JP2015160341A - 光書込み装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Takanori Uemura
昂紀 植村
義和 渡邊
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義和 渡邊
誠 大林
Makoto Obayashi
誠 大林
成幸 飯島
Nariyuki Iijima
成幸 飯島
壯 矢野
Takeshi Yano
壯 矢野
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Abstract

【課題】発光光量のばらつきを抑制しつつ、製造の手間とコストアップを抑制可能な光書込み装置を提供すること。【解決手段】並列接続された第1発光素子61と第2発光素子62からなる発光部21が複数、主走査方向にライン状に配置され、光書込み時には第1発光素子61に電流が供給されて第2発光素子62に電流が供給されず、非書込み時には第2発光素子62に電流が供給されて第1発光素子61に電流が供給されない構成において、光取り出し側から光取り出し面35を見たときに、第2発光素子62が既存の電源配線71の背後に隠れて第2発光素子62から発せられる光ビームが電源配線71で遮光され、光取り出し面35から放射されないように、第2発光素子62と電源配線71の相対的な位置関係を規定した。【選択図】図6

Description

本発明は、光書込み装置及び画像形成装置に関する。
プリンターなどの画像形成装置には、微小の発光素子をライン状に並べて各発光素子から発せられる光ビームにより感光体に画像を書き込む光書込装置を用いるものがある。
特許文献1には、光書込装置として、発光素子である有機EL素子(OLED: Organic Light Emitting Diode)が基板上に主走査方向に沿って多数配列されたラインヘッドが開示されている。
ラインヘッドは、書込み用の複数の第1発光素子のそれぞれを、アノード側を第1の電源線に接続し、カソード側を第2の電源線に接続してなる並列回路が基板上に配置される構成になっている。第1発光素子ごとに、その第1発光素子とは別の発光素子(第2発光素子)が並列接続されており、接続された第1発光素子と第2発光素子とが対になって、1つの発光部が構成されている。
それぞれの発光部ごとに、光書込み時には第1発光素子に電流が供給され(発光)、第2発光素子に電流が供給されず、非書込み時には第1発光素子に電流が供給されず(消灯)、第2発光素子に電流が供給されるように回路が構成されている。
このような構成により、発光部ごとに、第1発光素子が発光する場合でも消灯する場合でもその発光部を流れる電流の変動が防止される。従って、第2発光素子を設けない構成のように、発光部ごとに発光と消灯のいずれになるかによって電源線を流れる電流が変動し、その変動に起因して各発光部の発光光量がばらつくといったことを抑制できる。
上記のように第1発光素子と第2発光素子とを並列接続する構成では、第1発光素子が消灯中に第2発光素子に電流が供給されて第2発光素子が発光することになるため、第2発光素子が発光した場合の光が感光体に照射されないように遮光する必要が生じる。
この遮光する構成として、特許文献2には、第2発光素子ごとに、第2発光素子の発光面とヘッド基板裏面(光取り出し側の面)との間に、略正方形状をした金属膜を挿し入れる構成が開示されている。第2発光素子の発光面が金属膜により覆われるようにすることにより、第2発光素子の発光面から放出された光が遮光される。
特開2005−144687号公報 特開2010−201800号公報
しかしながら、第2発光素子が発光した場合の光を遮光するために、第2発光素子ごとに金属膜を新たに設ける構成をとれば、ラインヘッド製造時に、全ての第2発光素子のそれぞれに対して金属膜を付加形成する工程を別途、追加する必要が生じ、またラインヘッドに元々用いられていなかった金属材料が別に必要になることも生じ、製造の手間とコストアップに繋がるという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、発光光量のばらつきを抑制しつつ、製造の手間とコストアップを抑制可能な光書込み装置およびこれを備える画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る光書込み装置は、第1発光素子と第2発光素子とを並列接続してなる複数の発光部のそれぞれがライン状に配列され、前記それぞれの第1発光素子から発せられた光ビームにより感光体に書込みを行う光書込み装置であって、前記各発光部に電流を供給するための遮光性を有する配線と、前記発光部ごとに、共通電源からの電流が前記配線を介して、光書込み時には第1発光素子に供給され第2発光素子に供給されない第1状態に、非書込み時には第2発光素子に供給され第1発光素子に供給されない第2状態に切り替える切替部と、を備え、前記感光体側から見たときに、全ての発光部の第2発光素子が前記配線の背後に隠れていることを特徴とする。
また、前記配線は、前記共通電源から延出される電源配線であるとしても良い。
さらに、前記発光部ごとに、前記第1発光素子の端子に電気的に接続される第1引き出し配線と、前記第2発光素子の端子に電気的に接続される第2引き出し配線と、を備え、前記配線は、前記第2引き出し配線を含み、前記第2引き出し配線の、前記第2発光素子の端子との接続部分が、前記感光体側から見たときに当該第2発光素子を隠すように拡張されているとしても良い。
ここで、前記配線は、さらに、前記第1引き出し配線を含み、前記感光体側から見たときに、前記第2引き出し配線の、前記第2発光素子の端子との接続部分よりも前記第1引き出し配線の方が前記感光体側に存在し、かつ前記接続部分と前記第1引き出し配線とが重なるとしても良い。
ここで、隣り合う2つの発光部のうち、一方の発光部における第2発光素子の端子と接続される第2引き出し配線の、当該接続部分を第1接続部分とし、他方の発光部における第2発光素子の端子と接続される第2引き出し配線の、当該接続部分を第2接続部分としたとき、前記感光体側から見たときに、前記一方の発光部における第1発光素子の端子と接続される第1引き出し配線が、前記第1接続部分と第2接続部分の間の領域を隠し、かつ前記第1接続部分と第2接続部分の両方に重なるとしても良い。
また、前記配線は、さらに、前記第1引き出し配線を含み、隣り合う2つの発光部のうち、一方の発光部における第2発光素子の端子と接続される第2引き出し配線の、当該接続部分を第1接続部分とし、他方の発光部における第2発光素子の端子と接続される第2引き出し配線の、当該接続部分を第2接続部分としたとき、前記感光体側から見たときに、前記一方の発光部における第1発光素子の端子と接続される第1引き出し配線の方が前記第1接続部分と第2接続部分よりも前記感光体側に存在し、かつ前記第1接続部分と第2接続部分の間に位置するとしても良い。
また、前記発光部ごとに、前記第1発光素子の端子に電気的に接続される第1引き出し配線と、前記第2発光素子の端子に電気的に接続される第2引き出し配線と、を備え、前記配線は、前記第1引き出し配線と第2引き出し配線とを含み、前記感光体側から見たときに、前記第2引き出し配線の、前記第2発光素子の端子との接続部分よりも前記第1引き出し配線の方が前記感光体側に存在し、前記第2引き出し配線の前記接続部分と前記第1引き出し配線の両方により、前記第2発光素子が隠されるとしても良い。
ここで、前記第2引き出し配線の前記接続部分は、前記感光体側から見たときに、前記第2発光素子の一部を隠すように拡張される拡張部分であるとしても良い。
また、前記複数の発光部には、前記感光体側から当該光書込み装置を見たときに、前記第1発光素子と前記第2発光素子の形状と大きさが同じである発光部が2以上含まれること、または、前記第1発光素子と前記第2発光素子の形状と大きさの少なくとも一方が異なる発光部が2以上含まれるとしても良い。
ここで、前記発光部ごとに前記第1発光素子と前記第2発光素子が同じ素材から構成されているとしても良い。
また、前記発光部ごとに、前記第1状態のときに第1発光素子に流れる電流Iaと第2状態のときに第2発光素子に流れる電流Ibとの差分Δが発光ばらつきを許容できる所定範囲内に収まるように、前記形状と大きさの少なくとも一方が決められているとしても良い。
さらに、前記各発光部と前記配線とが配置される透光性の基材を備え、前記基材の上に、前記配線が設けられる配線層を介して、前記各発光部が設けられる発光層が積層され、前記各発光部の第1発光素子から発せられた光ビームが前記配線層を介して前記基材を透過するとしても良い。
また、前記第1発光素子と第2発光素子のそれぞれは、有機LEDであるとしても良い。
