JP6409233B2 - キットおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、疾患、障害、感染(ウィルスおよび細菌の両方)または癌の診断ために、サンプル中の1つまたはいくつかのデオキシリボヌクレオシドキナーゼをリアルタイムで均一(すなわち、非固相)決定するためのキットおよび方法に関する。
デオキシリボヌクレオシドキナーゼ
真核細胞中には、少なくとも3つのデオキシリボヌクレオシドキナーゼ、チミジンキナーゼ1および2(TKおよびTK2)、デオキシシチジンキナーゼ(dCK)およびデオキシグアノシンキナーゼ(dGK)が存在している。
2つの異なるチミジンキナーゼをコードする2つのヒト遺伝子座が存在する。チミジンキナーゼは、細胞のサイトゾル中に見出すことができる。チミジンキナーゼ2はミトコンドリアに局在し、ミトコンドリアのDNA合成に関与する。TK2は、チミジンキナーゼ1とは異なるアミノ酸配列、基質特異性および発現プロファイルを有する。
チミジンキナーゼ1活性は、細胞周期のG1期の最後からS期を通して最も顕著である。TKおよびdCKは、サルベージ経路を介して、細胞中のTTPおよびdCTPの貯蔵所の制御に関与する。TK酵素は、アデノシン三リン酸(ATP)の存在下でチミジンからチミジン一リン酸(TMP)への変換を触媒する酵素である。
デオキシシチジンキナーゼ活性は細胞周期全体にわたって見出され、主としてリンパ由来の細胞中で確認される。TK2はミトコンドリア中に位置し、dCKとほぼ等しいdCへの親和性を有する。
疾患の診断
1980年代前半に、チミジンキナーゼ活性は種々の腫瘍疾患を患っている患者からの血清中で検出されるだけでなく、通常非常に低いTK活性を示す健康なヒト個体とは大幅に異なり得ることが示された。
血液癌疾患の診断および予後のための単一腫瘍マーカーとしてのTKの使用は現在広く受け入れられている。特定の場合には、TKは直接的な診断能力を示している。
TKおよび他のデオキシリボヌクレオシドキナーゼの活性は初期に疾患と関連付けられたが、これは、Erikssonら(2002年)ならびにTopolcanおよびHolubec(2008年)による概説において要約される。
TK2は、ミトコンドリア病と関連された。
デオキシリボヌクレオシドキナーゼの決定のためのアッセイ
H−チミジンなどの放射性基質は、フィルター結合アッセイにおいてTKおよびdCK活性の決定のために広く使用されている。ルーチン臨床診断のためには、放射性ベースのアッセイは魅力的な選択肢ではない。
過去数年間、非放射性ベースのアッセイを開発するためにいくつかの試みが成されており、これらは全ていろいろな点でより優れている。異なるデオキシリボヌクレオシドキナーゼの検出において使用される一連の方法、アッセイおよび試薬組成物は以下に続く。
欧州特許第1385005号明細書には、アジドチミジン(AZT)の競合的な一リン酸化に基づいた非放射性TK活性ベースのアッセイが提示されている。この技術はさらに、Diasorin S.r.l.によって自動2段階LIAISON(登録商標)発光診断アッセイへ開発されている。この2段階アッセイでは、まずサンプル中に存在するTKによってAZTがモノリン酸化AZTMPにリン酸化される。そして、固体表面基質結合抗AZTMP抗体に対してTKリン酸化AZTMPと競合するイソルミノールに結合したAZTMP(AZTMP−ABEI)からの発光が次に検出される。この2段階アッセイの大きな欠点は、動的な読取りが制限されることである。別の欠点は、天然チミジンの代わりに修飾ヌクレオシド基質を使用することである。
国際公開第2009/063254号パンフレットには、HPLCにより分離されてUVにより検出される一リン酸化Br−dUの使用によって、サンプル中のTK活性を決定するための半均一的な(semi−homogenous)方法が開示されている。この方法の不利な点は、反応が修飾基質を用いて行われ、検出が別の工程で行われることである。
米国特許出願公開第2008/248472号明細書には、天然TTPの誘導体であるBr−dUTPの生成のための試薬混合物中のデオキシリボヌクレオシドキナーゼによってサンプル中のTK活性の相補性を利用する固相アッセイが開示される。Br−dUTPは、次に、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いるプライマー伸長によって取り込まれる。固相結合RNA鋳型はモノマーrAから作られ、200〜400のモノマー長であり、固相に取り付けられる。取り込まれた[Br]Uは、TK活性の最終決定のためのELISAにおいて、抗[Br]dUアルカリホスファターゼ結合抗体を用いて第2の工程で検出される。この2段階アッセイは多くの手作業の相互作用工程により実施するのが煩わしく、実行するのに非常に長い時間がかかる。
サンプル中のdCK活性を測定するための信頼性のあるアッセイはまだ提示されていない。
TTPおよびdCTPを生成するためのサルベージ経路を示す。 本発明に従う方法の検出システム2の原理を示す。 本発明に従う方法の検出システム3の原理を示す。 本発明に従う方法の検出システム1の原理を示す。 hrTK1標準点に対する実施例3からの閾値レベルCtに到達する、リアルタイム蛍光捕獲によって得られる蛍光曲線。 hrTK1標準点に対する実施例3からの平均Ct値における対数スケールの線形回帰。 hrdCK標準点に対する実施例4からの平均Ct値における対数スケールの線形回帰。 hrTK1をhrdCKと共に多重化する実施例7からの対数スケールの線形回帰。 実施例8で使用されるイヌ血清サンプルおよびhrTK1標準点中のTK1の測定からの対数スケールの線形回帰。 実施例9からの閾値レベルCtに到達する、リアルタイム蛍光捕獲によって得られる線形規格化蛍光曲線。 病原性イヌ血清およびhrTK1標準点からの実施例9からの平均Ct値における対数スケールの線形回帰。 実施例10からの閾値レベルCtに到達する、リアルタイム蛍光捕獲によって得られる線形およびダイナミックチューブ規格化蛍光。 hrTK1標準点に対する実施例10からの平均Ct値における対数スケールの線形回帰。
定義:
本明細書中の全ての用語および単語は、関連技術分野におけるその通常の意味および使用に従って解釈されるべきである。明白にするためにいくつかの用語は以下により具体的に議論される。
チミジンおよびデオキシチミジンは、他に記載されない限り、本発明全体にわたって交換可能に使用される。
均一アッセイは、プライマー−鋳型システムが伸長されている間にシグナルを発生する非固相アッセイであり、最小限のプライマー伸長後の処理を必要とする。これらのアッセイは分離工程を必要としない。反応は、低親和性相互作用を妨害するためにビーズまたは固相を取り付けることなく完全に溶液中で生じる。均一アッセイ方法は、創薬において必要とされるスループットのためおよびアッセイの小型化のために必須である。あらゆる均一アッセイにおいて、アッセイの成分は全て測定中ずっと存在している。分離工程の排除はこれらのアッセイの大きな利点であるが、これは、アッセイ成分の非特異的測定のために困難を呈する(ソース:http://www.genomicglossaries.com/content/Assays.asp、2010年4月28日に検索)。
デオキシヌクレオシドは、五炭糖デオキシリボースに取り付けられた窒素含有塩基から構成される分子である。デオキシヌクレオシドは、デオキシリボース糖に結合された単純な塩基と呼ばれることが多い。天然デオキシヌクレオシドは、非修飾デオキシヌクレオシドと定義される。これらの例としては、シチジン、ウリジン、アデノシン、グアノシン、チミジンおよびイノシンが挙げられる。
天然デオキシヌクレオシドは、ヒトなどの野生型生物において存在する形態のデオキシヌクレオシドである。
ヌクレオシド類似体とも呼ばれる修飾デオキシヌクレオシドは、グリコシルアミンまたは核酸塩基において任意のタイプの修飾を有するデオキシヌクレオシドである。医学において、いくつかのヌクレオシド類似体は、抗ウィルス薬または抗癌薬として使用される。修飾デオキシヌクレオシドの例は、アジドチミジン(AZT)、ブロモ−デオキシウリジン(Br−dU)、ヨード−デオキシウリジン、ビニル−デオキシチミジンおよびフルオロ−デオキシウリジンである。
DNA依存性DNAポリメラーゼは、鋳型としての役割を果たす一本鎖DNAによる、デオキシリボヌクレオシド三リン酸のデオキシリボ核酸への構築を触媒する酵素である。いくつかの文献では、DNA依存性DNAポリメラーゼは、DNA指向性DNAポリメラーゼとも呼ばれ得る。
DNA依存性DNAポリメラーゼは、3つの別個の酵素活性:(a)デオキシヌクレオシド5’−三リン酸から生成されるモノヌクレオチド単位の、プライマー鎖の3’−ヒドロキシル末端への付加を鋳型DNAの指示下で触媒する5’→3’ポリメラーゼ活性と、(b)二重鎖DNAにおいてのみ活性な5’→3’エキソヌクレアーゼと、(c)不適正な末端ヌクレオチドを選択的に除去することができる、主として一本鎖DNAにおいて活性な3’→5’エキソヌクレアーゼとを有することができる。DNAポリメラーゼIに加えて、TaqDNAポリメラーゼおよびTthポリメラーゼ(サーマス・サーモフィラス(Thermus thermofilus)に由来)だけがこれまでに確認された5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNA依存性ポリメラーゼであることに留意されたい。
