JP2015155610A - 集合住宅 - Google Patents

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Abstract

【課題】妻側住戸の開放性を高めることができる集合住宅を提供する。
【解決手段】隣接する複数の住戸6を同一階に備える集合住宅2である。妻側住戸5は、第1構面11、第2構面13、第3構面15、及び第4構面17の4つの構面によって矩形に形成される。第4構面17は、第1妻柱24及び第1中柱20と、第1妻柱24及び第1中柱20に架け渡される第4梁16と、を有する架構である。第1妻柱24は、第3梁14に平行でありかつ第1中柱20の中心を通る軸線Fより、第3構面15側に近接する位置に配置される。第4梁16は、第3梁14に対して平行に第1中柱20から軸線F上を延びる第1水平部16aと、第1妻柱24から第1梁10に対して平行に延びる第2水平部16bと、を有するL型の梁である。
【選択図】図2

Description

本発明は、L型の梁を有する集合住宅に関する。
図1は、集合住宅2の説明図である。
本願の説明において、水平に延びる梁と、梁の両端部を固定し鉛直に延びる柱と、により構成される架構を、構面とする。マンションなどの集合住宅2は、柱と梁で構成される少なくとも2つの平行な構面と、それらの構面に直交し少なくとも柱と梁を有する互いに平行な2つの構面と、を住戸6毎に備える。
集合住宅2の同一階で隣接する複数の住戸6のうち、端部に位置する住戸6である妻側住戸5(いわゆる角部屋)では、いわゆる妻側(以下、妻側面22)に外部と通じる開口を設けることができる。そのため特許文献1のように妻側面22に、バルコニ3への出入り口等や窓などの開口部を設けていた。
特開2005−83102号公報
妻側住戸5では妻側面22にも窓を設けることができるため、妻側面22を有さない住戸6に比べ、開放性を高めることができる。しかし従来の架構に用いられる梁は、直線状に延びるものであったため、妻側面22に直交する壁面23に設けた窓と妻側面22に設けた窓との間に柱を設けざるを得なかった。そのためそれらの窓を連続して設けることが出来ず、せっかくの妻側住戸5のもつ開放性を十分に生かしきれなかった。
また妻側面22の壁面を耐震壁とした場合、妻側面22に設ける窓の位置や大きさが制限される。そのため耐震壁の強度を維持するためには、妻側面22に設ける窓を小さく設計せざるを得ず、妻側住戸5の開放性を生かしきれなかった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、妻側住戸の開放性を高めることができる集合住宅を提供することにある。
本発明によれば、隣接する複数の住戸を同一階に備える集合住宅であって、
水平に延びる梁と、該梁の両端部を固定し鉛直に延びる柱と、により構成される架構を構面とし、
隣接する複数の住戸のうち端部に位置する住戸である妻側住戸は、第1構面、第2構面、第3構面、及び第4構面の4つの構面によって矩形に形成されるものであり、
前記第1構面は、前記妻側住戸とそれと隣接する住戸との境に位置する第1中柱及び第2中柱と、該第1中柱と該第2中柱との間に架け渡される第1梁と、により構成される架構であり、
第2構面は、第1梁に対して平行に延びる第2梁と、該第2梁の両端部を固定する第1妻柱及び第2妻柱と、により構成される架構であり、
第3構面は、第1梁及び第2梁に対して垂直かつ水平に延びる第3梁と、該第3梁の両端部を固定する第2妻柱及び第2中柱と、により構成される架構であり、
第4構面は、第1妻柱及び第1中柱と、該第1妻柱及び第1中柱に架け渡される第4梁と、を有する架構であり、
