JP2015157725A - 繊維分散強化耐火物成形体 - Google Patents

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茂 福丸
Shigeru Fukumaru
茂 福丸
宏 市川
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宏 市川
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Abstract

【課題】繊維で強化されており、成形、乾燥された際に、弾塑性破壊靱性が大幅に改良され、耐熱衝撃性に優れた繊維分散強化耐火物成形体。
【解決手段】AlあるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物に、アルミナ系無機繊維を混合し、水を加えて混練した後、成形型に流し込み、乾燥、固化させて得た、骨材部と結合部からなり、骨材部は少なくともAlあるいはSiCを含み、結合部が水和反応によって構成され、前記アルミナ系無機繊維のモノフィラメントが前記結合部に分散している繊維分散強化耐火物成形体。前記アルミナ系無機繊維は、ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含み、繊維直径3〜7μmで、繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μmであり、前記アルミナ系無機繊維が前記不定形耐火調合物に0.5乃至5重量%の割合で混合されている。
【選択図】なし

Description

この発明は、弾塑性破壊靱性、破壊エネルギー、熱衝撃性が著しく向上された繊維分散強化耐火物成形体に関する。
アルミニウムなどのメタルを溶融する溶解炉、ルツボ、バス、樋、パイプ等には不定形耐火物の一種である高強度キャスタブルが使用されている。この高強度キャスタブルの結合部にはアルミナセメントの他、マイクロシリカなど1ミクロン以下の超微粉末が使われ、充填度が高い(空隙が少ない)マトリックスを構成する。
これら不定形耐火物で成形品は、建築用セメントと同様に水を加えて混練し型に流し込んで充填することにより、簡便に成形できるため各種熱処理炉に使用されている。しかし、キャスタブルで作製したアルミ溶解炉は熱ひずみに弱く、急激な加熱・冷却により亀裂が発生し破壊しやすい。
一方、繊維強化セラミック基複合材料はセラミックスを無機質繊維で強化することにより、破壊靱性向上、損傷許容性(曲げ強度〜歪み曲線)を有することが知られている。高温ガスタービン、航空機エンジン用部品として使われているCFCC(Continuous- Fiber-reinforced Ceramic Composites)または、CMC(Ceramic Matrix Composites)では主に繊維体積含有率が30%以上の高性能品が使用されている。
本願出願人は、既に、直径5μm〜25μm、長さ0.5mm〜25mm、アスペクト比1000乃至200のSiC長繊維を利用している繊維強化複合耐熱成形体を提案している(特許文献1)。
特開2001−80970号公報
アルミニウムや銅などの金属用のメタル溶融炉および付属装置等に使われる高温耐熱部材は、該部材の使用温度に達するまで、部材に破壊をもたらす急激な熱歪みを与えないよう、常温から使用温度まで数時間、時には数十時間をかけ、徐々に予熱を行うことが一般的である。かかる工程は省エネルギーの面からも、高温下での現場作業量の削減の面からも、更には高温下に曝される耐火物部材そのものの寿命の面からも根本的な改良が望まれている。
また、耐火物は定形、不定形にかかわらず一般的には弾性体であり、金属にくらべて機械的強度は著しく低く、亀裂が生じやすく、高温下での弾塑性破壊靱性値の高い材質が望まれている。
従来品によるアルミ溶解炉や各種関連部材は亀裂が入り破壊しやすいため、厚肉単純形状の部材しかできない。従って、アルミ溶解・移送・給湯・鋳造システムの自動化・生産性向上・省エネ化・高品質化等の高度な構造設計に対応できない。
そこで、本発明は、繊維で強化されており、成形、乾燥された際に、弾塑性破壊靱性が大幅に改良され、耐熱衝撃性に優れた繊維分散強化耐火物成形体を提案することを目的としている。
この発明は、
AlあるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物に、アルミナ系無機繊維を混合し、水を加えて混練した後、成形型に流し込み、乾燥、固化させて得た、
骨材部と結合部からなり、
骨材部は少なくともAlあるいはSiCを含み、
結合部が水和反応によって構成され、
前記アルミナ系無機繊維のモノフィラメントが前記結合部に分散している