鋳型DNA分子は、DNA依存性DNAポリメラーゼのための鋳型としての役割を果たすssDNA分子である。
DNAプライマー分子は、一続きの鋳型DNA分子に相補的な短いDNA分子であり、DNA依存性DNAポリメラーゼによるDNA重合のためのプライマーとしての役割を果たす。
無傷の形態(intact form):本発明で使用されるDNAプローブは、本発明に従うあらゆるポリメラーゼ反応が実施される前の形態である場合に、その無傷の形態であるといわれる。
サルベージ合成経路は図1に示されており、TTPおよびdCTPの合成のための経路の1つである。
TTPおよびdCTPは、チミジンおよびデオキシシチジンの対応するデオキシヌクレオシドの三リン酸塩である。これらはまず、デオキシリボヌクレオシドキナーゼの助けを借りて、例えばATPからのリン酸基を移動して、対応する一リン酸塩のTMPまたはdCMPを生じることによって生成される。
dTMPキナーゼおよびシチジル酸(cytidylate)キナーゼは、対応する二リン酸ヌクレオシドのTDPおよびdCDPの形成を触媒する。
ヌクレオシド二リン酸キナーゼは、二リン酸塩を最終の三リン酸ヌクレオチドに変換する。
RNA依存性DNAポリメラーゼは、第1の鎖の合成中に鋳型としての役割を果たす一本鎖RNAによる、デオキシリボヌクレオシド三リン酸のデオキシリボ核酸への構築を触媒する酵素である。
使用される略語
ATP アデノシン5’−三リン酸
AZTMP アジド−チミジン一リン酸
BrdU ブロモデオキシウリジン
dCDP デオキシシチジン二リン酸
dCK デオキシシチジンキナーゼEC2.7.1.21;ATP:シチジン−5’−ホスホトランスフェラーゼ
dCMP デオキシシチジン一リン酸
dCMPK シチジル酸キナーゼ:EC2.7.4.14;ATP:dCMPホスホトランスフェラーゼ
dsDNA 二本鎖DNA
hrdCK ヒト組換えデオキシヌクレオシドキナーゼ
hrTK1 ヒト組換えチミジンキナーゼ1
MMX MasterMix[サンプルなしの試薬混合物]
NdPK ヌクレオシド二リン酸キナーゼ:EC2.7.4.6;ATP:ヌクレオシド二リン酸ホスホトランスフェラーゼ
hrTK1 ヒト組換えチミジンキナーゼ1
ssDNA 一本鎖DNA
TDP デオキシチミジン二リン酸
TK チミジンキナーゼ:EC2.7.1.21;ATP:チミジン−5’−ホスホトランスフェラーゼ
TMPK dTMPキナーゼ:EC2.7.4.9;ATP:TMPホスホトランスフェラーゼ
TMP デオキシチミジン一リン酸
本発明の目的は、デオキシリボヌクレオシドキナーゼ活性を検出するための一般的で改善された方法およびキットを提供することである。本発明者らは、サンプル中のTKを検出できるだけでなく、例えば、癌治療中の薬物耐性発現のモニタリングのためにdCKを試験することもでき、性能が確実であり、迅速、簡単であり、ユーザーが使いやすく、臨床的な使用に安全である、活性ベースのデオキシリボヌクレオシドキナーゼ活性アッセイのキットおよび方法が依然として必要とされていることを見出した。
癌疾患管理のための診断ツールとしてのdCKの使用は、まだその臨床用途を見出していない。しかしながら、癌治療において使用されるシタラビンおよびより新しいゲムシタビンなどのいくつかのヌクレオシド類似体はdCKによって活性化され、従って、耐性はdCKの欠乏と関連しているので、耐性発現を簡単に決定するために効率的な解決を見出すことが最も重要である。
本発明は、特許請求の範囲において要約される。
発明の詳細な説明
TaqDNAポリメラーゼは、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)由来のDNA依存性DNAポリメラーゼである。Taqポリメラーゼまたは単にTaqは、65〜75℃の間の最適温度間隔を有する。TaqDNAポリメラーゼは、5’→3’ヌクレアーゼ活性も組み込む。
予想外に、プライマー伸長および5’→3’ヌクレアーゼ活性の両方に関して、37℃におけるTaqDNAポリメラーゼの静止活性(rest−activity)は、蛍光で二重標識化されたプローブ(一方がそのエネルギーを他方に移動させ(消光)、他方はエネルギーを光の代わりに熱へ放出する)から5’結合蛍光マーカーを放出するのに十分であることが分かった。
従って、これまで提示されたデオキシリボヌクレオシドキナーゼの検出方法と比較して、終点の酵素活性を決定する代わりに、デオキシリボヌクレオシドキナーゼ活性をリアルタイムで測定することが可能であり得る。
核酸増幅アッセイ系におけるリアルタイムの決定は、改善された感受性に加えて、迅速性、改善された分解能、およびより良い精度という利点を有する。
また、均一なデオキシリボヌクレオシドキナーゼ活性アッセイが現在市場にあるアッセイと競合するために、健常者からのこれらの活性(例えば、0.5U/l〜7U/l)をアッセイ開始から5時間以内に測定することができなければならないことも主張された。
これまでの試みでは、残念ながら、TaqDNAポリメラーゼを用いる37℃におけるプライマー伸長および5’−ヌクレアーゼ反応では結果は得られなかった。そのため、TaqDNAポリメラーゼのプライマー伸長反応および5’ヌクレアーゼ反応は、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)DNA依存性DNAポリメラーゼIからの同じ活性によって置換され、従って、均一アッセイのリアルタイム側面が保たれ得ることが主張および仮定された。残念なことに、DNAポリメラーゼIは5’結合フルオロフォアを非特異的に放出するので、この酵素は使用できないことが判明した。
そのため、両方の反応のためにただ1つのインキュベーション温度を用いる真のリアルタイムアプローチは放棄され、2段階の温度シフト手順で置き換えられなければならず、すなわち、(1)TTPまたはdCTPの生成は37℃で生じなければならず、(2)プライマー伸長結合5’−ヌクレアーゼフルオロフォアの放出は、TaqDNAポリメラーゼの活性を支援するためにより高い温度(例えば、51℃)でインキュベートされなければならないことが再度主張された。TaqDNAポリメラーゼは51℃においてその最高活性の約40%を保持するはずなので、これはうまくいくことが期待された。さらに、温度シフト2段階アッセイは、温度シフトを実行するためのリアルタイムPCR機器をプログラミングすることによって試験提供者およびオペレータには見えなくすることができるので、産業上の適用性は保持されるはずであることが主張された。
そのためにまず第1に、51℃におけるハイブリダイゼーションに最適な熱力学的特性に調和させるようにプライマー−鋳型−プローブシステムが構築された。MgCl濃度を考慮に入れて、プローブのTmは69℃に達すると計算された。TK活性のみを測定する最初の試みでは、意外にも、37℃のインキュベーション工程では、含有された2つの標準点から放出および規格化された蛍光、すなわちそれぞれ2000pg、200pg、20および2pgのhrTK1からの活性の微細な線形グラフが生じることが判明した。0.9669のR値が得られた。51℃の反応から放出および規格化された蛍光の線形グラフは解釈するのにさらに悪くなるが、まだ読むことができる。従って、サンプル中のTKを検出するために可能性のあるリアルタイムアッセイアプローチはすぐ近くにあると結論付けられた。さらにより意外なことは、第1の実験が、正常な健常者からの血清サンプル中に見出されるレベルまで下がったTK活性を1時間以内に測定する可能性を示すという事実であった。これは、最初の予備的な仕様から4時間の改善を示す。hrTK1の比活性は、2.1μmol/分/mgであると推定される。アッセイは、リアルタイムPCRを説明する線形および定常(飽和)期を保持するだけである。37℃におけるTK活性のリアルタイム検出の驚くべき効果は、2段階温度シフト手順と関連がある2つの他の問題を直ちに解決した。第1に、TKは特徴的なTTP阻害を示す。これにより、2段階アッセイは、高TK活性含有サンプルに対して実施するのが困難になる、すなわち、希釈工程が必要とされ得る。生成されるTTPまたはdCTPは、TaqDNAポリメラーゼによるTTPまたはdCTPのプライマー−鋳型システムへの取込みによって絶えず除去されるので、今この問題は省略することができる。第2に、より高いTK活性値(10U/lという低い値からでさえ)はアッセイの開始から数分以内に発生し、従って分解能を激しく妨害するので、51℃などのより高い温度におけるTaqDNAポリメラーゼの非常に高い重合速度(72℃で35〜100nt/秒)は、リアルタイムでアッセイ結果を解釈する上でいくつかの深刻な問題を引き起こし得る。同時に、1回の反応につき限られた量のTaqDNAポリメラーゼUだけが使用され得ることがシグナルの分解能によって必要とされるという事実のために、健常者からの活性はシグナルが検出できるまでに数時間を必要とし得る。要約すると、明らかでない知見が開示され、これは、デオキシリボヌクレオシドキナーゼ活性の検出のための産業上の適用可能なアッセイおよび方法(図5)に今変わり得る。アッセイの感受性は、この後の実験、実施例3において検証される。
