JP2015155880A - 圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電部3は、圧電センサ11と、温度検出電極23と、補正演算部27とを備えている。圧電センサ11は、与えられた荷重に応じた圧電信号を発生する圧電シート15を有する。温度検出電極23は、圧電センサ11の少なくとも1つの面に設けられている。補正演算部27は、温度検出電極23からの検出情報に基づいて、温度変化に基づく圧電信号の変化を補正して、補正後の圧電信号を出力する。
【選択図】図1
Description
「焦電性」とは、温度変化が起こったときにPVDFなどの圧電シートが電荷を発生する性質である。本明細書において、「熱応力」とは、圧力検出器やタッチパネルに温度変化が生じることで発生する圧電シートの内部応力のことである。つまり、熱応力は、支持基板などに圧電シートが配置されている場合に圧電シートの熱膨張や熱収縮が支持基板やタッチパネルによって妨げられることによって発生する応力や、圧電シートが面内に温度分布があるときに生じる応力、さらには圧電シート内の不均一性によって生じる応力などである。
圧電センサは、与えられた荷重に応じた圧電信号を発生する圧電シートと、圧電シートの両面に配置された一対の電荷検出電極とを有する。
温度検出電極は、圧電センサの少なくとも1つの面に設けられている。
補正演算部は、温度検出電極からの抵抗変化に基づいて、温度変化に起因する電荷発生量の変化を補正して、補正後の電荷発生量を出力する。
このセンサでは、圧電シートに荷重が作用すると、圧電シートがたわんで電荷を発生する。一方、温度検出電極の抵抗変化を検出することによって、圧電センサ近傍の温度変化が検出される。次に、補正演算部が、温度検出電極からの抵抗変化に基づいて、電荷発生量を補正して、補正後の電荷発生量を出力する。これにより、温度変化に起因する圧電シートの電荷発生の変化の影響を無くすことができる。以上の結果、押圧力は正確に検出される。
なお、「温度検出電極は、圧電センサの少なくとも1つの面に設けられている」の意味は、温度検出電極が、圧電センサの1つの面に直接又は間接に固定され、圧電センサ近傍の温度を検出できる位置に配置されている、ことを意味する。
このセンサでは、温度検出電極が蛇行した形状でかつ電荷検出電極に対応した位置に配置されるので、温度検出電極の材料が少なくなる。
このセンサでは、温度検出電極が一対の電荷検出電極に対応して形成されているので、温度検出電極が抵抗変化を正確に検出できる。その結果、補正演算部が、温度検出電極の抵抗変化に基づいて、温度変化に起因する電荷発生量の変化を補正でき、さらに、押圧力は正確に検出される。
このセンサでは、温度検出電極をその上に形成する層を新たに設ける必要がないので、圧力センサが薄型化及び軽量化される。
このセンサでは、温度検出電極が圧電シートの全面に広がって延びているので、温度検出電極が温度変化を正確に検出できる。その結果、補正演算部が、温度検出電極からの抵抗変化に基づいて、温度変化に起因する電荷発生量の変化を正確に補正でき、さらに、押圧力は正確に検出される。
このセンサでは、圧電シートの両側の電極から検出された抵抗変化が平均演算部によって平均化されるので、演算補正部が、温度変化に起因する電荷発生量の変化をより正確に補正できる。
このセンサでは、温度変化による熱応力と焦電効果によって生じる圧電シートからの出力をキャンセルできる。
このセンサでは、圧電シートの両側の電極から検出された抵抗変化が減算演算部によって減算されて両者の差が算出されるので、第1圧電シートの温度変化と第2圧電シートの温度変化の差が生じた場合に、演算補正部が、温度変化に起因する電荷発生量の変化を正確に補正できる。
(1)圧力検出装置の全体構造
図1を用いて、本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置1の全体構造を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置の概略図である。
