JP2015153673A - 蓄電装置及び蓄電装置モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 所定の端子から突出するボルトの長さを揃える技術を提供する。【解決手段】 蓄電装置100は、ケース2と、電極組立体10と、正極側端子80と、負極側端子30と、正極ボルト92と、負極ボルト42と、を備えている。正極ボルト92は、正極側端子80に接続されている。負極ボルト42は、負極側端子30に接続されている。正極側端子80と負極側端子30のそれぞれは、少なくともケース2の外部と連通している挿通口86、36を有している。正極ボルト92と負極ボルト42のそれぞれは、頭部94、44と雄ねじ部96、46を有している。正極ボルト92と負極ボルト42の少なくとも一方の頭部の径は、当該ボルトが接続される正極側端子80又は負極側端子30の挿通口86、36の上端の径よりも大きく、頭部の下面は、端子80、30の上面と当接している。【選択図】 図1
Description
本明細書に開示する技術は、電流遮断装置を備えている蓄電装置及び蓄電装置モジュールに関する。
蓄電装置が過充電状態となったり、内部で短絡が発生したりしたときに、端子間(正極端子と負極端子)に流れる電流を遮断する電流遮断装置の開発が進められている(特許文献1参照)。電流遮断装置は、電極組立体と端子の間に配置されている。
蓄電装置、及び複数の蓄電装置が連結された蓄電装置モジュールでは、ケースに取付けられた端子にボルトが接続される場合がある。ボルトの一例として、外部と端子とを電気的に接続するための入出力ボルトが挙げられる。入出力ボルトは、蓄電装置及び蓄電装置モジュールの所定の端子に接続される。入出力ボルトは、軸方向に比較的に長い頭部と、軸部とを有する。端子には、ケースの外部と連通する挿通口が形成されており、入出力ボルトはこの挿通口に螺合される。より具体的には、入出力ボルトは、その頭部の一部が端子の挿通口内に位置するように螺合される。即ち、挿通口は、入出力ボルトの軸部が螺合される第1部分と、第1部分よりもケース外部側に位置している第2部分とを有する。第2部分の径は、入出力ボルトの頭部の径と略同一となっている。第1部分と第2部分とを接続している接続面は、軸方向と略直交している。入出力ボルトは、入出力ボルトの頭部が当該接続面と当接するように挿通口に螺合される。入出力ボルトが挿通口に螺合されると、入出力ボルトの頭部の一部が挿通口の第2部分に位置し、入出力ボルトの頭部の残部が端子からケース外部に突出する。入出力ボルトの頭部のうち端子から突出している部分が、入出力用端子として機能する。
ここで、従来の蓄電装置では、挿通口の第2部分の長さが端子によって異なる場合がある。このため、入出力ボルトの頭部の一部を端子の挿通口(即ち、挿通口の第2部分)に収容する構造では、入出力ボルトの頭部の軸方向の寸法が同一のままで端子の挿通口の第2部分の長さが変わると、端子から突出する入出力ボルトの長さが、端子の挿通口の第2部分の長さによって変化する。端子から突出する入出力ボルトの長さが変わると、蓄電装置の周囲のスペースを効率的に使用できない。
本明細書では、所定の端子から突出するボルトの長さを揃える技術を提供する。
本明細書が開示する蓄電装置は、ケースと、電極組立体と、正極側端子と、負極側端子と、正極ボルトと、負極ボルトと、を備えている。電極組立体は、ケース内に収容されており、正極電極及び負極電極を備えている。正極側端子は、ケースのケース上壁に形成されている開口を介してケースの内外に通じている。負極側端子は、ケースのケース上壁に形成されている開口を介してケースの内外に通じている。正極ボルトは、正極側端子に接続されている。負極ボルトは、負極側端子に接続されている。電流遮断装置は、ケース内に収容されており、正極側端子と正極電極又は負極側端子と負極電極に接続されていると共に、正極側端子と正極電極又は負極側端子と負極電極を導通状態から非導通状態に切換える。正極側端子と負極側端子のそれぞれは、少なくともケースの外部と連通している挿通口を有している。正極ボルトと負極ボルトのそれぞれは、頭部と雄ねじ部を有している。正極側端子と負極側端子の挿通口のそれぞれは、正極ボルト又は負極ボルトの雄ねじ部が螺合する雌ねじ部と、雌ねじ部が形成されていない非雌ねじ部と、を有している。非雌ねじ部は、雌ねじ部より上方に位置している。非雌ねじ部の上端は挿通口の上端に位置している。正極ボルトと負極ボルトの少なくとも一方の頭部の径は、当該ボルトが接続される正極側端子又は負極側端子の挿通口の上端の径よりも大きく、頭部の下面は、端子の上面と当接している。
この蓄電装置では、正極ボルトと負極ボルトの少なくとも一方の頭部の径が、当該ボルトが接続される正極側端子又は負極側端子の挿通口の上端の径よりも大きい(以下、当該ボルトを頭部大径ボルトともいう)。このため、頭部大径ボルトを端子の挿通口に螺合していくと、頭部大径ボルトの頭部の下面が端子の上面に当接する。従って、頭部大径ボルトの頭部全体が端子の外部に位置する。即ち、頭部大径ボルトの頭部の軸方向の長さが、端子から突出するボルトの長さとなる。この構成によると、頭部大径ボルトが螺合する端子の挿通口の非雌ねじ部の長さが変化しても、当該端子から突出するボルトの長さを一定とすることができる。
また、本明細書は、新規な蓄電装置モジュールを開示する。この蓄電装置モジュールは、複数の蓄電装置が直列接続されている。これら複数の蓄電装置の一端の蓄電装置は、第1ケースと、正極側端子と、正極側端子に接続されている正極ボルトと、を備えている。正極側端子は、第1ケースのケース上壁に形成されている開口を介して第1ケースの内外に通じており、第1ケース内に収容されている正極電極と電気的に接続されている。正極側端子は、少なくとも第1ケースの外部と連通している第1挿通口を有している。正極ボルトは、第1頭部と第1雄ねじ部を有している。第1挿通口は、正極ボルトの第1雄ねじ部が螺合する第1雌ねじ部と、第1雌ねじ部が形成されていない第1非雌ねじ部と、を有している。第1非雌ねじ部は、第1雌ねじ部より上方に位置している。第1非雌ねじ部の上端は第1挿通口の上端に位置している。正極ボルトの第1頭部の径は、第1挿通口の上端の径よりも大きく、第1頭部の下面は、正極側端子の上面と当接している。一方、これら複数の蓄電装置の他端の蓄電装置は、第2ケースと、負極側端子と、負極側端子に接続されている負極ボルトと、を備えている。負極側端子は、第2ケースのケース上壁に形成されている開口を介して第2ケースの内外に通じており、第2ケース内に収容されている負極電極と電気的に接続されている。負極側端子は、少なくとも第2ケースの外部と連通している第2挿通口を有している。負極ボルトは、第2頭部と第2雄ねじ部を有している。第2挿通口は、負極ボルトの第2雄ねじ部が螺合する第2雌ねじ部と、第2雌ねじ部が形成されていない第2非雌ねじ部と、を有している。第2非雌ねじ部は、第2雌ねじ部より上方に位置している。第2非雌ねじ部の上端は第2挿通口の上端に位置している。負極ボルトの第2頭部の径は、第2挿通口の上端の径よりも大きく、第2頭部の下面は、負極側端子の上面と当接している。