本発明に係る画像形成装置は、光書込部からの光ビームにより感光体に画像を書き込む画像形成装置であって、前記光書込部として、上記の光書込み装置を備えることを特徴とする。
上記の構成をとれば、発光部への電流供給のために元々用いられた配線により、それぞれの第2発光素子からの光を遮光することが可能になるので、遮光のための新たな金属膜を別途、付加形成する工程を追加して行う必要がなくなり、製造工程の手間とコストアップの抑制が可能になる。
実施の形態1に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。 光書込み部による光書込み動作を説明するための図である。 OLEDパネルの概略平面図に併せてA−A´線における断面図とC−C´線における断面図も示す図である。 OLEDパネルの回路構成を示すブロック図である。 ローリング駆動によるOLEDパネルの発光制御方法を説明するタイミングチャートである。 TFT基板を光取り出し面側から見たときの一部拡大平面図である。 (a)は、図6に示す一点鎖線Aにおける断面図であり、(b)は、図6に示す一点鎖線Bにおける断面図であり、(c)は、図6に示す一点鎖線Cにおける断面図である。 実施の形態2に係る構成のTFT基板の一部拡大平面図である。 (a)は、図8に示す一点鎖線Aにおける断面図であり、(b)は、図8に示す一点鎖線Bにおける断面図であり、(c)は、図8に示す一点鎖線Cにおける断面図である。 実施の形態3に係る構成のTFT基板の一部拡大平面図である。 (a)は、図10に示す一点鎖線Aにおける断面図であり、(b)は、図10に示す一点鎖線Bにおける断面図であり、(c)は、図10に示す一点鎖線Cにおける断面図である。 (a)は、図10に示すTFT基板とは別の構成のTFT基板の一部拡大平面図であり、(b)は、(a)に示す一点鎖線Aにおける断面図である。 (a)は、図10に示すTFT基板とはさらに別の構成のTFT基板の一部拡大平面図であり、(b)は、(a)に示す一点鎖線Aにおける断面図である。 TFT基板に含まれる引き出し配線の幅を図13に示す例よりも大きくした場合のTFT基板の構成例における断面図である。 実施の形態4に係る構成のTFT基板の一部拡大平面図である。 (a)は、図15に示す一点鎖線Aにおける断面図であり、(b)は、図15に示す一点鎖線Bにおける断面図である。 図15に示すTFT基板とは別の構成のTFT基板の一部拡大平面図である。 (a)は、図17に示す一点鎖線Aにおける断面図であり、(b)は、図17に示す一点鎖線Bにおける断面図である。
以下、本発明に係る光書込み装置及び画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
(1)画像形成装置の構成
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。
図1に示されるように、画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラー複合機であって、原稿読取部100、画像形成部110及び給紙部130を備えている。
原稿読取部100は、原稿台トレイ101に載置された原稿を自動原稿搬送装置102にて搬送しながら、光学的に読み取って画像データを生成する。画像データは、後述の制御部112に記憶される。
画像形成部110は、作像部111Y,111M,111C,111K、制御部112、中間転写ベルト113、二次転写ローラー114、定着装置115、排紙ローラー対116、排紙トレイ117、クリーニングブレード118及びタイミングローラー対119を備えている。また、画像形成部110には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のトナーを供給するトナーカートリッジ120Y,120M,120C,120Kが装着されている。
作像部111Y〜111Kは、それぞれトナーカートリッジ120Y〜120Kからトナーの供給を受けて、制御部112の制御の下、YMCK各色のトナー像を形成する。
例えば、作像部111Yは、感光体ドラム121、帯電装置122、光書込み装置123、現像装置124及び清掃装置125を備えている。制御部112の制御の下、帯電装置122は、感光体ドラム121の外周面を一様に帯電させる。
制御部112は、受け付けたジョブに含まれるプリント用の画像データ、例えば原稿読取部100による読み取られた画像データに基づいて、内蔵するASIC(Application Specific Integrated Circuit。以下、「輝度信号出力部」という。)により、光書込み装置123を発光させるためのデジタル輝度信号を生成する。
光書込み装置123は、後述のように、OLEDからなる第1発光素子と第2発光素子とが並列接続されてなる発光部が複数個、主走査方向に配列されており、制御部112が生成したデジタル輝度信号に従って各発光素子を発光させ、その各発光素子から発せられた光ビームLにより、感光体ドラム121の外周面に光書込みを行い、静電潜像を形成する(感光体ドラム121の露光)。
現像装置124は、感光体ドラム121の外周面にトナーを供給して、静電潜像を現像(顕像化)する。
感光体ドラム121と中間転写ベルト113を介して対向配置される一次転写ローラー126には、一次転写電圧が印加されており、静電作用により、感光体ドラム121の外周面上に担持されたトナー像を中間転写ベルト113に静電転写(一次転写)する。
清掃装置125は、クリーニングブレードにて感光体ドラム121の外周面上に残留するトナーを掻き取り、更に、除電ランプにより感光体ドラム121の外周面を照明することによって電荷を除去する。
同様にして、作像部111M〜111Kのそれぞれも、対応する色のトナー像を形成する。これらのトナー像は互いに重なり合うように中間転写ベルト113上に順次、一次転写(多重転写)され、カラートナー像が形成される。中間転写ベルト113は無端ベルト状の回転体であって、矢印A方向に回転走行し、一次転写されたトナー像を二次転写ローラー114に向けて搬送する。
給紙部130は、何れも記録用のシートSをシートサイズ毎に格納する給紙カセット131を備え、画像形成部110にシートSを1枚ずつ供給する。供給されたシートSは、中間転写ベルト113がトナー像を搬送するのに並行して搬出され、タイミングローラー対119を経由して、二次転写ローラー114まで搬送される。タイミングローラー対119は、中間転写ベルト113上のカラートナー像が二次転写ローラー114に到達するときと、シートSが二次転写ローラー114に到達するときとが一致するように、シートSの二次転写ローラー114への搬送タイミングを調整する。
二次転写ローラー114は、二次転写電圧が印加されており、中間転写ベルト113との間で転写ニップ部を形成する。
タイミングローラー対119から搬送されて来るシートSが、転写ニップ部を通過する際に、中間転写ベルト113上のカラートナー像がシートS上に静電転写(二次転写)される。カラートナー像が二次転写された後のシートSは、定着装置115へ搬送される。また、二次転写後、中間転写ベルト113上に残った残留トナーは、更に矢印A方向に搬送された後、クリーニングブレード118によって掻き取られ、廃棄される。
定着装置115は、二次転写ローラー114から搬送されて来たシートS上のカラートナー像を加熱、溶融して、シートSに定着する。定着装置115を通過したシートSは、排紙ローラー対116によって排紙トレイ117上に排出される。
制御部112は、原稿読取部100による原稿読取、画像形成部110によるシートSへのカラー画像の形成、給紙部130によるシートSの給送などの動作を統括的に制御して、プリントなどの各種ジョブを円滑に実行させる。
なお、制御部112は、ネットワークを介して不図示のパソコン(PC: Personal Computer)などの外部端末と通信可能に接続されており、外部端末からのプリントジョブを受け付けるとその画像データに基づくプリントを実行することができる。
(2)光書込み装置123の構成
図2は、光書込み装置123による光書込み動作を説明するための図である。
図2に示されるように、光書込み装置123は、OLEDパネル20とロッドレンズアレイ22を筐体23内に収容したものであって、OLEDパネル20には多数の発光部21が主走査方向(同図紙面垂直方向)に沿ってライン状に列設されている。
複数の発光部21のそれぞれは、個別に光ビームLを発する。
ロッドレンズアレイ22は、それぞれの発光部21から発せられた光ビームLを感光体ドラム121表面に結像させる。
図3は、OLEDパネル20の概略平面図であり、併せてA−A´線における断面図とC−C´線における断面図も示されている。また、概略平面図部分は後述する封止板を取り外した状態を示している。
