JP2015152670A - 画像形成装置及びトナー補給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダウンタイムの発生を避けるため、印刷速度の切り替えを行わずに、適正な検知量に近いトナー残量の取得を可能として、印刷速度を維持したままで印刷を継続して、切り替えに伴う処理能力の低下を防ぐこと。
【解決手段】トナー残量センサにより正常な残量検知ができる印刷速度である場合と(S202-YES)、できない印刷速度である場合とで(S202-NO)、トナー消費量を得る方法を異にする。正常な残量検知ができる場合、描画処理前後の検知残量の差分に対応するトナー量を経験則に従いトナー消費量として求め(S204)、消費量分を補給量として補給制御を行う。他方、正常な残量検知ができないステップS208では、正常な残量検知ができるときに求め、記憶しておいた(S205)印字率と単位面積当たりの消費量の対応関係及び描画対象の印字率と画像サイズに基づいてトナー消費量を推定し、得た消費量分消費量分を補給量として補給制御を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、トナーを現像に用いる画像形成装置であって、現像処理により消費されるトナー量を、現像部内に溜まるトナーの残量を検知する残量センサの出力変化をもとに検出し、検出された消費量に基づいてトナーの補給動作を行う画像形成装置、及び前記画像形成装置におけるトナー補給方法に関する。
従来から知られている、電子写真方式により画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置は、感光体等の潜像担持体に担持される潜像を現像手段によりトナー像として現像する。
トナーによる現像方式には、一成分現像方式や二成分現像方式が用いられている。いずれの方式においても、現像手段に所定のトナー残量が保たれた状態で現像動作を行うので、現像手段へのトナーの補給動作を必要とする。
トナーと磁性キャリアとを含有する、いわゆる二成分現像剤を用いる二成分現像方式では,トナーと磁性キャリアの割合をTセンサと呼ばれる透磁率センサにより検知することで,現像ユニット中のトナー量を計測することができ、この計測結果によって補給動作を行う。
これに対し、トナーを主成分とする、いわゆる一成分現像剤を用いる一成分現像方式では,磁性キャリアが入っていないのでTセンサを用いてトナー残量を検知することはできない。
そこで、発光ユニットで発生するビーム状の光を現像ユニット内のトナーに向けて投射して受光部の光センサでその光を受光することによって、トナー残量を検知する方式(以下「透過光検知方式」という)を採用する(特許文献1、参照)。
具体的には、発光ユニットから、トナー残量によって変化する界面位置に向けてビーム状の光を投射すると、トナーのある部分でビーム状の光は遮断され、トナーの無い部分を通りぬける光が光センサに入射される。よって、残量により変わる界面位置に応じて変化する光センサの検知量からトナー残量を検知する。
また、この検知方式によって光センサが検知する結果に応じてトナーの補給動作を行う。
二成分現像方式のようにTセンサが適用できる場合には、プリント出力条件が変更されトナーの消費量が増え、検知対象となる現像ユニット内のトナー部の状態変動が大きくなっても、ほとんどTセンサによる検知への影響がなく、安定したトナー残量の検知ができる。
しかし、一成分現像において採用される、上記透過光検知方式のトナー残量検知を適用する場合には、印刷速度によりトナーの界面位置が変動する。このため、印刷速度が特定の速度の下で動作しているときの状態、即ち特定のトナー消費状態ではないと、受光部の検知信号にノイズが入り,トナー残量を正しく検知することすることができない。
正常なトナー残量検知ができない場合、トナーの適正な補給動作が行えないため、プリント出力中のトナー切れ等の問題が発生する可能性がある。
また、この問題の発生が回避できる特定の印刷速度へ変更すれば、正常にトナー残量の検知ができるが、線速の切り替えが必要であり、この切り替えを行う間のダウンタイムによって、印刷出力等の処理能力が低下してしまう。
なお、上記特許文献1には、正常なトナー残量検知ができない場合に生じる上記問題に対する解決手段の記載はない。
上記のように、透過光検知方式による既存のトナー残量検知において、正常な検知ができない印刷速度の設定に対し、印刷速度の切り替えにより対処する方法を採ると、切り替え時にダウンタイムが生じ、処理能力が低下する。
本発明の目的は、上述のダウンタイムの発生を避けるため、印刷速度の切り替えを行わずに、適正な検知量に近いトナー残量の取得を可能にして、印刷速度を維持したままで印刷を継続して、切り替えに伴う処理能力の低下を防ぐことである。
本発明は、対象画像のトナーによる現像処理を行う現像部と、前記現像部にトナーを補給する補給部を有し、前記現像部内に溜まるトナー残量を検知する残量センサの検知結果に応じて前記補給部を動作させ、現像により消費されたトナー量の補給をする画像形成装置であって、稼働中の前記現像部の動作状態が前記残量センサによって正常な検知ができる動作状態であるか否かを判定する動作状態判定手段と、前記現像部により処理される処理対象の画像における画像データ量を取得する処理対象画像情報取得手段と、前記現像部が処理対象を処理するために稼働しており、前記動作状態判定手段によって前記残量センサによる正常な検知ができる状態と判定されたときに、前記残量センサの検知結果に基づいて求めた当該処理対象のトナー消費量と、前記画像情報取得手段が取得した当該処理対象の画像データ量とから、当該画像における単位面積当たりのトナー消費量を算出する単位面積トナー消費量算出手段と、前記単位面積トナー消費量算出手段が算出した単位面積トナー消費量を前記画像データ量に対応付けて記憶するトナー消費量記憶手段と、処理対象を処理するために前記現像部が稼働しており、前記動作状態判定手段によって前記残量センサによる正常な検知ができない状態と判定されたときに、当該処理対象を処理するために現像部が消費するトナー量を、前記画像情報取得手段が取得した当該処理対象の画像データ量と、前記トナー消費量記憶手段において前記画像データ量に対応付けて記憶された単位面積当たりのトナー消費量から、推定トナー消費量として算出する推定トナー消費量算出手段と、前記推定トナー消費量算出手段が算出した推定トナー消費量を補給量として前記補給部を動作させる制御手段とを有する画像形成装置である。
本発明によれば、トナー残量センサによって正常な検知ができない印刷速度に対し、印刷速度の切り替えをしなくてもトナーの適正な補給が可能であり、切り替えに伴うダウンタイム等による処理能力の低下を防ぐことができる。
本発明の実施形態の画像形成装置におけるプリンタエンジンの現像部に係る構成を示す図である。 本画像形成装置(図1)のトナー残量センサの構成例を示す図である。 トナー残量センサの検知結果に基づくトナー補給制御の基本手順を示すフロー図である。 本発明の実施形態に係るトナー補給制御手順を示すフロー図である。
本発明の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の画像形成装置は、電子写真方式で紙媒体に画像を形成する装置であり、現像材として消費されるトナーをトナー格納容器から現像部に供給する際、現像部内のトナーが適量に保たれるよう補給するトナー補給制御に特徴を有する。
なお、本画像形成装置は、その実施形態にて詳述する特徴部分のトナー補給制御に係る手段以外の画像処理要素は、既存の構成を採用することができる。即ち、スキャナ、カメラ等で変換された画像やコンピュータで作成された画像の入力に係る処理手段及び紙媒体への画像出力(以下「プリント出力」ともいう)に係るプリントエンジンは、既存の構成を採用することができる。プリントエンジンは、電子写真方式の画像形成装置であるから、出力用データにより静電潜像を生成する感光体への画像書込、トナーによる現像、トナー画像の紙媒体への転写、定着の各画像形成過程を行うための手段よりなる。また、入力された画像データをもとに、感光体への画像書込に用いる上記出力用データを生成する処理は、既存の構成におけると同様に、画像形成装置全体の制御を司る主制御部が行う構成を採用することができる。
よって、以下の説明では、既存の画像形成装置の構成が採用できるトナー補給制御の特徴部分に直接係らない画像形成装置の構成部分については省略する。
本画像形成装置のトナー補給制御は、トナー格納容器から供給されて現像部内に溜まるトナー残量が適量であることを確認した後、プリント出力を行い、この際に消費されるトナー量を求めその分を補給することで、現像部内のトナーを適量に保つ制御である。なお、上記のトナー残量が適量であるとは、次のプリント出力に対応して行う新たな補給制御サイクルが開始できる所定のトナー残量が確保された状態を指す。
