以下、図面に基づいて、本願の開示する情報配信方法、情報配信装置及び情報配信プログラムの実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
図1は、本実施例の情報配信システムの一例を示す説明図である。図1に示す情報配信システム1は、入札システム2と、積算システム3と、業者管理システム4と、配信装置10と、通信ネットワーク5と、業者の端末装置6とを有する。入札システム2は、例えば、コンピュータ等で構成し、案件管理機能2Aと、入札機能2Bと、開札機能2Cと、落札決定通知機能2Dと、案件データベース(以下、単にDBと称する)20とを有する。案件管理機能2Aは、入札案件の各種情報を含む案件情報や落札情報を案件DB20に登録して管理する機能である。
案件DB20は、入札案件である発注工事に関する案件情報及び落札情報を管理している。図2は、案件DB20内の案件情報21の一例を示す説明図である。図2に示す案件情報21は、発注工事ID21A及び案件情報21Bを対応付けている。案件情報21Bは、案件名称211、工種212、工事概要213、入札締切日214、開札予定日時215、予定価格216、調査基準価格217及び最低制限価格218を有する。案件名称211は、発注工事を識別する名称である。工種212は、発注工事の種別である。工事概要213は、発注工事の概要を示す情報である。入札締切日214は、発注工事の入札を締め切る日付である。開札予定日時215は、発注工事の入札を開札する予定日時である。予定価格216は、発注者側で提示する発注工事の予定価格である。調査基準価格217は、価格調査を必要とする、発注者側で提示する発注工事の価格である。最低制限価格218は、発注者側で提示する発注工事の入札の最低価格である。
図2に示す発注工事ID21Aの“001”の案件情報21では、案件名称211に“平成25年度県営住宅整備事業電気設備工事”、工種212に“電気工事”、工事概要213に“県営住宅団地1号棟RC造5階建電気設備工事一式”を有する。更に、発注工事ID21Aの“001”の案件情報21では、入札締切日214に“平成26−02−26”、開札予定日時215に“平成26−02−27 10:00”、予定価格216に“事後公開”を有する。更に、発注工事ID21Aの“001”の案件情報21では、調査基準価格217に“事後公開”を有する。
図3は、案件DB20内の落札情報22の一例を示す説明図である。図3に示す落札情報22は、発注工事ID22A及び落札情報22Bを対応付けている。落札情報22Bは、案件名称221、工種222、工事概要223、開札日時224、予定価格225、調査基準価格226、落札決定金額227、落札業者228及び入札結果情報229を有する。案件名称221は、落札工事を識別する名称である。工種222は、落札工事の種別である。工事概要223は、落札工事の概要を示す情報である。開札日時224は、開札した日時である。予定価格225は、発注者側で提示した落札工事の予定価格である。調査基準価格226は、価格調査が必要となる落札工事の価格である。落札決定金額227は、発注工事の落札価格である。落札業者228は、発注工事を落札した業者の名称である。落札業者228のデータとしては、業者の名称の代わりに、業者IDが格納されていてもよい。入札結果情報229は、発注工事の各業者の入札価格である。
図3に示す発注工事ID22Aの“001”の落札情報22では、案件名称221に“平成25年度県営住宅整備事業電気設備工事”、工種222に“電気工事”、工事概要223に“県営住宅団地1号棟RC造5階建電気設備工事一式”を有する。更に、発注工事ID22Aの“001”の落札情報22では、開札日時224に“平成26−02−27 10:00”、予定価格225に“6,600,000円”、調査基準価格226に“5,507,000円”を有する。更に、発注工事ID22Aの“001”の落札情報22では、落札決定金額227に“5,685,000円”、落札業者228に“XX電業”を有する。更に、発注工事ID22Aの“001”の落札情報22では、入札結果情報229に“XX電業5,685,000円 XX電機工業5,726,000円 XX電工6,000,000円”を有する。
