JP2015162593A - 有機半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

有機半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】段差のある表面に結晶方位が揃った単一結晶の有機半導体薄膜を形成できるようにする。
【解決手段】ゲート絶縁膜3の表面を親液性表面3aと撥液性表面3bに区画し、有機半導体薄膜4の形成予定位置のみを親液性表面3aとすることで、有機半導体薄膜4を所望位置にのみ形成する。また、親液性表面3aをゲート電極2の厚みによって構成されたゲート絶縁膜3の突出部の上面にのみ形成するのではなく、突出部の端部に形成される段差部の上面や側面から底面に至るまで、つまり段差部の角部にも形成されるようにする。これにより、親液性表面3aを段差部に形成していない場合と比較して、初めから段差部にも適切にインク11が残るようにすることができる。したがって、長手方向(ゲート電極2の長手方向と直行する方向)に結晶方位が揃った単一結晶によって有機半導体薄膜4を形成することが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機半導体薄膜を有する有機半導体装置およびその製造方法に関するものである。
従来、特許文献1において、平坦面における所望位置にのみ有機半導体薄膜が形成されるようにする有機半導体装置の製造方法が開示されている。具体的には、次のような製造方法によって有機半導体装置を製造している。
まず、基板の上の所望位置にゲート電極を形成したのち、ゲート電極および基板の露出部分を覆うようにゲート絶縁膜を形成し、その上に疎水層をパターニングする。このとき、疎水層が除去された部分において凹んで疎水層が形成されている部分と除去された部分とで段差が生じることから、この後、疎水層が除去された部分の凹みを埋めるように親液層を配置して平坦化する。そして、スピンコートなどによって有機半導体薄膜を形成するインクを親液層にのみ塗布されるようにし、そのインクを乾燥させることで有機半導体薄膜を形成する。その後、有機半導体薄膜の両端にソース電極とドレイン電極を形成することで、ソース電極とドレイン電極の間に有機半導体薄膜が備えられた有機半導体装置が完成する。
特開2009−212127号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法では、有機半導体薄膜を平坦面に形成する場合を想定しており、段差がある表面に有機半導体薄膜を形成する場合には、そのままの製造方法を適用することができない。
例えば、ゲート電極の段差がその上に形成したゲート絶縁膜にも引き継がれた構造では、ゲート絶縁膜のうちゲート電極上に位置している部分にのみ親液層を形成し、この上の部分にのみ有機半導体薄膜が形成されるようにすることが考えられる。ところが、毛細管現象により、ゲート絶縁膜の段差部分にインクが濡れ広がったりインク溜まりが形成され、それによるパターン形状の異常や膜厚異常によって結晶方位が揃った単一結晶の有機半導体薄膜を形成することが難しくなったり、インクが残った部分が乾燥後に剥離して製品品質を低下させることになる。また、スピンコートによって有機半導体薄膜を形成する場合、有機半導体薄膜に膜厚分布が形成され、性能を均一にすることが困難である。
本発明は上記点に鑑みて、段差のある表面に結晶方位が揃った単一結晶の有機半導体薄膜を形成した有機半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1ないし6に記載の発明では、段差部を有する下地部材(1〜3)と、段差部の上面を含めた下地部材の上に有機半導体の構成材料を溶媒に溶かしたインク(11)を塗布し、該インクを乾燥させることで形成した有機半導体薄膜(4)と、を有する有機半導体装置であって、下地部材の表面のうち、段差部の上面から側面および底面に至る部分にインクが塗布される親液性表面(3a)が構成され、該親液性表面に有機半導体薄膜が形成されており、下地部材の表面のうち、親液性表面とは異なる部分にインクが弾かれる撥液性表面(3b)が構成されていることを特徴としている。