第1妻柱は、第3構面の第3梁に平行でありかつ第1中柱の中心を通る前記第4梁の軸線より、第3構面側に近接する位置に配置され、
第4梁は、第3梁に対して平行に第1中柱から前記軸線上を延びる第1水平部と、第1妻柱から第1梁に対して平行に延びる第2水平部と、を有するL型の梁である、ことを特徴とする集合住宅が提供される。
また前記第4梁は、高さ方向の長さより幅方向の長さの方が長い扁平梁である。
また前記第1妻柱の側面と前記第4梁の上面もしくは下面に連接する壁状体、を備え、
前記壁状体の長さは、前記第4梁の長さより短い。
また前記第4梁は、前記第1水平部と前記第2水平部とが交差する位置である妻側交差部で垂直に延びる垂直辺と、該垂直辺の両端から前記第3構面に向けて水平に延びる上下の水平辺と、を有する複数のU字筋と、
前記U字筋の周囲を取り囲む第2あばら筋と、
前記第1中柱から前記妻側交差部に向けて前記第4梁の上面に近接して水平に延びる上端主筋と、
前記第1中柱から前記妻側交差部に向けて前記第4梁の下面に近接して水平に延びる下端主筋と、
前記上端主筋及び前記下端主筋との周囲を取り囲む第4あばら筋と、を備え、
前記U字筋の水平辺と前記上端主筋及び前記下端主筋とは、前記妻側交差部で交差する。
また前記妻側交差部の前記上端主筋は、上方側の前記水平辺の上に配置され、前記第2構面側の端部が下方に向けて屈曲し、
前記妻側交差部の前記下端主筋は、下方側の前記水平辺の上に配置される。
また前記第4梁は、前記第1水平部と前記第2水平部とが交差する位置である妻側交差部で垂直に延びる垂直辺と、該垂直辺の両端から前記第3構面に向けて水平に延びる上下の水平辺と、を有する複数のU字筋と、
前記U字筋の周囲を取り囲む第2あばら筋と、
前記第1中柱から前記妻側交差部に向けて前記第4梁の上面に近接して水平に延びる上端主筋と、
前記第1中柱から前記妻側交差部に向けて前記第4梁の下面に近接して水平に延びる下端主筋と、
前記上端主筋及び前記下端主筋との周囲を取り囲む第4あばら筋と、を備え、
前記U字筋と前記上端主筋及び前記下端主筋とは、上方側の前記水平辺の上に前記上端主筋を配置し下方側の前記水平辺の上に前記下端主筋を配置して前記妻側交差部で交差し、
前記壁状体は、一端が前記第1妻柱の内部に固定され前記第4構面に向けて前記第2構面に平行かつ水平に延びる複数の主筋と、
複数の前記主筋と該主筋の直下に延びる上下の前記水平辺のいずれか一方または両方との周囲を取り囲む連結あばら筋と、を有する。
また前記U字筋の水平辺は、端部が前記第1妻柱の内部に固定され、もしくは前記第1妻柱を貫通する。
また前記主筋は、前記第4構面側の端部で前記第4梁に向けて屈曲し、
前記主筋の他端は、前記第4梁の内部に固定される。
また前記第1水平部の上方もしくは下方に設けられた開口である第1開口と、
前記第2水平部の上方もしくは下方に設けられた開口である妻側開口と、を備え、
前記第1開口と前記妻側開口とは、前記第1水平部と前記第2水平部とが交差する位置である妻側交差部で連続する。
上述した本発明の集合住宅によれば、第1妻柱が、第4梁の軸線より第3構面側に近接する位置に配置されており、第4梁が、第1水平部と第2水平部とを有したL型の梁であるので、第1中柱から第1妻柱までの第4梁の上もしくは下のスペースを広く使用することができる。それにより例えば第1水平部の上もしくは下に第1開口を設け、第2水平部の上もしくは下に妻側開口を設けることにより、第1開口と妻側開口を連続した状態で設けることができる。これにより本発明の集合住宅は、第1開口と妻側開口との間を柱で仕切らず広い眺望を確保でき、妻側住戸の開放性を従来の妻側住戸より高くすることができる。
