する例を示す。このうち、図9に示す例では、表示要素50を基準として単位レンズ30とは反対となる側に、光透過領域60を通過した光の進行方向を変更させる偏向層70をさらに備える。偏向層70は、本体部40の第2主面40bに積層されており、偏向層70の本体部40とは反対側を向く面が採光パネル10の裏面10bを形成している。
図9に示すように、偏向層70は、単位レンズ30の配列方向となる第1軸方向d1に沿って配列された複数の偏向要素71と、第1軸方向d1に沿って偏向要素71と交互に配列された複数の第2光透過領域72と、を有している。偏向要素71及び第2光透過領域72は、単位レンズ30と同様に、配列方向である第1軸方向d1と交差する方向、より厳密には第1軸方向d1と直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。図9に示す形態では、偏向要素71は、採光パネル10の法線方向nd、すなわち単位レンズ30の光軸odに沿って配置されている。
図9に示す例では、隣り合う2つの偏向要素71の間の間隔は、隣り合う2つの表示要素50の間の間隔よりも狭くなっている。ただし、隣り合う2つの偏向要素71の間の間隔は、隣り合う2つの表示要素50の間の間隔と等しくてもよい。また、隣り合う2つの偏向要素71の間の間隔は、他の隣り合う2つの偏向要素71の間の間隔と異なっていてもよいし、等しくなっていてもよい。
具体的な構成として、偏向層70をなす主部73に、第1軸方向d1に沿って配列された複数の溝70aが設けられており、各溝70a内に偏向要素71が配置されている。そして、主部73のうちの隣り合う溝70aの間となる部分が、第2光透過領域72を画定している。
例えば、偏向要素71は、透明樹脂材料によるバインダに、アルミ、銀等による高反射率のパウダーを分散させたいわゆるミラーインキを、溝70aに充填することで作製される。あるいは、偏向要素71は、溝70aに白インキを充填することにより作製されてもよい。この場合、偏向要素71にて進行方向を変更させられた光を散乱光とすることができる。また、このようにして偏向要素71を作製することで、偏向要素71の第1軸方向d1において一側を向く表面に反射面71aが形成される。
さらに別の例として、偏向要素71は、溝70aに無色透明インキ、黒インキまたは各種の着色インキを充填することにより作製されてもよい。この場合、第1軸方向d1において一側に隣り合う第2光透過領域72との間で屈折率差を有する界面を形成すべく、偏向要素71をなすインキとして、主部73をなす樹脂材料よりも屈折率の低い材料が選定される。このように、偏向要素71を黒インキまたは着色インキにて形成する場合には、偏向層70に色彩を帯びさせることができ、採光パネル10の意匠性を高めることができる。
このような形態によれば、光軸odに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向から単位レンズ30に入射し光透過領域60を通過した光の一部L26が、偏向要素71にてその進行方向を変更させられる。具体的には、光透過領域60を通過した光の一部L26は、第1軸方向d1における他側に傾斜した方向に向かって進行し、偏向要素71にて反射して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向に向かう。つまり、光透過領域60を通過して鉛直方向における下方に傾斜した方向に向かって進行する光L26が偏向要素71にてその進行方向を変更されて鉛直方向における上方に傾斜した方向に向かっていく。これにより、取り込まれた外光が鉛下方に傾斜した方向に向かって屋内に入射することを抑制して採光効率をほぼ低減させることなく防眩を図ることができる。さらに、偏向要素71にて反射した光L26は、上方に傾斜した方向に向かっていくため、天井を照明する間接照明ともなり得る。そして、偏向要素71にて反射して上方に傾斜した方向に向かって進行していく光L26が天井に到達するまでの距離を確保することで、当該光L26を建物の窓から離間した室内の奥側の領域まで導くことができる。
一方、図10に示す例では、表示要素50を基準として単位レンズ30とは反対となる側に、光透過領域60を通過した光を散乱させる光散乱層80をさらに備える。光散乱層80は、本体部40の第2主面40bに調整層85を介して積層されており、光散乱層80の本体部40とは反対側を向く面が採光パネル10の裏面10bを形成している。
光散乱層80と光制御シート20との間に介在する調整層85は、少なくとも各単位レンズ30の焦点fpよりも離間した位置に光散乱層80が位置するように、単位レンズ30に対する光散乱層80の距離を調整すべく設けられている。