圧力検出装置1は、圧電部3と、温度補償部9とを有している。圧電部3は、与えられた荷重に応じた圧電信号を発生する部材である。温度補償部9は、圧電部3にて発生した圧電信号を検出する圧電信号検出部である。より具体的には、温度補償部9は、後述の温度検出電極23からの温度変化情報に基づいて、温度変化に起因する電荷発生量の変化を補償して、補償後の電荷発生量を出力する装置である。
以下、圧力検出装置1の構成を詳細に説明する。
圧電部3は、主に、圧電センサ11と、ガラス13と、温度検出電極23とを有している。ガラス13は、第1主面13aと第2主面13bとを有する。第2主面13b上には、圧電センサ11が形成されている。この実施形態では、圧電センサ11は、ガラス13の第2主面13bの全面に形成されている。なお、圧電センサ11はガラス13の主面の全面に形成されていなくてもよく、つまりガラス13の主面の一部には、圧電センサ11が形成されていない部分があってもよい。
圧電センサ11は、主に、フィルム状の圧電シート15と、電荷検出電極17と、電荷検出電極としての基準電極19とを有している。電荷検出電極17は、圧電シート15のガラス13と反対側の面に形成されている。基準電極19は、圧電シート15のガラス13側の面に形成されており、基準電位に接続されている。圧電センサ11では、電荷検出電極17と基準電極19とには、圧電シート15に与えられた荷重に応じた圧電信号が発生する。なお、電荷検出電極と基準電極とは位置が入れ替わっていてもよい。
図2に示すように、電荷検出電極17と基準電極19は、圧電シート15に対して全面的に対応しているが、圧電シート15の額縁部には対応していない。ただし、図1では、簡略化のために、電荷検出電極17と基準電極19は圧電シート15と同じ寸法のように描いている。
圧電シート15を構成する材料としては、セラミック圧電材料、フッ化物重合体又はその共重合体、キラリティーを有する高分子材料などが挙げられる。
セラミック圧電材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどが挙げられる。フッ化物重合体又はその共重合体としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。キラリティーを有する高分子材料としては、L型ポリ乳酸や、R型ポリ乳酸などが挙げられる。
電荷検出電極17及び基準電極19は、導電性を有する材料により構成できる。導電性を有する材料としては、インジウム−スズ酸化物(Indium−Tin−Oxide、ITO)、スズ−亜鉛酸化物(Tin−Zinc−Oxide、TZO)などのような透明導電酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(Polyethylenedioxythiophene、PEDOT)などの導電性高分子、などを用いることができる。この場合、上記の電極は、蒸着やスクリーン印刷などを用いて形成できる。
温度検出電極23は、絶縁フィルム25を介して、電荷検出電極17の圧電シート15と反対側に設けられている。温度検出電極23は、温度によって抵抗が変化する電極である。温度検出電極23は、温度変化と抵抗率変化が比例している材料で形成されることが好ましい。温度検出電極23は、例えば、電荷検出電極17及び基準電極19と同じ材料によって形成される。
温度補償部9は、図1に示すように、補正演算部27と、チャージアンプ29と、抵抗検出部31とを有している。チャージアンプ29は、電荷検出電極17で発生した電荷を電圧に変換するための積分回路である。
抵抗検出部31は、温度検出電極23の抵抗の変化(温度変化)を検出する装置である。抵抗検出部31、抵抗の変化をデジタル信号として補正演算部27に出力する。なお、抵抗検出部31は、ホイートストーンブリッジを用いて実現されてもよい。
補正演算部27には、チャージアンプ29から温度補償前の電圧(電荷発生量)と、抵抗検出部31からRtの抵抗値とが入力される。すると、補正演算部27は、電圧(電荷発生量)に対して温度変化の影響を取り除く補正を行い、補正後の電圧(電荷発生量)を出力する。
以上の構成及び動作により、圧電シート15に対する押圧力の変化量に起因して発生する微小な圧電信号に基づいて、圧電センサ11への押圧力を精度良く測定できる。
