JP2015161742A - 反射型表示装置の製造方法 - Google Patents

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梅 谷 雅 規
Masaki Umetani
谷 雅 規 梅
多 浩 之 本
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多 浩 之 本
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Abstract

【課題】基板接着工程の後で基板同士を加熱する際に、基板の含水率に大きな変化が生じることを回避することができる反射型表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透光性を有する対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気泳動体を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に情報を表示する、反射型表示装置、を製造する方法であって、一方の基板11と他方の基板16との間に表示媒体が配置された状態で前記一方の基板と前記他方の基板とを接着する対向基板接着工程と、前記対向基板接着工程の後で、前記一方の基板と前記他方の基板とを加熱する加熱処理工程と、を備え、前記加熱処理工程は、加湿状態で行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子ペーパー等に応用されている反射型表示装置の製造方法に関する。
反射型表示装置として、最近、表示媒体に含まれる電気応答性材料として電気泳動体を用いた電気泳動表示装置が広く用いられている。電気泳動表示装置とは、空気中または溶媒中の電気泳動体(通常は電気泳動する粒子)の電気的な泳動、すなわち粒子移動を利用して情報を表示する装置である。通常、2枚の基板間に電界を与えることで電気的な泳動の状態が制御され、それによって所望の表示が実現されるように構成される。電気泳動体としては、荷電粒子の他、荷電粉体をも利用され得る。その場合、当該荷電粉体は気体中を電気的に泳動する。
電気泳動表示装置は、近年では特に、電子ペーパーとしての応用が注目されている。電子ペーパーとして応用する場合には、印刷物レベルの視認性(目にやさしい)、情報書き換えの容易性、低消費電力、軽量といった利点を享受できる。
電気泳動表示装置では、しかし、粒子や粉体の沈降や偏在に起因して、表示の不良、特にコントラストの低下が生じることがある。この現象を防止するべく、上下の電極基板間に隔壁を形成して、電気泳動する粒子や粉体の泳動空間、すなわち移動空間を微小な空間に分割することが採用されている。この微小な空間は、セルあるいは画素と呼ばれている。各セルの中に、電気泳動体を含むインキやガス(表示媒体)が封入されている。例えば特許文献1(特開2005−202245号公報)には、そのようなタイプの電気泳動表示装置の従来例が開示されている。
特許文献2(特開2011−164300号公報)には、上下基板を接着して電気泳動表示装置としての表示用パネルを製造する製造方法が開示されている。また、本件出願人による特許文献3(特開2012−013790号公報)には、セルを区画する隔壁上にのみ接着剤を塗工し、隔壁と基板との接着を確実にする、電気泳動表示装置の製造方法が開示されている。
また、特許文献4(特許第4863707号)には、接着後の基板同士を加圧状態下で加熱することで接着力を強化することの開示がある。
特開2005−202245号公報 特開2011−164300号公報 特開2012−013790号公報 特許第4863707号
前述の通り、特許文献4(特許第4863707号)に開示されているように、接着後の基板同士を加熱することで、接着力を強化できることが知られている。具体的には、熱処理機、例えばアズワン製DO-450FPA、DO-600FPA、espec製PV(H)-332、PH(H)-402、PVC-332、PVHC-332、二葉科学製DF-80、CRO-40G、CRO-40GHなどを用いて、70℃で15時間に亘る加熱処理が実施されている。
しかしながら、本件発明者による知見によれば、従来の加熱工程では、基板の昇温に伴って基板の乾燥が進み、すなわち、基板の含水率が顕著に低下する。このため、基板は、昇温に伴って膨張する一方で、含水率の低下に起因して収縮もする。そして、加熱処理後に常温に戻る際、温度変化に起因する膨張の解消は速い(応答が速い)が、含水率変化に起因する収縮の解除については数日程度という長い時間をかけて平衡状態に達する。すなわち、基板は徐々に吸水して収縮状態を解除していく(変形していく)。このような長時間に亘る変形により、歪みが発生して、いわゆる寸法安定性が悪化してしまう。