このように、下地材料の表面を親液性表面と撥液性表面に区画し、有機半導体薄膜の形成予定位置のみを親液性表面としているため、有機半導体薄膜を所望位置にのみ形成することができる。また、親液性表面および撥液性表面を下地材料の段差部の上面や側面から底面に至るまで、つまり段差部の角部にも形成されるようにしている。このため、親液性表面および撥液性表面を段差部に形成していない場合のようにインクが濡れ広がったりインク溜まりが形成されるのではなく、初めから段差部にも適切にインクが残るようにすることができる。したがって、結晶方位が揃った単一結晶によって有機半導体薄膜を形成することが可能となる。
請求項7に記載の発明では、基材を用意する工程と、基材の上に、一方向を長手方向とするライン状のゲート電極を形成する工程と、ゲート電極を覆いつつ、基材のうちゲート電極と異なる露出部分を覆うことで、ゲート電極の厚みによる突出部を有するゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート絶縁膜の表面において、ゲート電極の長手方向に対して垂直な方向を長手方向とするライン状の親液性表面と、該親液性表面と異なる部分に撥液性表面とを構成する工程と、親液性表面の長手方向に沿って、該長手方向の一方の先端から他方の先端に向けてインクを塗布し、インクの塗布開始位置となる一方の先端から乾燥させて結晶化させることで有機半導体薄膜を形成する工程と、を含んでいることを特徴としている。
このように、請求項3ないし6の構成を有するボトムゲートトップコンタクトの有機トランジスタを有する有機半導体装置において、親液性表面の長手方向に沿って、長手方向の一方の先端から他方の先端に向けてインクを塗布し、インクの塗布開始位置となる一方の先端から乾燥させて結晶化させることで有機半導体薄膜を形成している。これにより、長手方向に結晶方位が揃った単一結晶によって有機半導体薄膜を形成することが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる有機半導体装置の上面レイアウト図である。 (a)は図1中のIIa−IIa'断面図、(b)は図1中のIIb−IIb'断面図である。 図1および図2に示した有機半導体装置の製造工程中の様子を示した断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる有機半導体装置の上面レイアウト図である。 (a)は図4中のVa−Va'断面図、(b)は図4中のVb−Vb'断面図、(c)は図4中のVc−Vc'断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態にかかる有機半導体装置として、有機薄膜トランジスタを例に挙げて説明する。本実施形態で説明する有機薄膜トランジスタは、例えば有機EL素子などに適用される。
まず、図1〜図2を参照して、本実施形態にかかる有機薄膜トランジスタの構成について説明する。
本実施形態にかかる有機薄膜トランジスタは、図2(a)に示されるように、ボトムゲートトップコンタクト構造によって構成されている。具体的には、ガラス基板やフィルム(エチレンナフタレート(PEN)もしくはポリイミド(PI))などで構成された絶縁性の基材1を用いて、この基材1の表面に有機薄膜トランジスタの各構成要素を形成している。
基材1の表面には、ゲート電極2がパターニングされている。ゲート電極2は、例えばクロム(Cr)やモリブデン(Mo)によって構成されており、一方向を長手方向としたライン状とされている。ゲート電極2は、基材1の表面から所定の厚みを有している。このため、ゲート電極2が形成されている部分が突出部となって、ゲート電極2と基材1の表面との間には段差が形成された状態になっている。
また、基材1の露出部分を含めてゲート電極2の上面および側面の上には、ゲート絶縁膜3が形成されている。ゲート絶縁膜3は、無機材料、例えばアルミナ(Al23)によって構成されている。このゲート絶縁膜3にも、ゲート電極2の段差が引き継がれており、ゲート電極2のパターンと同様に、ゲート絶縁膜3もライン状の突出部が形成された形状となっている。ゲート絶縁膜3が無機材料で構成される場合、特にALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)法などのガスを用いてゲート絶縁膜3を形成する場合には、ゲート電極2の段差がそのまま引き継がれた突出部が形成された構造となる。後述するSAM処理を行う場合、SAM材料が絶縁膜表面との化学結合で形成されるため、ゲート電極2の段差部にもSAM層を形成するにはゲート絶縁膜3をゲート電極2の段差部にも形成する必要がある。このようなゲート絶縁膜3を無機材料で構成する場合には、ALD法が望ましく、シャドウイングのために段差部に無機材料が付着し難くなるスパッタ法などは好ましくない。