この構成によると、複数の蓄電装置の一端の蓄電装置において、正極ボルトを正極側端子の挿通口に螺合すると、正極ボルトの頭部の下面が正極側端子の上面に当接し、正極ボルトの頭部の全体が正極側端子の外部に位置する。一方、複数の蓄電装置の他端の蓄電装置において、負極ボルトを負極側端子の挿通口に螺合すると、負極ボルトの頭部の下面が負極側端子の上面に当接し、負極ボルトの頭部の全体が負極側端子の外部に位置する。この構成によると、正極ボルトの頭部と負極ボルトの頭部の軸方向の長さがそれぞれ等しい場合は、第1挿通口の第1非雌ねじ部と第2挿通口の第2非雌ねじ部の長さが互いに異なる場合であっても、正極側端子から突出する正極ボルトの長さと、負極側端子から突出する負極ボルトの長さを揃えることができる。
本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明を実施するための形態、及び、実施例にて詳しく説明する。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1) 本明細書が開示する蓄電装置では、端子の外周面に締結されるナットをさらに有していてもよい。ナットがケース外部から端子の外周面に締結されることで、端子がケース上壁に固定されてもよい。非雌ねじ部が形成されている部分の挿通口の軸直方向における断面は、非円形形状を有していてもよい。正極側端子及び負極側端子をそれぞれ平面視すると、雌ねじ部が形成されている部分の挿通口は、非雌ねじ部が形成されている部分の挿通口内に位置していてもよい。
端子をケース上壁に固定する際は、ケース外部から端子の外周面にナットを締結する。このとき、ナットの回転につられて端子が回転すると(いわゆる共回り)、ナットを端子に適切に締結できない場合がある。上記の構成によると、挿通口内の非雌ねじ部が形成されている空間に、ケース外部から、当該空間に嵌合する形状を有する治具を配置することができる。治具を挿通口に配置し、治具の回転を任意の手段で阻止した状態でナットを回転させることにより、端子の共回りを防止でき、ナットを端子に適切に締結することができる。
(特徴2) 本明細書が開示する蓄電装置では、電流遮断装置が、電極組立体に電気的に接続されている通電板と、通電板の上方に通電板と対向して配置されていると共に、正極側端子又は負極側端子と電気的に接続されている第1変形板と、を備えていてもよい。第1変形板の下面と通電板とは当接部にて当接していてもよい。電流遮断装置が接続されている端子の挿通口は、ケースの内部と連通して端子を軸方向に貫通していてもよい。蓄電装置を平面視すると、当接部は、電流遮断装置が接続されている端子の挿通口内に位置していてもよい。電流遮断装置が接続されている端子の非雌ねじ部の軸方向の長さは、電流遮断装置が接続されていない端子の非雌ねじ部の軸方向の長さよりも長くてもよい。
第1変形板と通電板をレーザにより溶接する場合、ケースの外部から、端子に形成された挿通口を通って第1変形板にレーザ光線を照射することができる。挿通口を利用してレーザ光線を照射する場合、ケース外部から挿通口に治具を挿入し、第1変形板を通電板側に押付けることが好ましい。治具により第1変形板が通電板側に押付けられることで、第1変形板と通電板との当接状態を確保でき、第1変形板と通電板とを当接部において適切に溶接することができる。治具を適切な位置に配置するためには、挿通口に治具を収容するためのスペースが必要となる。上記の構成では、電流遮断装置が接続されている端子(以下、端子Aという)の非雌ねじ部の軸方向の長さは、電流遮断装置が接続されていない端子(以下、端子Bという)の非雌ねじ部の軸方向の長さよりも長い。また、非雌ねじ部は雌ねじ部よりも大径である。このため、端子Aの挿通口は端子Bの挿通口よりも容積が大きくなり、上記の治具を適切に収容できる。従って、レーザを用いて第1変形板と通電板を適切に溶接できる。
(特徴3) 本明細書が開示する蓄電装置では、特徴2に加えて、電流遮断装置が接続されている端子が、電流遮断装置が接続されていない端子よりも強度の高い材料により形成されていてもよい。非雌ねじ部の軸方向の長さは、端子Aのほうが端子Bよりも長い。このため、端子Aの非雌ねじ部と雌ねじ部の軸方向の長さの和と、端子Bの非雌ねじ部と雌ねじ部の軸方向の長さの和が等しい場合は、雌ねじ部の軸方向の長さは、端子Aのほうが端子Bよりも短くなる。上記の構成では、端子Aのほうが端子Bよりも強度が高い材料により形成されている。このため、端子Aの雌ねじ部の長さが比較的に短くても、ボルトと端子Aとの接続強度が低減することを抑制できる。
(特徴4) 本明細書が開示する蓄電装置は、二次電池であってもよい。
実施例1の蓄電装置100について図1〜6を参照して説明する。蓄電装置100は、二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池である。図1に示すように、蓄電装置100は、ケース2と、電極組立体10と、負極側端子30と、正極側端子80と、負極ボルト42と、正極ボルト92と、電流遮断装置50を備えている。ケース2は、金属製であり、略直方体形状である。ケース2の内部には、電極組立体10と電流遮断装置50が収容されている。電極組立体10は、負極電極と正極電極を備えている。負極集電タブ12が負極電極に固定されており、正極集電タブ20が正極電極に固定されている。ケース2の内部には、電解液が注入されている。
