JP2015161445A - 伸縮ダクト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性を有する風管と、該風管の軸方向に間隔を設けて配置する複数の支持リングと、該支持リングの間に配置し、前記風管の形状を保持するリングフレームと、を少なくとも有し、前記支持リングの前後移動によって前記風管を伸縮自在とする伸縮ダクトであって、前記支持リングから前記風管の軸方向に向けて延伸するように複数設け、山型状を呈する、複数の変形抵抗部、をさらに有することを特徴とする。前記変形抵抗部は前記風管の内径から内側にオフセットした位置に配置しておく。
【選択図】図1
Description
当該技術によれば、前記形状保持リング(42)に内接するスライドバー(52)が前記形状保持リング(42)の動きを拘束することで、吸引ダクト(24)の捩れを防止することができる、としている。
(1)拘束機能の観点
スライドバーが棒材であり直線的な拘束力に留まるため、大きな負圧が発生すると、スライドバーが変形保持リングの動きを十分に拘束できず、吸引ダクトの捩れを抑制できない恐れがある。
(2)伸縮機能の観点
スライドバーが変形保持リングに内接した(内側に接した)状態であるため、ダクトの収縮時に、該ダクトを構成する可撓性シートの撓み部分とスライドバーが干渉してしまう。そうすると、ダクトが十分に縮まらなかったり、ダクトを傷つけたりして、伸縮動作がスムーズに行われない恐れがある。
(3)部材の共通化の観点
スライドバーが連結リングの前後方向に連通するように設けてあるため、ダクトの収縮時に隣り合う連結リング間でスライドバーが干渉する恐れがある。
この干渉を防止するには、隣り合う連結リング間で、スライドバーを設ける位置をずらす方法が考えられるが、捩れ防止ユニットとしての構造の共通化を妨げてしまうだけでなく、連結の順番を考慮しなければならなくなり、汎用性に乏しい結果となる。
また、本願の第3発明は、前記発明において、前記支持リングの一端側に設けた各変形抵抗部の間の空間を、前記支持リングと隣り合う支持リングの他端側に設けた各変形抵抗部の収納部としたことを特徴とするものである。
また、本願の第4発明は、前記変形抵抗部が、前記風管の内径から内側へとオフセットした位置に設けてあり、前記オフセット長は、前記風管が収縮する際に、該風管が撓んで内側に突出する部分の長さ以上であることを特徴とするものである。
(1)拘束機能の観点
変形抵抗部が山型形状を呈し、リングフレームに対して面的な拘束力を有するため、大きな負圧が発生しても、リングフレームの動きを十分に拘束することができ、該リングフレームの変位を確実に抑制することができる。
(2)伸縮機能の観点
変形抵抗部を、あらかじめ風管の内側方向にオフセットしておくことにより、換気ダクトの収縮時における風管の突出(はみ出し)部分をオフセット部に収めることができる。よって、変形抵抗部が換気ダクトの伸縮動作を阻害することがない。
(3)部材の共通化の観点
支持リングの一端側に設ける変形抵抗部と、支持リングの他端側に設ける変形抵抗部とで、前記支持リングの周方向にずらして配置することにより、隣り合う支持リングに設ける変形抵抗部同士が干渉する問題を回避しつつ、同時に部材の共通化を図ることができる。
<1>全体構成
図1を参照する。本発明に係る換気ダクトは、風管1と、前記風管1の軸方向に間隔を設けて配置する複数の支持リング2と、前記支持リング2の間に配置するリングフレーム3と、前記支持リング2から、前記風管1の軸方向に延伸するように複数設けた変形抵抗部4と、を少なくとも具備して構成する。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
風管1は、通気路を形成するための部材である。
風管1は、可撓性を有する材料、例えばビニールなどの材料を用い、筒型形状を呈する部材である。
風管1の構造は公知構造を呈すればよく、詳細な説明は省略する。