図3に示されるように、OLEDパネル20は、OLEDが一体形成されてなるTFT(thin film transistor)基板30、封止板31及びソースIC32等を備える。
TFT基板30には、主走査方向に沿ってライン状に配列された複数の発光部21が配置されている。
TFT基板30の、発光部21が配置された側の基板面34は、封止領域となっており、スペーサー枠体33を挟んで封止板31が取着される。これによって、封止領域が外気に触れないように乾燥窒素等を封入した状態で封止される。なお、吸湿のため、封止領域内に吸湿剤を併せて封入しても良い。また、封止板31は、例えば、封止ガラスであっても良いし、ガラス以外の材料からなっていても良い。
TFT基板30の、発光部21が配置された側の面34とは反対側の面35が光取り出し面になり、各発光部21から発せられた光ビームLがTFT基板30を透過して光取り出し面35から同図の下方に向かって出射される(感光体ドラム121の露光)。
TFT基板30の封止領域外には、ソースIC32が実装されている。制御部112の輝度信号出力部135は、フレキシブルワイヤー36を介してソースIC32にデジタル輝度信号を出力する。ソースIC32は、受信したデジタル輝度信号をアナログ輝度信号に変換して、変換したアナログ輝度信号を発光部21ごとに設けられた駆動回路に出力する。駆動回路は、受信したアナログ輝度信号に応じて発光部21の駆動電流を生成する。
(3)OLEDパネル20の回路構成
図4は、OLEDパネル20の回路構成を示すブロック図であり、具体的にはTFT基板30におけるサンプルホールド回路(以下、「S/H回路」という。)50、駆動回路55、発光部21及びソースIC32の接続関係を示している。
図4に示されるように、ソースIC32は、同期信号生成回路(Sync)40、DAC回路41及びVIDEO回路42を備える。
DAC(Digital to Analogue Converter)回路41は、制御部112の輝度信号出力部135から受け付けたデジタル輝度信号をアナログ輝度信号に変換して、変換したアナログ輝度信号をS/H回路50へ出力する。
S/H回路50は、複数の発光部21のそれぞれごとに対応して設けられたキャパシター54をセレクター51によって切り替える回路である。
セレクター51は、シフトレジスター52と複数のキャパシター54のそれぞれごとに対応して設けられたスイッチ53とを備えている。
シフトレジスター52は、ソースIC32の同期信号生成回路40が出力するパルス信号に同期してスイッチ53を1つずつ順番にオンさせる。
DAC回路41が出力したアナログ輝度信号は、複数のスイッチ53のうち、オンされたスイッチ53を経由してキャパシター54に保持される。
駆動回路55は、複数の発光部21のそれぞれごとに、1組の薄膜トランジスター56とスイッチ57を備えている。
薄膜トランジスター56は、ソース端子Sが定電圧源70から電流供給するための電源配線71に接続されており、ゲート端子Gが対応するキャパシター54の一方の端子に接続されている。キャパシター54の他方の端子は、電源配線71に接続されている。
このため、薄膜トランジスター56のゲート端子Gとソース端子Sとの間の電位差(以下、「ゲート電圧Vg」という。)は、電源配線71とソース端子Sとの接続点72の電位に応じて変化する。薄膜トランジスター56は、ソース端子Sに入力される電源配線71からの電流をゲート電圧Vgの大きさに応じて制御してドレイン端子Dから出力する。
薄膜トランジスター56のドレイン端子Dから出力された電流は、その薄膜トランジスター56に対応するスイッチ57を介して発光部21に供給される。
1つの発光部21は、1つの書込み用の発光素子61とこれとは別であって書込み用ではない1つの発光素子62とが並列接続されてなる。第1発光素子61と第2発光素子62は、同じ材料(素材)で形成され、同じ特性、例えば電流−発光光量の関係や電気抵抗特性などが同じものになるように形成されている。
スイッチ57は、薄膜トランジスター56のドレイン端子Dと第1発光素子61のアノードに接続される引き出し配線91とを接続する第1状態と、薄膜トランジスター56のドレイン端子Dと第2発光素子62のアノードに接続される引き出し配線92とを接続する第2状態とを、ソースIC32のVIDEO回路42からの信号に応じて切り替えるものである。なお、各第1発光素子61のカソードおよび各第2発光素子62のカソードは、それぞれが接地配線81を介して接地端子80に接続されている。
図4では、複数の発光部21の中から代表して示される2つのうち、左側の発光部21に対応するスイッチ57が第1状態に、右側の発光部21に対応するスイッチ57が第2状態に切り替えられている例を示している。
VIDEO回路42は、プリントに用いられる画像データに基づいて、それぞれの発光部21に対して主走査期間単位で感光体ドラム121を露光する期間(露光期間)と露光しない期間(非露光期間)を判断する。そして、発光部21ごとに、露光期間では第1状態に切り替えるための信号を、非露光期間では第2状態に切り替えるための信号を、その発光部21に対応するスイッチ57に出力する。
これにより、発光部21ごとに、露光期間では第1状態になり、薄膜トランジスター56のドレイン端子Dから出力される電流が第1発光素子61を経て接地配線81へ流れる。この第1発光素子61への電流供給により、第1発光素子61が発光し、第1発光素子61からの光ビームLが感光体ドラム121の露光に用いられる。なお、第1状態では、第2発光素子62に電流が流れないので、第2発光素子62は発光せずに消灯する。
また、発光部21ごとに、非露光期間では第2状態になり、薄膜トランジスター56のドレイン端子Dから出力される電流が第2発光素子62を経て接地配線81へ流れる。この第2発光素子62への電流供給により、第2発光素子62が発光するが、第2発光素子62からの光は感光体ドラム121の露光に用いられない。なお、第2状態では、第1発光素子61に電流が流れないので、第1発光素子61は消灯する。
このように電流の供給先を切り替え制御することにより、それぞれの発光部21において、露光期間と非露光期間のいずれでも第1発光素子61と第2発光素子62のうち一方に電流が流れるが他方に電流が流れない状態にすることができる。
従って、各発光部21において、露光期間と非露光期間とで、電源配線71から薄膜トランジスター56を介して発光部21に流れる電流の大きさが変動することがない。
換言すれば、各発光部21において、露光期間(第1状態)のときに第1発光素子61に流れる電流をIa、非露光期間(第2状態)のときに第2発光素子62に流れる電流をIbとすると、電流IaとIbを同じまたは略同じにすることができる。
各発光部21において露光期間と非露光期間とで流れる電流の大きさが変動しないということは、露光期間と非露光期間の全体に亘って、電源配線71を流れる電流が変動しないことに繋がるので、電源配線71を流れる電流の変動に起因して各発光部21による発光光量がばらつくことを抑制することができる。
一方で、上記の切り替え制御を行う場合、各発光部21において非露光期間に第2発光素子62が発光することになるので、第2発光素子62から発せられた光が感光体ドラム121に向かうことがないように遮蔽する必要がある。この意味で、第2発光素子62は、書込み用である第1発光素子61に対して疑似発光素子といえ、スイッチ57は、第1状態と第2状態を切り替える切替手段として機能する。
第2発光素子62からの光の遮蔽は、本実施の形態では電源配線71を遮光部材として兼用することにより行う構成がとられている。この構成については、後述する。
(4)各発光部21における発光制御方法について
図5は、各発光部21における発光制御方法を示すタイミングチャートであり、いわゆるローリング駆動による発光制御方法を示している。
ここで、同図では、複数のスイッチ53のそれぞれを区別するためにスイッチA−1、2、3・・N(複数)と表し、同様に複数のスイッチ57のそれぞれを区別するためにスイッチB−1、2、3・・Nと表している。また、複数の発光部21のそれぞれを区別するために発光部−1、2、3・・Nと表している。スイッチA、スイッチB、発光部は、同じ数値を示すものが対応するもの同士になる。輝度信号♯1、2、3・・Nは、図4に示すDAC回路41から時間順に出力されるものである。
図5に示すように、輝度信号♯1が出力されている間に同期してスイッチA−1だけがオン(ON)になっており、このスイッチA−1がオンの間に、輝度信号♯1が発光部−1に対応するキャパシター54に書き込まれる。スイッチA−1が仮に図4に代表して示す2つのスイッチ53のうち、左側のスイッチの場合、そのスイッチに接続されているキャパシター54に輝度信号♯1が書き込まれる。この場合、発光部−1は、図4に示す左側の発光部21になる。輝度信号♯1の書込み期間が発光部−1に対する輝度信号♯1のチャージ期間になる。
