JP2015158457A - 蛍光x線分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分にX線を遮蔽しながら高感度に蛍光X線を測定することができ、低コストで板状試料の判別が可能となる蛍光X線分析装置を提供する。【解決手段】蛍光X線分析装置は、試料箱1に廃品パネル(板状試料)Pを収納して密閉し、試料箱1の底部2に設けてある窓部21を通してX線の照射及び蛍光X線の検出を行い、廃品パネルPにヒ素等の特定の元素が含まれているか否かを判定する。試料箱1の一側面は開閉部3となっており、廃品パネルPは底部2の上面から浮いた状態で、複数のボール22で支持される。複数のボール22によって廃品パネルPの出し入れ及び位置調整が容易となり、廃品パネルPが接触して底部2が破損することが防止される。試料箱1でX線が遮蔽され、検出部5は廃品パネルPに近接して高感度で蛍光X線を測定する。廃品パネルPを搬送する搬送装置を利用する従来技術に比べて低コストな蛍光X線分析装置が実現される。【選択図】図2
Description
本発明は、試料から発生する蛍光X線に基づいて、特定の元素の有無を分析する蛍光X線分析装置に関する。
廃品のテレビジョン受像機は、複数の部品に分解され、部品別に適切な処分が行われている。テレビジョン受像機の部品の一つに、液晶パネル又はプラズマディスプレイパネル等の大型の表示パネルがある。表示パネルには、有害物質であるヒ素を含んだものと含まないものとがある。廃品のテレビジョン受像機から取り外された表示パネル(以下、廃品パネルと言う)の適切な処分方法は、ヒ素を含んだ場合と含まない場合とで異なり、ヒ素を含んだ場合の方がコストが高い。廃品パネルがヒ素を含んでいるか否かが不明である場合は、ヒ素を含んでいるものとして処分せざるを得ず、処分のコストが高くなる。従って、廃品のテレビジョン受像機の処分時に、廃品パネルがヒ素を含んでいるか否かを判別することが望まれる。
廃品パネルがヒ素を含んでいるか否かを判別する際には、切断等の加工をすることによってヒ素が飛散することを防止するために、無加工の廃品パネルに対して判別を行うことが望ましい。特許文献1には、廃品の廃品パネルからガラスを回収する際に、ヒ素を含んでいる廃品パネルとヒ素を含んでいない廃品パネルとを選別する技術が開示されている。この技術では、廃品パネルを搬送装置で搬送しながら、廃品パネルへX線を照射し、廃品パネルから発生する蛍光X線を検出し、検出した蛍光X線に基づいてヒ素の有無を判定する。また、廃品パネルがヒ素を含んでいるか否かを無加工で判別する方法として、所謂ハンドヘルド型等の可搬型の蛍光X線分析装置を用いてヒ素の有無を判定する方法がある。
搬送装置で廃品パネルを搬送しながらヒ素の有無を判定する方法は、設備が大規模なものとなり、設備のコストが大きいという問題がある。また、廃品パネルが搬送装置で搬送されているので、X線の照射部及び蛍光X線の検出部と廃品パネルとの間隔が大きくなる。このため、X線の遮蔽が不十分になる虞があり、蛍光X線の検出感度が低くなる虞もある。また、可搬型の蛍光X線分析装置を用いた場合は、X線が漏洩する危険が高く、また紛失を防止する必要があるので、管理に手間がかかるという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、板状試料の収納が可能な試料箱内で蛍光X線の測定を行うことにより、十分にX線を遮蔽しながら高感度に蛍光X線を測定することができ、低コストで板状試料の判別が可能となる蛍光X線分析装置を提供することにある。
本発明に係る蛍光X線分析装置は、試料へX線を照射する照射部と、試料から発生する蛍光X線を検出する検出部と、該検出部での蛍光X線の検出結果に基づいた元素分析を行う分析部とを備える蛍光X線分析装置であって、板状試料を収納し得る試料箱と、該試料箱の底に設けられており、前記照射部からのX線及び発生した蛍光X線を透過させる窓部と、前記試料箱の側面の一部が開閉する開閉部と、板状試料を、前記試料箱の底面から浮いた状態で、前記開閉部から前記試料箱に対して出入りする方向に移動可能なように支持する支持部とを備えることを特徴とする。
本発明においては、蛍光X線分析装置は、板状試料を収納する試料箱を備え、試料箱の底に設けてある窓部を通してX線の照射及び蛍光X線の検出を行い、板状試料に特定の元素が含まれているか否かを判定する。試料箱の側面の一部は開閉部となっており、板状試料は試料箱の底面から浮いた状態で、開閉部から試料箱に出入りする方向に移動可能なように支持部で支持される。支持部によって板状試料の位置の調整が容易となり、板状試料が底に接触して試料箱が破損することが防止される。
