JP2015157052A - スーツケース - Google Patents

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Abstract

【課題】段差をスムーズかつ容易に昇降できるスーツケースを提供する。
【解決手段】開閉自在なスーツケース本体10と、スーツケース本体10の上面側に設けられた取手11と、スーツケース本体10の底面側に設けられた複数の車輪12と、スーツケース本体10の側面側に設けられ、二以上の回転部材21に無端ベルト22を掛けて形成されたキャタピラ部20と、を具備することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スーツケースに関する。
従来より、航空機や車両を利用する旅行等の際、大型カバンの一種であるスーツケースが広く用いられている。スーツケースとしては、上面側に取手、底面側に小さなコロを有する複数のキャスターを具備するものが一般的であり、ケース内の荷物の重量に関わらず、比較的容易に、取手を掴んで平地をキャスター移動できるようになっている。
しかしながら、従来のスーツケースでは、平地以外を移動するのに困難となる場合が多く、特に階段等の段差を昇降するのに困難となる場合が多かった。例えば、段差の大きさによってはキャスター移動によって段差を乗り越えることができず、スーツケースを持ち上げて段差を乗り越えなければならなかった。
このため、スーツケースを持ち上げて段差を乗り越えるときに、スーツケースが段差の角部に勢いよくぶつかって騒音が発生したり、大きな振動が加わってスーツケース内の荷物に悪影響が生じたりする問題が引き起こされる可能性があり、スーツケースを牽引する使用者にとって、段差を乗り越えなければならない頻度、その段差の長さ、スースケースの総重量等によっては多大な負担が生じる可能性もあった。このような問題は、スーツケースだけではなく、勿論、他の大型カバンにおいても同様に引き起こされる可能性がある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、段差をスムーズかつ容易に昇降できるスーツケースを提供することを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の態様は、開閉自在なスーツケース本体と、前記スーツケース本体の上面側に設けられた取手と、前記スーツケース本体の底面側に設けられた複数の車輪と、前記スーツケース本体の側面側に設けられ、2以上の回転部材に無端ベルトを掛けて形成されたキャタピラ部と、を具備することを特徴とするスーツケースにある。かかる態様によれば、キャタピラ部を段差の角部に接地させ段差をスムーズかつ容易に昇降できる。
また、複数の前記車輪のうち前記キャタピラ部側に設けられたリア用車輪は、その外周面の少なくとも一部が、前記キャタピラ部の前記無端ベルトによって成される平面と同一又は前記平面よりも外側に位置するように設けられていることが好ましい。これによれば、リア用車輪を段差の壁部に突き当てることができる。そして、段差の壁部に突き当てたリア車輪を支点としてスーツケースを傾けて、キャタピラ部を段差の角部に設置させることができる。よって、段差をスムーズかつ容易、更に安定的に昇降できる。
また、複数の前記車輪のうち、前記キャタピラ部側に設けられたリア用車輪は、前記スーツケースの厚さ方向に沿って設けられた車軸によって回転可能に支持されていることが好ましい。これによれば、リア用車輪をスーツケース本体に強固に取り付けることができ、段差をスムーズかつ容易に昇降できるスーツケースの耐久性を向上させることができる。また、スーツケースを傾ける場合に支点となるリア用車輪の安定性が向上するため、段差をスムーズかつ容易、更に安定的に昇降できる。
また、前記車輪は10cm以上の半径を有する大型車輪であることが好ましい。これによれば、車輪の半径が大きい分、段差上での安定性が向上する。また、スーツケースを牽引するときに必要となる引張力をも小さくできる。よって、段差をスムーズかつ容易、更に安定的に昇降できる上、平地移動も更に容易となる。
