JP2015156805A - ポリメラーゼ阻害剤の阻害活性の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便、迅速かつ信頼性の高いポリメラーゼ阻害剤、特に逆転写酵素阻害剤の阻害活性の測定方法を提供することを解決すべき課題とした。
【解決手段】標識物質を含むプライマー、並びに該プライマー結合部位配列、阻害剤相補配列及びポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列を含むテンプレートを用いることにより、ポリメラーゼ阻害剤に対する薬剤耐性の検出を簡便、迅速かつ信頼性が高く行えることを見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリメラーゼ阻害剤、特に逆転写酵素阻害剤の阻害活性の測定方法に関する。より詳しくは、標識物質を含むプライマー、並びに該プライマー結合部位配列、阻害剤相補配列及びポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列を含むテンプレートを用いることにより、簡便、迅速かつ信頼性の高いポリメラーゼ阻害剤の阻害活性の測定方法に関する。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はすでに全世界の1%の人が感染したという証拠があり、今も着実に感染が広がっている。GLOBAL HIV/AIDS RESPONSE - Epidemic update and health sector progress towards Universal Access - Progress Report 2011 (Nov. 2011: WHO/UNAIDS/Unicef)によれば、エイズの病原ウイルスであるHIVの感染者は世界中で3400万人であり、年間の新規感染者が270万人、感染が原因の死亡が180万人、と報告されている。最近のHAART療法{アジドチミジン(AZT)などの逆転写酵素阻害剤とプロテアーゼ阻害剤の、2〜4剤を併用する強化治療法}の確立により、患者の生命予後は改善したものの、一方で長期療養患者が増加し、既存の薬剤に対する耐性の問題や免疫再構築症候群などの新たな合併症も出現した。
HIV等のレトロウイルスは細胞に感染後増殖の第一歩として自らのRNA遺伝子を鋳型として相補性DNAを合成するが、その場合に働く酵素が逆転写酵素である。
HIVの治療方法としてHAART療法の確立によりエイズの発症を遅らせることが可能となってきている。しかし、これらの薬剤においても、耐性ウイルスの出現や副作用により、治療効果にも限界が見られる場合が多くなっている。
より詳しくは、ウイルスの特性である高い変異発現率、特に逆転写酵素への変異導入率の高さから、投与薬剤に対する耐性ウイルスが容易に出現し、不用意な薬剤の選択により、同一作用機序に基づく複数薬剤に耐性のウイルスを出現させ、以後の治療に困難をきたすことも報告されている。
逆転写酵素阻害剤を用いた治療では、迅速かつ正確に患者ウイルスの薬剤耐性を検出し、個々の患者のウイルスに最も効果的な薬剤を選択することが重要である。
HIV治療において、有効な抗HIV-1薬剤選択法としてGenotypingとPhenotypingの薬剤耐性試験法が確立されている(非特許文献1)。
GenotypingはHIV-1 pol遺伝子領域の増幅による塩基配列解析を行う。しかしながら、検体中のウイルスゲノムの逆転写酵素あるいはプロテアーゼをコードする遺伝子のアミノ酸変異による薬剤耐性予測と、患者の薬理学的な薬剤耐性の成績が一致しないことが多々報告されている。
Phenotypingは薬剤耐性を直接試験する方法である。しかし、細胞を用いたウイルスの薬剤耐性試験では結果が得られるのに数ヶ月かかることがあり、多大な労力と多額の費用を要することから多検体を処理するには不適である。
以上により、上記問題点を克服するために、いくつかの特許出願がされている又は測定キットが販売されている(参照:下記特許出願)。
特開2002-191399(特許文献1)は、「HIV-1感染により分泌型レポータータンパク質を発現することができる動物細胞を被験薬剤の存在下においてHIV-1を含む試料と接触させ、HIV-1感染により培養上清に分泌されるレポータータンパク質を検出することを特徴とする、HIVの薬剤耐性の試験方法」を開示している。
しかし、本公報に記載のHIV薬剤耐性の検出方法は、HIV-1感染細胞を使用するので、本発明の方法とは明らかに異なる。
特表2002-508158(特許文献2)は、「レポータータンパク質のレポーター機構に基づく薬剤耐性標的タンパク質を含むコロニーを同定することを特徴とするHIVの薬剤耐性の検出方法」を開示している。
しかし、本公報に記載のHIV薬剤耐性の検出方法は、細菌レポーター系を使用するので、本発明の方法とは明らかに異なる。
WO2009/150845(特許文献3)は、最適な抗ウイルス剤の選択方法を開示している。
しかし、本公報に記載の逆転写酵素のプライマー及びテンプレートは、本発明で使用するプライマー及びテンプレートの構造とは明らかに異なる。
HIVのようなレトロウイルス由来の逆転写酵素活性を測定する方法として、以下のキットが市販されている。
Quan-T-RT assay system(GE Healthcare)、EnzChek(R) Reverse Transcriptase Assay Kit(Invitrogen)、Lenti RT Activity Kit(Cavidi AB)、Reverse Transcriptase Assay, colorimetric(Roche Applied Science)
上記いずれのキットもテンプレートがpoly-Aであり、本発明のテンプレートと明らかに構造が異なる。加えて、該キットは、逆転写酵素活性を測定することを目的としている。何れのキットも非核酸系やチミジン類縁体の核酸系逆転写酵素阻害剤の阻害活性を測定することはできるが、他の核酸類縁体の阻害活性は測定できない。それぞれに相補性を示す核酸類縁体のポリヌクレオチドをテンプレートとして準備する必要がある。
特開2002-191399号公報 特表2002-508158号公報 WO2009/150845号公報
Guidelines for the Use of Antiretroviral Agents in HIV-1-Infected Adults and Adolescents (Last updated Mar. 27, 2012 by HHS Panel on Antiretroviral Guidelines for Adults and Adolescents)
本発明は、上記した問題点を解決すべき課題とした。より詳しくは、本発明は、簡便、迅速かつ信頼性の高いポリメラーゼ阻害剤、特に逆転写酵素阻害剤の阻害活性の測定方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために、標識物質を含むプライマー、並びに該プライマー結合部位配列、阻害剤相補配列及びポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列を含むテンプレートを用いることにより、ポリメラーゼ阻害剤に対する薬剤耐性の検出を簡便、迅速かつ信頼性が高く行えることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、個別患者に最適な、テーラーメイド型ポリメラーゼ阻害剤の選択方法を提供する。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.ポリメラーゼ阻害剤の阻害活性の測定方法であって、
ポリメラーゼ、1又は複数のポリメラーゼ阻害剤、テンプレート、標識物質を含むプライマー、並びに標識物質を含むヌクレオチドを接触させ、該ポリメラーゼのポリメラーゼ活性を測定する、
ここで、該テンプレートがYSDを含み、Yがプライマー結合部位配列であり、Sが阻害剤相補配列であり、Dが該ポリメラーゼのポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列であり、該プライマーが標識物質を含むXであり、XがYにハイブリダイズし、並びにX及びYは、DNA、RNA又はキメラポリヌクレオチドのいずれかであることを特徴とする測定方法。
2.前記テンプレートが3'−YSD−5'を含み、並びに前記プライマーが5'−標識物質を含むX−3'を含む、前項1の測定方法。
3.前記ポリメラーゼが逆転写酵素である前項1又は2の測定方法。
4.前記逆転写酵素の逆転写酵素活性をALPHA(増幅発光近接ホモジニアスアッセイ)で測定することを特徴とする前項1〜3のいずれか1の測定方法。
5.前記ALPHAが以下の工程を含む前項2〜4のいずれか1の測定方法:
(1)逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、テンプレート、標識物質を含むプライマー、標識物質を含むヌクレオチド、該プライマーの標識物質若しくは該ヌクレオチドの標識物質を直接的若しくは間接的に認識可能なアクセプタービーズ、並びに該プライマーの標識物質若しくは該ヌクレオチドの標識物質を直接的又は間接的に認識可能なドナービーズを接触させる工程;