本発明に係る蛍光X線分析装置は、前記支持部は、前記底面から一部が突出し、該一部に接触した板状試料の前記方向への移動を可能にすべく回転できるように設けられた複数の回転体を有していることを特徴とする。
本発明においては、板状試料は、試料箱の底面から一部が突出した回転体で、底面から浮いた状態で支持される。回転体の回転によって、板状試料の開閉部から試料箱に出入りする方向の移動が助勢される。
本発明に係る蛍光X線分析装置は、前記回転体は回転自在に設けられたボールであることを特徴とする。
本発明においては、板状試料は、回転自在に試料箱の底に設けられた複数のボールで支持される。ボールは一部が底面から突出しており、板状試料は底面から浮いた状態でボールに支持される。ボールの回転によって板状試料の移動が助勢される。
本発明に係る蛍光X線分析装置は、前記窓部は、前記試料箱の底の端に設けられていることを特徴とする。
本発明においては、板状試料を底の端に寄せることで、蛍光X線の検出ができるように板状試料の位置を調整することができる。
本発明に係る蛍光X線分析装置は、前記分析部による分析結果を表示する表示部を更に備えることを特徴とする。
本発明においては、蛍光X線分析装置は、特定の元素の有無の判定結果を表示する表示部を備えている。作業者は、表示内容を確認することで、板状試料に特定の元素が含まれているか否かを知ることができる。
本発明にあっては、X線が漏洩する危険が小さく、蛍光X線の検出感度が高い蛍光X線分析装置を、低コストで実現することができる。また、本発明に係る蛍光X線分析装置は、可搬型の蛍光X線分析装置に比べて、管理上の手間が大幅に少ない等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、蛍光X線分析装置の外観を示す斜視図であり、図2は蛍光X線分析装置の模式的断面図である。蛍光X線分析装置は、設置された装置である。蛍光X線分析装置は、横向きの廃品パネルPが収納される直方体形状の試料箱1を備えている。廃品パネルPは、廃品のテレビジョン受像機から取り外された液晶パネル等の表示パネルであり、板状試料に対応する。試料箱1の大きさは、多くの種類の廃品パネルPを無加工で収納できるように、少なくとも47インチサイズの廃品パネルPを収納できる大きさであることが望ましい。図2には、試料箱1内に廃品パネルPが収納されている状態を示している。試料箱1は、廃品パネルPが載置される底部2を含んでいる。また、蛍光X線分析装置は、試料箱1の一側面が開閉する開閉部3を備えている。開閉部3及び底部2は試料箱1の一部をなしている。
図1は、蛍光X線分析装置の外観を示す斜視図であり、図2は蛍光X線分析装置の模式的断面図である。蛍光X線分析装置は、設置された装置である。蛍光X線分析装置は、横向きの廃品パネルPが収納される直方体形状の試料箱1を備えている。廃品パネルPは、廃品のテレビジョン受像機から取り外された液晶パネル等の表示パネルであり、板状試料に対応する。試料箱1の大きさは、多くの種類の廃品パネルPを無加工で収納できるように、少なくとも47インチサイズの廃品パネルPを収納できる大きさであることが望ましい。図2には、試料箱1内に廃品パネルPが収納されている状態を示している。試料箱1は、廃品パネルPが載置される底部2を含んでいる。また、蛍光X線分析装置は、試料箱1の一側面が開閉する開閉部3を備えている。開閉部3及び底部2は試料箱1の一部をなしている。
図3は、開閉部3が開放された状態の蛍光X線分析装置を示す斜視図であり、図4は、底部2の平面図である。底部2には、上向きボールキャスターが設けられている。図3に示すように、底部2には、上向きボールキャスター用の複数のボール22が配列して設けられている。夫々のボール22は、一部が底部2の上面から突出し、自由度3の回転が可能なように設けられている。複数のボール22を回転可能にする機構は、底部2に埋設されている。複数のボール22及び各ボール22を回転可能にする機構は、支持部に相当する。廃品パネルPは、開閉部3が開放された状態で、底部2に略平行な姿勢で試料箱1内へ作業者によって挿入される。廃品パネルPは複数のボール22に上から接触する。