JP5158816B2 - キメラ抗体の一段階作製方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、抗体のクラスを変換する方法の提供を目的とする。
抗体は、5つのクラス(IgM、IgG、IgD、IgE及びIgA)に分類されるが、抗体医薬を含む様々な用途において最もよく利用されているのはIgGである。そのため、いかに結合特性にすぐれた抗体が得られたとしてもそのクラスが例えば、IgMであると、その利用範囲はある程度限られてしまう。また、抗体を生体へ投与し十分な機能を発揮させるためには、抗体の定常部を投与対象動物由来のもので構築し、できるだけ該抗体の免疫原性を低く抑える必要がある。従来、定常領域が異なる動物種又はクラスに由来する抗体は、予め所望のキメラ抗体をコードする遺伝子を挿入した発現ベクターを構築し、このベクターから抗体分子を適当な宿主細胞中で発現させることにより取得されていた。しかし、この方法は、多くの複雑な操作が必要である上、調製された抗体も、定常領域を置換する前と同じ結合特性を保持しているとは限らなかった。
発明者らは、抗体産生B細胞の染色体上の適当な位置に、所望の抗体重鎖定常領域遺伝子を挿入し、B細胞内における抗体産生メカニズムの研究を行った。従来の知見によると、抗体重鎖定常領域遺伝子は、複数のエクソンの選択的スプライシングによって生じるが、そのスプライシングの位置は、ターミネーターなどのシスエレメントの有無には依存せず、そのパターンの予測は難しいと考えられている(Peterson et al., Mol. Cell. Biol., 1994, 14:77-86)。また、一般に、スプライシングの生じる位置も頻度も動物種によって異なるため(例えば、ヒトやマウスに比べるとトリのスプライシング頻度は低い(Chacko et al., BMC Genomics 2009, 10:S5 1-10))、異なる動物由来の抗体重鎖定常領域遺伝子が所望の位置でスプライシングされるとの保証はない。
さらに、本発明者らは、上記キメラ抗体産生細胞内で、前駆体mRNAのポリアデリニル化に関与する因子を過剰発現させると、所望のキメラ抗体の産生量が増大することも見出した。
以上の発明者らによる知見に基づき、本発明は以下のように構成される。
(1)抗体産生B細胞の染色体上のVDJ領域下流に存在する任意のイントロンに、以下の(a)又は(b)の遺伝子もしくはその一部を挿入したキメラB細胞。
(a)該B細胞が由来する動物とは異なる動物の抗体重鎖定常領域遺伝子、
(b)該B細胞が産生する抗体とは異なるクラスの抗体重鎖定常領域遺伝子
(2)ポリアデニル化に関与する因子又はポリアデニル化に関与する因子の補充に関与する転写伸長・活性化因子を過剰発現している上記(1)に記載のキメラB細胞。
(3)前記ポリアデニル化に関与する因子が、CstF又はCstF−64サブユニットである上記(2)に記載のキメラB細胞。
(4)前記ポリアデニル化に関与する因子の補充に関与する転写伸長・活性化因子が、ELL2である上記(2)に記載のキメラB細胞。
(5)前記キメラB細胞の細胞表面上に抗体が発現していることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のキメラB細胞。
(6)前記キメラB細胞の抗体可変領域遺伝子に、多様な変異を導入することを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のキメラB細胞。
(7)前記多様な変異の導入が、前記抗体産生B細胞又は前記キメラB細胞中のヒストン脱アセチル化酵素遺伝子の機能を低下又は喪失させることによって達成される上記(6)に記載のキメラB細胞。
(8)前記ヒストン脱アセチル化酵素が、HDAC2であることを特徴とする上記(7)に記載のキメラB細胞。
(9)前記多様な変異の導入が、前記キメラB細胞をHDAC阻害剤で処理することで達成される上記(6)に記載のキメラB細胞。
(10)前記異なるクラスがIgGである上記(1)乃至(9)のいずれかに記載のキメラB細胞。
(11)前記異なる動物が、ヒト、マウス、ウサギのいずれかである上記(1)乃至(10)のいずれかに記載のキメラB細胞。
(12)前記抗体産生B細胞が、DT40細胞である上記(1)乃至(11)のいずれかに記載のキメラB細胞。