ケース2の上壁には、開口6、8が形成されている。以下では、ケース2の上壁を特にケース上壁4と称する。負極側端子30は銅により形成されており、開口6を介してケース2の内外に通じている。正極側端子80はアルミニウムにより形成されており、開口8を介してケース2の内外に通じている。即ち、負極側端子30と正極側端子80の双方が、電極組立体10に対して同じ方向に配置されている。本実施例では、ケース2を構成する各面のうち、端子30、80が配置されている面が位置している側を上側、端子30,80が配置されている面と対向する面が位置している側を下側と定義する。負極側端子30には、負極ボルト42が接続されている。負極側端子30及び負極ボルト42は互いに電気的に接続されており、負極端子を構成している。正極側端子80には、正極ボルト92が接続されている。正極側端子80及び正極ボルト92は互いに電気的に接続されており、正極端子を構成している。負極側端子30の下端はケース2の内部に位置しており、電流遮断装置50に接続されている。電流遮断装置50は、接続端子14及び負極リード16を介して、負極集電タブ12に接続されている。負極リード16は、絶縁シート18によってケース上壁4から絶縁されている。一方、正極側端子80の下端はケース2の内部に位置しており、正極リード22を介して正極集電タブ20に接続されている。正極リード22は、絶縁シート24によってケース上壁4から絶縁されている。
ここで、図2を参照して負極側端子30について説明する。図2は、図1の二点鎖線部200aの拡大図を示す。負極側端子30は、円筒部32及び基底部34を有する。円筒部32は円筒形状をしており、開口6を貫通している。このため、円筒部32の上部はケース2の外部に位置しており、下部はケース2の内部に位置している。円筒部32の上部外周面にはねじ部が形成されている。このねじ部には、後述するナット48が締結される。負極側端子30には、負極側端子30を軸方向(上下方向)に貫通する貫通孔36が形成されている。貫通孔36は、ケース2の内部及び外部と連通している。
貫通孔36の内周面には、図2の太線で示す部分に雌ねじ部38が形成されている。雌ねじ部38には雌ねじが切られており、後述する負極ボルト42の軸部46が螺合される。以下では、雌ねじ部38が形成されている部分の貫通孔36を、雌ねじ部側貫通孔36aと称する。貫通孔36の内周面のうち雌ねじ部38の上側の部分には、非雌ねじ部40が形成されている。非雌ねじ部40には雌ねじが切られていない。非雌ねじ部40は貫通孔36の上端まで形成されている。即ち、非雌ねじ部40の上端はケース2の外部に開口している。非雌ねじ部40の下端は、接続面41を介して雌ねじ部38の上端に接続されている。接続面41は、軸方向に略直交する面である。以下では、非雌ねじ部40が形成されている部分の貫通孔36を、非雌ねじ部側貫通孔36bと称する。非雌ねじ部側貫通孔36bの中心軸に直交する断面の形状は、正六角形形状を有する。雌ねじ部側貫通孔36aの中心軸線と非雌ねじ部側貫通孔36bの中心軸線は一致している。
図4は、負極側端子30の平面図を示す。図4では、図を見易くするために基底部34の図示を省略している。負極側端子30の上面32aには、貫通孔36の上端が開口している。負極側端子30を平面視すると、雌ねじ部側貫通孔36aは円形形状を有しており、非雌ねじ部側貫通孔36bは正六角形形状を有している。また、雌ねじ部側貫通孔36aは、非雌ねじ部側貫通孔36bよりも小さく、雌ねじ部側貫通孔36aの輪郭は、非雌ねじ部側貫通孔36b内に位置している。このため、貫通孔36の上端の開口からは、雌ねじ部38と非雌ねじ部40との接続面41を視認できる。
図2に戻って説明を続ける。基底部34は円板形状であり、円筒部32の下端に接続されている。即ち、基底部34はケース2の内部に位置している。基底部34は、環状に形成されており、円筒部32の軸方向と略直交するように円筒部32に接続されている。基底部34の外径は、円筒部32の外径より大きく、ケース上壁4の開口6の内径より大きくされている。円筒部32と基底部34は同心円状に配置されている。基底部34の下面の外周部は、電流遮断装置50の変形板54(後述)の外周部と接続されている。基底部34の下面中央には、凹所34aが形成されている。凹所34aは、変形板54が上方に反転する際に、変形板54の反転部分が基底部34と当接することを防止するために形成されている。凹所34aの中心と貫通孔36は連通している。
負極側端子30をケース上壁4に固定する際には、円筒部32に絶縁性を有する環状のシール部材60及び環状の金属製の板材64を挿通した状態で、円筒部32をケース2の内部からケース上壁4の開口6に挿通する。そして、ケース2の外部から環状の絶縁部材58を円筒部32に取付けて、絶縁部材58をケース上壁4に当接させる。その後、ケース2の外部からナット48を円筒部32の上部外周面のねじ部に締結する。これにより、負極側端子30がケース上壁4に固定されると共に、シール部材60が基底部34とケース上壁4との間に挟持される。これにより、電解液が開口6を介してケース外部に漏出することを抑制できる。
ナット48を円筒部32に締結する際は、ナット48と端子30との共回りが防止される。すなわち、蓄電装置100では、負極側端子30の非雌ねじ部側貫通孔36bに、図5に示す共回り防止治具102を配置することができ、これにより、ナット48の締結時に端子30が共回りすることを防止できる。図5を参照して共回り防止治具102について説明する。共回り防止治具102は、軸部104と先端部106を有する。先端部106は正六角柱形状を有し、非雌ねじ部側貫通孔36bと略同一の形状となっている。軸部104は、先端部106の一端面106aの中央に、一端面106aと略直交する方向(即ち、先端部106の軸方向)に延びている。このため、治具102の先端部106は、負極側端子30の非雌ねじ部側貫通孔36b内に嵌合する。このとき、先端部106の他端面106bの外周部は、周方向に亘って接続面41に当接している。また、軸部104は負極側端子30から上方に向かって突出している。作業者が手で軸部104を保持するなどして軸部104の回転を阻止すると、非雌ねじ部側貫通孔36bの断面が非円形(本実施例では正六角形)であるため、負極側端子30の回転が阻止される。このため、ナット48を負極側端子30に締結する際に、非雌ねじ部側貫通孔36bに治具102の先端部106を配置し、軸部104の回転を阻止することにより、負極側端子30の共回りを防止でき、ナット48を負極側端子30に適切に締結することができる。