なお、補正演算部27は、CPU、RAM、ROMなどからなるコンピュータによって実行されるプログラムによって実現されていてもよいし、IC等のハードウェアによって実現されていてもよい。
例えば、図2において電荷検出電極17の面積Sの円形の範囲だけ、温度の上昇変化がΔTであったとする。面積Sに対して、温度検出電極23が充分に密に張り巡らされている場合は、この円形の範囲内に存在する温度検出電極23の延べ長さLは、面積Sに比例すると考えてもよい。よって、以下の式が成立する。
L=k1S(k1は比例定数)
また、抵抗率変化が温度変化に比例する場合は、温度検出電極23の両端の抵抗の変化ΔRは、以下のように表される。
ΔR=k2LΔT=k1k2SΔT(k2は比例定数)
一方、温度変化による電荷検出電極17における電荷発生ΔQは、温度変化ΔTと面積Sに比例すると考えることができる。なぜなら、熱膨張も焦電性による電荷発生も温度変化に比例するからである。
ΔQ=k3SΔT(k3は比例定数)
よって、電荷発生ΔQと抵抗変化ΔRについては、以下の比例関係が成立する。
ΔR/ΔQ=k1k2/k3
上記の式より、面内で温度変化があった場合でも、温度検出電極23における抵抗の変化に基づいて、補正演算部27は、温度変化に起因する電荷発生量の変化を補正することができる。
なお、温度検出電極が第2実施形態(後述)のように圧電シートの両面にある場合は、上記の式において両側の温度検出電極の抵抗変化の平均をΔRとする。
図3(a)では、全体的には時間経過に従って電荷q[C]は大きくなりつつも特に急激に上昇する上側凸状の変化を有している。しかし、実際の押圧力Fは、図3(c)に示すように、ゼロから急激に大きくなりさらに急激に小さくりゼロになる上側凸状の変化である。
そこで、補正演算部27がチャージアンプ29からの電圧(電荷発生量)を、図3(b)の抵抗変化に基づいて補正する。より具体的には、補正演算部27は、補正前の電荷q(t)[C]から温度変化により発生した電荷(例えば、上記の式を用いれば、ΔQ=ΔR(t)・(k3/k1k2))を減算する。その結果、図3(c)のようなグラフに対応する電圧(電荷発生量)が得られる。
なお、上記で説明したグラフは、実際に生じ得る押圧力の発生及び温度変化に起因する電荷発生の一例を示しただけである。
前記実施形態では温度検出電極は1個であったが、2個の温度検出電極を設けてもよい。その場合は、2個の温度検出電極からの抵抗変化を平均することで、温度情報の変化をより正確に得ることができる。
この場合、圧電センサ11の両側の温度変化の情報が平均化されて用いられるので、補正演算部27における補正(すなわち、温度補償部9による温度補償)がより正確になる。
第1及び第2実施形態では温度検出電極は電荷検出電極と別の層として形成されていたが、温度検出電極を電荷検出電極と同一面に形成してもよい。それにより、圧電部3の薄型化及び軽量化が実現される。具体的には、温度検出電極は、圧電フィルムの表面に電荷検出電極と共に形成できる。また、同じ面に形成された温度検出電極と電荷検出電極を同じ材料で形成してもよい。その場合、コストが低減される。
図6は、第3実施形態に係る圧力検出装置の概略図である。図7は、圧電部の各層の平面図を展開した図である。
このように、第2温度検出電極36Aが、電荷検出電極17Aと共に圧電シート15の片面上に配置されているので、第2温度検出電極36Aをその上に形成する層を新たに設ける必要がない。したがって、圧電部3が薄型化及び軽量化される。
なお、電荷検出電極の複数の電極の形状は前記実施形態に限定されない。例えば、複数の電極は図7の縦方向に延びていてもよい。また、複数の電極は曲線状に延びていてもよいし、ブロック形状であってもよい。
この実施形態では、第1温度検出電極33Aは第2温度検出電極36Aとパターン(形状及び位置)が同じであるが、異なっていてもよい。
第3実施形態では、一方の温度検出電極のみが電荷検出電極と同一面に形成されていたが、両方の温度検出電極がそれぞれ電荷検出電極と同一面に形成されていてもよい。
図8及び図9を用いて、上記の例としての第4実施形態を説明する。
図8は、第4実施形態の圧力検出装置の概略図である。図9は、圧電部の各層の平面図を展開した図である。