廃品パネルPを乗せた複数のボール22は、底部2に沿った廃品パネルPの移動に応じて回転して移動を助勢し、廃品パネルPは容易に移動する。作業者は、廃品パネルPの端を開閉部3から試料箱1内へ挿入し、廃品パネルPを試料箱1の奥へ向けて押すことにより、廃品パネルPを試料箱1内へ移動させ、廃品パネルPを容易に試料箱1に収納させることができる。同様に、作業者は、開閉部3が開放された状態で廃品パネルPを引き出すことにより、廃品パネルPを容易に試料箱1から取り出すことができる。即ち、廃品パネルPは、底部2の上面に沿って、開閉部3を通って試料箱1に対して出入りする方向に容易に移動することが可能になる。図2に示すように、廃品パネルPは、試料箱1に収納された状態では、複数のボール22によって支持されている。このため、廃品パネルPと底部2の上面との間は離隔しており、廃品パネルPは底部2の上面から浮いた状態になっている。廃品パネルPが底部2の上面から離隔した距離は、ボール22が底部2の上面から突出した高さで定まり、例えば1mmである。
蛍光X線分析装置は、X線を照射する照射部4及び蛍光X線を検出する検出部5を備えている。照射部4はX線管を用いて構成されており、検出部5は半導体検出器を用いて構成されている。照射部4及び検出部5は、試料箱1よりも下側に配置されている。底部2には、X線を透過させる窓部21が設けられている。照射部4は、試料箱1に収納された廃品パネルPへ窓部21を通してX線を照射することができる位置に配置されている。X線を照射された廃品パネルPでは、蛍光X線が発生する。検出部5は、廃品パネルPで発生した蛍光X線が窓部21を通って入射することができる位置に配置されている。検出部5は、入射された蛍光X線を検出する。図2中には、蛍光X線を含むX線を破線で示している。開閉部3及び底部2を含む試料箱1は、窓部21を除いてX線を遮蔽する材料で構成されている。試料箱1内に廃品パネルPが収納され、開閉部3が閉鎖されることによって、試料箱1は密閉される。
廃品パネルPは、一部が窓部21の真上に位置するように試料箱1に収納される。廃品パネルPは複数のボール22で支持されているので、作業者は容易に廃品パネルPの位置を調整することができる。図4に示すように、窓部21は、平面視で底部2の端の位置に配置されている。より詳しくは、窓部21は、開閉部3から試料箱1の奥へ向かう方向に交差する方向に、底部2の中央よりも端へ寄った位置に配置されている。また、窓部21は、底部2の中央よりも開閉部3に近い位置に配置されている。このため、窓部21の近傍には、試料箱1の固定された内壁が存在する。作業者は、どのような大きさの廃品パネルPであっても、底部2の端に寄せるだけで、一部が窓部21の真上に位置するように廃品パネルPを試料箱1に収納させることができる。複数のボール22によって、底部2の端に寄せるように廃品パネルPを移動させることは容易である。また、窓部21の近傍の内壁に廃品パネルPを沿わせることで、廃品パネルPの位置決めも容易である。作業者から見て底部2の中央よりも近い位置に窓部21が配置されているので、試料箱1に比べて比較的小さい廃品パネルPであっても、作業者は容易に廃品パネルPの位置決めを行うことができる。廃品パネルPのサイズが想定される最少のサイズであっても、廃品パネルPの一部が窓部21の真上に位置する位置決めができるように、窓部21が配置されていることが望ましい。窓部21は底部2の中央よりも端へ寄った位置に配置されているので、少なくとも、試料箱1に収納可能な最大の廃品パネルPに比べて半分の大きさの廃品パネルPは、端に寄せることで位置決めが可能である。廃品パネルPは、一部が窓部21の真上に位置することで、照射部4からX線を照射されることが可能となる。廃品パネルPの一部が窓部21の真上に位置している状態では、照射部4及び検出部5は、窓部21を挟んで廃品パネルPに近接している。
蛍光X線分析装置は、蛍光X線分析装置の動作を制御する制御部6を備えている。制御部6は、演算を行う演算部及び種々のデータを記憶するメモリを含んで構成されている。照射部4及び検出部5は、制御部6に接続されている。制御部6は、検出部5での蛍光X線の検出結果に基づいて、廃品パネルPにヒ素が含まれているか否かを判定する。即ち、制御部6は本発明における分析部に相当する。照射部4及び検出部5が試料箱1の下側に配置され、廃品パネルPが複数のボール22で支持されるので、照射部4及び検出部5と廃品パネルPとの間の距離が廃品パネルPの厚みによらず一定となる。このため、廃品パネルPへのX線の照射強度、及び蛍光X線の検出部5での検出効率が一定となる。従って、制御部6は、ヒ素の有無の判定を安定して行うことができる。照射部及び検出部が廃品パネルの上側に配置される装置では、廃品パネルの厚みによって照射部及び検出部と廃品パネルとの間の距離が変化するので、このような効果は得られない。