要約すると、天然基質チミジン(T)および/またはデオキシシチジン(dC)、またはこれらの混合物と、DNA依存性DNAポリメラーゼとは、TKまたはdCKなどのデオキシリボヌクレオシドキナーゼの触媒濃度を測定するために必要とされる必須の試薬であることが今分かった。これは、TKまたはdCK活性アッセイのための他の既知の成分を有する均一混合物中で行うことができる。サンプル中のTKまたはdCK触媒活性と、反応混合物中に存在するdTMPキナーゼ、またシチジル酸キナーゼなどの他のヌクレオシドキナーゼおよびヌクレオシド二リン酸キナーゼからの活性との結合相補性によって、アッセイは性能が確実であり、実施が迅速および簡単であり、臨床的に安全であるとされる。これらの試薬は、都合よく、プライマー−鋳型−検出器システムを用いるプライマー伸長によりTTPまたはdCTPを生成する(それぞれ固定された濃度を有する)ためのキットおよび緩衝液中に含有させることができる。サンプルを含まない反応混合物中の試薬は、本明細書の他の部分では、マスターミックス(略語MMX)と呼ばれるであろう。またDNA依存性DNAポリメラーゼは、MMX中に含まれていてもよい。表1は、デオキシリボヌクレオシドキナーゼの決定のための方法を組み込んだキット成分に関連して従来技術の現状を要約する。要約すると、これまでのデオキシリボヌクレオシドキナーゼキットクレームはどれも、DNA依存性DNAポリメラーゼおよび天然Tおよび/またはdC基質、またはこれらの混合物、またはそれを使用する方法を組み込んでいない。
Figure 0006409233
細菌およびウィルスなどからのサンプル中の核酸標的の検出および測定のための均一PCRアッセイは、臨床診断において極めて重要なアッセイ方法になってきている。
異なる検出技術が均一PCRアッセイに適用されている。これらには、分子検出器の挿入を用いる消光技術と、二重標識化FRET核酸プローブなどの消光プローブ技術と、接触消光核酸プローブを利用するいわゆる分子ビーコン法とが含まれる。
本発明の実施は、当該技術の技能の範囲内である分子生物学および酵素学において周知の技術を用いる。本発明によると、DNA依存性DNAポリメラーゼと、基質としての天然TまたはdCとを含むキットは、サンプル中の触媒濃度のTKまたはdCKを測定するためにいくつかの検出部分と組み合わせて使用することができる。
またキットは、TMPKまたはdCMPKなどのホスホトランスフェラーゼおよびNdPKによって完成されてもよい。これらの成分は、都合よく非組換え天然宿主に由来することもできるし、あるいは相補酵素の活性遺伝子を保有する真核生物または細菌ベクター系から発現される組換え酵素に由来することもできる。
プライマー−鋳型−プローブ検出器システムの設計
本発明の全ての好ましい態様において、プライマー−鋳型−プローブシステムを設計することが重要である。DNA依存性DNAポリメラーゼの選択は、プライマー−鋳型−検出器の選択と整合しなければならない。
本発明は、リアルタイムPCRの場合と同様に温度サイクリングシフトを必要としない。しかしながら、検出器として二重標識化一本鎖およびFRET消光DNAプローブを用いて(図2)、検出はリアルタイムで容易に行われる。プライマー−鋳型−プローブシステムは、ここでは、プライマーよりも3〜15℃高いTmを達成するようにプローブ配列を構築することによって、プローブがプライマーよりも前に鋳型とハイブリッド形成することを指示するように設計され、従って、プライマーよりも速く鋳型に優先的に結合する。さらにより好ましいのは、5〜10℃高いTmである。最も好ましいのは、7〜9℃高いTmである。次に、プライマー伸長を開始するためのTTPまたはdCTPの必要条件は、プローブがプライマーよりも前に鋳型に優先的に結合するために短い遅延を課してもよい。この検出器システム(図2)については、TaqDNAポリメラーゼは、本発明の最も好ましいDNA依存性DNAポリメラーゼである。TaqDNAポリメラーゼの濃度は、1回の反応につき0.01〜4Uの範囲でよい。より好ましいのは、1回の反応につき0.1〜2Uである。さらにより好ましいのは、1回の反応につき0.3〜1UのTaqDNAポリメラーゼである。最も好ましいのは、1回の反応につき0.5UのTaqポリメラーゼである。プライマーの設計は、考慮中の5’ヌクレアーゼアッセイを用いて、消光剤と5’−フルオロフォアとの間のフォルスタ半径を取らなければならない。
分子ビーコンプローブなどの蛍光二重標識化一本鎖DNAプローブ(その無傷でハイブリッド形成されていない形態では消光される)を検出器として用いる(図3)ことは、ハイブリッド形成工程に対して同じ温度戦略を課する。プライマー−鋳型−プローブシステムは、プライマーよりも3〜15℃高いTmを達成するようにプローブ配列を構築することによって、プローブがプライマーよりも前に鋳型とハイブリッド形成することを指示するように設計され、従って、プライマーよりも速く鋳型に優先的に結合する。さらにより好ましいのは、5〜10℃高いTmである。最も好ましいのは、7〜9℃高いTmである。次に、プライマー伸長を開始するためのTTPまたはdCTPの必要条件は、プローブがプライマーよりも前に鋳型に優先的に結合するために短い遅延を課してもよい。図3に記載されるように本発明に従う検出を実行するために、DNA依存性DNAポリメラーゼはDNA鎖置換活性を保有しなければならない。本発明のこの検出器システムについては、置換DNAポリメラーゼの濃度は、使用されるDNAポリメラーゼに対して1回の反応につき0.01〜5Uの範囲でよい。より好ましいのは、1回の反応につき0.1〜3Uである。
最後の検出器システム(図4)では、プライマー伸長によって生じる二本鎖DNAは、表面結合または挿入蛍光分子の結合が結合時に検出されることを可能にする(図4)。この検出システムのために使用されるDNAポリメラーゼは、好ましくは、Klenow exoDNAポリメラーゼで例示される3’→5’exoDNA依存性DNAポリメラーゼであり得る。DNAポリメラーゼの濃度は、好ましい酵素に応じて1回の反応につき0.01〜4Uの範囲でよい。より好ましいのは、1回の反応につき0.1〜2Uである。
異なる検出器システムからのシグナルの検出
シグナル検出のための機器は、優先的に、リアルタイムPCR機器であり得る。機器の加熱−冷却原理または励起および発光検出原理に関してどんな優先も本発明に従う方法には適用されない。
本発明に従う方法はCt値を使用することができ、これは次に、1リットル当たりの単位酵素活性(U/l)などの触媒濃度定義に変換される。本発明に従う方法が、シグナルのサンプリング中、Ct値および時間単位のどちらかを選択可能であることは理解されるべきである。方法は、触媒濃度に対して承認された定義を用いる。
サンプル中のTKまたはdCKの量は、好ましくは、使用される検出システムに応じて蛍光の増大または減少の合計が閾値検出可能レベルに到達するサイクル数を関連付けることによって、検出方法のいずれかにより決定される。
キット設計
DNA依存性DNAポリメラーゼおよび天然TまたはdC基質は1つまたは複数の反応容器に分配されてもよい。蛍光検出機器において本発明に従う方法を実行するのに適した反応容器は、好ましくは、20μl〜200μlの全容積を保持することができる。さらにより好ましくは、反応容器は、25μlまたは50μlの容積を保持することができる。本発明に従う方法の反応容積は、好ましくは、5μl〜100μlの範囲であり得る。さらにより好ましい反応容積は25μl〜50μlである。
キットを用いるサンプル処理
MMXを反応容器に加えた後、サンプルが容器に添加される。容器は閉められ、測定機器に入れられ、インキュベートされる。蛍光サンプリングが始まり、選択されたサイクル数だけ継続される。TK/dCKサンプルは、好ましくは、血清または血漿を構成することができる。さらにより好ましいのは、血清およびクエン酸血漿である。反応容積のサンプルの割合は、好ましくは、1〜20%であるものとする。
本発明に従う方法は、サンプル中の触媒濃度のTKまたはdCKの検出および決定のために、TTPまたはdCTPの生成を、プライマー伸長および蛍光シグナル発生と結び付ける。簡単に言うと、TTPまたはdCTPは、キットを構成するTMPKまたはdCMPKおよびNdPKの相補活性と共に、サンプルからのTKまたはdCKによって生成される。TMPKまたはdCMPK、およびNdPKは、好ましくは、サンプル中のTKまたはdCKの最高推測濃度を超えて(例えば、3000U/lよりも多く)反応中に存在する。NdPKに関しては、2000pgのhrTK1で表される触媒濃度(約10000U/l)の1×〜1000×である。さらにより好ましいのは、2000pgのhrTK1で表される触媒濃度の50×〜1000×の間のであるNdPK濃度である。TMPKまたはdCMPKに関しては、2000pgのTKで表される触媒濃度の1×〜1000×が好ましい。さらにより好ましいのは、2000pgのhrTK1で表される触媒濃度の5×〜100×の間の濃度である。