上記トナー補給制御を行うためには、先ずトナー残量を知る必要があり、ここでは、現像部内のトナーの残量を検知する残量センサを用いる。このトナー残量センサは、残量として現像部内に溜まるトナー量の変動に応じて上昇、下降(又は低下)するトナーのレベルを検知し、例えば、適量となる特定レベルが含まれる所定範囲のレベルを量的に検出することができる検知手段を用いる。
なお、本実施形態では、以下に説明するトナー補給制御が、画像形成装置の主制御部によって行われる場合を例に採る。
上記トナー補給制御によるトナーの補給動作について、図1及び図2に示す現像部の構成例を参照して説明する。なお、同図には、トナー残量センサ等のトナー補給制御に係る要素が含まれる。
図1は、本実施形態の画像形成装置におけるプリンタエンジンの現像部に係る構成を示す図である。
図1において、感光体30には、既存の露光装置32が発する光、即ち、出力用に処理された画像データにより点灯が制御される露光光源(不図示)が発する光による書込が行われて、感光面に静電潜像が生成される。この静電潜像に対して,現像ユニット20からトナーを飛ばし付着させることで、トナー画像として顕像化される。
現像の過程でトナー画像の生成で消費されたトナー、即ち現像ユニット20から排出されたトナーの量は、現像ユニット20に溜まるトナーのレベル低下として現れる。ここでは、低下するトナーのレベルをトナー残量センサ25により検知する。なお、トナー残量センサ(以下「残量センサ」或いは単に「残量センサ」ともいう)25については、図2を参照してさらに後述する。
現像ユニット20に溜まるトナーのレベルが消費により低下すると、この変化を検知する残量センサ25の検知結果に従い、低下分を補給する制御を行うことにより、現像ユニット20内のトナーを適量に保つことができる。
トナーの補給は、現像部にトナーを補給する補給部が行う。補給部は、トナー格納容器としてのトナーカートリッジ10から、スクリュー14により補給口16を通して現像ユニット20へトナーを供給するトナー補給手段を有する。
ここに、スクリュー14のトナー供給能力は、スクリュー14が一定速度で回転してトナーの定量供給を行うという前提の下に、単位時間当たりの供給量により表すことができる。よって、消費分に相当するトナー量となるよう「スクリュー14の単位時間当たりの供給量×補給時間」として定まる補給量における「補給時間」を設定して、スクリュー14を動作させることにより、所定トナー量の補給を行う。なお、図中12はアジテータである。
図2は、本画像形成装置(図1)の残量センサ25の構成例を示す図である。
残量センサ25は、図1に示したように、現像ユニット20の外部に設け、現像ユニット20内部に溜まるトナーのレベルを検知する。
残量センサ25は、図2に示すように、ビーム状の光を発する光源としてのLED(発光ダイオード)25Lと、LED25Lから発する光ビームが現像ユニット20内部にある検知対象のトナーを透過して受光センサ25Sに入射するよう、光ビームの投射経路を構成する。トナーのレベル変化により光ビームの遮蔽状態が変わるので、トナーのレベル変化が受光センサ25Sの検知量(例えば検出電圧)の変化として現れる。なお、受光センサ25Sにおいて、トナーレベルと受光センサ25Sの検知量とに一定の量的関係が成り立つのは、LED25Lの発する光ビームの幅等の制約から、限定されたトナーレベルの範囲である。よって、受光センサ25Sは、上下限を有する所定検知範囲のトナーレベルの検知に用いる仕様となる。
本実施形態では、図2に示すように、LED25Lが発する光ビームは、光ガイド(1)25G−1及び光ガイド(2)25G−2を通して導かれ、現像ユニット20に設けた窓から内部に入射し、トナーにより遮られない光を窓から外部に出射する。このような構成を採用することで、LED25Lと受光センサ25Sをユニット化し、一つの部品として扱うことができる。
なお、本実施形態では残量センサ25によって適量となる特定レベルが含まれる所定範囲のレベルを量的に検出し、検出結果に基づき、現像ユニット20内部のトナーを適量に保つ補給制御を行うための検知を行う。具体的には、残量センサ25は、トナーが適量として、例えば、満杯に近い所定レベルである印刷前と印刷後においてレベル検知を行う。このとき検知結果の差分が、消費されたトナー量を求めるために用いられる。
上記のトナー補給制御においては、次に示す手順を基礎として、本画像形成装置の主制御部が制御動作を行う。
図3は、残量センサ25の検知結果に基づくトナー補給制御の基本手順を示すフロー図である。
本画像形成装置の主制御部は、受付けた印刷ジョブを処理する際、入力された描画処理対象画像から出力用データを生成し、出力用データの生成後プリントエンジンに印刷要求を指示する。
なお、印刷ジョブの描画処理は、出力用データを生成する処理対象の画像毎に設定される処理条件の違いに対応して行われる。処理対象の画像は、印刷ジョブを構成するページで管理されるので、処理される画像の単位は基本的にはページとなる。
主制御部から印刷要求を受け取ったプリントエンジンは、電子写真方式の画像形成過程に従う描画処理によりプリント出力を行う(ステップS101)。この描画処理の結果、現像部内のトナーが消費される。なお、本制御フローにおいては、後述するが、新たな描画処理・トナー補給の制御サイクルは、トナーが満杯に近い所定の適性レベルにある状態から始まる。つまり、新たな描画処理・トナー補給制御サイクルは、印刷ジョブ単位で行う描画処理と描画処理後のトナーの補給動作によりトナーを適正レベルにし終えたときの状態で開始される。
ステップS101の描画処理の後、残量センサ25によってトナーレベルを検知することで、トナー残量を取得し、又、描画処理対象画像の画像データ量として、印字率(後記する印字率の説明、参照)と画像サイズを取得する(ステップS102)。
ここで、残量センサ25の検知によってトナー残量を取得するのは、新たな描画処理・トナー補給制御サイクルが始まった当初の満杯状態からステップS101の描画処理を経て変化するトナー残量を検出するために行う。
この残量センサ25による描画処理前後に検知される各残量の変化から、ステップS101で実行した描画処理におけるトナー消費量が得られる。
ただ、印刷ジョブの印刷枚数により、描画処理後のトナー残量が当然異なる。このため、印刷ジョブを完了するまでに、残量センサ25の仕様に定められた所定検知範囲を外れて残量が減る場合があり、この場合には残量検知が不可能となる。
そこで、トナー残量が所定検知範囲内である場合と、検知範囲を外れる場合、それぞれの場合に対応して、次段のトナー消費量を求めるために必要な手順を用意し、手順に従い処理を行う。
印刷ジョブがプリント出力を求める複数ページ中、トナー残量が上記所定検知範囲内に当たるページに対しては、描画処理前後に残量センサ25によって検知される残量を、次段のトナー消費量を求めるステップの処理に提供する。
なお、検知範囲に当たるページであるか否かの判定は、残量センサ25の検知残量、描画処理対象の画像データ量等に対する閾値処理による。この処理に用いる閾値は、仕様に定められた残量センサ25の検知範囲の下で実験を行い、検知範囲に収まるページ数に対応する検知残量或いは画像データ量等の限界を求め、得られる値を設定値として採用する。
他方、トナー残量が所定検知範囲外に当たる各ページに対しては、残量センサ25の検知は不可能となるので、描画処理対象画像の画像データ量としての印字率及び画像サイズを取得する。また、得た印字率及び画像サイズを、次段のトナー消費量を求めるステップの処理に提供する。なお、各ページの印字率は、ページごとの描画処理を管理する主制御部が各ページの画像データを基に作成する画素データから描画するドット数(ON画素数)をカウントし、画像の全構成画素数に対する割合を計算することにより得られる。
次に、主制御部は、前ステップから提供されるトナー残量及び印字率等の画像データ量を基にトナー消費量を求める(ステップS103)。
プリント出力を求める印刷ジョブの複数ページ中、トナー残量が残量センサ25の上記所定検知範囲内に当たるページに対しては、残量センサ25によって検知される描画処理前後の各検知残量の差分に基づいてトナー消費量を算出する。
上記各検知残量の差分は、ステップS101の描画処理で消費されたトナー量に当たるので、この差分をトナー量に換算することでトナー消費量を得る。この換算で用いる換算係数は、本画像形成装置(以下「本機」という)で実験等を行うことにより得られる経験則を採用することができる。なお、このトナー消費量は、次段の補給動作におけるトナー補給量に当たるので、補給動作パラメータ(例えば、補給時間)により表してもよい。
また、トナー残量が所定検知範囲外に当たる各ページに対しては、それぞれ描画処理対象画像の画像データ量として得られる印字率及び画像サイズを基にトナー消費量を推定する。
このトナー消費量の推定は、印字率と単位面積当たりのトナー消費量は一定の関係があるという前提の下に、経験則として求めておいた印字率と単位面積当たりのトナー消費量の対応関係を根拠に、描画対象画像の印字率及び画像サイズからトナー消費量を決定する。