繊維分散強化耐火物成形体であって、
前記アルミナ系無機繊維は、ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含み、繊維直径3〜7μmで、繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μmのアルミナ系無機繊維であり、
前記アルミナ系無機繊維が前記不定形耐火調合物に0.5乃至5重量%の割合で混合されている
ことを特徴とする繊維分散強化耐火物成形体
を提案するものである。
この発明によれば、繊維で強化されており、成形、乾燥された際に、弾塑性破壊靱性が大幅に改良され、耐熱衝撃性に優れた繊維分散強化耐火物成形体を提供することができる。
(a)は、アルミナ系無機繊維の解砕品の外観参考写真、(b)はマイクロスコープ参考写真である。 (a)は、図1とは異なる繊維長(平均繊維長)のアルミナ系無機繊維の解砕品の外観参考写真、(b)は、マイクロスコープ参考写真である。 (a)は、図1、図2とは異なる繊維長(平均繊維長)のアルミナ系無機繊維の解砕品の外観参考写真、(b)はマイクロスコープ参考写真である。 (a)は、図1〜図3とは異なる繊維長(平均繊維長)のアルミナ系無機繊維の解砕品の外観参考写真、(b)はマイクロスコープ参考写真である。 (a)は、図1〜図4とは異なる繊維長(平均繊維長)のアルミナ系無機繊維の解砕品の外観参考写真、(b)はマイクロスコープ参考写真である。 (a)は、図1〜図5とは異なる繊維長(平均繊維長)のアルミナ系無機繊維の解砕品の外観参考写真、(b)はマイクロスコープ参考写真である。 不定形耐火調合物へ混練する前のアルミナ系無機繊維解砕品のマイクロスコープ参考写真である。 不定形耐火調合物へ混練した後のアルミナ系無機繊維解砕品のマイクロスコープ参考写真である。 不定形耐火調合物への混練前後のアルミナ系無機繊維解砕品の繊維長分布を表す図である。
本発明の繊維分散強化耐火物成形体は、
AlあるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物に、アルミナ系無機繊維を混合し、水を加えて混練した後、成形型に流し込み、乾燥、固化させて得た、
骨材部と結合部からなり、
骨材部は少なくともAlあるいはSiCを含み、
結合部が水和反応によって構成され、
前記アルミナ系無機繊維のモノフィラメントが前記結合部に分散している
繊維分散強化耐火物成形体であって、
前記アルミナ系無機繊維は、ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含み、繊維直径3〜7μmで、繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μmのアルミナ系無機繊維であり、
前記アルミナ系無機繊維が前記不定形耐火調合物に0.5乃至5重量%の割合で混合されている
ことを特徴とするものである。
前記において、Al23あるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物は、Al23あるいはSiCの他に、この技術分野で公知の不定形耐火物を調合したものにすることができる。例えば、Al23 、SiCの他に、SiO2、CaO、Fe23、ムライト、マイクロシリカ、アルミナセメントなどが混合されているものとすることができる。
本発明の繊維分散強化耐火物成形体においては、ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含み、繊維直径3〜7μmで、繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μm以下のアルミナ系無機繊維からなるモノフィラメントが、水和反応によって構成された結合部(マトリックス)に分散されている。
ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含むアルミナ系無機繊維は、引張強度が1,000MPa以上、引張弾性率が100GPa以上と高く、耐火物中に入れて分散させた場合、十分な強化効果を発現させる。また、最高使用温度は1,600℃で、耐熱性および耐酸化性に優れている。
このようなアルミナ系無機繊維からなるモノフィラメントで分散強化された素材は弾塑性破壊靱性が大幅に改良されており、耐熱衝撃性、耐酸化性に優れた繊維強化不定形耐火物成形体となる。
そこで、本発明のアルミナ系無機繊維分散強化耐火物成形体は、予熱を必要とせずに、直接高温の金属溶湯に浸漬することができる。
