以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は適宜に省略する。
建物の外壁100(図1参照)の一部、あるいは全部は、例えば、外壁パネル1A、あるいは開口サッシ枠1Bなどの窓枠(図12、図13参照)を複数並設したり、窓枠に外壁パネル1Aを上下、左右に隣接して設けたりすることで形成される。外壁パネル1Aや窓枠などの外壁100を形成する面状の部材は、外装パネル材に相当する。ここで、外壁パネル1Aに関して、プレキャスト鉄筋コンクリート(PC)板、軽量気泡コンクリート(ALC)板、金属製カーテンウォール等が想定されるが、以下の実施形態では、ALCパネルを想定した外壁パネル1Aを例に説明する。
(第1、第2実施形態)
まず、第1実施形態に係る目地部構造2Aについて説明する。図1に示されるように、複数の外壁パネル1Aを立設して面状に並べることで、隣り合う外壁パネル1A同士の間に目地部10が形成される。具体的には、外壁パネル1Aの小口面(側端面)1a(図2参照)における表面側の隅角部には、長手方向に沿って切欠きが施されており、小口面1a同士が対向配置されることにより、表面側に溝を有する目地部10が形成されている。なお、以下の説明において「表面側」とは、外壁100の屋外に面する側を想定しており、特に、目地部10が形成されている側を意図する。
図2に示されるように、目地部10は、一対の側面部11と、一対の側面部11を接続する底面部12とを有する。底面部12は、外壁100の表面(目地部が形成された面側)に対して奥側となる部分である。一対の側面部11は底面部12を挟んで対称な形状であり、底面部12に対して略垂直に立ち上がる垂直面11bと、垂直面11bから外壁100の表面にかけて目地部10の幅が拡大するように傾斜した傾斜面11aとを有する。
外壁パネル1Aの小口面1aには、予め乾式目地材3Aが接着されている。具体的には、工場において、目地部10となる側面部11の垂直面11bにプライマー(以下、「下地層」)5が塗布され、この下地層5に乾式目地材3Aが接着されている。
乾式目地材3Aは、目地部10の長手方向の寸法に合わせて形成された長尺部材である。また、乾式目地材3Aは、断面略L字状であり、下地層5を介して垂直面11bに接着される側片3aと、側片3aから屈曲する表片3bとを有する。側片3aは、垂直面11bに沿って配置されて垂直面11bに接着され、先端(表片3bが設けられていない側の端部)は底面部12に当接する。また、表片3bは、側片3aの先端とは反対となる側、つまり外壁パネル1Aの表面側に配置される。
外壁パネル1Aと乾式目地材3Aは異なる材質を有するので、その接着に際しては品質確保の為に十分な管理が必要となる。したがって、外壁パネル1Aの小口面1aに乾式目地材3Aを接着するタイミングについては、建築現場ではなく、品質管理がしやすく、天候の影響も受けない工場等で予め接着しておく方が有利である。しかしながら、建築現場での接着も可能であり、この場合、外壁パネル1Aを建物躯体の所定位置に取り付ける前に、予め外壁パネル1Aの小口面1aに乾式目地材3Aを接着しておけば足りる。外壁パネル1Aを建築躯体の所定位置に取り付ける前、換言すれば外壁パネル1Aの間に狭隘な目地部10が形成される前であれば、接着作業も接着作業の確認も行い易くなり、高い接着品質が確保できる。
一方で、一対の乾式目地材3Aは同材質であり、接着にあたっては、異なる材質ほどの管理を行なくとも高い品質を確保しやすい。
二枚の外壁パネル1Aを所定位置に立設し、隣り合うように並べて取り付けると、上述の通り、目地部10が形成される。目地部10には、予め乾式目地材3Aが接着されているので、目地部10内では、隣り合う外壁パネル1Aの各乾式目地材3A同士が対向配置される。本実施形態の場合、目地部10の底面部12側の空間Spを表面側から覆うように表片3bが配置されており、対向する表片3b同士の間に隙間Sが形成される。
図3(a)は、本実施形態に係る目地部構造2Aを外壁100の表面側から見た正面図である。図2、及び図3(a)に示されるように、表片3b同士の隙間Sから表片3bの裏側に向けて湿式シール材(「接着手段」の一例)4が注入打設(充填)される。湿式シール材4の充填により、互いに離間している乾式目地材3A同士が接着されて一体となり、その結果、目地部10の隙間が塞がれ、止水性が確保される。ここで、湿式シール材4は、表片3bの裏側の空間Spを埋めると共に表片3b同士の間の隙間Sも埋める。そして、表片3bの裏側の空間Spに充填された湿式シール材4の幅D、つまり隣り合う外壁パネル1Aの対向する方向での距離は、隙間Sに充填された湿式シール材4の幅dよりも大きくなっている。