(13)前記任意のイントロンが、前記抗体産生B細胞染色体上の抗体重鎖定常領域遺伝子のエクソン1とエクソン2の間に位置することを特徴とする上記(12)に記載のキメラB細胞。
(14)上記(1)乃至(13)のいずれかに記載のキメラB細胞からなる抗体産生細胞ライブラリー。
(15)上記(1)乃至(13)のいずれかに記載のキメラB細胞からキメラ抗体を作製する方法。
(16)上記(15)に記載の方法により取得されるキメラ抗体。
(17)上記(1)乃至(13)のいずれかに記載のキメラB細胞又は上記(16)に記載のキメラ抗体を作製するためのキット。
(a)該B細胞が由来する動物とは異なる動物の抗体重鎖定常領域遺伝子、
(b)該B細胞が産生する抗体とは異なるクラスの抗体重鎖定常領域遺伝子
本発明で使用される抗体産生B細胞は、特に限定されるものではなく、いかなる動物種由来の細胞であってもよい。株化されたものでも、されていないものでも使用可能であるが、株化された細胞が好ましい。抗体産生B細胞としては、例えば、ヒト由来のNalm6細胞やニワトリ由来のDT40細胞を挙げることができ、特に好ましくは、DT40細胞である。
本明細書中においては、「キメラ」なる用語は、通常使用される意味よりも広い意味で使用される。つまり、本来保持していない遺伝情報を保持した、例えば、染色体、細胞、遺伝子、タンパク質などについて、キメラ染色体、キメラ細胞、キメラ遺伝子、キメラタンパク質(キメラ抗体など)のように使用することとする。
これらの抗体重鎖定常領域遺伝子は、公のデータベースなどから遺伝子情報を取得し、取得した情報に基づいて、所望の動物由来のゲノムDNAなどからPCR法によって、増幅、単離することができる。得られた抗体重鎖定常領域遺伝子は、公知の遺伝子導入技術(遺伝子ターゲティング技術)を利用して、染色体上の目的の位置に挿入することができる。これら一連の技術は、当業者であれば容易に実施することができ、適宜、市販のキットなどを利用して行ってもよい。
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)遺伝子の機能を低下又は喪失させる場合、遺伝子機能を低下又は喪失させる対象となるHDACのアイソフォームは、使用する抗体産生B細胞によっても異なるが、好ましくは、HDAC2遺伝子である(詳細は、特許文献2を参照のこと)。
本発明のキメラB細胞から産生されるキメラ抗体の産生量を増大させるために、該キメラB細胞から元来産生される抗体(例えば、トリB細胞のIgM)に対する所望のキメラ抗体(例えば、キメラIgG)の産生比率を高める必要がある。
これまでに、B細胞中において、膜結合型IgMと分泌型IgMが同時に発現される場合、これら両抗体の発現量は、RNAの切断−ポリアデニル化とRNAスプライシング反応とのバランスによってコントロールされていることが知られている(Peterson et al., Mol. Cell. Biol. 9 726-738 1989)。すなわち、選択的スプライシングが行われずにプロモーターに近いポリAサイトが使用されると分泌型IgMが産生され、選択的スプライシング後に末端のポリAサイトが使用されると膜結合型IgMが産生される。
また、B細胞が成熟型プラズマ細胞に分化する際、プロモーターに近いポリAサイトに、ポリアデニル化に関与する因子(例えば、CstF、CPSF)や、それらの補充に関与する転写伸長・活性化因子(例えば、ELL2、PC4)が結合し(Takagi et al., Cell, 87, 941-952 1996; Edwalds-Gilbert et al., Nucleic Acids Symp. Ser., 33, 229-293 1995; Shell et al., J. Immunol., 179(11), 7663-7673 2007)、特にCstFとELL2の過剰発現によりポリAサイトの使用が増強され、分泌型IgMの産生が膜結合型IgMよりも増大することが知られている(Takagi et al., Cell, 87, 941-952 1996; Martincic et al., Nat. Immunol., 10, 1102-1109 2009)。逆に未成熟型B細胞では、RNAスプライシング反応を促進する因子(例えば、U1A、hnRNP F)の発現によりポリアデニル化因子の補充が抑制され、分泌型IgMより膜結合型IgMの生産が優先されることが知られている(MA et al., RNA, 12(1), 122-132 2006; Veraldi et al., Mol. Cell. Biol, 21(4), 1228-1238 2001)。
