JP2015163047A - タンパク質の迅速改良法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、タンパク質、特に、抗体の作製又は改良方法の提供目的とする。
【解決手段】本発明は、少なくとも、任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子を、2つの部位特異的組換え酵素標的配列の間に配置した遺伝子構築物であって、該遺伝子構築物の上流側から、部位特異的組換え酵素の標的配列、任意の遺伝子、薬剤耐性遺伝子、部位特異的標的組換え酵素の標的配列の順番に配置され、薬剤耐性遺伝子のみ逆方向に配置されている、遺伝子構築物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、タンパク質作製又は改良方法、特に、抗体の作製又は改良方法に関する。
生体内では、様々なタンパク質が機能し、各々がその役割を果たすことで、生命活動が維持されている。これらタンパク質には、その機能を果たす上で重要な特定の領域を有するものが多く、その領域を改変することで従来の機能を改善し、あるいは、新たな機能を付加することができる。
抗体は、生体物質の同定や機能解析などを行う上で欠くことのできない重要なツールである。とりわけ、近年では、疾患の治療において抗体の果たす役割には目覚ましいものがあり、抗体医薬の分野は急激な進歩を遂げている。生体内において、抗体は、特定の抗原と結合して、様々な生体内防御反応、例えば、抗体依存性細胞障害(ADCC)活性や、補体依存性細胞障害(CDC)活性を惹起して、癌細胞など生体において異物として認識される物の除去を行っている。このような抗体の能力に着目し、抗体医薬の研究が精力的に行われるようになってきた。多種多様な疾患の治療に対して抗体医薬を利用するためには、あらゆるタイプの疾患原因抗原に対し、迅速かつ簡便に、そして、所望の結合特性を備えた抗体を大量に供給する技術が必要となる。
従来、所望の物理的、生理的特徴を備えた抗体群を調製する技術として、モノクローナル抗体の作製技術が用いられていた。モノクローナル抗体を作製する場合、一般的には、生体内免疫によって生じたB細胞をミエローマと融合させるハイブリドーマ法が用いられる。しかし、この方法には、生体内免疫の利用によって生じる免疫寛容の他、最終的な所望の抗体を取得するまでに時間と労力が掛かることなど、多くの問題が存在している。
免疫寛容の問題を克服する技術として、生体内免疫を利用しない方法が開発された。この方法は、ファージ粒子に種々の抗体遺伝子を埋め込み、抗体遺伝子産物をファージ上に提示させ、このファージによる抗体ライブラリーから所望の抗体を取得する方法で、ファージディスプレイ法と呼ばれている。この技術は、免疫寛容を回避する点では優れているが、ファージライブラリーから得られる抗体は完全体ではないため、さらに、組換えDNA技術等により、完全体の調製を行う必要がある。従って、時間と労力の点においては、生体内免疫による方法と比較して、格段に進展したとまでは言い難い。
上記の伝統的なモノクローナル抗体作製技術の課題を克服した方法として、ADLib法(特許文献1及び非特許文献1)及びADLib法をさらに改良した方法(特許文献2)が知られている。ADLib法は、あらゆるタイプの抗原に対して、所望の結合特性を備えた抗体を大量かつ簡便に調製することが可能な技術である。この方法は、自律的に抗体遺伝子の多様化が進行したニワトリB細胞由来DT40細胞によって構築される抗体ライブラリーから、所望の抗体を選択的に取得する技術である。ADLib法は、インビトロ系の利点である免疫寛容の回避が可能である点、迅速にIgM型の完全抗体が得られる点において、従来の技術と比較して優れている。
一般的に、抗体を動物やヒトに医薬品として投与する場合には、体内での抗原性を最小化することを考慮し、その動物種の型に合わせることが求められる。また、抗体重鎖定常部に存在するFc領域には、抗体が、がん細胞を殺傷する際に重要な役割を果たすADCC活性を決定づける重要な領域が存在する。しかしながら、ADLib法で産生される抗体はニワトリIgM型である。したがって、そのままではヒトではもちろんマウスなどの動物実験でも使用することは困難である。また、IgM型の抗体はタンパク質としての安定性が低く、IgG型抗体の方が高いADCC活性を期待できる上に安定でかつ精製が容易である。
ADLib法によって取得した抗体を所望のクラスに変換する場合、従来法によると、一度取得した抗体のDNA配列解析を行い、その配列を元に抗体の改変をDT40細胞に遺伝子導入したり、大腸菌もしくは他の培養細胞を用いて行ったりしていたため、最終的に目的の抗体を作製するまでに相当の時間的・労務的コストが掛かっていた。
このような問題に対し、DT40細胞の抗体重鎖遺伝子座に対し、外部からヒトやマウスのIgG定常領域配列(部分配列)を標的遺伝子組換えにより挿入し、トリーヒトキメラ抗体を産生する株を用いる技術を開発された(特許文献3、非特許文献2)。この技術により、キメラ抗体ライブラリーを用いて、一段階でADLib法によるキメラ抗体作製を行うことが可能になった。
しかし、この技術の元となるキメラ型抗体遺伝子座を標的遺伝子組換えで作り出す過程は、効率がそれほど高くなく、株の構築にもある程度の時間が必要とされる。また、一度作製したキメラ抗体をさらに改良するのは、さらに時間を要する。そのため、キメラ抗体作製の効率・期間を大幅に短縮する技術が依然として必要とされていた。
特許4214234号 WO2008/047480 特開2011−103876
Seoら、Nature Biotech.23:731-735,2005 Linら、Nucleic Acids Res., 39:e14, 2011
本発明は、タンパク質を迅速に改変する方法を提供するものである。
特に、抗体の改変、例えば、抗体重鎖の遺伝子領域又はその一部(例えば、抗体重鎖定常部のFc領域など)を、迅速かつ簡便に改変する方法、該方法に使用される遺伝子構築物及び該遺伝子構築物を有する細胞の提供を目的とする。
発明者らは、部位特異的組換え酵素の標的配列により、所望の遺伝子配列を挟んだ遺伝子構築物を使用することで、抗体重鎖遺伝子の所望の領域を容易に改変し得ることを見出し、本発明を完成させた。