また、複数の前記車輪のうち、少なくとも前記キャタピラ部とは反対側に設けられたフロント用車輪は20cm以上の半径を有する特大車輪であることが好ましい。これによれば、フロント用車輪の半径が大きい分、段差上での安定性が向上する。また、スーツケースを牽引するときに必要となる引張力をも小さくでき、進行方向のブレも抑制できる。よって、段差をスムーズかつ容易、更に安定的に昇降できる上、平地移動も更に容易となる。
また、前記スーツケース本体を、前記取手が設けられた前記上面側と、前記車輪が設けられた前記底面側と、の中央線に沿って二分割したときに、前記中央線から前記上面側の前記キャタピラ部の距離よりも、前記中央線から前記底面側の前記キャタピラ部の距離の方が長いことが好ましい。これによれば、底面側のキャタピラ部の距離の方が長い分、キャタピラ部を段差の角部に早期に接地させることができる。よって、段差をスムーズかつ容易、更に安定的に昇降できる。
本発明のスーツケースによれば、キャタピラ部を段差の角部に接地させ段差をスムーズかつ容易に昇降できる。
実施形態1に係るスーツケースの概略構成を示す正面図。 実施形態1に係るスーツケースの概略構成を示す側面図。 実施形態1に係るキャタピラ部の概略構成を示す図。 実施形態1に係るスーツケースの使用態様等を説明する図。 実施形態1に係るスーツケースの使用態様等を説明する図。 実施形態1に係るスーツケースの使用態様等を説明する図。 実施形態1に係るスーツケースの使用態様等を説明する図。 実施形態3に係るスーツケースの概略構成を示す側面図。 実施形態4に係るスーツケースの概略構成を示す正面図。 他の実施形態に係るスーツケースの概略構成を示す拡大図。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係るスーツケースの概略構成を示す正面図である。また、図2(a)は、図1のスーツケースを右側面図(矢印A方向から見た側面図)であり、図2(b)は、図1のスーツケースを左側面図(矢印B方向から見た側面図)である。
図示するように、スーツケース1は、開閉自在なスーツケース本体10と、スーツケース本体10の上面側に設けられた取手11と、スーツケース本体10の底面側に設けられた複数の車輪12と、キャタピラ部20と、を具備するように構成されている。このスーツケース1は、例えば約100L又はそれ以上の容量を有する大型タイプとして構成されている。大型タイプのスーツケース1は総重量が大きくなりやすいため、平地以外の路面、特に階段等の段差を移動するのに困難となる場合が多いが、本実施形態によれば、キャタピラ部20を利用して段差をスムーズかつ容易に昇降できる。
本実施形態のスーツケース1は、正面視したときに短辺及び長辺を有する矩形状を有するように構成されている。スーツケース1について詳述するにあたり、この短辺方向(図1の左右方向、及び図2(a)〜(b)の前後方向)をX方向、長辺方向(図1及び図2(a)〜(b)の上下方向)をY方向、X方向及びY方向に垂直な方向(図1の前後方向及び図2(a)〜(b)の左右方向)をZ方向又は厚さ方向と称する。
スーツケース本体10は、一対の蓋側シェル10a及び身側シェル10bからなり、これら蓋側シェル10a及び身側シェル10bの一方の長辺同士がヒンジ(図示せず)等により連結されている。これにより、身側シェル10bを床面に載置した状態で、シェル内への荷物の出し入れを行う際に蓋側シェル10aを例えば0°〜180°の範囲内で回動させることができる。
蓋側シェル10a及び身側シェル10bの合わせ部分13は、互いに対応した形状であって密接可能に構成されている。合わせ部分13には、その全体に亘って留め具(ファスナー等)を設けたり、必要箇所に蓋側シェル10a及び身側シェル10b同士を係り止める係止具(バンド等)を設けたりしてもよい。
蓋側シェル10aや身側シェル10bは、アルミ素材や合成樹脂素材等の硬質材料を所定形状に成型したものを用いて構成されている。これにより、外部からの振動や衝撃に強いハード型のスーツケース1となる。一方、ハード型であると、スーツケースの総重量が大きくなりやすく、また衝撃が加わったときの騒音のレベルも大きなものとなりやすい。しかし、本実施形態によれば、階段等の段差をスムーズかつ容易に昇降できるため、使用者の負担を少なくできる。そして、スーツケース1が段差の角部に勢いよくぶつかることを防止でき、騒音のレベルを抑制できる。