また第1妻柱を軸線より第3構面側に近接する位置に配置することにより、第2水平部の上もしくは下に妻側開口を設ける一方、第1妻柱と第2妻柱との間を耐震壁とすることが可能となる。それにより妻側住戸は、開放性と耐震壁の強度維持との両者を兼ね備えることができる。
集合住宅の説明図である。 本発明の妻側住戸の間取りの説明図である。 図2のA−A矢視図による第4梁の鉄筋の説明図である。 図2のB−B矢視図である。 図4のCの拡大図による第4梁の鉄筋の説明図である。 図2のDの拡大図による上方から見たときの第4梁の鉄筋の説明図である。 図2のE−E矢視図である。 本発明の妻側住戸の内部から見た第1開口と妻側開口の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図2は、本発明の妻側住戸5の間取りの説明図である。
本発明の集合住宅2は、隣接する複数の住戸6を同一階に備える集合住宅2であり、例えばマンション等である。本発明の集合住宅2の説明において、水平に延びる梁と、梁の両端部を固定し鉛直に延びる柱と、により構成される架構を構面とする。本発明の集合住宅2は、第4構面17と、第3構面15と、を少なくとも有し、第2構面13と、第1構面11と、を有する。
なお図2に例示した集合住宅2のバルコニ3は、第4構面17と妻側面22に設けられている。しかしバルコニ3の形態はこれに限らず、妻側にバルコニ3が設けられていなくてもよい。
本発明の妻側住戸5は、隣接する複数の住戸6のうち端部に位置する住戸6である。妻側住戸5は、第1構面11、第2構面13、第3構面15、及び第4構面17の4つの構面によって矩形に形成されるものである。
第1構面11は、妻側住戸5とそれと隣接する住戸6との境に位置する第1中柱20及び第2中柱21と、第1中柱20と第2中柱21との間に架け渡される第1梁10と、により構成される架構である。
第2構面13は、第1梁10に対して平行に延びる第2梁12と、第2梁12の両端部を固定する第1妻柱24及び第2妻柱25と、により構成される架構である。
第3構面15は、第1梁10及び第2梁12に対して垂直かつ水平に延びる第3梁14と、第3梁14の両端部を固定する第2妻柱25及び第2中柱21と、により構成される架構である。
第4構面17は、第1妻柱24及び第1中柱20と、第1妻柱24及び第1中柱20に架け渡される第4梁16と、を有する架構である。
つまり図2において、妻側住戸5の第4梁16の一端と第2梁12の一端とを固定する柱は第1妻柱24であり、第4梁16の他端と第1梁10の一端とを固定する柱は、第1中柱20である。
本発明の第1妻柱24は、第3構面15の第3梁14に平行でありかつ第1中柱20の中心を通る第4梁16の軸線Fより、第3構面15側に近接する位置に配置される。
また例えば図2の実施形態では、第1中柱20は、第4構面17上の、妻側住戸5とそれと隣接する住戸6(以下、隣家)との境界に位置し、鉛直に延びる。第1中柱20は、妻側住戸5の第4梁16と隣家の第4構面17側の梁75とを支える。
本発明の集合住宅2は、第1妻柱24を軸線Fより第3構面15側に近接する位置に配置することにより、第2水平部16bの上もしくは下に妻側開口52を設ける一方、第1妻柱24と第2妻柱25との間を耐震壁とすることが可能となる。それにより妻側住戸5は、開放性と耐震壁の強度維持との両者を兼ね備えることができる。
また本発明の第4梁16は、第3梁14に対して平行に第1中柱20から軸線F上を延びる第1水平部16aと、第1妻柱24から第1梁10に対して平行に延びる第2水平部16bと、を有するL型の梁である。なお、以下の説明において、第1水平部16aと第2水平部16bとが交差する位置を、妻側交差部19とする。