入札機能2Bは、例えば、案件DB20内の案件情報21に基づき、案件入札を制御する機能である。開札機能2Cは、案件情報21に基づき、案件入札の開札を制御する機能である。落札決定通知機能2Dは、案件開札の結果、落札情報22を生成し、所定操作に応じて、落札者の端末装置6及び配信装置10に落札者決定を通知する機能である。
積算システム3は、例えば、コンピュータ等で構成し、積算管理機能3Aと、計算機能3Bと、積算DB30とを有する。積算管理機能3Aは、発注工事の工事詳細情報を積算DB30に登録して管理する機能である。計算機能3Bは、発注工事の工事詳細情報から、例えば、必要資材の数量をもとに設計金額を算出する機能である。積算DB30は、発注工事の工事詳細情報を管理する。図4は、積算DB30内の工事詳細情報31の一例を示す説明図である。図4に示す工事詳細情報31は、発注工事ID31A毎に、位置情報31B、設計情報31C及び明細情報31Dを対応付けて管理している。位置情報31Bは、発注工事の現場の位置を示す地名である。尚、位置情報31Bには、その現場の座標情報や地図情報を含む。設計情報31Cは、発注工事に使用する資材等の項目である。明細情報31Dは、発注工事に使用する資材等の項目毎の数量である。
図4に示す発注工事ID31Aの“001”の工事詳細情報31では、位置情報31Bに“XXX県XXX市”設計情報31Cの項目(資材)として“ポリエチレン絶縁電線”、“硬質ビニル電線管”及び“プレハブケーブル”を有する。更に、発注工事ID31Aの“001”の工事詳細情報31では、設計情報31Cの項目毎に明細情報31Dの数量として、“ポリエチレン絶縁電線”に“162m”、“硬質ビニル電線管”に“14m”、“プレハブケーブル”に“一式”を有する。
業者管理システム4は、例えば、コンピュータ等で構成し、業者管理機能4Aと、業者DB40とを有する。業者管理機能4Aは、業者毎の所在地や取扱い資材等を含む業者情報41や、業者毎の受注履歴情報42等を業者DB40に登録して管理する機能である。業者DB40は、業者ID毎に、業者情報41及び受注履歴情報42を対応付けて管理している。図5は、業者DB40内の業者情報41の一例を示す説明図である。図5に示す業者情報41は、業者ID41A毎に、業者名41B、業者属性41C、所在地41D、工種41E、得意内容41F及び資材等の取扱項目41Gを対応付けて管理している。業者ID41Aは、業者を識別するIDである。業者名41Bは、業者を識別する名称である。業者属性41Cは、例えば、電気工事の施工会社や電気ケーブルの資材メーカ等の業者の属性を識別する情報である。所在地41Dは、業者の所在地や営業所等を示す情報である。工種41Eは、業者の工事種別を示す情報である。得意内容41Fは、業者が得意とする業務内容である。取扱項目41Gは、例えば、業者が取り扱う資材や業者が取り扱う工法等の名称である。
図5に示す業者ID41Aの“AAA”の業者情報41では、業者名41Bに“XX化成(株)”、業者属性41Cに“資材メーカ”、所在地41Dに“XX県XX市”、工種41Eに“電気工事(資材納品)”を有する。更に、業者ID41Aの“AAA”の業者情報41には、取扱項目41Gとして“ポリエチレン絶縁電線”及び“硬質ビニル電線管”を有する。
図6は、業者DB40内の受注履歴情報42の一例を示す説明図である。図6に示す受注履歴情報42は、業者ID42A及び受注履歴42Bを対応付けて管理している。受注履歴42Bは、発注工事ID421A、受注ID421、受注工種422、受注項目423、実績424及び評価425を有する。発注工事ID421Aは、受注した工事がいずれの発注工事に関するものであるかを識別する情報であり、案件DB20内で管理されている発注工事ID22Aと対応する情報である。受注ID421は、1の発注工事内で複数存在する受注内容を識別するIDである。受注工種422は、受注内容の種別を示す情報である。受注項目423は、受注内容である、例えば、受注資材の名称である。実績424は、受注資材の数量や金額等の受注実績である。評価425は、受注実績に対する第三者や発注先からの当該業者に対する評価である。尚、評価425は、例えば○△×の三段階の評価である。