図3(b)は、第2実施形態に係る目地部構造の正面図である。第2実施形態に係る目地部構造2Bは、基本的に第1実施形態に係る目地部構造2Aに共通するので、相違点のみを中心に説明し、共通する要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
目地部構造2Bでは、乾式目地材3Aの表片3b同士は互いに突き当てられている。また、表片3bには、目地部10の長手方向の適宜な箇所に湿式シール材4を充填するための複数の挿入口6が設けられている。挿入口6は、目地部10の長手方向に沿った全体にわたって設けられていても良いし、部分的にまとめるように設けられていてもよい。挿入口6が第1実施形態の隙間Sに相当し、挿入口6に充填された湿式シール材4の幅d(径)よりも、表片3bの裏側の空間Spに充填された湿式シール材4の幅Dの方が大きくなっている。
なお、この目地部構造2Bでは、対向する表片3bそれぞれに半円形の溝を設け、この溝同士が協働して一つの挿入口6を形成しているが、形状は円形に限定されず、長溝や矩形などであってもよい。更に、表片3bの両方ではなく、一方にのみ挿入口6を形成したり、各表片3bの挿入口6として形成した溝が互いにずれていたりしてもよい。なお、挿入口6が円形以外の場合、挿入口6の幅dは、表片3bの裏側に充填された湿式シール材4の幅Dと対比すべく、外壁パネル1Aの対向する方向での距離のうちで最も大きい部分を意味する。
次に乾式目地材3Aと湿式シール材4の材料について説明する。対向する一対の乾式目地材3Aは、湿式シール材4との相性を考慮する必要がある。更に、一対の乾式目地材3A同士が異なる材質であると、それぞれとの接着性を考慮する必要があって湿式シール材4の選択の幅が狭くなるので、一対の乾式目地材3Aは、同じ材質となる。
例えば、乾式目地材3Aは、ウレタン、アクリル、ポリサルファイド、シリコーン、変性シリコーン等の材料を用い、断面L字状の所定の形状となるように形成される。また、乾式目地材3Aは、EPDM、ネオプレンゴム、またはブチルゴム、塩ビ系エラストマー、TPO系(オレフィン系)エラストマー、クロロプレン系エラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンエラストマー、SR系(スチレン系)エラストマー、ウレタン等の合成ゴム系等で形成してもよい。
また、乾式目地材3Aは、硬化した湿式シール材4と同等の伸び性能を有していると、建物が層間変位した際の外壁パネル1Aの変位に対して、目地部構造としての追従性を高めることができる。
また、乾式目地材3Aは、湿式シール材4と同一の材料を硬化させて形成されていると、乾式目地材3Aと湿式シール材4との付着性を容易に確保できるので好適である。さらに、乾式目地材3Aと湿式シール材4との境目が目立ちにくく、美観上も好ましい。
また、乾式目地材3Aとしては、透明や半透明などの透視性を有する材質とすると好適である。乾式目地材3Aが透視性を有することで、湿式シール材4が適切な範囲に充填されたことを外側から視認できるので安定した品質の確保に有効である。
湿式シール材4は、流体状で所定の場所に充填可能であり、乾式目地材3Aに接着されて乾式目地材3A同士を確実に接着できる材料を広く採用できる。例えば、湿式シール材4は、乾式目地材3Aの材料候補としても説明したウレタン系、アクリル系、ポリサルファイド系、シリコーン系、変性シリコーン系等の材料を利用できる。
目地部10に接着された乾式目地材3Aの隙間に湿式シール材4を充填した後、湿式シール材4が硬化することで目地部構造2A、2Bが形成される。さらに、外壁パネル1A及び目地部構造2A、2Bの上から防水性を有する塗料などが吹き付けられて仕上げ処理が施される。
上記の実施形態に係る目地部構造2A、2Bでは、二枚の外壁パネル1Aの小口面1aに、夫々乾式目地材3Aが接着されている。つまり、これらの目地部構造2A、2Bでは、乾式目地材3A同士は分離していることを前提とするので、夫々の乾式目地材3Aを予め外壁パネル1Aの小口面1aに接着した状態で準備できる。従って、現場施工にて乾式目地材を目地部に装着する従来の目地部構造に比べ、乾式目地材3Aと外壁パネル1Aとの間に隙間が生じることを抑止でき、結果として、その隙間を効果的に塞ぐことができる。更に、一対の乾式目地材3Aは同材質であるため、異質の乾式目地材3A同士を接着する場合に比べ、湿式シール材4によって両者を信頼性高く接着し易くなり、目地部10の止水性を確保できる。その結果、乾式目地材3Aと外壁パネル1Aとの間に隙間が生じて美観を損ねたり、隙間から雨水や埃塵等が入り込み、長期間ではその雨水が埃塵等とともに流れ出て外壁100が汚れたりする問題を防止することができる(実施形態の第1の効果)。
