JP2015160394A - ボールペンチップ及びこれを使用したボールペン - Google Patents
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Abstract
【目的】 スプリングバック現象を抑制し、ボール受座部がボールの表面形状により近似し、円滑なボール回転とし、安定した連続した筆跡を得る。
【構成】 内包突出部の形成角度を90°以上とし、該内包突出部にボールを押しつけることによって凹状のボール転写部を形成する際、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積が0.0015mm3以上であるボールペンチップ。
【選択図】 図3
【構成】 内包突出部の形成角度を90°以上とし、該内包突出部にボールを押しつけることによって凹状のボール転写部を形成する際、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積が0.0015mm3以上であるボールペンチップ。
【選択図】 図3
Description
本発明は、筆記部材としてのボールと、このボールを貫通孔であるインキ通孔の先端開口部から一部突出して抱持し、インキ通孔の内壁中腹部分に内包突出部を形成することによってボールの前後移動可能範囲を規定するボールハウス部を形成したボールホルダーとを有し、前記内包突出部にボールを押し付けることによって凹状のボール転写部を形成したボールペンチップに関するものである。
従来、滑らかで軽い書き味を得るために、特開2011−126188号公報(特許文献1)に記載の発明では、ボールホルダーの内側面をボールの表面に押し付けることによって略ボールの曲率に転写されて形成されるボール転写部を規定したボールペンチップが開示されている。
内包突出部に形成する凹状のボール転写部は、筆記時にボールが回転する際の座の部分として機能し、その形状や状態はボールの円滑な回転に大きく影響する。
上記の特許文献に開示されているボールペンチップは、ボール転写部表面積の径方向の量だけでなく、長手方向(深さ方向)の量も考慮し、ボール転写部の表面積を適正範囲に規定することで、ボールホルダーの内壁面の広い範囲に潤滑剤としてのインキ層が形成され、斜めにボールペンを把持して筆記された際でも滑らかな筆記感が得られるものとしている。しかし、滑らかさに加え、軽い書き味を目的にした低粘度油性インキでは、前記ボール転写部とボールとの間の関係は、筆記者の筆記圧により混合潤滑から境界潤滑領域となり、高筆記圧の場合、境界潤滑領域となる事があり、潤滑剤であるインキ膜が薄くなり、十分に広い表面積のボール転写部としていてもインキの潤滑剤としての機能を十分に発揮させられない場合があった。
即ち、ボール転写部がボールや、球形面を有する押し付け治具などを衝打するなどして押しつけることによって形成されるものであるので、変形される内包突出部には所謂スプリングバックが発生し、ボールの曲率と大きく異なる形状となって、ボールの回転が不均一となり筆記線が部分的に途切れる現象が起こることがあった。
上記の特許文献に開示されているボールペンチップは、ボール転写部表面積の径方向の量だけでなく、長手方向(深さ方向)の量も考慮し、ボール転写部の表面積を適正範囲に規定することで、ボールホルダーの内壁面の広い範囲に潤滑剤としてのインキ層が形成され、斜めにボールペンを把持して筆記された際でも滑らかな筆記感が得られるものとしている。しかし、滑らかさに加え、軽い書き味を目的にした低粘度油性インキでは、前記ボール転写部とボールとの間の関係は、筆記者の筆記圧により混合潤滑から境界潤滑領域となり、高筆記圧の場合、境界潤滑領域となる事があり、潤滑剤であるインキ膜が薄くなり、十分に広い表面積のボール転写部としていてもインキの潤滑剤としての機能を十分に発揮させられない場合があった。
即ち、ボール転写部がボールや、球形面を有する押し付け治具などを衝打するなどして押しつけることによって形成されるものであるので、変形される内包突出部には所謂スプリングバックが発生し、ボールの曲率と大きく異なる形状となって、ボールの回転が不均一となり筆記線が部分的に途切れる現象が起こることがあった。
本願発明は、筆記部材としてのボールと、このボールを回転自在に抱持してなるボールホルダーとから少なくともなり、ボールホルダーは貫通孔内に複数の内包突出部を放射状に配置して、インキ通路としての中心孔と放射状のインキ通溝とを形成しつつボールの後方移動規制をなし、また、内包突出部にボールを押しつけることによって凹状のボール転写部を形成したボールペンチップにおいて、前記内包突出部の形成角度を90°以上とし、前記ボール転写部が形成される際、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積が0.0015mm3以上であるボールペンチップを要旨とするものである。
凹状のボール転写部を形成する際に、十分な押し込み体積を確保することにより、内包突出部のスプリングバックの量を極力抑制することができる。また、押し込まれる際にボールが接触する部分の形成角度である受座角度を鈍角にすることによって、スプリングバックが起こりにくくなる塑性変形が優位な押し込み体積である0.0015mm3以上とする際の押圧方向(ボールホルダーの長手方向)のボールの移動量が、受座角度が鋭角な場合に比べて多くなり、押圧方向径の膨らみに消費されずに効率的に応力をかけられるので、弾性応答のない塑性変形になりやすく、よりスプリングバックが発生し難くなり、ボール受座部がボールの表面形状により近似し、ボールの円滑な回転を保証し易いものとなるものと推察され、安定した連続した筆跡が得られる。
筆記部材となるボールとしては、タングステンカーバイドなどの超硬合金や、シリコンカーバイドなどのセラミックス焼結体などで形成される。
このようなボールは、例えば、タングステンカーバイド75wt%〜95wt%、コバルトやニッケル、クロムなどのバインダー金属が5wt%〜25wt%。好ましくは、タングステンカーバイド87.5wt%〜95.5wt%、コバルトやニッケル、クロムなどのバインダー金属が4.5wt%〜12.5wt%。が主な配合物であり、表面の物理的及び/又は化学的研磨処理によって微細なバインダー金属が除去され、ボール表面に2nm〜20nm程度の微細な凹部が形成されたものである。
具体的には、除去されるバインダー金属の含有量は、10wt%が好ましい。
このボール表面の微細な凹部は、内包突出部に押し付けられるボールや治具などの表面状態が転写されるので、ボールの回転し易さから、より表面が平滑で凹凸の少ないものを押し付けたほうが好ましいが、反面、筆記時の紙面とボールとの摩擦力が低下するので低荷重で筆記した際、ボールがスリップしやすくなるので、4nm〜15nm程度の算術平均粗さRaを有していることが実質的には好ましい。
但し、必ずしも筆記用のボールで転写部を形成する必要はなく、例えば、筆記用ボールより算術平均粗さRaが低いボールで転写部を形成した後に、ボールを抜き取り、筆記用のボールを設置するようなこともでき、ボールとボール転写部との回転し易さを向上しつつ、紙面とボールとの摩擦力を上げることができる。押圧治具によるボール転写部形成方法でも同様に筆記用のボールより算術平均粗さRaを低く形成された押圧治具を使用することで同様の効果が得られる。
また、インキ中にリン酸エステル系などの潤滑剤を添加した場合には、潤滑剤のリン酸部分などが吸着し易い超硬金属で、インキ粘度が200〜2000mPa・s、剪断減粘指数が0.9〜1.0程度のインキであることによって、算術平均粗さRaで4nm〜15nm程度の表面粗さの凹状部分にインキが浸入し易く、ボール表面がインキに濡れた状態を確保しやすいのでボールとボール転写部との間にインキが介在し易く、インキがボールの回転における潤滑剤として働きやすくなり好ましい。