第4梁16は、高さ方向の長さより幅方向の長さの方が長い扁平梁(以下、単に扁平梁)であることが好ましい。しかしこれに限らず、第4梁16は、高さ方向の長さより幅方向の長さの方が短い普通の梁でもよい。扁平梁を第4梁16として使用することにより、第1開口50の高さを高くすることができる。それにより妻側住戸5の開放性を向上させることができる。
図3は、図2のA−A矢視図による第4梁16の鉄筋の説明図である。図4は図2のB−B矢視図である。また図5は、図4のCの拡大図による第4梁16の鉄筋の説明図である。図6は、図2のDの拡大図による上方から見たときの第4梁16の鉄筋の説明図である。図7は、図2のE−E矢視図である。
第4梁16は、複数のU字筋30と、第2あばら筋32と、上端主筋34と、下端主筋36と、第4あばら筋38と、を備える。上端主筋34、下端主筋36、及び第4あばら筋38が、第4梁16の第1水平部16aを構成し、複数のU字筋30と第2あばら筋32とが第4梁16の第2水平部16bを構成する。
U字筋30は、妻側交差部19で垂直に延びる垂直辺30aと、垂直辺30aの両端から第3構面15に向けて水平に延びる上下の水平辺30bと、を有する複数のU字状鉄筋である。第4梁16の妻側の配筋をU字形の鉄筋にすることにより、第4梁16が上下に撓む力に対して第4梁16を強く構成することができる。それにより、後述のようにU字筋30の上に乗せて配筋された上端主筋34や下端主筋36の妻側の端部を下から支えることができ、妻側交差部19が下方に撓むのを防ぐことができる。
なお本実施形態では、第4梁16の梁主筋は、上述の通りU字筋30としたが、垂直辺30aに替えて、上下の水平辺30bの端部に定着具を設ける、あるいは上下の水平辺30bの端部をL型に屈曲させる等により、梁主筋である上下の水平辺30bの端部の定着を図ってもよい。
第2あばら筋32は、U字筋30の周囲を取り囲む鉄筋である。第2あばら筋32は、上端主筋34及び下端主筋36の全てを取り囲む全体第2あばら筋32aと、中央の4本の上端主筋34と中央の4本の下端主筋36のみを囲む中央第2あばら筋32bと、を含む。
上端主筋34は、第1中柱20から妻側交差部19に向けて第4梁16の上面に近接して水平に延び、下端主筋36は、第1中柱20から妻側交差部19に向けて第4梁16の下面に近接して水平に延びる。
第4あばら筋38は、上端主筋34及び下端主筋36の周囲を取り囲む鉄筋である。第4あばら筋38は、上端主筋34及び下端主筋36の全てを取り囲む全体第4あばら筋38aと、中央の4本の上端主筋34と中央の4本の下端主筋36のみを囲む中央第4あばら筋38bと、を含む。
U字筋30の水平辺30bと上端主筋34及び下端主筋36とは、妻側交差部19で交差することが好ましい。その場合、図3に示すように、妻側交差部19の上端主筋34は、上方側の水平辺30bの上に配置され、第2構面13側端部が下方に向けて屈曲し、妻側交差部19の下端主筋36は、下方側の水平辺30bの上に配置されることが好ましい。それにより上述のように、妻側交差部19が下方に撓むのを防ぐことができる。
また本発明の集合住宅2は、第1妻柱24の側面と第4梁16の上面もしくは下面に連接する壁状体28、を備えることが好ましい。
また壁状体28の長さは、第4梁16の長さより短くてもよい。それにより例えば床から天井にかけて開口を設けるなど、第4梁16の上の開口を大きく設けることができる。
本発明の壁状体28は、図3〜7に示すように、第4梁16の上に設けられた直方体であってもよく、第4梁16の下に設けられたたれ壁であってもよい。また本発明の壁状体28は、一端を第1妻柱24もしくは第1中柱20に固定する片持ち梁であってもよい。
また図6に示す実施形態では、壁状体28が第4梁16の内側に近接して設けられているが、これに限らず、第4梁16の中央や外側に近接して設けられていてもよい。