さらに、ゲート絶縁膜3の表面の所望位置に有機半導体薄膜4が形成されている。そして、図2(a)に示すように、ゲート絶縁膜3の表面のうち有機半導体薄膜4の形成位置は親液性表面3aとされ、図2(b)に示すように、有機半導体薄膜4の形成位置とは異なる部分は撥液性表面3bとされている。親液性表面3aは、有機半導体薄膜4の構成材料を含むインクが弾かれずに濡れ広がる表面状態を有するものであり、親液性層が形成されていても良いし、ゲート絶縁層3の表面自体が親液性となっていても良い。撥液性表面3bは、有機半導体薄膜4の構成材料を含むインクが弾かれて塗布されない表面状態を有するものであり、撥液性層が形成されていても良いし、ゲート絶縁層3の表面自体が撥液性となっていても良い。親液性表面3aは、ライン状とされたゲート電極2およびゲート絶縁膜3の突出部の長手方向に対して直行する方向を長手方向とするライン状とされており、その上にライン状に有機半導体薄膜4が形成されている。
例えば、ゲート絶縁膜3が有機半導体薄膜4の構成材料を含むインクに対して撥液性材料で構成されている場合には、有機半導体薄膜4の形成位置に親液性処理を行うことで親液性表面3aを構成している。逆に、ゲート絶縁膜3が有機半導体薄膜4の構成材料を含むインクに対して親液性材料で構成されている場合には、有機半導体薄膜4の形成位置とは異なる部分に撥液性処理を行うことで撥液性表面3bを構成している。
親液性表面3aの形成のための撥液性処理は、例えば、ゲート絶縁膜3の表面をSAM処理(Self-assembled Monolayer:自己組織化単分子層の形成処理)することによって行われる。これにより、ゲート絶縁膜3の表面に親液性SAM層が形成されて、親液性表面3aを構成することができる。親液性表面3aを形成するためのSAM処理は、例えばフェニルホスホン酸を用いて行われる。例えば、ゲート絶縁膜3の表面全面をSAM処理することによって親液性SAM層を形成した後、所定パターンのマスクを用いてUV光を照射し、親液性表面3a以外の部分を除去することで所望位置にのみ親液性表面3aを形成することができる。
また、親液性SAM層を形成するためのSAM処理と撥液性SAM層を形成するためのSAM処理を共に行うことで、親液性表面3aおよび撥液性表面3bを形成することもできる。例えば、ゲート絶縁膜3の表面全面をUV処理で活性化したのち、活性化表面の全面に撥液性SAM層を形成する。そして、マスクを介したUV処理によって、親液性表面3aとする部分において撥液性SAM層を除去する。これにより、撥液性SAM層が残された部分によって撥液性表面3bが構成される。続いて、撥液性SAM層が除去された部分の表面を活性化したのち、その部分に親液性SAM層を形成する。これにより、親液性表面3aを形成することができる。
親液性表面3aは、図2(a)に示すように、ゲート絶縁膜3の突出部の上面に加えて、突出部の端部に形成される段差部にも形成されている。つまり、ゲート絶縁膜3のうちゲート電極2を覆っている突出部の上面と、突出部の端部に位置する段差部の上面から側面に至りさらに底面(ゲート電極2が形成されていない基材1の表面)に至るまで親液性表面3aとされている。本実施形態の場合、図1に示すように、親液性表面3aは、段差部に形成された部分を含めて同じ幅とされている。
撥液性表面3bの形成のための撥液性処理も同様に、例えば、ゲート絶縁膜3の表面をSAM処理することによって行われる。これにより、ゲート絶縁膜3の表面に撥液性SAM層が形成されて、撥液性表面3bを構成することができる。撥液性表面3bを形成するためのSAM処理は、例えばトリメトキシ(1h,1h,2h,2h-パーフルオロオクチル)シランを用いて行われる。例えば、ゲート絶縁膜3の表面全面をSAM処理することによって撥液性SAM層を形成した後、所定パターンのマスクを用いてUV光を照射し、撥液性表面3b以外の部分を除去することで撥液性表面3bを形成することができる。
有機半導体薄膜4は、有機半導体の構成材料を溶媒に溶かしたインク(溶液)を滴下したのち、インクを乾燥させることによって形成されたものである。有機半導体材料としては、例えばペンタセン系やチオフェン系材料などを用いており、これを有機溶媒に溶かしたインクを用いて有機半導体薄膜4を形成している。有機半導体薄膜4は、長手方向(ゲート電極2の長手方向と直行する方向)に結晶方位が揃った単一結晶によって構成されている。この有機半導体薄膜4にも、ゲート電極2およびゲート絶縁膜3の段差が引き継がれており、ゲート電極2のパターンと同様に、有機半導体薄膜4にもライン状の突出部が形成された形状となっている。