本発明は、このような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、基板接着工程の後で基板同士を加熱する際に、基板の含水率に大きな変化が生じることを回避することができる反射型表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくとも一方が透光性を有する対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気泳動体を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に情報を表示する、反射型表示装置、を製造する方法であって、一方の基板と他方の基板との間に表示媒体が配置された状態で前記一方の基板と前記他方の基板とを接着する対向基板接着工程と、前記対向基板接着工程の後で、前記一方の基板と前記他方の基板とを加熱する加熱処理工程と、を備え、前記加熱処理工程は、加湿状態で行われることを特徴とする反射型表示装置の製造方法である。
本発明によれば、加熱処理工程が加湿状態で行われることにより、基板の含水率に大きな変化が生じることを回避することができる。これにより、加熱処理後に常温に戻った後、基板が吸水して収縮していた状態から元の状態に戻る際の変形の程度が顕著に抑制されるため、歪みが発生して寸法安定性が悪化することが顕著に抑制される。
具体的には、例えば、前記加熱処理工程は、5%RH以上の加湿状態で行われる。また、具体的には、例えば、前記加熱処理工程は、恒温恒湿器を用いて行われる。また、前記加熱処理工程は、一般的には、50℃〜90℃で、1時間〜100時間、行われる。 また、好ましくは、前記一方の基板の前記表示媒体が配置されるのとは逆側の面、及び/または、前記他方の基板の前記表示媒体が配置されるのとは逆側の面に、
水蒸気バリア層が設けられる。
本発明によれば、加熱処理工程が加湿状態で行われることにより、基板の含水率に大きな変化が生じることを回避することができる。
本発明の一実施の形態による反射型表示装置の製造方法によって製造される反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。 本発明の一実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。 隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。 接着層形成工程の一例を概略的に示す図である。 表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。 対向基板接着工程の一例を概略的に示す断面図である。 表示媒体配置工程の例を説明する図である。
図1は、本発明の一実施の形態による反射型表示装置の製造方法によって製造される反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。この反射型表示装置は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間11、16に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む流体状の表示媒体13が封入されていて、2枚の基板11、16間に所定の電界が与えられる際に所望の表示をするようになっている。表示媒体13は、外周シール61によって取り囲まれている。
本実施の形態の反射型表示装置は矩形状であり、これに対応して、外周シール61は矩形状に配置されている(図5参照)。
ここで、本件の明細書及び特許請求の範囲において「透光性」とは、光を透過する性質、という程度の意味である。本実施の形態においては、視認側に配置される基板(一方の基板11)は、全光透過率が50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上となるような透光性を有している。
図1乃至図7において、一方の基板11及び他方の基板16の面上には、各々電極が設けられているが、当該電極の図示は省略されている。本実施の形態においては、一方の基板11が視認側に配置され、他方の基板16が非視認側に配置される。