発明者らは、部位特異的組換え酵素(例えば、Creなど)の標的配列(例えば、loxPなど)の間に、所望の抗体重鎖定常領域遺伝子、例えば、IgGのFc領域の遺伝子(この遺伝子を便宜上Fc1とする)及び薬剤耐性遺伝子を挟み込んだ遺伝子構築物を作製し、該遺伝子構築物がIgM重鎖遺伝子座のCHμ1とCHμ2の間に挿入されたトリ由来の抗体産生細胞(B細胞)を作製し、目的の抗体(Fc1を含む抗体)を産生する細胞を調製した。次に、前記IgGのFc領域遺伝子(Fc1)と置き換えたい他のFc領域(Fc2とする)を配置した遺伝子構築物をプラスミドに組み込み、該プラスミドと部位特異的組換え酵素を前記抗体産生細胞に導入して、組換え酵素を発現誘導したところ、Fc1がFc2に置き換わった抗体を産生する細胞を、短期間で取得することに成功した。
以上の発明者らによる知見に基づき、本発明は以下のように構成される。
すなわち、本発明の以下の(1)〜(12)である。
(1)少なくとも、任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子を、2つの部位特異的組換え酵素標的配列の間に配置した遺伝子構築物であって、該遺伝子構築物の上流側から、部位特異的組換え酵素の標的配列、任意の遺伝子、薬剤耐性遺伝子、部位特異的標的組換え酵素の標的配列の順番に配置され、薬剤耐性遺伝子のみ逆方向に配置されている、遺伝子構築物。
(2)前記任意の遺伝子が、抗体の重鎖定常領域遺伝子又はその一部であることを特徴とする上記(1)に記載の遺伝子構築物。
(3)前記2つの部位特異的組換え酵素標的配列が同一ではなく、これらの標的配列間では組換えが生じないが、同じ標的配列同士では組換えが生じることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の遺伝子構築物。
(4)前記組換え酵素がCreであり、その標的配列がloxP及びその変異配列であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の遺伝子構築物。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の遺伝子構築物中の任意の遺伝子がコードするタンパク質が、染色体上の遺伝子によりコードされるタンパク質と融合して発現するように、該遺伝子構築物が該染色体上に挿入され、さらに、薬剤耐性遺伝子を発現するためのプロモーターが第2の標的配列の下流に作用可能な方向に挿入された細胞。
(6)CH1遺伝子領域とCH2遺伝子領域の間に、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の遺伝子構築物が挿入された上記(5)に記載の細胞。
(7)上記(5)又は上記(6)に記載の細胞に、該細胞の染色体上に挿入されている任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子と異なる他の任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子を有する上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の遺伝子構築物を含むプラスミド、及び部位特異的組換え酵素を発現するプラスミドを導入した細胞。
(8)前記他の任意の遺伝子が、抗体の重鎖定常領域遺伝子又はその一部であることを特徴とする上記(7)に記載の細胞。
(9)前記プラスミドによって発現される部位特異的組換え酵素がCreであり、前記遺伝子構築物を含むプラスミド中の標的配列がloxP及びその変異配列であることを特徴とする上記(7)又は(8)に記載の細胞。
(10)以下の(a)〜(c)の工程を含む、上記(5)又は(6)に記載の細胞から発現される前記融合タンパク質を改変する方法。
(a)上記(5)又は(6)に記載の細胞の染色体上に挿入されている任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子と異なる、他の任意の遺伝子及び他の薬剤耐性遺伝子を有する上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の遺伝子構築物を含むプラスミド、及び部位特異的組換え酵素を発現するプラスミドを該細胞に導入する工程、
(b)工程(a)により得られた細胞から、プラスミドに挿入された薬剤耐性遺伝子による耐性を獲得した細胞を選択する工程、
(c)工程(b)で選択された細胞から、所望の改変された融合タンパク質を発現する細胞クローンを選択する工程、
(11)前記他の抗体重鎖定常遺伝子が、抗体の重鎖定常領域遺伝子又はその一部であることを特徴とする上記(10)に記載の方法。
(12)前記プラスミドによって発現される部位特異的組換え酵素がCreであり、前記遺伝子構築物を含むプラスミド中の標的配列がloxP及びその変異配列であることを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の方法。
本発明の抗体重鎖定常領域の改変方法を用いると、従来法に比べ、所望の改変抗体を取得するまでの期間を大幅に(4日程度に)短縮することができる。
また、従来法では、所望の改変抗体を産生する形質転換体の取得効率は予測不能かつ低いが、本発明の方法によれば、どのようなケースでも形質転換体のほぼ100%が所望の改変抗体を産生する細胞である。
従来法によると、抗体重鎖定常領域の改変に長い時間が必要であったため、改変操作を行う間に、抗原認識に関わる可変領域に変異が入り、抗原への結合性が失われる可能性が高かった。本発明によって、このような危険性を低減することが可能となる。
本発明によれば、ADCCなどの活性を高める変異の導入や、重鎖定常領域に他のタンパク質、例えば、蛍光タンパク質や酵素、ペプチド毒素、精製用のHisタグ、抗体のFab、Antibody Drug Conjugationにおいて抗体と毒素を共役させるのに必要なタンパク質などを自在に連結することができ、しかも、その操作を短期間で完了することが可能となる。
本発明の構築物が挿入された抗体重鎖定常領域遺伝子の模式図(ニワトリの抗体遺伝子を例にする)(A)、及び該細胞の抗体重鎖定常領域遺伝子を改変する方法を示した模式図(B)である。 本発明の遺伝子構築物(抗体重鎖定常領域遺伝子として、ヒトigG1−Fc領域を含む)を抗体重鎖定常領域に挿入した抗体産生B細胞を用いて、アドリブ法により、抗EGFR抗体産生細胞を獲得し、ELISA法によって、得られたIgM抗体特異性を確認した結果である。 細胞膜上に発現しているEGFRに対するIgM抗体の結合性を、フローサイトメーターを用いて確認した結果である。 抗体重鎖定常領域遺伝子の改変処理を行った後、選択した細胞の培養上清中に分泌される抗体のFc領域が改変されたことを確認するために行ったドットブロットの結果である。 Fc領域を改変した後においても、EGFRに対する結合性が失われていないことを確認した、フローサイトメーターの結果である。