輝度信号♯1の出力が終了すると、スイッチA−1がオフ(OFF)に戻り、続いて輝度信号♯2の出力と同期してスイッチA−2だけがオンになり、そのオンになっている間に、輝度信号♯2が発光部−2に対応するキャパシター54に書き込まれる。スイッチA−2が仮に図4に示す右側のスイッチ53の場合、スイッチ53に接続されているキャパシター54に輝度信号♯2が書き込まれる。この場合、発光部−2は、図4に示す右側の発光部21になる。輝度信号♯2の書込み期間が発光部−2に対する輝度信号♯2のチャージ期間になる。
以降、発光部−3・・Nに対応するそれぞれのキャパシター54に、対応する輝度信号♯3・・♯Nの書込みが時間順にずれて行われる。
それぞれの発光部ごとに、対応するスイッチA(スイッチ53)がオンになっている期間がチャージ期間であり、チャージ期間以外の期間がホールド期間になる。
チャージ期間にキャパシター54に書き込まれた輝度信号の電圧によりゲート電圧Vgが決まり、ホールド期間には、そのゲート電圧Vgに応じた電流が電源配線71から薄膜トランジスター56を介して発光部21に供給される。
発光部−1に対するチャージ期間の開始t1から発光部−Nに対するチャージ期間の終了t2までの期間が1回の主走査期間(1Hsync)になる。この1回の主走査期間は、感光体ドラム11上において主走査方向に1ライン分の静電潜像を形成するための時間に相当する。それぞれの主走査期間の開始時期は、予め決められている。
スイッチB1、2・・Nは、それぞれが主走査期間ごとに、VIDEO回路42からの信号により第1状態(露光期間:光書き込み時)と第2状態(非露光期間:非書き込み時)のいずれかに切り替えられる。図5では、ある1つの主走査期間(時点t1〜t2)においてスイッチB−1〜スイッチB−3が第1状態に、スイッチB−Nが第2状態に切り替えられている例を示している。
上記のように発光部ごとに、第1発光素子61と第2発光素子62のうち第1状態では第1発光素子61だけが発光し、第2状態では第2発光素子62だけが発光する。
従って、図5の例では、時点t1〜t2間において、発光部−1〜発光部−3については、その第1発光素子61が発光して、その第1発光素子61からの光ビームLにより感光体ドラム121の露光が行われる。一方、発光部−Nについては、第1発光素子61が発光しないことから、発光部−Nによる感光体ドラム121の露光は行われない。このことから、時点t1〜t2間で示される主走査期間は、発光部−1〜発光部−3については光書込み時になり、発光部−Nについては非書込み時になる。
1回の主走査期間(t1〜t2)が終わると、次の主走査期間に移ることが繰り返し実行され、主走査期間ごとに、発光部−1〜発光部−Nのそれぞれの感光体ドラム121に対する露光動作により、回転する感光体ドラム121上に主走査方向に沿った1ライン分の静電潜像が形成されていく。これにより、感光体ドラム11の回転方向(副走査方向)に1ページ分の画像に相当する静電潜像が形成される。
(5)第2発光素子62から発せられる光を遮光する構成
図6は、TFT基板30を光取り出し面35側から見たときのある一部分を拡大して示す平面図であり、図7(a)〜(c)は、図6に示す一点鎖線A、B、Cにおける断面図である。ここで図6では、説明に必要な主要な部材だけを示し、TFT基板30を光取り出し面35側から見たとき(以下、「平面視」という。)に電源配線71に隠れて見えない第2発光素子62などの部材については破線で示しており、同図の左右方向が主走査方向に相当する。これらのことは、以降に説明する各図において同様である。
図6に示すように、第1発光素子61と第2発光素子62を1つずつ有する発光部21のそれぞれは、主走査方向に沿って一定の間隔をあけてライン状に配列されている。発光部21ごとにその第1発光素子61と第2発光素子62とは、主走査方向に同じ位置に配置されている。複数の第1発光素子61は主走査方向に沿って同じピッチで配列され、また複数の第2発光素子62も主走査方向に沿って同じピッチで配列されている。なお、第1発光素子61と第2発光素子62の位置関係がこれに限られることはない。
各第1発光素子61は、そのアノード側の端子(不図示)が引き出し配線91を介して駆動回路55に接続されており、同様に各第2発光素子62は、そのアノード側の端子(不図示)が引き出し配線92を介して駆動回路55に接続されている。
なお、各第1発光素子61のカソード側の端子および各第2発光素子62のカソード側の端子は、上記のように接地配線81に接続される構成になっているが、図6以降の各図では省略されている。
TFT基板30の断面構成は、図7(a)〜(c)に示すようにガラス基板140上に配線層160を介して発光層150が積層される構成になっている。
ガラス基板140は、透光性を有する材料で形成されてなり、配線層160は、透光性を有する無機絶縁膜の内部に、遮光性を有する配線(電源配線71など)が形成されてなる。ガラス基板140の、配線層160が積層されている側とは反対側の面35が光取り出し面になっている。
配線層160は、厚み方向に2層の無機絶縁膜が積層される構造であり、2層のうち、発光層150に近い方の層が第1配線層161、遠い方(ガラス基板140に近い方)の層が第2配線層162になっている。以下、厚み方向を上下方向という場合がある。
第1配線層161には、引き出し配線91,92が設けられており、第1配線層161よりも下の第2配線層162には、電源配線71(図7(c))が設けられている。
配線層160よりも上の発光層150は、有機絶縁膜からなり、OLEDである第1発光素子61と第2発光素子62が設けられている(図7(b),図7(c))。
図7(b)では、第1発光素子61の上端側がカソード側、下端側がアノード側であり、アノード側に透明電極151が設けられている様子を示している。この透明電極151が引き出し配線91(破線)に接続される。
図7(c)では、第2発光素子62の上端側がカソード側、下端側がアノード側であり、アノード側の透明電極151が引き出し配線92に接続されている様子を示している。
第1発光素子61と第2発光素子62のそれぞれは、アノード側が光放出部63になり、配線層160に向かって光ビーム(太線で示す矢印)が放射されるようになっている。
図7(b)に示すように第1発光素子61から発せられた光ビームLは、それぞれが透光性を有する、第1配線層161、第2配線層162、ガラス基板140を透過して、ガラス基板140の光取り出し面35から出射される。出射された光ビームLは、感光体ドラム121を露光するための光ビームになる。
一方、図7(c)に示すように第2発光素子62から発せられた光ビームLuは、第1配線層161を介して第2配線層162に入射される。
第2配線層162に入射された光ビームLuは、第2配線層162に設けられている電源配線71に至るが、電源配線71が遮光性を有するアルミニウムにより形成されているので、電源配線71により遮光される。
これにより、第2発光素子62からの光ビームLuがガラス基板140に至ることはなく、ガラス基板140の光取り出し面35から出射されることはない。つまり、発光部21への電流供給路となる電源配線71が第2発光素子62から発せられた光ビームLuを遮光する遮光部材として兼用する構成になっている。
この構成とすべく、図6に示すように平面視で、電源配線71が各第2発光素子62を隠す、すなわち第2発光素子62のそれぞれが遮光性を有する電源配線71の背後に隠れるように、電源配線71と各第2発光素子62との相対的な位置関係や大小関係が予め実験などから決められる。
一例として、各配線層がアルミニウム合金または銅合金などから形成され、解像度が1200dpi、第2発光素子62の平面視における径が21μm程度の場合、電源配線71の幅を175μm程度、厚みを200μm程度とすることができる。
この決められた関係に基づき、既存の成膜製造方法を用いて、ガラス基板140、配線層160、発光層150からなるTFT基板30を製造することにより、電源配線71を遮光部材として兼用する構成をとることができるようになる。
OLEDパネル20の製造工程において元々形成されていた電源配線71を遮光部材として兼用することにより、従来のような元々配されていなかった新たな金属材料を用いて遮光のための金属膜を別途、付加形成する工程を追加して行う必要がなくなり、製造の手間とコストアップを抑制することができる。