そこで、本発明のキメラB細胞は、その細胞中において前駆体mRNAのポリアデニル化に関与する因子、例えば、CstF(Cleavage stimulation factor:切断促進因子)、CPSF(Cleavage-polyadenylation specificity factor:切断−ポリアデニル化特異因子)の過剰発現、又はそれらの補充に関与する転写因子、例えば、ELL2(Elongation factor RNA polymerase II:RNAポリメラーゼII伸長因子)、PC4(Positive cofactor4: 転写補助活性化因子)、の過剰発現、又はそれらの補充を妨げるスプライシング因子、例えばU1A(Spliceosomal protein U1A:スプライセオソームたんぱく質)、hnRNP F(Heterogeneous nuclear ribonucleoprotein F:ヘテロ核リボヌクレオタンパク質)の発現抑制をしていてもよく、特に、CstFの過剰発現が好ましい。
ここで、CstFは、77kDa(CstF−77)、64kDa(CstF−64)及び50kDa(CstF−50)のサブユニットからなり、各サブユニットいずれのサブユニットを単独で過剰発現させてもよいが、各々を組み合わせて発現させてもよく、特に、好ましくは、CstF−64を過剰発現させることである。「過剰発現」とは、目的タンパク質(ここでは、CstF−64など)の発現量が、野生型の細胞株における該タンパク質の発現量よりも多い状態のことである。過剰発現は、内在性の目的タンパク質が何らかの要因で過剰に発現されている状態であってもよく、外来性の目的タンパク質を発現させた状態のいずれでもよいが、好ましくは、外来性の目的タンパク質を発現させた状態である。外来性の目的タンパク質の発現は、当業者おいて容易に実施することができ、目的タンパク質を構成的(構成的プロモーターの使用)に発現させてもよく、あるいは、必要な時期に一過的に発現誘導(誘導的プロモーターの使用)を行ってもよい。
本発明のキメラB細胞は、所望の抗体重鎖定常部を有するキメラ抗体を産生することができる。このキメラB細胞を、当該細胞に適した培養条件にて培養を行うと、キメラ抗体と共に、当該キメラ抗体と同一の抗原性を持つ膜結合型抗体を同時に発現させることができる。そこで、膜結合型抗体と目的の抗原との結合性を指標にして、目的の抗原を認識するキメラ抗体を産生するキメラB細胞を選択し、該キメラB細胞をクローン化すれば、該クローン化したキメラB細胞から所望のキメラ抗体を継続的に取得することが可能となる。ここで、作製したキメラB細胞の中から、所望の抗原特異性を示すキメラ抗体を産生するキメラB細胞を選択するために、ADLib法を利用することができる。ADLib法は、多様な抗体を調製するための方法として上述した中の相同組換え機構を利用する方法であり、多様な抗体を産生するB細胞ライブラリーを構築してその中から所望の抗体産生細胞を選択する一連の方法である(特許文献1又は非特許文献1を参照のこと)。
キメラB細胞を作製するためのキットとしては、キメラB細胞の元細胞である抗体産生B細胞(例えば、DT40細胞など)、該細胞を培養するために必要な培地や必要なサプリメントなどの他、染色体に挿入する抗体重鎖定常領域遺伝子(又はその一部)を含んだ遺伝子ターゲット用ベクターや遺伝子導入に必要な試薬類が含まれる。また、キメラB細胞の抗体可変領域の多様性を促進するために必要な要素、例えば、HDAC阻害剤やHDAC遺伝子の機能低下又は喪失を行うのに必要な試薬類が含まれていてもよい。
キメラ抗体を作製するためのキットには、所望の抗原特異性を有する抗体を選択するための試薬類として、例えば、種々の抗原、磁気ビーズの他、磁気ビーズ調製用試薬、抗体選択に使用される標識抗体、ELISAなどの検査に必要なプレートなど、キメラ抗体の作製に必要と考えられるものであれば、いかなる物が含まれていてもよい。