このようなボールは、例えば、タングステンカーバイド75wt%〜95wt%、コバルトやニッケル、クロムなどのバインダー金属が5wt%〜25wt%。好ましくは、タングステンカーバイド87.5wt%〜95.5wt%、コバルトやニッケル、クロムなどのバインダー金属が4.5wt%〜12.5wt%。が主な配合物であり、表面の物理的及び/又は化学的研磨処理によって微細なバインダー金属が除去され、ボール表面に2nm〜20nm程度の微細な凹部が形成されたものである。
具体的には、除去されるバインダー金属の含有量は、10wt%が好ましい。
このボール表面の微細な凹部は、内包突出部に押し付けられるボールや治具などの表面状態が転写されるので、ボールの回転し易さから、より表面が平滑で凹凸の少ないものを押し付けたほうが好ましいが、反面、筆記時の紙面とボールとの摩擦力が低下するので低荷重で筆記した際、ボールがスリップしやすくなるので、4nm〜15nm程度の算術平均粗さRaを有していることが実質的には好ましい。
但し、必ずしも筆記用のボールで転写部を形成する必要はなく、例えば、筆記用ボールより算術平均粗さRaが低いボールで転写部を形成した後に、ボールを抜き取り、筆記用のボールを設置するようなこともでき、ボールとボール転写部との回転し易さを向上しつつ、紙面とボールとの摩擦力を上げることができる。押圧治具によるボール転写部形成方法でも同様に筆記用のボールより算術平均粗さRaを低く形成された押圧治具を使用することで同様の効果が得られる。
また、インキ中にリン酸エステル系などの潤滑剤を添加した場合には、潤滑剤のリン酸部分などが吸着し易い超硬金属で、インキ粘度が200〜2000mPa・s、剪断減粘指数が0.9〜1.0程度のインキであることによって、算術平均粗さRaで4nm〜15nm程度の表面粗さの凹状部分にインキが浸入し易く、ボール表面がインキに濡れた状態を確保しやすいのでボールとボール転写部との間にインキが介在し易く、インキがボールの回転における潤滑剤として働きやすくなり好ましい。
ボールホルダーとなる金属製の円柱部材の材質は、ステンレスや黄銅、洋白などよって形成され、耐久性の面からステンレスが好ましく、一般的にはオーステナイト系ステンレスSUS304、フェライト系ステンレスSUS430が用いられる。
スプリングバック現象は、対象となる部材に対して付与される押圧力に対し、その押圧力を開放した際に、弾性変形に相当する変形量分形状が戻ろうとすることで発生する。弾性変形の量は、材質固有の降伏点(応力)で決まるが、明確な降伏点が存在しないもの(真鍮など)では、一般的に0.2%耐力を弾性変形のなくなる目安としている。降伏点または0.2%耐力の低い材質が好ましいがSUS304とSUS430では、降伏点の差は殆どない。しかし、一般的に硬い材料のほうが応力が蓄積されやすく、スプリングバックが発生し易いので硬度が低いSUS430のほうが好ましい。また、金属製の円柱部材を所定の外形寸法に仕上げるには、ダイスに材料を押し込む伸線工程を数回行うが、この工程により結晶粒が小さくなり硬化するので伸線後、熱処理をし、結晶粒を元の大きさに戻し加工硬化を除去しておくとよい。
スプリングバック現象は、対象となる部材に対して付与される押圧力に対し、その押圧力を開放した際に、弾性変形に相当する変形量分形状が戻ろうとすることで発生する。弾性変形の量は、材質固有の降伏点(応力)で決まるが、明確な降伏点が存在しないもの(真鍮など)では、一般的に0.2%耐力を弾性変形のなくなる目安としている。降伏点または0.2%耐力の低い材質が好ましいがSUS304とSUS430では、降伏点の差は殆どない。しかし、一般的に硬い材料のほうが応力が蓄積されやすく、スプリングバックが発生し易いので硬度が低いSUS430のほうが好ましい。また、金属製の円柱部材を所定の外形寸法に仕上げるには、ダイスに材料を押し込む伸線工程を数回行うが、この工程により結晶粒が小さくなり硬化するので伸線後、熱処理をし、結晶粒を元の大きさに戻し加工硬化を除去しておくとよい。
ボールを抱持するボールホルダーは、貫通孔としてのインキ通路の途中に、ボールの後退規制部となる内包突出部を備え、先端開口部にはボールの直径よりも小径に加工したカシメ部を形成しボールの抜け止めとしている。
内包突出部は、中心孔と、放射状の貫通溝とによって略均等に分割され、周状に配置されている。放射状溝は、ボールの外側部分にインキを流入させる路となるものであり、インキの流量のみを考慮すれば、多数で幅広の方が好ましいが、凹状のボール転写部を形成する際の押し込み体積が少なくなることとなるので適宜本数、適宜幅となるように調整される。放射状溝の現実的な幅としては、0.07mm〜0.1mm程度、本数としては3本〜6本程度が好ましい。この放射状溝は、ボールホルダーを金属製のパイプ材を使用して形成することもでき、外側からポンチによる押圧加工にてパイプ側壁を内側に凹ませることによって内包突出部を周状に複数形成することによって得られる。
内包突出部は、中心孔と、放射状の貫通溝とによって略均等に分割され、周状に配置されている。放射状溝は、ボールの外側部分にインキを流入させる路となるものであり、インキの流量のみを考慮すれば、多数で幅広の方が好ましいが、凹状のボール転写部を形成する際の押し込み体積が少なくなることとなるので適宜本数、適宜幅となるように調整される。放射状溝の現実的な幅としては、0.07mm〜0.1mm程度、本数としては3本〜6本程度が好ましい。この放射状溝は、ボールホルダーを金属製のパイプ材を使用して形成することもでき、外側からポンチによる押圧加工にてパイプ側壁を内側に凹ませることによって内包突出部を周状に複数形成することによって得られる。
ボールを設置して、ボールを内方突出部に押し付けることによって内方突出部を変形する場合、押し込む体積を多くするには、ボールを強く押圧することによって内方突出部の変形量を多く(深く)し、凹状のボール転写部を広くしたり、中心孔を小さくすることで増加することができるが、凹状のボール転写部の外縁径が大きくなり過ぎると、インキ流通路である放射状溝のボール外側に開口した有効放射状溝が減少することとなり、インキ流量が減少する。また、中心孔も小さくし過ぎるとインキ流量が減少する。特に、インキの漏れ出し防止を目的に中心孔にコイルスプリングを挿入し、その先端で直接又は部材を介してボールを前方付勢し、ボールホルダーの先端開口部の内縁にボールを周接するものでは、よりインキ流量が減少する。好ましい値としては、凹状のボール転写部の外縁径は、0.3mm〜0.7mm程度、中心孔の径は、0.2mm〜0.5mm程度である。
また、凹状のボール転写部形成前のボールを設置する際のボール座となる内包突出部の底面は、切削刃をボールホルダーのボール側より挿入して形成される切削刃の先端形状が転写され、ボール受座としての角度となり、受座角度が鈍角なほど、凹状のボール転写部を形成する際の押し込み力の径方向分力より押圧方向分力の比率が大きくなり好ましい。また、受座角度が鈍角なほど、ボールを受座に設置した際のボール位置がより中心孔方向に近づくため、受座角度が鋭角な場合に比べて、同一押し込み体積を得る場合、押圧方向へのボール移動量が多くなり、凹状のボール転写部表面積が小さすることができ、必要以上の凹状のボール転写部の大化や中心孔の小化をしなくて良く、効率的に応力をかけられる。