一方の基板11としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透光性フィルムや透光性ガラスに、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の透光性を有する電極(透光性電極)を一方の基板11の少なくとも表示領域60を覆うように付したものが、典型的に用いられ得る。ここで、「表示領域」とは、反射型表示装置における所望の表示に利用される領域をいう。本実施の形態では、一方の基板11は、可撓性であるが、剛性であってもよい。ここで、本件の明細書及び特許請求の範囲においては、「可撓性」とは、たわめることの可能な性質、という程度の意味である。また、「剛性」とは、曲げやねじりの力に対する寸法変形が小さい性質、という程度の意味である。
透光性電極は、塗工法や蒸着法等によって形成され得る。透光性電極は、アクティブマトリクス駆動の場合及びセグメント駆動の場合は共通電極として用いられるので、必ずしもパターンが形成されている必要は無く、基板全面が電極であってもよい。一方、パッシブマトリクス駆動の場合、対向する両方の基板はパターン電極である必要があるため、当該透光性電極もストライプなどのパターンで形成される。
一方の基板11の厚みは、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネルの重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
一方の基板11は、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
他方の基板16としては、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等の基材が用いられ得る。また他方の基板16は、透光性を有する基材が用いられてもよい。さらに透光性を有しているが不透明な基材であってもよく、電極面とは異なるもう一方の面を粗面化した不透明なガラス基材、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等が用いられ得る。本実施の形態では、他方の基板16は、視認側と反対側の位置に配置されるため、透光性を有している必然性はない。しかし、熱膨張特性など一方の基板11と同じ物性が必要とされる場合は、一方の基板11と同様の透光性の部材が使用され得る。本実施の形態では、他方の基板16も、可撓性であるが、剛性であってもよい。
電極としては、セグメント駆動およびパッシブマトリクス駆動の場合はパターン状の電極、また、アクティブマトリクス駆動の場合はTFT(Thin Film Transistor)が配置される画素電極が用いられる。
他方の基板16の厚みも、一方の基板11の厚みと同様に、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネルの重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
他方の基板16も、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
表示媒体13を取り囲む外周シール61は、一方の基板11上、あるいは、他方の基板16上に、例えば紫外線硬化樹脂のような接着剤がディスペンサを用いて線幅0.5mm、高さ50μmで矩形状に塗布され、その後に紫外線によって硬化されることで形成されている。紫外線硬化樹脂の他に、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂、ヒートシール樹脂等によっても構成可能である。また、外周シール61は、ディスペンサの他に、各種の印刷法によって、あるいは、熱圧着によって配置可能である。
<反射型表示装置の製造方法>
図2は、本発明の一実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。図3は、隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。図3に示すように、まず、一般には水平方向に載置される一方の基板11の上面に、例えばフォトリソグラフィ法(紫外線(UV)照射による露光→現像→焼成)によって、所定のパターンの隔壁12が形成される(隔壁形成工程:図2の工程(1))。
本実施の形態では、一方の基板11は視認側に配置されて視認側基板として機能するようになっている。従って、一方の基板11は透光性を有する必要がある。また、これに対応して、他方の基板16は非視認側に配置されて非視認側基板として機能するようになっている。一方、隔壁12は、後述する複数のセルを規定する部材である。例えば、隔壁12のパターンはハニカム状である。隔壁の高さは、5〜50μm、好ましくは10〜50μmである。セルのサイズは、表示パネルの大きさにもよるが、0.05〜1mmピッチ、好ましくは0.1〜0.5mmピッチである。もっとも、隔壁12で形成されるセルの形状は、必ずしも全てのセルで同じでなくてもよい。例えば、ランダムな形状の複数の多角形からなるパターンも採用され得る。