次に、負極ボルト42について説明する。負極ボルト42は、頭部44と軸部46を有する。頭部44は軸方向に高さを有する正六角柱形状を有し、軸部46は軸方向に高さを有する円柱形状を有する。頭部44の中心軸線と軸部46の中心軸線は一致している。頭部44の軸直方向における断面(即ち、正六角形形状の面)の中心を通り、当該断面を二分する線分の最小長さ(以下、頭部44の最小径という)は、軸部46の軸直方向における断面の径よりも長い。より詳細には、非雌ねじ部側貫通孔36bの軸直方向における断面の中心Oを通る対角線をd1とし、円筒部32の上面32aの外径をd2とすると(図4参照)、頭部44の最小径は、d1よりも長く、d2よりも小さい。
軸部46は、その外周面に雄ねじが切られている。軸部46の径は、雌ねじ部側貫通孔36aの径と略同一である。負極ボルト42は、軸部46の雄ねじを負極側端子30の貫通孔36の雌ねじ部38に螺合することにより、負極側端子30に接続される。負極ボルト42を負極側端子30に螺合していくと、負極ボルト42の頭部44の下面44aの外周部が、周方向に亘って負極側端子30の上面32aに当接する。即ち、負極側端子30の上面32aにより負極ボルト42が位置決めされる。負極ボルト42が位置決めされた状態では、雌ねじ部38の下端は、負極ボルト42の軸部46の下端よりも下方に位置する。また、軸部46と非雌ねじ部40との間には隙間が形成される。基底部34の凹所34aの圧力は大気圧となっている。
軸部46は、その外周面に雄ねじが切られている。軸部46の径は、雌ねじ部側貫通孔36aの径と略同一である。負極ボルト42は、軸部46の雄ねじを負極側端子30の貫通孔36の雌ねじ部38に螺合することにより、負極側端子30に接続される。負極ボルト42を負極側端子30に螺合していくと、負極ボルト42の頭部44の下面44aの外周部が、周方向に亘って負極側端子30の上面32aに当接する。即ち、負極側端子30の上面32aにより負極ボルト42が位置決めされる。負極ボルト42が位置決めされた状態では、雌ねじ部38の下端は、負極ボルト42の軸部46の下端よりも下方に位置する。また、軸部46と非雌ねじ部40との間には隙間が形成される。基底部34の凹所34aの圧力は大気圧となっている。
続いて、図3を参照して正極側端子80及び正極ボルト92について説明する。図3は、図1の二点鎖線部200bの拡大図を示す。図2と同様の構成については説明を省略し、異なっている点について説明する。正極側端子80は円筒部82及び基底部84を有する。正極側端子80には、有底の挿通穴86が形成されている。挿通穴86の上端は、ケース2の外部に開口している。挿通穴86には、雌ねじ部88と非雌ねじ部90が形成されている。非雌ねじ部90は雌ねじ部88の上側に形成されており、非雌ねじ部90の上端はケース2の外部に開口している。以下では、雌ねじ部88が形成されている部分の挿通穴86を雌ねじ部側挿通穴86aと称し、非雌ねじ部90が形成されている部分の挿通穴86を非雌ねじ部側挿通穴86bと称する。雌ねじ部側挿通穴86aは、軸方向の長さを除いて雌ねじ部側貫通孔36aと略同一の形状を有しており、非雌ねじ部側挿通穴86bは、軸方向の長さを除いて非雌ねじ部側貫通孔36bと略同一の形状を有している。雌ねじ部側挿通穴86aと非雌ねじ部側挿通穴86bの中心軸線は一致している。本実施例では、雌ねじ部側挿通穴86aと非雌ねじ部側挿通穴86bの軸方向の長さの和は、雌ねじ部側貫通孔36aと非雌ねじ部側貫通孔36bの軸方向の長さの和と略同一である。また、雌ねじ部側挿通穴86aは、雌ねじ部側貫通孔36aよりも軸方向に長い。このため、非雌ねじ部側挿通穴86bは、非雌ねじ部側挿通穴86bよりも軸方向に短い。即ち、負極側端子30の非雌ねじ部40は、非雌ねじ部90よりも軸方向に長い。なお、負極側端子30と同様に、正極側端子80の非雌ねじ部側挿通穴86bに治具102を配置することにより、ナット48の締結時における正極側端子80の共回りを防止できる。
基底部84には凹所が形成されていない。また、正極ボルト92には、負極ボルト42と同一のボルトが用いられる。正極ボルト92を正極側端子80に接続すると、正極ボルト92の軸部96が雌ねじ部88と螺合する長さは、負極ボルト42の軸部46が雌ねじ部38と螺合する長さよりも長くなる。基底部84とケース上壁4との間には、Oリング97が配置されている。Oリング97により基底部84とケース上壁4との間がシールされ、電解液が開口8を介してケース外部に漏出することを抑制できる。
図2に戻って電流遮断装置50について説明する。電流遮断装置50は、金属製の変形板54と、金属製の破断板52を備えている。電流遮断装置50は、負極側端子30の下方に位置している。変形板54の上面の外周部は、基底部34の下面の外周部に接続されており、基底部34の凹所34aの下端は変形板54により覆われている。このため、負極ボルト42を負極側端子30に接続していない状態では、負極側端子30を平面視すると、負極側端子30の上面32aに開口している貫通孔36から、変形板54の一部を視認できる。具体的には、変形板54のうち、雌ねじ部側貫通孔36aの輪郭によって区画された円形部分を視認できる。以下では、この円形部分を、領域D1と称する。凹所34a内は大気圧に保たれているため、変形板54の上面には大気圧が作用する。基底部34、変形板54及び破断板52は、環状のシール部材60及び絶縁部材62により支持されている。即ち、シール部材60は、基底部34の上面全体及び外周面の全体を覆っており、破断板52と略同一の高さまで延びている。シール部材60の下端面は、絶縁部材62の一端面と当接している。絶縁部材62の他端部は破断板52の下面の外周部を周方向に亘って覆っている。シール部材60及び絶縁部材62の外周面には、板材64がかしめられている。これにより、基底部34、変形板54及び破断板52が上下方向に挟持される。
変形板54は、平面視したときに円形を有する導電性のダイアフラムであり、中央部が下方に突出している。変形板54の中央部は平坦であり、平面視すると変形板54の中心を中心とする円形となっている。変形板54の中央部の径は領域D1の径よりも小さく、中央部の中心は、平面視したときに領域D1の中心と一致している。このため、変形板54の中央部は領域D1内に位置する。変形板54の中央部は破断板52と溶接により接続されている。