前記のAlあるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物に調合する、ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含むアルミナ系無機繊維は、繊維直径5〜7μmで、繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μmであることが望ましい。
発明者の検討によれば、繊維直径3〜7μmで、繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μmの前記アルミナ系無機繊維を用いることが、前記アルミナ系無機繊維のモノフィラメントを、前記結合部における耐火物骨材粒子間に良好に分散させ、また、繊維強化の効果を効果的に発揮させるという観点、更に、前記アルミナ系無機繊維を用いて成型した繊維分散強化耐火物成形体が備える、曲げ強度、破壊エネルギー、熱衝撃抵抗の観点から望ましかった。
なお、繊維径3μm未満の繊維は人体の肺胞まで到達し、繊維径1μm未満のものは発がん性に関与する可能性があると言われており、かかる観点からも、繊維直径3μm以上のものを使用することが望ましい。
ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含み、繊維直径3〜7μmで市販されているアルミナ系無機繊維は、一般に、繊維長5〜10cmの短繊維あるいはそれ以上長い連続長繊維である。
本発明においては、これを繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μmに解砕して使用する。この場合、例えば、市販アルミナ系無機繊維を、先ず、カッター型破砕機で繊維長10mm以下まで切断解砕し、次に、長さ10mm以下に切断した繊維を回転または振動ボールミルで解砕することができる。
このようにして準備した、ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含み、繊維直径3〜7μmで、繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μmのアルミナ系無機繊維を、AlあるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物に0.5乃至5重量%の割合で混合し、水を加えて混練する(例えば、混練機で混練する)。
これによって、骨材部と結合部からなり、骨材部は少なくともAlあるいはSiCを含み、結合部が水和反応によって構成され、前記アルミナ系無機繊維のモノフィラメントが1本ずつ前記結合部にランダムに分散しているAl23系無機繊維分散不定形耐火物組成物を得ることができる。
これを、成形型に流し込み、乾燥、固化させることにより、骨材部と結合部からなり、骨材部は少なくともAlあるいはSiCを含み、結合部が水和反応によって構成され、前記アルミナ系無機繊維のモノフィラメントが1本ずつ前記結合部にランダムに分散していることにより結合部が強化された本発明のAl23系無機繊維分散強化耐火物成形体を得ることができる。
本発明において、AlあるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物に前述したアルミナ系無機繊維を混合する割合は0.5乃至5重量%とすることが望ましい。
0.5重量%未満であると前記アルミナ系無機繊維を用いて成形した繊維分散強化耐火物成形体が備える、曲げ強度、破壊エネルギー、熱衝撃抵抗の改善効果が低いという観点から望ましくなく、5重量%を超えると部分的に凝集した繊維の欠陥により曲げ強度、破壊エネルギー、熱衝撃抵抗が低下するという観点から望ましくない。
本発明によれば、ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含み、繊維直径3〜7μmで、繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μmのアルミナ系無機繊維からなるモノフィラメントによって結合部(マトリックス部)が強化され、弾塑性破壊靱性値、破壊エネルギー、熱衝撃抵抗性が著しく向上されたAl23系無機繊維分散強化耐火物成形体を提供することができる。
本発明のAl23系無機繊維分散強化耐火物成形体は、予熱過程を必要とせず、直接、高温雰囲気下におくことができ、高温の溶湯金属、例えば、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、銅等の溶湯に、予熱過程を要せず、直接、浸漬使用できる熱衝撃抵抗性が優れたものとなる。
以下、本発明の好ましい実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例及び上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
(アルミナ系無機繊維)
ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含むアルミナ系無機繊維として、以下の成分割合からなる三菱樹脂株式会社製のMAFTEC(登録商標)MLS−2を用いた。
MAFTEC(登録商標)MLS−2の特性
Al :72%
SiO :28%
鉱物組成:ムライト
繊維径 : 5μm
密度 : 3.1
単繊維引張強度: 1,500MPa
短繊維引張弾性率:100GPa
綿状のMAFTEC(登録商標)MLS−2をカッターミルで切断し10〜20mm の綿塊にし、これを振動型ボールミルを用いて各種条件で解砕し、表1に示した試料No.A〜Fの6種類の繊維長、平均繊維長の各種解砕品を準備した。
図1(a)、図2(a)、図3(a)、図4(a)、図5(a)、図6(a)は、それぞれ、試料No.A〜Fの解砕品の外観写真である、図1(b)、図2(b)、図3(b)、図4(b)、図5(b)、図6(b)は、それぞれ、図1(a)〜図6(a)のマイクロスコープ写真である。
(不定形耐火調合物)
Al23あるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物として以下の成分割合からなるAGCセラミックス株式会社製のDRYSIC−85(商品名)を用いた。
(DRYSIC−85の組成)
SiC :83%
SiO2 : 6%
Al23 :9%
Fe23 :0.5%
その他 :1.5%
(Al23系無機繊維分散不定形耐火物組成物)
50kgのDRYSIC−85(商品名)に対して表1に示したような繊維長に解砕したMAFTEC(登録商標)MLS−2解砕品を、各々、外掛けで1重量%配合し、ミキサーでドライの状態で約5分間攪拌混合した後、水を5%添加して注意深く観察しながら攪拌・混練した(混練時間6分)。
混練物であるアルミナ繊維添加不定形耐火組成物を観察したところ、試料No.A、Bを混合した混練物では白い毛玉が混入していることが認められた。
一方、試料No.C、D、E、Fを混合した混練物では、混練物に毛玉が混入しておらず、水を加えて攪拌して観察した結果、繊維は1本ずつに分離し、分散していた。
試料No.Dを混合した混練物に水を加えて洗い流し、繊維だけを取り出してその繊維長を顕微鏡で観察した。混練前後の繊維の写真を図2、図3に示す。
その結果、平均繊維長は117.5μmで混練前の試料No.Dの平均繊維長とほとんど変わらなかった。図4に混練前後の繊維長分布を示した。そこで、混合した繊維の長さは混練前と混練後でほとんど変わっていないことを確認できた。
(Al23系無機繊維分散強化耐火物成形体)
前述した混練物であるAl23系無機繊維分散不定形耐火物組成物を、縦70cm、横100cm、の型に1cmの厚さで充填し、振動を加えながら厚さ1cm×70cm×100cmの平板(肉薄平板成形品)を成形した。成形品を60℃で24時間養生した後、脱型し、200℃で30時間乾燥した後、25℃/時の割合で昇温し、350℃で30時間保持した後、600℃にて4時間保持して焼成した。このような薄厚大型平板のAl23系無機繊維分散強化耐火物成形体を、添加、混合する資料No.A〜Fのそれぞれについて5枚ずつ準備した。
また、特性測定用の試料として40mm×40mm×160mmの金型に振動を加えながら充填し、各3個成形した。この成形品も、60℃で24時間養生した後、脱型し、200℃で30時間乾燥した後、25℃/時の割合で昇温し、350℃で30時間保持した後、600℃にて4時間保持して焼成した。
比較例として、MAFTEC(登録商標)MLS−2解砕品を混合しない点以外を同一にしたものを、上述したサイズの薄厚大型平板5枚、上述したサイズの特性測定用の試料3個それぞれ準備した。
成形品(薄厚大型平板)の外観は、試料No.A、Bを添加、混合した成形品(薄厚大型平板)では、表面あるいは成形品内部(破断面)に毛玉が見られ、その部分が欠陥になっていた。
繊維無添加品(比較例)の成形品(薄厚大型平板)は、5枚中3枚にクラックが入っていた。
試料No.Aを添加、混合した成形品(薄厚大型平板)では5枚中1枚に、試料No.Fを添加、混合した成形品(薄厚大型平板)では5枚中2枚にクラックが入っていた。
試料No.B〜Eを添加、混合した成形品(薄厚大型平板)では何れもクラックが発生しなかった。
測定用の成形品(40mm×40mm×160mm)を600℃焼成後、JIS R 2553「キャスタブル耐火物の強さ試験方法」に従って曲げ強さを測定した。
その結果、試料No.C〜Eを添加、混合した成形品では、曲げ強さが繊維無添加品(比較例)と同等あるいは以上であるのに対し、試料No.A、Bを添加、混合した成形品では、繊維無添加品(比較例)より曲げ強さが明らかに低かった。また、試料No.Fを添加、混合した成形品では、繊維無添加品(比較例)より若干曲げ強さが低かった。