この推定を行うときの手順は、描画対象画像の印字率を得、これに対応する単位面積当たりのトナー消費量を経験則に従う対応関係を参照して求め、得られる単位面積当たりのトナー消費量に描画対象の画像サイズを掛け合わせ、算出される量を推定トナー消費量として得る。なお、描画対象の画像サイズは、ページ毎の描画処理を管理する主制御部が管理データとして持っているデータを参照することにより得られる。
ここに、印字率に対応する単位面積当たりのトナー消費量は、それぞれの画像形成装置の特性に依存した値をとる。このため、様々な値をとる印字率に対して単位面積当たりのトナー消費量がどのような値になるかを、テスト等により実際に本機を動作させて両者の対応関係を経験則として取得し、参照できるよう予め用意しておく必要がある。
この印字率に対応する単位面積当たりのトナー消費量の関係は、時間的にも近い稼働状態の本機において得られるデータを採用することがより望ましいので、印刷ジョブを処理する過程に組込んで上記経験則に従う対応関係を示すデータを取得できるようにするとよい。また、取得した印字率に対応する単位面積当たりのトナー消費量の関係を示すデータはアクセスできるように記憶手段に保存しておく。
上記のように、ステップS101で実行した描画処理におけるトナー消費量は、印刷ジョブの印刷枚数によって、残量センサ25の検知残量だけから求めることができる場合、或は検知残量及び印字率による推定量から求めることができる両方の場合がある。つまり、印刷枚数が少ないうちは、残量センサ25は正常な検知ができるので、トナー消費量は、残量センサ25の検知残量だけから求めることができる。他方、残量センサ25により正常な検知ができない場合には、少なくとも検知ができないページ以降のトナー消費量は、描画処理対象画像の画像データ量としての印字率と画像サイズを基に推定し、その値を算出する。
上記のようにして求めたトナー消費量をトナー補給に用いるデータとして、次段のトナー補給動作に提供する。
主制御部は、前ステップから提供されるトナー消費量に基づいて、消費した分のトナー補給動作を行う(ステップS104)。
次いで、主制御部は、描画処理・トナー補給の制御サイクルを印刷ジョブ単位としているので、処理対象の印刷ジョブの全ページの印刷が終了したか否かを確認する(ステップS105)。
ステップS105で印刷の済んでいないページがあれば(ステップS105-NO)、このページを対象にステップS101からの描画処理・トナー補給動作を開始する。
ステップS105で全ページの印刷が済んでいれば(ステップS105-YES)、本制御フローによる印刷が終了する。
「実施形態1」
図3を参照して説明した描画処理・トナー補給の上記制御手順は、本実施形態の画像形成装置が基礎とする描画処理・トナー補給制御手順を示すもので、残量センサ25により正常な残量検知ができない印刷速度に対処する手順を考慮していない。
従って、印刷速度によっては、図3の描画処理・トナー補給制御手順を実施しても、トナー補給動作が適正に行われない場合があり、この場合にはプリント出力中にトナー切れが起き易くなる。また、印刷速度の変更で対処する方法を採ると、上記「背景技術」の項で述べたようにダウンタイムが生じてしまう。
そこで、この実施形態では、残量センサ25により正常な残量検知ができない場合、描画処理対象画像の画像データ量を基にトナー消費量を推定により求める。
トナー消費量の推定は、印字率と単位面積当たりのトナー消費量は一定の関係があるという前提の下に、経験則として得ておいた印字率と単位面積当たりのトナー消費量の対応関係を根拠に、描画対象画像の印字率及び画像サイズからトナー消費量を決定する。
ここに、印字率に対応する単位面積当たりのトナー消費量は、それぞれの画像形成装置の特性に依存した値をとる。このため、様々な値をとる印字率に対して単位面積当たりのトナー消費量がどのような値になるかをテスト等により実際に画像形成装置を動作させて両者の対応関係を経験則として取得し、参照できるよう予め用意しておく必要がある。
この印字率に対応する単位面積当たりのトナー消費量の関係は、時間的にも近い稼働状態の本機において得られるデータを採用することがより望ましいので、本実施形態では、印刷ジョブを処理する過程に組込んで上記経験則に従う対応関係を示すデータを取得する。つまり、正常な検知ができる状態の下で稼働中の本機にて画像データを用いてプリント出力した時に残量センサ25により検出される結果により、印字率と単位面積当たりのトナー消費量の対応関係を示すデータを得る。
なお、上記対応関係を求めるときに、残量センサ25の検出結果からトナー消費量への換算が必要であり、経験則に従い定まる換算係数を予め用意しておく。
印字率と単位面積当たりのトナー消費量の対応関係を求めるための手段は、処理対象画像情報取得手段と単位面積トナー消費量算出手段からなる。
処理対象画像情報取得手段は、現像部により処理される描画処理対象画像の画像データ量である印字率及び画像サイズを取得する。
なお、印字率は、ページごとの描画処理を管理する主制御部が各ページの画像データを基に作成される画素データから描画するドット数(ON画素数)をカウントし、画像の全構成画素数に対する割合を算出することにより得られる。また、画像サイズは、描画処理を管理する主制御部が管理データとして持っているデータを参照することにより得られる。
単位面積トナー消費量算出手段は、残量センサ25の検知結果に基づいて求めた描画処理対象のトナー消費量と、上記画像情報取得手段が取得した当該処理対象の印字率及び画像サイズとから、当該印字率における単位面積当たりのトナー消費量を算出する。単位面積トナー消費量の算出は、検知した描画処理対象のトナー消費量を画像サイズで割る計算による。
なお、残量センサ25の上記検知は、描画処理対象を処理するために現像部が稼働しており、動作状態判定手段(後述)が残量センサ25による正常な検知ができる状態と判定することを条件として行う。
上記単位面積トナー消費量算出手段が求めた単位面積トナー消費量を印字率に対応付けて表す情報は、例えば、印字率/単位面積トナー消費量対応表といった表形式で、アクセス可能にトナー消費量記憶手段に保存する。この情報は、時間的にも近い状態の本機において得た情報であることが望ましいので、基本的には最新の情報によって更新する。
残量センサ25による正常な検知ができない状態と判定されたときに、描画処理対象画像のトナー消費量を推定により求める。このトナー消費量の推定は、上述のように、経験則に従い定まる印字率と単位面積当たりのトナー消費量の対応関係を根拠に、描画対象画像の印字率及び画像サイズからトナー消費量を決定する。
このために本実施形態では推定トナー消費量算出手段を有する。
推定トナー消費量算出手段は、上記画像情報取得手段が取得した現行の描画処理対象画像の印字率及び画像サイズと、上記トナー消費量記憶手段において印字率に対応付けて記憶された単位面積当たりのトナー消費量を基に推定トナー消費量を算出する。推定トナー消費量の算出は、描画対象画像の印字率に対応する単位面積当たりのトナー消費量に描画対象の画像サイズを掛け合わせる計算による。
なお、描画対象の画像サイズは、ページごとの描画処理を管理する主制御部が管理データとして持っているデータを参照することにより得られる。
このように、残量センサ25により正常な残量検知ができない場合、トナー消費量を推定により求めることになるが、残量センサ25により正常な残量検知ができるか否かは、判定対象である稼働中の現像部の動作状態から判定する動作状態判定手段が行う。
ここでは、印刷速度を判定の根拠にしているので、正常な残量検知ができる印刷速度範囲を予め実験等を行うことにより確認し、確認した速度範囲の限界値を判定の基準として設定しておく。
実際の補給制御においては、稼働中のプリンタエンジンの動作パラメータとして設定されている印刷速度を、上述の判定基準に照らして判定し、基準を超える速度である場合、正常な残量検知ができない、との判定結果を得る。
本画像形成装置の主制御部は、動作状態判定手段が残量センサ25により正常な残量検知ができないと判定する場合、描画対象画像と同じ印字率において正常な動作状態で得た単位面積当たりのトナー消費量から描画対象画像のトナー消費量を推定する。
従って、残量センサ25により正常な検知ができる印刷速度への切り替えを行わずに、適正な検知量に近いトナー残量の取得が可能になる。
このため、正常な残量検知ができない場合でも、印刷速度の切り替えを行わずに、印刷速度を維持したままで印刷が継続できて、従来技術における印刷速度の切り替えで対処する場合に生じるダウンタイムの発生を避けることができる。また、残量センサ25により正常な残量検知ができない場合でも、残量センサ25の検知精度とほぼ同等の精度でトナー消費量を取得できるので、トナー切れが起きる可能性を小さくすることによっても、処理能力の低下を防ぐことが可能になる。
ここで、本実施形態のトナー補給制御手順として、正常な残量検知ができない場合、描画対象画像と同じ印字率において正常な動作状態で得た単位面積当たりのトナー消費量から、当該対象画像の消費量を推定し取得する手順を付加したトナー補給制御手順を説明する。
図4は、本実施形態に係るトナー補給制御手順を示すフロー図である。