また壁状体28は、複数の主筋40と連結あばら筋42とを有する。
主筋40は、一端が第1妻柱24の内部に固定され第4構面17に向けて第2構面13に平行かつ水平に延びる鉄筋である。
連結あばら筋42は、複数の主筋40と主筋40の直下に延びる上下の水平辺30bのいずれか一方または両方との周囲を取り囲む鉄筋である。
本発明の集合住宅2は、壁状体28を有し、壁状体28の連結あばら筋42が複数の主筋40と主筋40の直下に延びる上下の水平辺30bのいずれか一方または両方を繋ぐため、U字筋30が下方へ撓む力を主筋40で支えることができる。それにより本発明の集合住宅2は、第4梁16が妻側交差部19で下方に撓むのをさらに防ぐことができる。
第4梁16のU字筋30と上端主筋34及び下端主筋36とは、上方側の水平辺30bの上に上端主筋34を配置し下方側の水平辺30bの上に下端主筋36を配置して妻側交差部19で交差し、U字筋30の水平辺30bは、端部が第1妻柱24の内部に固定されことが好ましい。もしくはU字筋30の水平辺30bは、第1妻柱24を貫通していてもよい。U字筋30の水平辺30bは、第1妻柱24を貫通する場合、水平辺30bが第2梁12を構成し、第2妻柱25の内部に固定されていることが好ましい。
さらに、壁状体28は、主筋40と上端主筋34との間に、主筋40と平行かつ水平に延びる鉄筋である中筋41を有することが好ましい。中筋41の一端は、第1妻柱24の内部に定着される。
主筋40は、第4構面17側の端部で第4梁16に向けて屈曲し、主筋40の他端は、第4梁16の内部に固定されることが好ましい。主筋40は、第4構面17側の端部には、コンクリートとの固着を強固にする定着具39が設けられていてもよい。それらにより、主筋40と第4梁16とを更に強固に繋げることができる。
それらにより、第4梁16を構成するコンクリートと主筋40との定着をより強固にすることができるため、主筋40が第4梁16の撓みにさらに抵抗することができる。
また第4梁16はL字形の形状であり、妻側交差部19を支える柱がないため、下方に撓ませる力(すなわち第4梁16の自重)が妻側交差部19にかかる。妻側交差部19を下方に撓ませる力は、連結あばら筋42を介して主筋40を下方に引く。このとき主筋40は、第1妻柱24の内部に一端が定着された鉄筋であるため、下方に撓む力に抵抗でき、第4梁16の撓みを防ぐことができる。
図8は、本発明の妻側住戸5の内部から見た第1開口50と妻側開口52の説明図である。
また本発明の集合住宅2は、第1水平部16aの上方もしくは下方に設けられた開口である第1開口50と、第2水平部16bの上方もしくは下方に設けられた開口である妻側開口52と、を備え、第1開口50と妻側開口52とは、妻側交差部19で連続することが好ましい。
ここで第1開口50は、第4構面17の第1中柱20から妻側交差部19にかけて設けられる開口であり、バルコニ3への出入り口や窓を有する。
本発明の集合住宅2は、図8のように、第1開口50と壁状体28の上の妻側開口52を備えてもよい。図8の場合、本発明の集合住宅2は、図示しない第1中柱20と第4梁16とにより第1開口50が形成され、第1妻柱24と壁状体28と上階の第4梁16とにより妻側開口52を形成される。しかし本発明の集合住宅2の開口は、これに限らず、ほかの形状でもよい。また、第4梁16に壁状体28を連接しなくてもよい。
また妻側開口52は、妻側交差部19から第1妻柱24にかけて、妻側面22に設けられた開口である。妻側開口52は、壁状体28がある場合は壁状体28の上もしくは下に設けられ、ガラスが嵌めこまれた開放不能な固定式の窓、もしくは開放可能な窓を有することが好ましい。