蓋側シェル10aや身側シェル10bは、繊維材料(布類や硬質紙ボード等)で表面を覆うように構成されてもよい。これにより、軽量で移動性に優れたソフト型のスーツケース1となる。一方、ソフト型であると、上記のハード型と比較して耐久性に劣りやすく外部からの振動がケース内の荷物に伝達されやすい。しかし、本実施形態によれば、階段等の段差をスムーズかつ容易かつ昇降できるため、スーツケースが段差に勢いよくぶつかることを防止でき、劣化の促進や振動による悪影響の発生を抑制できる。
ちなみに、本実施形態における「蓋側」及び「身側」は、使用者がスーツケース1を使用するときの用途等にちなんだ便宜的な名称である。本実施形態では、蓋側シェル10aにデザインが施され、また蓋側シェル10a及び身側シェル10bの基本的構成(厚さやシェル容量)が同一となるように構成されているが、前記の例に制限されない。例えば、身側シェル10bにより多くの荷物を収容できるように、身側シェル10bの厚さが蓋側シェル10aよりも厚く、つまり、身側シェル10bのシェル容量が蓋側シェル10aよりも大きくなるように構成されていても構わない。
スーツケース本体10の上面側には取手11が設けられている。取手11の形状や配置位置は特に制限されず、スーツケース1を牽引する際のグリップ性やコントロール性、耐久性、製造容易性、デザイン性等を考慮して適宜設計できる。取手11は、蓋側シェル10a又は身側シェル10bの少なくとも一方に設けられていればよい。
尚、スーツケース本体10の上面側に、上方に引き出し可能な引き出し取手(図示せず)を設けたり、スーツケース1のキャタピラ部20とは反対側(X方向において反対側)の側面に補助取手14を設けたりしてもよい。これにより、状況に応じて、取手11から引き出し取手や補助取手14に持ち替えてスーツケース1を扱うことができる。
このような引き出し取手や補助取手14の形状や配置位置は、取手11と同様に特に制限されず、スーツケース1を牽引する際のグリップ性やコントロール性、耐久性、製造容易性、デザイン性等を考慮して適宜設計することができる。ただ補助取手14は、キャタピラ部20とは反対側の側面に設けられる構成上、キャタピラ部20を利用してスーツケース1を牽引するときに使用者によって掴まれやすい部分となるため、かかる使用態様等を考慮して設計されることが好ましい。
スーツケース本体10の底面側には、四隅にそれぞれ1つずつ、計4つの車輪12が設けられている。車輪12は、アルミ素材や合成樹脂素材等の硬質材料を所定形状に成型したものを用いて構成されている。これにより、耐久性に優れた車輪12となる。車輪12の材料は前記の例に制限されず、ゴム材料を用いれば弾性を高めることができ操作安定性に優れた車輪12を構成できる。また、ナイロン材料を用いれば軽量で耐水性に優れた車輪12を構成でき、ウレタン材料を用いれば耐摩耗性に優れた車輪12を構成できる。
このようなスーツケース1が使用者によって牽引される場合、その短辺方向であるX方向が進行方向とされやすい。そこで本実施形態では、複数の車輪12が、X方向において一方側のフロント用車輪12aと、X方向において他方側のリア用車輪12bと、から構成されている。複数の車輪12をフロント用車輪12aとリア用車輪12bとに区別して、その態様を各々変化させることにより、スーツケース1の各種性能を調節できるようになっている。
本実施形態では、スーツケース1を正面(蓋側シェル10a側)から見たときの右側(図1の右側)の車輪12がフロント用車輪12aとして構成され、左側(図1の左側)の車輪12がリア用車輪12bとして構成されている。これは、使用者が例えば利き手である右手で取手11を掴み、デザインが施されている蓋側シェル10aを外側(使用者とは反対側)に位置させて隣り合うようにスーツケース1を牽引した場合、スーツケース1を正面から見たときの右側(図1の右側)が進行方向前方となるためである。
フロント用車輪12aやリア用車輪12bは、比較的小さなコロを有する複数のキャスターによって構成されていてもよい。これにより、汎用部品を用いて車輪12を構成できる。ただし、一般的なスーツケースにおいて採用されている上記のキャスターは、コロの回転方向のみならず、取り付け軸を中心に車輪が旋回し得るような構成上、小回りを利かせる点では有利となるが、進行方向を安定的に定めたり車輪を支点としてスーツケースを傾けたりする点で不利となりやすい。