本発明の第1の実施形態は、少なくとも、任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子を、2つの部位特異的組換え酵素標的配列の間に配置した遺伝子構築物であって、該遺伝子構築物の上流側から、部位特異的組換え酵素の標的配列、任意の遺伝子、薬剤耐性遺伝子、部位特異的標的組換え酵素の標的配列の順番に配置され、薬剤耐性遺伝子のみ逆方向に配置されている、遺伝子構築物。
ここで、「任意の遺伝子」とは、タンパク質をコードする遺伝子あればよく、特に限定されるものではなく、例えば、抗体重鎖定常領域遺伝子又はその一部をコードする遺伝子、抗体のFab領域をコードする遺伝子の他、蛍光タンパク質、酵素、ペプチド毒素、精製用のタグ(Hisタグなど)などの抗体以外のタンパク質をコードする遺伝子、あるいは、これらの抗体若しくはその一部と抗体以外のタンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子であってもよい。
ここで、「任意の遺伝子」が抗体重鎖定常領域遺伝子又はその一部である場合の実施形態は、少なくとも、抗体重鎖定常領域遺伝子又はその一部(例えば、Fc領域遺伝子)及び薬剤耐性遺伝子を、2つの部位特異的組換え酵素標的配列の間に配置した遺伝子構築物であって、この遺伝子構築物の上流側から、順に、第1の部位特異的組換え酵素標的配列、所望の抗体重鎖定常領域遺伝子、薬剤耐性遺伝子、第2の部位特異的組換え酵素標的配列が配置され、薬剤耐性遺伝子のみ逆方向に配置されている、遺伝子構築物である(図1を参照)。
本発明の遺伝子構築物に含まれる「任意の遺伝子」は、いかなる動物種由来(例えば、ヒト、サル(霊長類の他、原猿などの非霊長類も含む)、マウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ウマ、ウシ、トリ、イヌ、ネコ、ラクダなどであり、特に好ましくは、ヒト、マウス、ウサギなど)であってもよい。また、「任意の遺伝子」が抗体重鎖定常領域遺伝子又はその一部である場合には、いかなる抗体クラス(例えば、IgG)のものであってもよいが、例えば、IgGのFc領域をコードする遺伝子などが好ましい。これらの抗体重鎖定常領域遺伝子は、公のデータベースなどから遺伝子情報を取得し、取得した情報に基づいて、所望の動物由来のゲノムDNAなどからPCR法によって、増幅、単離することができるうえ、さらに野生型の配列に任意の変異を加えることも可能である。
また、本発明の遺伝子構築物は、2つの部位特異的組換え酵素標的配列の間に、少なくとも、任意の遺伝子と薬剤耐性遺伝子が配置されていればよく、これら遺伝子以外の遺伝子又は核酸配列が配置されることを排除するものではない。例えば、本発明の遺伝子構築物中には、所望のスプライシングを可能ならしめるためのスプライシング制御配列や、転写の停止シグナル配列など、任意の遺伝子と薬剤耐性遺伝子が所望の機能を発揮し、また、所望の抗体を発現するために必要な配列が含まれていてもよい。
本発明の遺伝子構築物の転写の向きは、「第1の部位特異的組換え酵素標的配列→任意の遺伝子→薬剤耐性遺伝子A→第2の部位特異的組換え酵素標的配列」の方向を正方向とする。この配列を細胞内の染色体に挿入する場合、薬剤耐性遺伝子Aの転写の方向性は、本発明の遺伝子構築物において逆方向に配置され、第2の部位特異的組換え酵素標的配列の3’側に、薬剤耐性遺伝子の発現に必要なプロモーター(CMVプロモーターなど)を上記挿入遺伝子の転写方向とは逆方向に配置する。
遺伝子改変の供与体(すなわち、置き換える側の遺伝子構築物であって、プラスミドに挿入する遺伝子構築物)として、「第1の部位特異的組換え酵素標的配列→任意の遺伝子(上記染色体上の「任意の遺伝子」とは異なる遺伝子)→薬剤耐性遺伝子B→第2の部位特異的組換え酵素標的配列」を細胞内に導入し、Creリコンビナーゼを発現させると、100%の効率で染色体の「第1の部位特異的組換え酵素標的配列→任意の遺伝子→薬剤耐性遺伝子A→第2の部位特異的組換え酵素標的配列」配列が、遺伝子改変供与体である「第1の部位特異的組換え酵素標的配列→任意の遺伝子(上記染色体上の「任意の遺伝子」とは異なる遺伝子)→薬剤耐性遺伝子B→第2の部位特異的組換え酵素標的配列」配列に置換される。この場合、供与体の遺伝子構築物に挿入された薬剤耐性遺伝子Bが発現し、これを用いて100%の効率で組換え体を選抜することができる。
なお、本発明の遺伝子構築物を抗体の遺伝子領域に挿入した場合、細胞内の抗体遺伝子領域内部に、抗体遺伝子の転写方向と相反する方向に転写される薬剤耐性遺伝子が存在することから、期待される抗体遺伝子の発現が干渉を受ける可能性が当該業者によって想定される。ところが、本発明では予想外のことに、抗体遺伝子(トリIgM、キメラIgG)と薬剤耐性遺伝子の全てが発現し、遺伝子の迅速交換と発現の両立が可能である。
薬剤耐性遺伝子としては、当該技術分野において通常使用されるものであれば、いかなる遺伝子であってもよく、例えば、ピューロマイシン耐性遺伝子、プラストサイジンS耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子などを挙げることができる。
得られた遺伝子構築物は、公知の遺伝子導入技術(遺伝子ターゲティング技術)を利用して、染色体上の目的の位置に挿入することができる。これら一連の技術は、当業者であれば容易に実施することができ、適宜、市販のキットなどを利用して行ってもよい。
「部位特異的組換え酵素」とは、ゲノム上の特定の部位において特異的な組換えが起こるために必要な酵素のことであり、例えば、組換え酵素「Cre:causes recombination」などを挙げることができる。また、「部位特異的組換え酵素標的配列」とは、部位特異的組換え酵素が標的とする配列であり、この配列部分で組換えが生じる。「部位特異的組換え酵素標的配列」としては、Creによって認識される「loxP」配列などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、loxP配列には、種々の変異配列が存在しており(例えば、Lee et al., Gene 216:55-65 1998などを参照のこと)、使用目的に応じて、これらの配列を適宜利用してもよい。好ましくは、第1の部位特異的組換え酵素標的配列と第2の部位特異的組換え酵素標的配列は同一ではなく、例えば、第2の部位特異的組換え酵素標的配列は、第1の部位特異的組換え酵素標的配列の変異配列であって、又はその逆であって、同じ配列同士(第1と第1、あるいは、第2と第2)であれば、組換えが生じるが、これらの配列間(第1と第2)では組換えが生じない方がよい。このような、第1及び第2の部位特異的組換え酵素標的配列ペアとしては、例えば、配列番号4(loxP配列)と配列番号3(loxPV配列)のペアを挙げることができる。