破断板52は円形の平坦な板材であり、変形板54の下方に位置している。破断板52の中心は、変形板54の中心の鉛直下方に位置している。破断板52には接続端子14が接続されている。破断板52の下面には溝部52aが形成されている。溝部52aは、破断板52を底面視したときに破断板52の中心を中心とする円形を描くように形成されている。溝部52aの断面形状は上方に凸となる三角形状をしている。溝部52aによって囲まれた部分の径は変形板54の中央部の径よりも大きい。このため、破断板52は、溝部52aの内側で変形板54の中央部に当接している。以下では、破断板52が変形板54の下面と当接している領域を領域D2と称する。即ち、変形板54の中央部の輪郭は領域D2の輪郭と一致する。また、平面視すると領域D2は領域D1内に位置している。破断板52と変形板54は、領域D2において溶接により接続されている。変形板54の中央部の上面には、複数の溶接ビード55が形成されている。即ち、溶接ビード55は、領域D2内に位置している。
溝部52aが形成されることで、溝部52aが形成された位置における破断板52の機械的強度が、溝部52a以外の位置における破断板52の機械的強度よりも低くなる。破断板52の一部には通気孔52bが形成されている。変形板54と破断板52との間の空間57は通気孔52bを介してケース2内の空間と連通している。このため、変形板54の下面にはケース2内の圧力が作用する。また、変形板54の外周部と破断板52の外周部との間には環状の絶縁部材56が配置されている。
電流遮断装置50は、接続端子14と、破断板52と、変形板54と、負極側端子30とを直列につなぐ通電経路を有している。このため、電極組立体10と負極側端子30は、電流遮断装置50の通電経路を介して電気的に接続されている。
ここで、電流遮断装置50の遮断動作について説明する。上述した蓄電装置100においては、負極側端子30と負極集電タブ12(負極電極)が導通しており、正極側端子80と正極集電タブ20(正極電極)が導通している。このため、負極側端子30と正極側端子80の間が通電可能な状態となっている。ケース2内の空間と空間57とは通気孔52bを介して連通しているため、ケース2内の圧力が上昇すると、変形板54の下面に作用する圧力が上昇する。一方、変形板54の上面には大気圧が作用する。このため、変形板54の下面と上面にそれぞれ作用する圧力の差が一定の値に到達すると、変形板54が反転して、下方に凸の状態から上方に凸の状態に変化する。すると、変形板54の変化に応じて、変形板54の中央部に接続されていた破断板52が、機械的に脆弱な溝部52aを起点に破断する。そして、破断板52は、溝部52aで囲まれていた部分と、溝部52aの外周部分とに分離する。これによって、破断板52と変形板54とを接続する通電経路が遮断され、電極組立体10と負極側端子30との間の通電が遮断される。このとき、変形板54は接続端子14から絶縁されると共に、破断板52は負極側端子30から絶縁される。
この蓄電装置100では、負極ボルト42の頭部44の径が、負極側端子30の上面32aに開口している正六角形形状の貫通孔36の対角線の長さよりも長い。同様に、正極ボルト92の頭部94の径は、正極側端子80の上面82aに開口している正六角形形状の挿通穴86の対角線の長さよりも長い。このため、負極ボルト42及び正極ボルト92を負極側端子30及び正極側端子80にそれぞれ螺合していくと、負極ボルト42の頭部44の下面44aが負極側端子30の上面32aに当接すると共に、正極ボルト92の頭部94の下面94aが正極側端子80の上面82aに当接する。従って、負極ボルト42の頭部44の全体が負極側端子30の外部に位置し、正極ボルト92の頭部94の全体が正極側端子80の外部に位置する。負極ボルト42と正極ボルト92は略同一の形状を有する。即ち、頭部44の軸方向の長さと頭部94の軸方向の長さは略等しい。このため、上記の構成によると、負極側端子30から上方に突出する負極ボルト42の長さと、正極側端子80から上方に突出する正極ボルト92の長さを揃えることができる。このため、蓄電装置100の周囲のスペースを効率的に使用することができる。
また、蓄電装置100では、電流遮断装置50が接続される負極側端子30の非雌ねじ部側貫通孔36bのほうが、電流遮断装置50が接続されない正極側端子80の非雌ねじ部側挿通穴86bよりも軸方向に長い。このため、負極側端子30の貫通孔36には、図7に示す押え治具120を配置することができる(図6参照)。これにより、変形板54と破断板52を貫通孔36を介してレーザで確実に溶接できる。ここで、図6、7を参照して押え治具120について説明する。押え治具120は、基部122と押え部124を有する。基部122は、軸直方向における断面が正六角形の筒状部材であり、この断面は非雌ねじ部側貫通孔36bの断面と略等しい。このため、治具120を貫通孔36に配置すると、基部122は非雌ねじ部側貫通孔36bに嵌合する。基部122の下端には、円錐台形状の押え部124が取り付けられている。押え部124の径は、基部122から離れるにつれて短くなっている。押え部124の下面126は、基部122の軸方向と略直交している。
押え治具120を貫通孔36に挿入していくと、基部122の下面122aが接続面41に当接する前に、押え部124の下面126が変形板54の中央部の外縁に当接する。治具120で変形板54の中央部を破断板52側に押付けることにより、変形板54の中央部と破断板52との当接状態を確保することができる。この状態でレーザ光線(図6の矢印で示す線)をケース2の外部から貫通孔36を介して変形板54の中央部に照射することにより、変形板54と破断板52を確実に溶接できる。このとき、押え部124の下面126は変形板54の中央部の外縁に位置しているため、治具120はレーザ光線の光路を妨げることがない。非雌ねじ部側貫通孔36bの軸方向の長さを比較的に長くし、その貫通孔36に治具120を配置することで、レーザ光線の光路を妨げず、かつ変形板54を破断板52側に適切に押付けることができる。
また、蓄電装置100では、負極側端子30は銅により形成され、正極側端子80はアルミニウムにより形成される。即ち、負極側端子30のほうが正極側端子80よりも強度の高い材料によって形成される。上述したように、負極側端子30では、貫通孔36に押え治具120を配置するために、非雌ねじ部40の長さが正極側端子80の非雌ねじ部90の長さよりも長くなっている。このため、負極側端子30の雌ねじ部38の長さは正極側端子80の雌ねじ部88の長さよりも短くなり、ボルトと螺合する長さも短くなる。しかしながら、負極側端子30は正極側端子80と比較して強度の高い材料により形成されているため、ボルトとの螺合長さが比較的に短くても、負極ボルト42と負極側端子30との接続強度が低減することを抑制することができる。