従って、受座角度である前記内包突出部の形成角度を90°以上とし、凹状のボール転写部の大きさ、中心孔径、放射状溝幅・本数を適宜、組み合わせ、押し込み体積を0.0015mm3以上に設定することが肝要である。好ましい内包突出部の形成角度は、90°〜120°である。
その後、ボールホルダーの先端をボールの直径よりも小径にカシメ、ボールの抜け止めを施す。
尚、ボールホルダーの先端をボールの直径よりも小径にカシメた後に、ボールを内方突出部に押し付け、凹状のボール転写部を形成しても良い。
尚、前述したように、スプリングバックを抑制するには、内包突出部に、より大きな応力を掛けることとなるが、前記内包突出部の強度の点から、0.006mm3以下の押し込み体積とすると好ましい。
従って、受座角度である前記内包突出部の形成角度を90°以上とし、凹状のボール転写部の大きさ、中心孔径、放射状溝幅・本数を適宜、組み合わせ、押し込み体積を0.0015mm3以上に設定することが肝要である。好ましい内包突出部の形成角度は、90°〜120°である。
その後、ボールホルダーの先端をボールの直径よりも小径にカシメ、ボールの抜け止めを施す。
尚、ボールホルダーの先端をボールの直径よりも小径にカシメた後に、ボールを内方突出部に押し付け、凹状のボール転写部を形成しても良い。
尚、前述したように、スプリングバックを抑制するには、内包突出部に、より大きな応力を掛けることとなるが、前記内包突出部の強度の点から、0.006mm3以下の押し込み体積とすると好ましい。
前述した内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積及び凹状のボール転写部の表面積の計算は次の方法に基づいた。
図5〜図9は、図4のII部を拡大した図で内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積を計算するための説明図である。また、図10図は、同じく、図4のII部を拡大した図で凹状のボール転写部の表面積を計算するための説明図である。尚、体積及び表面積を算出するための説明図なので放射状溝は図示せず、計算に該当する立体及び縦断面形状を斜線で表した
図5〜図9は、図4のII部を拡大した図で内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積を計算するための説明図である。また、図10図は、同じく、図4のII部を拡大した図で凹状のボール転写部の表面積を計算するための説明図である。尚、体積及び表面積を算出するための説明図なので放射状溝は図示せず、計算に該当する立体及び縦断面形状を斜線で表した
(1)ボール転写部が形成される際、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積は、ボールを球体とみなし、ボールを凹状のボール転写部の外縁周長さに該当する横断周となる部分で切断した球冠の体積V1から、底径を凹状のボール転写部の外縁とし上径を中心孔の直径とした円錐台の体積V2と、中心孔に相当する部分の容積V3(中心孔の内壁を外壁部分と仮定した円柱体積)と、中心孔のボール転写部への開口縁を通る平面で切断した球冠の体積V4、及び、凹状のボール転写部形成前に放射状溝であった部分に相当する部分の容積V5を差し引いた分の体積となる。尚、説明の便宜上、図示では縦断面で示してあり、該当部分の記号は、単に部位を示すものに過ぎない。
凹状のボール転写部の外縁周長さに該当する横断周となる部分で切断した球冠の体積は、図5に示すように、ボールの直径をD、切断面(凹状のボール転写部の外縁を通る面)からの高さをH1とすると球冠であり、球冠の体積の公式より、
V1=(π/3)×H12×{(3D/2)−H1}
となる。
高さH1は、ボール中心からボール転写部の外縁までの投影高さH0をボール半径から差し引きし求められ、高さH0は、ボールの直径D及び、ボール転写部の外縁径Sから、三平方の定理にて導き出すことができる。
H0=√{(D/2)2−(S/2)2}=√{(1/4)×(D2−S2)}
H1=(D/2)−H0
=(D/2)−√{(1/4)×(D2−S2)}
次に、底径を凹状のボール転写部の外縁とし、上径を中心孔とした円錐台の体積V2は、図6に示すように、底径を凹状のボール転写部の外縁径S、高さH2とした円錐の体積から底径を中心孔径N、高さH3とした円錐の体積を差し引いた体積となり、
V2=(π/3)×{(S/2)2×H2−(N/2)2×H3}
となる。
高さH2は、ボール転写部の外縁径及び内包突出部の形成角度θから、三角関数にて導き出すことができ、
H2=(S/2)×{1/tan(θ/2)}
で求められる。
同様に、高さH3は、
H3=(N/2)×{1/tan(θ/2)}
で求められる。
次に、中心孔に相当する部分の容積V3(中心孔の内壁を外壁部分と仮定した円柱体積)は、図7に示すように、中心孔の開口面積と、ボール中心から中心孔の側壁が凹状のボール転写面に接するまでの投影高さH4から、ボール中心からボール転写部の外縁までの投影高さH0と、底径を凹状のボール転写部の外縁とし上径を中心孔の直径とした円錐台の高さとを差し引きした高さH5を有する円柱であり、
V3=π×(N/2)2×H5
=π×(N/2)2×{H4−H0−(H2−H3)}
となる。
高さH4は、H0同様、ボールの直径D及び、中心孔径Nから、三平方の定理にて導き出すことができ、
H4=√{(1/4)×(D2−N2)}
で求められる。
次に、中心孔のボール転写部への開口縁を通る平面で切断した球冠の体積V4は、図8に示すように、V1同様、
V4=(π/3)×H62×{(3D/2)−H6}
となる。
高さH6は、ボール中心から中心孔の側壁が凹状のボール転写面に接するまでの投影高さH4をボール半径から差し引きし求められ、
H6=(D/2)−H4
となる。
次に、凹状のボール転写部形成前に放射状溝であった部分に相当する部分の容積V5は、放射状溝であった部分1本についての側壁部分の面積Ayが放射状溝の幅Wだけ連続した容積として計算し、これを放射状溝の本数分乗じた容積として計算できる。
放射状溝であった部分1本についての側壁部分の面積Ayは、ボールの縦断面において凹状のボール転写部の外縁から中心孔側の弓形面積A1から、この弓形面の弦を下底とし、中心孔の縁を結んだ直線を上底とした台形の面積A2と、中心孔を幅とした長方形面積A3と、前記台形の上底を弦とする弓形面積A4とを差し引いた分の面積の二分の一の面積である。
ボールの縦断面において凹状のボール転写部の外縁から中心孔側の弓形面積A1は、図5に示すように、ボールの中心におけると弓形がなす角度をαとすると弓形面積の公式より、
A1=(1/2)×(D/2)2×{(πα/180)−sinα}
となる。
ボールの中心と弓形がなす角度αは、ボール転写部の外縁径S及びボール転写部の外縁までの投影高さH0から、三角関数にて導き出すことができ、
sin(α/2)=(S/2)/(D/2)=S/D
で求められる。
弓形面の弦を下底とし、中心孔の縁を結んだ直線を上底とした台形の面積A2は、図6に示すように、
A2=(1/2)×(S+N)×(H2−H3)
となる。
中心孔を幅とした長方形面積A3は、図7に示すように、
A3=N×H5
となる。
前記台形の上底を弦とする弓形面積A4は、図8に示すように、ボールの中心と弓形がなす角度をβとすると、
A4=(1/2)×(D/2)2×{(πβ/180)−sinβ}
となる。
ボールの中心と弓形がなす角度βは、ボール径D及び中心孔径Nから、α同様、三角関数にて導き出すことができ、
sin(β/2)=N/D
で求められる。
従って、放射状溝であった部分1本についての側壁部分の面積Ayは、図9に示すように、
Ay=(A1−A2−A3−A4)/2