図10に示す例では、光散乱層80は、主部81と、主部81に分散された光を散乱させる散乱成分82と、を含んでいる。ここでいう散乱成分82とは、光散乱層80内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る成分のことである。このような散乱成分82の光散乱機能つまり光拡散機能は、例えば、光散乱層80の主部81をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から散乱成分82を構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から散乱成分82を構成することにより、付与され得る。主部81をなす材料とは異なる屈折率を有する散乱成分82として、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、さらには、単なる気泡が例示される。
あるいは、他の例として、光散乱層80は、採光パネル10の裏面10bに、エンボス加工等によって形成された微細な凹凸を含むようにしてもよい。
このような形態によれば、光軸odに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向から単位レンズ30に入射し光透過領域60を通過した光L27、L28が、光散乱層80にて散乱する。このため、散乱された光L27、L28により屋内の広い範囲を照明することが可能になる。また、屋内の広い範囲を照明することから、鉛直方向における下方に傾斜した方向に向かって屋内に入射する直達光を低減することができ、防眩を図ることもできる。
また、図10に示す例では、光散乱層80は、少なくとも各単位レンズ30の焦点fpよりも離間した位置に位置している。このような形態によれば、各光透過領域60を通過した光L27、L28が集光領域で集光された後、さらに拡がった状態で光散乱層80に入射する。このため、一の光透過領域60を通過した光L27が光散乱層80に入射する領域と、当該一の光透過領域60に隣り合う別の光透過領域60を通過した光L28が光散乱層80に入射する領域と、の間の隙間を小さくすることができる。これにより、屋内から光散乱層80を観察する観察者によって、明るさのムラが観察されることを抑制することができる。
また、上述した実施の形態では、図2に示すように、採光パネルの主切断面において、表示面51の第1軸方向d1における他側(下側)に位置する他端部53が、採光パネル10の法線方向ndに進む平行光束L21(図2参照)が単位レンズ30に入射した際における単位レンズ30の焦点位置fp上に位置していた。しかしながら、表示面51の他端部53の配置は、このような例に限定されない。図11及び図12に、表示面51の他端部53の配置例を示す。図11及び図12に示す例では、表示面51の他端部53は、採光パネル10の法線方向ndに進む平行光束L121、131が単位レンズ30に入射した際における単位レンズ30の焦点位置fp上からずれて配置されている。
このうち、図11に示された例では、表示面51の他端部53は、対応する単位レンズ30の焦点fpよりも第1軸方向d1において他側に位置している。さらに、表示面51の他端部53は、多数の単位レンズ30の焦点fpによって画成される仮想面上に位置している。このような形態によれば、採光パネル10の法線方向ndよりも第1軸方向d1における一側(上側)に傾斜した方向D122を中心として、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とが切り分けられるようになる。この場合、例えば、典型的な一利用態様として想定される採光パネル10を目線に対してあまり高くない位置に設置する際に好適である。すなわち、観察者が、水平方向に対してなす角度が小さい方向D121から、あるいは、鉛直方向における上側に傾斜した方向D123に向かって、採光パネル10を観察した場合、表示面51に表示される表示対象13を観察することができる。一方、鉛直方向における下側に傾斜した方向に進んでレンズ面31に入射する太陽光L124は、光透過領域60を通過して屋内に取り込まれる。したがって、このような形態によれば、光透過領域60からの太陽光を十分に取り込みながら、表示面51に付与された表示対象13を、目線と同じか目線よりも上に、優れた視認性で観察することができる。