図6に示す業者ID42Aの“AAA”の受注履歴情報42では、発注工事ID421Aに“001”、受注ID421に“0005”、受注工種422に“電気工事(資材納品)”、受注項目423に“ポリエチレン絶縁電線”、実績424に“500m”、評価425に“○”を有している。
配信装置10は、通信インタフェース11と、操作部12と、表示部13と、ROM(Read Only Memory)14と、RAM(Random Access Memory)15と、宛先DB16と、CPU(Central Processing Unit)17とを有する。通信インタフェース11は、通信ネットワーク5との間の通信を司るインタフェースである。操作部12は、各種情報や各種コマンド等を入力する、例えば、マウス、キーボードやタッチパネル等の入力インタフェースである。表示部13は、各種情報を画面表示する出力インタフェースである。
ROM14は、各種情報や各種プログラム等を格納した領域である。RAM15は、各種情報を記憶する領域である。宛先DB16は、業者ID16A毎に、業者の連絡先であるメールや電話番号等の通信アドレス等を宛先情報16Bを管理するDBである。CPU17は、配信装置10全体を制御する。CPU17は、ROM14に格納された情報配信プログラムを読み出し、情報配信プログラムに基づき各種プロセスを機能として実行する。CPU17は、機能として、検出部17Aと、収集部17Bと、選定部17Cと、配信部17Dと、制御部17Eとを有する。
検出部17Aは、入札システム2からの落札者決定の通知を検出する。収集部17Bは、入札システム2内の案件DB20、積算システム3内の積算DB30や業者管理システム4内の業者DB40にアクセスし、各種情報を収集する。収集部17Bは、案件DB20から案件情報21及び落札情報22を収集する。収集部17Bは、積算DB30から工事詳細情報31を収集する。収集部17Bは、業者DB40から業者情報41及び受注履歴情報42を収集する。収集部17Bは、案件情報21、落札情報22及び工事詳細情報31を、例えば、発注工事ID等で紐付する。また、収集部17Bは、工事詳細情報31、業者情報41及び受注履歴情報42を設計情報31Cの項目、取扱項目41G及び受注項目423で紐付する。更に、収集部17Bは、業者情報41及び受注履歴情報42を業者IDで紐付する。
選定部17Cは、案件情報21、落札情報22、工事詳細情報31内の位置情報31B、設計情報31C及び明細情報31D、業者情報41及び受注履歴情報42に基づき、落札工事での二次発注の可能性が高い業者を選定する。制御部17Eは、選定部17Cで選定された落札工事の選定業者の業者IDを落札工事の発注工事ID毎に選定メモリ15Aに記憶する。配信部17Dは、落札工事の発注工事IDに対応する業者IDを選定メモリ15Aから読み出す。配信部17Dは、宛先DB16を参照し、読み出した業者IDに対応する宛先情報に基づき、落札工事での二次発注の可能性が高い選定業者の端末装置6に落札者情報50を配信する。
制御部17Eは、落札情報22、工事詳細情報31内の位置情報31B、設計情報31C及び明細情報31Dに基づき落札者情報50を生成する。図7は、落札者情報50の一例を示す説明図である。図7に示す落札者情報50は、案件名称50A、発注工事ID50L、工種50B、工事概要50C、開札日時50D、予定価格50E、調査基準価格50F、落札決定金額50G、落札業者50H、資材数量(数量情報)50I、位置情報50J及び入札結果情報50Kを有する。制御部17Eは、入札システム2内の落札情報22に基づき、落札者情報50内の案件名称50A、発注工事ID50L、工種50B、工事概要50C、開札日時50D、予定価格50E、調査基準価格50F、落札決定金額50G、落札業者50H及び入札結果情報50Kを生成する。制御部17Eは、積算システム3内の工事詳細情報31内の位置情報31B、設計情報31C及び明細情報31Dに基づき、落札者情報50内の数量情報(資材数量)50I及び位置情報50Jを生成する。
端末装置6は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末やパソコン等のコンピュータに相当し、配信装置10との通信が可能な通信端末である。