隔壁12は、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂等によって構成可能であり、前述のように、5〜50μmの高さに形成されることが好適である。5μm以下では、充填するインキ量が少なく、十分な表示特性、特にコントラストが得られない一方、50μm以上では、パネルの厚みが厚すぎて、駆動電圧が上昇し過ぎてしまう。低駆動電圧で良好な表示特性が得られるという観点から、10〜50μmの範囲の高さが好適である。
隔壁12のパターン形状は、円、格子、ハニカム状(六角形)、その他の多角形など、基本的に任意である。開口率は、70%以上が好ましく、特に90%以上が好ましい。高開口率であるほど、表示可能エリアが広くなるため、高コントラストを得ることができる。
隔壁12の形成方法は、フォトリソグラフィ法の他、エンボス加工などの型転写方法も採用され得る。さらに、メッシュ加工の構造物を隔壁として製造しておいて、それを一方の基板11に貼り付けるという方法も採用され得る。
次に、隔壁12上に接着層22が形成される(接着層形成工程:図2の工程(2))。この接着層形成工程では、例えば転写法や印刷法により、ポリエステル系熱可塑性接着剤のようなヒートシール剤が、1μm〜100μmの厚みで形成される。好ましくは、1μm〜50μmの厚みで形成され、特に好ましくは、1μm〜20μmの厚みで形成される。
転写法として典型的な熱転写法の一例について具体的な説明を補足すれば、図4に示すように、例えばPETフィルム21上に20μmの厚みでポリエステル系熱可塑性接着剤のようなヒートシール剤を形成した転写シートを用意し、この転写シートのヒートシール剤の面を隔壁12上に常温で1kPaの圧力でラミネートする。これをヒートシール剤の軟化温度以上の温度である例えば120℃に保たれたホットプレート上において1分間加熱し、その後転写シートを剥離する。これにより、隔壁12上に例えば6μm程度の接着層22が形成される。
なお、接着層(ヒートシール剤)22としては、熱可塑性材料を用いたものが好ましく、加熱により軟化して、冷却すると固化する性質を有し、冷却と加熱を繰り返した場合に、塑性が可逆的に保たれる材料である。
熱可塑性材料からなるヒートシール剤22を接着層として用いた場合には、転写フィルム基材上の固化しているヒートシール剤22をその軟化温度を超える温度にまで加熱することにより軟化させて、隔壁頂面のみに確実にヒートシール剤22を熱転写することもできる。また、熱転写後のヒートシール剤22は常温まで冷却して再び固化することにより、タック、すなわちねばつきが無くなるため、取り扱いの便宜が極めて良い。また、タック、すなわちねばつきが無いことによって、セル内に充填された表示媒体としてのインキ13がヒートシール剤22と接着してしまうことがない。そして、再び隔壁上面のヒートシール剤22をその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることにより、タック、すわなちねばつきを有するようになるため、他方の基板16に確実に接着される。他方の基板16との接着後のヒートシール剤(接着層22)は、再び常温においてはタック、すなわちねばつきが無いため、やはり表示媒体としてのインキ13がヒートシール剤22と接着してしまうことがなく、表示品質の低下のおそれもない。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタン等の熱可塑性ベースポリマーや、天然ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体等の熱可塑性エラストマーを主成分とし、粘着性付与樹脂や可塑剤を配合した樹脂が主に使用される。
隔壁12とヒートシール剤22との密着性を上げるために、隔壁12に紫外線照射やプラズマ処理等により表面処理が施されてもよいし、プライマーが形成されてもよい。あるいは、ヒートシール剤22の方にシランカップリング剤が添加されてもよい。
次に、隔壁12が形成される領域(表示領域60)の外周に沿うように、流体状の表示媒体を取り囲むための外周シール61が矩形状に配置される(外周シール配置工程:図2の工程(3))。
外周シール61の配置方法の一例について具体的な説明を補足すれば、当該外周シール61は、例えば紫外線硬化樹脂のような接着剤を、ディスペンサを用いて線幅0.5mm、高さ50μmで線状に塗布することによって配置される。