また、蛍光X線分析装置は、X線照射の開始の指示を受け付ける受付部71と、ヒ素の有無の判定結果を表示する表示部72とを備えている。受付部71及び表示部72は制御部6に接続されている。受付部71は、作業者によって操作される押ボタンである。作業者が受付部71を押下することによって、受付部71は、X線照射の開始の指示を受け付け、受け付けた指示を示す情報を制御部6へ入力する。表示部72は、例えば液晶パネルを用いて構成されており、ヒ素の有無を示す文字を表示する。
試料箱1内に廃品パネルPが収納され、開閉部3が閉鎖された状態で、作業者は、受付部71を押下する。受付部71は、X線照射の開始の指示を示す情報を制御部6へ入力する。蛍光X線分析装置は、開閉部3が開放されているか又は閉鎖されているかを検出するセンサを備えている。制御部6は、X線照射の開始の指示を示す情報を入力された場合に、センサを用いて、開閉部3が閉鎖されているか否かを判定する。開閉部3が閉鎖されていない場合は、制御部6は、X線照射を開始しない。蛍光X線分析装置は、文字の表示、ランプの点灯又は音声の出力等の方法で、開閉部3が閉鎖されていないことを警告する機能を備えていてもよい。開閉部3が閉鎖されている場合に、制御部6は、照射部4を動作させるための制御信号を照射部4へ出力する。
照射部4は、制御部6からの制御信号に従って、X線を放射する。X線は、窓部21を透過し、廃品パネルPに照射される。廃品パネルPのX線を照射された部分からは、含有している元素に応じた蛍光X線が発生する。廃品パネルPにヒ素が含有されている場合は、ヒ素に起因する蛍光X線が発生する。発生した蛍光X線は、窓部21を透過し、検出部5へ入射する。検出部5は、入射された蛍光X線を検出し、検出した特性X線のエネルギーに比例した信号を出力する。制御部6は、検出部5が出力した信号を受け付け、信号を値別にカウントし、信号の値が示す蛍光X線のエネルギーとカウント数とを対応付けた蛍光X線のスペクトルを取得する。あるエネルギーに対応付けられたカウント数は、当該エネルギーを有する蛍光X線の強度である。
制御部6は、蛍光X線のスペクトルの中から、ヒ素に対応する特定のエネルギー範囲の蛍光X線の強度を抽出する。特定のエネルギー範囲には、ヒ素に起因する蛍光X線のエネルギーが含まれている。制御部6が抽出する強度は、カウント数であってもよく、カウント数の積分値であってもよい。制御部6は、抽出した強度と所定の閾値とを比較し、抽出した強度が所定の閾値未満である場合に、廃品パネルPにヒ素が含まれていないと判定する。制御部6は、表示部72に、廃品パネルPにヒ素が含まれていないことを表示させる。また、制御部6は、抽出した強度が所定の閾値以上である場合に、廃品パネルPにヒ素が含まれていると判定する。制御部6は、表示部72に、廃品パネルPにヒ素が含まれていることを表示させる。閾値は、廃品パネルPに所定量のヒ素が含まれている場合に、ヒ素に起因する蛍光X線が検出部5で検出される強度である。特定のエネルギー範囲及び所定の閾値は、予め制御部6に記憶されている。なお、蛍光X線装置は、スペクトルの生成を行わずに特定のエネルギー範囲の蛍光X線の強度を検出し、ヒ素の有無の判定を行う形態であってもよい。
ヒ素の有無の判定が終了した後は、作業者は、開閉部3を開放し、廃品パネルPを開閉部3へ向けて引き出すことにより、廃品パネルPを取り出す。廃品パネルPにヒ素が含まれていると判定された場合、ヒ素が含まれた廃品パネルPに適切な処分が行われる。廃品パネルPにヒ素が含まれていないと判定された場合、ヒ素が含まれていない廃品パネルPに適切な処分が行われる。ヒ素が含まれていない廃品パネルPの処分は、ヒ素が含まれた廃品パネルPに比べて低コストで行われる。