(2)該アクセプタービーズと該ドナービーズ間のシグナル強度変化により、該逆転写酵素の活性を検出する工程。
6.前記工程(1)が以下であることを特徴とする前項5の測定方法、
逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、前記テンプレート、標識物質としてDIGを含むプライマー、標識物質としてビオチンを含むヌクレオチド、該DIGを直接的若しくは間接的に認識可能なアクセプタービーズ、並びに該ビオチンを直接的若しくは間接的に認識可能なアビジンまたはストレプトアビジンが結合したドナービーズを接触させる工程、又は、逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、前記テンプレート、標識物質としてビオチンを含むプライマー、標識物質としてDIGを含むヌクレオチド、該DIGを直接的若しくは間接的に認識可能なアクセプタービーズ、並びに該ビオチンを直接的若しくは間接的に認識可能なアビジンまたはストレプトアビジンが結合したドナービーズを接触させる工程。
7.前記逆転写酵素を、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系で発現させることを特徴とする前項3〜6のいずれか1の測定方法。
8.前記逆転写酵素をウイルス感染患者由来の試料から発現させることにより、該患者に適した該ウイルス由来の逆転写酵素の逆転写酵素阻害剤を選択することを特徴とする前項3〜7のいずれか1の測定方法。
9.逆転写酵素阻害剤の阻害活性の測定に使用するためのテンプレートであって、
該テンプレートが3'−YSD−5'であり、Yがプライマーとハイブリダイズするための配列であり、Sが該逆転写酵素の阻害剤相補配列で、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシルを少なくとも1個以上含む任意の組み合わせから構成されたポリヌクレオチドを含み、Dが該逆転写酵素の逆転写酵素活性検出感度増強部位配列であり、ここで、Dがポリアデニンを含むことを特徴とする。
10.逆転写酵素阻害剤の阻害活性測定用キットであって、
5'−標識物質を含むX−3'からなるプライマー並びに前項9に記載のテンプレートを含むことを特徴するキット。
本発明は、個別患者に最適な、テーラーメイド型ポリメラーゼ阻害剤、特に逆転写酵素阻害剤の選択に当たり、簡便、迅速かつ信頼性の高い阻害剤の阻害活性の測定方法を提供する。
本発明のプライマーとテンプレートの模式図 ALPHAを使用したin vitroでの逆転写酵素の薬剤耐性検出の模式図 標識物質を含むプライマーを用いた測定系での逆転写酵素活性の測定 テンプレート/プライマー濃度による逆転写酵素活性の変化 核酸系阻害剤又は非核酸系阻害剤による逆転写酵素活性の阻害効果 テンプレートの相違による逆転写酵素活性の阻害活性の検出結果 Stanford薬剤耐性データベース 3TCTPによる薬剤耐性逆転写酵素の逆転写酵素活性に対する阻害活性の確認 薬剤耐性逆転写酵素の逆転写酵素活性に対する逆転写酵素阻害剤の阻害活性の確認 ATP添加による逆転写酵素活性の阻害活性の検出感度向上効果
本発明のポリメラーゼ阻害剤、特に逆転写酵素阻害剤の阻害活性の測定方法は、主に以下の特徴を有する。
(1)標識物質を含むプライマー、並びに該プライマー結合部位配列、阻害剤相補配列及びポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列を含むテンプレートを用いることにより、ポリメラーゼ活性に基づくシグナルが増大し、ポリメラーゼ阻害剤の阻害活性の検出感度が高くなる。つまり、ポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列をテンプレートに導入することにより、シグナル値の増大のみならず、シグナル値/ノイズ値の比率を高めることができる。
(2)ポリメラーゼを、好ましくは、ベクターに導入することなく転写鋳型を合成し、さらに翻訳鋳型にして、無細胞タンパク質合成系により発現する。これにより、ベクターに導入する必要がないので、簡便かつ迅速にポリメラーゼを発現することができる。
(3)ポリメラーゼ阻害剤の阻害活性を好ましくはホモジニアスアッセイで検出する。これにより、すべての工程で精製を必要としないので、簡便、迅速かつ容易にポリメラーゼ阻害剤の阻害活性を測定することができる。
(4)4種類の塩基、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル/チミンを含むヌクレオチドを少なくとも1個以上含む任意の組み合わせから構成された阻害剤相補配列を導入したテンプレートを使用することにより、非核酸系阻害剤を含め、核酸系阻害剤の種類に関係なく逆転写酵素阻害剤の阻害活性を1種類のテンプレートで測定することができる。
(本発明の測定方法)
本発明の測定方法では、少なくとも標識物質を含むプライマー、並びに該プライマー結合部位配列、阻害剤相補配列及びポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列を含むテンプレートを用いることを特徴とする(参照:図1)。
(ヌクレオチド)
「ポリヌクレオチド」とは塩基と糖とが共有結合した化合物であるヌクレオシドの糖分子にリン酸基がエステル結合した化合物であるヌクレオチドを構成単位とした高分子物質である。
「DNA」とは、糖部分がデオキシリボースであり、かつ、アデニン、グアニン、シトシン、チミンからなる群より選ばれた塩基を含むヌクレオチドから構成されるポリヌクレオチドである。
「RNA」とは、糖部分がリボースであり、かつ、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシルからなる群より選ばれた塩基を含むヌクレオチドから構成されるポリヌクレオチドである。
「キメラポリヌクレオチド」とはDNAを構成するヌクレオチド及びRNAを構成するヌクレオチドから構成される2mer以上のポリヌクレオチドを意味する。
なお、本発明では、単に「ポリヌクレオチド」と表現した場合には、DNA、RNA又はキメラポリヌクレオチドを意味する。
(標識物質を含むプライマー)
本発明の「標識物質を含むプライマー(5'−標識物質を含むX−3'からなるプライマー)」のヌクレオチド配列は、下記で説明するテンプレートのプライマー結合部位配列とハイブリダイズすることができれば特に限定されない。
また、「標識物質を含む」とは、プライマーのヌクレオチド配列のいずれかの位置、好ましくは、該配列の5'末端に直接的又は間接的に標識物質が結合していることを意味する。
プライマー長としては、5〜40mer、好ましくは10〜30mer、より好ましくは13〜20merである。
(テンプレート)
本発明のテンプレートは、少なくとも、プライマー結合部位配列(Y)、阻害剤相補配列(S)及びポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列(D)を含む。
プライマー結合部位配列(Y)のヌクレオチド配列は、上記で説明した標識物質を含むプライマーとハイブリダイズすることができれば特に限定されない。
阻害剤相補配列(S)のヌクレオチド配列は、ポリメラーゼの鋳型配列である。
該配列は、ポリメラーゼがDNA依存性DNAポリメラーゼの場合には、アデニン、グアニン、シトシン、チミンを少なくとも1個以上含む任意に組み合わせたDNA配列である。
該配列は、ポリメラーゼがRNA依存性DNAポリメラーゼの場合には、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシルを少なくとも1個以上含む任意に組み合わせたRNA配列である。
該配列は、ポリメラーゼがDNA依存性RNAポリメラーゼの場合には、アデニン、グアニン、シトシン、チミンを少なくとも1個以上含む任意に組み合わせたDNA配列である。
また、該配列は、ポリメラーゼがRNA依存性RNAポリメラーゼの場合には、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシルを少なくとも1個以上含む任意に組み合わせたRNA配列である。
逆転写酵素の阻害剤相補配列(S)のヌクレオチド配列長は、4〜40mer、好ましくは8〜20merである。
好ましくは、4種類のヌクレオチドを均等に含み、任意に組み合わせたヌクレオチド配列とする。例えば、該配列が12merでありかつRNAの場合には、3個のアデニン、3個のグアニン、3個のシトシン、3個のウラシルを任意に組み合わせた配列から成る一本鎖RNAとする。
ポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列(D)のヌクレオチド配列は、ポリメラーゼが標識物質を含むヌクレオチドを取り込む(ポリメラーゼ活性に利用する)確率を向上させるためのヌクレオチド配列である。よって、ポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列(D)のヌクレオチド配列のヌクレオチドは、標識物質を含むヌクレオチドと相補している。