となり、放射状溝1本の幅長さをW、放射状溝の本数をnとすると、凹状のボール転写部形成前に放射状溝であった部分に相当する部分の容積は、
V5=Ay×W×n
となる。
以上より、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積は、
V=V1−V2−V3−V4−V5
にて導かれる。
凹状のボール転写部の外縁周長さに該当する横断周となる部分で切断した球冠の体積は、図5に示すように、ボールの直径をD、切断面(凹状のボール転写部の外縁を通る面)からの高さをH1とすると球冠であり、球冠の体積の公式より、
V1=(π/3)×H12×{(3D/2)−H1}
となる。
高さH1は、ボール中心からボール転写部の外縁までの投影高さH0をボール半径から差し引きし求められ、高さH0は、ボールの直径D及び、ボール転写部の外縁径Sから、三平方の定理にて導き出すことができる。
H0=√{(D/2)2−(S/2)2}=√{(1/4)×(D2−S2)}
H1=(D/2)−H0
=(D/2)−√{(1/4)×(D2−S2)}
次に、底径を凹状のボール転写部の外縁とし、上径を中心孔とした円錐台の体積V2は、図6に示すように、底径を凹状のボール転写部の外縁径S、高さH2とした円錐の体積から底径を中心孔径N、高さH3とした円錐の体積を差し引いた体積となり、
V2=(π/3)×{(S/2)2×H2−(N/2)2×H3}
となる。
高さH2は、ボール転写部の外縁径及び内包突出部の形成角度θから、三角関数にて導き出すことができ、
H2=(S/2)×{1/tan(θ/2)}
で求められる。
同様に、高さH3は、
H3=(N/2)×{1/tan(θ/2)}
で求められる。
次に、中心孔に相当する部分の容積V3(中心孔の内壁を外壁部分と仮定した円柱体積)は、図7に示すように、中心孔の開口面積と、ボール中心から中心孔の側壁が凹状のボール転写面に接するまでの投影高さH4から、ボール中心からボール転写部の外縁までの投影高さH0と、底径を凹状のボール転写部の外縁とし上径を中心孔の直径とした円錐台の高さとを差し引きした高さH5を有する円柱であり、
V3=π×(N/2)2×H5
=π×(N/2)2×{H4−H0−(H2−H3)}
となる。
高さH4は、H0同様、ボールの直径D及び、中心孔径Nから、三平方の定理にて導き出すことができ、
H4=√{(1/4)×(D2−N2)}
で求められる。
次に、中心孔のボール転写部への開口縁を通る平面で切断した球冠の体積V4は、図8に示すように、V1同様、
V4=(π/3)×H62×{(3D/2)−H6}
となる。
高さH6は、ボール中心から中心孔の側壁が凹状のボール転写面に接するまでの投影高さH4をボール半径から差し引きし求められ、
H6=(D/2)−H4
となる。
次に、凹状のボール転写部形成前に放射状溝であった部分に相当する部分の容積V5は、放射状溝であった部分1本についての側壁部分の面積Ayが放射状溝の幅Wだけ連続した容積として計算し、これを放射状溝の本数分乗じた容積として計算できる。
放射状溝であった部分1本についての側壁部分の面積Ayは、ボールの縦断面において凹状のボール転写部の外縁から中心孔側の弓形面積A1から、この弓形面の弦を下底とし、中心孔の縁を結んだ直線を上底とした台形の面積A2と、中心孔を幅とした長方形面積A3と、前記台形の上底を弦とする弓形面積A4とを差し引いた分の面積の二分の一の面積である。
ボールの縦断面において凹状のボール転写部の外縁から中心孔側の弓形面積A1は、図5に示すように、ボールの中心におけると弓形がなす角度をαとすると弓形面積の公式より、
A1=(1/2)×(D/2)2×{(πα/180)−sinα}
となる。
ボールの中心と弓形がなす角度αは、ボール転写部の外縁径S及びボール転写部の外縁までの投影高さH0から、三角関数にて導き出すことができ、
sin(α/2)=(S/2)/(D/2)=S/D
で求められる。
弓形面の弦を下底とし、中心孔の縁を結んだ直線を上底とした台形の面積A2は、図6に示すように、
A2=(1/2)×(S+N)×(H2−H3)
となる。
中心孔を幅とした長方形面積A3は、図7に示すように、
A3=N×H5
となる。
前記台形の上底を弦とする弓形面積A4は、図8に示すように、ボールの中心と弓形がなす角度をβとすると、
A4=(1/2)×(D/2)2×{(πβ/180)−sinβ}
となる。
ボールの中心と弓形がなす角度βは、ボール径D及び中心孔径Nから、α同様、三角関数にて導き出すことができ、
sin(β/2)=N/D
で求められる。
従って、放射状溝であった部分1本についての側壁部分の面積Ayは、図9に示すように、
Ay=(A1−A2−A3−A4)/2
となり、放射状溝1本の幅長さをW、放射状溝の本数をnとすると、凹状のボール転写部形成前に放射状溝であった部分に相当する部分の容積は、
V5=Ay×W×n
となる。
以上より、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積は、
V=V1−V2−V3−V4−V5
にて導かれる。
(2)凹状のボール転写部の表面積の計算は次の方法に基づいた。
凹状のボール転写部の表面積は、図10に示すように、球体の表面のうち、ボール中心から中心孔の側壁が凹状のボール転写面に接するまでの投影高さH4から、ボール中心からボール転写部の外縁までの投影高さH0を差し引いたボール転写部の投影高さH7を幅分とした帯状部分の表面積から放射状溝に該当する幅部分の開口表面積を差し引いた分の表面積となる。
ボール転写部の投影高さH7を幅分とした帯状部分の表面積A5は、ボールを球体とみなし、該帯状部分の表面積A5は、球帯の表面積と言え、球に外接する円柱の側壁のうち、球帯の高さ分の側壁面積に該当する公式に当てはまり、高さをH7とすると
A5=π×D×H7
となる。
次に、放射状溝に該当する幅部分の開口表面積A6は、放射状溝1本の開口表面積に放射状溝の本数を乗じて計算でき、放射状溝1本の開口表面積は、ボールの赤道を中心とした放射状溝の幅長さの帯状部分のうち、放射状溝1本の長さに該当する部分である。そして、ボールの赤道を中心とした放射状溝の幅長さの帯状部分の表面積は、放射状溝の
幅長さをWとすると、ボールの直径をDとした円周に放射状溝の幅長さを乗じた面積で、ボールの円周に対する放射状溝1本の長さの比と放射状溝の本数を乗じれば放射状溝に該当する幅部分の開口表面積A6が計算できる。放射状溝1本の長さの比は、ボールの中心におけるなす角度の全周に対する占有割合なので、ボール転写部部分のなす角度をγとし、放射状溝の本数をnとすると、放射状溝に該当する幅部分の開口面積A6は、
A6=π×D×W(γ/360°)×n
となる。
以上より、凹状のボール転写部の表面積は、
A=A5−A6
にて導かれる。
尚、実際の測定においては、測定顕微鏡または、マイクロスコープによりS:凹状のボール転写部外縁径、N:中心孔径を測定することができる。
また、θ:内包突出部の形成角度は、ボールペンチップを縦半分に切断した面の凹状のボール転写部の外縁とボール抱持室の側壁との間に残っている凹状のボール転写部形成前の受座加工痕をマイクロスコープまたは、撮影した写真によって測定することができる。
凹状のボール転写部の表面積は、図10に示すように、球体の表面のうち、ボール中心から中心孔の側壁が凹状のボール転写面に接するまでの投影高さH4から、ボール中心からボール転写部の外縁までの投影高さH0を差し引いたボール転写部の投影高さH7を幅分とした帯状部分の表面積から放射状溝に該当する幅部分の開口表面積を差し引いた分の表面積となる。