この実施形態では、第2温度検出電極36Aと電荷検出電極17Aの組のパターン(形状及び位置)と、第1温度検出電極33Aと基準電極19Aの組のパターン(形状及び位置)は同じであり、平面視で重なっている。
なお、前述のように、電荷検出電極と温度検出電極のパターン(形状及び位置)は、前記実施形態に限定されない。また、圧電シートの両側に配置された電荷検出電極と温度検出電極の組同士のパターン(形状及び位置)は互いに同じでなくてもよい。
第4実施形態の圧電部に、接触位置検出センサとしてのタッチパネルとしての機能を持たせてもよい。
具体的には、前記実施形態のガラスの代わりに、タッチパネルを用いる。なお、タッチパネルとしては、静電容量方式、抵抗膜方式、光学方式が挙げられる。以下に、静電容量方式の場合について説明する。
図10及び図11を用いて、第5実施形態を説明する。図10は、第5実施形態の圧力検出装置の概略図である。図11は、圧電部の各層の平面図を展開した図である。
圧力検出装置1は、圧電センサ11と、接触検出部としてのタッチパネル71と、を有している。圧電センサ11の構造及び機能は第4実施形態と同じである。
絶縁層73は、圧電センサ11の基準電極19A及び第1温度検出電極33Aの上側面に設けられている。
第2タッチ検出電極77は、基準電極19Aの複数の電極19Bが兼用されている。すなわち、基準電極19Aの複数の電極19Bが、第2タッチ検出電極77の複数の電極77Aとしても機能する。第2タッチ検出電極77の電極77A(すなわち、電極19B)は、図横方向に延びる帯形状の電極であり、圧電シート15の図上面全体にわたり、互いに平行に形成されている。図11に示すように、複数の電極77Aと複数の電極75Aは、互いに直交して配置されている。
この構成により、第1タッチ検出電極75から静電容量検出Rxがタッチパネルコントローラ81に出力される。さらに、第2タッチ検出電極77(基準電極19A)から静電量容量検出Tx(基準電圧を兼ねる)がタッチパネルコントローラ81に出力される。これにより、温度補償部9は、タッチパネルコントローラ81に出力された基準電極19Aの電圧を基準電圧として用いて、圧電センサ11の圧電信号を検出する。
この圧力検出装置1では、接触対象物が圧電部3のどの位置に接触したかという情報と、押圧力の測定結果とを組み合わせて検出される。
前記実施形態では圧電センサは一定の面積にわたって広がった平板状であったが、本発明はそのような形状に限定されない。例えば、圧電センサが枠線状であってもよい。
図12及び図13を用いて、上記の例としての第6実施形態を説明する。図12は、第6実施形態の圧電センサの概略断面図である。図13は、圧電部の各層の平面図を展開した図である。
ガラス113は、第1主面113aと第2主面113bとを有する。第2主面113b上には、圧電センサ111が形成されている。圧電センサ111は、図に示すように、ガラス113の第2主面113bの外周部分において枠状に(つまり細長い形状で全体を囲むように延びて)形成されている。つまり、圧電センサ111は、第2主面113bの外周縁全体に沿って形成されている。圧電センサ111の配置位置は、例えば表示装置が設けられる装置の場合に、表示装置よりも外側にあるいわゆる額縁部分に対応している。
さらに、温度検出電極123が電荷検出電極117及び基準電極119に対して平面視で対応する位置に形成されているので、温度検出電極123が温度変化を正確に検出できる。
本実施形態の変形例として、第5実施形態のように、圧電部103にタッチパネルの機能を付加してもよい。
本実施形態の変形例として、第1〜第5実施形態のように、温度検出電極を蛇行させてもよい。
第1〜第6実施形態においては、補正演算部が温度変化に起因する電荷発生量の変化を補正するために用いた「温度検出電極からの温度変化情報」は、1つの抵抗検出部によって検出された抵抗値(第1実施形態)、又は、2つの抵抗検出部によって検出された抵抗値同士の平均(第2〜第5実施形態)であった。しかし、「温度検出電極からの温度変化情報」は上記のものに限定されない。以下、第7〜第12実施形態において、「温度検出電極からの温度変化情報」が第1〜第6実施形態とは異なる実施形態を説明する。