同図に示すフローは、本画像形成装置の主制御部が、ホスト機やユーザーとのインターフェースを介して入力される印刷ジョブを受付け、印刷ジョブの指示に従い行う印刷の制御過程の一環として、トナー補給制御を行う手順を示すものである。
主制御部は、受付けた印刷ジョブを処理する際、先ず入力された画像から出力用データを生成し、生成後プリントエンジンに印刷要求を指示する。
プリントエンジンは、主制御部から印刷要求を受取り、電子写真方式の画像形成過程に従う描画処理によりプリント出力を行う(ステップS201)。描画処理を行った結果、現像部内のトナーが消費される。
なお、本制御フローにおいては、後述するが、新たな描画処理・トナー補給の制御サイクルは、トナーが満杯に近い所定の適性レベルにある状態から始まる。つまり、新たな描画処理・トナー補給制御サイクルは、印刷ジョブ単位で行う描画処理と描画処理後のトナーの補給動作によりトナーを適正レベルにし終えたときの状態で開始される。
ステップS201の描画処理の後、先ず、動作状態判定手段は、現行の描画処理において設定されている印刷速度が、残量センサ25により正常な残量検知ができる印刷速度範囲として予め定められた範囲であるか否かを判定する(ステップS202)。
本実施形態では、残量センサ25により正常な残量検知ができる印刷速度である場合と、できない印刷速度である場合とで、トナー消費量を得る方法が異なるので、適用する方法を選ぶために、このステップの判定をする。
ステップS202において、動作状態判定手段が、現行の描画処理における印刷速度が残量センサ25により正常な残量検知ができる印刷速度であると判定する場合(ステップS202-YES)、ステップS203以降の手順を選ぶ。
他方、印刷速度が残量センサ25により正常な残量検知ができる印刷速度ではないと判断する場合は(ステップS202-NO),ステップS208を選ぶ。
印刷速度が残量センサ25により正常な残量検知ができる印刷速度である場合は、残量センサ25の検知結果及び描画処理対象の画像データ量として印字率と画像サイズを取得する(ステップS203)。
なお、印字率は、主制御部の管理データを基に上述の方法によって得る。
また、ここで、残量センサ25の検知によってトナー残量を取得するのは、新たな描画処理・トナー補給制御サイクルが始まった当初の満杯状態から、ステップS201の描画処理を経て変化するトナー残量を検出するために行う。
この残量センサ25による描画処理前後に検知される各残量の変化から、ステップS201で実行した描画処理におけるトナー消費量を得るためである。
ただ、トナー残量を取得する意味はもう一つある。それは、残量センサ25の検知範囲を確認する目的に必要な情報としての意味である。
即ち、印刷ジョブの印刷枚数により、描画処理後のトナー残量が当然異なってくる。このため、印刷ジョブを完了するまでに、残量センサ25の仕様に定められた所定検知範囲を外れて残量が減る場合がある。
この場合には、検知結果に誤りが生じることや、最悪の場合には残量検知が不可能となる。
そこで、トナー残量が所定検知範囲内である場合と、検知範囲を外れる場合、それぞれの場合に対応して、後段のトナー消費量を求めるために必要な手順を用意し、手順に従い処理を行う。
即ち、印刷ジョブがプリント出力を求める複数ページ中、トナー残量が上記所定検知範囲内に当たるページに対しては、描画処理前後における残量センサ25の検知結果を、次段のトナー消費量を求めるステップの処理に提供する。
また、トナー残量が所定検知範囲内である場合、残量センサ25による残量検知に加え、描画処理対象の画像データ量としての印字率と画像サイズを取得する。これらの画像データ量は、後段で印字率に対応する単位面積トナー消費量の最新の情報を求めるために用いる。
なお、検知範囲に当たるページであるか否かの判定は、残量センサ25の検知残量、描画処理対象の画像データ量等に対する閾値処理による。この処理に用いる閾値は、仕様に定められた残量センサ25の検知範囲の下で実験を行い、検知範囲に収まるページ数に対応する検知残量或いは画像データ量等の限界を求め、得られる値を設定値として採用する。
他方、トナー残量が所定検知範囲外に当たる各ページに対しては、残量センサ25の検知は不可能となるので、描画処理対象画像の画像データ量としての印字率及び画像サイズを取得し、得た印字率及び画像サイズを、トナー消費量を求める次段に提供する。
なお、各ページの印字率は、ページごとの描画処理を管理する主制御部が、各ページの画像データを基に作成する画素データから描画するドット数(ON画素数)をカウントし、画像の全構成画素数に対する割合を計算することにより得られる。
次に、主制御部は、前ステップから提供されるトナー残量及び印字率等の画像データ量を基にトナー消費量を求める(ステップS204)。
プリント出力を求める印刷ジョブの複数ページ中、トナー残量が残量センサ25の上記所定検知範囲内に当たるページに対しては、残量センサ25によって検知される描画処理前後の各残量の差分に基づいてトナー消費量を算出する。
上記残量の差分は、ステップS201の描画処理で消費されたトナー量に相当する検知残量の変化分に当たるので、この変化分をトナー量に換算することでトナー消費量を得る。この換算で用いる換算係数は、本機で実験等を行うことにより得られる経験則に従い定まる値を採用することができる。なお、このトナー消費量は、次段の補給動作におけるトナー補給量に当たるので、補給動作パラメータ(例えば、補給時間)により表してもよい。
また、先に述べたように、残量センサ25の検知残量から得た描画処理による消費トナー量は、単位面積当たりのトナー消費量の算出に用いる。なお、単位面積トナー消費量の算出は、検知残量から得た描画処理対象のトナー消費量を画像サイズで割る計算による。
ここで得られる単位面積当たりのトナー消費量は、残量センサ25が検知範囲を外れるか、もしくは正常な検知ができないという状況が起きた場合に、トナー消費量の推定に用いられる。つまり、残量センサ25の検知結果を用いずに、画像データ量としての印字率及び画像サイズからの推定でトナー消費量を求めるようにする。
よって、現行の印刷ジョブに対しても、残量センサ25の検知範囲を外れるページにおいては、印字率が同じであるとして、上記のようにして得た単位面積当たりのトナー消費量を用いてトナー消費量を推定する。
このため、算出された単位面積トナー消費量は、例えば、印字率/単位面積トナー消費量対応表といった表形式で、印字率に対応付けて、アクセス可能にトナー消費量記憶手段に記憶し保存する(ステップS205)。
このトナー消費量記憶手段への記憶時に、既に先行印刷ジョブに対する本フローの手順において取得し保存されている情報、或はデフォルトの情報があれば、これを取得した最新の情報によって更新する。
他方、プリント出力を求める現行印刷ジョブの複数ページ中、トナー残量が所定検知範囲外になった状態で描画処理が行われるページに対しては、それぞれ描画処理対象画像の画像データ量として得られる印字率及び画像サイズを基にトナー消費量を推定する。
このトナー消費量の推定は、例えば印字率/単位面積トナー消費量対応表といった形式で、経験則に従い定まる印字率と単位面積当たりのトナー消費量の対応関係を根拠に、描画対象画像の印字率及び画像サイズからトナー消費量を決定する。
この推定の手順は、描画対象画像の印字率を得、これに対応する単位面積当たりのトナー消費量を印字率/単位面積トナー消費量対応表を参照して求める。また、得られる単位面積当たりのトナー消費量に描画対象の画像サイズを掛け合わせ算出される量を推定トナー消費量として得る。なお、この推定計算において、印字率が同じであれば、当該印刷ジョブにおいて先に求めた単位面積当たりのトナー消費量が最新の情報として用いられる。
上記のように、ステップS201で実行した描画処理におけるトナー消費量は、印刷ジョブの印刷枚数によって、残量センサ25の検知量だけから求めることができる場合、或は検知残量及び印字率からの推定により求める場合の両方の場合がある。
つまり、印刷枚数が少ないうちは、検知残量、画像データ量等が少量であるから、正常な検知範囲の設定をする閾値に達しないので、トナー消費量は、残量センサ25の検知残量だけから求めることができる。他方、上記閾値を超える場合には、少なくとも超えるページ以降のトナー消費量は、描画処理対象画像の画像データ量としての印字率と画像サイズを基に推定により、求める量を得る。
図4の制御フローのステップS202に説明を戻すと、このステップにおいて、印刷速度が残量センサ25により正常な残量検知ができる印刷速度ではないと判断される場合(ステップS202-NO)、ステップS208の手順を実行する。
ステップS208においては、残量センサ25が正常な残量検知ができず、検知結果を採用しないので、各ページそれぞれの描画処理対象画像から画像データ量としての印字率及び画像サイズを取得する。
各ページの印字率は、ページごとの描画処理を管理する主制御部が各ページの画像データを基に作成する画素データから描画するドット数(ON画素数)をカウントし、画像の全構成画素数に対する割合を計算することにより得られる。
また、取得した描画処理対象画像の印字率及び画像サイズを基にトナー消費量を推定する。