本実施の形態においては、密閉された試料箱1内に収納された廃品パネルPに対してX線の照射が照射され、蛍光X線の測定が行われるので、X線が漏洩する危険は少ない。蛍光X線分析装置内では、照射部4及び検出部5が廃品パネルPに近接しているので、搬送装置を用いた従来技術に比べて、廃品パネルと照射部及び検出部との距離が小さく、照射時に必要なX線の強度が小さくなり、危険も小さくなる。また、蛍光X線の検出感度が高くなり、ヒ素の有無を判定する精度が向上する。搬送装置が必要な従来技術に比べて、本実施の形態に係る蛍光X線分析装置は低コストな設備であり、廃品パネルPの判別を低コストで実行することが可能となる。このため、廃品のテレビジョン受像機の処分を低コストで実行することが可能となる。また、本実施の形態に係る蛍光X線分析装置は、X線の漏洩を防止することができる設置型の装置であるので、可搬型の蛍光X線分析装置に比べて、管理上の手間が大幅に少ない。
また、本実施の形態においては、試料箱1の底部2に上向きボールキャスターが設けられており、試料箱1の一側面が開閉部3として開閉するので、作業者は少ない労力で容易に廃品パネルPを試料箱1へ出し入れすることができる。廃品パネルPの判別のための作業効率が高くなり、高い効率で廃品パネルP及び廃品のテレビジョン受像機の処分を行うことができる。また、廃品パネルPは複数のボール22によって底部2から浮いた状態で試料箱1へ収納される。このため、頻繁に廃品パネルPを出し入れしたとしても、廃品パネルPが底部2に接触して試料箱1が破損する可能性が小さくなる。特に、廃品パネルPが窓部21に接触して窓部21が破損することが防止される。窓部21が破損した場合は照射部4等の試料箱1以外の部分も破損する可能性が高くなるものの、窓部21の破損が防止されることにより、蛍光X線分析装置が大きく損傷することが防止される。また、複数のボール22によって、廃品パネルPの位置の調整が容易であり、作業者は、蛍光X線の検出のために廃品パネルPを窓部21の真上に容易に配置することができる。複数のボール22によって、開閉部3から出入りする方向以外の方向に廃品パネルPを移動させることも容易となる。廃品パネルPのサイズが底部2のサイズよりも大幅に小さい場合であっても、作業者は容易に廃品パネルPの位置を調整することができる。
また、蛍光X線分析装置は、作業者が押下することによるX線照射の開始の指示を受け付ける受付部71と、ヒ素の有無の判定結果を表示する表示部72とを備えている。作業者は、試料箱1に廃品パネルPを納入して開閉部3を閉鎖した後、受付部71を押下するだけで、廃品パネルPにヒ素が含まれているか否かを蛍光X線分析装置に判定させることができる。表示部72には、廃品パネルPにヒ素が含まれていること又はヒ素が含まれていないことが表示され、作業者は、表示部72の表示を確認することで、廃品パネルPにヒ素が含まれているか否かを容易に知ることができる。このように、専門知識の無い作業者であっても、ヒ素が含まれた廃品パネルPとヒ素が含まれていない廃品パネルPとを分別することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、廃品パネルPを支持する複数の回転体として複数のボール22を備えた形態を示したが、蛍光X線分析装置は、回転体として円筒体を備えた形態であってもよい。この形態では、底部2には、複数の円筒体が配列して回転可能に設けられており、夫々の円筒体は、一部が底部2の上面から突出し、開閉部3から試料箱1に対して出入りする方向とは交差する軸回りに回転する。この形態でも、廃品パネルPは複数の円筒体で支持され、複数の円筒体の回転によって移動を助勢され、容易に試料箱1へ出入りする。また、本実施の形態においては、回転体を有する支持部を備えた形態を示したが、蛍光X線分析装置は、回転体を持たない支持部を備えた形態であってもよい。例えば、蛍光X線分析装置は、廃品パネルPとの間の摩擦が小さい複数の支持体を底部2の上面から突出して設けた支持部を備えた形態であってよい。この形態でも、廃品パネルPは、複数の支持体で支持され、支持体との間の摩擦が小さいので、容易に試料箱1へ出入りする。
また、本実施の形態においては、試料箱1の一側面が開閉する開閉部3を備えた形態を示したが、蛍光X線分析装置は、試料箱1の一つの側面の一部が開閉する開閉部を備えた形態であってもよい。廃品パネルPの出入りの容易さの点からは、試料箱1の一つの側面の全体が開口することが望ましく、試料箱1の上面の一部も開口することが好ましい。しかしながら、蛍光X線分析装置は、試料箱1の一つの側面の一部が開閉する開閉部を備えた形態においても、廃品パネルPを開閉部から試料箱1に対して容易に出入りさせることができる。また、蛍光X線分析装置は、開閉部3を作業者が手で開閉する形態であってもよく、開閉部3を自動で開放又は閉鎖させる形態であってもよい。例えば、蛍光X線分析装置は、開閉部3の開放のためのスイッチと、該スイッチを作業者が操作したことに応じて開閉部3を開放させる機構とを備えていてもよい。開閉部3の開放のためのスイッチは、作業者が足で操作するフットスイッチであってもよい。この形態では、廃品パネルPを両手に保持した作業者がフットスイッチを足で操作して開閉部3を開放させることができるので、作業者が廃品パネルPを試料箱1へ収納させる作業が容易となる。