例えば、標識物質を含むヌクレオチドがdUTP(2'-Deoxyuridine 5'-triphosphate)の場合には、ポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列(D)のアデニン割合が70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上、99%以上含まれる。より好ましくは、ポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列(D)のヌクレオチド配列がアデニンのみで構成されている{poly(A)}。
なお、テンプレートの安定性を考慮すると、ポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列(D)のヌクレオチド配列はpoly(A)が好ましい。ポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列(D)のヌクレオチド配列長は、5〜40mer、好ましくは8〜30mer、より好ましくは10〜20merである。
加えて、本発明のテンプレートは、プライマー結合部位配列(Y)、阻害剤相補配列(S)及びポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列(D)に加え、他の配列又は付加体(プレートに固定させるためのリンカー等)を追加しても良い。
本発明の逆転写酵素阻害剤の阻害活性の測定方法で使用する好ましいテンプレートは、3'−YSD−5'であり、より具体的な配列は、RNA3(AAAAAAUGCAGUCAGCUAGCUACGUGAACUCCAAGAUCCA:配列番号1)、RNA4(AAAAAAAAAAAAAAGCUAGCUACGUGAACUCCAAGAUCCA:配列番号2)及びRNA5(AAAAAAAAAAAAAGCUGCUCGUCGUGAACUCCAAGAUCCA:配列番号4)であり、特に好ましいテンプレートはRNA5である。
(標識物質を含むヌクレオチド)
本発明の標識物質を含むヌクレオチドは、該ヌクレオチドに直接的又は間接的に標識物質が結合していることを意味する。また、該ヌクレオチドの種類は、ポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列(D)のヌクレオチド配列のヌクレオチドの種類と相補している。
例えば、本発明では好ましくは、Biotin-16-dUTP(Biotin-16-2'-deoxy-uridine-5'-triphosphate)、Biotin-20-dUTP(Biotin-20-2'-deoxyuridine-5'-triphosphate)を使用し、より好ましくはBiotin-16-dUTPを使用する。
(標識物質)
本発明の「標識物質」とは、ポリメラーゼのポリメラーゼ活性を検出・測定するために、プライマー、ヌクレオチド等に直接又は間接的に結合している物質である。
例えば、本発明では好ましくは、以下の組み合わせを使用するが、ポリメラーゼ活性の検出に使用できるものであれば特に限定されない。
標識物質を含むプライマーの標識物質/標識物質を含むヌクレオチドの標識物質の組み合わせとしてDIG(Digoxigenin)/ビオチン、ビオチン/DIG(Digoxigenin)、Dabcyl/FITC、FITC/Dabcylが例示される。
(ポリメラーゼ阻害剤)
本発明の「ポリメラーゼ阻害剤」は、患者体内のウイルス由来のポリメラーゼのポリメラーゼ活性を阻害する薬剤を意味する。
例えば、ポリメラーゼ阻害剤は、DNAポリメラーゼ阻害剤(特に、逆転写酵素阻害剤)、RNAポリメラーゼ阻害剤等を意味する。
(逆転写酵素阻害剤)
本発明の「逆転写酵素阻害剤」は、患者体内のウイルス(レトロウイルス、より詳しくはレンチウイルス)由来の逆転写酵素の逆転写酵素活性を阻害する薬剤を意味する。
例えば、HIV-1感染症治療薬、SIV感染症治療薬、FIV感染症治療薬、Visna virus感染症治療薬、HBV 感染症治療薬、HSV感染症治療薬等が挙げられる。
さらに、本発明の「逆転写酵素阻害剤」は、現段階で上市されていない、研究段階又は臨床試験段階の逆転写酵素阻害剤も対象とする。
なお、各種の核酸系逆転写酵素阻害剤は、活性型である3リン酸型になり、それぞれdTTP、dATP、dCTP、dGTP等の代わりにウイルスDNA中に取り込まれる。そして、取り込まれた結果、DNA鎖伸長が停止してウイルスの増殖が阻害される{下記表1(核酸系逆転写酵素阻害剤及び非核酸系逆転写酵素阻害剤の種類)参照}。
すなわち従来は、核酸系逆転写酵素阻害剤の阻害活性測定には、対象となる阻害剤の種類に応じてそれぞれ異なるテンプレート(逆転写酵素によって認識される一本鎖ポリヌクレオチド)を使用していた。しかし、本発明による、4種類のアデニン、グアニン、シトシン、ウラシルをすべて1個以上含む任意に組み合わせたヌクレオチド配列より構成する、阻害剤相補配列を導入したテンプレートを使用することにより、1種類のテンプレートで、核酸系逆転写酵素阻害剤及び非核酸系逆転写酵素阻害剤の種類に関係なく逆転写酵素阻害剤の阻害活性を測定することができる。
なお、無細胞系で核酸系逆転写酵素阻害剤の阻害活性を測定する場合、通常細胞内で生じる阻害剤のリン酸化が起きないので、核酸系阻害剤は予めリン酸付加型(3リン酸型)として使用する。例えば、TDFのリン酸付加型のTDFDP、3TCのリン酸付加型の3TCTP、AZTのリン酸付加型のAZTTPを使用する。
(逆転写酵素)
逆転写酵素としては、ウイルス由来の逆転写酵素が好ましい。逆転写酵素を有するウイルスとしては、レトロウイルス科に属するウイルスが挙げられる。レトロウイルス科にはレンチウイルス亜科、オンコウイルス亜科、スプーマウイルス亜科等が知られている。
本発明の「逆転写酵素」は、患者試料から取得した逆転写酵素遺伝子、公知の逆転写酵素遺伝子配列の情報、特に薬剤耐性が公知の逆転写酵素遺伝子配列の情報、野性型逆転写酵素遺伝子配列の情報を基にして、公知のタンパク質発現系(特に、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系)を用いて発現することができる。
なお、薬剤耐性が公知のHIV-1逆転写酵素のデータベースとしては、The French ANRS(National Agency for AIDS Research, http://www.hivfrenchresistance.org/index.html)やスタンフォード大学HIV Drug Resistance Database(http://hivdb.stanford.edu/index.html)を利用することができる。
さらに、本発明の「逆転写酵素」は、患者試料から取得、精製した逆転写酵素も利用することができる。
(試料)
本発明の「試料」は、各ウイルスに感染したヒト(または哺乳動物)から直接的に、あるいは培養後に得られる生物学的材料を意味する。生物学的材料は、例えば、あらゆる種類の痰、気管支洗浄物、血液(血漿)、皮膚組織、生検物、精液、リンパ球血液培養物、コロニー、液体培養物、糞試料、尿等であってもよい。特に好ましくは、血液(血漿)である。
さらに、患者試料とは、患者由来の上記試料から抽出したウイルスRNAを含む画分(溶液又は固体のいずれの状態でも良い)を意味する。
(接触)
本発明の各工程における「接触」とは、A溶液をB溶液に添加する、又はB溶液をA溶液に添加することを意味する。
例えば、遺伝子増幅溶液を患者由来の試料に接触させる場合には、遺伝子増幅溶液を患者由来の試料に添加しても、又は患者由来の試料を遺伝子増幅溶液に添加しても良い。
(ポリメラーゼをコードする遺伝子を増幅させるためのプライマー)
ポリメラーゼ、特に逆転写酵素をコードする遺伝子を増幅させるためのプライマーは、増幅されるべきポリヌクレオチド鎖に対して相補的なポリヌクレオチドを意味する。プライマーは約3〜100mer、好ましくは5〜70mer、より好ましくは10〜50merである。
なお、ポリメラーゼをコードする遺伝子を増幅させるためのプライマーは、ポリメラーゼ遺伝子の生理活性に関与する配列部分以外の配列に特異的にハイブダイズすることを特徴とする。これにより、ポリメラーゼの生理活性に関与するすべてのアミノ酸の変異を検出することができる。
なお、「生理活性に関与しない配列」とは、ポリメラーゼ、特に逆転写酵素固有の作用(例えば、逆転写酵素反応等)に必要なヌクレオチド配列以外の配列を意味する。
ポリメラーゼ、特に逆転写酵素をコードする遺伝子を増幅させるためのプライマーは、より特異的に生理活性に関与する配列部分以外の配列にハイブリダイズするために、自体公知のnested PCR或いは本出願の発明者が発明したプロモーター分断型プライマーを使用することが好ましい(参照:WO02/018586)。
なお、「プロモーター分断型プライマー」とは、「5'側プライマーとして、1種類のプライマーのみを用いて構築されたDNAからの転写が起こらないという条件を満たす2種類のプライマー(プロモーターの5'末端から少なくともプロモーター機能部位の一部分を含むヌクレオチド配列に相補的な配列を有するポリヌクレオチドと、プロモーターの3'末端から少なくともRNAポリメラーゼ認識部位の一部分を含むヌクレオチド配列に相補的な配列を有するポリヌクレオチド)と3'側プライマー」から構成される。