上述したように、電流遮断装置50を備える蓄電装置100では、電流遮断装置50の製造工程において、変形板54と破断板52がレーザで溶接される。レーザ光線は、負極側端子30の貫通孔36を通って、ケース2の外部から照射される。これにより、レーザ光線は変形板54に直接照射される。一般に、変形板54は、破断板52よりも板厚が薄い。このため、レーザ光線は比較的に容易に変形板54を溶融しつつ、破断板52の溶融をその板厚の途中で止めることができる。このため、レーザ光線を破断板52の下方から破断板52に向かって照射する場合と比較して、レーザ出力を微細に調整することなく、変形板54と破断板52とを容易に溶接することができる。溶接の際は、貫通孔36にケース2の外部から押え治具120を挿入する。押え治具120を適切に収容するためには、貫通孔36の非雌ねじ部側貫通孔36bの長さを比較的に長くする必要がある。この結果、負極側端子30の非雌ねじ部側貫通孔36bは、正極側端子80の非雌ねじ部側挿通穴86bよりも長くなる。このため、従来のようにボルトの頭部の一部を貫通孔又は挿通穴内に配置する構成(但し、貫通孔及び挿通穴の軸直方向における断面は円形である)では、ボルトが端子から突出する長さは、非雌ねじ部側貫通孔36b又は非雌ねじ部側挿通穴86bの長さに依存するという問題があった。しかしながら、実施例1の蓄電装置100では、ボルトが端子から突出する長さは、非雌ねじ部側貫通孔36b又は非雌ねじ部側挿通穴86bの長さによらない。このため、非雌ねじ部側貫通孔36bを比較的に長くして押え治具120を収容することを可能にしつつ、ボルトが各端子30、80から突出する長さを揃えることができる。従って、正極ボルトと負極ボルトに用いる部品を共通化でき、ボルトの製造コストを低減することができる。
図8の二点鎖線部300aは、図1の二点鎖線部200aに相当し、実施例2の負極側端子30近傍の部分拡大図を示す。この蓄電装置では、電流遮断装置の構成が実施例1と異なっており、それ以外の構成は実施例1と同様である。以下では、実施例1と相違する点について説明し、実施例1と同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。実施例3についても同様とする。
実施例2の電流遮断装置130について説明する。電流遮断装置130は、金属製の第1変形板135と、金属製の破断板133と、金属製の第2変形板131を備えている。基底部34、第1変形板135、破断板133及び第2変形板131は、絶縁性を有するシール部材137及び絶縁部材138により支持されている。部材137、138の外周面には、金属製の板材139がかしめられている。これにより、基底部34、第1変形板135、破断板133及び第2変形板131が上下方向に挟持される。
第2変形板131は、破断板133の下方に配置されている。第2変形板131は円形状の板材であり、中央部が下方に突出している。第2変形板131の上面の外周部には環状の絶縁部材141が配置されている。また、第2変形板131の上面の中央には突出部143が設けられている。突出部143は、破断板133に向かって上方に突出している。突出部143の上方には破断板133の中央部133b(溝部133aに囲まれた部分)が位置している。破断板133及び突出部143を底面視すると、突出部143の外周は、中央部133bの外周より小さい。第2変形板131の下面にはケース2内の空間の圧力が作用する。第2変形板131の上面には、第2変形板131と破断板133の間の空間146の圧力が作用する(後述)。空間146はケース2内の空間からシールされている。よって、ケース2内の空間の圧力が高くなると、第2変形板131の上面と下面に作用する圧力は相違する。
破断板133は、第2変形板131と第1変形板135の間に配置されている。破断板133は、溝部133aによって、溝部133aに囲まれた中央部133bと、溝部133aの外周側に位置する外周部133cに区分されている。中央部133bの板厚は薄く、外周部133cの板厚は厚くされている。破断板133には通気孔133dが形成されている。空間146は、通気孔133dを介して第1変形板135と破断板133との間の空間148と連通している。
第1変形板135は、円形状の板材であり、破断板133の上方に配置されている。第1変形板135は、実施例1の変形板54と略同一の構成を有する。第1変形板135の外周部は、負極側端子30の基底部34に接続されている。第1変形板135と破断板133の間には、絶縁部材145が配置されている。第1変形板135の上面と基底部34の下面(凹所34aの内壁)との間には空間147が形成されている。空間147は、負極側端子30に設けられた貫通孔36と連通しており、大気圧に保たれている。破断板133と基底部34の外周部との間にはシール部材149が配置されている。シール部材149は、環状の部材であり、絶縁部材145の外側に配置されている。
電流遮断装置130の通電経路について説明する。図8に示す電流遮断装置130では、破断板133が第1変形板135の中央部と接続されている。第1変形板135の外周部は、負極側端子30に接続されている。よって、電流遮断装置130は、接続端子14と、破断板133と、第1変形板135と、負極側端子30とを直列につなぐ通電経路を有している。このため、電極組立体10と負極側端子30は、電流遮断装置130の通電経路を介して電気的に接続されている。