図2に戻って、隔壁12または隔壁12及び接着層22で区画された各領域をセルとして、各セルの中に、表示媒体としてのインキ13が配置される(表示媒体配置工程:図2の工程(4))。
図5は、表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。ここでは、(1)ディスペンサ31あるいはインクジェット、ダイコートからインキ13が滴下され(インキ滴下工程)、(2)アプリケータ32あるいはドクターブレード、ドクターナイフ、中央スキージによって面内均一となるようにインキ13が塗布される(インキ塗布工程)。なお、インキ13は、後述するように、他方の基板16上に配置されてもよい。
電気応答性材料としては、電荷粒子材料や液晶材料がある。電荷粒子材料には、白や黒、カラーなどの色づけされた粒子が電場に応答して移動するいわゆる電気泳動材料、または、粒子が二色に色分けされ電場により回転するツイストボールに代表される材料、または、電場により移動するナノ粒子材料、等がある。一方、液晶材料には、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)で知られる透過と散乱を電気的に制御する材料、液晶に色素を混合した材料、コレステリック液晶材料、等がある。これら電気応答して光学特性を変化させる材料は、種類を問わずセルに隔離する必要があり、本発明の適用範囲である。
その後、隔壁12上の接着層22と、一方の基板11に対して対向する他方の基板16とが接着される(対向基板接着工程:図2の工程(5))。これにより、インキ13が各セル内に封止される。
対向基板接着工程では、接着層22として塗工されたヒートシール剤を加熱して接着力を得るようになっている。具体的には、図6に示すように、対向する一対の押圧ローラとしてのラミネータ91によって所定の熱圧着圧力(ラミネート圧力)を付与しながら、ヒートシール剤を周辺からその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることによって、インキ13が充填されている隔壁12と他方の基板16とを接着する。
その後、外周シール61を硬化する外周シール硬化工程が行われる。具体的には、外周シール61が配置された領域に対して紫外線が照射され、外周シール61が硬化される。
そして、図2に示すように、対向基板接着工程の後で、基板11、16間の接着力を向上させるべく、一方の基板11と他方の基板16とが加熱される(加熱処理工程:図2の工程(6))。ここで、本実施の形態の加熱処理工程は、5%RH以上の加湿状態で行われる。この湿度範囲は、60℃という加熱環境下では1.0kPa以上の水蒸気圧範囲に相当し、当該水蒸気圧範囲は25℃における32%RH以上に相当する。このような加熱処理工程が、恒温恒湿器を用いて、一般的には50℃〜90℃で、1時間〜00時間行われる。50℃未満では接着材の再活性が十分でなく、接着力向上の効果が低い一方、90℃超では基板11、16自体の耐熱性不足により基板11、16の熱収縮が起こる恐れがあるためである。また、1時間未満では接着材の再活性が十分でなく、接着力向上の効果が低い一方、100時間超では加熱超過により表示材料自体の劣化を進める恐れがあるためである。その後、図2に示すように、ギロチン、上刃スライド装置、レーザカット装置、レーザーカッター等の断裁装置51によって所定のサイズに断裁され、所望の反射型表示装置の製造が完了する(断裁工程:図2の工程(7))。
以上のような本実施の形態によれば、加熱処理工程が5%RH以上の加湿状態で行われることにより、1.0kPa以上の水蒸気圧下で加熱されることとなり、一方の基板11及び他方の基板16の含水率に大きな変化が生じることを回避することができる。これにより、両基板11、16が加熱処理後に常温の45%RH程度の環境に戻された後でも、水蒸気圧の変化が小さいため、両基板11、16が吸水して収縮していた状態から元の状態に戻る際の変形の程度が顕著に抑制される。このため、両基板11、16に歪みが発生して寸法安定性が悪化することが顕著に抑制される。
また、以上のような本実施の形態では、対向基板接着工程においてラミネータ91によって所定の熱圧着圧力(ラミネート圧力)を付与しながら両基板11、16が接着されているため、当該対向基板接着工程の際に熱による歪みが生じることがある。しかしながら、そのような熱による歪みは、以上のような本実施の形態によれば、加熱処理工程の際に解除(開放)される。
なお、以上の実施の形態は、原理的に、電気泳動体が荷電粉体で表示媒体が気体である場合にも適用可能である。