1−1.細胞の培養条件
ニワトリB細胞由来のDT40細胞は、CO2インキュベーターにて5%CO2、39.5℃で2×105から1.5×106細胞/mlの濃度を保つように継代培養した。培地は、イスコフ改変ダルベッコ培地(Invitrogen社)を用い、10%FBS、1%ニワトリ血清、ペニシリン100単位/mL、ストレプトマイシン100μg/mL,2−メルカプトエタノール55μMを加えて使用した。キメラIgG精製直前の継代には、牛血清IgGなどの混入を抑えるため10%FBSの代わりに10%Ultra−Low IgG FBS(Gibco−Invitrogen社)を加えた培地を使用した。また、トリコスタチンA(和光純薬)は、メタノールに2mg/mLに溶解したものをストックとし、2.5ng/mLとなるように培地に希釈した。
まず、ヒトIgHG1(IgG1重鎖)定常部の全長(エクソン:CH1、H(ヒンジ)、CH2、CH3、ポリアデニル化サイトを含む約3Kb断片)とトリIgHM(IgM重鎖)定常部のエクソン1-3を含む断片をExpand Long Range PCR システム(Roche社)を用いてゲノムDNAからPCR増殖した。QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社)で精製後、それぞれのPCR産物断片をTOPO TAクローニングキット(Invitrogen社)でメーカーの手順に従いpCR2.1TOPOベクターにクローニングした。その際、トリIgHM定常部の断片を一度に増殖するのは困難なので、予めエクソン1-2断片とエクソン2−3断片をそれぞれクローニングし、PmlIとMscI制限酵素で切り出したエクソン2-3断片をエクソン1-2に連結反応で繋げて(DNA Ligation Kit Ver.2.1、タカラバイオ社)、目的断片の全長をクローニングした。
PCRプライマー:
ヒトIgHG1;
TGTGGTGACTGAGCCTCCAGA (配列番号1)/ GAGTGTTCACGTGTGCGAGGA(配列番号2)
トリIgHMエクソン1-2;
TCAAAGCGAAGGGAAAGAGA (配列番号3)/ GGCTGCCATTTTTGTACCAC(配列番号4)
トリIgHMエクソン2-3;
TTCCGCAACGCCTCCATCCTC(配列番号5) / TTCACCTTACACACGTAGCCATC(配列番号6)
クローニングしたそれぞれの断片はABI 3730xl シーケンサー(Applied Biosystems社)を用いて配列解析で確認した。
次に、ヒトIgHG1定常部の下流のEcoRV制限酵素サイトにβ−アクチンプロモーター制御下のブラストサイジン耐性選択マーカーカセット(bsr)を平滑末端連結で挿入し、ヒトIgHG1エクソンH、CH2、CH3とbsrマーカーを含む断片をMluIとXhoIで切り出した。その挿入断片を、トリIgHMのエクソン1と2の間のイントロン内にあるBseRI制限酵素サイトに平滑末端連結で挿入した。
CstF−64 cDNAのクローニング;
CCATCGATGCGGGGCTGTCGGTGCGCGAC(配列番号13)/CTAGCTAGCTCAGGGTGCCCCTGTGGATTTC(配列番号14)
増幅した配列解析による確認の後、ClaI及びNheIで切り出し、切り出したcDNA断片を、pIRES−neo(Clontech社)由来のベクターであるpIEn−NTベクター(但しpIRES−neo中のCMV発現プロモーターをCAGGSプロモーター(CMVエンハンサー及びトリβ−アクチンプロモーターを含む)で置換したベクター)に挿入した。
上記で構築したトリIgHM/ヒトIgHG1キメラベクター30μgを、NcoI制限酵素で直線化し、野生株のDT40(1×107細胞)に電気穿孔で形質転換した(Bio−Rad 社Gene Pulser、0.4cm gap、550V、25μFD)。CO2インキュベーターにて5%CO2、37℃で24時間培養後、単一クローンを単離するため、4枚の96穴プレートでブラストサイジン25μg/mlを加えた培地で、1週間の培養を行い選択した。