このため本実施形態では、フロント用車輪12a及びリア用車輪12bが、スーツケース1の厚さ方向(Z方向)に沿って設けられた車軸15によって回転可能に支持されるように構成されている。具体的には、フロント用車輪12a及びリア用車輪12bの中央に各々設けられた軸孔16に、Z方向において平行にスーツケース本体10に設けられた車軸15が各々差し込まれて構成されている。これにより、フロント用車輪12a及びリア用車輪12bの回転方向を規定できるため、スーツケース1を牽引するときの進行方向のブレを抑制できる。
そして、少なくともリア用車輪12bが、上記の車軸15によって回転可能にスーツケース1に支持されることで、リア用車輪12bがスーツケース本体10に強固に接続されるようになり、リア用車輪12bを支点としてスーツケースを段差方向に安定的に傾けることができるようになる。
このようなフロント用車輪12aやリア用車輪12bは、10cm以上の半径を有する大型車輪により構成されることが好ましい。特に、少なくともフロント用車輪12aは、20cm以上の半径を有する特大車輪により構成されることが好ましい。フロント用車輪12aやリア用車輪12bの半径が大きくされる分、段差上での安定性が向上する。その上、スーツケース1を牽引するときに必要となる引張力を小さくでき、進行方向のブレを抑制してスーツケース1を安定的に牽引できる。その上、地面に凹凸があったとしても、発生する騒音のレベルを抑えることができる。尚、フロント用車輪12aの半径は40cm以下、リア用車輪12bの半径は20cm以下とすることができる。この範囲内であれば、スーツケース本体10に対して車輪12が大きくなり過ぎて、シェル容量が低下することを防止できる。
一方、フロント用車輪12aやリア用車輪12bの半径は、スーツケース1のサイズに応じて変化し得るものでもある。スーツケース1のサイズを考慮すれば、フロント用車輪12aやリア用車輪12bの半径は、スーツケース本体10のY方向における長辺の長さL1の1/5以上1/3以下とすることができ、少なくともフロント用車輪12aの半径は、スーツケース本体10のY方向における長辺の長さL1の1/5以上1/3以下とすることができる。
ここで、本実施形態のスーツケース1は、スーツケース本体10の側面側に、所定のキャタピラ部20を具備している。図3(a)〜(b)は、キャタピラ部20の構成例を示す図である。このうち、図3(a)は、図2(b)のC−C線に準ずる断面図であり、図3(b)は、図3(a)のD−D線に準ずる断面図である。
キャタピラ部20は、4つの回転部材21に無端ベルト22を掛けて構成されている。回転部材21の数は4つに限られず、無端ベルト22を誘導できるような数、例えば二つ以上であればよい。回転部材21は、アルミ素材や合成樹脂素材等の硬質材料を所定形状に成型したものを用いて構成されている。これにより、耐久性に優れたキャタピラ部20となる。ただし前記の材料に制限されず、車輪12の例と基本的には同様に、ゴム材料、ナイロン材料及びウレタン材料等を適宜組み合わせて用いることができる。
また、回転部材21は、スーツケース1の厚さ方向(Z方向)に沿って設けられた車軸23によって回転可能に支持されるように構成されている。具体的には、回転部材21の中央に設けられた軸孔24に、Z方向において平行にスーツケース本体10に設けられた車軸23が差し込まれて構成されている。これにより、回転部材21をスーツケース本体10に強固に接続できる。そして、回転部材21は、その軸方向中央部の径が両端の径よりも小さくされている。すなわち、回転部材21は、軸方向の中央部では無端ベルト22に接触せず、軸方向の両端部分のみで無端ベルト22に接触するように構成されている。これにより、回転部材21及び無端ベルト22の過度な接触を防止でき、両者の過剰な摩擦を低減できるため、回転部材21によって無端ベルト22をスムーズに誘導できる。
更に、4つの回転部材21は、すべて同一形状となるように構成されている。これにより、キャタピラ部20における回転部材21の汎用性を高めることができる。そして、4つの回転部材21は、その車軸23がY方向において直線状に並ぶように等間隔に配置されている。これにより、無端ベルト22が受けるモーメントが回転部材21に均一に分散されるようになり、キャタピラ移動が良好なものとなる。また、特定の回転部材21のみにモーメントがかかり劣化が促進されることも回避できる。