トナー消費量の推定は、取得した印字率に対応する単位面積当たりのトナー消費量を、印字率/単位面積トナー消費量対応表を参照して求め、得られる単位面積当たりのトナー消費量に描画対象の画像サイズを掛け合わせる手順を行うことにより、推定量を決める。なお、この手順は、上記ステップS204において、残量センサ25が検知範囲を外れる場合に行うトナー消費量の推定手順と基本的に同じ方法によっている。
上記のように、ステップS204又はステップS208において求めたトナー消費量は、この分をトナー補給量とするので、次段のトナー補給動作に提供する。
主制御部は、ステップS204又はステップS208を経て提供されるトナー消費量に基づいて、トナー補給動作を行う(ステップS206)。
本制御フローにおいて、ステップS201の描画処理により消費したトナーの量をステップS204で取得しており、ここでは、取得した消費量分のトナーを補給する。
ここに、トナー消費量として提供されるデータが残量センサ25による検知残量の変化分である場合に、検知残量の変化分をトナー量(例えば、g:グラムで表す)で表す必要があるので、この関係を換算係数により定める。適用する換算係数は、予め本機で実験等を行うことにより得られる経験則に従い定まる数値を用意しておく。
このように、トナー補給制御を行う制御手段は、消費量分を補給制御に用いる制御目標量とし、この目標量に従い補給部のトナー補給手段を動作させる。
本実施形態において、トナー補給手段の供給能力は、スクリュー14が一定速度で回転してトナーの定量供給を行うという前提の下に、単位時間当たりの供給量により表すことができる。
よって、制御手段は、補給時間の設定でスクリュー14を動作させることにより取得した消費量分のトナー量を補給する制御を行う。
また、残量センサ25による検知残量の変化分を消費されたトナー量へ換算し、得られるトナー消費量から補給部における動作量としての補給時間を導く、この一連の関係は、トナー消費量を推定する場合も同じである。従って、トナー消費量の推定に用いる、印字率に対応する単位面積当たりのトナー消費量においても、上記一連の関係によって、トナー消費量を補給時間により示すことができる。
本制御フローにおけるステップS206の次のステップとして、主制御部は、描画処理・トナー補給の制御サイクルを印刷ジョブ単位としているので、処理対象の印刷ジョブの全ページの印刷が終了したか否かを確認する(ステップS207)。
ステップS207で印刷の済んでいないページがあれば(ステップS207-NO)、このページを対象にステップS201からの描画処理・トナー補給動作を開始する。
ステップS207で全ページの印刷が済んでいれば(ステップS207-YES)、本制御フローによる印刷が終了する。
次に、上記「実施形態1」を基本形態として、この基本形態への要素技術の付加もしくは要素技術を改変した実施形態として、「実施形態2」〜「実施形態7」を示す。
「実施形態2」
上記実施形態1では、描画処理によるトナー消費量を、残量センサ25による検知残量の変化分を消費されたトナー量に換算し、得られるトナー消費量から補給部における動作量としての補給時間を導いている。
本実施形態は、上記実施形態1における描画処理により消費される分を補給する補給時間を導く手法を改変するものである。
本実施形態では、現像部に単位時間当たり一定量のトナーを補給する機能を持つことを前提に、現像処理後に補給部を動作させ、残量センサ25が当該処理対象の現像処理前のトナー残量を検知するまでに至る補給時間を求める。ここで求めた補給時間は、当該処理対象のトナー消費量に相当する量に他ならない。また、当該処理対象の画像データ量としての印字率及び画像データは既に取得している。
よって、求めた補給時間と画像データ量をもとに、印字率と単位面積当たりの補給時間の対応関係を表す経験則に従うデータを得て、このデータを補給制御に用いるようにする。このため、この経験則に従うデータは、例えば印字率/単位面積補給時間対応表といった、両者の対応関係を表す形式で参照可能に記憶手段に保存しておく。
こうして保存されるデータは、残量センサ25の検知が不可能になる印刷速度であるため検知結果に基づくトナー消費量が得られなくても、単位面積当たりのトナー消費量を補給時間として提供でき、描画処理によるトナー消費量の推定に用いることができる。
よって、トナー消費量を補給時間という補給制御に直結できる量で得ることができ、補給制御に必要な処理を簡略にし、制御精度でも有利に働く。
ここで、上記単位面積補給時間を求める過程を具体例により説明する。
印刷速度が残量センサ25による残量検知できる速度である場合には、描画処理前後の残量センサ25による検知残量の差分が消費量に相当するので、この差分をトナー量に換算して描画処理対象画像のトナー消費量を得る。
また、この描画処理における対象画像の画像データ量としての印字率及び画像サイズを基に、当該印字率における「単位面積当たりのトナー消費量」を取得する。
このとき、以下の式が成り立つ。
描画処理対象画像のトナー消費量:Q[g] = 画像サイズ:S[cm] × 「単位面積辺りのトナー消費量」:α[g/cm] ・・式(1)
例えば、画像サイズ:A4、単位面積当たりのトナー消費量α:0.00001[g/cm]の場合、式(1)は、
Q= 210[cm] × 297[cm] × 0.00001[g/cm] = 0.62[g]
となる。
描画処理対象画像である画像1,画像2・・・画像nのトナー消費量を画像毎にQ1,Q2・・・Qnとすると,消費量の総和Q0は,下記式(2)のように表すことができる。
Q0 = Q1+Q2+・・・Qn ・・式(2)
画像1,画像2・・・画像nの描画処理を終えた後、トナー補給タイミングとなったとすると、消費量分のQ0の補給を行うようにする。この補給動作は、定量供給により消費量Q0の補給をする制御動作となる。
描画処理後にこの補給動作を開始し、処理対象画像の描画処理初期のトナー満杯状態におけるトナー残量を残量センサ25が検知する時に終える。つまり、消費量Q0の補給を定量供給によって補給時間T0かけて行って、初期の満杯状態に戻す。
ここでは、単位時間当たりの補給量をΔqとすると、以下の式(3)が成り立つ。
Δq = Q0 ÷ T0 ・・式(3)
例えば、消費量の総和Q0:10g 補給時間T0:5secの場合、式(3)は、
Δq = 10[g] ÷ 5[sec] = 2 [g/sec]
となる。
補給部の単位時間当たりの補給量Δqを求める手段は、上記の補給動作を行い、補給時間T0を取得し、消費量Q0を取得した補給時間T0で割る計算を行う。
求まる単位時間当たりの補給量Δqをアクセス可能に記憶し、保存しておく。なお、記憶する単位時間当たりの補給量Δqは、機器の特性等により経時変化するので、最新のデータにより保存するデータを更新する。また、記憶先としては,電源を切られた場合でも、記憶されたデータが消失しないよう、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)上に記憶しておく。
また、単位時間当たりの補給量Δqは、次のように補給制御の補給時間に適用する。
印刷速度が残量センサ25による残量検知できない設定に変わった場合に、推定されるトナー消費量に相当する量の補給をする。例えば、先に述べたように、画像データ量としての印字率及び画像サイズと印字率/単位面積トナー消費量対応表を基にトナー消費量を推定する。
このとき、画像サイズS1と、単位面積当たりのトナー消費量α1と、単位時間当たりの補給量Δqとの関係を示す下記式(4)を用いて補給時間t1を求めることができる。
t1 = (S1 × α1 )÷ Δq ・・式(4)
例えば、画像サイズ:A4、単位面積当たりのトナー消費量α1:0.00001[g/cm]、Δq:2[g/sec]の場合、
t1 = 210[cm] × 297[cm] × 0.00001[g/cm] ÷ 2[g/sec] = 0.31[sec]
となる。
よって、定量供給を行う補給部を補給時間t1=310msだけ動作させて補給を行えば、トナー残量を満杯の初期状態にすることができる。
「実施形態3」
本実施形態は、上記実施形態2における、単位時間当たりの補給量Δqを求める過程にてΔqの補正が必要となる場合の対処方法に係る。
上記実施形態2においては、具体例によって説明したように、像1,画像2・・・画像nのトナー消費量Q0を蓄積していき、トナー補給をする際に蓄積したトナー消費量Q0と補給時間T0との関係で単位時間当たりの補給量を求めている。
ただ、トナー消費量Q0分のトナー量を補給するだけではなく、余分にトナーを補給する動作を行う場合があり、この場合に付加される動作条件を実施形態2の例では考慮していないので、単位時間当たりの補給量Δqに誤差となって現れる。なお、余分にトナーを補給する上記動作は、例えば、トナーを安定して供給するために検知残量が一定値以下になった場合に、一定値以下にならないよう補給する動作であり、対象画像の描画処理による消費量の補給とは関係なく随時行われる。