本発明の第2の実施形態は、本発明の遺伝子構築物中の任意の遺伝子がコードするタンパク質が、染色体上の遺伝子によりコードされるタンパク質と融合して発現するように、該遺伝子構築物が該染色体上に挿入され、さらに、薬剤耐性遺伝子を発現するためのプロモーターが下流側の標的配列の下流に作用可能に挿入された細胞である。ここで、「染色体上の遺伝子によりコードされるタンパク質」とは、本発明の構築物を導入する細胞の染色体上に元来存在していた遺伝子によってコードされるタンパク質であっても、外来性の遺伝子によってコードされるタンパク質であってもよい。
「染色体上の遺伝子によりコードされるタンパク質」が、例えば、抗体の一部(例えば、抗体重鎖Fab領域)である場合の実施形態は、抗体重鎖定常領域遺伝子座のCH1遺伝子領域とCH2遺伝子領域の間に、本発明の遺伝子構築物が挿入され、さらに、薬剤耐性遺伝子を発現するためのプロモーターが下流側の部位特異的組換え標的配列(第2の部位特異的組換え酵素標的配列)の下流に、抗体遺伝子の転写方向とは逆向きに薬剤耐性遺伝子を転写するように作用可能に配置された細胞である。
本明細書中に記載されるプロモーターは、特に限定されるものではなく、例えば、CMVプロモーター、Tetプロモーター、SV40プロモーターなどを使用することができ、当業者であれば、容易に適切なプロモーターを適宜選択することができる。
本発明で使用される細胞としては、特に限定されるものではなく、例えば、ES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞の他、抗体産生B細胞(例えば、ヒト由来のNalm6細胞やニワトリ由来のDT40)や、何らかの改変により抗体を産生し得るようになったその他の抗体産生細胞(例えば、抗体を発現しているCHO細胞、A431細胞)などを挙げることができる。
本発明で使用される細胞が、抗体産生B細胞又はその他の抗体産生細胞の場合、これらの細胞から産生される抗体は、その可変部は、使用する抗体産生B細胞に由来する遺伝子によってコードされるものであり、必要に応じて変異が導入されていてもよい。
本発明の抗体産生細胞は、その染色体上の抗体可変領域に多種多様な変異を有していてもよい。抗体の多様性は、可変領域が再編成され、非常に多くの異なる抗原認識特性を獲得する結果生じる。よって、本実施形態で作製される抗体産生細胞には、染色体上への本発明の遺伝子構築物の挿入前後において、可変領域の再編成に必要な多様な変異を導入する処理が施された抗体産生細胞も含まれる。ここで、可変領域の編成に必要な変異を導入する方法は、XRCC2及びXRCC3を欠失させたB細胞を使用する方法(例えば、Cumber et al., Nature Biotech. 204:1129-1134 2002又は特開2003-503750など)、AID遺伝子の発現を制御する方法(例えば、Kanayama et al., Nucleic Acids Res. 34:e10.,2006又は特開2004-298072など)、あるいは、相同組換え機構を利用する方法(例えば、特許文献1、特許文献2又は非特許文献1など)など、当該技術分野で公知の方法を利用することができる。とりわけ、好ましい方法は、相同組換え機構を利用する方法である。好ましい相同組換え機構を利用する方法として、免疫細胞に内在するヒストン脱アセチル化酵素活性を何らかの方法で阻害して、該免疫細胞内での体細胞遺伝子変換を著しく促進させる方法をあげることができる(アドリブ法;詳細は、上記特許文献1、特許文献2又は非特許文献1などを参照のこと)。細胞に内在するヒストン脱アセチル化酵素の活性を阻害する方法として、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤で、抗体産生細胞を処理する方法(特許文献1又は非特許文献1を参照)や抗体産生細胞中のヒストン脱アセチル化酵素遺伝子の機能を低下又は喪失させる方法(特許文献2を参照)などを使用することができる。使用可能なヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、特に限定されるものではなく、例えば、トリコスタチンA、ブチル酸、バルプロ酸などをあげることができる。その他、場合によっては、活性阻害の対象であるヒストン脱アセチル化酵素の不活性型タンパク質(ドミナントネガティブ)などを阻害物質として使用してもよい。
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)遺伝子の機能を低下又は喪失させる場合、遺伝子機能を低下又は喪失させる対象となるHDACのアイソフォームは、使用する抗体産生B細胞によっても異なるが、好ましくは、HDAC2遺伝子である(詳細は、特許文献2を参照のこと)。
さらに、本発明の第3の実施形態には、上述の第2の実施形態である細胞(「本発明の遺伝子構築物中の任意の遺伝子がコードするタンパク質が、染色体上の遺伝子によりコードされるタンパク質と融合して発現するように、該遺伝子構築物が該染色体上に挿入され、さらに、薬剤耐性遺伝子を発現するためのプロモーターが下流側の標的配列の下流に作用可能に挿入された細胞」)から、発現される融合タンパク質を改変する方法であって、以下の(a)〜(c)の工程を含む方法である:
(a)本発明の遺伝子構築物を染色体上に有する細胞の該染色体上に挿入されている任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子と異なる、他の任意の遺伝子及び他の薬剤耐性遺伝子を有する本発明の遺伝子構築物を含むプラスミド、及び部位特異的組換え酵素を発現するプラスミドを該細胞に導入する工程、
(b)工程(a)により得られた細胞から、プラスミドに挿入された薬剤耐性遺伝子による耐性を獲得した細胞を選択する工程、
(c)工程(b)で選択された細胞から、所望の改変された融合タンパク質を発現する細胞クローンを選択する工程、
ここで、工程(a)において、細胞へ導入するプラスミドのうち、本発明の遺伝子構築物を含むプラスミドには、該プラスミドに挿入されている薬剤耐性遺伝子を発現させ得るプロモーターが挿入されていない方が望ましい。