一方、図12に示された例では、表示面51の他端部53は、対応する単位レンズ30の焦点fpよりも第1軸方向d1において一側に位置している。さらに、表示面51の他端部53は、多数の単位レンズ30の焦点fpによって画成される仮想面上に位置している。このような形態によれば、採光パネル10の法線方向ndよりも第1軸方向d1における他側(下側)に傾斜した方向D134を中心として、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とが切り分けられるようになる。この場合、例えば、典型的な一利用態様として想定される採光パネル10を目線よりも比較的高い位置に設置する際に好適である。すなわち、観察者は、鉛直方向における上側に見上げながら採光パネル10を観察することになるため、鉛直方向における上側に傾斜した方向D133に見上げて表示面51に表示される表示対象13を観察することができる。一方、水平方向に対してなす角度が小さい方向から、あるいは、鉛直方向における下側に傾斜した方向に進んで採光パネル10に入射する太陽光L131、L132は、光透過領域60を通過して屋内に取り込まれる。したがって、このような形態によれば、表示面51に付与された表示対象13を、十分な視認性で仰ぎ見ることを可能にしながら、光透過領域60からの太陽光を非常に高い効率で取り込むことができる。
また、図2、図11、および図12では、採光パネルの主切断面において、表示面51の他端部53が、多数の単位レンズ30の焦点fpによって画成される仮想面上に位置した例を示したが、このような例に限定されない。表示面51の他端部53は、多数の単位レンズ30の焦点fpによって画成される仮想面上からずれて配置されていてもよい。とりわけ、表示面51の他端部53は、多数の単位レンズ30の焦点fpによって画成される仮想面上、あるいは、当該仮想面よりも、単位レンズ30に近接した位置に配置されている場合、一端部52付近の表示と他端部53付近の表示とが観察する角度によって反転して見えるおそれを防ぐことができる。
また、上述した実施の形態において、表示要素50の表示面51とは反対側を向く面に反射面55が形成されていてもよい。図12に、このような例が示されている。図12に示す採光パネル10において、表示面51が、単位レンズ30の側を向き、反射面55が、採光パネル10の裏面10b側を向いている。すなわち、各反射面55は、対応する表示面51と背合わせとなるようにして、配置されている。このような反射面55は、一例として、高い反射率を有した材料からなる薄膜によって形成される。このような反射面55によれば、採光パネル10の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に極めて大きく傾斜した方向から光透過領域60に進入した光L135が、当該光透過領域60と隣り合う表示要素50に入射してしまった場合であっても、反射面55で反射して光透過領域60を通過することができる。したがって、反射面55を設けることにより、光透過領域60を通過する光の入射角度範囲に相当する第1角度範囲AR1をさらに広角化することができる。これにより、時間帯や季節に応じて入射方向を変化させるより多くの太陽光を取り込むことができる。
≪第2の実施の形態≫
次に、図13〜図15を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図13は、採光パネル10を示す縦断面図であり、図14及び図15は、採光パネル10が発現する光学機能を説明するため図である。図13〜図15を参照して説明する第2の実施の形態は、表示要素50の配置が異なるが、その他の構成は、第1の実施形態およびその変形例と同様に構成することができる。第2の実施の形態に関する以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態およびその変形例と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態およびその変形例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図13に示すように、本実施の形態の複数の表示要素50は、本体部40の第2主面40b上で、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1に沿って配列されている。各表示要素50は、当該表示要素50が対応する一つの単位レンズ30に対向して位置する表示面51を有している。図13に示すように、各表示要素50の表示面51は、対応する単位レンズ30と法線方向ndに沿って少なくとも部分的に対面するようにして、配置されている。本実施の形態では、表示要素50及び当該表示要素50に含まれる表示面51は、単位レンズ30と同様に、配列方向である第1軸方向d1と交差する方向、より厳密には、第1軸方向d1と直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。