なお、上記では、遮光性を有するアルミニウムを電源配線71の材料として用いるとしたが、材料がこれに限られることはない。電源配線71として遮光性を有すれば良く、例えば銅などの材料を遮光に適した厚みに形成する構成などをとることもできる。このことは、以下で説明する他の実施の形態において電源配線71とは異なる配線を遮光部材として用いる場合も同様である。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、電源配線71を遮光部材として兼用する構成例を説明したが、本実施の形態2では、引き出し配線92を遮光部材として用いる構成としており、この点で実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については同符号を付すものとする。
図8は、実施の形態2に係る構成のTFT基板30の一部分を拡大して示す平面図であり、図9(a)〜(c)は、図8に示す一点鎖線A、B、Cにおける断面図である。
図8に示すように、複数の発光部21のそれぞれは、主走査方向(同図左右方向)に沿って一定の間隔をあけてライン状に配列されており、発光部21ごとにその第1発光素子61と第2発光素子62とは主走査方向に少しずれた位置に配置されている。複数の第1発光素子61は、主走査方向に沿って同じピッチで配列され、同様に複数の第2発光素子62も主走査方向に沿って同じピッチで配列されている。
図9(a)〜(c)に示すように、第1発光素子61と第2発光素子62は、発光層150に設けられ、第1発光素子61への電流供給路となる引き出し配線91と第2発光素子62への電流供給路となる引き出し配線92は、第1配線層161に設けられている。
それぞれの引き出し配線91,92は、ここではアルミニウムにより形成されている。
第1発光素子61は、図9(c)に示すようにアノード側の透明電極151が引き出し配線91に接続されている。
第2発光素子62は、図9(b)に示すようにアノード側の透明電極151が引き出し配線92に接続されるが、引き出し配線92の、第2発光素子62との接続部分201が大きく拡張されている。この拡張部分(接続部分)201が第2発光素子62を覆うように形成されることにより、第2発光素子62から発せられる光ビームを遮光する遮光部として機能するようになっている。
それぞれの拡張部分201の大きさは、図8に示すように平面視において、拡張部分201の背後に第2発光素子62が隠れるような大きさに予め決められる。TFT基板30の製造時に、引き出し配線92の拡張部分201がその決められた大きさになるように形成される。
このように第2発光素子62への電流供給路となる引き出し配線92を遮光部材として兼用する構成をとることにより、第2発光素子62から発せられる光ビームを遮光することができるようになる。
<実施の形態3>
上記実施の形態2では、第2発光素子62への電流供給路となる引き出し配線92を遮光部材として兼用する構成例を説明したが、本実施の形態3では、引き出し配線92に加えて、第1発光素子61への電流供給路となる引き出し配線91をも遮光部材として用いる構成としており、この点で実施の形態2と異なっている。
図10は、実施の形態3に係る構成のTFT基板30の一部分を拡大して示す平面図であり、図11(a)〜(c)は、図10に示す一点鎖線A、B、Cにおける断面図である。以下、一点鎖線B、Cにおける切断位置をB位置、C位置という。
図10に示すように、複数の発光部21のそれぞれは、主走査方向に沿って一定の間隔をあけてライン状に配列されており、発光部21ごとにその第1発光素子61と第2発光素子62とは主走査方向に同じ位置に配置されている。複数の第1発光素子61は、主走査方向に沿って同じピッチで配列され、同様に複数の第2発光素子62も主走査方向に沿って同じピッチで配列されている。
図11(a)〜(c)に示すように、配線層160は、3層で形成され、発光層150からガラス基板140に向かう厚み方向に、第1配線層161、第2配線層162、第3配線層163がこの順に積層されている。
第1発光素子61と第2発光素子62は、発光層150に設けられている。第2発光素子62への電流供給路となる引き出し配線92は、第1配線層161に設けられている。
第1発光素子61への電流供給路となる引き出し配線91は、先端部を除いて第2配線層162に設けられ(図11(a)、図11(b))、先端部304が第1配線層161に設けられている(図11(c))。
引き出し配線91,92は、アルミニウムにより形成されている。
図11(c)に示すように、第2配線層162に設けられた引き出し配線91は、C位置において上方に延出された部分303の先端部304が第2配線層162に入り込むように形成され、その先端部304が第1発光素子61の透明電極151に接続される構成になっている。
図11(b)に示すようにB位置では、第1配線層161に設けられた引き出し配線92の、第2発光素子62との接続部分302が拡張部分になっており、この点は、実施の形態2と同様である。
一方、第2配線層162に設けられた引き出し配線91には、B位置において、厚み方向に直交する方向に引き出し配線92の拡張部分302と略同じ位置に同程度の大きさの拡張部分301が設けられており、この引き出し配線91の一部に設けられた拡張部分301が遮光部としても機能するようになっている。
それぞれの拡張部分301および302の大きさは、図10に示すように平面視において、拡張部分301および302が丁度、重なるようになり、これらの2つの拡張部分301および302の背後に第2発光素子62が隠れるような大きさに予め設定される。
図11(b)に示すように第2発光素子62から発せられる光ビームの進行方向(同図の上から下に向かう方向)の前方に、引き出し配線92の拡張部分302と引き出し配線91の拡張部分301との2つが遮光部として位置している。
2つの遮光部を配置することにより、仮に第2発光素子62から発せられた光ビームの一部が最初の遮光部である拡張部分302を透過することがあっても、2番目の遮光部である拡張部分301で遮光することができる。遮光部材を、引き出し配線91と92の2つとすれば、引き出し配線92だけとする場合に比べて、引き出し配線92の膜厚を薄くすることができる。
<実施の形態3における変形例>
上記では図11(b)に示すように、引き出し配線91の拡張部分301と引き出し配線92の拡張部分302とが略同じ形状かつ略同じ大きさであり、厚み方向に直交する方向に略同じ位置に配置されるように構成されたが、これに限られない。
例えば、図12に示す構成をとることができる。
図12(a)は、当該変形例に係るTFT基板30の一部分を拡大して示す平面図であり、図12(b)は、図12(a)に示す一点鎖線Aにおける断面図である。同図において左右方向が主走査方向に相当する。
図12(a)と図12(b)に示すように、第1配線層161に設けられた引き出し配線92には、第2発光素子62の直下位置に拡張部分309が設けられており、第2配線層162に設けられた引き出し配線91には、第1配線層161の拡張部分309に対して下方の位置に拡張部分310が設けられている。
引き出し配線92の一部に設けられた拡張部分309と、引き出し配線91の一部に設けられた拡張部分310は、その平面視における主走査方向の幅の大きさが図12(a)に示すように第2発光素子62の主走査方向の幅と略同じになっており、その平面視において拡張部分309の一部と拡張部分310の一部とが重なり、2つの拡張部分309および310の背後に第2発光素子62が隠れるように、拡張部分309、310が主走査方向にずれた位置に配置されている(図12(b))。
第2発光素子62から発せられた光Luは、その一部の光が第1配線層161の拡張部分309により遮光され、拡張部分309で遮光されずに第1配線層161を透過した光が第2配線層162の拡張部分310により遮光されるので、配線層160からガラス基板140を介して光取り出し面35から出射されることが防止される。
また、2本の引き出し配線91,92を用いることによりそれぞれの線幅を小さくすることができるので、線幅が大きい構成に比べて寄生容量を低減でき、寄生容量が大きい場合における発光の立ち上がりの遅延の防止を図ることができる。
仮に、引き出し配線91,92の一部に拡張部分を設けることなく、引き出し配線91,92を平面視で相互にずらして配置することにより遮光機能を確保できる場合には、引き出し配線91,92の一部に拡張部分を設けない構成をとることもできる。
さらに、図13に示す構成をとることもできる。
図13(a)は、別の変形例に係るTFT基板30の一部分を拡大して示す平面図であり、図13(b)は、図13(a)に示す一点鎖線Aにおける断面図である。図13(a)、(b)のそれぞれにおいて左右方向が主走査方向に相当する。