また、乾式目地材3Aを接着する接着手段として湿式シール材4を用いるので、乾式目地材3Aの形状(乾式目地材3A同士の間の空間の形状)のバリエーションに対応させることが容易であり、湿式シール材4を充填して乾式目地材3A同士の接着を確実に行うことができ、止水性の向上も見込めるので好ましい(実施形態の第2の効果)。
また、乾式目地材3Aは表片3bを有し、この表片3bで、湿式シール材4の表面側の少なくとも一部を覆うので、湿式シール材4の表面側の露出面が減り、露出面の硬化に必要な養生期間を短縮できる(実施形態の第3の効果)。
また、例えば、外壁パネル1Aを建物の層間変位に追従してロッキングする工法で施工した場合、二枚の外壁パネル1Aの対向する小口面1a間の相対的変位に起因して湿式シール材4がせん断変形する。そして、この変位が過大な場合、表片3bの隙間Sに充填された湿式シール材4には亀裂が生じる恐れがあるが、表片3bの裏側には隙間Sの湿式シール材4の幅dよりも幅Dが大きく、変位に対する追従性が高い湿式シール材4が存在し、亀裂がこの幅Dの大きな湿式シール材4まで達し難いので、止水性を確保することができる。(実施形態の第4の効果)。
なお、上記の目地部構造2A、2Bでは、一対の乾式目地材3Aの両方に表片3bが設けられていたが、一方にのみ表片3bを設けることもできる。この場合、例えば、一方の乾式目地材3Aの表片3bと他方の乾式目地材3Aの側片3aとの間に隙間S(または挿入口6)が形成される。そして表片3bの裏側に充填された湿式シール材4の幅Dを、隙間S(または挿入口6)に充填された湿式シール材4の幅dよりも大きくすることで上記の第4の効果に相当する効果を期待できる。
また、乾式目地材3Aに設けられた側片3aは、目地部10の側面部11に沿って配置されると共に、先端が底面部12に当接している。つまり、補修等により湿式シール材4を外装パネルから除去する必要が生じた場合であっても、湿式シール材4が側面部11に接着されないので、除去作業が容易となる(実施形態の第5の効果)。
なお、この第5の効果(除去作業の容易性)を優先し、例えば、乾式目地材3Aを略L字状ではなく、略C字状にして表片3bに対向する第3の片を設け、この第3の片を目地部10の底面部12に当接するように設けることもできる。逆に、乾式目地材3Aの体積を小さくするために、側片3aを第1、及び第2実施形態に係る側片3aよりも短くし、側辺の先端が目地部10の底面部12が当接しない態様とすることもできる。
以上、第1、第2の実施形態に係る目地部構造2A、2Bについて説明したが、これらの目地部構造2A、2Bの変形例として、例えば、目地部10の側面部11のみにプライマー処理を施して下地層5を形成するのではなく、湿式シール材4に接着される乾式目地材3Aの表面にプライマー処理を施して下地層5を形成してもよい。また、表片3bの裏側のみに湿式シール材4を充填し、隙間Sや挿入口6に湿式シール材4を充填しないようにすることもできる。
(第3実施形態)
次に、図4を参照して第3実施形態に係る目地部構造2Cについて説明する。なお、第3実施形態に係る目地部構造2Cでは、第1、第2実施形態に係る目地部構造2A、2Bとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Cが接着されている。乾式目地材3Cは断面矩形の長尺部材である。一対の乾式目地材3C同士の間には湿式シール材4を充填するための隙間があり、更に、乾式目地材3Cと目地部10の底面部12との間には湿式シール材4が充填される空間Spが存在する。第3実施形態に係る目地部構造2Cでは、上記の第1、第2の効果に対応した効果を奏する。
また、第3実施形態に係る目地部構造2Cでは、乾式目地材3C全体が表片として機能して湿式シール材4の表面側の少なくとも一部を覆うので、上記の第3の効果に対応した効果を奏する。
また、乾式目地材3Cの裏側の空間Spに充填された湿式シール材4の幅Dは、乾式目地材3C同士の間の隙間Sに充填された湿式シール材4の幅dよりも大きいので、上記の第4の効果に対応した効果を奏する。
なお、第3実施形態に係る目地部構造2Cの変形例として、第2実施形態に係る目地部構造2Bのように、乾式目地材3C同士を互いに当接させ、隙間Sの代わりに挿入口6を形成する態様にすることもできる。また、目地部10の側面部11のみにプライマー処理を施して下地層5を形成するのではなく、湿式シール材4に接着される乾式目地材3Cの表面にプライマー処理を施して下地層5を形成してもよい。