そこで、余分にトナーを補給する動作をするときの補給時間Txを考慮した単位時間当たりのトナー補給量を、補給制御に用いる補給時間に反映させることにより、誤った補給動作を行わないようにする。
余分にトナーを補給する動作をするときの補給時間Txを考慮した単位時間当たりのトナー補給量Δq’は、下記式(6)により求めることができる。
Δq’ = Q0 ÷ (Tx + T0 ) ・・式(5)
ここに、Q0は、対象画像の描画処理により対象画像毎に消費するトナー消費量Q1,Q2,・・・Qnの総和である(上記式(2)、参照)。
また、T0は、下記式(6)に示すように、対象画像毎に定める補給時間T1,T2,・・・Tnの総和である。
T0=T1+T2+T3+・・・Tn ・・式(6)
「実施形態4」
上記実施形態2では、単位時間当たりのトナー補給量Δqを求め保存しておき、描画処理で消費した分のトナー量の補給に利用可能としている。
また、実施形態2では、求めた最新の単位時間当たりのトナー補給量Δqには。現時点の機器特性等の機器の状態が反映されているという理由から、求めた最新データによりこれまでデータを更新することとしている。
ただ、一回のサンプルだけから求められたデータは、偶発的なノイズが混入することや、偏ったサンプルデータ値を採用してしまう、といった場合があり、必ずしも適正なデータが得られるとは限らない。
そこで、本実施形態では、より適正なデータを得るためのデータ処理を付加する。このデータ処理は、単位時間当たりのトナー補給量Δqを求める手段が複数画像からなる印刷ジョブに対し、画像毎に得た単位時間当たりのトナー補給量Δqの平均を求めることにより対処する。
よって、印刷ジョブの複数画像、即ち複数ページの画像各々から得た単位時間当たりのトナー補給量Δqを蓄積しておく手段が必要となる。また、新たな画像の単位時間当たりのトナー補給量Δqを得るときに、新たに得たデータと保存された蓄積データの平均値を得る処理手段の付加を必要とする。
例えば、印刷ジョブの描画処理対象画像である画像1,画像2・・・画像n各々から得られる単位時間当たりのトナー補給量を、Δq1、Δq2、Δq3、・・・Δqnとすると、Δqの平均値Δq0は以下の式(7)で求めることができる。
Δq0 = (Δq1+Δq2+Δq3+・・・Δqn ) ÷ n ・・式(7)
なお、新たに単位時間当たりのトナー補給量Δq(n+1)を得るとき、その度に求めたΔq0は更新するようにしていくことで、補給精度を上げることができる。
このように、単位時間当たりのトナー補給量Δqの平均をとるための上記手段を付加することで、偶発的なノイズが混入することや、或いは偏ったサンプルデータ値が採用される場合に単位面積トナー消費量に生じる誤差を低減できる。
「実施形態5」
上記実施形態2〜4では、単位時間当たりのトナー補給量Δqにより処理対象の消費量分を補給するようにしている。
このトナー補給量Δqは、描画処理によるトナー消費量の推定値及びトナーの補給時間に基づいて求められる。トナー消費量の推定値及びトナーの補給時間は、いずれも機器特性に依存する値であり、本来経時変化の影響を受ける値である。
よって、例えば、印刷速度が残量センサ25による残量検知できない速度の設定で長期間使用され、その間トナー補給量Δqを固定したままにしていると、機器特性の経時変化に適応できず、適正な補給動作ができなくなる場合がある。
そこで、本実施形態では、経時変化により生じる誤差を取得し、得られる誤差に応じて、単位時間当たりのトナー補給量Δqにより処理対象の消費量分を補給するときに補正を行うことで、誤差を無くすようにする。
この補正を行うための手段として、本実施形態は誤差取得手段と補正手段を設ける。
誤差取得手段は、補給部の単位時間当たりの補給量を求める手段(上記実施形態2、参照)が得たトナー補給量Δqを用いて所定数の処理対象の消費量分を補給した後、正常な検知ができる条件下で残量センサ25の検知結果による制御を行って再補給を行う。なお、残量センサ25による正常な検知ができる条件は、印刷速度を切り替えることによる。また、この再補給によって当該処理対象の現像処理前のトナー残量、即ち初期残量値を検知するまでに至る補給時間を、補給の目標値に対する誤差に相当する時間として取得する。
補正手段は、上記誤差取得手段によって得られた誤差に相当する時間により、処理対象の消費量分を補給するときの補給時間を補正する。つまり、トナー補給量Δqにより処理対象の消費量分を補給するとき、設定する補給時間に誤差分に相当する時間間の補正を行う。
ここで、上記誤差取得手段及び補正手段により補正が行われる補給制御過程を具体例により説明する。
処理対象画像の描画処理により消費されるトナー量を画像毎に推定し、得られる消費量分の補給を行う。この補給は、単位時間当たりのトナー補給量Δqを用いて、消費量分に当たる補給時間を設定して行う。
ここでは、上述の経時変化により生じる誤差に対応する補正を行うタイミングは随時定めることができることを前提にするので、任意の枚数(「n」とする)の処理対象画像に対応する補給制御例を示す。
処理対象画像1〜nの各画像に対する消費量分の補給を行った時の補給時間をそれぞれt1,t2,t3・・・tnとすると、補給時間の総和t0は、下記式(8)で表すことができる。
t0 = t1+t2+t3+・・・tn ・・式(8)
処理対象画像1〜nの各画像に対する補給を行った後、適正量に対する誤差として累積する量を取得し、この誤差量を無くすよう補正を行うことで、求める精度を保つことができるトナー補給制御を行う。
この時、適正量であることは、トナー残量が当該処理対象の現像処理前のトナー残量、即ち初期残量であることにより判断する。このため、残量センサ25による検知を必要とし、正常な検知ができる条件である印刷速度を残量センサ25が正常な検知ができる線速へ変更する。
処理対象画像数nの描画処理による消費量分のトナー補給を行った後、正常な検知ができる印刷速度の下で残量センサ25が、再補給によって処理対象画像数nの現像処理前のトナー残量を検知するまで再補給を行う。
この再補給動作は、誤差を取得するためである。この再補給によって、現像処理前のトナー残量を検知するまでに至る補給時間を、適正な補給に対する誤差に相当する時間として取得する。従って、誤差に相当する補給時間を補正量として、トナー補給動作を行う。
上記再補給時の補給時間をT’とすると、下記式(9)によって補正を行うときに適用する補給時間t1’を求めることができる。
t1’ = (S1 × α1 )÷ Δq + ( T’÷ n ) ・・式(9)
なお、上記式(9)は、処理対象の画像1の消費量分の補給を行った時の補給時間t1に対応する。また、式(9)中の補正項( T’÷ n )は処理対象の画像に共通する。
例えば、単位時間辺りのトナー補給量Δq=2[g/sec]とする。また、画像サイズ:A4サイズ、「単位面積辺りのトナー消費量」α:0.00001[g/cm]として、処理対象画像数n:5枚、式(8)のt0=2secとする。また、誤差分に当たる再補給時の補給時間T’:1secとする。
本実施形態の補正を行うときに適用する式(9)の補給時間t1’は、
t1’= (210[cm] × 297[cm] × 0.00001[g/cm] ) ÷ 2[g/sec] + ( 1[sec]÷ 5[枚] )
= 0.62[g] ÷ 2[g/sec] + 200[ms/枚]
= 510ms
となる。
よって,510msトナーを補給すれば、誤差分を補正した補給動作が可能になる。
「実施形態6」
上記実施形態2〜4では、経時変化により生じる誤差に対応して、機器の動作条件を管理するための手段を特に設けていない。このため、トナー残量を検知できないような印刷速度による処理対象の描画処理が継続した場合、単位時間当たりのトナー補給量Δqにより処理対象の消費量分を補給するようにしている。
このトナー補給量Δqは、描画処理によるトナー消費量の推定値及びトナーの補給時間に基づいて求められる。トナー消費量の推定値及びトナーの補給時間は、いずれも機器特性に依存する値であり、本来経時変化の影響を受ける値である。
よって、例えば、印刷速度が残量センサ25による残量検知できない速度の設定で長期間使用され、この間トナー補給量Δqを固定したままにしていると、機器特性の経時変化に適応できず、適正な補給動作ができなくなる、といった問題が生じる場合がある。また、トナーカートリッジ内のトナー残量が異常に減っていたり、或はしばらく印刷しなかった為に、トナーの固形化が起きて粒度が変わっていたりすると、予想通りのトナー補給が出来ないといった問題が起き得る。
そこで、上記の問題が起きることを未然に防ぐために、経時変化による誤差の累積、或は機器の異常によって適正な補給動作が行えなくなる限界に至る前のタイミングを定めて、適正な補給動作の管理に必要なトナー補給量Δqを更新する動作を行えるようにする。
上記タイミングは、残量センサ25による残量検知ができない印刷速度で動作が継続した間の動作量を表す印刷処理量により定める。よって、印刷処理量に対する閾値を経験則により適当と判断される量により設定し、設定量に達した時を動作の切り替えタイミングとする。なお、この設定量は、変更可能として、機器や使用環境等に適応できるようにする。また、閾値の印刷処理量は、例えば描画処理を行った画像枚数(印刷枚数)で表す。