図13(b)に示すように、第2発光素子62の直下の位置に、第1配線層161に設けられた引き出し配線92の拡張部分311が配置されており、引き出し配線92の拡張部分311が第2発光素子62と接続されている。
一方、第1配線層161よりも下の第2配線層162に設けられた引き出し配線91は、主走査方向に隣り合う2つの拡張部分311,311の間に位置している。
そして、図13(a)に示すように平面視において、引き出し配線91の主走査方向(幅方向に相当)における一方の側縁91aが一方の拡張部分(第1接続部分)311の主走査方向の端部331にわずかに重なり、引き出し配線91の他方の側縁91bが他方の拡張部分(第2接続部分)311の主走査方向の端部332にわずかに重なるようになり、隣り合う2つの拡張部分311,311と引き出し配線91との相対的な位置関係および大きさが予め決められている。
図13(b)に示すように第2発光素子62から発せられる光ビームは、そのほとんどが引き出し配線92の拡張部分311により遮光されるが、ごく一部の光が迷光Lpとなって第2配線層162に入射されたとしても、第2配線層162の引き出し配線91がその迷光Lpを遮光することにより、迷光Lpが配線層160からガラス基板140を介して光取り出し面35から出射されることが防止される。
また、厚み方向に異なる第1配線層161と第2配線層162に設けられる引き出し配線92と引き出し配線91とを相互に主走査方向にずれた位置に配置できるので、隣り合う配線が近い場合に生じ易い寄生容量を低減できるという効果も奏する。
なお、引き出し配線91の幅の大きさは、図14に示すように、より大きくするとしても良い。第2配線層162に入射すると想定される迷光Lpの照度などに応じて引き出し配線91の幅や厚みなどを予め設定することができる。
引き出し配線91の幅の大きさは、例えば、引き出し配線91の長さ方向において、図13(a)に示す一点鎖線Aでの切断位置とその周辺の一部分だけを拡張するとしても良いし、全長に亘って大きくするとしても良い。
さらに、迷光Lpが発生してもそれほど影響がないような構成では、引き出し配線91を例えば図13に示すものよりも幅の狭い構成にすることもできる。
具体的には、平面視において主走査方向に間隔をあけて隣り合う2つの拡張部分(接続部分)311,311の間に、引き出し配線91が位置するように(拡張部分311と全く重ならないように)、幅の狭い引き出し配線91を配置する構成をとることもできる。
<実施の形態4>
上記実施の形態1〜3では、第1発光素子61と第2発光素子62を同じ形状、同じ大きさのものを用いる構成例を説明したが、本実施の形態4では、第2発光素子62の形状と大きさを第1発光素子61とは異ならせる構成としており、この点で実施の形態1〜3と異なっている。
図15は、実施の形態4に係る構成のTFT基板30の一部分を拡大して示す平面図であり、図16(a)と(b)は、図15に示す一点鎖線A、Bにおける断面図である。以下、一点鎖線A、Bにおける切断位置をA位置、B位置という。
図15に示すようにTFT基板30は、複数の第1発光素子61のそれぞれが主走査方向に一定の間隔をあけて並んでなる素子列400が複数列、ここでは3列、矢印E方向(副走査方向に相当)に一定の間隔をあけて配列されてなる。
各素子列400を構成する第1発光素子61のそれぞれは、主走査方向に相互にずれた位置に千鳥状に配置されており、電流供給路となる引き出し配線91を介して駆動回路55と接続されている。各第1発光素子61は、同じ特性を有するものである。
このように各第1発光素子61を千鳥状に配列することにより第1発光素子61の主走査方向における集積度を高めることができるが、隣り合う2つの第1発光素子61の間の空きスペースが狭くなる。この空きスペースを広げてそのスペースに第2発光素子62を千鳥状に設けるようにすることもできるが、パネルサイズが大きくなってしまう。
そこで、本実施の形態4では、各第2発光素子62を各第1発光素子61の素子列400から離れた場所、具体的には図15に示すように平面視において駆動回路55と第1発光素子61の素子列400との間の領域に各第2発光素子62を設ける構成としている。
すなわち、第2発光素子62は、平面視で円形状である第1発光素子61に対し、矢印E方向に沿って細長い長尺形状であり、平面視で駆動回路55とこれに最も近い素子列400との間の領域であり、引き出し配線91のうち、その領域に属する部分の背後に隠れるように形成されている。各第2発光素子62は、同じ特性を有するものであり、電流供給路となる引き出し配線92を介して駆動回路55と接続されている。
引き出し配線92は、駆動回路55から矢印E方向に沿って延びる直線状の部分401とその部分401の先端から主走査方向に屈曲するように延び出されてなる屈曲部402を有し、屈曲部402の先端側が第2発光素子62に接続される。
1つの第1発光素子61と1つの第2発光素子62は、形状と大きさが異なるが同じ材料で形成され、同じ特性になっており、これらが並列接続されて、1つの発光部21が構成される。
図16(a)と(b)に示すように、第2発光素子62は、発光層150に設けられ、引き出し配線91は、第2配線層162に設けられ、引き出し配線92は、発光層150と第2配線層162との間の第1配線層161に設けられている。
図16(a)に示すようにA位置では、第1配線層161を介して第2発光素子62の直下に、第2配線層162の引き出し配線91が位置している。A位置において第2発光素子62から発せられる光ビームLuは、第1配線層161を透過して第2配線層162に入射するが、遮光部材としての引き出し配線91により遮光される。
一方、図16(b)に示すようにB位置では、第1配線層161に設けられた引き出し配線92の屈曲部402が第2発光素子62の直下の位置まで延出されて第2発光素子62の透明電極151に接続されている。
B位置では、第2発光素子62の直下に配置される引き出し配線92の一部である屈曲部402と、これよりも下の第1配線層161に設けられた引き出し配線91の両方が遮光部材になり、第2発光素子62から発せられる光ビームLuが遮光される。
上記ではA位置とB位置における第2発光素子62と引き出し配線91の位置関係を説明したが、これら以外の、矢印E方向のどの位置でも、A位置における第2発光素子62と引き出し配線91の位置関係と同じ関係を満たしている。
従って、矢印E方向に長尺状の第2発光素子62から発せられた光ビームLuは、矢印E方向のどの位置においても配線層160内で遮光されることになり、ガラス基板140を介して光取り出し面35から出射されることが防止される。
各第1発光素子61を千鳥状に配列することにより複数の第1発光素子61の主走査方向における単位長さ当たりの配置個数を増加する(集積度を高める)ことができ、それだけ主走査方向における解像度を高めることができる。このような高解像度の構成においても、第2発光素子62から発せれる光ビームの遮光を行うことが可能になる。
また、第2発光素子62のサイズを大きくすれば、それだけ第2発光素子62を流れる電流の単位体積当たりの電流密度を小さくすることができるので、第2発光素子62への電流負荷を軽減でき、第2発光素子62の長寿命化を図れる。
なお、細長い長尺形状の形成は、TFT基板30の製造時にその予め決められた形状のパターンニングなどの工程を行うことにより実現できる。
また、図17と図18に示す構成をとることもできる。
図17は、図15に示すTFT基板とは別の構成のTFT基板30の一部分を拡大して示す平面図である。
図18(a)は、図17に示す一点鎖線Aにおける断面図であり、図18(b)は、図17に示す一点鎖線Bにおける断面図である。図17と図18では左右方向が主走査方向に相当する。また、一点鎖線A、Bにおける切断位置をA位置、B位置という。
図17に示すようにTFT基板30は、複数の第1発光素子61のそれぞれが主走査方向に一定の間隔をあけて並んでなる3つの素子列400a、400b、400cが矢印E方向に一定の間隔をあけて配列されてなる。第1発光素子61の配列は、図15に示す構成と同じである。
それぞれの第1発光素子61は、電流供給路となる引き出し配線91を介して駆動回路55と接続されている。それぞれの引き出し配線91には、第1発光素子61の近傍の位置に拡張部分501が設けられている。各第1発光素子61は、平面視で同じ形状、大きさになっており、同じ特性を有する。
一方、それぞれの第2発光素子62(破線で示されている。)は、素子列ごとに、平面視で同じ形状であるが大きさ(径)が異なっている。
引き出し配線91には、途中に拡張部分501が設けられており、この拡張部分501は、平面視における配置位置によって大きさが異なっている。