また、第3実施形態に係る目地部構造2Cの変形例として、乾式目地材3Cを目地部10の底面部12に当接させ、乾式目地材3Cを底面部12との間に空間Spを設けない態様とすることができる。この変形例の場合、上記の第4の効果は期待できなくなるが、代わりに第5の効果を期待できる。
(第4実施形態)
次に、図5を参照して第4実施形態に係る目地部構造2Dについて説明する。なお、第4実施形態に係る目地部構造2Dでは、第1−3実施形態に係る目地部構造2A−2Cとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Dが接着されている。乾式目地材3Dは長尺部材であり、断面形状は基本的に略矩形であるが、一対の乾式目地材3D同士の対向面には、複数の窪み部3dが形成されて凹凸面になっている。ここでは三角形状の窪み部3dを例示するが、窪み部3dの形状は半円形、その他の形状であっても良い。また、一対の乾式目地材3D同士の間には湿式シール材4を充填するための隙間Sがあり、更に、乾式目地材3Dと目地部10の底面部12との間には湿式シール材4が充填される空間Spが存在する。
第4実施形態に係る目地部構造2Dでは、上記の第1、第2の効果に対応した効果を奏する。特に、第4実施形態に係る目地部構造2Dでは、乾式目地材3Dに窪み部3dが形成されて意図的な凹凸面が形成されるので、湿式シール材4と乾式目地材3Dとが強固に結びついて接着性が向上する(実施形態の第6の効果)。
また、第4実施形態に係る目地部構造2Dでは、乾式目地材3D全体が表片として機能して湿式シール材4の表面側の少なくとも一部を覆うので、上記の第3の効果に対応した効果を奏する。
また、乾式目地材3Dの裏側の空間Spに充填された湿式シール材4の幅Dは、乾式目地材3D同士の間の隙間Sに充填された湿式シール材4の幅dよりも大きいので、上記の第4の効果に対応した効果を奏する。
なお、第4実施形態に係る目地部構造2Dの変形例として、第2実施形態に係る目地部構造2Bのように、乾式目地材3D同士を互いに当接させ、隙間Sの代わりに挿入口6を形成する態様にすることもできる。また、目地部10の側面部11のみにプライマー処理を施して下地層5を形成するのではなく、湿式シール材4に接着される乾式目地材3Dの表面にプライマー処理を施して下地層5を形成してもよい。
(第5実施形態)
次に、図6を参照して第5実施形態に係る目地部構造2Eについて説明する。なお、第5実施形態に係る目地部構造2Eでは、第1−4実施形態に係る目地部構造2A−2Dとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Eが接着されている。乾式目地材3Eは長尺部材であり、断面形状は基本的に略矩形であるが、一対の乾式目地材3E同士の対向面には、断面半円形の凹部3fが形成されている。この凹部3fは、半円形に限定されず、その他の形状であっても良い。また、乾式目地材3Eは目地部10の底面部12に当接しており、乾式目地材3Eと目地部10の底面部12との間には、実質的に湿式シール材4が充填される空間Spは形成されていない。
第5実施形態に係る目地部構造2Eでは、上記の第1、第2の効果に対応した効果を奏する。また、乾式目地材3Eは目地部10の底面部12に当接するので、上記の第5の効果に対応する効果を期待できる。
また、第5実施形態に係る目地部構造2Eでは、乾式目地材3Eの凹部3fに湿式シール材4が充填されることで、凹部3fの表面側の部分を形成する部位が、湿式シール材4の表面側の少なくとも一部を覆う表片3gとなる。従って、第5実施形態に係る目地部構造2Eでは、上記の第3の効果に対応した効果を奏する。
また、表片3gの裏側に充填された湿式シール材4の幅Dは、表片3g同士の間の隙間Sに充填された湿式シール材4の幅dよりも大きいので、上記の第4の効果に対応した効果を奏する。
なお、第5実施形態に係る目地部構造2Eの変形例として、第2実施形態に係る目地部構造2Bのように、乾式目地材3E同士を互いに当接させ、隙間Sの代わりに挿入口6を形成する態様にすることもできる。また、目地部10の側面部11のみにプライマー処理を施して下地層5を形成するのではなく、湿式シール材4に接着される乾式目地材3Eの表面にプライマー処理を施して下地層5を形成してもよい。
また、第5実施形態に係る目地部構造2Eは、乾式目地材3Eを目地部10の底面部12に当接させ、乾式目地材3Eを底面部12との間に隙間を設けない態様としており、第5の効果を期待できる。
(第6実施形態)