残量センサ25による残量検知ができない印刷速度で閾値を越える印刷枚数の描画処理が行われた場合に、印刷速度を残量センサ25による残量検知ができる速度へ切り替える動作を行う。
上記の動作を行うための手段として、本実施形態は印刷速度切替判定手段と印刷速度切替手段を設ける。
印刷速度切替判定手段は、残量センサ25によって正常な検知ができない印刷速度で処理対象に対する描画処理が継続する間における、印刷処理量としての印刷枚数が、印刷速度を切り替えるために予め定めた閾値を越えるか否かを判定する手段である。
また、印刷速度切替手段は、上記印刷速度切替判定手段により閾値を越えたと判定されたときに、現像部の印刷速度を残量センサ25によって正常な検知ができる速度に切り替える手段である。
この手段により、上述の閾値である印刷枚数を例えば100枚に設定して動作をさせると、残量センサ25によりトナー残量が検知できない印刷速度で100枚の印刷が終了した後、トナー残量が検知できる印刷速度に切り替わる。
切り替わった印刷速度の下では、残量検知及びトナー補給動作が行われて、この結果として単位時間当たりのトナー補給量Δqが新たに得られ、このトナー補給量Δqの保存データが更新される。
その後、再度トナー残量が検知できない印刷速度へ切り替わって、印刷を継続する動作を行う。このときには、更新されたトナー補給量Δqによる補給動作が行われる。
このように、印刷速度の切り替えによって、現状の機器特性が反映されたトナー補給量Δqによって、これまでのデータを更新することができるので、上述の問題が起きることを未然に防ぐことが可能になり、適正な補給動作を行うことができる。
「実施形態7」
上記実施形態6では、トナー残量が検知できない印刷速度で行う描画処理において、トナー補給量Δqに基づく補給動作が適正に行えなくなる前に、印刷速度を切り替えてトナー補給量Δqを新たに求め、これにより適正な補給が行えるようにしている。
ただ、印刷速度の切り替えタイミングは、印刷枚数を閾値とする判定結果により決めている。そのため、この閾値を固定すると、機器特性や使用状況といった変動要素によっては、適応しきれなくなる、という問題が生じる。
そこで、本実施形態では、上記実施形態6と同様に、印刷枚数を閾値として印刷速度の切り替えタイミングを判定する手法を採り、但し、この手法に用いる前記閾値の適応性を判定し、判定結果に従い適応性を高める補正をすることにより、上記の問題に対応する。
閾値の適応性は、上記閾値により定まる印刷速度の切り替えタイミングにおいて行う補給動作から判定する。この適応性は、ここでは、上記印刷速度切替後に描画処理を行い、この処理に対応して残量センサ25の検知結果を基に補給動作を行い、その時のトナー補給時間が、経験則から得られる適正補給動作時の基準補給時間に比べどのような違いがあるかによる。
従って、残量センサ25の検知結果を基に得られるトナー補給時間が、基準補給時間より短いと判定される場合、印刷速度の切り替えをもっと遅くするよう印刷枚数による閾値を補正する。また、逆に基準とする補給時間よりも長いと判定される場合は,印刷速度の切り替えをもっと早くするよう印刷枚数による閾値を補正する。
上記の補正を行うための手段として、本実施形態は閾値適応性判定手段と閾値補正手段を設ける。
閾値適応性判定手段は、残量センサ25により正常な検知ができる印刷速度に切り替えたときに、補給部の単位時間当たりの補給量を求める手段により得た補給量に基づいて求めたトナー補給時間から、印刷速度を切り替えるために予め定めた前記閾値の適応性を判定する。なお、上記補給部の単位時間当たりの補給量を求める手段は、描画処理に対応して残量センサ25の検知結果を基に補給動作を行い、補給部の単位時間当たりの補給量Δqを求める手段である。
また、閾値補正手段は、前記閾値適応性判定手段によって判定された前記閾値の適応性に基づいて、前記印刷速度切替判定手段が用いる閾値を補正する。
以下、印刷速度の切り替えタイミングを判定する上記閾値を補正する過程を具体例により説明する。
ここで、印刷速度の切り替えタイミングを判定する閾値の適応性を判定するための基準補給時間と印刷速度の切り替えタイミングを判定する閾値を、
適応性判定の基準補給時間:10秒
印刷速度の切り替えタイミングを判定する閾値としての印刷枚数:100枚
として、トナーの残量が検知できない印刷速度の設定で500枚印刷を実施した場合を例に採る。
また、求めたトナー補給時間が基準補給時間より長く、印刷枚数の閾値が50枚以上の場合は,印刷枚数の閾値を−30枚だけ減らす。
他方、求めたトナー補給時間が基準補給時間より短い場合は,印刷枚数の閾値を+30枚だけ増やす。
〈過程1〉 描画処理により100枚を印刷する。
〈過程2〉 印刷枚数の閾値100枚に達し、印刷速度を切り替えてトナー補給を実施する。その時求めたトナー補給時間は5秒である。
〈過程3〉 求めたトナー補給時間の5秒は基準補給時間の10秒より短いので、印刷枚数の閾値に100枚+30枚=130枚を設定する。
〈過程4〉 印刷速度を元の残量センサ25により正常な検知ができない印刷速度に切り替えて、描画処理により130枚を印刷する。
〈過程5〉 印刷枚数の閾値130枚に達し、印刷速度を切り替えてトナー補給を実施する。その時求めたトナー補給時間は8秒である。
〈過程6〉 求めたトナー補給時間の8秒は基準補給時間の10秒より短いので、印刷枚数の閾値に130枚+30枚=160枚を設定する。
印刷切り換えの閾値を130枚+30枚で160枚となる
〈過程7〉 印刷速度を元の残量センサ25により正常な検知ができない印刷速度に切り替えて、描画処理により160枚を印刷する。
〈過程8〉 印刷枚数の閾値160枚に達し、印刷速度を切り替えてトナー補給を実施する。その時求めたトナー補給時間は11秒である。
〈過程9〉 求めたトナー補給時間の11秒は基準補給時間の10秒より長いので、印刷枚数の閾値に160枚−30枚=130枚を設定する。
〈過程10〉 描画処理により130枚を印刷し、予定した500枚の印刷を終了する。
なお、上記具体例では、トナー補給を実施する時に求めたトナー補給時間が基準補給時間より短い場合は,閾値としての印刷枚数の補正を+30枚としているが、この印刷枚数の閾値を補正する枚数は任意に設定できるようにする。
ここに、閾値としての印刷枚数を増やせば増やすほど、印刷速度を切り替えるタイミングが長くなり、同じ枚数の印刷を行う間におけるダウンタイムは少なくなる。よって、印刷の生産性を上げることが可能になる。
逆に、閾値としての印刷枚数を減らせば減らすほど、印刷速度を切り替えるタイミングが短くなる。よって、印刷の生産性は下がっても、トナー補給精度を上げることが可能になる。
また、閾値を固定にした場合に生じる上記の問題は、基本的には、閾値を可変設定することで解消が可能であり、例示した上記手法においては、機器側で定めた条件に従い機器の制御システムが行う。
ただ、機器側で定めた条件に従って変更する設定値が必ずしもトナー補給動作を最適化するとは限らず、機器の使用条件、機器周囲の環境等によっては、ユーザーの要求を満たさない場合がある。
そこで、上述の印刷速度切替判定手段に設定する閾値、上述の閾値補正手段における補正値の各値をUI(ユーザーインターフェース)として機能する操作手段を通して変更する手段を設け、ユーザーの要求を満たすトナー補給精度や生産性の調整を可能とする。
なお、UIとして機能する操作手段は、画像形成装置において、通常、操作パネルとして装備されている手段である。この操作パネルは、ユーザーとの間で情報をやり取りするために表示部と操作キー等を備えた入力部を備え、印刷ジョブ等の処理すべきジョブに係る各種の情報、データの入力を行うための手段である。
「実施形態8」
上記各実施形態に示したトナー補給制御方法は、残量センサ25により残量検知ができない印刷速度において、トナー消費量の推定計算をして、単位時間当たりのトナー補給量Δqを基に、トナーの補給時間を求め、得られる時間により補給動作を行う。
また、上記の補給動作は、経時変化の影響を受けるので、適正な動作を保証するためには、トナー残量検知ができる印刷速度に切り替えて補給制御に必要な最新のデータを得る動作を必要としている。従って、印刷速度の切り替えによって、上述のようにダウンタイムが生じるため、この分印刷の生産性が下がる。
しかし、残量センサに頼らない従来技術の補給制御方法は、印刷速度の切り替えを必要としないので、印刷の生産性を重視するユーザーにとっては都合がよい。このため、実施形態2〜7のトナー補給制御方法を採らない方が良い場合がある。
そこで、残量センサに頼らない従来技術のトナー補給制御方法と実施形態2〜7に示したトナー補給制御方法の両方のモードによる動作を可能とする制御システムを構成し、いずれかの動作モードを選択して使用できるようにする。
この動作モードの選択は、UIとして機能する操作手段を通して、ユーザーによって指示できるようにする。