ボール転写部の投影高さH7を幅分とした帯状部分の表面積A5は、ボールを球体とみなし、該帯状部分の表面積A5は、球帯の表面積と言え、球に外接する円柱の側壁のうち、球帯の高さ分の側壁面積に該当する公式に当てはまり、高さをH7とすると
A5=π×D×H7
となる。
次に、放射状溝に該当する幅部分の開口表面積A6は、放射状溝1本の開口表面積に放射状溝の本数を乗じて計算でき、放射状溝1本の開口表面積は、ボールの赤道を中心とした放射状溝の幅長さの帯状部分のうち、放射状溝1本の長さに該当する部分である。そして、ボールの赤道を中心とした放射状溝の幅長さの帯状部分の表面積は、放射状溝の
幅長さをWとすると、ボールの直径をDとした円周に放射状溝の幅長さを乗じた面積で、ボールの円周に対する放射状溝1本の長さの比と放射状溝の本数を乗じれば放射状溝に該当する幅部分の開口表面積A6が計算できる。放射状溝1本の長さの比は、ボールの中心におけるなす角度の全周に対する占有割合なので、ボール転写部部分のなす角度をγとし、放射状溝の本数をnとすると、放射状溝に該当する幅部分の開口面積A6は、
A6=π×D×W(γ/360°)×n
となる。
以上より、凹状のボール転写部の表面積は、
A=A5−A6
にて導かれる。
尚、実際の測定においては、測定顕微鏡または、マイクロスコープによりS:凹状のボール転写部外縁径、N:中心孔径を測定することができる。
また、θ:内包突出部の形成角度は、ボールペンチップを縦半分に切断した面の凹状のボール転写部の外縁とボール抱持室の側壁との間に残っている凹状のボール転写部形成前の受座加工痕をマイクロスコープまたは、撮影した写真によって測定することができる。
このようなボールホルダーはインキタンクとなる部材と直接又は接続部材を介して接続される。
ボールペンとして使用するインキとしては、着色剤として顔料を使用した顔料インキ、染料を使用した染料インキ、主溶剤として水を使用した水性インキ、有機溶剤を使用した油性インキなど、いずれも使用することができるが、潤滑剤となる界面活性剤や特にリン酸エステル系潤滑剤を配合したインキであることが好ましい。また、インキ粘度は、書き味の軽さに影響するので、数mPa・s〜1300mPa・s程度の比較的低粘度のインキであることが好ましく、剪断減粘性のインキの場合には、想定される筆記時のボールの回転によって生じる剪断速度3000[1/sec]付近での粘度が数mPa・s〜500mPa・s程度となるインキであることが好ましいといえる。ただし、インキを剪断減粘指数が、1.0もしくはそれに近い、剪断減粘性のほとんど無いインキとした場合には、静止時の粘度と筆記時の粘度がほぼ同等となるので数mPa・s〜500mPa・s程度となる。
リン酸エステル系潤滑剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸モノエステル又はジエステル、トリエステルが挙げられ、エチレンオキサイドの付加モル数が0〜20、末端のアルキルエーテルのアルキル基の炭素数が9〜18のものなどが例示できる。また、リン酸エステル系の潤滑材以外の併用する潤滑剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、N−アシルアミノ酸などが挙げられる。
これらは1種もしくは複数種を混合して使用することもでき、その使用量は、0.1〜5重量%程度が好ましい。
ボールペンとして使用するインキとしては、着色剤として顔料を使用した顔料インキ、染料を使用した染料インキ、主溶剤として水を使用した水性インキ、有機溶剤を使用した油性インキなど、いずれも使用することができるが、潤滑剤となる界面活性剤や特にリン酸エステル系潤滑剤を配合したインキであることが好ましい。また、インキ粘度は、書き味の軽さに影響するので、数mPa・s〜1300mPa・s程度の比較的低粘度のインキであることが好ましく、剪断減粘性のインキの場合には、想定される筆記時のボールの回転によって生じる剪断速度3000[1/sec]付近での粘度が数mPa・s〜500mPa・s程度となるインキであることが好ましいといえる。ただし、インキを剪断減粘指数が、1.0もしくはそれに近い、剪断減粘性のほとんど無いインキとした場合には、静止時の粘度と筆記時の粘度がほぼ同等となるので数mPa・s〜500mPa・s程度となる。
リン酸エステル系潤滑剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸モノエステル又はジエステル、トリエステルが挙げられ、エチレンオキサイドの付加モル数が0〜20、末端のアルキルエーテルのアルキル基の炭素数が9〜18のものなどが例示できる。また、リン酸エステル系の潤滑材以外の併用する潤滑剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、N−アシルアミノ酸などが挙げられる。
これらは1種もしくは複数種を混合して使用することもでき、その使用量は、0.1〜5重量%程度が好ましい。
図1に示したものは、筆記部材としてのボール1を、先端開口部2aより一部突出した状態で回転自在に抱持してなるボールホルダー2とインキ収容部3が接合されてなるボールペンの一例である。外装体に収容されて使用される、所謂リフィルと称されるものとして示してあるが、外装についての図示及び説明は省略する。
ボール1とボールホルダー2と、後述するコイルスプリングとからなるボールペンチップは、その後端の小径部を、ポリプロピレン樹脂などの押し出し成形パイプであるインキ収容部3の先端に圧入して固定されている。
インキ収容部3内には、油性インキ4が収容されており、油性インキ4の後端界面に接して、インキと相溶しない高粘度流体である逆流防止体組成物5が配置されている。特に、低粘度のインキを使用した場合には、インキが後方に移動することを抑制するために逆流防止体組成物を配置することは有効である。
ボール1とボールホルダー2と、後述するコイルスプリングとからなるボールペンチップは、その後端の小径部を、ポリプロピレン樹脂などの押し出し成形パイプであるインキ収容部3の先端に圧入して固定されている。
インキ収容部3内には、油性インキ4が収容されており、油性インキ4の後端界面に接して、インキと相溶しない高粘度流体である逆流防止体組成物5が配置されている。特に、低粘度のインキを使用した場合には、インキが後方に移動することを抑制するために逆流防止体組成物を配置することは有効である。
ボールペンチップのみの拡大図である図2にも示すように、ボールホルダー2の内部には、インキ漏れ防止のためのコイルスプリング6が配設されている。このコイルスプリング6は、ボールホルダー2に挿入された後に、押し込まれて全長を圧縮された状態で、ボールホルダー2の後端開口部2bを縮径するカシメ加工を施すことによって、ボール1の後端を付勢した状態で固定されている。コイルスプリング6は、伸縮する巻き部6aと先端直状部6bを備えており、先端直状部6bが、ボールホルダー2のインキ通路である中心孔を通ってボールの後端を直接押し、ボール1をボールホルダー2の先端開口部2aの内縁に周接させている。
図3に図2のI部拡大図を示すが、説明の都合上、コイルスプリング6の図示は省略し、ボール1は破線で示してある。
ボールホルダー2は、貫通したインキの通路として、先端側よりボール抱持室7、中心孔8、放射状溝9、後穴10を有している。
ボール抱持室7と後孔10との間には、内包突出部11が、周状に等間隔で複数(本例では5個)形成されており、この隣り合った各内方突出部11の間が放射状溝9となっている。放射状溝9は、ボール抱持室7のボールの外側部分に開口しており、ボール1が後端に移動した場合にもボール1で塞がれていない部分にインキを供給し得る。