次に、図7を参照して第6実施形態に係る目地部構造2Fについて説明する。なお、第6実施形態に係る目地部構造2Fでは、第1−5実施形態に係る目地部構造2A−2Eとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Fが接着されている。乾式目地材3Fは長尺部材であり、断面形状は基本的に略矩形であるが、一対の乾式目地材3F同士の対向面には、複数の窪み部3dが形成されて凹凸面になっている。ここでは三角形状の窪み部3dを例示するが、窪み部3dの形状は半円形、その他の形状であっても良い。また、乾式目地材3Fは目地部10の底面部12に当接しており、乾式目地材3Fと目地部10の底面部12との間には、実質的に湿式シール材4が充填される空間Spは形成されていない。
第6実施形態に係る目地部構造2Fでは、上記の第1、第2の効果に対応した効果を奏する。特に、第6実施形態に係る目地部構造2Fでは、乾式目地材3Fに窪み部3dが形成されて意図的な凹凸面が形成されるので、上記の第6の効果に対応した効果を期待できる。また、乾式目地材3Fは目地部10の底面部12に当接するので、上記の第5の効果に対応する効果を期待できる。
なお、第6実施形態に係る目地部構造2Fの変形例として、第2実施形態に係る目地部構造2Bのように、乾式目地材3F同士を互いに当接させ、隙間Sの代わりに挿入口6を形成する態様にすることもできる。また、目地部10の側面部11のみにプライマー処理を施して下地層5を形成するのではなく、湿式シール材4に接着される乾式目地材3Fの表面にプライマー処理を施して下地層5を形成してもよい。
(第7実施形態)
次に、図8を参照して第7実施形態に係る目地部構造2Gについて説明する。なお、第7実施形態に係る目地部構造2Gでは、第1−6実施形態に係る目地部構造2A−2Fとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Gが接着されている。
乾式目地材3Gは、長尺部材で、断面略C字状であり、下地層5を介して垂直面11bに接着される側片3aと、側片3aから屈曲する表片3bと、表片3bに対向して側片3aから屈曲する底片3cとを有する。側片3aは、垂直面11bに沿って配置されて垂直面11bに接着され、底片3cは、底面部12に当接する。側片3a、表片3b、底片3cにより三方から囲まれた領域は、表片3bの裏側で湿式シール材4が充填される空間Spとなる。
第7実施形態に係る目地部構造2Gでは、上記の第1、第2、第3、第4の効果に対応した効果を奏する。また、乾式目地材3Gは目地部10の底面部12に当接するので、上記の第5の効果に対応する効果を期待できる。
なお、第7実施形態に係る目地部構造2Gの変形例として、第2実施形態に係る目地部構造2Bのように、乾式目地材3G同士を互いに当接させ、隙間Sの代わりに挿入口6を形成する態様にすることもできる。また、目地部10の側面部11のみにプライマー処理を施して下地層5を形成するのではなく、湿式シール材4に接着される乾式目地材3Gの表面にプライマー処理を施して下地層5を形成してもよい。
(第8実施形態)
次に、図9、図10を参照して第8実施形態に係る目地部構造2Hについて説明する。なお、第8実施形態に係る目地部構造2Hでは、第1−7実施形態に係る目地部構造2A−2Gとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Hが接着されている。乾式目地材3Hは断面矩形の長尺部材であり、乾式目地材3Hは目地部10の側面部11のみならず、底面部12にも当接している。
また、乾式目地材3Hは、上記の各実施形態と同種の材料からなり、この乾式目地材3H内に鋼板(「熱伝導部材」の一例)3mが埋め込まれている。鋼板3mは断面略C字状であり、乾式目地材3Hに対応した長尺部材である(図10参照)。鋼板3mには、乾式目地材3Hとの間で肌別れが生じないように複数の孔3nが形成され、両者の一体性が維持し易くなっている。
一対の乾式目地材3Hの互いの対向面には、予めホットメルト接着材(「接着手段」の一例)7が塗布されている。ホットメルト接着材7としては、例えば、ウレタン系の接着剤を用いることができる。
現場にて目地部構造2Hを形成する際には、ホットメルト接着材7が接するように、一対の乾式目地材3H同士を互いに突き合せる(図9(a)参照)。次に、電磁加熱機などの加熱装置8にて鋼板3mを温度上昇させ、その結果として乾式目地材3Hを加熱し、ホットメルト接着材7を溶かす。その後、ホットメルト接着材が硬化することで、一対の乾式目地材3Hの対向面同士の間に配置されたホットメルト接着材7を介しての接着が完了する。また、加熱装置8として、熱風ガンを使用してホットメルト接着材7を溶かしてもよい。