ただし、回転部材21のうちY方向端部の回転部材に挟まれる回転部材を、X方向において外側(スーツケース1とは反対側)に位置するように設けてもよい。これにより、Y方向端部の回転部材と、Y方向端部の回転部材に挟まれる回転部材と、に高低差を生じさせることができるため、段差や凹凸面をより容易に乗り越えられるようになる。
このような回転部材21は、その最大半径が、3cm以上10cm以下の範囲内であることが好ましく、5cm以上8cm以下の範囲内であることがより好ましい。回転部材21の最大半径が上記の範囲内であることにより、段差上でスーツケース1を安定的に支持でき、かつスーツケース1においてキャタピラ部20が過度に大きくなることを防止できる。良好な美観も確保しやすくなる。
無端ベルト22は、硬質ゴム等の弾性材料を用いたものとして構成されているが、回転部材21によって誘導されるものであれば前記の例に制限されない。図示は省略するものの、無端ベルト22の外側(接地面側)に爪部を設けるようにしてもよい。これにより、キャタピラ部20が接地面を捉えやすくなる。また、無端ベルト22の内側(接地面とは反対側)に爪部を設けるようにしてもよい。これにより、無端ベルト22と回転部材21とのブリップ性を向上させることができるため、無端ベルト22の空回りを防止できる。無端ベルト22の内側に爪部を設ける場合、回転部材21にも、無端ベルト22の爪部に対応する爪部を形成することが好ましい。これにより、爪部同士のかみ合わせにより、両者のブリップ性をより向上させることができる。
図4(a)〜(d)は、平地におけるスーツケース1の使用態様等を示す図である。平地においてスーツケース1は、図4(a)に示すように、必要に応じて取手11を掴んだ使用者によって車輪移動させられる。このとき、スーツケース1の車輪12にかかる荷重をN、車輪12の半径をR、路面との摩擦係数を含む定数をfとすると、スーツケース1を牽引するのに要する引張力Fは、例えば下式(1)のように示される。
[式1]
F=N・f/R ・・・(1)
図4(b)に示すように、実線で表される本実施形態では、フロント用車輪12aやリア用車輪12bが大型車輪により構成されてため、点線で表されるような半径rの小型車輪を用いたスーツケースの引張力F’(=N’・f/r)よりも、引張力F(=N・f/R)が小さくなる。つまり、より小さな力でスーツケース1を車輪移動させることができる。
更に、本実施形態では、フロント用車輪12aやリア用車輪12bが大型車輪により構成されている分、その曲率が小さなものとなるため、角速度も小さなものとなる。このため、図4(c)に示すように、実線で表される本実施形態では、点線で表されるような小型車輪の速度(所定箇所pが地面の所定位置Xに衝突する速度)ω’よりも、車輪12の速度(所定箇所Pが地面の所定位置Xに衝突する速度)ωが小さくなる。また、実線で表される本実施形態では、点線で表されるような小型車輪の距離(所定箇所Pが地面の所定位置Xに衝突する軌跡の距離)よりも、車輪12の距離(所定箇所Pが地面の所定位置Xに衝突する軌跡の距離)をも小さくなる。よって、スーツケース1を車輪移動させるとき、騒音や振動のレベルを著しく抑えることができる。
その上、実線で表される本実施形態では、図4(d)に示すように、フロント用車輪12aが特大車輪により構成されているため、点線で表される小型車輪を用いたスーツケースに比べて、進行方向がブレることなく安定的にスーツケース1を牽引できる。
図5(a)〜(c)及び図6(a)〜(c)は、段差を昇るときのスーツケース1の使用態様等を示す図である。図5(a)に示すように、スーツケース1は、リア用車輪12bが段差方向に向くように必要に応じて使用者によって前後方向の向きを変えられて、段差直前まで車輪移動させられる。