選択されたシングルコロニーを増殖後、Trizol処理(Invitrogen社)でRNAを抽出し、逆転写PCR(Superscript III One-Step RT-PCR with Platinum Taq Polymerase、Invitrogen社)でトリIgM可変V領域からヒトIgHG1エクソンCH2までの配列を含むキメラIgG1重鎖mRNAを発現するクローンを選別した(逆転写PCRプライマー:ACTCGTCTCCTCCCTCCTGC(配列番号7) / GCTGGGAGGGCTTTGTTGGAGAC(配列番号8))。さらに、キメラIgG1重鎖のcDNA産物(トリ可変分V領域からヒトIgHG1の終止コドンまで)の配列をABI 3730xl シーケンサー(Applied Biosystems社)で確認した。
ここで得られたトリ/ヒトキメラIgG1ポジティブ株のことを、ここでは、CX13と称することもある。
CstF−64の過剰発現用コンストラクトについては、上述の通り作成したプラスミド50μgをPvuIで直線化し、CX13キメラ株(1×107細胞)に形質転換し、安定なクローンを2mg/mlのジェネティシン(Invitrogen社)を含む培地中で選択を行った。
選択したキメラIgG1発現クローンを、TSA(トリコスタチンA)を加えた12mlの培地で4週間、更に50mlの培地で2週間継代培養した。1×106細胞からゲノムDNAを抽出し(Illustra GenomicPrep Mini Spin Kit、GE Healthcare社)、その200分の1(5000細胞分)を鋳型として抗体遺伝子の軽鎖と重鎖それぞれの可変部(V領域)をPCR増殖した(PCRプライマー:軽鎖=CACACCTCAGGTACTCGTTGCG (配列番号9)/ TCAGCGACTCACCTAGGACGG(配列番号10)、重鎖=ACTCGTCTCCTCCCTCCTGC(配列番号11) / AGGCGGAGGAGACGATGACTTCGGTC(配列番号12))。PCR産物をQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社)で精製後、TOPO TAクローニングキット(Invitrogen社)でクローニングし、ABI 3730xl シーケンサー (Applied Biosystems社)で軽鎖15クローン、重鎖24クローンの配列解析を行った。培養前の元株の遺伝子配列と比べ、遺伝子変換又は点変異などによる異なる配列を持つクローンの比率を測定した。
解析するDT40の各クローンにつき、約1×106細胞を200μlのRIPA緩衝液(150mM塩化ナトリウム、1%トリトンX-100、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、50mMトリス pH8.0)で溶解し、30分4℃で回転子にて撹拌後、10分、20000gで遠心して上清を細胞抽出液として回収した。2〜5μlの細胞抽出液、又は無処置の培養上清を同量のLaemmli(2×)緩衝液(4%ドデシル硫酸ナトリウム、10% 2-メルカプトエタノール、20%グリセロール、0.004%ブロモフェノールブルー、0.125M Tris−HCl pH 6.8)で希釈し、95℃で5分変性させ、10%アクリルアミドゲルで通常の手順に従いXCell SureLock Mini-Cell装置(Invitrogen社)を用いてドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。ニトロセルロースメンブレン(Hybond-ECL、GE-Healthcare社)にブロッティングしたものに、10000分の1希釈したHRP抱合型抗ヒトIgG-Fc抗体(Bethyl社)を反応させ、化学発光(ECL Western Blotting Detection Reagents、GE Healthcare社)で検出した。N結合型糖鎖を切断したタンパク質を準備するには、メーカーの手順に従いPNGase F(NEB社)酵素処理を行った。対象IgG1タンパク質にはヒトIgG1 Kappa(Sigma社)を0.1μg/mlにリン酸緩衝食塩水又は培地に希釈したものを使用した。