また、表示媒体としては、電気的に光学特性を変化させるものに限らず磁気や熱による外場に応答するものであってもよく、すなわち、本発明は原理的に表示媒体の種類によらず適用できる。また、表示媒体配置工程は、図7(a)に示すような前述の態様に限定されず、一方の基板11と他方の基板16の配置の上下を逆にして、他方の基板16の表示領域上に表示媒体を配置してもよい(図7(b)参照)。また、表示媒体にある程度の粘性がある(流動性が過度に高くない)ならば隔壁12が形成された一方の基板の表示領域上に表示媒体を配置する代わりに、一方の基板11の表示領域に対向配置される予定の他方の基板16の表示領域上に表示媒体を配置してもよく(図7(c)参照)、一方の基板11と他方の基板16の配置の上下を逆にして、一方の基板11の表示領域上に表示媒体を配置してもよい(図7(d)参照)。
また、以上の実施の形態は、一方の基板11のインキ13が配置されるのとは逆側の面、及び/または、他方の基板16のインキ13が配置されるのとは逆側の面に、水蒸気バリア層が設けられている時に好適である。このことについて説明する。
水蒸気バリア層は、基板11、16への水蒸気の出入りを抑制するための機能層であるが、高温状態ではバリア性能が顕著に低下してしまい、水蒸気バリア層が存在しない時と同程度に基板11、16は乾燥(脱水)してしまう。従って、従来の加熱処理工程では、水蒸気バリア層の存在に拘わらず、基板11、16は乾燥(脱水)してしまう。そして、加熱処理後に常温に戻った後は、水蒸気バリア層のバリア性能が回復するため、基板11、16が吸水して収縮していた状態から元の状態に戻る際の変形の速度が極めて遅くなる。このため、このような長時間に亘る変形の継続により、歪みが発生して、いわゆる寸法安定性が悪化してしまう。
しかしながら、以上の実施の形態によれば、このような水蒸気バリア層が設けられている場合でも、加熱処理工程が5%RH以上の加湿状態で行われることにより1.0kPa以上の水蒸気圧下で加熱されることとなり、一方の基板11及び他方の基板16の含水率に大きな変化が生じることを回避することができる。これにより、両基板11、16が加熱処理後に常温の45%RH程度の環境に戻された後でも、両基板11、16に歪みが発生して寸法安定性が悪化することが顕著に抑制される。その後、水蒸気バリア層は、基板11、16への水蒸気の出入りを抑制することで、インキ13の成分変化の発生を効果的に抑制することができる。
なお、水蒸気バリア層は、加熱処理工程後に各基板11、16に設けられてもよいが、水蒸気バリア層を設ける際に発生する歪みを残留させないためには、水蒸気バリア層を設けた後に加熱処理工程を行うことが好ましい。
その他、加熱処理工程時に、両基板11、16を互いに加圧してもよいが、そのような加圧は必須ではない。特に、基板11、16がフィルム基材からなる場合には、加熱時の変形に追従性があるため、加熱のみで接着力向上の効果は十分得られる。
次に、実際に行われた実施例について説明する。
<反射型表示装置の実施例>
<実施例1>
一方の基板11として、300mm×400mm×厚さ0.125mmのPETフィルム(東洋紡製A4100)の一方の面に透光性電極として酸化インジウムスズ(ITO)蒸着膜(厚さ0.2μm)が設けられた基板が用意された。透光性電極は、スパッタリング、真空蒸着法、CVD法などの一般的な成膜方法によって形成され、酸化インジウムスズ(ITO)の他に、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等によっても形成され得る。また、透光性電極が形成された面とは逆側の面に、水蒸気バリア層が形成された。
次に、当該一方の基板11の透光性電極が形成された面に、ネガ型感光性樹脂材料(デュポンMRCドライフィルムレジスト(株)製のドライフィルムレジスト)を30μmの厚さにラミネートして100℃、1分間の条件で加熱し、次いで露光マスクを使用して露光(露光量500mJ/cm)し、その後、1%KOH水溶液を用いた現像を30秒行い、200℃、60分間の条件で焼成することで、隔壁12の他方の基板16側の端部の幅が15μm、セルピッチが300μmのハニカム状パターンの隔壁12が形成された。
次に、ヒートシール剤(東洋紡製バイロン550)をPETフィルム21上に厚さ10μmで形成し、ヒートシール層付きPETフィルム(転写シート)とし、当該フィルム21のヒートシール剤を隔壁12の他方の基板16側の端部に熱圧着(130℃、1kPa)した後に、当該フィルム21を隔壁12から離すことで、隔壁の他方の基板16側の端部全面にヒートシール層を接着剤22として形成した(図4参照)。