ここで、電流遮断装置130の遮断動作について図8を参照して説明をする。上述した蓄電装置では負極側端子30と正極側端子80の間が通電可能な状態となっている。ケース2内の圧力が上昇すると、第2変形板131の下面に作用する圧力が上昇する。一方、第2変形板131の上面には、ケース2内の空間からシールされた空間146の圧力が作用する。このため、第2変形板131の下面と上面にそれぞれ作用する圧力の差が一定の値に到達すると、第2変形板131が反転して、下方に凸の状態から上方に凸の状態に変化する。このとき、空間146内の空気は通気孔133dを通って空間148に移動し、空間148内の圧力が上昇する。このため、第2変形板131が下方に凸の状態から上方に凸の状態に変化する過程(別言すれば、空間146内の容積が小さくなる過程)では、第1変形板135の下面に作用する圧力と第1変形板135の上面に作用する圧力(即ち、大気圧)との差圧が大きくなる。また、第2変形板131が反転すると、第2変形板131の突出部143が破断板133の中央部133bに衝突し、破断板133が溝部133aで破断する。第1変形板135の上面と下面にそれぞれ作用する圧力の差が増大すること、及び第2変形板131の突出部143が上方に変位して破断板133の中央部133bに衝突することにより、第1変形板135が反転し、第1変形板135及び破断板133の中央部133bが上方に変位する。これにより破断板133と第1変形板135を接続する通電経路が遮断され、電極組立体10と負極側端子30との間の導通が遮断される。このとき、第1変形板135は接続端子14から絶縁されると共に、破断板133は負極側端子30から絶縁されている。通気孔133dが形成されていることにより、第2変形板131が反転する際に空間146内の空気が通気孔133dを通って空間148に移動するため、第2変形板131がスムーズに反転することができる。この構成によっても、実施例1の蓄電装置100と同様の作用効果を奏することができる。なお、上述の電流遮断装置130は実施例3の蓄電装置に取り付けられてもよい。
次に、図9〜10を参照して蓄電装置モジュール160について説明する。図9に示すように、蓄電装置モジュール160は、負極側の蓄電装置162、4つの蓄電装置164(164a〜164d)及び正極側の蓄電装置166を有する。各蓄電装置162、164、166では、ケース上壁4に、負極側端子30及び正極側端子80が固定されている。蓄電装置162の負極側端子30には、負極ボルト42が接続されている。一方、蓄電装置162の正極側端子80には、バスバーボルト182が接続されている。蓄電装置164a〜164dでは、端子30、80の双方にバスバーボルト182が接続されている。蓄電装置162の正極端子を構成するバスバーボルト182は、蓄電装置164aの負極端子を構成するバスバーボルト182と、バスバー180を介して接続されている。蓄電装置164aの正極端子を構成するバスバーボルト182は、蓄電装置164bの負極端子を構成するバスバーボルト182と、バスバー180を介して接続されている。以下、蓄電装置164c、164d、166が、この順に、バスバーボルト182により、バスバー180を介して、直列接続されている。これにより、高出力で大容量の蓄電装置モジュール160を構成することができる。蓄電装置166の正極側端子80には、正極ボルト92が接続されている。
図10は、蓄電装置162の正極側端子80近傍の部分拡大図を示す。蓄電装置162の正極側端子80には、バスバーボルト182が接続される。具体的には、バスバーボルト182は、頭部184と軸部186を有しており、軸部186には、雄ねじが切られている。バスバーボルト182は、正極側端子80の挿通穴86の雌ねじ部88に軸部186を螺合することにより、正極側端子80に接続される。バスバーボルト182の頭部184の下面184aと正極側端子80の上面82aとの間には、バスバー180が配置されている。バスバーボルト182が正極側端子80に取付けられると、バスバー180がバスバーボルト182の頭部184と正極側端子80によって挟持される。このため、バスバーボルト182の頭部184の下面184aは、正極側端子80の上面82aとは当接していない。
蓄電装置モジュール160では、負極ボルト42と正極ボルト92により、外部からの電力の供給および外部への電力の供給が行われる。即ち、ボルト42、92が、外部と端子30、80とを電気的に接続する入出力用の端子として機能する。一方、バスバーボルト182は、隣接する蓄電装置同士を電気的に接続するためのボルトとして機能する。この構成によると、蓄電装置モジュール160が有する複数の負極側端子30及び複数の正極側端子80のうち、所定の端子に接続されるボルト(即ち、負極ボルト42及び正極ボルト92)の突出長さを揃えることができる。
以上、本明細書が開示する技術の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本明細書が開示する蓄電装置及び蓄電装置モジュールは、上記の実施例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、実施例1の蓄電装置100では、負極側端子30に負極ボルト42が接続され、正極側端子80に正極ボルト92が接続されている。しかしながら、端子30、80の一方にボルト42、92を接続し、他方の端子80、30にはボルト42、92以外のボルト(例えば、バスバーボルト182)を接続してもよい。この構成によっても、ボルト42、92が端子30、80から突出する長さを一定にすることができる。
また、実施例では負極側端子30の非雌ねじ部側貫通孔36b及び正極側端子80の非雌ねじ部側挿通穴86bは、軸直方向における断面の形状が正六角形であったが、これに限られず、非円形形状であればよい。断面が非円形であり、共回り防止治具102の先端部106の断面形状が、当該断面と略等しければ、ナット48の締結時に端子30、80の共回りを防止できる。
また、負極ボルト42の頭部44は、正六角形形状に限られない。頭部44は、その下面44aが負極側端子30の上面32aと周方向に亘って当接するのであれば、どのような形状であってもよい。これは、正極ボルト92の頭部94についても同様である。
また、負極ボルト42を負極側端子30に接続すると、軸部46と非雌ねじ部40との間には隙間が形成される。負極ボルト42を負極側端子30に接続する際に、この隙間に導電部材を充填してもよい。これにより、負極ボルト42と負極側端子30の導通面積が増加し、両者間の抵抗を低減できる。正極端子についても同様である。
また、実施例では、領域D2は破断板の溝部の内側に位置する構成としたが、これに限られない。ケース2内の圧力が所定値を超えたときに変形板(又は第1変形板)と破断板とが非導通になる構成であれば、当接領域D2は溝部の内側だけではなく、溝部の外側にも位置していてもよい。