工程(a)の後、細胞を適当な時間、温度にて培養をすることによって、プラスミドに挿入されている遺伝子構築物が、染色体上に挿入されている遺伝子構築物と、部位特異的組換え酵素標的配列の部分で組換えを起こし、該細胞の染色体上の遺伝子構築物がプラスミド上の遺伝子構築物と置換される。その後、プラスミドに挿入した薬剤耐性遺伝子を選択マーカーとして細胞の選択を行うことで、染色体上の任意の遺伝子が、プラスミド上の任意の遺伝子に改変された細胞クローンを取得することができる。
工程(b)で薬剤耐性による細胞の選択を行った後、選択した細胞から産生される融合タンパク質に対して、活性測定、あるいは、抗体による所望の改変の有無を調べることで、目的の融合タンパク質を産生する細胞クローンを選択することができる(工程(c))。
具体的には、工程(a)「本発明の遺伝子構築物を染色体上に有する細胞の該染色体上に挿入されている任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子と異なる、他の任意の遺伝子及び他の薬剤耐性遺伝子を有する本発明の遺伝子構築物」とは、上述〔0017〕で説明した遺伝子改変の供与体としての遺伝子構築物である。工程(b)で選択された細胞は、元々細胞の染色体上に存在していた「第1の部位特異的組換え酵素標的配列→任意の遺伝子→薬剤耐性遺伝子A→第2の部位特異的組換え酵素標的配列」配列が、遺伝子改変供与体である「第1の部位特異的組換え酵素標的配列→任意の遺伝子(上記染色体上の「任意の遺伝子」とは異なる遺伝子)→薬剤耐性遺伝子B→第2の部位特異的組換え酵素標的配列」配列に100%の効率で組換えられた細胞である。
ここで染色体上の「任意の遺伝子」が、例えば、ヒトIgGのFc領域遺伝子であって、この任意の遺伝子を含む本発明の遺伝子構築物が、抗体重鎖定常領域遺伝子座のCH1遺伝子領域とCH2遺伝子領域の間に挿入されたものであり、遺伝子供与体である遺伝子構築物(すなわち、プラスミド上に挿入された遺伝子構築物)中の任意の遺伝子が、例えば、マウスIgGのFc領域であって、細胞が抗体産生細胞である場合、工程(b)で選択される抗体産生細胞は、ほぼ100%がマウスIgGのFc領域に改変された抗体を産生する細胞である。
本発明には、上記方法によって改変された融合タンパク質も含まれる。例えば、細胞が抗体産生細胞である場合には、その細胞から産生される改変された抗体も本発明に含まれる。
以下に実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
1.実験方法
1−1.細胞培養・ライブラリー作製
DT40細胞は、CO恒温槽にて、5%CO、39.5℃で培養した。培地は、IMDM培地(Invitrogen社)を用い、10%FBS、1%ニワトリ血清、ペニシリン100単位/mL、ストレプトマイシン100μg/mL、2−メルカプトエタノール(55μM)を加えて使用した。また、DT40細胞の抗体ライブラリーを作製するために使用したトリコスタチンA(和光純薬)は、メタノールに5mg/mLとなるように溶解したものをストックとし、適宜培地に希釈した。
A431細胞はCO恒温槽にて、5%CO、37℃で培養した。培地は、D-MEM High Glucose HEPES+培地(Invitrogen社)を用い、10%FBS、ペニシリン100単位/mL、ストレプトマイシン100μg/mLを加えて使用した。
1−2.ターゲッティングベクター作製
pmCherry-C1 (Clontech社)のCMVプロモーターの一部からSV40ターミネーターまでの領域をAS-1プライマー(配列番号1)、AS-2プライマー(配列番号2)を使用しPCRで増幅した後、pcDNA6/myc-His (invitrogen社)のNdeI、PvuIIサイトにin-fusion cloning kit (Clontech社)を用いて挿入し、pCHE2を作製した。pCHE2のNdeI、AgeIサイトにloxPV配列(ATAACTTCGTATAAAGTATCCTATACGAAGTTAT)(配列番号3)を含んだリンカーを挿入したpCHE2-PVを作製した。リンカーとしてはAS-1、PV-4(配列番号5)を使用した。さらにpCHE2-PVのAgeI、ApaIサイトにAS-3プライマー(配列番号6)、AS-4プラマー(配列番号7)を使用しPCRで増幅したピューロマイシン耐性遺伝子を挿入したpPuroを作製した。pPuroのSalI、BglIIサイトにEcoRVとClaIサイトを含むリンカーを挿入したpPuro-linkerを作製し、続けてEcoRI、PvuIIサイトにloxP配列(ATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTAT)(配列番号4)を含むリンカーを挿入し、pPuro-loxを作製した。pPuro-linker作製用リンカーとしてAS-5(配列番号8)、AS-6(配列番号9)を、pPuro-lox作製用リンカーとしてPV-3(配列番号10)、PV-6(配列番号11)を使用した。pPuro-loxのHindIII、XhoIサイトにRamos細胞のゲノムからAS-7プライマー(配列番号12)、AS-8プライマー(配列番号12)を使用し、PCRでヒトIgG1遺伝子のヒンジからCH3の領域を増幅、挿入し、pIgG1を作製した。このプラスミドのヒトIgG遺伝子を含むPacIとClaIで挟まれた領域をch/hu-IgHG1 (非特許文献2参照)のBseRIサイトにPacI、ClaIサイトを含む配列を挿入し作製したpWM No.4のPacI、ClaIサイトに挿入し、ターゲッティングベクターのpWM-IgG1を作製した。
AS-1: AGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGAC(配列番号1)
AS-2: GATTCATTAATGCAGCTGGAATTCTAAGATACATTGATGAGTTT(配列番号2)
PV-4: CGACCGGTATAACTTCGTATAAAGTATCCTATACGAAGTTATAGCGCTAGCGGATCTGACGGTTCAC(配列番号5)
AS-3: ATACCGGTCGCCACCATGACCGAGTACAAG(配列番号6)
AS-4: CCGGGCCCTTAGGCACCGGGCTTGCGGGTC(配列番号7)
AS-5: TCGACGATATCATCGATA(配列番号8)
AS-6: GATCTATCGATGATATCG(配列番号9)
PV-3: AATTCCTCGAGAAGCTTGGTACCATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTATTTAATTAAGCGGCCGCGAGCTCCAG(配列番号10)