なお、個々の長さ及び配列は、必要遺伝子の複雑性及び温度並びにイオン強度に依存する。
(遺伝子増幅溶液)
本発明の「遺伝子増幅溶液」は、試料中のウイルス由来のポリメラーゼ、特に逆転写酵素のRNAを逆転写によりDNAにして、さらに該DNAを増幅させることができる必須の成分が含まれる溶液を意味する。
例えば、遺伝子増幅溶液がPCRを実行するための溶液であれば、逆転写酵素、dNTPs、ポリメラーゼ、上記段落に記載のプライマーを含む。
また、DNAを増幅するにはPCR以外では、NASBA法(Nucleic Acid Sequence Based Amplification 法、Nature,350,91-92,1991、特許第 2648802号公報及び特許第 2650159号公報記載)及びLAMP法(Loop‐mediated isothermal amplification of DNA法、特開2001-242169号公報)などを利用することができる。
加えて、本発明では、逆転写工程とDNA増幅工程を分けて行うこともできる。さらに、転写鋳型構築工程とDNA増幅工程を分けて行うこともできる。
なお、本発明では、発現プラスミドに導入しないので、大腸菌形質転換工程及び鋳型DNAが導入されたクローンの選定工程を必要としない。さらに、一旦プラスミドを大量調製して、これを制限酵素処理して転写鋳型を得る方法と比較して、工程を格段に簡略化でき、少ない工程数で短時間での転写鋳型の大量合成が可能となる。すなわち、ポリメラーゼ、特に逆転写酵素をコードするDNAを組み込んだプラスミドを調製する工程を必要としないので、プラスミド精製のための超遠心を省略することができる。
(転写溶液)
本発明の「転写溶液」は、増幅したポリメラーゼ、特に逆転写酵素遺伝子(DNA)を翻訳鋳型にするための必須の成分が含まれる溶液を意味する。
例えば、RNAポリメラーゼ(例えば、SP6RNAポリメラーゼ等)やRNA合成用の基質(4種類のリボヌクレオシド3リン酸)等の転写反応に必要な成分を含む溶液である。なお、転写反応は、約20℃〜約60℃、好ましくは約30℃〜約42℃で、約30分間〜約16時間、好ましくは約2時間〜約5時間該溶液をインキュベートすることにより行われる。
なお、本発明では、ポリメラーゼ、特に逆転写酵素の翻訳鋳型を含む転写後の転写溶液は、精製することなく、下記無細胞タンパク質合成系に添加することにより、ポリメラーゼ、特に逆転写酵素を容易に発現することができる。これにより、簡便かつ迅速に多種類及び/又は大量のポリメラーゼ、特に逆転写酵素を調製することができる。
(無細胞タンパク質合成系)
本発明の「無細胞タンパク質合成系」は、好ましくは真核生物由来のコムギ胚芽等を用いた無細胞タンパク質合成用抽出液が用いられ、これを使用してポリメラーゼ、特に逆転写酵素を発現する系を意味する。
市販のタンパク質合成用抽出液としては、ウサギ網状赤血球由来のRabbit Reticulocyte Lysate System(Promega社)やコムギ胚芽由来のWheat Germ Expression Premium Kit{WEPRO(登録商標)}、株式会社セルフリーサイエンス)等が挙げられる。
本発明に使用される最良の抽出液は、コムギ胚芽由来の抽出液であり、さらに混入する胚乳成分や胚芽組織中のタンパク質合成阻害をもたらすグルコースなどの低分子物質が実質的に除去された抽出液である。なお、胚乳成分が実質的に除去された抽出液とは、リボソームの脱アデニン化率が7%以下、好ましくは1%以下になっていること意味する。さらに、好適には、細胞抽出液は、糖、リン酸化糖が10mM以下、好ましくは6mM以下まで低減されている(260nmにおける吸光度200OD/mlの抽出液中のグルコース濃度として)。このような抽出液の調製方法は、WO2005/063979 A1号公報に例示される。
(翻訳反応工程)
上記のようにして得られる未精製又は精製後のポリメラーゼ(特に逆転写酵素)の翻訳鋳型を添加したタンパク質合成用細胞抽出液に、基質となるアミノ酸、エネルギー源、各種イオン、緩衝液、ATP再生系、核酸分解酵素阻害剤、還元剤、ポリエチレングリコール、葉酸塩、抗菌剤等の、翻訳反応に必要もしくは好適な成分を含有する溶液(「翻訳溶液」ともいう)を添加して、翻訳反応に適した温度で適当な時間インキュベートすることにより翻訳反応を行う。基質となるアミノ酸は、通常、タンパク質を構成する20種類のL型アミノ酸であるが、目的に応じてそのアナログや異性体を用いることもできる。また、エネルギー源としては、ATP及び/又はGTPが挙げられる。各種イオンとしては、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸アンモニウム等の酢酸塩、グルタミン酸塩等が挙げられる。核酸分解酵素阻害剤としては、リボヌクレアーゼインヒビターや、ヌクレアーゼインヒビター等が挙げられる。還元剤としては、ジチオスレイトール等が挙げられる。抗菌剤としては、アジ化ナトリウム、アンピシリン等が挙げられる。これらの添加量は、無細胞タンパク質合成において通常使用され得る範囲で適宜選択することができる。
また、以下のような組成のタンパク質合成反応液が好ましい。
上記記載のコムギ胚芽抽出液を全容量の48%容(濃度は、200A260nm units/ml)含む、次のような終濃度の組成〔1,000units/ml リボヌクレアーゼ阻害剤(RNasin)(Promega社)、30mM HEPES−KOH(pH7.6)、95mM 酢酸カリウム、2.65mM 酢酸マグネシウム、2.85mM ジチオスレイトール、0.5mg/ml クレアチンキナーゼ、1.2mM アデノシン三リン酸(ATP)、0.25mM グアノシン三リン酸(GTP)、16mM クレアチンリン酸、0.38mM スペルミジン、20種類のL型アミノ酸(各0.3mM)〕の反応液。
翻訳溶液の添加の態様は、用いる翻訳反応系に応じて適宜選択することができる。本発明の方法に用いられる合成系は、無細胞タンパク質合成法に適用し得る自体公知のいずれの方法であってもよく、例えば、バッチ法{Pratt, J. M. "Coupled Transcription-Translation in Prokaryotic Cell-Free Systems" : in Transcription and Translation, 179-209, Hames, B. D. & Higgins, S. J., eds, IRL Press, Oxford(1984)}や重層法(WO02/24939号)等が挙げられる。
(ポリメラーゼに対するポリメラーゼ阻害剤の阻害活性を検出する)
本発明の「ポリメラーゼ(特に、逆転写酵素)に対するポリメラーゼ阻害剤(逆転写酵素阻害剤)の阻害活性を検出する」とは、各患者由来のポリメラーゼ遺伝子(特に、逆転写酵素遺伝子)が変異している場合、それに由来した変異ポリメラーゼ(変異逆転写酵素)に対するポリメラーゼ阻害剤(逆転写酵素阻害剤)の薬理効果が直接的又は間接的に影響を受ける可能性があり、それを確認することを意味する。
例えば、逆転写酵素がHIV逆転写酵素であり、逆転写酵素阻害剤がHIV逆転写酵素阻害剤の場合では、HIV逆転写酵素阻害剤が各患者由来のHIV逆転写酵素のヌクレオチド取り込みを阻害するかどうかを確認することである。
(ポリメラーゼに対するポリメラーゼ阻害剤の阻害活性を検出する方法)
上記の阻害活性を検出する方法とは、該ポリメラーゼ阻害剤(逆転写酵素阻害剤)存在下において、各患者由来のポリメラーゼ(特に、逆転写酵素)と野生型ポリメラーゼ(特に、野生型逆転写酵素)の生理活性を比較することである。具体例は、以下に記載の通りである。
(逆転写酵素に対する核酸系又は非核酸系逆転写酵素阻害剤の阻害活性を検出する方法)
(1)逆転写酵素(例:HIV-1逆転写酵素)の生理活性に関与する配列部分以外の配列に特異的にハイブダイズする、少なくとも1個の5'プライマーと1個の3'プライマー、を含む遺伝子増幅溶液を患者試料に直接接触させて、RT-PCRにより該逆転写酵素遺伝子を増幅する工程、
(2)(1)で増幅した逆転写酵素遺伝子を、そのまま又は精製後に、転写溶液に接触させて、該逆転写酵素の翻訳鋳型を構築する工程、
(3)(2)で構築した逆転写酵素の翻訳鋳型を、そのまま又は精製後に、無細胞タンパク質合成系に接触させて、逆転写酵素を発現させる工程、
(4)(3)で発現させた逆転写酵素、1若しくは複数の非核酸系逆転写酵素阻害剤又は1若しくは複数の核酸系逆転写酵素阻害剤を同時又は別個にプレートに添加する。続いて、予め作製しておいた標識物質を含むプライマー/テンプレートハイブリッドを含む溶液を該プレートに添加する。さらに、好ましくは、ATPを該プレートに添加する。
標識物質を含むヌクレオチド、該プライマーの標識物質若しくは該ヌクレオチドの標識物質を直接的若しくは間接的に認識可能なアクセプタービーズ、並びに該プライマーの標識物質若しくは該ヌクレオチドの標識物質を直接的又は間接的に認識可能なドナービーズを同時又は別個に該プレートに添加する。
加えて、上記活性検出方法としては、ホモジニアスアッセイ又はヘテロジニアスアッセイがある。なお、ホモジニアスアッセイは、洗浄工程を省略できるのでより好ましい。
また、ホモジニアスアッセイは、以下のいずれか1以上から選択される。