また、蛍光X線分析装置は、蛍光X線の検出結果に基づいて、廃品パネルP中のヒ素の濃度を制御部6で分析する形態であってもよい。この形態では、蛍光X線分析装置は、表示部72に、得られたヒ素の濃度を表示してもよい。また、蛍光X線分析装置は、表示部72以外に、判定結果を出力する出力部を備えた形態であってもよい。例えば、蛍光X線分析装置は、廃品パネルPにヒ素が含まれている場合に点灯するランプ又は所定の音声を出力する音声出力部を備えた形態であってもよい。また例えば、蛍光X線分析装置は、判定結果を示すデータをパーソナルコンピュータ等の外部装置へ出力する出力インタフェースを備えた形態であってもよい。また、蛍光X線分析装置は、受付部71及び表示部72を備えておらず、外部装置に接続されるインタフェースを備え、受付部71及び表示部72の機能を外部装置で実現する形態であってもよい。
また、本実施の形態においては、ヒ素の有無を判定する形態を示したが、蛍光X線分析装置は、ヒ素以外の特定の元素の有無を判定する形態であってもよい。この形態では、制御部6は、特定の元素に対応する特定のエネルギー範囲の蛍光X線の強度を取得し、取得した強度と所定の閾値とを比較して、特定の元素が廃品パネルPに含まれているか否かを判定する。また、蛍光X線分析装置は、判定の基準となる閾値を調整することが可能な形態であってもよい。また、蛍光X線分析装置は、支持部を備えておらず、底部2の上面に接触するように廃品パネルPが底部2に載置される形態であってもよい。また、蛍光X線分析装置が扱う板状試料は、廃品パネルPに限るものではなく、その他の試料であってもよい。例えば、板状試料は樹脂製の板であってもよい。また、蛍光X線分析装置は、板状以外の形状の試料についても、特定の元素が含まれているか否かを判定することが可能である。
1 試料箱
2 底部
21 窓部
22 ボール(回転体)
3 開閉部
4 照射部
5 検出部
6 制御部(分析部)
P 廃品パネル(板状試料)
2 底部
21 窓部
22 ボール(回転体)
3 開閉部
4 照射部
5 検出部
6 制御部(分析部)
P 廃品パネル(板状試料)
Claims (5)
- 試料へX線を照射する照射部と、試料から発生する蛍光X線を検出する検出部と、該検出部での蛍光X線の検出結果に基づいた元素分析を行う分析部とを備える蛍光X線分析装置であって、
板状試料を収納し得る試料箱と、
該試料箱の底に設けられており、前記照射部からのX線及び発生した蛍光X線を透過させる窓部と、
前記試料箱の側面の一部が開閉する開閉部と、
板状試料を、前記試料箱の底面から浮いた状態で、前記開閉部から前記試料箱に対して出入りする方向に移動可能なように支持する支持部と
を備えることを特徴とする蛍光X線分析装置。 - 前記支持部は、前記底面から一部が突出し、該一部に接触した板状試料の前記方向への移動を可能にすべく回転できるように設けられた複数の回転体を有していること
を特徴とする請求項1に記載の蛍光X線分析装置。 - 前記回転体は回転自在に設けられたボールであること
を特徴とする請求項2に記載の蛍光X線分析装置。 - 前記窓部は、前記試料箱の底の端に設けられていること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の蛍光X線分析装置。 - 前記分析部による分析結果を表示する表示部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の蛍光X線分析装置。
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- 2014-02-25 JP JP2014034396A patent/JP2015158457A/ja active Pending
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