曲げ強さ測定時の荷重/変位曲線の面積から下記の(式1)で算出した。
破壊エネルギー(単位面積の破壊表面を生成させるに必要なエネルギー量)は、繊維無添加品(比較例)に比べ、繊維添加品(試料No.A〜F)はいずれも増大した。
特に、試料No.C〜Eを添加、混合した成形品の破壊エネルギーは繊維無添加品(比較例)の1.6〜1.8倍と増加した。
試料No.A、B、Fを添加、混合した成形品の破壊エネルギーも繊維無添加品(比較例)に比べて増大したが、試料No.C〜Eを添加、混合した成形品の破壊エネルギー増加に比較すると増加の程度は大きくなかった。
破壊エネルギーから(式2)により、生じた亀裂の進展しにくさを示す熱衝撃損傷抵抗係数R””を算出した。
熱衝撃損傷抵抗係数R””は、繊維無添加品(比較例)に比べいずれも増大した。 特に、試料No.C〜Eを添加、混合した成形品の熱衝撃損傷抵抗係数R””はは繊維無添加品(比較例)の1.6〜1.7倍と増加した。
試料No.A、B、Fを添加、混合した成形品の熱衝撃損傷抵抗係数R””も繊維無添加品(比較例)に比べて増大したが、試料No.C〜Eを添加、混合した成形品の増加に比較すると増加の程度は大きくなかった。
表面あるいは成形品内部(破断面)に毛玉が見られ、その部分が欠陥になっていた、試料No.A、Bを添加、混合した成形品は、繊維無添加品(比較例)より曲げ強さが明らかに低かった
試料No.Fを添加、混合した成形品は、混練時、繊維の分散状態および成形品の外観は良好であったが、破壊エネルギーおよび熱衝撃損傷抵抗係数は繊維無添加の耐火物とほぼ同等であった。
これらの検討結果を表2に示した。
以上より、試料No.C〜E のアルミナ繊維解砕品を添加した耐火物成形品は欠陥がなく繊維が均一に分散しており、繊維無添加のものに比べ、破壊エネルギーが60〜80%も増大し、熱衝撃損傷抵抗係数も約80%増大した。成形した、厚さ1cm×70cm×100cmの平板(肉薄平板成形品)も焼成時にクラックが発生しなかった。即ちこの材料はクラックが進展し難く、熱歪みにより破壊し難い材料であることを示している。
実施例1と同様に、三菱樹脂株式会社製のMAFTEC(登録商標)MLS−2を用い、実施例1の資料No.DのMAFTEC(登録商標)MLS−2解砕品(繊維径:5μm、平均繊維長:118μm、繊維長:30〜400μm)を準備した。
実施例1で使用したAGCセラミックス株式会社製のDRYSIC−85(商品名)50Kgに対して、資料No.DのMAFTEC(登録商標)MLS−2解砕品を、外割りで0.5%、1%、3%、5%、10%各重量%で配合したものを準備し、これらを、それぞれ、ミキサーで、先ず、ドライ状態で3分間攪拌・混合した後、水をそれぞれ5%添加して混練した(混練時間:6分)。
混練物である各アルミナ繊維分散不定形耐火組成物を、縦70cm、横1mの型に1cmの厚さで充填し、振動を加えながら厚さ1cm×70cm×100cmの平板(肉薄平板成形品)を成形した。
更に、特性測定用の試料として40mm×40mm×160mmの金型に振動を加えながら充填し、各3個成形した。成形品は60℃で24時間養生したのち、脱型し、200℃で30時間乾燥した後、25℃/時の割合で昇温し、350℃で30時間保持した後、600℃にて4時間保持して焼成した。
資料No.DのMAFTEC(登録商標)MLS−2解砕品の配合割合が異なっている5種類の測定用の成形品(40mm×40mm×160mm)をそれぞれ600℃焼成後、JIS R 2553「キャスタブル耐火物の強さ試験方法」に従って曲げ強さを測定するとともに、その荷重/変位曲線から破壊エネルギー、熱衝撃損傷抵抗係数を算出した。
この結果を表3に示す。
混練物であるアルミナ繊維添加不定形耐火組成物における繊維の分散状態は、繊維添加量0.5重量%から5重量%まで何れもモノフィラメント が均一に分散していたが、10.0重量%のものは一部に毛玉状のものが見られた。
成形品かさ密度は、繊維添加量が増加すると低下する傾向にある。特に10重量%添加品は大きく低下した。
成形品曲げ強度は、無添加品にくらべ繊維添加量が増すに従い増加したが、10重量%添加品では逆に低下した。
破壊エネルギーについては繊維を添加することにより顕著に増加し、3重量%添加品では約80% 増加した。熱衝撃損傷抵抗係数も3重量%添加品が最大となり、クラックの進展し難くなったことをあらわしている。
また、薄板成形品を焼成したところ繊維無添加品では5枚中3枚にクラックが入ったが、繊維添加品は何れも焼成品にクラックは入らなかった。
従って、アルミナ繊維の添加量は0.5重量%から5重量%までのものは、曲げ強度、破壊エネルギー、熱衝撃抵抗係数共、繊維無添加の耐火物より優れており、繊維添加量としては適切である。
