JP2015155391A - トリフルオロエチレンの貯蔵方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トリフルオロエチレンを、重合禁止剤を含有させることなく、安定に貯蔵できるトリフルオロエチレンの貯蔵方法の提供。【解決手段】トリフルオロエチレンを、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、銅、亜鉛、またはこれらの塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と接触させない状態で貯蔵する。【選択図】なし

Description

本発明は、トリフルオロエチレンの貯蔵方法に関する。
近年、冷凍機用冷媒、空調機器用冷媒、発電システム(廃熱回収発電等)用作動流体、潜熱輸送装置(ヒートパイプ等)用作動媒体、二次冷却媒体等の作動媒体として有用であることから、トリフルオロエチレン(HFO−1123)が注目されている。なお、本明細書において、ハロゲン化炭化水素については化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記し、必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。
HFO−1123は、単独あるいは高濃度の、ガス状態または液状態で貯蔵すると、重合反応が進行することがある。さらに、その重合熱によって自己分解反応を起こす可能性がある。そのため、従来、HFO−1123を貯蔵する際には、重合反応を抑制する目的で、種々の重合禁止剤を添加する方法や、HFO−1123よりも安定性の高いガスで希釈する方法が採られている。
しかし、貯蔵時に重合禁止剤や安定性の高いガスを添加した場合には、冷媒として使用する際に、これらを除去する必要がある。そのため、シリカゲルを用いて吸着除去することや、蒸留等で精製除去することが行われている。したがって、蒸留設備や精製設備が必要となり、コストアップにつながるという問題があった。
また、HFO−1123の重合を抑制するために、貯蔵時に冷媒等の冷却媒体を用いて冷却し、安定性を高める方法もあるが、この方法では、冷却のためのエネルギーや冷却設備が必要であるため、コストアップにつながるという問題があった。
HFO−1123以外の、単独で貯蔵した場合に重合反応を起こし得る化合物の貯蔵方法として、特許文献1には、塩化ビニルモノマーを貯蔵するに際し、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の濃度を所定の濃度以下に低減させて貯蔵することで、重合禁止剤を添加せずに保存する方法が開示されている。
特開2007−39377号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされてものであって、HFO−1123を、重合禁止剤を含有させることなく、安定に貯蔵できるHFO−1123の貯蔵方法を提供することにある。
本発明のトリフルオロエチレンの貯蔵方法は、トリフルオロエチレンを、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、銅、亜鉛またはこれらの塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と接触させない状態で貯蔵することを特徴とする。
本発明のトリフルオロエチレンの貯蔵方法において、トリフルオロエチレンを、前記化合物を含有しない材料で構成された容器内に貯蔵することが好ましい。
本発明の貯蔵方法において、前記トリフルオロエチレンが、トリフルオロエチレンを含む組成物として貯蔵され、前記組成物が、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン、E−および/またはZ−1,2−ジクロロフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロエタン、メタン、1,1−ジフルオロエタン、2−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、およびE−および/またはZ−1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
また、本発明の貯蔵方法において、前記トリフルオロエチレンが、トリフルオロエチレンを含む組成物として貯蔵され、前記組成物が、フッ化水素、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,2−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロエタン、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、1−ノルマルブテン、2−ノルマルブテン、イソブテン、フルオロエチレン、3,3−ジフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、E−および/またはZ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタンおよびフルオロメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