本実施形態によれば、上記の第1、第5の効果に対応する効果を期待できる。また、本実施形態では、乾式目地材3H内に鋼板3mが埋設されており、従って、鋼板3mを電磁加熱機などの加熱装置8により温度上昇させ、ホットメルト接着材7を溶かして乾式目地材3Hの対向面を密着させることができるので、湿式シール材4を使用することなく、簡易に目地部10の止水性を確保することができる。特に、本実施形態では、乾式目地材3Hの長手方向に沿って鋼板3mが埋設されているのでホットメルト接着材7を均一にむらなく溶かすことができる。なお、乾式目地材3H内に埋設される熱伝導部材としては鋼板3mに限定されず、乾式目地材3Hと相性がよく、更に、乾式目地材3Hよりも熱伝導率が高い部材であればよい。
(第9実施形態)
次に、図11を参照して第9実施形態に係る目地部構造2Jについて説明する。なお、第9実施形態に係る目地部構造2Jでは、第1−8実施形態に係る目地部構造2A−2Hとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Jが接着されている。乾式目地材3Jは断面矩形の長尺部材であり、乾式目地材3Jは目地部10の側面部11のみならず、底面部12にも当接している。
また、乾式目地材3Jは、上記の各実施形態と同種の材料からなる。また、一対の乾式目地材3Jの互いの対向面には、密着材(「接着手段」の一例)9が取り付けられている。密着材9とは、いわゆる両面テープであり、基材の両面にアクリル接着剤、ネオプレン粘着剤、ブチル粘着剤等の接着剤が塗布されている。密着材9の一方の面は、予め、乾式目地材3Jの小口面1a、具体的には目地部10の側面部11(垂直面11b)に固着されている。一方で、反対側となる密着面9bは容易に剥がせる剥離紙9aで覆われている。また、剥離紙9aは接着剤に取り付けられた部分以外の余剰部分が折り返され、この余剰部分を引っ張ることで簡単に剥離紙9aを剥がせるようになっている。
現場にて目地部構造2Jを形成する際には、密着材9の剥離紙9aが対向するように、一対の乾式目地材3J同士を配置し(図11(a)参照)、剥離紙9aを取り除いた後で密着材9同士を押し付けて互いに密着し、その結果、一対の乾式目地材3J同士を接着する。なお、剥離紙9aを取り除いた後という意味は、剥離紙9aを剥がしながら密着材9同士を互いに密着させる態様も含まれる。
本実施形態によれば、上記の第1、第5の効果に対応する効果を期待できる。また、本実施形態では、剥離紙9aを除去して密着材9の密着面9b同士を密着させ、その結果、乾式目地材3J同士の接着が可能になるので、湿式シール材4を使用することなく簡易に目地部10の止水性を確保することができる。
次に図12、及び図13を参照し、上記の各実施形態に係る目地部構造を適用した例について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る目地部構造2Aを適用した例を代表して説明するが、他の実施形態に係る目地部構造2B−2Jも適宜に適用できる。
図12は、縦方向の目地部(縦目地)10Aに横方向の目地部(横目地)10Bが接続する部分の目地部構造を拡大して示す正面図である。図12に示されるように、横目地10Bは、外壁パネル1Aと開口サッシ枠(「外装パネル材」の一例)1Bとが上下で隣り合って立設することで形成される。外壁パネル1Aと開口サッシ枠1Bとは、互いの対向配置によって横目地10Bを形成する一対の小口面を有し、一対の小口面には、同材質の一対の乾式目地材3Aが夫々接着されており、一対の乾式目地材3A同士は、湿式シール材4により接着されている。
また、横目地10Bを形成する外壁パネル1A及び開口サッシ枠の左側(図12中の)には、外壁パネル1A及び開口サッシ枠に隣り合って立設された外壁パネル1Aが配置されている。外壁パネル1A及び開口サッシ枠と左側の外壁パネル1Aとは、互いの対向配置によって縦目地10Aを形成する小口面を有し、一対の小口面には、同材質の一対の乾式目地材3Aが夫々接着されており、一対の乾式目地材3A同士は、湿式シール材4により接着されている。
図13は、縦目地10Aと横目地10Bとが交差する部分の目地部構造を拡大して示す正面図である。図13に示されるように、縦目地10Aと横目地10Bとは、上下左右で隣り合って立設された三枚の外壁パネル1A及び開口サッシ枠(「外装パネル材」の一例)1Bが隣り合って立設することで形成される。外壁パネル1Aと開口サッシ枠1Bとは、互いの対向配置によって縦目地10A、及び横目地10Bを形成する小口面1aを有し、各小口面には、同材質の一対の乾式目地材3Aが夫々接着されており、一対の乾式目地材3A同士は、湿式シール材4により接着されている。
(第10実施形態)