細胞膜表面における膜結合型トリIgMの発現の確認は、DT40約1×106細胞を回収し、染色緩衝液(0.3%BSAを含むリン酸緩衝食塩水)で洗浄、懸濁し、4μg/mlのFITC蛍光標識抱合型抗トリIgM抗体(Bethyl社)と5μg/mlのヨウ化プロピジウム(死細胞染色試薬)で染色した。Cytomics FC500フローサイトメーター(Beckman Coulter社)を用いてFITCシグナル強度の定量で膜表面にIgMを発現する細胞の割合を測定した。
磁気ビーズ(Dynal社 M280 Tosylactivated)懸濁液(磁気ビーズ密度=2.0×109)を1.5mlチューブ内に20μL分取し、磁気スタンド上にて1分程度静置して磁気ビーズを集積した後、上清を除去した。緩衝液A(0.1M Na-リン酸緩衝液pH7.4)を40μL添加してボルテックスミキサーで懸濁し、上記同様に磁気スタンドに静置した後、上清を除去した。この洗浄操作を合計で2回繰り返し、最終的に沈殿状態として磁気ビーズを回収した。アポフェリチンを緩衝液A 40μLに溶解し、上述の沈殿状態の磁気ビーズと混合し、懸濁した。混合物を37℃下、ローテーターにて終夜反応させた。その後緩衝液C(0.1%BSAを含むリン酸緩衝食塩水pH7.4)40μLで1回洗い、後緩衝液D(0.1%BSAを含む 0.2M Tris-HCl pH8.5)40μLを加えて懸濁した。この懸濁液を25℃下、ローテーターにて終夜反応させた。その後緩衝液C 40μLで2回洗い、最終的に、磁気ビーズを0.02%アザイドを加えた緩衝液C 40μLに懸濁した。
セレクション緩衝液(1%BSAを含むリン酸緩衝食塩水=150mM 塩化ナトリウム,10mMリン酸緩衝液 pH7.4)1mLに、上述の抗原化合物を結合させた磁気ビーズ懸濁液5μLを添加して混合し、磁気スタンドにて2分間静置の後、上清を除去した。これを3回繰り返し、最終的にセレクション緩衝液1mLに懸濁し、氷冷した。
その後は、ADLibシステムの標準手法に従ってキメラIgG1抗体産生細胞のスクリーニングを実施した。具体的には、キメラIgG1抗体産生細胞の自律多様化ライブラリー50mLをチューブに回収し、190×g、10分、4℃で遠心し、上清を除去した。次にセレクション緩衝液10mLで細胞を懸濁し、15mLチューブに移した。190×g、10分、4℃で遠心し、上清を除去したセレクション緩衝液1mLで細胞を懸濁し、1.5mLチューブに移した。これを1100×g、5分、4℃で遠心して上清を除去した。この細胞沈殿物に前述の氷冷しておいた抗原付き磁気ビーズ懸濁液1mLを添加して懸濁した。この懸濁液を、ローテーターを用い、30分間4℃で反応させた後、ピペッティングで懸濁してから磁気スタンドにチューブを立て、氷上で5分間静置させた。上清を除去し、セレクション緩衝液1mLで懸濁し、再度磁気スタンドに立て、氷上で3分間静置させた。この操作を5回繰り返した。その後、最終的にセレクション緩衝液0.5mLで懸濁した。コーニング社製リザーバーに37℃に温めておいた培地30mLを添加し、その培地中にこの0.5mLの懸濁液を全量投入し、ピペッティングで良く混合した。その後、96穴プレートの各ウェルにこの細胞懸濁液を300μL/ウェルずつ播種した。この際、7ウェルにバックグラウンド用コントロールとして培地のみを300μLずつ添加しておく。その後、39.5℃で 1週間 CO2インキュベーターで培養した。
目的抗原と対照抗原をそれぞれリン酸緩衝食塩水で5μg/mL(スキムミルク添加の場合は5%)になるように希釈し、100μLずつ96穴イムノプレート(U底Maxisorpイムノプレート、Nunc社)に入れ、4℃で終夜反応させた。その後、液をよく切り、ブロッキング緩衝液(1%BSAを含むリン酸緩衝食塩水)200μLを入れ、室温で30分間以上反応させた。その後、洗浄液(1%BSA、0.05% ween20を含むリン酸緩衝食塩水)200μLで3回洗浄した。洗浄後、液をよく切り、培養上清100μLずつを入れ、室温で1時間反応させた。その後、さらに洗浄液200μLで5回洗浄した。次に、二次抗体としてHRP抱合型抗トリIgM抗体、又はHRP抱合型抗ヒトIgG抗体(Betyl社)をブロッキング緩衝液で10,000倍、又は2,000倍希釈した溶液100μLを入れ、室温で45分間反応させた。その後、反応液を切り、洗浄液200μLで5回洗浄し、残余の溶液をできる限り除去した。最後に3,3',5,5'-tetramethylbenzidine(TMB)溶液(Dako Cytomation社)100μLを5秒ごとに各レーンに添加し、室温で3分反応させた。その後、20倍希釈硫酸(1N)100μLを、5秒ごとに各レーンに入れ、450nmの吸光度を測定した。