ボール1を設置後に、ハンマー工具にてボール1に衝撃力を付与し、ボール1の後方移動を規制する部分である内包突出部11にボール1を押し付ける。この加工によって内包突出部11のボール1との当接部分をボール1の形状に変形させ、ボール1の表面が転写された凹状のボール転写部12を形成する。
凹状のボール転写部12を形成する前のボール1の受座13は、凹状のボール転写部12形成後、凹状のボール転写部12の外縁とボール抱持室7の側壁7aとの間に加工痕13aとして残っている。
ボールホルダー2は、貫通したインキの通路として、先端側よりボール抱持室7、中心孔8、放射状溝9、後穴10を有している。
ボール抱持室7と後孔10との間には、内包突出部11が、周状に等間隔で複数(本例では5個)形成されており、この隣り合った各内方突出部11の間が放射状溝9となっている。放射状溝9は、ボール抱持室7のボールの外側部分に開口しており、ボール1が後端に移動した場合にもボール1で塞がれていない部分にインキを供給し得る。
ボール1を設置後に、ハンマー工具にてボール1に衝撃力を付与し、ボール1の後方移動を規制する部分である内包突出部11にボール1を押し付ける。この加工によって内包突出部11のボール1との当接部分をボール1の形状に変形させ、ボール1の表面が転写された凹状のボール転写部12を形成する。
凹状のボール転写部12を形成する前のボール1の受座13は、凹状のボール転写部12形成後、凹状のボール転写部12の外縁とボール抱持室7の側壁7aとの間に加工痕13aとして残っている。
前記凹状のボール転写部12を形成した後に、ボールホルダー2の先端部分を内側に倒れこませる塑性変形を施してボール1の直径よりも小径の開口部となるように縮径する、所謂カシメ加工を施した部分であり、具体的には、回転するロール部材などを、ボールホルダー2の先端部分外側に斜め方向に押し当て、周状に縮径するものである。
凹状のボール転写部12が形成される前を図4に示すが、説明の都合上、コイルスプリング6及びボール1の図示は省略してある。
本例のボールペンチップにおいては、内包突出部11の底面であるボール受座13の角度を90°以上としてある。
また、凹状のボール転写部12が形成される際、内包突出部11の肉がボール1により押し込まれる体積を0.0015mm3以上とするため、中心孔8の径、凹状のボール転写部12の外縁径を調整している。
この内包突出部11にボール1が押し込まれる体積部分は、中心孔8と受座13と次のボール1を押し込む工程で形成される凹状のボール転写部12(破線で図示)で囲まれた体積から放射状溝9の体積を除いた体積であり斜線部分で図示されている。
本例のボールペンチップにおいては、内包突出部11の底面であるボール受座13の角度を90°以上としてある。
また、凹状のボール転写部12が形成される際、内包突出部11の肉がボール1により押し込まれる体積を0.0015mm3以上とするため、中心孔8の径、凹状のボール転写部12の外縁径を調整している。
この内包突出部11にボール1が押し込まれる体積部分は、中心孔8と受座13と次のボール1を押し込む工程で形成される凹状のボール転写部12(破線で図示)で囲まれた体積から放射状溝9の体積を除いた体積であり斜線部分で図示されている。
上述の一例と同様にして、下記の通り実施例となるボールペンチップを作成した。各実施例の寸法は(表1)に記載の通り。
ボールを設置する際のボール座となる内包突出部の形成角度を90°以上とするため内包突出部加工切削刃の先端角度を90°以上である90°〜120°で形成し、中心孔径及び、放射状溝の溝幅長さ・本数を適宜設定し、インキ流量が減少しないボール径の93%以内のボール転写部外縁径で押し込まれる体積が0.0015mm3以上となるようにボールを押圧・調整し、0.0015mm3〜0.0054mm3の実施例1〜6のボールペンチップを得た。
同様に比較例1〜4は、内包突出部加工切削刃の先端角度が90°以上である100°〜150°で形成しているが、中心孔径及び、放射状溝の溝幅長さ・本数を適宜設定し、押し込まれる体積が0.0015mm3未満である0.0003mm3〜0.0014mm3にボールを押圧し得た。
また、比較例5、6は、内包突出部加工切削刃の先端角度が90°未満である85°で形成し、中心孔径及び、放射状溝の溝幅長さ・本数を適宜設定し、押し込まれる体積が0.0015mm3〜0.0026mm3と0.0015mm3以上になるようボールを押圧し得た。
ボールを設置する際のボール座となる内包突出部の形成角度を90°以上とするため内包突出部加工切削刃の先端角度を90°以上である90°〜120°で形成し、中心孔径及び、放射状溝の溝幅長さ・本数を適宜設定し、インキ流量が減少しないボール径の93%以内のボール転写部外縁径で押し込まれる体積が0.0015mm3以上となるようにボールを押圧・調整し、0.0015mm3〜0.0054mm3の実施例1〜6のボールペンチップを得た。
同様に比較例1〜4は、内包突出部加工切削刃の先端角度が90°以上である100°〜150°で形成しているが、中心孔径及び、放射状溝の溝幅長さ・本数を適宜設定し、押し込まれる体積が0.0015mm3未満である0.0003mm3〜0.0014mm3にボールを押圧し得た。
また、比較例5、6は、内包突出部加工切削刃の先端角度が90°未満である85°で形成し、中心孔径及び、放射状溝の溝幅長さ・本数を適宜設定し、押し込まれる体積が0.0015mm3〜0.0026mm3と0.0015mm3以上になるようボールを押圧し得た。
また、筆記サンプルとして作成したボールペンチップには、ボール付勢力20gとなるコイルスプリングを設置し、ぺんてる(株)製の0.7mmボールペン「Rolly」(製品符号:BP127)のインキ収容パイプに固定し、後述の油性インキを充填して、ペン先の方向に遠心力が働くようにして、遠心分離機(国産遠心器(株)製:卓上遠心機H−103N)で遠心処理を施し、筆記具内に存在する気体を除去して試験用ボールペンサンプルとした。
試験に使用したインキの配合は次の通り。
インキを製造するには、分散した顔料と他の成分、例えば粘度調整用樹脂や溶剤、潤滑剤等を混合し、ホモミキサー等の撹拌機にて均一になるまで溶解・混合することで得られるが、場合によって混合したインキをさらに分散機にて分散したり、得られたインキを濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。
プリンテックス35(カーボンブラック、デグサヒュルスジャパン(株)製)
6.0部
SPILON VIOLET C−RH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
16.3部
VALIFAST YELLOW C−GNH(油性染料、オリエント化学工業
(株) 3.1部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50.1部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 16.0部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.6部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 0.4部
フォスファノールLB400(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、活性剤、東邦化学工業(株)製) 1.5部
ナイミーンL201(ポリエチレングリコール−1ラウリルアミン、日油(株)製)