具体的には、駆動回路55から最も近い位置の素子列400aに属する第1発光素子61に接続される引き出し配線91の拡張部分501が最も小さく、最も遠い位置の素子列400cに属する第1発光素子61に接続される引き出し配線91の拡張部分501が最も大きくなっている。また、素子列400aと400cの間に位置する素子列400bに属する第1発光素子61に接続される引き出し配線91の拡張部分501は、中間の大きさになっている。
1つの第1発光素子61に並列接続される1つの第2発光素子62は、平面視において、その第1発光素子61への電流供給路となる引き出し配線91の拡張部分501の背後に隠れるように形成されている。
第2発光素子62への電流供給路となる引き出し配線92は、平面視において引き出し配線91の背後に隠れる位置に形成されており、第2発光素子62は、引き出し配線92を介して駆動回路55と接続されている。
図18(a)と(b)に示すように、第1発光素子61と第2発光素子62は、発光層150に設けられ、引き出し配線91は、第2配線層162に設けられており、引き出し配線92は、第1配線層161に設けられている。
図18(a)に示すようにA位置では、第2発光素子62の直下位置において引き出し配線92に設けられた拡張部分502が第2発光素子61の透明電極151に接続されている。また、第2配線層162において、引き出し配線92の拡張部分502よりも下の位置には、引き出し配線91の拡張部分501が配されている。拡張部分501と502は、それぞれ平面視で同じ大きさであり、厚みも同じになっている。
この2つの拡張部分501と502は、図17に示すように平面視において丁度、重なるようになり、これら拡張部分501および502の背後に第2発光素子62が隠れるようになっている。
従って、A位置に配される第2発光素子62から発せられる光ビームは、引き出し配線92の拡張部分502と引き出し配線91の拡張部分501とにより遮光される。
なお、素子列400aに属する第1発光素子61と引き出し配線91との接続部分の構成は、図11(c)の断面で示す構成と同じになる。
一方、B位置では、図18(b)に示すように、第2発光素子62の直下位置において引き出し配線92に設けられた拡張部分502が第2発光素子61の透明電極151に接続されている。また、第2配線層162において、引き出し配線91の拡張部分501が配されている。拡張部分501と502は、それぞれ平面視で同じ大きさであり、厚みも同じになっている。
B位置においても、上記のA位置と同様に図17に示すように平面視において2つの拡張部分501と502が丁度、重なるようになり、これら拡張部分501と502の背後に第2発光素子62が隠れるようになっている。従って、B位置における第2発光素子62から発せられた光ビームは、引き出し配線92の拡張部分502と引き出し配線91の拡張部分501により遮光される。
第2発光素子62から発せられる光が遮光されることは、素子列400bに属する発光部21についても同様である。
図17に示すように平面視で複数の第1発光素子61を千鳥状に配列し、かつ、主走査方向に隣り合う2つの第1発光素子61同士の間の間隔に第2発光素子62を配置する構成をとれば、温度ムラによる画質劣化の防止を図ることができる。
すなわち、書込み用である第1発光素子61のそれぞれの発光と消灯が交互に繰り返されると、発熱と放熱が交互に繰り返されることにより、それぞれの第1発光素子61周辺の温度が変動し易くなる。
この温度変動が大きくなれば、それぞれの第1発光素子61の発光光量にばらつきが生じ易くなり、その発光光量のばらつきが大きくなると、それぞれの第1発光素子61による感光体ドラム211に対する露光量もばらつくことになり、感光体ドラム211上における静電潜像の画質、つまり再現画像の画質低下に繋がり易くなる。
第1発光素子61周辺の温度変動による再現画像の画質低下を防止するには、その温度変動を抑制すれば良く、その温度変動を抑制するには、第1発光素子61の消灯時でも第1発光素子61の近傍の温度が低下しないようにすれば良い。
第1発光素子61の消灯時にその近傍の温度を低下させないようにするには、第1発光素子61の消灯時に、これに代わって発光する第2発光素子62からの熱が第1発光素子61周辺に伝達されるようにすれば良い。このためには、第2発光素子62をなるべく第1発光素子61の近傍に配置して、第1発光素子61の消灯時に発せられる第2発光素子62からの熱が第1発光素子61周辺に伝達され易くすれば良い。
これにより、第1発光素子61の消灯時でも第1発光素子61周辺の温度を低下させることなく、第1発光素子61の発光時と消灯時との温度変動を低減して、第1発光素子61の温度変動に起因する再現画像の画質低下を抑制することができる。
一方、第1発光素子61を千鳥状に配列しようすると、隣り合う2つの第1発光素子61間の間隔が狭くなり、その間に第2発光素子62を配置できないような場合には、図15に示すように第1発光素子61から少し遠い位置において、それぞれが同じ特性を有する第2発光素子62を配置する構成をとることができる。
このように複数の第1発光素子61の配置位置に応じて、第1発光素子61に並列接続される第2発光素子62を第1発光素子61とは形状や大きさを異ならせて配置することにより、第1発光素子62だけの構成に比べて電源配線71の電位降下による発光量のばらつきを抑制しつつ、新たな遮光部材を設ける構成に比べて製造コストを低減でき、これらに加えてさらに、TFT基板30の設計の自由度を増すことができる。
なお、図17では、素子列400a〜400bごとにその属する第1発光素子61に並列接続される第2発光素子62の平面視における幅(直径)の大きさが異なっている。これは、第2発光素子62を配置するための空きスペースの制限によるものであるが、光書込み時と非書込み時とで発光部21を流れる電流を変動させないようにして電源配線71の電位降下による発光量のばらつきを抑制するには、発光部21ごとに、並列接続される第1発光素子61と第2発光素子62の特性(電気抵抗値など)をできるだけ同じにすることが望ましい。
上記のように配置スペースの関係で第2発光素子62ごとにその平面視における幅を異ならせる必要がある場合に、各第2発光素子62の特性を同じにする方法としては、例えば幅が小さくなるに伴って上下方向の厚みを厚くして電気抵抗値をできるだけ同じにする方法、第2発光素子62ごとにこれを構成する材料を異ならせる方法などが考えられる。
なお、第1発光素子61と第2発光素子62を完全に同じものにする構成に限られないことはいうまでもなく、電源配線71の電位降下による発光ばらつきを許容できる範囲内である程度の特性のばらつきは許容される。
例えば、それぞれの発光部21において、第1状態のときに第1発光素子61に流れる電流Iaと第2状態のときに第2発光素子62に流れる電流Ibとの差分Δが、発光ばらつきを許容できる所定範囲内に収まればよく、その所定範囲内に収まるように各発光素子の材料(素材)、形状、大きさなどを少なくとも2つを同じものにまたは少なくとも一つを異なるものに決めることができる。
つまり、複数の発光部21には、平面視において、図6に示すように第1発光素子61と第2発光素子62の形状と大きさが同じである発光部21が2以上含まれる(全部を含む)構成や、これに代えて、図15や図17に示すようにその形状と大きさの少なくとも一方が異なる発光部21が2以上含まれる構成をとることができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、第2発光素子62から発せられる光を遮光する遮光部材として、既存の電源配線71、引き出し配線91,92を兼用する構成例を説明したが、これらに代えて、他の既存の配線、例えばソースIC32からセレクター51や各スイッチ57に向けて延出されているそれぞれの信号線や各発光素子のカソードに接続される引き出し配線などを遮光部材に兼用する構成をとることもできる。
すなわち、既存の1以上の配線の這い回し、その幅や厚みの大きさなどを回路構成に応じて決めることにより、第2発光素子62から発せられる光の遮光を行うことができる。
平面視したときに配線の背後に第2発光素子62が隠れるように、配線を平面視したときにその配線の、第2発光素子62と重なる部分だけを拡幅したり、その配線の幅を全長に亘って広くしたりすることができる。
(2)上記実施の形態では、第1発光素子61から発せられた光ビームLが配線層160、ガラス基板140を透過して感光体ドラム211に向かう、いわゆる下面発光型(ボトムエミッション型)の構成例を説明したが、これに限られない。
例えば、ガラス基板140の上に発光層150、透過性の配線層160がこの順番に積層され、発光層150の第1発光素子61から発せられた光ビームLが配線層160を透過して感光体ドラム211に向かう構成を想定することができる。