また、上記の実施例ではケース上壁4と基底部34との間には環状のシール部材60が配置されている。シール部材60によりケース上壁4と基底部34との間がシールされると共に、ケース上壁4と基底部34とが絶縁されている。しかしながら、ケース上壁4と基底部34との間には、シール部材と絶縁部材を別々に配置してもよい。シール部材は絶縁部材の内周側に、絶縁部材と当接するように配置されることが好ましい。
また、実施例2では第2変形板131の上面に環状の絶縁部材141を配置したが、絶縁部材141を配置せずに、第2変形板131と破断板133とを直接溶接する構成であってもよい。また、第1変形板135には空間147と空間148とを連通させる連通孔を形成し、空間148及び空間146内を大気圧としてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:ケース、4:ケース上壁、6:開口、8:開口、10:電極組立体、30:負極側端子、36:貫通孔、38:雌ねじ部、40:非雌ねじ部、42:負極ボルト、44:頭部、46:軸部、50:電流遮断装置、52:破断板、54:変形板、80:正極側端子、86:挿通穴、88:雌ねじ部、90:非雌ねじ部、92:正極ボルト、94:頭部、96:軸部、100:蓄電装置、160:蓄電装置モジュール、162:蓄電装置、166:蓄電装置
Claims (6)
- ケースと、
前記ケース内に収容されており、正極電極及び負極電極を備えている電極組立体と、
前記ケースのケース上壁に形成されている開口を介して前記ケースの内外に通じている正極側端子と、
前記ケースのケース上壁に形成されている開口を介して前記ケースの内外に通じている負極側端子と、
前記正極側端子に接続されている正極ボルトと、
前記負極側端子に接続されている負極ボルトと、
前記ケース内に収容されており、前記正極側端子と前記正極電極又は前記負極側端子と前記負極電極に接続されていると共に、前記正極側端子と前記正極電極又は前記負極側端子と前記負極電極を導通状態から非導通状態に切換える電流遮断装置と、を備えており、
前記正極側端子と前記負極側端子のそれぞれは、少なくとも前記ケースの外部と連通している挿通口を有しており、
前記正極ボルトと前記負極ボルトのそれぞれは、頭部と雄ねじ部を有しており、
前記正極側端子と前記負極側端子の前記挿通口のそれぞれは、前記正極ボルト又は前記負極ボルトの前記雄ねじ部が螺合する雌ねじ部と、
前記雌ねじ部が形成されていない非雌ねじ部と、を有しており、
前記非雌ねじ部は、前記雌ねじ部より上方に位置しており、
前記非雌ねじ部の上端は前記挿通口の上端に位置しており、
前記正極ボルトと前記負極ボルトの少なくとも一方の前記頭部の径は、当該ボルトが接続される前記正極側端子又は前記負極側端子の前記挿通口の上端の径よりも大きく、前記頭部の下面が前記端子の上面と当接している蓄電装置。 - 前記蓄電装置は、前記端子の外周面に締結されるナットをさらに有しており、
前記ナットが前記ケースの外部から前記端子の外周面に締結されることで、前記端子が前記ケース上壁に固定されており、
前記非雌ねじ部が形成されている部分の挿通口の軸直方向における断面は、非円形形状を有しており、
前記正極側端子及び前記負極側端子をそれぞれ平面視すると、前記雌ねじ部が形成されている部分の挿通口は、前記非雌ねじ部が形成されている部分の挿通口内に位置している、請求項1に記載の蓄電装置。 - 前記電流遮断装置は、
前記電極組立体に電気的に接続されている通電板と、
前記通電板の上方に前記通電板と対向して配置されていると共に、前記正極側端子又は前記負極側端子と電気的に接続されている第1変形板と、を備えており、
前記導通状態において、前記第1変形板の下面と前記通電板とは当接部にて当接しており、
前記電流遮断装置が接続されている前記端子の前記挿通口は、前記ケースの内部と連通して前記端子を軸方向に貫通しており、
前記蓄電装置を平面視すると、前記当接部は、前記電流遮断装置が接続されている前記端子の前記挿通口内に位置しており、
前記電流遮断装置が接続されている前記端子の前記非雌ねじ部の軸方向の長さは、前記電流遮断装置が接続されていない前記端子の前記非雌ねじ部の軸方向の長さよりも長い、請求項2に記載の蓄電装置。 - 前記電流遮断装置が接続されている前記端子は、前記電流遮断装置が接続されていない前記端子よりも強度の高い材料により形成されている、請求項3に記載の蓄電装置。
- 前記蓄電装置は二次電池である請求項1〜4の何れか一項に記載の蓄電装置。
- 複数の蓄電装置が直列接続されている蓄電装置モジュールであって、
前記複数の蓄電装置の一端の蓄電装置は、
第1ケースと、
前記第1ケースのケース上壁に形成されている開口を介して前記第1ケースの内外に通じており、前記第1ケース内に収容されている正極電極と電気的に接続されている正極側端子と、
前記正極側端子に接続されている正極ボルトと、を備えており、
前記正極側端子は、少なくとも前記第1ケースの外部と連通している第1挿通口を有しており、
前記正極ボルトは、第1頭部と第1雄ねじ部を有しており、
前記第1挿通口は、前記正極ボルトの前記第1雄ねじ部が螺合する第1雌ねじ部と、
前記第1雌ねじ部が形成されていない第1非雌ねじ部と、を有しており、
前記第1非雌ねじ部は、前記第1雌ねじ部より上方に位置しており、
前記第1非雌ねじ部の上端は前記第1挿通口の上端に位置しており、
前記正極ボルトの前記第1頭部の径は、前記第1挿通口の上端の径よりも大きく、前記第1頭部の下面が前記正極側端子の上面と当接しており、
前記複数の蓄電装置の他端の蓄電装置は、
第2ケースと、
前記第2ケースのケース上壁に形成されている開口を介して前記第2ケースの内外に通じており、前記第2ケース内に収容されている負極電極と電気的に接続されている負極側端子と、
前記負極側端子に接続されている負極ボルトと、を備えており、
前記負極側端子は、少なくとも前記第2ケースの外部と連通している第2挿通口を有しており、
前記負極ボルトは、第2頭部と第2雄ねじ部を有しており、
前記第2挿通口は、前記負極ボルトの前記第2雄ねじ部が螺合する第2雌ねじ部と、
前記第2雌ねじ部が形成されていない第2非雌ねじ部と、を有しており、
前記第2非雌ねじ部は、前記第2雌ねじ部より上方に位置しており、
前記第2非雌ねじ部の上端は前記第2挿通口の上端に位置しており、
前記負極ボルトの前記第2頭部の径は、前記第2挿通口の上端の径よりも大きく、前記第2頭部の下面が前記負極側端子の上面と当接している蓄電装置モジュール。
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