TTPまたはdCTP基質は、都合よくキットを構成するDNA依存性DNAポリメラーゼによって継続的に利用され、3つの検出システムのいずれかに従ってプライマー伸長反応を実行して蛍光シグナルを発生し、これは次に、サンプル中のTKまたはdCK触媒濃度と関連付けることができる。3つの検出システムは全てについて、鋳型は、測定すべきデオキシリボヌクレオシドキナーゼがどれであるかに応じて、プライマー結合相補配列の下流(すなわち鋳型配列の5’−方向)の鋳型ヌクレオチド配列中に1つまたは複数の「A」または「G」を有することが好ましい。デオキシグアノシンキナーゼ(dGk)を検出する場合、鋳型は、プライマーの下流に1つまたは複数の「C」を必要とする。明確にするために、本明細書では、各プライマー−プローブ−検出器セットは、使用される検出システムに関係なく、少なくとも鋳型と、検出が意図されるデオキシリボヌクレオシドキナーゼとに関して特異的であることに注意されたい。5’ヌクレアーゼ検出システムを用いる多重検出、すなわち同一反応容器中の複数のデオキシリボヌクレオシドキナーゼの検出も、特異的なプローブ配列および標識を必要とする。
検出システム1とも呼ばれる検出システムの1つ(図2)では、5’−共有結合フルオロフォアと、同じプローブに3’−方向に共有結合された消光剤フルオロフォアとを有する一本鎖オリゴヌクレオチドプローブからの蛍光は、動的消光またはFRETの作用によって消光される。所定量のプライマー、鋳型およびプローブを用いるプライマー伸長反応の過程において、DNA指向性DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性によって、5’−共有結合フルオロフォアが放出される、すなわちプローブから加水分解される。
検出システム2とも呼ばれる別の検出システム(図4)では、SYBR green I(登録商標)、Picogreen(登録商標)およびEva Green Dye(登録商標)で例示されるがこれらに限定されない挿入または表面結合蛍光発生分子からの蛍光は、その遊離または非結合状態で消光される。所定量の鋳型および1つのプライマーを使用するプライマー伸長反応の過程において、蛍光発生分子は、生成される二本鎖DNAに挿入または表面結合され、その際に蛍光を発生し始める。
検出システム3とも呼ばれる第3の検出システム(図3)では、5’−共有結合フルオロフォアと、5’−結合フルオロフォアに対して3’−末端で同じプローブに共有結合された消光剤フルオロフォアとを有する、いわゆる分子ビーコンを含む一本鎖オリゴヌクレオチドプローブからの蛍光は、接触消光または静的消光の作用によって消光される。
インキュベーションおよびリアルタイムサイクリングの開始の前に、分子ビーコンプローブは変性され、標的鋳型とのハイブリッド形成が可能になる。鋳型とハイブリッド形成すると、接触消光が解放され、ゼロ時間で最大蛍光が到達される。所定量のプライマー、鋳型およびプローブを用いるプライマー伸長の過程において、プローブは、Φ29DNAポリメラーゼまたはBsm大型断片DNAポリメラーゼまたはBst大型断片DNAポリメラーゼの作用によって置換される。後者の2つのDNAポリメラーゼは、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性が欠けている。分子ビーコンは置換されるとそのステムループ構造形態を保持し、単位時間当たりのTTPまたはdCTPの生成に関係して、接触消光が蛍光を消す。Dabcylの使用により5’フルオロフォアからの蛍光が吸収される。3つ検出システム全てにおいて検出はリアルタイムで行われる。
検出システム1に関連するキットは、DNA依存性DNAポリメラーゼと、天然TもしくはdC基質、またはBr−dUもしくはdC、最も好ましくは天然TまたはdC基質とを含むことができる。好ましくは、DNA依存性DNAポリメラーゼは、3’→5’エキソヌクレアーゼを持っていない。
好ましくは、キットは、0.001〜100ng/反応、さらにより好ましくは、0.01〜10ng/反応の濃度へのTMPKまたはdCMPKと、0.02〜0.002U/LのNdPK/反応と、ATP、UTP、CTPまたはGTP(0.5〜15mM、より好ましくは3〜6mM、最も好ましくは4〜5mMの間のATP)などのγ−リン酸供与体とを含む。
プライマーは10〜20のヌクレオチド長、より好ましくは10〜15のヌクレオチド長である。プライマーは、副溝結合修飾プライマーであってもよい。プライマーの例は配列番号9である。鋳型(50〜1000ヌクレオチド、より好ましくは75〜250ヌクレオチド)は、プライマー配列に相補的な3’−近位配列を有する。好ましくは、鋳型配列は、TKまたはdCKの検出のために、プライマー結合部位の1〜10ヌクレオチド下流側(すなわち、鋳型の5’−方向)、さらにより好ましくは、プライマー配列に対する補体の3’−端部のすぐ下流側の位置に1つまたは複数の「A」または「G」を有する。最も好ましくは、1つのAまたは1つのGが、プライマー配列に対する補体の3’−端部のすぐ下流側の位置に位置する。鋳型配列の残りの部分を形成するヌクレオチド組成物は、好ましくは、TK活性の検出のためにはT、CおよびGの混合物であり、あるいはdCK活性の検出のためにはGの代わりにAであり、好ましい比率は60〜40%のGCである。鋳型の例は配列番号7である。
挿入または表面結合蛍光発生分子は、例えば、SYBR GreenI(登録商標)、Picogreen(登録商標)、またはEva Green Dye(登録商標)によって例示される。
さらに、キットはデオキシヌクレオチド三リン酸、dGTP、dATP、TTPおよびdCTPを含んでいてもよい。
キットは、2〜8mMの間の最終濃度へのDTTまたはDTEなどの酵素安定化試薬と、0.2〜1%(W/V)の間の最終濃度へのBSAと、5mM〜12mM、最も好ましくは5〜10mMの濃度へのMgClとしてのMg2+とを含んでいてもよい。
DNA依存性DNAポリメラーゼは、好ましくは、0.01〜5U/反応の間の濃度である。天然TまたはdC基質は、好ましくは、0.01mM〜1mMの間であり、さらにより好ましくは0.1mMである。
挿入分子を利用する検出システムに関係する方法では、MMXおよびサンプルの混合物は、好ましくは、36〜42℃、またはさらにより好ましくは37℃で30〜220分間インキュベートされ、規格化された蛍光が選択された蛍光の閾値レベルを交差するために必要とされる蛍光捕獲サイクルの回数(Ct)を関連付けることによって、サンプル中のTKまたはdCKの量がリアルタイムで決定される。次に、それぞれのデオキシリボヌクレオシドキナーゼについて、閾値Ct交差点を、標準曲線(図7)を構成する既知の数の異なるTKU/lまたはdCKU/lの予め選択されたサンプルのCtに適合させる。値は、2〜8の異なる触媒濃度(好ましくは、1〜3U/l、10〜20U/lおよび50〜100U/l、100〜500U/lおよび500〜1500U/lの間の濃度)のTKまたはdCKのいずれかからなる標準曲線に外挿される。標準曲線は、別々に割り当てられたTKまたはdCKを含む。
検出システム2を用いてTKまたはdCKを検出するためのキットは、DNA依存性DNAポリメラーゼと、天然TもしくはdC基質、またはBrdUもしくはdCとを含んでいてもよい。最も好ましいのは、天然TまたはdC基質である。好ましくは、DNA依存性DNAポリメラーゼは、3’→5’エキソヌクレアーゼを持たないが、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有する(例えば、TaqDNAポリメラーゼまたはTthDNAポリメラーゼなど)。
好ましくは、キットは、0.001〜100ng/反応、さらにより好ましくは0.01〜10ngの濃度へのTMPKまたはdCMPKと、0.02〜0.002U/LのNdPKとを含む。0.5〜15mMの間、より好ましくは4〜6mMの間の濃度のATP、UTP、CTPまたはGTPなどのγ−リン酸供与体が必要とされる。最も好ましいのは、5mMのATPである。10〜20のヌクレオチド長のプライマーがキット中に含まれていてもよい。プライマーは、配列番号2および配列番号5で例示される。最も好ましいプライマーは10〜15のヌクレオチド長である。プライマーは、副溝結合修飾プライマーであってもよい。