支持リング2は、前記風管1を支持した状態で伸縮自在とするための部材である。
この支持リング2は、ダクトの前端や、後端、その他の中間部に所定間隔を設けて複数配置される。
支持リング2の頂部には、使用現場に配置したレール走行体(図示せず)と連結するための吊環21を設けている。この支持リング2の端部に風管1の端部を接続することで、風管1を支持することができる。
そして、これら複数の支持リング2を、風管1の軸方向に向けて、近接・離隔するように移動することによって、可撓性を有する風管1を伸縮することができる。
リングフレーム3は、前記風管1の断面形状を保持するための部材である。
リングフレーム3は、風管1の内側若しくは外側に、風管1の軸方向に所定間隔を設けて適宜配置する。
このリングフレーム3は、風管1の断面形状を保持するだけでなく、風管1が伸縮し易いよう、蛇腹形状の骨組み部分としても機能することとなる。
変形抵抗部4は、前記リングフレーム3の変位を防止するための部材である。
この「変位」とは、風管1の軸方向を前後方向としたときの、風管1の左右方向を軸とした回転(いわゆる「ピッチ」)や、風管1の上下方向を軸とした回転(いわゆる「ヨー」)、或いはそれらの組合せを指す。
変形抵抗部4は、前記支持リング2から、風管軸方向へと延伸するように配置する。
図2,3を参照しながら、変形抵抗部4の詳細について説明する。
変形抵抗部4の形状について説明する。
変形抵抗部4は、支持リング2側を底辺とする略三角状(山型)の形状を呈する。
前記略三角形状の各辺は、パイプ材を適宜折曲するなどして形成することができる。
本発明では、板材を略三角状とした部材を変形抵抗部4として、面状に構成することもできるが、後述する風管1の有効径の確保の観点から考慮すると、本例のよう略三角形状の各辺をパイプ材で構成し、形状内部は空洞にした構成が望ましい。また、ダクト全体をなるべく軽量にする観点からも好ましい。
変形抵抗部4の先端部分41は、鋭角とならないよう、湾曲処理を施しておく。
また、前記先端部分41は、支持リング2側から徐々に内側に傾斜させたり、ある箇所から内側に折曲させたりしておいてもよい。
これらの湾曲処理や折曲処理は、前記先端部分41と風管との接触による風管の破損を防止するためである。
本実施例では、変形抵抗部4は、支持リング2の周方向に等間隔で3箇所配置している。すなわち、各変形抵抗部4の中心線は互いに120°の間隔を有する。
また、変形抵抗部4の底部の占有角度は約60°程度を確保する。
よって、同一支持リング2間の変形抵抗部4の間の離隔角度も約60°程度となる。
変形抵抗部4は、支持リング2の前側と後側において、前記支持リング2の周方向にずらして配置してある。
本実施例では、前方側に設けてある変形抵抗部4に対して、後方側の変形抵抗部4が60°位相をずらしてある。
この位相のズレにより、同一支持リング2間の変形抵抗部4の間の離隔角度を確保した部分が、風管軸方向に隣り合う支持リング2から延伸する変形抵抗部4が収納される領域(収納部6)となる。
変形抵抗部4は、支持リング2から風管軸方向に延伸させて設けるが、その配置態様は、風管1の内径よりも内側に位置するように構成する。
例えば、変形抵抗部4は、前記風管1の最収縮時における前記リングフレーム3間の風管の突出長以上、前記風管1の内径から内側にオフセットした位置に配置しておくことが望ましい。
すなわち、隣り合うリングフレーム3間の折り目が一つである場合には、風管1の折り幅は、前記風管1の最伸張時における前記リングフレーム3間の距離(以下、蛇腹幅b)の約1/2に相当する事となるし、折り目が二つである場合には、前記伸縮長の約1/3に相当する事となる。
この折り幅を、風管1の最収縮時における風管1の突出長と想定してオフセット長hを設定しておくと、ダクトを最大限収縮した時であっても、リングフレーム3間の風管1が折り畳まれて突出する部分が、前記リングフレーム3と干渉することなく、前記オフセット部5内に収納されることとなる。