次に、図14を参照して第10実施形態に係る目地部構造2Kについて説明する。なお、第10実施形態に係る目地部構造2Kでは、第1−9実施形態に係る目地部構造2A−2Jとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、工場において、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Kが接着されている。また、外壁パネル1Aには、工場において、所定の表面塗装15が施されている。
乾式目地材3Kは、例えば第1実施形態同様に、目地部10の長手方向の寸法に合わせて形成された断面略L字状の長尺部材である。この乾式目地材3Kの色彩は、外壁パネル1Aに施された表面塗装と同系統色となっている。
また、本実施形態では、現場施工にて乾式目地材3K同士の隙間Sから空間Spに向けて湿式シール材14が注入打設される。湿式シール材14の充填により、互いに離間している乾式目地材3K同士が接着されて一体となり、その結果、目地部10の隙間が塞がれ、止水性が確保される。湿式シール材14の色彩は、外壁パネル1Aに施された表面塗装と同系統色となっている。
本明細書において、同系統色とは、表面塗装15、乾式目地材3K及び湿式シール材14に配色されたときに、外壁100全体に一体感を与えることができる色差ΔEの範囲となる色、模様等を意味し、本実施形態では、色差ΔEが13以下である場合をいい、より好ましくは色差ΔEが6以下である場合をいう。溝状に形成された目地部10は外壁100の他の部分に比べて光の当たり方が異なる場合があることから、色差ΔEが13以下であれば十分に一体感を与えることができるが、色差ΔEが6以下である場合にはさらに一体感を与えることができる。ここで、色差ΔEとは、国際照明委員会(CIE)の規格であるCIE1976((L*, a*, b*)色空間を基準とするものであり、以下の式(1)に基いている(JISZ8781−4:2013)。この色差ΔEは、いわゆる色差計を用いて測定することができる。
ΔE=((ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2)1/2・・・(1)
なお、L*は明度を示す指数であり、a*及びb*は色度(色相、彩度)を示す指数である。また、ΔL*は2色間におけるL*の差であり、Δa*は2色間におけるa*の差であり、Δb*は2色間におけるb*の差である。
本実施形態では、表面塗装15、乾式目地材3K及び湿式シール材14の色彩が、多彩模様となるように仕上げられている。ここで、多彩模様とは、多彩模様塗料の着色混合粒の重なり合いが連続して形成された模様のことである。また、多彩模様塗料とは、数種の色彩の異なった着色塗料を大小様々の形状の着色混合粒として互いに溶け合わない状態で分散媒中に分散させた塗料のことである。このような多彩模様においては、局所的な色彩に偏りが生じる場合があるため、例えば、色差計によって複数個所の測定を行って、その平均値を色差ΔEとしてもよい。
乾式目地材3K及び湿式シール材14は、いずれも有機化合物を材料とする主材に対して、この主材と同質または同材料の数種の色彩の異なる着色体が混入されることで製造される。材料は、例えばウレタン、アクリル、ポリサルファイド、シリコーン、変性シリコーン等である。
第10実施形態では、乾式目地材3Kの色彩が、外壁パネル1Aの表面塗装15と同系統色であるため、外壁100全体に一体感を与えることができる。また、湿式シール材14の色彩が、外壁パネル1Aの表面塗装15と同系統色であるため、外壁100全体にさらに一体感を与えることができる。また、表面塗装15、乾式目地材3K及び湿式シール材14の色彩が多彩模様となっているので、単色である場合に比べて、表面塗装15、乾式目地材3K及び湿式シール材14の境界が視認し難く、より一層、外壁100全体に一体感を与えることができる。また、外壁パネル1Aに対する表面塗装15は予め工場で行われているため、外壁100を全面塗装する場合に比べて工期を大幅に短縮することができる。
また、図15に示されるように、縦目地10Aに横目地10Bが接続する部分においては、他の目地部分に比べて湿式シール材14が多く表面に露出する。しかし、本実施形態では、表面塗装15、乾式目地材3K及び湿式シール材14が同系統色であるため、このような部分であっても、一体感を与えることができる。
(第11実施形態)