また、有機半導体薄膜4のうちゲート電極2と対向している部分をチャネル領域として、このチャネル領域の両側にソース電極5とドレイン電極6が互いに離間して配置されている。つまり、有機半導体薄膜4に形成されたライン状の突出部の長手方向に対する垂直方向に並んだ2箇所の段差部の上にソース電極5とドレイン電極6が形成されている。ソース電極5とドレイン電極6は、有機半導体薄膜4に形成された突出部の端部に位置する段差部の上面から側面に至り、さらに底面(有機半導体薄膜4のうちゲート電極2が形成されていない基材1の上に形成された部分)に至るように形成されている。これらソース電極5とドレイン電極6は、例えば金や銅などの電極材料によって構成されている。
このような構成により、本実施形態にかかる有機薄膜トランジスタが構成されている。このように構成された有機薄膜トランジスタでは、ゲート電極2に対して所定の電圧が印加されると、有機半導体薄膜4のうちソース電極5とドレイン電極6の間に位置する部分においてチャネル領域を形成する。これにより、チャネル領域を通じてソース−ドレイン間において電流を流すという動作を行う。
続いて、本実施形態にかかる有機薄膜トランジスタの製造方法について、図3を参照して説明する。
まず、平坦面とされた表面を有する基材1を用意したのち、基材1の表面にゲート電極2の構成材料を成膜し、さらにこれを所望のマスクを用いてエッチングすることでライン状のゲート電極2をパターニングする。これにより、所定の膜厚を有したゲート電極2が形成される。次に、基材1の露出部分を含めてゲート電極2の上面および側面の上にゲート絶縁膜3を成膜する。例えば、ALD法などのガスを用いてゲート絶縁膜3を形成している。これにより、ゲート電極2の厚みによる段差部を有した突出部が引き継がれ、ゲート絶縁膜3にもライン状の突出部が形成された形状となる。
そして、ゲート絶縁膜3の表面のうち、有機半導体薄膜4の形成予定位置が親液性表面3a、有機半導体薄膜4の形成予定位置とは異なる部分が撥液性表面3bとなるようにする処理を行う。
すなわち、ゲート絶縁膜3が有機半導体薄膜4の構成材料を含むインクに対して撥液性材料で構成されている場合には、有機半導体薄膜4の形成予定位置に親液性処理を行うことで親液性表面3aを構成している。この場合、有機半導体薄膜4の形成予定位置と異なる部分については、特に処理を行わなくても撥液性表面3bが構成された状態になっている。逆に、ゲート絶縁膜3が有機半導体薄膜4の構成材料を含むインクに対して親液性材料で構成されている場合には、有機半導体薄膜4の形成位置とは異なる部分に撥液性処理を行うことで撥液性表面3bを構成している。この場合、有機半導体薄膜4の形成予定位置については、特に処理を行わなくても親液性表面3aが構成された状態になっている。
この後、図3に示すように、ゲート絶縁膜3のうちの親液性表面3aを覆うように有機半導体薄膜4を形成する工程を行う。具体的には、図3に示すようにインク塗布用のノズル10を走査し、親液性表面3aの長手方向に沿って一方の先端から他方の先端に向けてノズル10を移動させることで有機半導体の構成材料を溶媒に溶かしたインク11を塗布する。そして、インク11の塗布開始位置からインク11を乾燥させ、インク11中の有機半導体の構成材料の結晶を成長させることで有機半導体薄膜4を形成する。
このように、インク11をスピンコートではなくインク11を親液性表面3aの表面に対して一方向に沿って塗布する直描法によって塗布したのち、塗布開始位置からインク11を乾燥させて有機半導体薄膜4を形成している。これにより、有機半導体薄膜4を塗布方向に結晶方位が揃った単一結晶とすることが可能となる。