各表示要素50の表示面51は、採光パネル10のシート面に沿って配置されている。すなわち、各表示要素50の表示面51は、採光パネル10の法線方向nd、すなわち、対応する単位レンズ30の光軸odに対して直交している。本実施の形態では、各表示要素50の表示面51は、単位レンズ30の光軸odよりも第1軸方向d1における一側に位置している。加えて、表示要素50の表示面51は、レンズ部25に含まれる多数の単位レンズ30の焦点fpによって画成される仮想面上に位置している。
図13に示された採光パネルの主切断面において、表示面51の第1軸方向d1における一側の端部である一端部52は、当該表示面51に対応する単位レンズ30のレンズ面31の第1軸方向d1における一側の基端部32bと、第1軸方向d1において同一位置に位置している。また、図13に示された採光パネルの主切断面において、表示面51の第1軸方向d1における他側(下側)に位置する他端部53は、採光パネル10の法線方向ndに進む平行光束L221が単位レンズ30に入射した際における単位レンズ30の焦点位置fp上に位置している。言い換えると、表示面51の他端部53は、単位レンズ30の光軸od上に位置している。このような採光パネル10によれば、採光パネル10の法線方向ndを境界として、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とを切り分けることが可能となる。
また、図13に示すように、各隣り合う2つの表示要素50の間に光透過領域60が位置している。本実施の形態では、光透過領域60は、隣り合う2つの表示要素50の間に位置する空間によって構成されている。複数の表示要素50と複数の光透過領域60とは、第1軸方向d1に沿って交互に並べて配列されている。本実施の形態では、各光透過領域60は、対応する単位レンズ30と法線方向ndに沿って少なくとも部分的に対面している。さらに、光透過領域60は、表示要素50に対応して、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1と交差する方向、より厳密には、第1軸方向d1と直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。
このような構成からなる採光パネル10は、例えば、複数の単位レンズ30が配置された本体部40の第2主面40bに、各表示要素50を貼り付けることで作製することができる。
次に、主として、図14及び図15を参照しながら、本実施の形態の採光パネル10の作用について説明する。
上述のように、各表示要素50の表示面51は、対応する単位レンズ30の光軸odよりも第1軸方向d1における一側に位置し、且つ、レンズ部25に含まれる多数の単位レンズ30の焦点fpによって画成される仮想面上に位置している。この場合、図14に示すように、採光パネル10の法線方向ndに対して他側に傾斜した方向D242、D243、D244から単位レンズ30を観察すると、レンズ面31のレンズ作用によって、単位レンズ30の光軸odよりも第1軸方向d1における一側に位置する表示面51が観察される。図14から理解されるように、表示面51からの光は、法線方向ndに対して他側に傾斜した方向D242、D243、D244に向かって単位レンズ30から出射していくように、当該単位レンズ30にて屈折される。このため、単位レンズ30が設けられていない場合よりもより広い視野角となる第2角度範囲AR2から、表示面51を観察することができる。
一方、採光パネル10の法線方向ndに対して一側に傾斜した方向から単位レンズ30に入射する光L252、L253、L254は、レンズ面31の集光作用によって、単位レンズ30の光軸odよりも第1軸方向d1における他側に位置する光透過領域60を通過するように集められる。図15から理解されるように、法線方向ndに対して一側に傾斜した方向から単位レンズ30に入射する光L252、L253、L254は、表示要素50に入射しないように単位レンズ30にて集光される。この場合、単位レンズ30が設けられていない場合よりも広い採光範囲となる第1角度範囲AR1から採光パネル10に入射する光L254を、光透過領域60から屋内に取り込むことができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1軸方向d1に配列された複数の単位レンズ30と、複数の単位レンズ30に対応して配列された複数の表示要素50と、を備え、表示要素50は、当該表示要素50に対応する単位レンズ30に対向して位置する表示面51を有し、或る方向から単位レンズ30に入射した光は、隣り合う2つの表示要素50の間に位置する光透過領域60を通過し、或る方向とは異なる別の方向から単位レンズ30を観察すると、表示面51が観察される。このような採光パネル10によれば、或る角度範囲AR1内の方向から単位レンズ30に入射した光を、隣り合う2つの表示要素50の間に位置する光透過領域60を通過させるように集めることができる。このため、或る角度範囲AR1内の方向から採光パネル10に入射した多くの光を屋内に取り込むことができる。