1.0部
ヒタノール1501(アルキルフェノール樹脂、日立化成工業(株)製)0.5部
FZ−7002(ポリエーテル変性シリコーンオイル、東レダウコーニング(株)製)
0.25部
ニッコールHCO−10(POE硬化ひまし油、日光ケミカルズ(株)製)
2.0部
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70゜Cで攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからプリンテックス35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。
次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪拌して黒色のボールペン用油性インキを得た。尚、上記組成の単に「部」とあるのは「重量部」を表す。
インキを製造するには、分散した顔料と他の成分、例えば粘度調整用樹脂や溶剤、潤滑剤等を混合し、ホモミキサー等の撹拌機にて均一になるまで溶解・混合することで得られるが、場合によって混合したインキをさらに分散機にて分散したり、得られたインキを濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。
プリンテックス35(カーボンブラック、デグサヒュルスジャパン(株)製)
6.0部
SPILON VIOLET C−RH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
16.3部
VALIFAST YELLOW C−GNH(油性染料、オリエント化学工業
(株) 3.1部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50.1部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 16.0部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.6部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 0.4部
フォスファノールLB400(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、活性剤、東邦化学工業(株)製) 1.5部
ナイミーンL201(ポリエチレングリコール−1ラウリルアミン、日油(株)製)
1.0部
ヒタノール1501(アルキルフェノール樹脂、日立化成工業(株)製)0.5部
FZ−7002(ポリエーテル変性シリコーンオイル、東レダウコーニング(株)製)
0.25部
ニッコールHCO−10(POE硬化ひまし油、日光ケミカルズ(株)製)
2.0部
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70゜Cで攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからプリンテックス35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。
次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪拌して黒色のボールペン用油性インキを得た。尚、上記組成の単に「部」とあるのは「重量部」を表す。
下記に示す筆記試験を実施した。結果は(表2)に示す。
(筆記試験)
自動筆記機である精機工業社製PEN WRITING TESTER MODEL TS−4C−10にて上記試験用サンプルを用い筆記試験を実施し、筆跡を目視にて確認した。
自動筆記機による筆記条件は、ボール回転性が低下し易い、300g強荷重とし、60゜の低筆記角度とし、筆記速度7cm/secでペンを自転させながら5m螺旋筆記を行った。
各サンプル3本づつ筆記し、下記の基準で判定した。
○:筆記開始から連続した筆記線。
△:筆記開始から1m以内筆記線が部分的に途切れ、その後連続した筆記線。
×:筆記開始から1m以上筆記線が部分的に途切れる。
(筆記試験)
自動筆記機である精機工業社製PEN WRITING TESTER MODEL TS−4C−10にて上記試験用サンプルを用い筆記試験を実施し、筆跡を目視にて確認した。
自動筆記機による筆記条件は、ボール回転性が低下し易い、300g強荷重とし、60゜の低筆記角度とし、筆記速度7cm/secでペンを自転させながら5m螺旋筆記を行った。
各サンプル3本づつ筆記し、下記の基準で判定した。
○:筆記開始から連続した筆記線。
△:筆記開始から1m以内筆記線が部分的に途切れ、その後連続した筆記線。
×:筆記開始から1m以上筆記線が部分的に途切れる。
各実施例は、内包突出部の形成角度が90°以上であると共に、ボール転写部が形成される際、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積を0.0015mm3以上としてあるのでスプリングバック現象が抑制され、ボール受座部がボールの表面形状に、より近似し、円滑なボール回転となり、安定した連続した筆跡が得られた。
実施例1〜3は、同一のボール直径で、且つ、中心孔径、放射状溝の幅長さ、放射状溝の本数も同一とし、内包突出部の形成角度を90°、100°、120°と3水準のものを製作して、ボールを内包突出部に押し込む深さの結果であるボール転写部外縁径を調整し、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積をほぼ同一に調整しサンプルを得た。実施例1は、筆記直後、筆記線が部分的に途切れ、1m以降連続した筆記線となったのに対し、実施例2・3は筆記開始から連続した筆記線で良好な結果を得た。これは、内包突出部の形成角度が鈍角になるにつれ、押圧力が径の膨らみに消費されない作用と共に、凹状のボール転写部表面積が小さくなり、単位表面積当たりの体積が増加することとなるため効率的に応力が掛かり、スプリングバック現象が抑制されたと推察される。
また、内包突出部の形成角度が鈍角になるにつれ、ボール転写部外縁径が小さくなり、インキ流通路である放射状溝のボール外側に開口した部分が増加するので、より潤沢に潤滑剤としてのインキがボールハウス内に供給できる。
これに対し、比較例1〜4では、内包突出部の形成角度は90°以上であるが、押し込まれる体積が0.0015mm3未満であるため筆記線が部分的に途切れた。
また、比較例5、6では、押し込まれる体積が0.0015mm3以上と十分ではあるが、内包突出部の形成角度が90°未満であるため同様に、筆記線が部分的に途切れた。
実施例1〜3は、同一のボール直径で、且つ、中心孔径、放射状溝の幅長さ、放射状溝の本数も同一とし、内包突出部の形成角度を90°、100°、120°と3水準のものを製作して、ボールを内包突出部に押し込む深さの結果であるボール転写部外縁径を調整し、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積をほぼ同一に調整しサンプルを得た。実施例1は、筆記直後、筆記線が部分的に途切れ、1m以降連続した筆記線となったのに対し、実施例2・3は筆記開始から連続した筆記線で良好な結果を得た。これは、内包突出部の形成角度が鈍角になるにつれ、押圧力が径の膨らみに消費されない作用と共に、凹状のボール転写部表面積が小さくなり、単位表面積当たりの体積が増加することとなるため効率的に応力が掛かり、スプリングバック現象が抑制されたと推察される。