PV-6: CTGGAGCTCGCGGCCGCTTAATTAAATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATGGTACCAAGCTTCTCGAGG(配列番号11)
AS-7: ACCAAGCTTTCCTCTAAGTCTTGGTCGCGTC(配列番号12)
AS-8: TTCCTCGAGGCCCTTGAGTGTTCACGTGTG(配列番号13)
1−3.ドナープラスミドとCreリコンビナーゼ発現プラスミドの作製
上記のpPuro-loxのAgeI、ApaIサイトにpcDNA6/myc-His (invitrogen社)を鋳型としてAS-15プライマー(配列番号14)とAS-16プライマー(配列番号15)を使用しPCRで増幅したブラストサイジンS耐性遺伝子を挿入し、さらにSpeI、NheIサイトで挟まれたCMVプロモーター領域を削ったpCMV-を作製した。pcDNA6/myc-His (invitrogen社)のウシ成長ホルモン遺伝子ターミネーター配列(BGHターミネーター)をBGH-5プライマー(配列番号16)、BGH-6プライマー(配列番号17)を使用しPCRで増幅後、in-fusion cloning kit (Clontech社)を用いてpCMV-のEcoRIサイトに挿入し、続けて、HindIII、EcoRIサイトにNIH/3T3細胞のゲノムからAS-13プライマー(配列番号18)とmG2A-22プライマー(配列番号19)を使用し、PCRで増幅したマウスIgG2A遺伝子のヒンジからCH3の領域を挿入し、ドナープラスミドのpIgG2A-Tを作製した。次に、pIRESneo3 (Clontech社)のNruI、SpeIサイトにNheI、XhoIサイトを含んだリンカーを挿入し、さらにXmaI、XbaIサイトにNruI、ClaI、AscIサイトを含んだリンカーを挿入し、pIL2を作製した。それぞれのリンカーにはNX-1(配列番号20)、NX-2(配列番号21)とNCA-3(配列番号22)、NCA-4(配列番号23)を使用した。pIL2のCMVプロモーターをSpeI、EcoRIサイトを使ってpCAGGS由来のCAGプロモーターと置換し、続けて、HpaI、MluIサイトにpIRESneo3のSV40ターミネーター領域をSV40A-1プライマー(配列番号24)、SV40A-2プライマー(配列番号25)を使用し、PCRで増幅、挿入し、pIELを作製した。pIELのClaI、AscIサイトにpcDNA6/myc-His (invitrogen社)のブラストサイジンS耐性遺伝子をbla-3プライマー(配列番号26)、bla-2プライマー(配列番号27)を使用しPCRで増幅、挿入し、pIELkbを作製した。pIELkbのBamHI、AscIサイトにpcDNA6/myc-His (invitrogen社)のMyc-6xHisをコードする領域をCMH-1プライマー(配列番号28)、CMH-2プライマー(配列番号29)を使用しPCRで増幅、挿入し、pCMHを作製した。pCMHのEcoRI、AscIサイトにCreリコンビナーゼをAS-11プライマー(配列番号30)、AS-12プライマー(配列番号31)を使用してPCRで増幅、挿入し、Creリコンビナーゼ発現プラスミドのpCAG-Creを作製した。
AS-15: ATACCGGTGCCACCATGGCCAAGCCTTTG(配列番号14)
AS-16: CCGGGCCCTTAGCCCTCCCACACATAAC(配列番号15)
BGH-5: GTACAAGTAAGAATTCGCCTCGACTGTGCCTTCTAG(配列番号16)
BGH-6: ATGTATCTTAGAATTGCCCATAGAGCCCACCGCATCC(配列番号17)
AS-13: ACCAAGCTTCTTAGCCTAGCTAGACCAGC(配列番号18)
mG2A-22: GCGAATTCTCATTTACCCGGAGTCCGGG(配列番号19)
NX-1: GCTAGCCTCGAGA(配列番号20)
NX-2: CTAGTCTCGAGGCTAGC(配列番号21)
NCA-3: CCGGGTCGCGAATCGATGGCGCGCCT(配列番号22)
NCA-4: CTAGAGGCGCGCCATCGATTCGCGAC(配列番号23)
SV40A-1: TTGTTAACTTGTTTATTGCAGCTTATAATGG(配列番号24)
SV40A-2: CGACGCGTTTAATTAAGATATCACCGGTCGCGTTAAGATACATTGATG(配列番号25)
bla-3: GAATCGATTCAGCCACCATGGCCAAGCCTTTGTCTCA(配列番号26)
bla-2: GAGGCGCGCCTTAGCCCTCCCACACATAAC(配列番号27)
CMH-1: TTCGGATCCGCATGCATCGATGAACAAAAACTCATCTCAGA(配列番号28)
CMH-2: AGAGGCGCGCCTTAATGGTGATGGTGATGATGACCGGTATG(配列番号29)
AS-11: AAGAATTCGCCACCATGCCCAAGAAGAAGAGGAAGGTGTCCAATTTACTGACCGTACACCA(配列番号30)
AS-12: GAGGCGCGCCTTAATCGCCATCTTCCAGCAGGC(配列番号31)
1−4.遺伝子ターゲティング法による形質転換
pWM-IgG1(40μg)をEcoRVで処理し、直鎖状にした。その後DNAを精製し、乾燥後500μLの1×PBSに溶解した。次に、1×107個の細胞を10mLの1×PBSで洗浄したあと、300μLの1×PBSで再懸濁した。1−2.で準備したDNAを加えて、専用の4mm四方キュベット(BIO-RAD、cat#: 165-2088)に溶液を移した。10分間氷冷したあとGene Pulser Xcell(BIO-RAD)を用い、電圧550 V、電気容量25 μF、抵抗∞Ωの条件で形質転換した。形質転換後10分間氷冷した後、20 mLの新鮮な培地に移して、5%CO2、37℃で18〜24時間培養した。その後、ピューロマイシン(0.2μg/mL)を含む培地で限界希釈した。目的のクローンを判断するためにはドットブロットを実施した。コロニーが観察できた穴の培養液を回収してHybond-ECL(GE Healthcare、cat#: RPN78D)にブロットした。抗体処理には、抗ヒトIgGポリクローナル抗体-HRP(BETHYL、Cat#: A80-104P)終濃度0.1μg/mLの0.1%スキムミルクTBST溶液を用いた。
1−5.Creリコンビナーゼ依存的組換えによる形質転換