この構成をとる場合、第2発光素子62から発せられた光ビームLuが配線層160を透過して感光体ドラム211に向かうことがないように、その光ビームLuを配線層160に設けられた電源配線71などの配線で遮光する構成とすれば良い。この場合、ガラス基板140が透光性でなくても良いことになる。
つまり、感光体側からTFT基板30(光書込み装置123)を見たときに(平面視したときに)、第2発光素子62が遮光部材としての配線(電源配線71など)の背後に隠れるようになれば、疑似発光素子である第2発光素子62から発せられる光を光書込み装置123内で遮光できるようになる。第2発光素子62と配線との相対的な位置関係や大小関係などが予め決められる。
なお、感光体側とは、実施の形態では光取り出し面35側に相当し、光書込み装置123が画像形成装置1に装着されている場合には、その光書込み装置123に対する感光体の位置する側を意味し、未だ装着されていない単体の場合には、装着されたと仮定したときの当該光書込み装置123に対する感光体の位置する側を意味する。また、感光体側から見たときを、第1発光素子61から発せられる光ビームの進行方向とは反対方向から見たときと言い換えることもできる。
(3)上記実施の形態では、発光素子として有機LED(OLED)を用いる構成例を説明したが、これに限られず、例えばLEDを用いることもできる。また、発光素子や配線を配置するための基材としてガラス基板140を用いる例を説明したが、基材としては、その上に発光素子や配線が配置されるものであれば良く、例えばガラス以外の材料を基材として用いることもできる。
(4)上記実施の形態では、光書込み装置をカラー複合機に用いる構成例を説明したが、これに限られない。例えば、光ビームにより静電潜像などの画像が書き込まれる感光体ドラム121などの感光体を有する複写機やプリンター等の画像形成装置に用いられる光書込み装置に適用できる。また、画像形成装置に限られず、光ビームにより感光体に書込みを行う装置一般に適用できる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容を可能な限りそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、光書込み装置およびこれを備える画像形成装置に広く適用できる。
1 画像形成装置
21 発光部
30 TFT基板
35 光取り出し面
55 駆動回路
57 スイッチ
61 第1発光素子
62 第2発光素子
71 電源配線
91,92 引き出し配線
112 制御部
121 感光体ドラム
123 光書込み装置
140 ガラス基板
150 発光層
160 配線層
161 第1配線層
162 第2配線層
201、301、302、309、310、311、501、502 拡張部分(接続部分)

Claims (14)

  1. 第1発光素子と第2発光素子とを並列接続してなる複数の発光部のそれぞれがライン状に配列され、前記それぞれの第1発光素子から発せられた光ビームにより感光体に書込みを行う光書込み装置であって、
    前記各発光部に電流を供給するための遮光性を有する配線と、
    前記発光部ごとに、共通電源からの電流が前記配線を介して、光書込み時には第1発光素子に供給され第2発光素子に供給されない第1状態に、非書込み時には第2発光素子に供給され第1発光素子に供給されない第2状態に切り替える切替部と、
    を備え、
    前記感光体側から見たときに、全ての発光部の第2発光素子が前記配線の背後に隠れていることを特徴とする光書込み装置。
  2. 前記配線は、
    前記共通電源から延出される電源配線であることを特徴とする請求項1に記載の光書込み装置。
  3. 前記発光部ごとに、前記第1発光素子の端子に電気的に接続される第1引き出し配線と、前記第2発光素子の端子に電気的に接続される第2引き出し配線と、を備え、
    前記配線は、
    前記第2引き出し配線を含み、
    前記第2引き出し配線の、前記第2発光素子の端子との接続部分が、前記感光体側から見たときに当該第2発光素子を隠すように拡張されていることを特徴とする請求項1に記載の光書込み装置。
  4. 前記配線は、
    さらに、前記第1引き出し配線を含み、
    前記感光体側から見たときに、前記第2引き出し配線の、前記第2発光素子の端子との接続部分よりも前記第1引き出し配線の方が前記感光体側に存在し、かつ前記接続部分と前記第1引き出し配線とが重なることを特徴とする請求項3に記載の光書込み装置。
  5. 隣り合う2つの発光部のうち、一方の発光部における第2発光素子の端子と接続される第2引き出し配線の、当該接続部分を第1接続部分とし、他方の発光部における第2発光素子の端子と接続される第2引き出し配線の、当該接続部分を第2接続部分としたとき、
    前記感光体側から見たときに、
    前記一方の発光部における第1発光素子の端子と接続される第1引き出し配線が、前記第1接続部分と第2接続部分の間の領域を隠し、かつ前記第1接続部分と第2接続部分の両方に重なることを特徴とする請求項4に記載の光書込み装置。
  6. 前記配線は、
    さらに、前記第1引き出し配線を含み、
    隣り合う2つの発光部のうち、一方の発光部における第2発光素子の端子と接続される第2引き出し配線の、当該接続部分を第1接続部分とし、他方の発光部における第2発光素子の端子と接続される第2引き出し配線の、当該接続部分を第2接続部分としたとき、
    前記感光体側から見たときに、
    前記一方の発光部における第1発光素子の端子と接続される第1引き出し配線の方が前記第1接続部分と第2接続部分よりも前記感光体側に存在し、かつ前記第1接続部分と第2接続部分の間に位置することを特徴とする請求項3に記載の光書込み装置。
  7. 前記発光部ごとに、前記第1発光素子の端子に電気的に接続される第1引き出し配線と、前記第2発光素子の端子に電気的に接続される第2引き出し配線と、を備え、
    前記配線は、
    前記第1引き出し配線と第2引き出し配線とを含み、
    前記感光体側から見たときに、前記第2引き出し配線の、前記第2発光素子の端子との接続部分よりも前記第1引き出し配線の方が前記感光体側に存在し、前記第2引き出し配線の前記接続部分と前記第1引き出し配線の両方により、前記第2発光素子が隠されることを特徴とする請求項1に記載の光書込み装置。
  8. 前記第2引き出し配線の前記接続部分は、
    前記感光体側から見たときに、前記第2発光素子の一部を隠すように拡張される拡張部分であることを特徴とする請求項7に記載の光書込み装置。
  9. 前記複数の発光部には、
    前記感光体側から当該光書込み装置を見たときに、
    前記第1発光素子と前記第2発光素子の形状と大きさが同じである発光部が2以上含まれること、または、前記第1発光素子と前記第2発光素子の形状と大きさの少なくとも一方が異なる発光部が2以上含まれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光書込み装置。
  10. 前記発光部ごとに前記第1発光素子と前記第2発光素子が同じ素材から構成されていることを特徴とする請求項9に記載の光書込み装置。
  11. 前記発光部ごとに、前記第1状態のときに第1発光素子に流れる電流Iaと第2状態のときに第2発光素子に流れる電流Ibとの差分Δが発光ばらつきを許容できる所定範囲内に収まるように、前記形状と大きさの少なくとも一方が決められていることを特徴とする請求項9または10に記載の光書込み装置。
  12. 前記各発光部と前記配線とが配置される透光性の基材を備え、
    前記基材の上に、前記配線が設けられる配線層を介して、前記各発光部が設けられる発光層が積層され、
    前記各発光部の第1発光素子から発せられた光ビームが前記配線層を介して前記基材を透過することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の光書込み装置。
  13. 前記第1発光素子と第2発光素子のそれぞれは、有機LEDであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の光書込み装置。
  14. 光書込部からの光ビームにより感光体に画像を書き込む画像形成装置であって、
    前記光書込部として、請求項1〜13のいずれか1項に記載の光書込み装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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