次に本実施例の情報配信システム1の動作について説明する。図8は、落札者情報配信処理に関わる配信装置10のCPU17の処理動作の一例を示すフローチャートである。図8に示す落札者情報配信処理は、発注工事の落札者決定の通知を検出したタイミングで、落札者以外の発注工事での二次発注の可能性が高い業者を選定し、選定された業者の通信アドレスに落札者情報50を配信する処理である。図8において配信装置10のCPU17の検出部17Aは、入札システム2から発注工事の落札者決定の通知を検出したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、検出部17Aによる落札者決定の通知の検出の仕方は、入札システム2から送信される落札者決定の通知を検出することに限る必要は無い。例えば、検出部17Aが、入札システム2から落札者の通信アドレスに対して通知が送信されたことを検出してもよいし、案件DB22の落札業者228の項目にデータが新たに格納されたことを検出しても良い。
CPU17の収集部17Bは、落札者決定の通知を検出した場合(ステップS11肯定)、落札者決定の発注工事に対応した落札情報22及び工事詳細情報31を参照する。また、業者情報41を参照する。また、併せて受注履歴情報42を参照してもよい(ステップS12)。具体的には、収集部17Bは、落札者決定の通知に含まれる発注工事を特定可能な情報に基づいて、入札システム2の案件DB20から落札情報22、積算システム3の積算DB30から工事詳細情報31を参照する。また、業者管理システム4の業者DB40から業者情報41を参照する。また受注履歴情報42を参照してもよい。
CPU17の制御部17Eは、落札情報22及び工事詳細情報31に基づき、図7に示す落札者情報50を生成する(ステップS13)。CPU17の選定部17Cは、落札者情報50を生成した後、工事詳細情報31内の設計情報31C内の未指定の項目(資材)を指定する(ステップS14)。更に、選定部17Cは、指定項目(資材)に対応した取扱項目41Gの業者を業者DB40から選定する、後述する図9に示す業者選定処理を実行する(ステップS15)。尚、業者選定処理は、発注工事の指定項目に対応した取扱項目41Gの業者を選定した場合に選定業者を識別する業者IDを発注工事ID毎に選定メモリ15Aに記憶する。
選定部17Cは、業者選定処理を実行した後、未指定の項目があるか否かを判定する(ステップS16)。選定部17Cは、未指定の項目がある場合(ステップS16肯定)、工事詳細情報31内の未指定の項目を指定すべく、ステップS14に移行する。ステップS14〜ステップS16の処理を設計情報31Cに記憶されているデータ件数分繰り返す結果、選定部17Cは、落札した発注工事内の全ての設計情報31C内の必要な項目(資材)について、業者IDを選定メモリ15Aに記憶することになる。
制御部17Eは、未指定の項目がない場合(ステップS16否定)、選定メモリ15Aに記憶されている1以上の選定業者の業者IDに、処理対象としている発注工事の落札者の業者IDがあるか否かを判定する(ステップS17)。制御部17Eは、選定メモリ15A内の選定業者の業者ID内に落札者の業者IDがある場合(ステップS17肯定)、選定メモリ15Aから落札者の業者IDを削除する(ステップS18)。制御部17Eは、選定メモリ15A内の選定業者の業者ID内に発注工事の落札者の業者IDがない場合(ステップS17否定)、選定業者の端末装置6に落札者情報50を配信すべく、ステップS19に移行する。
CPU17の配信部17Dは、選定メモリ15A内に記憶されている選定業者の業者IDに対応する宛先情報を宛先DB16から読み出し、宛先情報に基づき、選定業者に対応するアドレスに落札者情報50を配信する(ステップS19)。落札者情報50には、発注工事を識別可能な情報や、落札者を識別可能な情報を含める。また、落札者情報50の中に、工事詳細情報31から参照した数量情報などの情報を含めても構わない。
その結果、選定業者は、端末装置6を利用して、自業者が利用しているアドレス宛に届いた落札者情報50を受信できる。従って、落札者情報50の内容を、入札システム2で落札者が決定されたタイミングで認識できる。
尚、配信部17Dによる、選定業者のアドレスに対する落札者情報50の配信の仕方は、自動配信に限る必要は無い。例えば、配信装置10は、ステップS18までの処理を実行すると、表示部13に、選定業者に対する落札情報50の配信が可能である旨を示す表示を行なってもよい。そして、出力した表示に対して、配信装置10を操作するオペレータからの配信を指示する操作を受け付け、該操作に応じて落札者情報50を配信するようにしても良い。