検出システム2において使用するための鋳型は、25〜200ヌクレオチドの長さでキット中に含まれ得る。鋳型の例は、配列番号1および配列番号4において示される。鋳型は、プライマーに相補的な3’−配列と、下流側(すなわち、鋳型5’端部の方向)の二重標識化核酸プローブに相補的な配列とを含む。鋳型配列は、プライマーの3’−端部から1〜10ヌクレオチド下流側、さらにより好ましくはプライマーの3’−端部のすぐ下流側に位置する1つまたは複数の「A」または「G」を含むことができる。鋳型配列の残りの部分を形成するヌクレオチド組成物は、好ましくは、T、C、GおよびAの混合物であり、好ましい比率は60〜40%のGCである。10〜30のヌクレオチド長のプローブは配列番号3または配列番号6によって例示され、これは、機能的に適合することが当該技術分野におい知られているフルオロフォアおよび消光剤対により共有結合で標識化される。例えば、TK特異的な鋳型のために、プローブの5’結合フルオロフォアは6−FAMフルオロフォア標識を含むことができ、3’−末端ヌクレオチドはBHQ1消光フルオロフォア標識(Biosearch Technologies Inc.)を保有することができる。dCK特異的な鋳型のために、プローブは、3’−末端ヌクレオチドに結合されたBHQ1と共に、6−FAMの代わりにTETフルオロフォア標識を保有することができる。6−FAMとTETの間のスペクトル差は非常に大きく(11nm)、多重形式で実行される場合でも、2つのフルオロフォアから放出される光を区別することが可能になる。ヌクレオチドTTP、dCTP、dGTPおよびdATPはキット中に含まれ得る。キットは、2〜10mMの間の最終濃度へのDTTまたはDTEなどの酵素安定化試薬と、0.2〜1%(W/V)の間の最終濃度へのBSAと、40〜100mMの間、最も好ましくは50mMの濃度への塩としての一価のカチオン(例えば、KClとしてのK)と、5mM〜14mM、最も好ましくは7〜12mMの濃度への二価のカチオン(例えば、MgClまたはMgSOとしてのMg2+)とを含んでいてもよい。DNA依存性DNAポリメラーゼは、好ましくは、1回の反応につき0.01〜2Uの間の濃度で存在する。TもしくはBrdUもしくはdC基質または天然TもしくはdC基質は、好ましくは、0.01mM〜1mMの間、さらにより好ましくは0.1mMの濃度で存在する。
これらのキット成分を用いる図2に示される方法は、サンプルおよびMMXを好ましくは33℃〜42℃、さらにより好ましくは37℃で30〜200分間インキュベートし、リアルタイムで継続的に検出器からのシグナルの増大を捕獲および測定することを含む。好ましくは、規格化された蛍光(すなわち、蛍光捕獲の開始後少なくとも最初の5回の捕獲サイクルにわたる全蛍光からバックグラウンド蛍光が差し引かれた後に残るサンプルからの蛍光)が選択された閾値レベルを交差するために必要とされる蛍光捕獲サイクルの回数(Ct)を関連付けることによって、あるいは、同じ閾値に到達するのに必要とされる時間に関連付けることによって、サンプル中のTKまたはdCKの量を決定する。サンプルの閾値Ctを、U/lで表される既知の触媒濃度のTKまたはdCKを有する予め選択された標準から作成される標準曲線に適合させる。閾値レベルの決定は実行前に固定閾値を設定することによって行われてもよいし、あるいは実行の完了後に、最低のデオキシリボヌクレオシドキナーゼ活性が含まれる対照、例えば0U/lを含有する負の対照(実行の最後に交差する)に対して閾値レベルを設定することによって行われてもよい。
図3に示される検出システム3を用いてTKまたはdCKを検出するためのキットは、DNA依存性DNAポリメラーゼと、天然基質TもしくはdCまたはBrdUもしくはdC、最も好ましくはTまたはdC天然基質とを含むことができる。好ましくは、DNA依存性DNAポリメラーゼは、Φ29DNAポリメラーゼ、またはバチルス・スミシイ(Bacillus smithii)からのBsm DNAポリメラーゼの大型断片(K.K.DNAFORM)、またはバチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)からのBst DNAポリメラーゼ大型断片(New England Biolabs Inc.)により例示されるような置換活性ポリメラーゼである。
好ましくは、キットは、0.001〜100ng/反応、さらにより好ましくは0.01〜10ngの濃度へのTMPKまたはdCMPKと、0.02〜0.002U/LのNdPKとを含む。2〜8mMの間、より好ましくは4〜6mMの間の濃度のATP、UTP、CTPまたはGTPなどのγ−リン酸供与体が必要とされる。最も好ましいのは、4mMの濃度のATPである。
7〜20のヌクレオチド長のプライマーがキット中に含まれ得る。プライマーの例は配列番号9に示される。プライマー配列は副溝結合プライマーであってもよい。最も好ましくは、プライマーは10〜16のヌクレオチド長である。
30〜1000のヌクレオチドの長さを有する鋳型がキット中に含まれ得る。鋳型配列の例は配列番号8に示される。鋳型は、プライマーに相補的な3’−配列と、下流側(すなわち、鋳型の5’端部の方向)の二重標識化核酸プローブに相補的な配列とを含む。鋳型配列は、プライマーの3’−端部から1〜10ヌクレオチド下流側(より好ましくは、ヌクレオチドは2〜4ヌクレオチドの間である)、さらにより好ましくはプライマーの3’−端部のすぐ下流側に位置する1つまたは複数の「A」または「G」を含むことができる。鋳型配列の残りの部分を形成するヌクレオチド組成物は、好ましくは、T、C、GおよびAの混合物であり、好ましい比率は60〜40%のGCである。キットは分子ビーコンプローブを含んでいてもよい。プローブの構造は図3に例示される。プローブは、5’共有結合フルオロフォアと、3’−端部の方向の消光剤フルオロフォアとを含むことができる。好ましくは、消光剤はDabcylなどの接触消光剤フルオロフォアであり、接触消光原理に従って機能する。プローブ配列の例は配列番号10に示される。鋳型配列の残りの部分を形成するヌクレオチド組成物は、好ましくは、T、CおよびGまたはAの混合物であり、好ましい比率は60〜40%のGCである。
キットのその他の成分は、TTP、dCTP、dGTP、dATPまたは他の修飾ヌクレオチドと、2〜8mMの間の最終濃度へのDTTまたはDTEなどの酵素安定化試薬と、0.2〜1%(W/V)の間の最終濃度へのBSAと、5〜100mMの間、最も好ましくは10mMの濃度への塩としての一価のカチオン(例えば、KClとしてのK)と、5mM〜12mM、最も好ましくは5〜10mMの濃度への二価のカチオン(例えば、MgClとしてのMg2+)とであり得る。
キットは、Bsm DNAポリメラーゼDNAポリメラーゼの大型断片によって例示されるDNA鎖置換特性を有するDNAポリメラーゼを含有してもよい。さらにより好ましいのは、鎖置換特性を有し、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNA依存性DNAポリメラーゼである。置換DNA依存性DNAポリメラーゼは、好ましくは、0.01〜2U/反応の間の濃度である。TもしくはBrdUもしくはdC基質または天然TまたはdC基質は、好ましくは、0.01mM〜1mMの間、さらにより好ましくは0.1mMである。
これらのキット成分を用いる図3に示される方法は、サンプルおよびMMXを好ましくは33℃〜42℃、さらにより好ましくは37℃でインキュベートし、リアルタイムで継続的に蛍光の減少を測定することを含む。好ましくは、規格化された蛍光(すなわち、開始後少なくとも最初の5〜18サイクルにわたる全蛍光からバックグラウンド蛍光が差し引かれた後に残るサンプルからの蛍光)が選択された閾値レベルを交差するために必要とされる蛍光捕獲サイクルの回数(Ct)を関連付けることによって、あるいは、同じ閾値に到達するのに必要とされる時間に関連付けることによって、サンプル中のTKまたはdCKの量を決定する。サンプルの閾値Ctを、U/lで表される既知の触媒濃度のTKまたはdCKを有する予め選択された標準から作成される標準曲線に適合させる。
国際公開第10036359号パンフレットには、ポリメラーゼ活性のアッセイのためのキットが記載されている。国際公開第10036359号パンフレットの方法およびキットは、血清を有するサンプルにおいてポリメラーゼ活性をどのようにして検出することができるかについて議論していない。血清を有するサンプル中のポリメラーゼ活性を検出することができるキットが必要とされている。
以下は、本明細書のこのセクションに記載される全ての検出システムに適用される。
− 反応チューブおよびPCR機器は、実施例1に続く全ての実施例について同一である。
− 緩衝混合物は、実施例1に続く全ての実施例について同一である。
− MMXは、試験すべきデオキシリボヌクレオシドキナーゼ含有サンプル(デオキシリボヌクレオシドキナーゼサンプルが緩衝液で置き換えられた負の対照を含む)を除く全ての成分を含むと定義される。
− サンプルは、組換えもしくは精製デオキシリボヌクレオシドキナーゼ、またはこれらを含む血清もしくは血漿のいずれかであり得る。
− デオキシリボヌクレオシドキナーゼの希釈は、全ての実施例に対して、表2に記載される緩衝液中で行われる。