続いて、一方の基板11の表示領域60の外周を囲むように、ディスペンサを用いて紫外線硬化樹脂(スリーボンド社製:アクリル系シール剤3052D)が切れ目なく塗工されて、外周シール61が線幅1.0mm、高さ100μm200mm×300mmの長方形状に形成された。
続いて、表示媒体として、以下の成分を有するインキ13が用いられ、ディスペンサ31から滴下されて、中央スキージ32(ニューロング製のスキージ1:ウレタン樹脂製)にてスキージ処理されて、各セル内に充填された。
<インキ成分>
・電気泳動粒子(二酸化チタン)・・・60重量部
・分散液 ・・・40重量部
次いで、他方の基板16として、300mm×400mm×厚さ0.125mmのPETフィルム(東洋紡製A4100)に、Cu電極等の各種電極がパターン状に形成されたものが用いられた。各種電極のパターン形成は、一般的なエッチング法によって形成された。また、Cu電極等の各種電極が形成された面とは逆側の面に、水蒸気バリア層が形成された。
そして、大気中にて、一方の基板11の隔壁12上の接着層22の上に他方の基板16を位置合わせして重ね合わせ、ラミネータ91で一定の熱圧着圧力を付与しつつ隔壁12内のセル容積を超えるインク13の余剰分を押し出しながら、一方の基板11の隔壁12と他方の基板16とが密着された。熱圧着時の温度は、100℃であった。また、熱圧着圧力は、0.1MPaであった。
そして、対向基板接着工程の後で、基板11、16間の接着力を向上させるべく、一方の基板11と他方の基板16とが加熱された。ここで、当該加熱処理工程は、恒温恒湿器PDR(espec製)を用いて、7%RHの加湿状態で、60℃にて15時間行われた。この加湿条件は、1.4kPaの水蒸気圧に相当し、当該水蒸気圧は25℃における45%RHに相当する。
その後、断裁装置51によって所定のサイズに断裁され、表示パネルが作成された。
以上のようにして得られた表示パネルについて、24℃、39%RH、水蒸気圧1.2kPaという環境下に静置したが、20日間を経過しても、表示パネルにカールや歪みが発生することは無かった。また、各基板11、16の浮きも無かった。
<比較例1>
前記実施例1に対して、対向基板接着工程の後の加熱処理工程が、アズワン製熱処理機DO-450FPAを用いて、5%未満の湿度状態で、70℃にて15時間行われた。アズワン製データロガーRX78による測定値は、0.7%RHであった。これは、実質的に0kPaの水蒸気圧に相当し、当該水蒸気圧範囲は25℃においても0%RHに相当する。その他は同じ工程で、表示パネルを作製した。 このようにして得られた表示パネルについて、24℃、39%RH、水蒸気圧1.2kPaという環境下に静置したが、20日間を経過した段階で、基板11、16間の接着剥がれや部分的な浮きが生じていた。また、浮きが生じていた箇所においては、表示不良が確認された。
11 一方の基板
12 隔壁
13 インキ(表示媒体)
16 他方の基板
22 ヒートシール剤
31 ディスペンサ
32 中央スキージ
41 ディスペンサ
51 断裁装置
60 表示領域
61 外周シール
91 ラミネータ

Claims (4)

  1. 少なくとも一方が透光性を有する対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気泳動体を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に情報を表示する、反射型表示装置、を製造する方法であって、
    一方の基板と他方の基板との間に表示媒体が配置された状態で前記一方の基板と前記他方の基板とを接着する対向基板接着工程と、
    前記対向基板接着工程の後で、前記一方の基板と前記他方の基板とを加熱する加熱処理工程と、
    を備え、
    前記加熱処理工程は、加湿状態で行われる
    ことを特徴とする反射型表示装置の製造方法。
  2. 前記加熱処理工程は、5%RH以上の加湿状態で行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型表示装置の製造方法。
  3. 前記加熱処理工程は、恒温恒湿器を用いて行われる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の反射型表示装置の製造方法。
  4. 前記一方の基板の前記表示媒体が配置されるのとは逆側の面、及び/または、前記他方の基板の前記表示媒体が配置されるのとは逆側の面に水蒸気バリア層が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の反射型表示装置の製造方法。
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