Al23あるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物として実施例1で用いたAGCセラミックス株式会社製のDRYSIC−85(商品名)に替えて以下の成分割合からなるAGCセラミックス株式会社製GIBRAM(商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例1で行ったのと同様の検討を行った。
(GIBRAMの組成)
Al23:84%
SiO2 :10%
CaO :3%
その他: 3%
50kgのGIBRAM(商品名)に対して実施例1で準備したのと同様の試料No.A、C、D、E、FのMAFTEC(登録商標)MLS−2解砕品を、外掛けで1重量%配合し、ミキサーでドライの状態で約5分間攪拌混合した後、水を5.5%添加して注意深く観察しながら攪拌・混練した(混練時間6分)。
試料No.DのMAFTEC(登録商標)MLS−2解砕品を添加した混練物に水を加えて洗い流し、繊維だけを取り出してその繊維長を顕微鏡で観察した。その結果、平均繊維長は117.5μm(繊維長さ分散状態:30〜300μm)であった。従って、添加繊維の長さは混練前と混練後でほとんど変わっていなかった。
前述した混練物であるAl23系無機繊維分散不定形耐火物組成物を、縦70cm、横100cm、の型に1cmの厚さで充填し、振動を加えながら厚さ1cm×70cm×100cmの平板(肉薄平板成形品)を成形した。成形品を60℃で24時間養生した後、脱型し、200℃で30時間乾燥した後、25℃/時の割合で昇温し、350℃で30時間保持した後、600℃にて4時間保持して焼成した。このような薄厚大型平板のAl23系無機繊維分散強化耐火物成形体を5枚準備した。
また、特性測定用の試料として40mm×40mm×160mmの金型に振動を加えながら充填し3個成形した。この成形品も、60℃で24時間養生した後、脱型し、200℃で30時間乾燥した後、25℃/時の割合で昇温し、350℃で30時間保持した後、600℃にて4時間保持して焼成した。
比較例として、MAFTEC(登録商標)MLS−2解砕品を混合しない点以外を同一にしたものを、上述したサイズの薄厚大型平板5枚、上述したサイズの特性測定用の試料3個それぞれ準備した。
こうして準備した薄厚大型平板のAl23系無機繊維分散強化耐火物成形体、特性測定用の試料について、実施例1で説明したものと同様の検討を行った。
結果は表4の通りになった。
繊維無添加のアルミナ質の耐火物の平板成形品は焼成後5枚中3枚にクラックが入った。
しかし、試料No.C、D、Eのアルミナ繊維を添加したアルミナ質耐火物は繊維の分散性が良く、異物がない外観良好な平板成形品が得られた。これらは焼成後、5枚ともクラックは発生せず、良好な平板が得られた。
一方、試料No.Aのアルミナ繊維を添加したアルミナ質耐火物は、混入している毛玉のため、分散が不十分で、成形板の外観も表面に異物が観察された。焼成後、5枚中1枚にクラックが入った。
試料No.Fのアルミナ繊維を添加したアルミナ質耐火物は、繊維の分散性が良く、外観良好な平板成形品が得られたが、焼成後5枚中2枚クラックが入った。
また、材料特性では試料No.C、D、Eのアルミナ繊維を添加したアルミナ質耐火物の破壊エネルギーおよび熱衝撃抵抗係数は無添加の耐火物に比べ1.9から2.22倍に増大した。これは繊維を添加することにより耐火物のクラックが進展しにくくなることを示している。
実施例1の炭化ケイ素系耐火物で得られたアルミナ繊維解砕品添加による効果がアルミナ系耐火物でも同じように得られることが示された。

Claims (1)

  1. AlあるいはSiCを成分に含む不定形耐火調合物に、アルミナ系無機繊維を混合し、水を加えて混練した後、成形型に流し込み、乾燥、固化させて得た、
    骨材部と結合部からなり、
    骨材部は少なくともAlあるいはSiCを含み、
    結合部が水和反応によって構成され、
    前記アルミナ系無機繊維のモノフィラメントが前記結合部に分散している
    繊維分散強化耐火物成形体であって、
    前記アルミナ系無機繊維は、ムライト、δアルミナ、αアルミナのいずれか、あるいはこれらの中の複数種を組み合わせた鉱物成分で構成され、Alを60重量%〜80重量%、SiOを20重量%〜40重量%含み、繊維直径3〜7μmで、繊維長さ20〜600μm、平均繊維長50〜200μmのアルミナ系無機繊維であり、
    前記アルミナ系無機繊維が前記不定形耐火調合物に0.5乃至5重量%の割合で混合されている
    ことを特徴とする繊維分散強化耐火物成形体。
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