更に、配信部17Dは、落札者のアドレスに対しても、落札者情報50を配信した選定業者の一覧を送信してもよい(ステップS20)。ステップS20を実行すれば、落札者は、落札工事での二次発注先の候補となりうる選定業者を落札者の決定タイミングで認識できる。尚、配信部17Dによる、落札者のアドレスに対する選定業者の一覧の配信の仕方は、自動配信に限る必要は無い。例えば、配信装置10は、ステップS19までの処理を実行すると、表示部13に、落札者に対する選定業者の一覧の配信が可能である旨を示す表示を行なってもよい。そして、出力した表示に対して、配信装置10を操作するオペレータからの配信を指示する操作を受け付け、該操作に応じて選定業者の一覧を配信するようにしても良い。
ステップS20まで、もしくはステップS20を行わない場合はステップS19までの処理を実行すると、配信装置10は図8に示す処理動作を終了する。もしくは、検出部17Aが、発注工事の落札者決定の通知を検出しなかった場合(ステップS11否定)、配信装置10は、図8に示す処理動作を終了する。
図8に示す落札者情報配信処理を実行する配信装置10は、発注工事の落札者が決定されたことを検出したタイミングで、落札者以外の業者である、発注工事での二次発注先となる可能性がある選定業者のアドレスに落札者情報50を配信した。その結果、選定業者は、落札者決定時点からタイムラグなく落札者情報50を視認し得る。従って、落札者に対して落札工事の資材の発注を売り込む営業活動を行うことができるため、落札工事での受注機会を確保しやすくできる。
また、配信装置10は、落札者情報50を配信した選定業者の情報を落札者の端末装置6に配信した。その結果、落札者は、落札決定後タイムラグなく落札者情報50を配信した選定業者を視認し得る。従って、落札者によって行われる二次発注先を選定する作業を行いやすくできる。
図9は、業者選定処理に関わる配信装置10のCPU17の処理動作の一例を示すフローチャートである。図9に示す業者選定処理は、発注工事の指定項目の業者を選定する処理である。図9において配信装置10のCPU17の選定部17Cは、工事詳細情報31内の設計情報31Cに格納されている資材などの情報(指定項目)に対応した業者ID41Aを業者情報41内の取扱項目41G(資材)をキーに検索する(ステップS31)。例えば、取扱い項目41Gに格納されているデータが、設計情報31Cの資材として格納されているデータを含む業者IDを検索する。選定部17Cは、工事詳細情報31内の設計情報31C内の指定項目に対応した取扱項目41Gの業者ID41Aを検索した後、検索結果で得た業者ID41Aが複数あるか否かを判定する(ステップS32)。当然ながら、取扱い項目のみではなく、工種に基づいた検索も行っても構わない。即ち、工種41Eに格納されているデータが、落札情報22の工種222に格納されているデータを含む業者IDを検索してもよい。
選定部17Cは、工事詳細情報31内の指定項目に対応した業者ID41Aが複数ある場合(ステップS32肯定)、業者ID41Aの受注履歴情報42内の評価425及び実績424に基づき実績424や評価425が上位の業者を所定数選定する(ステップS33)。尚、上位の業者を選定する処理として、例えば、評価425及び実績424の他に、業者の得意内容も加味して業者を選定するようにしても良い。ここでさらに、業者DB41に格納されている所在地41Dのデータと、発注工事の位置情報31Bとを利用して、発注工事の位置情報からの業者所在地の距離がより近いもの、もしくは、発注工事と同一の行政区画に存在する業者を選定するようにしてもよい。
一方、選定部17Cは、工事詳細情報31内の指定項目に対応した取扱項目41Gの業者ID41Aが複数ない場合(ステップS32否定)、当該業者を選定する(ステップS35)。そして、制御部17Eは、選定業者の業者ID41Aを選定メモリ15Aに記憶すべく、ステップS34に移行する。選定部17Cは、ステップS33またはステップS34により業者を選定した後、選定した業者の業者ID41Aを選定メモリ15Aに記憶し(ステップS34)、図9に示す処理動作を終了する。