選択したクローンを10%Ultra−Low IgG FBS(Gibco−Invitrogen社)を加えた30mlの培地中、約2×106細胞/mlの最終濃度で24時間培養した。10分、190gで遠心し、上清を22μmフィルターで濾過した。その上清をプロテインGアフィニティークロマトグラフィーカラム(Mab Trap Kit、GE Healthcare社)でメーカーの手順どおりに精製し、3mlの最終緩衝液に溶出した(約10倍濃縮)。
抗ヒトIgG-Fc抗体(Bethyl社)を10μg/mLにリン酸緩衝食塩水に希釈し、100μLずつ96穴イムノプレート(U底Maxisorpイムノプレート、Nunc社)に入れ、室温下1時間で反応させた。その後、上記のELISAの手法と同じくブロッキング緩衝液で30分間反応、3回洗浄、培養上清 100μLを室温で1時間反応、5回洗浄、二次抗体((HRP抱合型抗ヒトIgG抗体 20,000倍希釈、Bethyl社)100μLを室温で45分間反応した。更に5回洗浄後、TMB溶液100μLを室温で3分反応させ、20倍希釈硫酸(1N)100μLで反応停止後、450nmの吸光度を測定した。標準のヒトIgG1 Kappa(Sigma社)1μg/mlを1から128倍まで培地又はリン酸緩衝食塩水に希釈したものを用いて作製した標準曲線を元に、各サンプルに付き最低2点の測定で精製前と精製後におけるキメラIgG1の濃度を定量した(通常、O.D.が0.6〜1.2の範囲内で測定)。
まず、培養上清を新鮮な培地で連続的に希釈し、上述のELISA法のように、適定を行い、最大O.D.=0.7となるようにした。次いで、0.05nM〜500nMの範囲でアポフェリチンを希釈し、室温で培養上清を共に一晩インキュベートした。その後、混合液をELISA法で解析し、フリーな抗体による最大結合量を50%に阻害する抗原濃度を算出した。
構築したベクター(図1)を用いてトリDT40培養細胞を形質転換した結果、トリ/ヒトキメラIgG1重鎖の発現を確認できるクローンの選択に成功した(キメラ13.29)。ヒトIgHG1断片の下流には終始コドン・ターミネーターを配置していたが、ヒト重鎖第3エクソン(CH3)よりもさらに下流に配置されたエクソン(例えば、トリ重鎖第3及び第4エクソン)を含んだトリIgM重鎖全長のmRNAも検出された。選択されたクローン13.29の細胞抽出液中にトリIgMとキメラIgG1の存在が確認され(図2A及びB)、培養上清中においても、分泌型のトリIgM(図5)とキメラIgG1(図2C)の存在が確認された。トリIgM重鎖定常部エクソン1の配列には、N結合型糖鎖結合サイトが含まれるため、トリIgM重鎖及びその定常部エクソン1を含むキメラ抗体重鎖の見かけの分子量は標準のヒトIgG1に比べて著しく大きくなっている(図2B、「標準ヒトIgG1κ」のレーンと「キメラIgG1算出クローン」のレーンを比較)。この点については、本実施例で得られたトリIgM重鎖及びヒトキメラIgG1重鎖をN結合糖鎖切断処理したところ、予測分子量になることを確認している(トリIgM約60KDa、キメラIgG約50KDa)。また、キメラ13.29クローンの膜結合型抗体に関し、FACS解析を行ったところ、標準のDT40細胞と同じように膜結合型トリIgMが発現していることを確認した(図3)。従って、キメラ13.29クローンは、トリ−ヒトキメラIgGを分泌する他、トリ膜結合型IgMとトリ分泌型IgMの3種類の抗体を産生していることが明らかとなった。
次に、競合ELISA法を用いて、トリIgMとキメラIgGのアポフェリチンに対する親和性の比較を行った。競合抗原量に対する抗体結合量の割合をプロットし、溶液中のフリーな抗体の結合を50%阻害するのに必要な競合抗原の量(IC50)を決定した(図6B)。IC50は、抗体の解離定数と関連する値である。2つの異なるクローンの平均のIC50値(図5候補クローン#4と#13)は、トリIgM(1.8nM)とキメラIgG(1.7nM)で近似していた。この結果から、抗原特異的なトリIgMを指標としてキメラB細胞を選択することで、トリIgMと同等の特異性及び親和性を持つキメラIgGを選択できることが示された。