また本発明の集合住宅2は、第4梁16を備えることにより、妻側住戸5の第4構面17側の開口と第2構面13側の開口とを繋げてL型の開口を設けることができる。それにより妻側住戸5の開放性を向上させることができる。
妻側開口52と第1開口50とが連続する場合、妻側開口52と第1開口50との境界には、方立70が設けられていることが好ましい。すなわち、妻側交差部19の位置にあたる壁状体28の上もしくは下に方立70が設けられる。
しかしこれに限らず、妻側開口52に設けられた窓と第1開口50に設けられた窓との境界は他の方法で連結されていてもよい。
上述した本発明の集合住宅2によれば、第1妻柱24が、第4梁16の軸線Fより第3構面15側に近接する位置に配置されており、第4梁16が、第1水平部16aと第2水平部16bとを有したL型の梁であるので、第1中柱20から第1妻柱24までの第4梁16の上もしくは下のスペースを広く使用することができる。それにより例えば第1水平部16aの上もしくは下に第1開口50を設け、第2水平部16bの上もしくは下に妻側開口52を設けることにより、第1開口50と妻側開口52を連続した状態で設けることができる。これにより本発明の集合住宅2は、第1開口50と妻側開口52との間を柱で仕切らず広い眺望を確保でき、妻側住戸5の開放性を従来の妻側住戸より高くすることができる。
また第1妻柱24を軸線Fより第3構面15側に近接する位置に配置することにより、第2水平部16bの上もしくは下に妻側開口52を設ける一方、第1妻柱24と第2妻柱25との間を耐震壁とすることが可能となる。それにより妻側住戸5は、開放性と耐震壁の強度維持との両者を兼ね備えることができる。
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
2 集合住宅、3 バルコニ、5 妻側住戸、6 住戸、
10 第1梁、11 第1構面、12 第2梁、13 第2構面、
14 第3梁、15 第3構面、
16 第4梁、16a 第1水平部、16b 第2水平部、17 第4構面、
19 妻側交差部、20 第1中柱、21 第2中柱、
22 妻側面、23 妻側面に直交する壁面、
24 第1妻柱、25 第2妻柱、
28 壁状体、30 U字筋、30a 垂直辺、30b 水平辺、
32 第2あばら筋、32a 全体第2あばら筋、32b 中央第2あばら筋、
34 上端主筋、36 下端主筋、
38 第4あばら筋、38a 全体第4あばら筋、38b 中央第4あばら筋、
39 定着具、40 主筋、41 中筋、42 連結あばら筋、
50 第1開口、52 妻側開口、70 方立、
75 隣家の第4構面側の梁、F 軸線

Claims (9)

  1. 隣接する複数の住戸を同一階に備える集合住宅であって、
    水平に延びる梁と、該梁の両端部を固定し鉛直に延びる柱と、により構成される架構を構面とし、
    隣接する複数の住戸のうち端部に位置する住戸である妻側住戸は、第1構面、第2構面、第3構面、及び第4構面の4つの構面によって矩形に形成されるものであり、
    前記第1構面は、前記妻側住戸とそれと隣接する住戸との境に位置する第1中柱及び第2中柱と、該第1中柱と該第2中柱との間に架け渡される第1梁と、により構成される架構であり、
    第2構面は、第1梁に対して平行に延びる第2梁と、該第2梁の両端部を固定する第1妻柱及び第2妻柱と、により構成される架構であり、
    第3構面は、第1梁及び第2梁に対して垂直かつ水平に延びる第3梁と、該第3梁の両端部を固定する第2妻柱及び第2中柱と、により構成される架構であり、
    第4構面は、第1妻柱及び第1中柱と、該第1妻柱及び第1中柱に架け渡される第4梁と、を有する架構であり、
    第1妻柱は、第3構面の第3梁に平行でありかつ第1中柱の中心を通る前記第4梁の軸線より、第3構面側に近接する位置に配置され、