1)ALPHA、2)表面プラズモン共鳴法、3)蛍光相関分析法、4)蛍光強度分布解析法、5)FRET、6)BRET、7)EFC、8)FP
加えて、ヘテロジニアスアッセイは、以下のいずれか1以上から選択される。
1)ELISA、2)DELFIA、3)SPA、4)フラッシュプレート分析
{FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)}
FRETは、ドナーおよびアクセプターと称される2種類の蛍光物質間のエネルギー転移を利用した手法である。代表的な例は、以下に示すALPHAである。
{ALPHA(増幅発光近接ホモジニアスアッセイ)}
ALPHA は、PerkinElmer社のAlphaScreen(登録商標)が代表的なアッセイ法である。
その方法は、近接させられたドナービーズとアクセプタービース間の一重項酸素の移動に基づく分析方法である。これは、680nmでの励起において、ドナービース中の光増感剤は、周囲の酸素を一重項状態の酸素に変換し、その酸素が200nmの距離まで拡散する。アクセプタービーズ中の化学発光基は、エネルギーをビーズ内の蛍光アクセプターに移動させ、続いて約600nmの波長の光を放出する。なお、アクセプタービーズは、ガラス、シリカゲル、樹脂のような不活性担体であって、上記生体分子を固定化しておくための担体である。ドナービースは、ガラス、シリカゲル、樹脂のような不活性担体であって、ストレプトアビジンを固定化しておくための担体である。
(ALPHAを使用したin vitroでのHIV逆転写酵素の変異の検出)
逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、テンプレート、標識物質としてDIGを含むプライマー、標識物質としてビオチンを含むヌクレオチド、該DIGを直接的若しくは間接的に認識可能なアクセプタービーズ、並びに該ビオチンを直接的若しくは間接的に認識可能なアビジンまたはストレプトアビジンが結合したドナービーズをin vitroに導入する、又は、
逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、テンプレート、標識物質としてビオチンを含むプライマー、前記標識物質としてDIGを含むヌクレオチド、該DIGを直接的若しくは間接的に認識可能なアクセプタービーズ、並びに該ビオチンを直接的若しくは間接的に認識可能なアビジンまたはストレプトアビジンが結合したドナービーズをin vitroに導入する。さらに、好ましくは、ATPをin vitroに添加する。
ここで、逆転写酵素阻害剤が逆転写酵素の変異により、逆転写酵素活性を阻害できない場合には、逆転写反応が止まらない(参照:図2の下段図)。よって、図2の下段図のようにドナービースとアクセプタービーズが近接してシグナルの上昇が起こる。
一方、逆転写酵素阻害剤が、該逆転写酵素活性を阻害する場合には、逆転写反応が止まる(参照:図2の上段図)。よって、図2の上段図のようにドナービースとアクセプタービーズが近接しないのでシグナルは上昇しない。
なお、シグナルの検出は、例えばアクセプタービーズが発する蛍光強度を測定しておこなわれる。
{蛍光物質及びクエンチング物質(クエンチャー)を標識物質として使用したin vitroでのHIV逆転写酵素の変異の検出}
逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、テンプレート、標識物質として蛍光物質を含むプライマー、標識物質としてクエンチング物質を含むヌクレオチドをin vitroに導入する、又は、逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、テンプレート、標識物質としてクエンチング物質を含むプライマー、標識物質として蛍光物質を含むヌクレオチドをin vitroに導入する。さらに、好ましくは、ATPをin vitroに添加する。
ここで、逆転写酵素阻害剤が逆転写酵素の変異により、逆転写酵素活性を阻害しない場合には、逆転写反応が止まらない。よって、蛍光物質及びクエンチング物質(クエンチャー)が近接して、蛍光物質から発せられる蛍光エネルギーはクエンチャーによって吸収されているため、蛍光は減弱する(シグナルの上昇が抑制される)。
一方、逆転写酵素阻害剤が、該逆転写酵素活性を阻害する場合には、逆転写反応が止まる。よって、蛍光物質及びクエンチング物質(クエンチャー)が近接できず、蛍光物質とクエンチャーとの距離が広がり、蛍光エネルギーを吸収することができなくなる。その結果、蛍光物質がその固有の波長の蛍光を発する(シグナルの上昇が起こる)。
蛍光物質およびその蛍光を有効に減弱させるクエンチャーの組み合わせは、このような機能を有する組み合わせであればよく、特に限定されない。具体的にはfluorescein、FITC、FAM、TAMRA、Cy3、Cy5、ユウロピウムなどの蛍光性物質とその蛍光波長と一致した吸収波長、もしくは近傍に吸収波長を有している、より長波長の蛍光を発する別の蛍光性物質がクエンチャーとして組み合わることができる。また、吸収エネルギーを蛍光ではなく熱として放出する非蛍光性の物質をクエンチャーとして使用することもできる。これらはダーククエンチャーと呼ばれ、蛍光の減弱効率に優れるものが多い。具体的にはDabcyl、EclipseやBHQ(Black Hole Quencher)を例示することができる。
(患者に適した逆転写酵素阻害剤の選択方法)
本発明の「患者に適した逆転写酵素阻害剤の選択方法」は、上記シグナル検出結果を基にして行う。詳しくは、各HIV逆転写酵素阻害剤を使用して上記シグナル検出を行い、図7のような薬剤耐性プロファイリングを作成する。これにより、各患者特有の薬剤耐性を特定することができ、各患者に適した1又は複数のHIV逆転写酵素阻害剤を選択することができる。
なお、本実施例では、1試料に対して1つの阻害剤のみの反応を検出しているが、当然に1試料に対して複数の阻害剤の相加/相乗効果も検出することができる。
(患者に適した逆転写酵素阻害剤の選択方法を実施するためのキット)
本発明の「逆転写酵素阻害剤の阻害活性の測定用キット」は、少なくともテンプレート及び標識物質を含むプライマーを含む。
(ATPの添加効果)
本発明のポリメラーゼ阻害剤の阻害活性の測定方法では、下記実施例7から明らかなように、ATPを添加することにより、薬剤感受性をより高感度に検出することができる。
特に、AZT等Thymidine Analogueに薬剤耐性を持つHIV逆転写酵素の検出、より詳細にはTAM変異(Thymidine Analogue Mutation)を持つHIV逆転写酵素の検出には、活性測定をATP添加条件下で行うことが好ましい。ATPは、反応系に対して約0.5mM〜15mMになるように添加する。
なお、TAM変異とは、HIV逆転写酵素の41, 67, 70, 210, 215, 219番目のアミノ酸変異を意味する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
{HIV-RT(逆転写酵素)の発現}
HIV-1逆転写酵素をコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系で合成した。詳細は、以下の通りである。
(逆転写酵素の発現)
逆転写酵素であるHIV-RT{HIV-1逆転写酵素(p51, p66)を1:1の割合}のDNA鋳型を含む溶液を、転写溶液{30 μl の5x転写バッファー(400 mM HEPES, pH 7.6; 80 mM Magnesium acetate; 10 mM Spermidine; 50 mM DTT)、15 μl の25 mM 4NTPs、1.875 μl のRNasin (80 Units)、1.875μl のSP6 polymerase (80 units)、71.25 μl水}に添加して、37℃、3時間転写反応を行い、翻訳鋳型を作成した。
さらに、上記翻訳鋳型を含む溶液をコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系に添加し、16℃で15〜20時間タンパク質合成を行い、HIV-RTを得た。
(標識物質を含むプライマーの効果の確認)
標識物質を含むプライマーを用いた測定系での逆転写酵素活性の測定結果を、標識物質を含まないプライマーを用いた測定系での逆転写酵素活性の測定結果と比較した。さらに、テンプレートの逆転写酵素活性検出感度増幅部位配列の鎖長を検討した。詳細は、以下の通りである。
(使用した材料)
HIV-RT(WT:野生型):実施例1に記載の方法で合成した。
基質溶液: Biotin-16-dUTP(1μM), dTTP(1μM), dATP(10μM),dGTP(10μM), dCTP(10μM) in 50mM Tris-HCl(pH7.8)
インキュベーション緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8) , 319mM potassium chloride, 33mM magnesium chloride, 11mM DTT
テンプレート:RNA3(配列番号1)又はRNA4(配列番号2)
プライマー:Primer1(標識物質なし:TGGATCTTGGAGTTC:配列番号3)又は標識物質を含むPrimer1{標識物質あり:DIG-TGGATCTTGGAGTTC(配列番号3)}