一方、或る角度範囲AR1とは異なる別の角度範囲AR2内の方向から単位レンズ30を観察すると、レンズ面31のレンズ作用によって、表示面51を視認することができる。したがって、外光の入射する方向と、観察者によって観察されることが想定される方向とが異なる場合に、本実施の形態の採光パネル10は、多くの外光を屋内に取り込むと共に、表示面の視認性をも確保することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、各表示要素50の表示面51は、採光パネル10の法線方向ndに対して直交している。この場合、本体部40の第2主面40bに表示要素50を貼り付けることで採光パネル10を作製することができることから、採光パネル10を効率良く製造することができる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 採光パネル
10a 表面
10b 裏面
13 表示対象
20 光制御シート
25 レンズ部
30 単位レンズ
31 レンズ面
32a 先端部
32b 基端部
38 接続面
40 本体部
40a 第1主面
40b 裏面
50 表示要素
51 表示面
52 一端部
53 他端部
60 光透過領域
61 採光面
70 偏向層
71 偏向要素
80 光散乱層

Claims (9)

  1. 少なくとも一軸方向に配列された複数の単位レンズと、
    前記複数の単位レンズに対応して配列された複数の表示要素と、を備え、
    前記表示要素は、当該表示要素に対応する単位レンズに対向して位置する表示面を有し、
    或る方向から前記単位レンズに入射した光は、隣り合う2つの前記表示要素の間に位置する光透過領域を通過し、前記或る方向とは異なる別の方向から前記単位レンズを観察すると、前記表示面が観察される、採光パネル。
  2. 前記表示要素と前記光透過領域とが、前記一軸方向に沿って交互に並べて配列されている、請求項1に記載の採光パネル。
  3. 各表示面は、当該採光パネルの法線方向に対して傾斜している、請求項1または2に記載の採光パネル。
  4. 各表示面は、当該採光パネルの法線方向に対して直交している、請求項1または2に記載の採光パネル。
  5. 各表示要素の前記表示面の前記一軸方向において一側に位置する端部は、当該表示要素に対応する単位レンズの先端よりも前記一軸方向において一側に位置し、
    各表示要素の前記表示面は、前記一軸方向において一側に位置する端部が、前記一軸方向において他側に位置する端部よりも、前記採光パネルの法線方向において前記単位レンズに近接するように、前記採光パネルの法線方向に対して傾斜している、請求項4に記載の採光パネル。
  6. 前記表示要素を基準として前記単位レンズとは反対となる側に、前記光透過領域を通過した光の進行方向を変更させる偏向要素をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の採光パネル。
  7. 前記表示要素を基準として前記単位レンズとは反対となる側に、前記光透過領域を通過した光を散乱させる光散乱層をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の採光パネル。
  8. 各表示要素の表示面に、表示対象要素が付与され、
    各表示要素の表示面に付与された前記表示対象要素の組み合わせによって、表示対象が形成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の採光パネル。
  9. 前記複数の単位レンズは、前記一軸方向に互いから離間して配列され、
    前記一軸方向に隣り合う二つの単位レンズの間に、前記単位レンズとともに採光パネルの面をなす接続面が設けられている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の採光パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015164366A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 大日本印刷株式会社 太陽電池複合体
JP2015164369A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 大日本印刷株式会社 太陽電池複合体
JP2015164364A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 大日本印刷株式会社 太陽電池複合体

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