第1圧電シート15a及び第2圧電シート15bの材料の組み合わせは特に限定されない。ただし、両シートは同じ特性を有する材料が用いられることが好ましい。温度変化による熱応力と焦電効果によって生じる圧電シートからの出力をキャンセルできるからである。
第1圧電シート15aと第2圧電シート15bは、同じ特性を有する材料から構成し、同じ厚みにすることが好ましい。その場合、第1圧電シート15aの背面側の面と第2圧電シート15bの入力面側の面との間で、電位同士がほぼ等しくなる。
図16は、温度補償制御を説明するためのグラフである。このグラフでは、横軸が時間変化であり、縦軸が各物性値である。なお、グラフの左端が測定開始時刻(t=0)である。測定開始時刻は、圧力センサの制御部の電源をONした時刻でもよいし、ONしてから所定の時間が経過した時刻でもよい。また、タッチパネル機能を有している場合は、タッチを検出した時刻でもよい。
図16(b)は、押圧力F(t)を示している。この実施形態では、実際の押圧力Fは、途中で急激に大きくなりさらに急激に小さくなる変化を有している。
図16(c)では、具体的には、第1抵抗検出部32が抵抗の変化ΔRt1(t)を検出し、さらに、第2抵抗検出部34が抵抗の変化ΔRt2(t)を検出する。そして、減算演算部41Aが、両者の差ΔRt1(t)−ΔRt2(t)を演算によって取得する。この実施形態では、抵抗の変化の差ΔRt1(t)−ΔRt2(t)は、図16(c)に示すように、時間経過に比例して大きくなっている。
図16(d)は、電荷検出電極17から出力された電荷q[C]の時間経過に対する変化を示すグラフである。図16(d)では、全体的には時間経過に従って電荷q[C]は、大きくなりつつも、急激に上昇する上側凸状の変化を有している。
以上の結果、本実施形態では、バイモルフの2枚の圧電シートの温度変化が異なる場合には、焦電性による出力をキャンセルできる。
なお、上記で説明したグラフは、実際に生じ得る押圧力の発生及び温度変化に起因する電荷発生の一例を示しただけである。
図17及び図18を用いて、本発明の第8実施形態に係る圧力検出装置1の全体構造を説明する。図17は、本発明の第8実施形態に係る圧力検出装置の概略図である。図18は、圧電部の各層の平面図を展開した図である。
この実施形態は、第3実施形態に対して、圧電シート15Aが第1圧電シート15a及び第2圧電シート15bからなるバイモルフであり、減算演算部41Aを採用している点のみが異なる。以上より、基本的な構造及び効果については第3実施形態と同様であり、上記相違点による効果については第7実施形態と同様である。
図19及び図20を用いて、第9実施形態を説明する。図19は、第9実施形態の圧力検出装置の概略図である。図20は、圧電部の各層の平面図を展開した図である。
図21及び図22を用いて、第10実施形態を説明する。図21は、第10実施形態の圧力検出装置の概略図である。図22は、圧電部の各層の平面図を展開した図である。
この実施形態は、第5実施形態に対して、圧電シート15Aが第1圧電シート15a及び第2圧電シート15bからなるバイモルフであり、減算演算部41Aを採用している点のみが異なる。以上より、基本的な構造及び効果については第5実施形態と同様であり、上記相違点による効果については第7実施形態と同様である。
図23及び図24を用いて、第11実施形態を説明する。図23は、第11実施形態の圧力検出装置の概略図である。図24は、圧電部の各層の平面図を展開した図である。
この実施形態は、第6実施形態に対して、圧電シート115Aが第1圧電シート115a及び第2圧電シート115bからなるバイモルフであり、減算演算部(図示せず)を採用している点のみが異なる。以上より、基本的な構造及び効果については第6実施形態と同様であり、上記相違点による効果については第7実施形態と同様である。
第7実施形態では、補正演算部に入力される抵抗値同士の差は2つの抵抗検出部と減算演算部とによって生成されているが、本発明はそのような実施形態に限定されない。
図25を用いて、第7実施形態の変形例としての第12実施形態を説明する。図25は、第12実施形態の温度補償部のブロック図である。