Template/primer hybridを含む溶液:RNA3若しくはRNA4 (12.5pmol/μl )とPrimer1 若しくは標識物質を含むPrimer1 (12.5pmol/μl)を等量ずつ混合し、65℃、10分間反応した。
添加溶液:「インキュベーション緩衝液」/「基質溶液」/「Template/primer hybridを含む溶液」=10/1/1の割合で混合した。
反応緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8), 80mM potassium chloride, 2.5mM DTT, 0.75mM EDTA, 0.5% Triton X-100
AlphaScreen(登録商標)DIG detection kit:No.6760604C(PerkinElmer社製)
ビーズ(Beads mix):Streptavidin Donor Beadsとanti-Digoxin/Digoxigenin(DIG) Acceptor Beadsの等量混合物を1 mg BSA/ml PBSにて100倍希釈した。
(逆転写酵素活性の測定方法)
市販の384plateに、上記反応緩衝液8.9μl、HIV-RT(WT) 1μl、添加溶液を5μlずつ各wellに加え、37℃で1時間インキュベートした。その後、ビーズ10μlを各wellに加え、26℃、1時間インキュベートを行い、EnVisionを用いて測定した。
なお、コントロールとして、HIV-RTを含まない条件で、上記と同様に測定した。
上記測定結果を図3に示す。図3から明らかなように、標識物質を含むプライマーを用いた測定系での逆転写酵素活性のシグナル値は、標識物質を含まないプライマーを用いた測定系でのシグナル値と比較して、2〜3倍以上である。この結果は、本発明の測定方法の一つの特徴である「標識物質を含むプライマー」を用いることにより、高感度で逆転写酵素活性を測定することができる、を示す。
さらに、テンプレートとしてRNA4を用いた方が、RNA3を用いた場合と比較して高いシグナル値を示したことから、RNA4は、RNA3よりも好ましいテンプレートであることがわかる。
(テンプレート/プライマーの至適濃度の確認)
テンプレート/プライマーの添加量の変化による逆転写酵素活性を比較した。詳細は、以下の通りである。
(使用した材料)
HIV-RT(WT:野生型):実施例1に記載の方法で合成した。
基質溶液:Biotin-16-dUTP(1μM), dTTP(0μM又は1μM), dATP(10μM), dGTP(10μM), dCTP(10μM) in 50mM Tris-HCl(pH7.8)
インキュベーション緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8) , 319mM potassium chloride, 33mM magnesium chloride, 11mM DTT
テンプレート:RNA4(配列番号2)
プライマー:標識物質を含むPrimer1
Template/primer hybridを含む溶液:RNA4(50pmol/μl)と標識物質を含むPrimer1 (50pmol/μl)を等量ずつ混合し、65℃、10分反応した。さらに、作製したTemplate/primer hybridを含む溶液を、それぞれ*1/10, *1/3, *1, *3になるように調製した。
添加溶液:「インキュベーション緩衝液」/「基質溶液」/「Template/primer hybridを含む溶液」=10/1/1の割合で混合した。これにより、1/10, 1/3, 1及び3の添加溶液中のTemplate/Primerの濃度は、それぞれ、0.21/0.21 pmol/μl, 0.69/0.69 pmol/μl, 2.1/2.1 pmol/μl及び6.2/6.2 pmol/μlである。
反応緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8), 80mM potassium chloride, 2.5mM DTT, 0.75mM EDTA, 0.5% Triton X-100
AlphaScreen(登録商標)DIG detection kit:No.6760604C(PerkinElmer)
ビーズ(Beads mix):Streptavidin Donor Beadsとanti-Digoxin/Digoxigenin(DIG) Acceptor Beadsの等量混合物を1 mg BSA/ml PBSにて100倍希釈した。
(逆転写酵素活性の測定方法)
市販の384plateに、上記反応緩衝液8.9μl、HIV-RT(WT) 1μl、添加溶液を5μlずつ各wellに加え、37℃で1時間インキュベートした。その後、ビーズ10μlを各wellに加え、26℃、1時間インキュベート後、EnVisionを用いて測定した。
なお、対照として、HIV-RTを含まない条件で、インキュベーションを行い、上記と同様に測定した。
上記測定結果を図4に示す。図4から明らかなように、テンプレート/プライマーハイブリッドの逆転写酵素活性測定液中の濃度を下げることにより、逆転写酵素活性の検出感度が向上した。さらに、S(シグナル)/N(ノイズ)比も10倍程度まで上昇した。
これにより、以下の実施例では、Template/primer hybridを含む溶液におけるTemplate/Primer hybridを含む溶液の濃度は、2.5/2.5 pmol/μlとした。
(逆転写酵素阻害剤による逆転写酵素活性の阻害活性の確認)
核酸系阻害剤又は非核酸系阻害剤による逆転写酵素活性の阻害活性を確認した。詳細は、以下の通りである。
(使用した材料)
HIV-RT(WT:野生型):実施例1に記載の方法で合成した。
核酸系阻害剤:AZTTP(1nM, 10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM, 100000nM)、3TCTP(1nM, 10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM, 100000nM)、TDFDP(1nM, 10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM, 100000nM)
非核酸系阻害剤:EFV(1nM, 10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM, 100000nM)、NVP(1nM, 10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM, 100000nM)
基質溶液:Biotin-16-dUTP(500nM), dTTP(500nM), dATP(1μM), dGTP(1μM), dCTP(1μM) in 50mM Tris-HCl(pH7.8)
インキュベーション緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8) , 319mM potassium chloride, 33mM magnesium chloride, 11mM DTT
テンプレート:RNA4(配列番号2)
プライマー:標識物質を含む Primer1
Template/primer hybridを含む溶液:RNA4(5pmol/μl)と標識物質を含むPrimer1(5pmol/μl)を等量ずつ混合し、65℃、10分反応した。
添加溶液:「インキュベーション緩衝液」/「基質溶液」/「Template/primer hybridを含む溶液」=10/1/1の割合で混合した。
反応緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8), 80mM potassium chloride, 2.5mM DTT, 0.75mM EDTA, 0.5% Triton X-100
AlphaScreen(登録商標)DIG detection kit:No.6760604C(PerkinElmer)
ビーズ(Beads mix):Streptavidin Donor Beadsとanti-Digoxin/Digoxigenin(DIG) Acceptor Beadsの等量混合物を1 mg BSA/ml PBSにて100倍希釈した。
(逆転写酵素活性の測定方法)
市販の384plateに、上記反応緩衝液8.9μl、HIV-RT(WT) 1μl、各種の逆転写酵素阻害剤1.5μlを各wellに加え、37℃で15分インキュベートした。さらに、添加溶液5.1μlを各wellに加え、37℃で1時間インキュベート後、ビーズ10μlを各wellに加え、26℃、1時間インキュベートし、EnVisionを用いて測定した。
上記測定結果を図5に示す。なお、図5は、逆転写酵素阻害剤を添加しなかった場合のシグナル値を100として、各濃度でのシグナル値を%換算している。
図5の結果から明らかなように、各種の逆転写酵素阻害剤は濃度依存的にHIV逆転写酵素活性を阻害した。
即ち、本発明の測定方法を用いることにより、1種類のテンプレートで核酸系、非核酸系を問わずその逆転写酵素阻害活性を測定できることが示された。