なお、落札者情報50の配信対象とすべき業者の数に制限が無ければ、図9に示す処理を行わなくても構わない。また配信対象とすべき業者の数に制限がある場合、その制限数に応じて、ステップS33で上位から何社選定するかの数を決定すればよい。
図9に示す業者選定処理の配信装置10は、発注工事での二次発注先の業者の内、受注履歴情報42内の実績424及び評価425に適した業者を選定する。その結果、配信装置10は、発注工事での二次発注先の可能性が高い最適な業者を選定できる。
尚、図8に示す落札者情報配信処理では、落札が決定者されたことを検出したタイミングで落札工事での二次発注先となる可能性のある業者のアドレスに落札者情報50を配信した。これとは別に、例えば、入札が公告されたことを検出したタイミングで、発注工事での二次発注の可能性が高い業者の端末装置6に入札公告情報60を配信するようにしても良い。
図10は、入札公告情報60の一例を示す説明図である。図10に示す入札公告情報60は、発注工事毎に、案件名称60A、発注工事ID60K、工種60B、工事概要60C、入札締切日60D、開札予定日時60E、予定価格60F、調査基準価格60G、最低制限価格60H、数量情報60I及び位置情報60Jを対応付けている。制御部17Eは、案件DB20内の案件情報21に基づき、入札公告情報60の内、案件名称60A、発注工事ID60K、工種60B、工事概要60C、入札締切日60D、開札予定日時60E、予定価格60F、調査基準価格60G及び最低制限価格60Hを生成する。また、制御部17Eは、積算システム3の積算DB30内の工事詳細情報31に基づき、入札公告情報60の内、数量情報60I及び位置情報60Jを生成する。
図11は、入札公告情報配信処理に関わる配信装置10のCPU17の処理動作の一例を示すフローチャートである。図11に示す入札公告情報配信処理は、入札システム2の入札機能2Bによって入札の公告がなされたことを検出したタイミングで、発注工事での二次発注の可能性が高い業者の端末装置6に入札公告情報60を配信する処理である。
図11において配信装置10のCPU17の検出部17Aは、入札の公告が行われたか否かを判定する(ステップS41)。例えば、検出部17Aは、案件DB20の案件情報21に新たなレコードが登録されたことを検出し、その検出をもって入札の広告がなされたと判断してもよい。CPU17の収集部17Bは、入札の公告を検出した場合(ステップS41肯定)、入札公告の発注工事に対応する案件情報21及び工事詳細情報31の他に、業者情報41を参照する。さらに、受注履歴情報42を参照してもよい(ステップS42)。
CPU17の制御部17Eは、案件情報21及び工事詳細情報31に基づき、図10に示す入札公告情報60を生成する(ステップS43)。CPU17の選定部17Cは、入札公告情報60を生成した後、工事詳細情報31内の設計情報31C内の未指定の項目を指定し(ステップS44)、指定項目に対応した取扱項目41Gの業者を選定する、図9に示す業者選定処理を実行する(ステップS45)。
選定部17Cは、業者選定処理を実行した後、未指定の項目があるか否かを判定する(ステップS46)。選定部17Cは、未指定の項目がある場合(ステップS46肯定)、工事詳細情報31内の未指定の項目を指定すべく、ステップS44に移行する。その結果、選定部17Cは、入札公告の発注工事内の全ての設計情報31C内の必要な項目(資材)を指定することになる。
選定部17Cは、未指定の項目がない場合(ステップS46否定)、選定メモリ15A内の選定業者の業者ID内に発注工事の入札者の業者IDがあるか否を判定する(ステップS47)。なお、いずれかの業者が入札すると、入札システム2は、該当する案件DB20の落札情報22の発注工事IDの入札結果情報229のデータに、入札を行った業者の情報として、業者名もしくは業者IDや、入札金額などを記録する。選定部17Cは入札結果情報229に格納されているデータを参照することで、入札者の業者IDを特定することができる。制御部17Eは、選定メモリ15A内の選定業者の業者ID内に発注工事の入札者の業者IDがある場合(ステップS47肯定)、選定メモリ15Aから入札者の業者IDを削除する(ステップS48)。