− 反応容積は検出システムに関係なく25μlである。
− 全てのサンプルは、使用される検出システムに関係なく3通り実行される。
実施例1:
検出システム1に従うhrTK1標準曲線
200pg、20pgおよび2pgのhrTK1から、hrTK1触媒活性値を示す標準曲線を作成した。hrTK1の負の対照として、そして規格化された蛍光の閾値レベルの決定のために、0pgの標準点を含有させた。hrTK1の比活性は、2.1μmol・分−1・mg−1であった。各標準点を3通り実行した。hrTK1は、TK希釈緩衝液(表2)中に希釈した。
Figure 0006409233
簡単に言うと、酵素混合物は、500×に希釈(1回の反応につき0.01単位の最終触媒濃度を与える)した酵母からのNdPKと、50×に希釈(1回の反応につき36ngに等しい)したTMPKと共に、hrTK1の各標準点を含有するように調製した。酵母NdPKおよび組換えTMPKの比活性は、それぞれ5.4および3μmol/分/mgであると推定される。緩衝混合物、基質混合物およびオリゴヌクレオチド混合物を表4に従って調製した。各標準点に対する3.225μlのMMXは、緩衝混合物、基質混合物、およびオリゴヌクレオチド混合物(表3)を0.8UのKlenow exoDNAポリメラーゼと一緒に混合することによって、1.5mlのポリプロピレン微小遠心管中室温で調製した(0pgのhrTK1の負の対照を含む)。
Figure 0006409233
鋳型を含まない対照MMX(No−Template−Control MMX)中に200pgの酵素混合物を含有させた。100μlのPCRチューブ(Qiagen GmbH)に25μlを3通り分配した。チューブを閉め、Rotor−Gene Q3000(Qiagen GmbH)リアルタイムPCR機器に入れた。実行プロファイルは、(1)42℃で2分間保持、(2)35℃で1分間保持、(3)37℃で15分間保持、(4)サイクリング:37℃で30秒間→37℃で30秒間であり、SYBR GreenI(登録商標)/FAMチャネル(470nmで励起、510nmで検出)に対してシグナルを獲得した。各サイクルを90回繰り返した。全アッセイ時間は108分間である。
結果
蛍光の規格化はサイクル1から行った。90サイクル(分)の後に交差する0pgのhrTK1に対する閾値を選択した。この実施例では、0.000標準蛍光単位における閾値を得た。X軸には、それぞれの標準点からの活性(デオキシリボヌクレオシドキナーゼのpgで与えられる)が与えられる。各標準点は、pg(x);Ct(y)値を保有する。0.965のR値が得られ、標準曲線が、サンプル中のTKU/lの量を決定するための手段としての役割を果たすことができることが示される。
実施例2.
検出システム1に従うhrdCKからのdCK標準曲線
20000pg、2000pg、200pg、20pgおよび2pgの酵素から、hrdCK触媒活性値を示す標準曲線を作成した。hrdCKの負の対照として、そして規格化された蛍光の閾値レベルの決定のために、0pgの標準点を含有させた。簡単に言うと、酵素混合物は、hrTK1の各標準点と、実施例1と同様のNdPKと、50×に希釈(1回の反応につき48ngの酵素に等しい)したdCMPKとを含有するように調製した(表4)。組換えdCMPKの比活性は、35μmol/分/mgであると推定される。3.225μlのMMXは、緩衝混合物、基質混合物およびオリゴヌクレオチドを0.8UのKlenow exo断片DNAポリメラーゼと一緒に混合することによって、各標準点に対して、1.5mlのポリプロピレン微小遠心機中室温で調製した(0pgのhrdCKの負の対照を含む)。MMX調製物は、dCTPがMMX中TTPで置き換えられることを除いて、実施例1の場合と同一であった。オリゴヌクレオチド混合物は表4に従う。
Figure 0006409233
最後に、それぞれの標準点からの酵素混合物を添加した。2000pgのhrdCKの酵素混合物をNTC MMX中に含有させた。次に、3つの別個のPCRチューブに25μlを分配した。
チューブを閉め、リアルタイムPCR機器に入れた。サイクリングプロファイルは、(1)42℃で2分間保持、(2)35℃で1分間保持、(3)37℃で15分間保持、(4)サイクリング:37℃で30秒間→37℃で30秒間であり、SYBR GreenI(登録商標)/FAMチャネル(470nmで励起、510nmで検出)に対してシグナルを獲得した。各サイクルを90回繰り返した。全アッセイ時間は108分間である。
結果
蛍光の規格化はサイクル1からである。90分後の0pgに対する閾値を選択した。閾値を0.017標準蛍光単位に設定した。X軸には、それぞれの標準点からの活性(デオキシリボヌクレオシドキナーゼのpgで与えられる)が与えられる。各標準点は、pg(x);Ct(y)値を保有する(図4)。
実施例3
検出システム2に従うhrTK1標準曲線
200pg、20pgおよび2pgのhrTK1から、触媒活性値を示す標準曲線を作成した。0pgの標準点を負の対照として含有させた。簡単に言うと、酵素混合物は、hrTK1標準点と、実施例1の場合と同様のNdPKおよびTMPKとを含有するように調製した。MMXは、0.4UのTaqDNAポリメラーゼがKlenow DNAポリメラーゼの代わりに用いられ、オリゴヌクレオチドが表5に従ったことを除いて、実施例1の場合と同様に調製した。最後に、それぞれの標準点の酵素混合物を各専用MMXに添加した。200pgの酵素混合物をNTC中に含有させた。各標準点混合物から25μlを3つのPCRチューブに分配した。チューブにフタをし、PCR機器に入れた。サイクリングプロファイルは、(1)42℃で1分間保持、(2)35℃で1分間保持、(3)サイクリング:37℃で30秒間→37℃で30秒間であり、SYBR GreenI(登録商標)/FAMチャネル(470nmで励起、510nmで検出)に対してシグナルを獲得した。各1分間サイクルを60回繰り返した。全アッセイ時間は65分間である。
Figure 0006409233
結果
図12は、この実験から得られる生の蛍光を示す。生の蛍光を標準規格化した。すなわち、最初の5回のサイクルにわたって単に計算し、サイクル1から開始して直線化した(図5)。それぞれの標準点に対するCtの数(X軸)を決定するために、閾値レベルを約60分後の2pgに対して選択した。閾値は、標準蛍光単位の0.12(Y軸)であることが分かった。内臓ソフトウェアRotor−gene v.6.01を用いて、選択された閾値に対してCt値を決定した。各標準点Ctの平均(Y軸)およびhrTK1のpg値(X軸)の対数回帰プロットによって、得られた標準曲線を使用して本当のサンプルの単位活性値を決定することの妥当性を示す0.98のR値が得られた。アッセイの精度性能(CV%)結果は、以下の表6に要約される。Ct値が反応中のhrTKのピコグラムからの活性に対応することに注意されたい。この特定の構築物の比活性が2.1μmol/分/酵素1mgであることが分かれば、実際の触媒濃度を推定することが可能である。しかしながら、国際単位定義(すなわち、1U=1μmol/分/l)に従うためのTK活性の標準化がまだ存在しないので、単純な理由だけで、この実施例では対応する「ピコグラム」活性が与えられる。
Figure 0006409233
検出システム2に従うHrdCKからのdCK標準曲線
20000pg、2000pg、200pg、20pgおよび2pgの酵素から、HrdCK触媒活性値を示す標準曲線を作成した。負の対照として0pgの標準点を含有させた。簡単に言うと、酵素混合物は、標準点と、実施例1および2で与えられるようなNdPKおよびdCMPKとを含有するように調製した。3.225μlのMMXは、緩衝混合物、基質混合物、オリゴヌクレオチド混合物(表7)を0.4UのTaqDNAポリメラーゼと一緒に混合することによって、各標準点に対して、1.5mlのポリプロピレン微小遠心管中室温で調製した(0pgのdCKの負の対照を含む)。オリゴヌクレオチドを以下の表7で与えられるもので置き換えたことに注意されたい。最後に、それぞれの標準点からの酵素混合物をMMXに添加した。20000pgの酵素混合物をNTC MMX中に含有させた。25μlのMMXおよび標準点混合物を3つのPCRチューブに分配した。チューブにフタをし、リアルタイムPCR機器に入れた。サイクリングプロファイルは、(1)42℃で1分間保持、(2)35℃で1分間保持、(3)サイクリング:37℃で30秒間→37℃で30秒間であり、JOEチャネル(530nmで励起、555nmで検出)に対してシグナルを獲得した。各サイクルを60回繰り返した。全アッセイ時間は65分間である。
Figure 0006409233
結果
dCKのpg値の各標準点に対するCt値は、実施例3に記載されるように得た。直線的な蛍光の対数回帰によって、この標準曲線を使用して本当の臨床サンプルからのdCK活性値を決定することの妥当性を示す0.98のR値が得られた。精度性能結果は、表8に要約される。対数スケールの線形回帰は図7に示される。
Figure 0006409233
実施例5.