(テンプレートの相異による測定系の確認)
本発明の測定方法において、逆転写酵素がテンプレートの阻害剤相補配列を認識していることを確認した。逆転写酵素阻害剤であるTDF(DP)は、Adenine analogである。テンプレートの阻害剤相補配列をpoly C (CCCCCCCCCCCC:配列番号6)に変えた場合(RNA5-C: AAAAAAAAAAAAACCCCCCCCCCCCGAACUCCAAGAUCCA:配列番号5)、dATPおよびTDFDPはHIV逆転写酵素の基質として使用されないので、TDFDPはHIV逆転写酵素阻害活性を示さない。詳細は、以下の通りである。
(使用した材料)
HIV-RT(WT:野生型):実施例1に記載の方法で合成した。
核酸系阻害剤:TDFDP(1nM, 10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM, 100000nM)
基質溶液:Biotin-16-dUTP(500nM), dTTP(500nM), dATP(1μM), dGTP(1μM), dCTP(1μM) in 50mM Tris-HCl(pH7.8)
インキュベーション緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8) , 319mM potassium chloride, 33mM magnesium chloride, 11mM DTT
テンプレート:RNA4(配列番号2)、RNA5(配列番号4)、RNA5-C(配列番号5)
プライマー:標識物質を含む Primer1
Template/primer hybridを含む溶液:RNA4、RNA5又はRNA5-C (5pmol/μl)と標識物質を含むPrimer1(5pmol/μl)を等量ずつ混合し、65℃、10分反応した。
添加溶液:「インキュベーション緩衝液」/「基質溶液」/「Template/primer hybridを含む溶液」=10/1/1の割合で混合した。
反応緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8), 80mM potassium chloride, 2.5mM DTT, 0.75mM EDTA, 0.5% Triton X-100
AlphaScreen(登録商標) DIG detection kit:No.6760604C(PerkinElmer)
ビーズ(Beads mix):Streptavidin Donor Beadsとanti-Digoxin/Digoxigenin(DIG) Acceptor Beadsの等量混合物を1 mg BSA/ml PBSにて100倍希釈した。
(逆転写酵素活性の測定方法)
市販の384plateに、上記反応緩衝液8.9μl、HIV-RT(WT) 1μl、逆転写酵素阻害剤であるTDFDP 1.5μlを各wellに加え、37℃で15分インキュベートした。さらに、添加溶液5.1μlを各wellに加え、37℃で1時間インキュベート後、ビーズ10μlを各wellに加え、26℃、1時間インキュベートし、EnVisionを用いて測定した。
上記測定結果を図6に示す。なお、図6は、逆転写酵素阻害剤を添加しなかった場合のシグナル値を100として、各濃度でのシグナル値を%換算している。
図6から明らかなように、テンプレートとしてRNA4又はRNA5を使用した場合、HIV逆転写酵素活性は、逆転写酵素阻害剤の濃度依存的に阻害された。
一方、テンプレートしてRNA5-Cを使用した場合、逆転写酵素阻害剤の阻害活性は確認されなかった。
これにより、本発明の測定系では、逆転写酵素がテンプレートの阻害剤相補配列を認識していること及び逆転写酵素阻害剤が逆転写酵素活性を阻害剤相補配列部位で阻害していることが確認された。
加えて、テンプレートとしてRNA5を使用した測定系でのシグナル値は、RNA4を使用した場合のシグナル値よりも高値を示した(データは記載していない)。よって、RNA5は、RNA4よりも好ましいテンプレートであることが確認された。
(逆転写酵素阻害剤による薬剤耐性逆転写酵素の逆転写酵素活性に対する阻害の確認)
本発明で得られた結果が、薬剤耐性逆転写酵素の薬剤耐性データベースが予測する耐性度と一致するかを確認した。より詳しくは、Stanford薬剤耐性データベースでは、変異体HIV-1逆転写酵素の各種の逆転写酵素阻害剤に対する耐性度が示されている(参照:図7)。よって、本発明の測定系での各変異体HIV-1逆転写酵素に対する各逆転写酵素阻害剤の阻害活性(耐性度の逆)と、Stanford薬剤耐性データベースの耐性度を比較した。詳細は、以下の通りである。
なお、下記実験は、2回に分けて行った。
(使用した材料)
NL4-3 HIV由来のHIV-RT:実施例1に記載の方法で合成した。
各変異体HIV1-RT{HIV-1 p7324-4(No.2), HIV-1 p7303-3(No.6), HIV-1 p56252-1(No.10), HIV-1 p1617-1(No.7)}:実施例1に記載の方法で合成した。
阻害剤:3TCTP(0.1μM, 1μM, 10μM, 100μM, 1000μM)
:AZTTP(1nM, 10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM)
:TDFDP(10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM, 100000nM)
:EFV(10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM, 100000nM)
基質溶液:Biotin-16-dUTP(500nM), dTTP(500nM), dATP(1μM), dGTP(1μM),dCTP(1μM) in 50mM Tris-HCl(pH7.8)
インキュベーション緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8), 319mM potassium chloride, 33mM magnesium chloride, 11mM DTT
テンプレート:RNA5(配列番号4)
プライマー:標識物質を含む Primer1
Template/primer hybridを含む溶液: RNA5 (5pmol/μl)と標識物質を含むPrimer1(5pmol/μl)を等量ずつ混合し、65℃、10分反応した。
添加溶液:「インキュベーション緩衝液」/「基質溶液」/「Template/primer hybridを含む溶液」=10/1/1の割合で混合した。
反応緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8), 80mM potassium chloride, 2.5mM DTT, 0.75mM EDTA, 0.5% Triton X-100
AlphaScreen(登録商標)DIG detection kit:No.6760604C(PerkinElmer社製)
ビーズ(Beads mix):Streptavidin Donor Beadsとanti-Digoxin/Digoxigenin(DIG) Acceptor Beadsの等量混合物を1 mg BSA/ml PBSにて100倍希釈した。
(逆転写酵素活性の測定方法)
市販の384plateに、上記反応緩衝液8.9μl、各HIV-RT 1μl、各逆転写酵素阻害剤1.5μlを各wellに加え、37℃で15分インキュベートした。さらに、添加溶液5.1μlを各wellに加え、37℃で1時間インキュベート後、ビーズ10μlを各wellに加え、26℃、1時間インキュベートし、EnVisionを用いて測定を行った。
上記測定結果を図8に示す。
図8は、変異体HIV1-RT{HIV-1 p7324-4(No.2), HIV-1 p7303-3(No.6), HIV-1 p56252-1(No.10)}に対する阻害剤3TCTPの阻害活性を示したものである。なお、図8は、逆転写酵素阻害剤を添加しなかった場合のシグナル値を100として、各濃度でのシグナル値を%換算している。
図7は、阻害剤である3TCに対する耐性度は、HIV-1 p56252-1(No.10)、HIV-1 p7303-3(No.6)、HIV-1 p7324-4(No.2)の順であることを示す。図8の3TCTPの10μM存在下における逆転写酵素活性は、HIV-1 p56252-1(No.10)、HIV-1 p7303-3(No.6)、HIV-1 p7324-4(No.2)の順であった。
すなわち、本発明を用いた測定結果は、Stanford薬剤耐性データベースが予測するデータと一致している。
上記測定結果を図9に示す。
図9は、変異体HIV1-RT{HIV-1 p1617-1(No.7), HIV p56252-1(No.10)}に対する阻害剤AZTTP、TDFDP又はEFVを用いた結果である。
図7より、HIV-1 p1617-1(No.7)及びHIV-1 p56252-1(No.10)は、AZTへの耐性度が高いことがわかる。図9のAZTTP添加試験では、HIV-1 p1617-1(No.7)及びHIV-1 p56252-1(No.10)は高濃度のAZTでも逆転写酵素活性は阻害され難かった。