このとき、ゲート絶縁膜3の表面を親液性表面3aと撥液性表面3bに区画し、有機半導体薄膜4の形成予定位置のみを親液性表面3aとしているため、有機半導体薄膜4を所望位置にのみ形成することができる。また、親液性表面3aおよび撥液性表面3bをゲート電極2の厚みによって構成されたゲート絶縁膜3の突出部の上面にのみ形成するのではなく、突出部の端部に形成される段差部の上面や側面から底面に至るまで、つまり段差部の角部にも形成されるようにしている。このため、親液性表面3aおよび撥液性表面3bを段差部に形成していない場合のようにインク11が濡れ広がったりインク溜まりが形成され、それによるパターン形状の異常や膜厚異常が発生するのではなく、初めから段差部にも適切にインク11が残るようにすることができる。したがって、より結晶方位が揃った単一結晶によって有機半導体薄膜4を形成することが可能となり、高いキャリア移動度を得ることが可能となる。また、インク11が濡れ広がったりインク溜まりが形成され、それによるパターン形状の異常や膜厚異常が発生した場合のように乾燥後に剥離して製品品質を低下させることも抑制できる。なお、結晶方位の揃った単一結晶を形成するためには、塗布方向に結晶を連続成長させることが必要である。ゲート電極2およびゲート絶縁膜3での段差部でのインク11の液切れおよび段差部を伝わる濡れ広がりによる結晶膜の不連続を防止することで、結晶方位が揃った単一結晶を形成することが可能になる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して有機半導体薄膜4のレイアウトを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図4〜図5を参照して、本実施形態にかかる有機薄膜トランジスタの構成について説明する。
図5(a)に示すように、本実施形態でも第1実施形態と同様の構造の有機薄膜トランジスタを構成しているが、図5(c)および図4に示すように、有機半導体薄膜4を単なるライン状ではなく、部分的にくびれた凹部4aを形成した形状としている。具体的には、ゲート電極2の厚みに起因して形成された段差部において有機半導体薄膜4に凹部4aを形成しており、この凹部4aとされた部分ではゲート絶縁膜3の表面を親液性表面3aではなく撥液性表面3bとしてある。
上記したように、有機半導体薄膜4を形成する際に、有機半導体の構成材料を溶媒に溶かしたインク11を塗布することになるが、段差部にも親液性表面3aを構成することでインク11が濡れる部分を規定したとしても、段差部でインク11が滲み広がることがある。つまり、段差部において毛細管現象が発生し、インク11が段差部の角部に沿って広がり得る。
したがって、有機半導体薄膜4を形成するためのインク11が塗布される親液性部分3aを段差部においてくびれさせておき、有機半導体薄膜4に凹部4aが形成されるようにすれば、段差部において有機半導体薄膜4が広がっても、その広がりを抑制できる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、図2(a)、図5(a)に示す構造の有機薄膜トランジスタを有する有機半導体装置を例に挙げた。これらの有機薄膜トランジスタは、ゲート電極2が底部にあり、ソース電極5とドレイン電極6のコンタクトを上方から取るボトムゲートトップコンタクト構造となっている。
しかしながら、これは有機薄膜トランジスタの一例を示したのであり、勿論、他の構造の有機薄膜トランジスタに本発明を適用しても良い。例えば、基材1の上にソース電極5とドレイン電極6が配置され、その上に有機半導体薄膜4を介してゲート絶縁膜3が形成され、更にその上にゲート電極2が形成されるトップゲートボトムコンタクト構造であっても良い。その場合、基材1の上に形成されたソース電極5とドレイン電極6の厚みによって段差部が生じる。このため、有機半導体薄膜4を形成する際に、ソース電極5とドレイン電極6の配列方向に沿ったライン状に、段差部の上面から側面および基材1の露出面に至るように有機半導体薄膜4を形成すれば良い。なお、トップゲートボトムコンタクト構造の場合、基板表面に金属部があり、表面全面がゲート絶縁膜3で覆われているボトムゲートトップコンタクト構造のプロセスをそのまま用いてSAM層を形成することはできないが、他のプロセスを経ることでSAM層を形成できる。例えば、金属(例えばAu)の表面へのSAM層の形成と基板表面(例えばガラス)のSAM形成を異なるSAM材料を用いて行うことで、ボトムゲートトップコンタクト構造についてもSAM層を形成することが可能となる。
勿論、有機薄膜半導体が備えられる有機半導体装置であれば、有機薄膜トランジスタ以外のものについても、本発明を適用することができる。
つまり、上記各実施形態では、基材1の上にゲート電極2およびゲート絶縁膜3を形成したものが段差部を有する下地部材となって、その下地部材の上に有機半導体薄膜4を形成する際に、本発明を適用している。これ以外の構造であっても、有機半導体薄膜4を形成するときの下地となる下地部材に段差部があり、この段差部の上に有機半導体薄膜4を形成する際に本発明を適用することができる。