この場合、図5(b)に示すように、リア用車輪12bは、その外周面N1の少なくとも一部が、キャタピラ部20における無端ベルト22によって成される平面N2よりも外側(X方向においてスーツケース1とは反対側)に位置するようにスーツケース本体10に設けられることが好ましい。これにより、図5(c)に示すように、段差の壁部に対してリア用車輪12bを当接点M1において突き当てることができる。以降、当接点M1によってスーツケース1を支持しながらスーツケース1を安定的に傾けることができるようになる。
次いで、図6(a)に示すように、リア用車輪12bを支点に傾けられたスーツケース1は、使用者によって段差に沿って持ち上げられる。そうすると、スーツケース1のキャタピラ部20が段差の角部に接地する。この場合、取手11が設けられた上面側と、車輪12が設けられた底面側と、の中央線Lmに沿って二分割したときに、中央線Lmから上面側のキャタピラ部20aの距離D1よりも、中央線Lmから底面側のキャタピラ部20bの距離D2の方が長いことが好ましい。これにより、図6(a)に示すように、リア用車輪12bを支点としてスーツケース1を傾けてから、底面側のキャタピラ部20を段差の角部に当接点M2において早期に接地させることができる。
その後、図6(b)〜(c)に示すように、スーツケース1は、必要に応じて取手11から補助取手14に持ち替えられ、段差に沿って牽引される。この場合、キャタピラ部20の上面側端部及びリア用車輪12bの底面側端部までの合計長さL2が、段差の角部の少なくとも二点以上(図6(c)では三点)に接地する長さとなるように構成されることが好ましい。これにより、段差上でスーツケース1を安定的に支持できる。
階段の寸法は、法規制によって建物の用途や面積規模によって定められているため、かかる建物の階段の寸法に対応できるようにキャタピラ部20の上面側端部及びリア用車輪12bの底面側端部までの合計長さL2を設計できる。一例として、キャタピラ部20の上面側端部及びリア用車輪12bの底面側端部までの合計長さL2は、20cm以上50cm以下とすることが好ましく、30cm以上40cm以下とするのがより好ましい。この範囲内の長さであれば、あらゆる建物の段差に対応しやすくなる。
図7(a)〜(d)は、段差を降りるときのスーツケース1の使用態様等を示す図である。図7(a)に示すように、スーツケース1は、フロント用車輪12aが段差方向に向くように使用者によって段差直前まで車輪移動させられる。
次いで、図7(b)に示すように、スーツケース1は、フロント用車輪12a側から階段の段差に沿って数段降ろされる。本実施形態では、フロント用車輪12aとして特大車輪が用いられているため、段差に沿って比較的安定的にスーツケース1を降ろすことができ、そのときに発生する騒音や振動のレベルをも抑制できる。
そして、図7(c)に示すように、スーツケース1を、今度はリア用車輪12bが段差に接地するように段差方向に傾けられ、引き続き、リア用車輪12bを支点にスーツケース1が段差方向に更に傾けられる。この場合、リア用車輪12bが段差の壁部に突き当たり、そしてキャタピラ部20が段差の角部に接地して、上記の昇りの場合で説明した作用効果と同種の作用効果が得られる。その後、スーツケース1は、必要に応じて取手11から補助取手14に持ち替えられ、図7(d)に示すように段差に沿って牽引される。
以上、本実施形態のスーツケース1によれば、リア用車輪12bを支点としてスーツケースを傾けることで、キャタピラ部20を段差の角部に接地させ段差をスムーズかつ容易に昇降できる。また、段差に限られず、キャタピラ部20を利用して平地は勿論、平地以外の凹凸面等であっても、スムーズかつ容易にスーツケース1を牽引できる。
(実施形態2)
本実施形態に係るスーツケースは、実施形態1と比べてサイズが異なるものである。すなわち実施形態1では、例えば約100L又はそれ以上の容量を有する大型タイプを説明したが、本実施形態ではそれより小型の、航空機に持込みできる機内持込みタイプのスーツケースについて説明する。
機内持込みタイプのスーツケースは、例えば約40L又はそれ以下の容量を有し、実施形態1の大型タイプに比べて小型ではある。一方、機内に持ち込めるため荷物を預ける必要がなく、また、比較的小型であるがゆえに使用者の用途に適合しやすく使用頻度が増える分、平地以外の路面を移動する機会が多くなる傾向がある。このように、機内持込みタイプのスーツケースでも、平地以外の路面を移動するのに困難となる場合が多いことには変わりはない。よって、機内持込みタイプのスーツケースに本発明を適用することで、段差をスムーズかつ容易に昇降できる機内持込みタイプのスーツケースを提供できる。