また、本発明の貯蔵方法において、前記トリフルオロエチレンが、トリフルオロエチレンを含む組成物として貯蔵され、前記組成物が、クロロジフルオロメタン、テトラフルオロエチレン、クロロフルオロメタン、E−および/またはZ−1,2−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1−クロロ-2,2-ジフルオロエチレン、E−および/またはZ−1,2−ジクロロフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロエタン、E−および/またはZ−1−クロロ−2−フルオロエチレン、3,3−ジフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、E−および/またはZ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジクロロジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、フルオロメタン、クロロメタン、ペルフルオロシクロブタンおよびメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
本発明の貯蔵方法によれば、HFO−1123を、重合禁止剤を含有させることなく、安定に貯蔵することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明のHFO−1123の貯蔵方法は、HFO−1123を含む組成物を、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、銅、亜鉛、またはこれらの塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、化合物Aと称する。)と接触させない状態で貯蔵する方法である。
HFO−1123は、単独あるいは高濃度で貯蔵する場合に、重合反応を起こすことが知られている。HFO−1123の重合反応によって生じたポリマーは、配管等に付着して詰まりの原因となることがある。さらに、HFO−1123は、単独で用いた場合に、高温または高圧下で着火源があると爆発する、いわゆる自己分解性を有することも知られている。そのため、HFO−1123が重合反応を起こした場合には、重合反応で発生した熱により、HFO−1123が自己分解反応を起こす可能性がある。また、重合反応で生成した、熱とフッ化水素の作用で、配管、機器等が腐食する可能性もある。本発明の貯蔵方法においては、HFO−1123を化合物Aと接触させない状態で貯蔵することで、上述した現象を抑制し、HFO−1123を安定的に貯蔵することを可能とするものである。
(化合物A)
上記の化合物Aは、HFO−1123と接触することにより、HFO−1123の重合反応を開始させるおそれのある化合物である。したがって、本発明の貯蔵方法では、HFO−1123を、化合物Aを含有しない材料で構成された容器内に貯蔵することが好ましい。また、本発明の貯蔵方法では、HFO−1123を移送する場合等に、化合物Aを含有しない材料で構成された配管、機器類を用いることが好ましい。このようにして、HFO−1123を、上記化合物Aと接触させない状態で貯蔵することができる。
なお、本明細書において、化合物Aを含有しないとは、化合物Aの含有量が10質量ppm以下であることをいう。
(HFO−1123)
本発明の貯蔵方法において、HFO−1123は、単独で貯蔵してもよく、HFO−1123を含む組成物として貯蔵してもよい。
本発明の貯蔵方法が対象とするHFO−1123を含む組成物としては、HFO−1123とこれ以外の成分(但し、上記した化合物Aを除く。)からなる組成物であれば特に限定されない。例えば、HFO−1123を製造する目的で、各種原料成分を反応させて得られるHFO−1123を含有する組成物であってもよく、各種用途に応じて所定の組成に調整されたHFO−1123を含有する組成物であってもよい。
各種原料成分を反応させて得られるHFO−1123を含有する組成物として具体的には、次の(1)〜(3)の方法で得られる、HFO−1123を含有する組成物が挙げられる。
(1)クロロトリフルオロエチレン(CTFE)と水素ガスを触媒存在下で還元反応させる方法
(2)1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFO−134a)をアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属存在下で脱フッ化水素反応をさせる方法
(3)クロロジフルオロメタン(R22)および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)とクロロフルオロメタン(R31)を含む組成物を、熱媒体の存在下で熱分解を伴う合成反応をさせる方法
また、各種用途に応じて所定の組成に調整された、HFO−1123を含有する組成物としては、HFO−1123を含有する作動媒体組成物が挙げられる。
以下に、(1)〜(4)の組成物を例にして、本発明の貯蔵方法について説明するが、本発明の貯蔵方法は、これらに限定されるものではない。
(1)の方法で得られるHFO−1123を含有する組成物
上記(1)は、CTFEからなる原料化合物と水素とを、触媒担持担体が充填された触媒層を有する反応器内で、気相で反応させ、HFO−1123を含むガスを生成する方法である。
本態様において、触媒としてはパラジウム触媒が好ましい。パラジウム触媒は、担体に担持して用いることが好ましい。パラジウム触媒は、パラジウム単体のみならず、パラジウム合金であってもよい。また、パラジウムと他の金属との混合物を担持させた触媒や、パラジウムと他の金属とを担体に別々に担持させた複合触媒であってもよい。パラジウム合金触媒としては、パラジウム/白金合金触媒やパラジウム/ロジウム合金触媒等が挙げられる。