動作モードが選択できるこの制御システムによると、生産性を重視するユーザーが、残量検知ができない印刷速度で大量の印刷を行う場合、トナー残量検知に頼らない従来技術の補給制御方法による動作モードを選択でき、所期の結果を得ることができる。
「実施形態9」
ところで、上記実施形態に述べた画像形成装置の構成要素である主制御部は、ハードウェア構成としてコンピュータを有し、上述の描画処理・トナー補給の制御システムを構成することができる。
当該制御システムを構成するコンピュータは、プログラムの命令を実行するためのCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NV(Non Volatile)RAMの各記憶手段をハードウェアの要素として構成する。
上記ROMは、上記制御システムの動作や処理を実現するために上記CPUによって使用されるプログラムやデータ等を保存するメモリである。また、上記RAMは、前記プログラムによって生成されるデータなどを一時的に保存するメモリ、或いはソフトウェアプログラムの動作に必要なデータを保存するワークメモリとして利用するメモリである。また、上記NVRAMは、当該制御系を管理する管理情報などを保存しておく不揮発性メモリである。
上記制御システムをコンピュータで構成する場合、図4を参照して述べたトナー補給制御手順等を含む描画処理・トナー補給の制御動作を実行するためのプログラムや制御用データを各種の記録媒体を介して当該コンピュータにインストールする。CPUは、インストールした当該プログラムを駆動し、またインストールした制御用データを利用することで所期の制御動作を実行することができる。
10・・トナーカートリッジ、14・・スクリュー、20・・現像ユニット、25・・トナー残量センサ(残量センサ)、25S・・受光センサ、25L・・LED、30・・感光体、32・・露光装置。
特開2009−75574号公報

Claims (9)

  1. 対象画像のトナーによる現像処理を行う現像部と、前記現像部にトナーを補給する補給部を有し、前記現像部内に溜まるトナー残量を検知する残量センサの検知結果に応じて前記補給部を動作させ、現像により消費されたトナー量の補給をする画像形成装置であって、
    稼働中の前記現像部の動作状態が前記残量センサによって正常な検知ができる動作状態であるか否かを判定する動作状態判定手段と、
    前記現像部により処理される処理対象の画像における画像データ量を取得する処理対象画像情報取得手段と、
    前記現像部が処理対象を処理するために稼働しており、前記動作状態判定手段によって前記残量センサによる正常な検知ができる状態と判定されたときに、前記残量センサの検知結果に基づいて求めた当該処理対象のトナー消費量と、前記画像情報取得手段が取得した当該処理対象の画像データ量とから、当該画像における単位面積当たりのトナー消費量を算出する単位面積トナー消費量算出手段と、
    前記単位面積トナー消費量算出手段が算出した単位面積トナー消費量を前記画像データ量に対応付けて記憶するトナー消費量記憶手段と、
    処理対象を処理するために前記現像部が稼働しており、前記動作状態判定手段によって前記残量センサによる正常な検知ができない状態と判定されたときに、当該処理対象を処理するために現像部が消費するトナー量を、前記画像情報取得手段が取得した当該処理対象の画像データ量と、前記トナー消費量記憶手段において前記画像データ量に対応付けて記憶された単位面積当たりのトナー消費量から、推定トナー消費量として算出する推定トナー消費量算出手段と、
    前記推定トナー消費量算出手段が算出した推定トナー消費量を補給量として前記補給部を動作させる制御手段と
    を有する画像形成装置。
  2. 請求項1に記載された画像形成装置において、
    前記処理対象画像情報取得手段により取得する画像データ量が処理対象の画像における印字率及び画像サイズである
    画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
    前記補給部は、前記現像部に単位時間当たり一定量のトナーを補給する機能を持ち、
    前記処理対象の現像処理後に前記補給部を動作させ、前記残量センサが当該処理対象の現像処理前のトナー残量を検知するまでに至る補給時間及び前記処理対象の推定トナー消費量に基づいて、前記補給部の単位時間当たりの補給量を求める手段を有する
    画像形成装置。
  4. 請求項3に記載された画像形成装置において、
    前記補給部の単位時間当たりの補給量を求める手段は、複数画像からなる印刷ジョブを処理対象とするとき、画像毎に求めた前記補給部の単位時間当たりの補給量の平均を求める補給量として得る
    画像形成装置。
  5. 請求項3又は4に記載された画像形成装置において、
    前記補給部の単位時間当たりの補給量を求める手段により得た補給量を用いて所定数の処理対象の消費量分を補給した後、前記残量センサによる正常な検知ができる状態において、再補給を行うことで当該処理対象の現像処理前のトナー残量を検知するまでに至る補給時間を、適正な補給に対する誤差に相当する時間として得る誤差取得手段と、
    前記補給部の単位時間当たりの補給量を求める手段により得た補給量により処理対象の消費量分を補給するときの補給時間を、前記誤差取得手段によって得られた誤差に相当する時間により補正する補正手段と、
    を有する画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれに記載された画像形成装置において、
    前記動作状態判定手段が判定対象とする前記現像部の動作状態が印刷速度であり、
    前記残量センサによって正常な検知ができない印刷速度で処理対象に対する処理が継続する間における印刷処理量が、印刷速度を切り替えるために予め定めた閾値を越えるか否かを判定する印刷速度切替判定手段と、
    前記印刷速度切替判定手段により前記閾値を越えたと判定されたときに、前記現像部の印刷速度を、前記残量センサによって正常な検知ができる印刷速度に切り替える印刷速度切替手段と、
    を有する画像形成装置。
  7. 請求項6に記載された画像形成装置において、
    前記印刷速度切替手段によって前記残量センサにより正常な検知ができる印刷速度に切り替えたときに、前記補給部の単位時間当たりの補給量を求める手段により得た補給量に基づいて求めたトナー補給時間から、印刷速度を切り替えるために予め定めた前記閾値の適応性を判定する閾値適応性判定手段と、
    前記閾値適応性判定手段によって判定された前記閾値の適応性に基づいて、前記印刷速度切替判定手段が用いる閾値を補正する閾値補正手段と
    を有する画像形成装置。
  8. 請求項6又は7に記載された画像形成装置において、
    前記印刷速度切替判定手段における前記閾値の設定を、操作手段を通して変更する手段
    を有する画像形成装置。
  9. 対象画像のトナーによる現像処理を行う現像部と、前記現像部にトナーを補給する補給部を有し、前記現像部内に溜まるトナー残量を検知する残量センサの検知結果に応じて前記補給部を動作させ、現像により消費されたトナー量の補給をする画像形成装置におけるトナー補給方法であって、
    稼働中の前記現像部の動作状態が前記残量センサによって正常な検知ができる動作状態であるか否かを判定する動作状態判定工程と、
    前記現像部により処理される処理対象の画像における画像データ量を取得する処理対象画像情報取得工程と、
    処理対象を処理するために前記現像部が稼働しており、前記動作状態判定工程で前記残量センサによる正常な検知ができる状態と判定されたときに、前記残量センサの検知結果に基づいて求めた当該処理対象のトナー消費量と、前記画像情報取得工程で取得した当該処理対象の画像データ量とから、当該画像における単位面積当たりのトナー消費量を算出する単位面積トナー消費量算出工程と、
    前記単位面積トナー消費量算出工程で算出した単位面積トナー消費量を前記画像データ量に対応付けて記憶するトナー消費量記憶工程と、
    処理対象を処理するために前記現像部が稼働しており、前記動作状態判定工程で前記残量センサによる正常な検知ができない状態と判定されたときに、当該処理対象を処理するために現像部が消費するトナー量を、前記画像情報取得工程で取得した当該処理対象の画像データ量と、前記トナー消費量記憶工程で前記画像データ量に対応付けて記憶された単位面積当たりのトナー消費量から、推定トナー消費量として算出する推定トナー消費量算出工程と、
    前記推定トナー消費量算出工程で算出した推定トナー消費量を補給量として前記補給部を動作させる制御工程と
    を有するトナー補給方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019028349A (ja) * 2017-08-01 2019-02-21 株式会社リコー 現像剤残量検出選択システム、画像形成装置、及び現像剤残量検出選択方法

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