機内持込みタイプのスーツケースを構成する場合、車輪12を含む全体の寸法を、航空機の機内に持込みできる最大の大きさよりも小さくする必要がある。本実施形態では、取手11、車輪12及びキャタピラ部20等を含めたスーツケースの最大寸法が、例えば約55×約40×約25cm以下となるように構成されている。尚、このような機内持込みタイプに限られず、本発明は、例えば40Lより大きく100Lより小さい容量を有するスーツケースにも適用可能である。
(実施形態3)
図8(a)〜(c)は、本実施形態に係るスーツケースの構成例を示す側面図である。本実施形態に係るスーツケースは、実施形態1と比べてキャタピラ部の態様が異なるものである。
図8(a)に示すように、スーツケース1Aは、実施形態1よりもY方向の長さが長いキャタピラ部20aを具備するように構成されてもよい。例えば、キャタピラ部20aのY方向における厚さが、スーツケース本体10のY方向における厚さの1/1.1以上1/1.5以下となるように構成されてもよい。これにより、スーツケース本体10に対するキャタピラ部20の接地割合を大きくでき、スーツケース1Aを安定的に牽引できる。
また、図8(b)に示すように、スーツケース1Bは、複数のキャタピラ部20bを具備するように構成されてもよい。例えば、Z方向に2つ、すなわち計2列のキャタピラ部20bを具備するような態様が採用されてもよい。この場合においても、スーツケース本体10に対するキャタピラ部20bの接地割合を大きくでき、スムーズかつ容易にスーツケース1Bを牽引できる。
また、図8(c)に示すように、スーツケース1Cは、実施形態1よりも幅広のキャタピラ部20cを具備するように構成されてもよい。例えば、キャタピラ部20aのZ方向における厚さが、スーツケース本体10のZ方向における厚さの1/1.1以上1/1.5以下となるように構成されてもよい。この場合においても、スーツケース本体10に対するキャタピラ部20cの接地割合を大きくでき、スムーズかつ容易にスーツケース1Cを牽引できる。
(実施形態4)
図9(a)〜(c)は、本実施形態に係るスーツケースの構成例を示す正面図である。本実施形態に係るスーツケースは、実施形態1と比べて車輪や補助取手の態様が異なるものである。
図9(a)に示すように、スーツケース1Dは、フロント用車輪12cとして一般的なスーツケースにおいて採用されているのと同様のキャスターを用いるように構成されてもよい。これにより、汎用部品を用いてフロント用車輪12cを構成できる。
また、図9(b)に示すように、スーツケース1Eは、フロント用車輪12a及びリア用車輪12dの何れも特大車輪を用いるように構成されてもよい。これにより、フロント用車輪12a及びリア用車輪12dの何れの半径が特に大きい分、段差上での安定性が向上する。フロント用車輪12a及びリア用車輪12dとして同一部品が用いられれば、部品の汎用性も高めることができる。
また、図9(c)に示すように、スーツケース1Fは、実施形態1よりもY方向の長さの長い補助取手14aを具備するように構成されてもよい。例えば、補助取手14aのY方向における長さが、スーツケース本体10のY方向における長さの1/1.1以上1/2以下となるように構成されてもよい。これにより、使用者が補助取手14aを持つ部分の選択性を向上させることができる。よって、例えばキャタピラ部20を利用してスーツケース1Fを牽引する場合、該スーツケース1Fを扱いやすくなる。その他、Y方向に沿って、補助取手を複数設けるようにスーツケースが構成されていてもよい。これによっても、キャタピラ部20を利用してスーツケースを牽引するときに、使用者が補助取手を持つ部分の選択性を向上させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば実施形態1では、リア用車輪12bの外周面N1の少なくとも一部が、キャタピラ部20の無端ベルト22によって成される平面N2と同一又は該平面N2よりも外側(X方向においてスーツケース1とは反対側)に位置するように構成され、段差の壁部に対してリア用車輪12bを当接点M1において突き当てた上で段差方向に傾けることができるスーツケース1について説明したが、前記の例に制限されない。