まず、キメラIgGの発現量の変化を検討するにあたり、細胞の成長のばらつきによる影響を排除するために、異なる初期細胞密度(0.5×106、1×106、2×106)により培養を開始したクローンを2クローン用いて実験を行った。各細胞密度培養16時間後に上清を回収した。CstF−64を過剰発現させたキメラ抗体産生株(図8A、CstF−64+)の培養上清中のキメラIgG濃度は、CstF−64を過剰発現させていない由来を同じくする株(図8A、CX13)のキメラIgG濃度より2〜3倍高かった(図8A)。これに対し、CstF−64を過剰発現させたキメラ抗体産生株の培養上清中のIgM濃度は劇的に減少し、少なくとも1/10程度になっていた(図8B)
この結果から、キメラIgG産生細胞中でポリアデニル化因子のCstF−64を過剰発現させると、IgMの発現が停止し、相対的にIgGの合成が増大することが分かる(IgG:IgMの比率が、約1:5から約4:1に変動した)。
Claims (16)
- 抗体産生B細胞の染色体上のVDJ領域下流に存在する抗体重鎖遺伝子のエクソン1とエクソン2の間に、以下の(a)又は(b)の遺伝子もしくはその一部を挿入したキメラB細胞。
(a)該B細胞が由来する動物とは異なる動物の抗体重鎖定常領域遺伝子、
(b)該B細胞が産生する抗体とは異なるクラスの抗体重鎖定常領域遺伝子 - ポリアデニル化に関与する因子又はポリアデニル化に関与する因子の補充に関与する転写伸長・活性化因子を過剰発現している請求項1に記載のキメラB細胞。
- 前記ポリアデニル化に関与する因子が、CstF又はCstF−64サブユニットである請求項2に記載のキメラB細胞。
- 前記ポリアデニル化に関与する因子の補充に関与する転写伸長・活性化因子が、ELL2である請求項2に記載のキメラB細胞。
- 前記キメラB細胞の細胞表面上に抗体が発現していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のキメラB細胞。
- 前記キメラB細胞の抗体可変領域遺伝子に、多様な変異を導入することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のキメラB細胞。
- 前記多様な変異の導入が、前記抗体産生B細胞又は前記キメラB細胞中のヒストン脱アセチル化酵素遺伝子の機能を低下又は喪失させることによって達成される請求項6に記載のキメラB細胞。
- 前記ヒストン脱アセチル化酵素が、HDAC2であることを特徴とする請求項7に記載のキメラB細胞。
- 前記多様な変異の導入が、前記キメラB細胞をHDAC阻害剤で処理することで達成される請求項6に記載のキメラB細胞。
- 前記異なるクラスがIgGである請求項1乃至9のいずれかに記載のキメラB細胞。
- 前記異なる動物が、ヒト、マウス、ウサギのいずれかである請求項1乃至10のいずれかに記載のキメラB細胞。
- 前記抗体産生B細胞が、DT40細胞である請求項1乃至11のいずれかに記載のキメラB細胞。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載のキメラB細胞からなる抗体産生細胞ライブラリー。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載のキメラB細胞からキメラ抗体を作製する方法。
- 前記抗体産生B細胞のCH1、CH2及びCH3遺伝子領域中のCH1遺伝子領域とCH2遺伝子領域の間に前記異なる動物の抗体重鎖定常領域遺伝子又は異なるクラスの抗体重鎖定常領域遺伝子が配置された核酸配列が挿入された遺伝子ターゲット用ベクターを含む、請求項1乃至12のいずれかに記載のキメラB細胞を作製するためのキット。
- 請求項14に記載の方法により取得されるキメラ抗体であって、抗体産生B細胞の抗体重鎖可変領域及びCH1領域と、該B細胞が由来する動物とは異なる動物の抗体重鎖定常領域若しくはその一部、あるいは、該B細胞が産生する抗体とは異なるクラスの抗体重鎖定常領域若しくはその一部からなる抗体重鎖、及び当該抗体産生B細胞の抗体軽鎖を含む、キメラ抗体。
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