Nucleofector Kit T (Lonza社、cat#VCA-1002) のsupplement1とsolutionTを10:45の割合で混合した溶液 100μlと1×107個の細胞を混合し、さらにそこにDNA、15μg (ドナープラスミドとCreリコンビナーゼ発現プラスミド)を加えた。その後、専用のキュベットに細胞溶液を移し、NucleofectorII (Lonza社)を用いてプログラムB-23で形質転換を行った。形質転換後、細胞溶液をあらかじめ準備していた6穴プレート中の5mLの培地に移し、5%CO2、39.5℃下で培養した。培養開始48時間後に細胞溶液全量をシャーレに移して、新しい培地を10 mL加えた。そして、ブラストサイジンS (終濃度15μg/mL)を培養液に加え、薬剤選抜を行った。
1−6.抗原の調製
12μgの抗原(EGFR)を緩衝液Aに懸濁して、合計40μLの反応液を作製した。
1−7.抗原付き磁気ビーズの作製
磁気ビーズ(Dynal社;M280- Tosylactivated)懸濁液(磁気ビーズ密度=2×109/mL)を十分に混合・懸濁し、0.5mLチューブに2μL分取した。その後、マグネットスタンドに立て、室温で1分間静置した。上清を除去し、緩衝液 A 40μLに懸濁し、再びマグネットスタンドに戻し1〜2分間静置した。その後、上清を除去し、再度、緩衝液A(40μL)に懸濁し、1〜2分間静置した。上清を除去し、先に調製した抗原をビーズに混ぜて懸濁し、37℃で終夜回転させながらインキュベートした。その後、遠心沈殿させて再び懸濁し、マグネットスタンドに立て、1分間静置した。上清を除去し、ビーズを緩衝液B(PBS pH7.4 with 0.1%BSA) 40μLに懸濁し、1〜2分間静置した後、上清を除去した。次いで、ビーズを緩衝液C(0.2M Tris-HCl pH8.5 with 0.1%BSA) 40μLに懸濁し、新しい0.5mLチューブに移し、室温で終夜回転させながら反応させた。その後遠心沈殿させて懸濁し、マグネットスタンドに立て、1分間静置した後上清を除去し、ビーズを緩衝液B 40μLに懸濁して1〜2分間静置した。再度上清を除去し、ビーズを緩衝液B 40μLに懸濁、1〜2分間放置した。上清を除去し、ビーズを0.02%アジ化ナトリウム入りの緩衝液B 40μLに懸濁して4℃で保存した。
1−8.抗原付き磁気ビーズ の洗浄
Selection Buffer (1%BSA in PBS) 1mLに抗原付き磁気ビーズ5μLをけん濁し、磁気スタンドに立てた。2分間放置し、上清を除去したこれを3回繰り返し、最後は、1mLにけん濁し、細胞と混ぜるまで氷上に置いておいた。
1−9.抗体セレクション
ライブラリー40mL(1×108cell)を1000回転(192×g)10分間4度で遠心し、上清を除去した。次に、Selection Buffer(1%BSA in PBS) 10mLで沈殿物をけん濁した。15mLチューブに移し、1000回転(192×g)10分間4℃で遠心し、上清を除去した。Selection Buffer 1mLで沈殿物をけん濁し、マイクロチューブに移した。3500回転(1100×g)5分間4℃で遠心し、上清を除去した。Selection Bufferで洗浄済みの抗原付き磁気ビーズ(EGFR+磁気ビーズ)5×106個と混合し、4℃で30分間、穏やかに回転させつつインキュベートした。反応後、よく混ぜ、磁気スタンドに立て、氷上で5分間静置させた。上清を除去し、Selection Buffer 1mLでけん濁し、磁気スタンドに立て、氷上で3分間静置させた。これを5回繰り返した。その後、Selection Buffer 0.5mLでけん濁し、37℃で温めておいた培地 30mLに添加した。ピペットでよくけん濁し、96穴プレートの2レーン目から300μL/wellまいた。初めの1レーンの1wellは空けておき、その下7wellにバックグラウンド用コントロールとして培地を300μLずつ入れた。39.5℃で 1週間 CO2インキュベートで培養した。
1−10.ELISA
ターゲット抗原(EGFR)とコントロール抗原をそれぞれPBSで3μg/mLになるように希釈し、100μLずつ96穴マキシソーププレート(nunc社 Co.449824)に入れ、4℃で一晩反応させた。翌日、プレートの中身を廃棄し、Blocking Buffer(1%BSA in PBS)200μLを入れ室温で 30分間以上ブロッキングさせた。その後、中身を捨て、Wash Buffer(0.05% tween20 in PBS) 200μLで3回洗浄した。洗浄後、Bufferをよく切り、培養上清(一次抗体) 100μLずつをターゲット抗原wellとコントロール抗原wellに入れ、室温で1時間反応させた。その後、中身を捨て、Wash Buffer 200μLで5回洗浄した。次に、二次抗体(BETHYL社;Goat anti Chicken IgM-HRP)をBlocking Bufferで10,000倍希釈した溶液100μLを入れ、室温で45分間反応させた。その後、中身を捨て、Wash Buffer 200μLで5回洗浄し、よく水気を切った。最後にTMB+(Dakocytomation社 : TMB+ Substrate-Chomogen, Ready To Use, Non-Flammable S1599) 100μLを5秒間ごとに各レーンに添加していき、室温で3分反応させた。その後、1N硫酸100μLをTMB+の時と同様に、5秒ごとに各レーンに入れ、450nmの吸光度を測定した。特異性検証のため、コントロール抗原としては以下のものを使用した。ウサギIgG(rIgG)、アポフェリチン(APO)、オボアルブミン(OA)、ストレプトアビジン(SA)、 EGF、ヒトIgA(hIgA)、スキムミルク(S.M)。
1−11.フローサイトメーターを使った解析
2×106細胞を回収し、FACS buffer (0.5% BSA、2mM EDTA in PBS)で洗浄後、細胞ペレットを抗体産生細胞の培養上清液(細胞濃度5.0×106細胞/ml)500μlで懸濁し、4℃で15分間インキュベートした。その後、FACS bufferで細胞を洗浄し、二次抗体反応を行った。二次抗体としてFITC標識した抗ヒトIgG抗体 1mg/ml (BETHYL cat#A80-104F)もしくは抗マウスIgG抗体0.5mg/ml (BETHYL cat#A90-236F)を使用し、FACS bufferでそれぞれ4μg/ml、5μg/mlに希釈した溶液を100μlずつ加えて細胞を懸濁した後、4℃で15分間インキュベートした。その後、Propidium iodideで死細胞を染色し(最終濃度4μg/ml)、最後にもう一度FACS buffer で細胞を洗浄し、FC500(BECHMAN COULTER)で測定した。