検出システム3に従うhrTK1標準曲線
200pg、20pgおよび2pgの酵素から、hrTK1触媒活性値を示す標準曲線を作成した。簡単に言うと、それぞれのヌクレオシドキナーゼのための酵素混合物は、実施例3に記載されるようなNdPKおよびTMPKと一緒にヌクレオシド標準点を含有するように調製した。3.225μlmpMMXは、以下の点:DNA依存性DNAポリメラーゼおよびオリゴヌクレオチドを以下の表9に与えられるもので置き換えた点を除いて、実施例3に従って調製した。
Figure 0006409233
最後に、それぞれの標準点からの酵素混合物をそれぞれのMMXに添加した。200pgの酵素混合物をNTC中に含有させた。チューブを閉め、リアルタイムPCR機器に入れた。サイクリングプロファイルは、(1)42℃で1分間保持、(2)35℃で1分間保持、(3)37℃で15分間保持、(4)サイクリング:37℃で30秒間→37℃で30秒間であり、FAMチャネルに対してシグナルを獲得し、90回繰り返した。全アッセイ時間は108分間である。閾値は90分における0pgに対して選択した。
結果
図xは、置換されたFAM/Dabcyl分子ビーコンプローブからの生の蛍光の減少をリアルタイムで示す。閾値は0.012標準蛍光単位に設定される。図14は、3つの標準点から得られたCt値の平均の対数回帰を示す。R値は0.96である。直線的な蛍光の対数回帰によって、この標準曲線を使用して本当の臨床サンプルからのdCK活性値を決定することの妥当性を示す0.98のR値が得られる。
実施例6.
検出システム3に従うhrdCK標準曲線
2000pg、200pg、および20pgおよび2pgの酵素から、hrdCK触媒活性値を示す標準曲線を作成した。0pgの標準点を負の対照として、そして規格化された蛍光値の閾値を設定するために含有させた。簡単に言うと、それぞれのヌクレオシドキナーゼのための酵素混合物は、ヌクレオシド標準点と、実施例2および4に従うNdPKおよびdCMPKとを含有するように調製した。3.225μlのMMXは、オリゴヌクレオチドが以下の表10に従うことを除いて、実施例5に従って調製した。
Figure 0006409233
最後に、それぞれのヌクレオシドおよびそれぞれの標準点からの酵素混合物をそれぞれのMMXに添加した。200pgの酵素混合物をNTC MMX中に含有させた。各標準点から3つの100μlのPCRチューブに25μlを分配し、フタをし、リアルタイムPCR機器に入れた。サイクリングプロファイルは、(1)42℃で1分間保持、(2)35℃で1分間保持、(3)サイクリング:37℃で30秒間→37℃で30秒間であり、JOEチャネルに対してシグナルを獲得した。各サイクルを90回繰り返した。全アッセイ時間は108分間である。
結果
蛍光シグナルの規格化はサイクル1からである。閾値は、90分後の0pgに対して選択した。平均Ct値の対数回帰は4つの標準点からである。R値は0.96である。
実施例7.
異なる量の各デオキシリボヌクレオシドキナーゼを有する混合物を用いる検出システム2に従うhrTK1およびhrdCKの多重決定
以下の表11で与えられる異なるhrTK1およびhrdCKの触媒活性値を有する混合物から標準曲線を作成した。簡単に言うと、酵素混合物は、実施例1および2に従うNdPK、TMPKおよびdCMPKと一緒に、各標準点hrTK1/hrdCK点を含むように調製した。MMXは、以下の点:実施例4からのオリゴヌクレオチドを含有させ、NdPKが0.02U/反応である点を除いて、実施例3に従って調製した。
Figure 0006409233
最後に、それぞれの酵素混合物を各MMXに添加した。チューブにフタをし、リアルタイムPCR機器に入れた。サイクリングプロファイルは、(1)42℃で2分間保持、(2)35℃で1分間保持、(3)37℃で15分間保持、(4)サイクリング:37℃で30秒間→37℃で30秒間であり、FAM/SYBRチャネルに対して、そして、JOEチャネルからシグナルをそれぞれ獲得した。各サイクルを90回繰り返した。全アッセイ時間は108分間である。サイクル1からの規格化を開始した。閾値は90分後の0pgのTKに対して選択した。
結果
図8は、多重化実験からの対数スケールの線形回帰結果を示す。Y軸は、検出に必要とされるCtの数である。X軸は、それぞれのデオキシリボヌクレオシドキナーゼからの任意の「pg」活性である。結果は明らかに、いずれのデオキシリボヌクレオシドキナーゼの量も他方のプライマー伸長効率に影響を与えないことを示す。関連する2つのデオキシリボヌクレオシドキナーゼの異なる傾斜は、恐らく、これらの酵素が示し得る異なる比活性によるものである。
実施例8
検出システム2に従うイヌ血清サンプル中の野生型TKの触媒濃度の決定およびTK−REA法との相関
事前に悪性疾患を有することが診断されたイヌ血清サンプルを、検出システム2に従ってhrTK1触媒濃度について試験した。各血清は、TK−REA法によって予め測定されている。標準曲線には、200pg、20pgおよび2pgのhrTK1からの触媒活性を含有させた。実験は、以下の点:1)血清サンプルTK希釈緩衝液がhrTK1の代わりに使用され、血清を5%の最終濃度まで添加したこと、すなわち、各反応中に1.25μlの血清を含有させた(MMX/酵素混合物当たり4μlの血清)ことと、2)サイクリングプロファイルが実施例1に従ったこととを除いて、実施例2に従って実行した。規格化はサイクル1からであった。閾値は、90分後の0pgのTKに対して選択した。
結果
Rotor−Gene v.6.1ソフトウェア(Qiagen GmbH)を用いて、各標準点および血清サンプルに対するCtを得た。サンプルおよび標準曲線において対数スケールの線形回帰を実行した(図9)。2つの血清が最初に得られたTK−REAU/l値に適合できないことがすぐに分かるであろう。「>80」値を有する第3の血清は直線に適合し得るはずがないので、これも適合されることはできない。従って、これらの3つの血清は「異常値」であると考えられ、これらの3つの血清を除いた回帰直線を作成した。標準点に対する式と、3つの異常値(「>80」、33.2および9.8のTK−REAU/l)を除いた血清サンプルに対する式とは、曲線の傾斜に関して2.4Ctだけ異なる。2つの曲線は同じ傾斜を共有することは明らかである。本発明に従う方法を用いてこの実施例の血清から得られるU/lを評価する際、これは、血清点に対する回帰直線式、すなわち、式
y=−10.79Ln(x)+93.784
だけを用いて行われる。血清サンプル回帰直線に対するhrTK1のpgの相関は、標準点回帰曲線に対して与えられるTKの「pg」活性量に関して、式U/l=e^((11.79ln(pg(x))+21.085)/10.67)を用いるだけで解決される。図9において、各標準点は[「pg」TK(X);Ct(Y)]で表され、各血清は、[「TK−REAU/l」TK(X);Ct(Y)]で表される。R値は、各曲線に対して与えられる。図9中の「OL」は、異常値の血清を示す。図9からの結果は精度データと共に、表12および13において一覧にされる。興味深いことに、「>80U/l」サンプルは、延長された血清回帰直線への外挿による希釈を必要とせずに、本発明に従う方法を用いて評価されて、450U/lTK−REAの対応する単位を有し得る。
Figure 0006409233
Figure 0006409233
実施例9
SYBR Green I技術の原理、すなわち検出システム1を用いる血清添加hrTK1サンプルの決定
Diasorin s.r.l.(Saluggia Italy)からのTK−REA製品を用いてTK1活性が予め測定されているイヌからの血清を、SYBR green技術の原理を用いて試験した。血液提供者からの10%ヒト正常血清が添加された、40pg、20pg、4pg、2pgおよび0pgのhrTK1からの触媒活性を示す標準曲線サンプルを、血清サンプル(最終10%)と一緒に測定した。0pgの添加標準点サンプルを負の対照および規格化された蛍光の閾値決定因子として含有させた。簡単に言うと、酵素混合物は、0.002UのNdPKと、1回の反応につき18ngのdTMPキナーゼと、各hrTK1標準点サンプルまたは各血清サンプルとを含有するように調製した。緩衝混合物、基質混合物およびオリゴヌクレオチド混合物は表3に従って調製した。各サンプルに対するMMXは、1.5mlのポリプロピレン微量遠心管中室温で、水と、混合物と、0.5UのKlenow exoDNAポリメラーゼ(Fermentas AG)とを混合することによって調製した。MMX200pgのhrTK1の酵素混合物標準点サンプルは、No−Template−Control(NTC)として使用した。
Figure 0006409233
サンプルを分配し、チューブを閉め、リアルタイムPCR機器に入れた。実行プロファイルは、(1)40℃で1分間保持、(2)30℃で1分間保持、(3)35℃で10分間保持(4)サイクリング:35℃で30秒間→37℃で30秒間であり、SYBR GreenI(登録商標)チャネル(470nmで励起、510nmで検出)に対してシグナルを獲得した。各サイクルを60回繰り返した。