触媒としては、パラジウムやパラジウム合金のみを担体に担持させた触媒、またはパラジウムとパラジウム以外の他の金属とを担体に担持させた触媒が好ましい。パラジウムとパラジウム以外の他の金属とを担体に担持させた触媒は、パラジウムのみを担体に担持させた触媒に比べ、触媒耐久性が高くなる傾向がある。
パラジウム以外の他の金属としては、第8族元素(鉄、ルテニウム、オスミウム等)、第9族元素(コバルト、ロジウム、イリジウム等)、第10族元素(ニッケル、白金等)、および金等が挙げられる。他の金属は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。他の金属の割合は、パラジウム100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましい。
担体としては、活性炭、金属酸化物(アルミナ、ジルコニア、シリカ等)等が挙げられ、活性、耐久性、反応選択性の点から、活性炭が好ましい。活性炭としては、植物原料(木材、木炭、果実殻、ヤシ殻等)、鉱物質原料(泥炭、亜炭、石炭等)等から得られたものが挙げられる。
(1)のCTFEの水素還元においては、HFO−1123を含む組成物を、生成ガスとして得ることができる。生成ガスに含有されるHFO−1123以外の化合物としては、未反応原料であるCTFE(CFO−1113)に加えて、1,2−ジフルオロエチレン(HFO−1132)、1,1−ジフルオロエチレン(HFO−1132a)、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン(HCFO−1122)、E−および/またはZ−1,2−ジクロロフルオロエチレン(HCFO−1122a)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、メタン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、2−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−133)、1−クロロ−1,1,2−トリフルオロエタン(HCFC−133b)、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン(HCFC−123a)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(CFC−113)、およびE−および/またはZ−1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン(CFO−1112)等が挙げられる。生成ガスに含有されるHFO−1123以外の化合物の含有量は、5〜80質量%が好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、20〜40質量%が最も好ましい。
本発明の貯蔵方法において、HFO−1123を含む組成物として、上記生成ガスをそのまま用いることができる。また、必要に応じて、上記生成ガスを、脱酸処理、脱アルカリ処理を行ったものや、これを洗浄したものを用いてもよい。また、生成ガス中のHFO−1123以外の成分を、蒸留等の既知の手段により、所望の程度で除去したり、生成ガス中の水分をゼオライト等の乾燥剤で除去(乾燥)したものを用いてもよい。
本態様で生成ガス中に含有され得る化合物Aとしては、製造工程で用いた触媒に含有される酸化アルミニウム、生成ガスに対して脱酸を行う場合に使用される水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等、製造工程で副生する塩化水素やフッ化水素と触媒に含まれるアルミニウムの反応生成物である、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。そのため、例えば、生成ガスをフィルターに通過させる方法や、ゼオライト等の吸着剤と接触させる方法によって、HFO−1123を含む生成ガスから化合物Aを低減し、化合物Aを含有しない状態とした上で貯蔵する。
(2)の方法で得られるHFO−1123を含有する組成物
上記(2)は、反応器内で、HFC−134aを含む原料ガスを固体反応剤と接触させる方法である。この方法では、固体反応剤と、HFC−134aを含む原料ガスの接触によりHFC−134aの脱フッ化水素反応を進行させることで、HFO−1123を含むガスを生成する方法である。
本態様において、固体反応剤としては、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩および金属ハロゲン化物から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第13族金属、第14族金属が好ましく、特に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムおよびケイ素が好ましい。炭酸カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)等が好適である。
具体的に固体反応剤としては、炭酸カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)等が挙げられる。HFC−134aを効率よくHFO−1123に転化できることから、これらの中でも、炭酸カリウム、酸化カルシウムが特に好ましい。
固体反応剤は、前記化合物のみで構成されていてもよいし、それ以外の成分を含んでいてもよい。固体反応剤が含有可能なそれ以外の成分としては、前記化合物を担持するための担体、例えば、アルミナ担体、ジルコニア担体、シリカ担体、シリカアルミナ担体、活性炭に代表されるカーボン担体、硫酸バリウム担体、炭酸カルシウム担体などが挙げられる。