1−12.ドットブロット
細胞濃度2.0×106 /mLの細胞培養液上清2μLをHybond-ECL(GE Healthcare)にブロットしたのち、十分に乾燥させた。5%スキムミルクTBST(10 mM Tris-HCl、150 mM NaCl、0.05% Tween)で30分間から1時間室温で振盪した後、TBSTで10分間、2回洗浄した。次に0.1%スキムミルクTBSTに抗体を加えた溶液中で1時間抗体反応させた。抗体として、HRP標識した抗ヒトIgG抗体 1mg/ml (BETHYL cat# A80-104P)もしくは抗マウスIgG抗体0.5mg/ml (BETHYL cat# A90-231P)をそれぞれ最終濃度100 ng/ml、50 ng/mlで使用した。抗体反応後、TBSTで15分間洗浄して、さらにTBSTで5分間、4回洗浄した。最後にECL Western Blotting Analysis System(GE HEALTHCARE)検出処理をした後にLAS(GE Healthcare)で蛍光を検出した。
2.結果
上記1−2.で作製したターゲティングベクター(pWM-IgG1)には、loxP/loxPV配列の間にヒトIgG1遺伝子のヒンジからCH3の領域(Fc領域)と、逆向きにピューロマイシン遺伝子が挿入された遺伝子構築物が挿入されている(図1参照)。このベクターを用いてDT40細胞を形質転換し、ピューロマイシン存在下で選択を行い、遺伝子構築物が挿入された細胞クローンを取得した。得られた細胞クローンから、ADLib法(特許文献1及び非特許文献1)を用いて抗EGFR抗体産生細胞を取得し、ELISAで抗体の特異性を確認した(図2)。
さらに、A431細胞膜上に発現しているEGFRに対する抗体の結合性を、フローサイトメーターを用いて確認した(図3)。
次に、ドナー配列としてマウスIgG2A配列を持ったプラスミドを準備し、Creリコンビナーゼ発現プラスミドと共に遺伝子導入し、48時間培養した後、Creリコンビナーゼ依存的にloxP/loxPV部分で組換えを起こした細胞を選抜するために、培地に薬剤を加え、さらに48時間培養した。その後、ドットブロット法を用いて薬剤(ブラストサイジンS)存在下で生存した細胞の培養上清中ではヒトIgG1が消失し、マウスIgG2Aが発現していること(図4)、また、Fc領域改変後もA431細胞膜上に発現しているEGFRに対する結合性が失われていないことを、フローサイトメーターを用いて確認した(図5)。
本発明は、抗体の重鎖定常領域の改変を迅速かつ簡便に行う方法を提供するものである。抗体医薬の重要性に鑑み、今後の創薬、医療の分野において、所望の薬効を示すバイオ医薬品、特に抗体医薬の開発に際し、本発明が提供する技術は、極めて重要な役割を担うものとして期待される。

Claims (12)

  1. 少なくとも、任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子を、2つの部位特異的組換え酵素標的配列の間に配置した遺伝子構築物であって、該遺伝子構築物の上流側から、部位特異的組換え酵素の標的配列、任意の遺伝子、薬剤耐性遺伝子、部位特異的標的組換え酵素の標的配列の順番に配置され、薬剤耐性遺伝子のみ逆方向に配置されている、遺伝子構築物。
  2. 前記任意の遺伝子が、抗体の重鎖定常領域遺伝子又はその一部であることを特徴とする請求項1に記載の遺伝子構築物。
  3. 前記2つの部位特異的組換え酵素標的配列が同一ではなく、これらの標的配列間では組換えが生じないが、同じ標的配列同士では組換えが生じることを特徴とする請求項1又は2に記載の遺伝子構築物。
  4. 前記組換え酵素がCreであり、その標的配列がloxP及びその変異配列であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遺伝子構築物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の遺伝子構築物中の任意の遺伝子がコードするタンパク質が、染色体上の遺伝子によりコードされるタンパク質と融合して発現するように、該遺伝子構築物が該染色体上に挿入され、さらに、薬剤耐性遺伝子を発現するためのプロモーターが第2の標的配列の下流に作用可能な方向に挿入された細胞。
  6. CH1遺伝子領域とCH2遺伝子領域の間に、請求項1乃至4のいずれかに記載の遺伝子構築物が挿入された請求項5に記載の細胞。
  7. 請求項5又は6に記載の細胞に、該細胞の染色体上に挿入されている任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子と異なる他の任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の遺伝子構築物を含むプラスミド、及び部位特異的組換え酵素を発現するプラスミドを導入した細胞。
  8. 前記他の任意の遺伝子が、抗体の重鎖定常領域遺伝子又はその一部であることを特徴とする請求項7に記載の細胞。
  9. 前記プラスミドによって発現される部位特異的組換え酵素がCreであり、前記遺伝子構築物を含むプラスミド中の標的配列がloxP及びその変異配列であることを特徴とする請求項7又は8に記載の細胞。
  10. 以下の(a)〜(c)の工程を含む、請求項5又は6に記載の細胞から発現される前記融合タンパク質を改変する方法。
    (a)請求項5又は6に記載の細胞の染色体上に挿入されている任意の遺伝子及び薬剤耐性遺伝子と異なる、他の任意の遺伝子及び他の薬剤耐性遺伝子を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の遺伝子構築物を含むプラスミド、及び部位特異的組換え酵素を発現するプラスミドを該細胞に導入する工程、
    (b)工程(a)により得られた細胞から、プラスミドに挿入された薬剤耐性遺伝子による耐性を獲得した細胞を選択する工程、
    (c)工程(b)で選択された細胞から、所望の改変された融合タンパク質を発現する細胞クローンを選択する工程、
  11. 前記他の抗体重鎖定常遺伝子が、抗体の重鎖定常領域遺伝子又はその一部であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記プラスミドによって発現される部位特異的組換え酵素がCreであり、前記遺伝子構築物を含むプラスミド中の標的配列がloxP及びその変異配列であることを特徴とする請求項10又は12に記載の方法。
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