図7より、HIV-1 p56252-1(No.10)は、HIV-1 p1617-1(No.7)よりTDFに対する耐性度が高いことがわかる。図9のTDFDP添加試験の10000nMでは、HIV-1 p56252-1(No.10)はHIV-1 p1617-1(No.7)より高い逆転写酵素活性を示した。
図7より、HIV-1 p1617-1(No.7)はEFVに対する耐性がなく、HIV-1 p56252-1(No.10)はEFVに対する耐性度が高いことがわかる。図9のEFV添加試験の1000nMにおいて、HIV-1 p1617-1(No.7)は逆転写酵素活性がほとんど検出されず、一方、HIV-1 p56252-1(No.10)は高い逆転写酵素活性を示した。
すなわち、本発明を用いた測定結果は、Stanford薬剤耐性データベースが予測するデータと一致した。
(ATP添加による逆転写酵素活性の阻害活性の検出感度向上の確認)
ATP添加による逆転写酵素活性の阻害活性の検出感度が向上するかどうかを確認した。より詳しくは、AZT耐性HIV-1逆転写酵素の逆転写酵素阻害剤に対する検出感度を測定した。詳細は、以下の通りである。
(使用した材料)
NL4-3 HIV由来のHIV-RT:実施例1に記載の方法で合成した。
AZT耐性HIV1-RT{HIV-1 p7303-3(No.6)}:実施例1に記載の方法で合成した。
阻害剤: AZTTP(1nM, 10nM, 100nM, 1000nM, 10000nM)
添加ATP:0mM(コントロール), 5mM
基質溶液:Biotin-16-dUTP(500nM), dTTP(500nM), dATP(1μM), dGTP(1μM), dCTP(1μM) in 50mM Tris-HCl(pH7.8)
インキュベーション緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8), 319mM potassium chloride, 33mM magnesium chloride, 11mM DTT
テンプレート:RNA5(配列番号4)
プライマー:標識物質を含む Primer1
Template/primer hybridを含む溶液: RNA5 (5pmol/μl)と標識物質を含むPrimer1(5pmol/μl)を等量ずつ混合し、65℃、10分反応した。
添加溶液:「インキュベーション緩衝液」/「基質溶液」/「Template/primer hybridを含む溶液」=10/1/1の割合で混合した。
反応緩衝液:50mM Tris-HCl(pH7.8), 80mM potassium chloride, 2.5mM DTT, 0.75mM EDTA, 0.5% Triton X-100
AlphaScreen(登録商標)DIG detection kit:No.6760604C(PerkinElmer社製)
ビーズ(Beads mix):Streptavidin Donor Beadsとanti-Digoxin/Digoxigenin(DIG) Acceptor Beadsの等量混合物を1 mg BSA/ml PBSにて100倍希釈した。
(逆転写酵素活性の測定方法)
市販の384plateに、上記反応緩衝液8.9μl、各HIV-RT 1μl、各逆転写酵素阻害剤1.5μlを各wellに加え、37℃で15分インキュベートした。さらに、添加溶液5.1μlを各wellに加え、37℃で1時間インキュベート後、ビーズ10μlを各wellに加え、26℃、1時間インキュベートし、EnVisionを用いて測定を行った。なお、ATPは、添加溶液作製の段階で添加した。
上記測定結果を図10に示す。
図10上段は、変異体HIV1-RT{HIV-1 p7303-3(No.6)}に対する阻害剤AZT(TP)の阻害活性を示したものである。なお、図10上段は、逆転写酵素阻害剤を添加しなかった場合のシグナル値を100として、各濃度でのシグナル値を%換算している。加えて、図10下段は、IC50(nM)の検出値を示す。
図10の結果から明らかなように、ATP添加により、変異体HIV1-RT{HIV-1 p7303-3(No.6)}と野生型NL4-3 HIVの検出値差が明確になった。これにより、ATP添加は、TAM変異を持つ逆転写酵素の薬剤感受性の検出感度を向上させることが確認された。
上記結果より、本発明のテンプレート及びプライマーを用いた逆転写酵素活性の測定方法では、各逆転写酵素阻害剤に対して耐性を持つ逆転写酵素の薬剤耐性度を正確に測定することができることが示された。以上の結果は、本発明の測定方法を用いることにより、各患者から取得した逆転写酵素がどの逆転写酵素阻害剤に対してどの程度の耐性を持つかを簡便に測定することができること、さらにATP添加が、逆転写酵素の薬剤感受性の検出感度を向上させることができること、を示す。
加えて、該測定結果を基にして、各患者に適した逆転写酵素阻害剤を選択することができる。
本発明は、簡便、迅速かつ信頼度の高い逆転写酵素阻害剤の阻害活性の測定方法を提供する。

Claims (10)

  1. ポリメラーゼ阻害剤の阻害活性の測定方法であって、
    ポリメラーゼ、1又は複数のポリメラーゼ阻害剤、テンプレート、標識物質を含むプライマー、並びに標識物質を含むヌクレオチドを接触させ、該ポリメラーゼのポリメラーゼ活性を測定する、
    ここで、該テンプレートがYSDを含み、Yがプライマー結合部位配列であり、Sが阻害剤相補配列であり、Dが該ポリメラーゼのポリメラーゼ活性検出感度増強部位配列であり、該プライマーが標識物質を含むXであり、XがYにハイブリダイズし、並びにX及びYは、DNA、RNA又はキメラポリヌクレオチドのいずれかであることを特徴とする測定方法。
  2. 前記テンプレートが3'−YSD−5'を含み、並びに前記プライマーが5'−標識物質を含むX−3'を含む、請求項1の測定方法。
  3. 前記ポリメラーゼが逆転写酵素である請求項1又は2の測定方法。
  4. 前記逆転写酵素の逆転写酵素活性をALPHA(増幅発光近接ホモジニアスアッセイ)で測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の測定方法。
  5. 前記ALPHAが以下の工程を含む請求項2〜4のいずれか1の測定方法:
    (1)逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、テンプレート、標識物質を含むプライマー、標識物質を含むヌクレオチド、該プライマーの標識物質若しくは該ヌクレオチドの標識物質を直接的若しくは間接的に認識可能なアクセプタービーズ、並びに該プライマーの標識物質若しくは該ヌクレオチドの標識物質を直接的又は間接的に認識可能なドナービーズを接触させる工程;
    (2)該アクセプタービーズと該ドナービーズ間のシグナル強度変化により、該逆転写酵素の活性を検出する工程。
  6. 前記工程(1)が以下であることを特徴とする請求項5の測定方法、
    逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、前記テンプレート、標識物質としてDIGを含むプライマー、標識物質としてビオチンを含むヌクレオチド、該DIGを直接的若しくは間接的に認識可能なアクセプタービーズ、並びに該ビオチンを直接的若しくは間接的に認識可能なアビジンまたはストレプトアビジンが結合したドナービーズを接触させる工程、又は、逆転写酵素、1又は複数の逆転写酵素阻害剤、前記テンプレート、標識物質としてビオチンを含むプライマー、標識物質としてDIGを含むヌクレオチド、該DIGを直接的若しくは間接的に認識可能なアクセプタービーズ、並びに該ビオチンを直接的若しくは間接的に認識可能なアビジンまたはストレプトアビジンが結合したドナービーズを接触させる工程。
  7. 前記逆転写酵素を、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系で発現させることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1の測定方法。
  8. 前記逆転写酵素をウイルス感染患者由来の試料から発現させることにより、該患者に適した該ウイルス由来の逆転写酵素の逆転写酵素阻害剤を選択することを特徴とする請求項3〜7のいずれか1の測定方法。
  9. 逆転写酵素阻害剤の阻害活性の測定に使用するためのテンプレートであって、
    該テンプレートが3'−YSD−5'であり、Yがプライマーとハイブリダイズするための配列であり、Sが該逆転写酵素の阻害剤相補配列で、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシルを少なくとも1個以上含む任意の組み合わせから構成されたポリヌクレオチドを含み、Dが該逆転写酵素の逆転写酵素活性検出感度増強部位配列であり、ここで、Dがポリアデニンを含むことを特徴とする。
  10. 逆転写酵素阻害剤の阻害活性測定用キットであって、
    5'−標識物質を含むX−3'からなるプライマー並びに請求項9に記載のテンプレートを含むことを特徴するキット。
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