しかし、風管1の折り畳み部分が常に風管1の内側を向いて突出するように形成されている場合などには、支持リング2の全周にわたって変形抵抗部4を内側にオフセットした位置に配置しておく必要がある。
前記収納部6には、当該変形抵抗部をより好適に収納するための機構を設けておくことが望ましい。
例えば、隣接する変形抵抗部4の裾部同士を連結するU字状のガイド部7を設ける方法がある。
ガイド部7の湾曲は、前記変形抵抗部4の先端部分41の湾曲処理よりも緩やかな曲率としておくことが望ましい。当該構成により、ガイド部7が変形抵抗部4よりも幅広なるため、前記先端部分41を確実にダクトの内側方向に案内し、変形抵抗部4が風管1に接触して該風管1の破損を防止することができる。
またこのガイド部7は、各変形抵抗部4を連結して剛性を高めるための補強部材としても機能し得る。
本発明に係る収縮ダクトの動作について説明する。
図1は、支持リング2間が離隔して風管1が伸びきっている状態である。
この状態では、ダクト内の吸引によって負圧が発生したとしても、風管1には張力がかかっているため、元々リングフレーム3が風管1が変位しにくい状態である。
[変形抵抗部の収納]
図3は、右側の支持リング2が接近して風管1の一部が縮んでいる状態である。
一方の支持リング2から延伸した変形抵抗部4は、隣接する他方の支持リング2に設けたガイド部7に案内されて、他方の支持リング2に設けた変形抵抗部4にも、風管1にも干渉することなく、収納部6へと収納される。
支持リング2間の風管1は、リングフレーム3間毎に緩んで、ダクトの内側に折り畳まれる。この折り畳み部分はオフセット部5に収納された状態となるため、当該折り畳み部分が、風管1の収縮動作を遮る事は無い。
ダクトの吸引動作によってダクト内部に負圧が発生した場合、縮んだ状態の風管は、その縮み分だけ動きうるため、当該負圧によって風管1が変位しようとする場合がある。
このとき、リングフレーム3は、変位する途上で変形抵抗部4によって遮られることとなる。この動作によって、負圧発生時による風管1の断面欠損を抑制することができる。
また、変形抵抗部4が山型形状であり面的(二次元的)な拘束力を有するため、大きな負圧が発生しても、リングフレーム3の動きを十分に拘束することができ、該リングフレーム3の変位を確実に抑制することができる。
1a 折り畳まれた風管
2 支持リング
21 吊環
3 リングフレーム
3a 正常時のリングフレーム
3b 負圧発生時のリングフレーム
4 変形抵抗部
41 先端部分
5 オフセット部
6 収納部
7 ガイド部
b 蛇腹幅
h オフセット長
Claims (4)
- 可撓性を有する風管と、該風管の軸方向に間隔を設けて配置する複数の支持リングと、該支持リングの間に配置し、前記風管の形状を保持するリングフレームと、を少なくとも有し、前記支持リングの前後移動によって前記風管を伸縮自在とする伸縮ダクトであって、
前記支持リングから前記風管の軸方向に向けて延伸するように複数設け、山型状を呈する、複数の変形抵抗部、をさらに有することを特徴とする、
伸縮ダクト。 - 前記支持リングの一端側に設けた変形抵抗部に対して、前記支持リングの他端側の変形抵抗部を、前記支持リングの周方向にずらして設けたことを特徴とする、請求項1に記載の伸縮ダクト。
- 前記支持リングの一端側に設けた各変形抵抗部の間の空間を、前記支持リングと隣り合う支持リングの他端側に設けた各変形抵抗部の収納部としたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の伸縮ダクト。
- 前記変形抵抗部が、前記風管の内径から内側へとオフセットした位置に設けてあり、
前記オフセット長は、前記風管が収縮する際に、該風管が撓んで内側に突出する部分の長さ以上であることを特徴とする、請求項1乃至3のうち、何れか1項に記載の伸縮ダクト。
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