抵抗接続部149は、第1温度検出電極33によって検出される抵抗Rt1に直列に接続される抵抗R1と、第2温度検出電極36によって検出される抵抗Rt2に直列に接続される抵抗R2とを有している。抵抗R1と抵抗R2は、それぞれ、抵抗Rt1と抵抗Rt2と概ね同じ抵抗値を有する固定抵抗とする。「概ね同じ」とは温度によって変化するRt1およびRt2の、使用温度領域(たとえば−20℃〜60℃)での平均値と概ね同じという意味である。また、抵抗R1及び抵抗Rt1と、抵抗R2及び抵抗Rt2は並列に配置され、それらに電圧が印加されている。
以上の結果、本実施形態では、バイモルフの2枚の圧電シートの温度変化が異なる場合には、焦電性による出力をキャンセルできる。
第1〜第12実施形態は、下記の内容を共通に有している。
圧力センサ(例えば、圧力検出装置1)は、圧電センサ(例えば、圧電センサ11、圧電センサ111)と、温度検出電極(例えば、温度検出電極23、第1温度検出電極33、第2温度検出電極36、温度検出電極123、第1温度検出電極33A、第2温度検出電極36A)と、補正演算部(例えば、補正演算部27)とを備えている。
圧電センサは、与えられた荷重に応じた圧電信号を発生する圧電シート(例えば、圧電シート15、圧電シート115、圧電シート15A、圧電シート115A)を有する。
温度検出電極は、圧電センサの少なくとも1つの面に設けられている(例えば、図1に示すように、温度検出電極23は、絶縁フィルム25を介して圧電センサ11に設けられている。)。
補正演算部は、温度検出電極からの温度変化情報に基づいて、温度変化に起因する電荷発生量の変化を補正して、補正後の電荷発生量を出力する。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
3 :圧電部
9 :温度補償部
11 :圧電センサ
13 :ガラス
15 :圧電シート
17 :電荷検出電極
17A :電荷検出電極
17B :電極
19 :基準電極
19A :基準電極
19B :電極
23 :温度検出電極
25 :絶縁フィルム
27 :補正演算部
31 :抵抗検出部
Claims (9)
- 与えられた荷重に応じた圧電信号を発生する圧電シートと、前記圧電シートの両面に配置された一対の電荷検出電極とを有する圧電センサと、
前記圧電センサの少なくとも1つの面に設けられた温度検出電極と、
前記温度検出電極からの温度変化情報に基づいて、温度変化に起因する電荷発生量の変化を補正して、補正後の電荷発生量を出力する補正演算部と、
を備えた圧力センサ。 - 前記温度検出電極は、平面視で蛇行した形状である、請求項1に記載の圧力センサ。
- 前記温度検出電極は、前記一対の電荷検出電極の少なくとも一方に対して平面視で対応する位置に形成されている、請求項1又は2に記載の圧力センサ。
- 前記温度検出電極は、前記一対の電荷検出電極の一方と共に前記圧電シートの片面上に配置されている、請求項1又は2に記載の圧力センサ。
- 前記一対の電荷検出電極の一方は、互いに隙間を空けた複数の電極を有しており、
前記温度検出電極は、前記隙間に前記複数の電極と間を空けて延びている、請求項4に記載の圧力センサ。 - 前記温度検出電極は、前記圧電シートの両側に配置された一対の電極を有し、
前記一対の電極から検出された温度変化情報を平均化し、平均値を前記補正演算部に出力する平均演算部をさらに備えている、請求項1〜5のいずれかに記載の圧力センサ。 - 前記圧電シートは、分極方向が反対を向くように積層された第1圧電シート及び第2圧電シートを有している、請求項1〜5のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記温度検出電極は、前記圧電シートの両側に配置された一対の電極を有し、
前記一対の電極から検出された温度変化情報同士の差を演算し、前記差を前記補正演算部に出力する減算演算部をさらに備えている、請求項7に記載の圧力センサ。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の圧力センサと、
前記圧力センサに一体に形成された接触位置検出センサと、
を備えたタッチ検出装置。
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