また、内包突出部の形成角度が鈍角になるにつれ、ボール転写部外縁径が小さくなり、インキ流通路である放射状溝のボール外側に開口した部分が増加するので、より潤沢に潤滑剤としてのインキがボールハウス内に供給できる。
これに対し、比較例1〜4では、内包突出部の形成角度は90°以上であるが、押し込まれる体積が0.0015mm3未満であるため筆記線が部分的に途切れた。
また、比較例5、6では、押し込まれる体積が0.0015mm3以上と十分ではあるが、内包突出部の形成角度が90°未満であるため同様に、筆記線が部分的に途切れた。
1 ボール
2 ボールホルダー
2a先端開口部
2b後端開口部
3 インキ収容部
4 インキ
5 逆流防止体組成物
6 コイルスプリング
6a巻き部
6b先端直状部
7 ボール抱持室
7a側壁
8 中心孔
9 放射状溝
10後穴
11内包突出部
12凹状のボール転写部
13受座
13a加工痕
H0 ボール中心からボール転写部の外縁までの投影高さ
H1 ボールを凹状のボール転写部の外縁周長さに該当する横断周となる部分で切断した球冠の高さ
H2 底径を凹状のボール転写部の外縁径とした円錐の高さ
H3 底径を中心孔径とした円錐の高さ
H4 ボール中心から中心孔の側壁が凹状のボール転写面に接するまでの投影高さ
H5 中心孔に相当する部分の円柱の高さ
H6 中心孔のボール転写部への開口縁を通る平面で切断した球冠の高さ
H7 凹状のボール転写部の投影高さ
V 内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積
V1 ボールを凹状のボール転写部の外縁周長さに該当する横断周となる部分で切断した球冠の体積
V2 底径を凹状のボール転写部の外縁とし上径を中心孔の直径とした円錐台の体積
V3 中心孔に相当する部分の容積
V4 中心孔のボール転写部への開口縁を通る平面で切断した球冠の体積
V5 凹状のボール転写部形成前に放射状溝であった部分に相当する部分の容積
A 凹状のボール転写部の表面積
A1 凹状のボール転写部の外縁から中心孔側の弓形面積
A2 凹状のボール転写部の外縁を下底とし、中心孔の縁を結んだ直線を上底とした台形の面積
A3 中心孔を幅とした長方形面積
A4 中心孔を弦とする弓形面積
A5 凹状のボール転写部の投影高さを幅分とした帯状部分の表面積
A6 放射状溝に該当する幅部分の開口表面積
Ay 放射状溝1本について、変形される範囲の放射状溝の側壁部分の面積
θ 内包突出部の形成角度
α ボールの中心と凹状のボール転写部の外縁から中心孔側の弓形がなす角度
β ボールの中心と中心孔を弦とする弓形がなす角度
γ ボール転写部部分のなす角度
2 ボールホルダー
2a先端開口部
2b後端開口部
3 インキ収容部
4 インキ
5 逆流防止体組成物
6 コイルスプリング
6a巻き部
6b先端直状部
7 ボール抱持室
7a側壁
8 中心孔
9 放射状溝
10後穴
11内包突出部
12凹状のボール転写部
13受座
13a加工痕
H0 ボール中心からボール転写部の外縁までの投影高さ
H1 ボールを凹状のボール転写部の外縁周長さに該当する横断周となる部分で切断した球冠の高さ
H2 底径を凹状のボール転写部の外縁径とした円錐の高さ
H3 底径を中心孔径とした円錐の高さ
H4 ボール中心から中心孔の側壁が凹状のボール転写面に接するまでの投影高さ
H5 中心孔に相当する部分の円柱の高さ
H6 中心孔のボール転写部への開口縁を通る平面で切断した球冠の高さ
H7 凹状のボール転写部の投影高さ
V 内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積
V1 ボールを凹状のボール転写部の外縁周長さに該当する横断周となる部分で切断した球冠の体積
V2 底径を凹状のボール転写部の外縁とし上径を中心孔の直径とした円錐台の体積
V3 中心孔に相当する部分の容積
V4 中心孔のボール転写部への開口縁を通る平面で切断した球冠の体積
V5 凹状のボール転写部形成前に放射状溝であった部分に相当する部分の容積
A 凹状のボール転写部の表面積
A1 凹状のボール転写部の外縁から中心孔側の弓形面積
A2 凹状のボール転写部の外縁を下底とし、中心孔の縁を結んだ直線を上底とした台形の面積
A3 中心孔を幅とした長方形面積
A4 中心孔を弦とする弓形面積
A5 凹状のボール転写部の投影高さを幅分とした帯状部分の表面積
A6 放射状溝に該当する幅部分の開口表面積
Ay 放射状溝1本について、変形される範囲の放射状溝の側壁部分の面積
θ 内包突出部の形成角度
α ボールの中心と凹状のボール転写部の外縁から中心孔側の弓形がなす角度
β ボールの中心と中心孔を弦とする弓形がなす角度
γ ボール転写部部分のなす角度
Claims (1)
- 筆記部材としてのボールと、このボールを回転自在に抱持してなるボールホルダーとから少なくともなり、ボールホルダーは貫通孔内に複数の内包突出部を放射状に配置して、インキ通路としての中心孔と放射状のインキ通溝とを形成しつつボールの後方移動規制をなし、また、内包突出部にボールを押しつけることによって凹状のボール転写部を形成したボールペンチップにおいて、前記内包突出部の形成角度を90°以上とし、前記ボール転写部が形成される際、内包突出部の肉がボールにより押し込まれる体積が0.0015mm3以上であるボールペンチップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014037666A JP2015160394A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | ボールペンチップ及びこれを使用したボールペン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014037666A JP2015160394A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | ボールペンチップ及びこれを使用したボールペン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015160394A true JP2015160394A (ja) | 2015-09-07 |
Family
ID=54183822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014037666A Pending JP2015160394A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | ボールペンチップ及びこれを使用したボールペン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015160394A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112014254A (zh) * | 2020-09-08 | 2020-12-01 | 湖州蔚风斋文化用品有限公司 | 一种毛笔弹性测试方法 |
-
2014
- 2014-02-28 JP JP2014037666A patent/JP2015160394A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112014254A (zh) * | 2020-09-08 | 2020-12-01 | 湖州蔚风斋文化用品有限公司 | 一种毛笔弹性测试方法 |
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