CPU17の配信部17Dは、選定メモリ15A内の選定業者の業者IDに対応する宛先情報を宛先DB16から読み出し、宛先情報に基づき、選定業者のアドレスに入札公告情報60を配信する(ステップS49)。その結果、選定業者は、入札公告情報60の内容を入札が公告されたタイミングで受信できる。尚、配信部17Dによる、選定業者のアドレスに対する入札公告情報60の配信の仕方は、自動配信に限る必要は無い。例えば、配信装置10は、表示部13に選定業者に対する入札公告情報60の配信が可能である旨を示す表示を行なってもよい。そして、出力した表示に対して、配信装置10を操作するオペレータからの配信を指示する操作を受け付けて、該操作に応じて入札公告情報60を配信するようにしても良い。
更に、配信部17Dは、入札者のアドレスに対しても、入札公告情報60を配信した選定業者の一覧を送信してもよい(ステップS50)。ステップS50を実行すれば、入札者は、発注工事での二次発注先の候補となりうる選定業者を入札の公告タイミングで認識できる。尚、配信部17Dによる、入札者のアドレスに対する選定業者の一覧の配信の仕方は、自動配信に限る必要は無い。例えば、配信装置10は、表示部13に、入札者に対する選定業者の一覧の配信が可能である旨を示す表示を行なってもよい。そして、出力した表示に対して、配信装置10を操作するオペレータからの配信を指示する操作を受け付け、該操作に応じて選定業者の一覧を配信するようにしても良い。
検出部17Aは、入札公告通知を検出しなかった場合(ステップS41否定)、図11に示す処理動作を終了する。制御部17Eは、選定メモリ15A内の選定業者の業者ID内に発注工事の入札者の業者IDがない場合(ステップS47否定)、選定業者の端末装置6に入札公告情報60を配信すべく、ステップS49に移行する。
図11に示す入札公告情報配信処理を実行する配信装置10は、発注工事の入札が公告されたタイミングで、発注工事での二次発注先となるの可能性がある選定業者のアドレスに入札公告情報60を配信した。その結果、選定業者は、入札公告情報60を視認して、発注工事での資材の発注の売り込みの準備を入札前に整えることができる。
配信装置10は、入札公告情報60を配信した選定業者の情報を入札者のアドレスに配信した。その結果、入札者は、入札公告情報60を配信した選定業者、すなわち、自社が落札した場合に売り込みに来る可能性のある業者を入札前に事前に確認できる。
本実施例の配信装置10は、入札対象の案件に対する落札者が決定されたことを検出すると、落札した案件の落札者情報50を落札者以外の業者である選定業者のアドレスに対して配信可能に制御した。その結果、選定業者は、落札者情報50を受信することで、落札者が二次発注先を探し始めるタイミングで今後発注の可能性が高い落札工事の情報を確認でき、その落札者に対して落札工事での受注機会を確保しやすくできる。
配信装置10は、入札案件に関する工事詳細情報31を管理する積算システム3から落札した案件の工事詳細情報31を発注工事IDで収集し、収集された工事詳細情報31に基づき落札者情報50を生成することもできる。その結果、選定業者は、入札システム2や積算システム3など情報配信システム1中のいずれかのシステムに自らアクセスして情報を検索する操作を行なわなくても、配信装置10から送信される発注工事の工事詳細情報31の情報を含む落札者情報50を取得できる。
配信装置10は、業者毎に受注履歴情報42を管理し、受注履歴情報42内の実績424及び評価425に基づき業者を選定し、選定業者の端末装置6に対して落札者情報50を配信した。その結果、配信装置10は、発注工事での二次発注先となる可能性のある業者を選定できる。
配信装置10は、落札者情報50を配信した選定業者の一覧を落札者のアドレスに配信した。その結果、落札者は、選定業者の一覧を見て、落札工事での二次発注を売り込みに来る選定業者を事前に確認できる。
なお、本実施例では、発注工事の二次発注内容(項目)として発注工事で必要な資材を例示したが、資材に限定されるものではなく、発注工事に必要な工法や人材等であっても良い。
また、本実施例では、入札案件として公共工事を例示したが、入札の対象は公共工事に限定されるものではなく、様々な案件に適用可能である。