すなわち、スーツケース1Gは、リア用車輪12bの外周面N1の少なくとも一部が、キャタピラ部20の無端ベルト22によって成される平面N2よりも内側(X方向においてスーツケース1側)に位置するように構成されてもよい。言い換えれば、リア用車輪12bとして大径車輪が用いられているがその車軸15の配置位置が内側であるため、段差方向に車輪移動させてもリア用車輪12bが段差の壁部に当接しない態様や、リア用車輪12bが段差の壁部に当接するが該リア用車輪12bの径が段差の高さよりも小さい態様が採用されてもよい。
この場合、図10(a)に示すように、スーツケース1Gが使用者によって段差方向に車輪移動させられると、段差の壁部に、リア用車輪12bではなくキャタピラ部20が接地し得る。そうすれば、図10(b)に示すように、キャタピラ部20と階段の段差との当接点M3を支点としてスーツケース1を傾けることができるので、この場合も段差をスムーズかつ容易に昇降できる。
その他、車輪12には必要に応じて公知のストッパー機能を付与したり、キャタピラ部20を電動式にしたりしてもよい。以上説明した実施形態は、適宜組み合わせることが可能である。更に、以上説明した実施形態は、スーツケースだけではなく、他の大型カバンにおいても同様に適用可能である。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G スーツケース
10 スーツケース本体
10a 蓋側シェル
10b 身側シェル
11 取手
12 車輪
12a,12c フロント用車輪
12b,12d リア用車輪
13 合わせ部分
14,14a 補助取手
15 車軸
16 軸孔
20,20a,20b,20c キャタピラ部
21 回転部材
22 無端ベルト

Claims (6)

  1. 開閉自在なスーツケース本体と、
    前記スーツケース本体の上面側に設けられた取手と、
    前記スーツケース本体の底面側に設けられた複数の車輪と、
    前記スーツケース本体の側面側に設けられ、2以上の回転部材に無端ベルトを掛けて形成されたキャタピラ部と、を具備することを特徴とするスーツケース。
  2. 複数の前記車輪のうち前記キャタピラ部側に設けられたリア用車輪は、その外周面の少なくとも一部が、前記キャタピラ部の前記無端ベルトによって成される平面と同一又は前記平面よりも外側に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスーツケース。
  3. 複数の前記車輪のうち、前記キャタピラ部側に設けられたリア用車輪は、前記スーツケースの厚さ方向に沿って設けられた車軸によって回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスーツケース。
  4. 前記車輪は10cm以上の半径を有する大型車輪であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスーツケース。
  5. 複数の前記車輪のうち、少なくとも前記キャタピラ部とは反対側に設けられたフロント用車輪は20cm以上の半径を有する特大車輪であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスーツケース。
  6. 前記スーツケース本体を、前記取手が設けられた前記上面側と、前記車輪が設けられた前記底面側と、の中央線に沿って二分割したときに、
    前記中央線から前記上面側の前記キャタピラ部の距離よりも、前記中央線から前記底面側の前記キャタピラ部の距離の方が長いことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のスーツケース。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018052484A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 川口 明 全方向車輪ユニット、及びそれを用いたスーツケース

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