    第4梁は、第3梁に対して平行に第1中柱から前記軸線上を延びる第1水平部と、第1妻柱から第1梁に対して平行に延びる第2水平部と、を有するL型の梁である、ことを特徴とする集合住宅。
  2. 前記第4梁は、高さ方向の長さより幅方向の長さの方が長い扁平梁である、ことを特徴とする請求項1に記載の集合住宅。
  3. 前記第1妻柱の側面と前記第4梁の上面もしくは下面に連接する壁状体、を備え、
    前記壁状体の長さは、前記第4梁の長さより短い、ことを特徴とする請求項1に記載の集合住宅。
  4. 前記第4梁は、前記第1水平部と前記第2水平部とが交差する位置である妻側交差部で垂直に延びる垂直辺と、該垂直辺の両端から前記第3構面に向けて水平に延びる上下の水平辺と、を有する複数のU字筋と、
    前記U字筋の周囲を取り囲む第2あばら筋と、
    前記第1中柱から前記妻側交差部に向けて前記第4梁の上面に近接して水平に延びる上端主筋と、
    前記第1中柱から前記妻側交差部に向けて前記第4梁の下面に近接して水平に延びる下端主筋と、
    前記上端主筋及び前記下端主筋との周囲を取り囲む第4あばら筋と、を備え、
    前記U字筋の水平辺と前記上端主筋及び前記下端主筋とは、前記妻側交差部で交差する、ことを特徴とする請求項1に記載の集合住宅。
  5. 前記妻側交差部の前記上端主筋は、上方側の前記水平辺の上に配置され、前記第2構面側の端部が下方に向けて屈曲し、
    前記妻側交差部の前記下端主筋は、下方側の前記水平辺の上に配置される、ことを特徴とする請求項4に記載の集合住宅。
  6. 前記第4梁は、前記第1水平部と前記第2水平部とが交差する位置である妻側交差部で垂直に延びる垂直辺と、該垂直辺の両端から前記第3構面に向けて水平に延びる上下の水平辺と、を有する複数のU字筋と、
    前記U字筋の周囲を取り囲む第2あばら筋と、
    前記第1中柱から前記妻側交差部に向けて前記第4梁の上面に近接して水平に延びる上端主筋と、
    前記第1中柱から前記妻側交差部に向けて前記第4梁の下面に近接して水平に延びる下端主筋と、
    前記上端主筋及び前記下端主筋との周囲を取り囲む第4あばら筋と、を備え、
    前記U字筋と前記上端主筋及び前記下端主筋とは、上方側の前記水平辺の上に前記上端主筋を配置し下方側の前記水平辺の上に前記下端主筋を配置して前記妻側交差部で交差し、
    前記壁状体は、一端が前記第1妻柱の内部に固定され前記第4構面に向けて前記第2構面に平行かつ水平に延びる複数の主筋と、
    複数の前記主筋と該主筋の直下に延びる上下の前記水平辺のいずれか一方または両方との周囲を取り囲む連結あばら筋と、を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の集合住宅。
  7. 前記U字筋の水平辺は、端部が前記第1妻柱の内部に固定され、もしくは前記第1妻柱を貫通する、ことを特徴とする請求項4または6に記載の集合住宅。
  8. 前記主筋は、前記第4構面側の端部で前記第4梁に向けて屈曲し、
    前記主筋の他端は、前記第4梁の内部に固定される、ことを特徴とする請求項6に記載の集合住宅。
  9. 前記第1水平部の上方もしくは下方に設けられた開口である第1開口と、
    前記第2水平部の上方もしくは下方に設けられた開口である妻側開口と、を備え、
    前記第1開口と前記妻側開口とは、前記第1水平部と前記第2水平部とが交差する位置である妻側交差部で連続する、ことを特徴とする請求項1に記載の集合住宅。
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