また、本実施例では、落札者以外の選定業者のアドレスに落札者情報50を配信したが、選定業者に限定されるものではなく、落札者以外の第三者のアドレスに配信するようにしても良い。この場合、配信装置10の宛先DB16には、第三者の宛先情報が管理されているものとする。その結果、幅広い第三者に対して落札案件の落札者情報を周知できる。
更に、配信装置10は、宛先DB16を内蔵する構成としたが、宛先DB16の宛先情報を業者管理システム4内の業者DB40に管理し、その業者DB40から宛先情報を収集するようにしても良い。
また、更に、例えば入札システム2など配信装置10がアクセス可能なシステムに、入札の公告に先立つ情報として、年度内に入札が行われる予定の情報である入札見通し情報が利用可能な状態で登録されていれば、配信装置10は、発注工事での二次発注先となる可能性がある選定業者のアドレスに、入札見通し情報を配信することもできる。その場合は、図11に示す入札公告情報配信処理を一部変更できる。即ち、ステップS41を、検出部17Aが入札見通し情報を検出する処理に変更する。また、入札見通しの時点では公示詳細情報31は存在しないので、ステップS42では公示詳細情報31は参照しないように変更し、ステップS44はスキップする。
入札見通しの情報には、例えば、工事案件の名称、工種、工事箇所の概略位置情報、入札予定時期などの情報が含まれている。そこで、ステップS45、すなわち図9の業者選定処理では、入札見通し情報から得られる情報の範囲で、例えば、工種が一致したり、行政区画が工事箇所と同一であったりする業者を選定することになる。また、入札見通しの時点では当然ながら入札者の情報は存在しないので、ステップS47、ステップS48およびステップS50の処理はスキップする。
このように配信装置10は、入札見通し情報を選定業者のアドレスに配信することができる。その結果、選定業者は入札見通し情報を端末装置6を利用して受信し、入札の公告に先立って、資材などの調達の準備を開始することができるようになる。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
更に、配信装置10や、入札システム2、積算システム3、業者管理システム4をそれぞれ構成する各コンピュータで行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
ところで、本実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムを情報処理装置で実行することで実現できる。そこで、以下では、上記実施例と同様の機能を有するプログラムを実行する情報処理装置の一例を説明する。図12は、情報配信プログラムを実行するコンピュータ100の一例を示す説明図である。
図12において情報配信プログラムを実行するコンピュータ100では、通信インタフェース110と、HDD120と、ROM130、RAM140、CPU150、バス160とを有する。
そして、ROM130には、上記実施例と同様の機能を発揮する情報配信プログラムが予め記憶されている。尚、ROM130ではなく、図示せぬドライブで読取可能な記録媒体に情報配信プログラムが記録されていても良い。また、記録媒体としては、例えば、CD−ROM、DVDディスク、USBメモリ、SDカード等の可搬型記録媒体、HDD、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等でも良い。情報配信プログラムとしては、検出プログラム130A及び配信プログラム130Bである。尚、検出プログラム130A及び配信プログラム130Bについては、適宜統合又は分散しても良い。
そして、CPU150は、これらのプログラム130A及び130BをROM130から読み出し、これら読み出された各プログラムを実行する。そして、CPU150は、各プログラム130A及び130Bを、検出プロセス150A及び配信プロセス150Bとして機能させる。
CPU150は、入札対象の案件に対する落札者の決定の通知を検出すると、案件の落札者に関する情報を落札者以外の第三者と対応付けられている通信アドレスに対して配信可能な状態に制御する。その結果、落札者に関する情報を受信した第三者は、落札者に関する情報を確認し、落札案件での落札者からの受注機会を確保できる。