次に、図16を参照して第11実施形態に係る目地部構造2Lについて説明する。なお、第11実施形態に係る目地部構造2Lでは、第1−10実施形態に係る目地部構造2A−2Kとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、工場において、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Aが接着されている。また、外壁パネル1A及び乾式目地材3Aの表面には、工場において、表面塗装15が施されている。また、第10実施形態と同様に、現場施工にて乾式目地材3A同士の隙間Sから空間Spに向けて、表面塗装15と同系統色の湿式シール材14が注入打設されている。
第11実施形態では、乾式目地材3Aの表面に、外壁パネル1Aの表面塗装15と同系統色の表面塗装15が施されているため、外壁100全体に一体感を与えることができる。また、湿式シール材14の色彩が、表面塗装15と同系統色であるため、外壁100全体にさらに一体感を与えることができる。また、第10実施形態同様に、表面塗装15及び湿式シール材14の色彩が多彩模様となっているので、より一層、一体感を与えることができる。また、外壁パネル1Aに対する表面塗装15は予め工場で行われているため、外壁100を全面塗装する場合に比べて工期を大幅に短縮することができる。
上記の第10実施形態及び第11実施形態では、表面塗装15と同系統色の湿式シール材14が注入打設されている例を示したが、これに限定されず、湿式シール材14に代えて湿式シール材4を用いてもよい。
(第12実施形態)
次に、図17を参照して第12実施形態に係る目地部構造2Mについて説明する。なお、第12実施形態に係る目地部構造2Mでは、第1−11実施形態に係る目地部構造2A−2Lとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、工場において、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Aが接着されている。また、外壁パネル1Aの表面には、工場において、表面塗装15が施されている。本実施形態では、現場施工にて、少なくとも乾式目地材3Aの表面と、乾式目地材3A同士の隙間Sから露出する湿式シール材4とを覆うように、表面塗装16が施される。表面塗装16は、表面塗装15と同系統色であり、例えば表面塗装15と同じ多彩模様塗料である。
第12実施形態では、乾式目地材3A及び湿式シール材4の表面に、表面塗装15と同系統色の表面塗装16が施されるため、外壁100全体に一体感を与えることができる。また、外壁パネル1Aに対する表面塗装15は予め工場で行われているため、現場施工における表面塗装16を少なくすることができる。これにより、外壁100を全面塗装する場合に比べて工期を大幅に短縮することができる。
(第13実施形態)
次に、図18を参照して第13実施形態に係る目地部構造2Nについて説明する。なお、第13実施形態に係る目地部構造2Nでは、第1−12実施形態に係る目地部構造2A−2Mとの相違点を中心に説明し、同様の要素や構造については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
外壁パネル1Aの目地部10となる側面部11の垂直面11bには、工場において、プライマー処理が施されて下地層5が形成され、この下地層5に乾式目地材3Aが接着されている。また、外壁パネル1Aの表面には、工場において、表面塗装15が施されている。本実施形態では、現場施工にて、少なくとも乾式目地材3Aの表面と、乾式目地材3A同士の隙間Sから露出する湿式シール材4とを覆うように、表面塗装15と同系統色の目地パッチ17がクリヤ塗料等の接着手段によって貼着される。目地パッチ17は、例えば、離型紙に表面塗装15と同じ多彩模様塗料を吹付塗装して乾燥させたものを使用することができる。このような目地パッチ17は、溶媒が揮発しても、塗料に含まれている造膜助剤が残存しているため、優れた可撓性を備えている。目地パッチ17は、硬化を防止するために、気密性のよいフィルムを用いた袋等に入れて長期間保存できるようされている。
第13実施形態では、乾式目地材3A及び湿式シール材4の表面に、表面塗装15と同系統色の目地パッチ17が貼着されるため、外壁100全体に一体感を与えることができる。また、外壁パネル1Aに対する表面塗装15は予め工場で行われているため、外壁100を全面塗装する場合に比べて工期を大幅に短縮することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態のみに限定されない。例えば、上記の実施形態では外壁パネルとしてALCパネルを想定しているが、ALCパネル以外のパネルでもよく、特に、乾式目地材との十分な接着性を確保できるのであれば側端面のプライマー処理を省略することも可能である。