結果
蛍光の規格化を獲得し、標準規格化を用いてサイクル1から直線にした(図10)(すなわち、最初の5回のサイクルからの平均蛍光を使用して、ソフトウェア供給者に従って、その後のサイクルから得られる蛍光から推定されるバックグラウンド蛍光を決定した)。NTC閾値(カットオフ)は、蛍光の最高の増大を有するサンプルの4%である。内臓ソフトウェアRotor−gene v.6.01(Corbett Research,Australia)を用いて、選択された閾値対してCt値を決定した。約56サイクル(Ct)の後に交差する0pgのhrTK1に対して閾値を選択した。この実施例では、0.03295標準蛍光単位における閾値を得た。図11は、得られたCt値の対数スケールの線形回帰を示す。X軸には、hrTK1のpgとして、あるいはTK−REAU/lとして、それぞれのサンプルからの活性が与えられる。各サンプル点は、pg/TK−REAU/l(X);Ct(y)値を有する。血清添加hrTK1標準点サンプル対して線形回帰および0.9688のRスコアが得られ、サンプル中のTKU/lの量を決定するために相関が十分良好であることが示された。傾斜間の関係をさらに決定するために、2つの別々の回帰曲線に対してスチューデントのt検定を適用した。データセットが小さいため、t検定は手作業で計算した。分散は等しいがサンプルサイズが等しくない検定を実施した。データセットにおける0.07のスコアは、傾斜が等しいと考えられる可能性が高いことを示した。
実施例10.
鎖置換技術の原理を用いて、すなわち検出システム3に従って得られたhrTK1標準曲線
80pg、40pg、20pg、8pg、4pg、2pgおよび0pgのhrTK1から、触媒活性値を示す標準曲線を作成した。簡単に言うと、MMXは、各標準点に対して、実施例2および表7に記載されるように調製した。
Figure 0006409233
80pgのhrTK1含有酵素混合物をNTC中に含有させた。MMXを分配し、チューブを閉じ、リアルタイムPCR機器に入れた。サイクリングプロファイルは、(1)42℃で1分間保持、(2)35℃で1分間保持、(3)37℃で15分間保持、(4)サイクリング:37℃で30秒間→37℃で30秒間であり、FAMチャネルに対してシグナルを獲得し、90回繰り返した。全アッセイ時間は108分間である。閾値は90分における0pgに対して選択した。
結果
図12は、置換されたFAM分子ビーコンヘアピンプローブからの規格化された蛍光からの減少をリアルタイムで示す。使用した規格化方法は、ソフトウェア提供者の説明書(Corbett−Research)に従うダイナミックチューブ規格化であった。閾値は、−(マイナス)0.02118標準蛍光単位に設定した。図13は、6つの標準点から得られる平均Ct値の対数スケールの線形回帰を示す。R値は0.9422であり、血清または血漿からの臨床サンプル中のTK活性の決定のために標準曲線が適用され得ることが示される。
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Claims (19)

  1. サンプル中のデオキシヌクレオシドキナーゼ活性のリアルタイム測定用均一方法であって、
    a)前記サンプルを、容器中において
    ・DNA依存性DNAポリメラーゼ、
    ・少なくとも1つの天然デオキシヌクレオシド、
    ・少なくとも1つのシチジル酸キナーゼおよび/またはdTMPキナーゼ、
    ・ヌクレオシド二リン酸塩キナーゼ、
    ・鋳型DNA分子、DNAプライマー分子、および前記DNA依存性DNAポリメラーゼによって合成されるdsDNAに取り込まれるか前記dsDNAから置換されるかあるいは前記dsDNAに結合されることが可能である蛍光部分を含む検出システム
    を含む反応混合物と接触させるステップ;
    b)前記容器を閉じてインキュベートするステップ;
    c)プライマー伸長中に前記蛍光部分からのシグナルを測定するステップ;および
    d)前記蛍光部分からのシグナルを、前記サンプル中のデオキシヌクレオシドキナーゼ活性と関連付けるステップ;
    からなり、前記方法が温度サイクリングシフトを含まないことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記少なくとも1つの天然デオキシヌクレオシドが、デオキシチミジンおよび/またはデオキシシチジン、またはこれらの混合物から選択されることを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、前記反応混合物が修飾デオキシヌクレオシドも含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記修飾デオキシヌクレオシドが、BrdUおよび/またはIdU、またはこれらの混合物などの修飾チミジンおよび修飾シチジンから選択されることを特徴とする方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法において、前記蛍光部分が一本鎖DNAプローブに結合されることを特徴とする方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法において、前記蛍光部分が一本鎖DNAプローブに結合されることを特徴とする方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法において、前記蛍光部分が、PicoGreen(登録商標)、EvaGreen(登録商標)またはSYBR(登録商標)GreenIなどの二本鎖DNA表面結合または挿入分子であることを特徴とする方法。
  8. 請求項5に記載の方法において、前記一本鎖DNAプローブがその無傷の形態である場合に、前記プローブに結合された前記蛍光部分が消光されることを特徴とする方法。
  9. 請求項8に記載の方法において、前記DNA依存性DNAポリメラーゼが、TaqDNAポリメラーゼまたはTthポリメラーゼなどの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有することを特徴とする方法。
  10. 請求項8または9に記載の方法において、前記一本鎖DNAプローブに結合された前記蛍光部分が、前記一本鎖DNAプローブがその無傷の形態でその標的鋳型とハイブリッド形成した場合に最大蛍光を達成することを特徴とする方法。
  11. サンプル中のデオキシヌクレオシドキナーゼ活性の均一リアルタイム測定用キットであって、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNA依存性DNAポリメラーゼと少なくとも1つの天然デオキシヌクレオシドとを含み、前記少なくとも1つの天然デオキシヌクレオシドが、デオキシチミジンおよび/またはデオキシシチジン、またはこれらの混合物から選択され、
    鋳型DNA分子、DNAプライマー分子、および前記DNA依存性DNAポリメラーゼによって合成されるdsDNAから置換されるかあるいは前記dsDNAに結合されることが可能である蛍光部分を含む検出システムをさらに含むことを特徴とするキット。
  12. 請求項11に記載のキットが、サンプル中のデオキシヌクレオシド・キナーゼ活性を温度サイクリングシフトなしに測定することを特徴とするキット。
  13. 請求項11または12に記載のキットが、少なくともホスホトランスフェラーゼをさらに含むことを特徴とするキット。
  14. 請求項11乃至13のいずれか一項に記載のキットが、少なくとも1つの修飾デオキシヌクレオシドをさらに含むことを特徴とするキット。
  15. 請求項11乃至14のいずれか一項に記載のキットにおいて、前記蛍光部分が一本鎖DNAプローブに結合されることを特徴とするキット。
  16. 請求項15に記載のキットにおいて、前記蛍光部分が一本鎖DNAプローブに結合されることを特徴とするキット。
  17. 請求項11乃至14のいずれか一項に記載のキットにおいて、前記蛍光部分が、PicoGreen(登録商標)、EvaGreen(登録商標)またはSYBR(登録商標)GreenIなどの二本鎖DNA表面結合または挿入分子であることを特徴とするキット。
  18. 請求項15または16に記載のキットにおいて、前記一本鎖DNAプローブがその無傷の形態である場合に、前記プローブに結合された前記蛍光部分が消光されることを特徴とするキット。
  19. 請求項11乃至18のいずれか一項に記載のキットであって、請求項1−10のいずれか一項に記載の方法のために使用することを特徴とするキット。
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