また、平均粒子径が1μm〜5000μmの粒子状の固体反応剤を用い、この固体反応剤からなる層(以下、固体反応剤層ともいう。)を形成させてもよい。この場合、前記固体反応剤からなる層を流動化させ、流動化した状態の固体反応剤の粒子とHFC−134aを接触させてもよい。なお、固体反応剤層が「流動化した状態」とは、原料ガスのような流体を上向き(重力方向と反対向き)に噴出させて流通させることにより作られる状態であり、固体反応剤の粒子が流体中に懸濁し浮遊した状態をいう。
(2)の方法では、HFO−1123を含む組成物を、生成ガスとして得ることができる。生成ガスに含有されるHFO−1123と未反応の原料成分(HFC−134a)以外の化合物としては、フッ化水素、HFO−1132、HFO−1132a、HFC−143、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、1−ノルマルブテン、2−ノルマルブテン、イソブテン、フルオロエチレン(HFO−1141)、3,3−ジフルオロプロペン(HFO−1252zf)、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、E−および/またはZ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、ヘキサフルオロプロピレン(FO−1216)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ca)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ea)、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)およびフルオロメタン(HFC−41)等が挙げられる。
本発明の貯蔵方法において、HFO−1123を含む組成物として、上記生成ガスをそのまま用いることができる。また、(1)の方法と同様に、必要に応じて、上記生成ガスを、脱酸処理、脱アルカリ処理、洗浄、蒸留、乾燥したものを用いてもよい。また、HFO−1123を含む組成物として、本態様で得られる生成ガスを用いる場合には、(1)と同様に、当該生成ガスから化合物Aを低減し、化合物Aを含有しない状態としたうえで貯蔵する。
(3)の方法で得られるHFO−1123を含有する組成物
上記(3)は、R22および/またはTFEとR31を含む原料組成物を用い、熱媒体の存在下で熱分解を伴う合成反応により、HFO−1123を含むガスを生成する方法である。この方法では、R22および/またはTFEとR31を含む原料組成物は、反応器内で熱分解および脱塩化水素反応によりジフルオロカルベン(FC:)とR31とを含む反応混合物を生成し、これらの反応混合物は、直接付加反応して、あるいは1種または2種以上の中間体を経て、HFO−1123へと転化されると考えられる。本態様で生成したFC:を発生し得る副生物、例えば、TFE(FO−1114)、FO−1216、RC318、VdF(HFO−1132a)、CFO−1113等をリサイクルして原料成分として使用することもできる。
熱媒体としては、反応器内の温度で熱分解が生じない媒体であり、具体的には、100〜1200℃の温度で熱分解しない媒体であるのが好ましい。熱媒体としては、水蒸気、窒素、二酸化炭素から選ばれる1種または2種以上の気体が挙げられる。水蒸気を50体積%以上含み、残部が窒素および/または二酸化炭素である気体の使用が好ましい。熱分解反応で副生するHClを塩酸にして除くため、熱媒体における水蒸気の含有割合は50体積%以上が好ましく、実質的に水蒸気のみ(100体積%)からなる気体の使用が特に好ましい。
(3)の方法では、HFO−1123を含む組成物を、生成ガスとして得ることができる。生成ガスが含有するHFO−1123以外の化合物としては、未反応原料であるR22、TFE、HCFC−31に加えて、HFO−1132、HFO−1132a、HFO−1141、CTFE、HCFO−1122、HCFO−1122a、HFC−143、E−および/またはZ−1−クロロ−2−フルオロエチレン(HCFO−1131)、HFO−1252zf、HFO−1243zf、HFO−1234yf、HFO−1234ze、FO−1216、HFC−125、HFC−134、HFC−134a、HFC−143a、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124a)、HFC−227ca、HFC−227ea、HFC−236fa、HFC−236ea、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)、HFC−23、HFC−32、HFC−41、クロロメタン、ペルフルオロシクロブタン(RC−318)およびメタン等が挙げられる。
本発明の貯蔵方法において、HFO−1123を含む組成物として、上記生成ガスをそのまま用いることができる。また、(1)と同様に、必要に応じて、脱酸処理、脱アルカリ処理、洗浄、蒸留、乾燥したものを用いてもよい。また、HFO−1123を含む組成物として、本態様で得られる生成ガスを用いる場合には、(1)と同様に、当該生成ガスから化合物Aを低減し、化合物Aを含有しない状態としたうえで貯蔵する。
(4)HFO−1123を含む作動媒体組成物
本発明の貯蔵方法において、HFO−1123は、HFO−1123を含む作動媒体組成物として貯蔵してもよい。HFO−1123を含む作動媒体組成物は、HFO−1123以外の成分を含んでいてもよい。HFO−1123以外の成分としては、通常作動媒体として用いられる化合物、例えば、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、HFO−1123以外のヒドロフルオロオレフィン(HFO)、二酸化炭素、炭化水素、クロロフルオロオレフィン(CFO)、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)が挙げられる。