1 基材
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
3a 親液性表面
3b 撥液性表面
4 有機半導体薄膜
5 ソース電極
6 ドレイン電極
10 ノズル
11 インク

Claims (7)

  1. 段差部を有する下地部材(1〜3)と、
    前記段差部の上面を含めた前記下地部材の上に有機半導体の構成材料を溶媒に溶かしたインク(11)を塗布し、該インクを乾燥させることで形成した有機半導体薄膜(4)と、を有する有機半導体装置であって、
    前記下地部材の表面のうち、前記段差部の上面から側面および底面に至る部分に前記インクが塗布される親液性表面(3a)が構成され、該親液性表面に前記有機半導体薄膜が形成されており、前記下地部材の表面のうち、前記親液性表面とは異なる部分に前記インクが弾かれる撥液性表面(3b)が構成されていることを特徴とする有機半導体装置。
  2. 前記有機半導体薄膜は、前記段差部においてくびれさせられた凹部(4a)を有するライン状とされていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置。
  3. 前記下地部材が、基材(1)と、前記基材の上において所定の厚みで形成された前記ゲート電極(2)、および、該ゲート電極の表面と側面および前記基材のうち前記ゲート電極から露出した部分の表面上に形成されることで前記ゲート電極の厚みによる段差部が引き継がれた突出部を有するゲート絶縁膜(3)とを有して構成され、
    前記ゲート絶縁膜の表面に、前記ゲート絶縁膜における前記突出部の上面および該突出部の端部に位置する段差部の上面から側面に至り、さらに該段差部の底面に至るようにライン状に前記親液性表面が構成されていると共に、該親液性表面上に前記有機半導体薄膜が形成されており、
    前記有機半導体薄膜のうち、前記ゲート電極と対向している部分をチャネル領域として、該チャネル領域の両側に互いに離間してソース電極(5)およびドレイン電極(6)が配置されたボトムゲートトップコンタクトの有機トランジスタを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の有機半導体装置。
  4. 前記ゲート絶縁膜が無機材料で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の有機半導体装置。
  5. 前記ゲート絶縁膜は原子層堆積法によって形成され、所定の厚みで形成された前記ゲート電極による段差を引き継いで形成されていることを特徴とする請求項4に記載の有機半導体装置。
  6. 前記ゲート電極は、一方向を長手方向とするライン状とされており、
    前記有機半導体薄膜は、前記ゲート電極の長手方向に対して垂直方向が長手方向となるライン状に形成されており、該有機半導体薄膜の長手方向に結晶方位が揃った単一結晶で構成されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の有機半導体装置。
  7. 請求項3ないし6のいずれか1つに記載の有機半導体装置の製造方法であって、
    前記基材を用意する工程と、
    前記基材の上に、一方向を長手方向とするライン状の前記ゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極を覆いつつ、前記基材のうち前記ゲート電極と異なる露出部分を覆うことで、前記ゲート電極の厚みによる突出部を有する前記ゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜の表面において、前記ゲート電極の長手方向に対して垂直な方向を長手方向とするライン状の前記親液性表面と、該親液性表面と異なる部分に前記撥液性表面とを構成する工程と、
    前記親液性表面の長手方向に沿って、該長手方向の一方の先端から他方の先端に向けて前記インクを塗布し、前記インクの塗布開始位置となる前記一方の先端から乾燥させて結晶化させることで前記有機半導体薄膜を形成する工程と、を含んでいることを特徴とする有機半導体装置の製造方法。
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