HFO−1123を含む作動媒体組成物中のHFO−1123の含有量は特に限定されず、当該作動媒体組成物がHFO−1123を含んでいれば、重合反応を抑制して、長期間安定に貯蔵することができる。HFO−1123を含む作動媒体組成物が、上記したHFO−1123以外の成分を含む場合、当該作動媒体組成物中のHFO−1123の含有量が作動媒体組成物全量に対して80モル%以上であると、HFO−1123が自己分解反応を起こしやすいことが知られている。そのため、優れた自己分解反応抑制効果が得られる点で、HFO−1123を含む作動媒体組成物中のHFO−1123の含有量は、当該作動媒体組成物の全量に対して、好ましくは80モル%未満であり、より好ましくは70モル%以下であり、最も好ましくは60モル%以下である。また、作動媒体の能力の観点からは、HFO−1123を含む作動媒体組成物中のHFO−1123の含有量は、20モル%以上が好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、40モル%以上が最も好ましい。
以上、本発明の貯蔵方法によれば、HFO−1123を、その重合反応を高度に抑制し、極めて安定に貯蔵することが可能である。また、高濃度あるいは単独のHFO−1123を作動媒体とし、熱サイクルシステムに使用する場合にも、熱サイクルシステムを、化合物Aを含有しない構成とすることで、極めて安全な熱サイクルシステムを構成することができる。

Claims (5)

  1. トリフルオロエチレンを、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、銅、亜鉛またはこれらの塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と接触させない状態で貯蔵することを特徴とするトリフルオロエチレンの貯蔵方法。
  2. 前記トリフルオロエチレンを、前記化合物を含有しない材料で構成された容器内に貯蔵する請求項1に記載のトリフルオロエチレンの貯蔵方法。
  3. 前記トリフルオロエチレンが、トリフルオロエチレンを含む組成物として貯蔵され、
    前記組成物が、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン、E−および/またはZ−1,2−ジクロロフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロエタン、メタン、1,1−ジフルオロエタン、2−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、およびE−および/またはZ−1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む請求項1または2に記載のトリフルオロエチレンの貯蔵方法。
  4. 前記トリフルオロエチレンが、トリフルオロエチレンを含む組成物として貯蔵され、
    前記組成物が、フッ化水素、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,2−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロエタン、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、1−ノルマルブテン、2−ノルマルブテン、イソブテン、フルオロエチレン、3,3−ジフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、E−および/またはZ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタンおよびフルオロメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む請求項1または2に記載のトリフルオロエチレンの貯蔵方法。
  5. 前記トリフルオロエチレンが、トリフルオロエチレンを含む組成物として貯蔵され、
    前記組成物が、クロロジフルオロメタン、テトラフルオロエチレン、クロロフルオロメタン、E−および/またはZ−1,2−ジフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1−クロロ−2,2-ジフルオロエチレン、E−および/またはZ−1,2−ジクロロフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロエタン、E−および/またはZ−1−クロロ−2−フルオロエチレン、3,3−ジフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、E−および/またはZ−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジクロロジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、フルオロメタン、クロロメタン、ペルフルオロシクロブタンおよびメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む請求項1または2に記載のトリフルオロエチレンの貯蔵方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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