JP2015151998A - ヒートポンプ圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でありながら、軸受の早期剥離損傷を防止することが可能なヒートポンプ圧縮機を提供する。【解決手段】回転軸5を支持する複数の軸受10は、増速機構7を挟んで軸方向両側に設けられた固定側軸受11及び自由側軸受13を有する。固定側軸受11は、互いに内輪間座19a,19b及び外輪間座20a,20bを介して隣り合う3個のアンギュラ玉軸受11a,11b,11cを有し、3個のアンギュラ玉軸受11a,11b,11cのうち、増速機構7側に隣り合う2個のアンギュラ玉軸受11a,11bは並列組合せであり、他方側に隣り合う2個のアンギュラ玉軸受11b,11cは背面組合せである。並列組合せの2個のアンギュラ玉軸受11a,11bの間において、外輪間座20aの軸方向幅Lは、内輪間座19aの軸方向幅Mよりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明はヒートポンプ圧縮機に関する。
例えばビルや工場などには、比較的大容量の熱交換システムが構築されており、かかる熱交換システムには、各種のヒートポンプ圧縮機が組み込まれている。例えば図2に示すようなヒートポンプ圧縮機1において、羽根車(インペラ)3が取り付けられた回転軸5は、複数の軸受10により回転自在に支持されている。
回転軸5は、増速機構7を介して、不図示のモータの出力軸に連結されている。増速機構7は、回転軸5に設けられたギヤ7aと、モータの出力軸に設けられ、上記ギヤ7aと噛合するギヤ(不図示)と、からなる。なお、回転軸5のギヤ7aは、モータの出力軸のギヤよりも小径である。
複数の軸受10は、増速機構7を挟んで軸方向両側に設けられた固定側軸受11及び自由側軸受13を有する。ここで、固定側軸受11は、ラジアル荷重と共にアキシアル荷重も負荷(支持)できるように構成された軸受を指し、例えば回転軸5をアキシアル方向に位置決め固定するために用いられる。また、自由側軸受13は、ラジアル荷重のみを負荷(支持)するように構成された軸受を指し、例えば温度変化による回転軸5の膨張・収縮を逃がしたり、回転軸5のアキシアル方向の固定位置を調整するために用いられる。
固定側軸受11は、3個のアンギュラ玉軸受11a,11b,11cを有しており、そのうちの増速機構7側に隣り合う2個のアンギュラ玉軸受11a,11bを並列組合せ(DT)とし、他方側(羽根車3側)に隣り合う2つのアンギュラ玉軸受11b,11cを背面組合せ(DB)として配置している。また、自由側軸受13は、増速機構7側から2個のアンギュラ玉軸受13a,13bを有しており、これらを背面組合せ(DB)として配置している。
これらのアンギュラ玉軸受11a,11b,11c,13a,13bは、それぞれ、内輪15と、外輪16と、内輪15及び外輪16の間に配置された複数の玉17と、複数の玉17を転動自在に保持する保持器18と、を有する。
また、固定側軸受11を構成する3個のアンギュラ玉軸受11a,11b,11cは、互いに内輪間座19a、19b及び外輪間座20a,20bを介して隣り合い、自由側軸受13を構成する2個のアンギュラ玉軸受13a,13bは、互いに内輪間座19c及び外輪間座20cを介して隣り合う。外輪間座20a,20b,20cには、その外周面と、外輪間座20a,20b,20cと内輪間座19a,19b,19cとの間の空間と、を連通し、潤滑油を供給可能な潤滑油孔21が設けられる。
このようなヒートポンプ圧縮機1を組み込んだ熱交換システムによれば、モータの回転運動が出力軸から増速機構7を介して回転軸5に伝達されると、回転軸5と共に羽根車3が増速回転して冷媒を圧縮する。このとき、圧縮されて高温・高圧状態となった冷媒を、凝縮器(熱交換器)を介して水と熱交換させることで、暖められた水が暖房用として使用される。また、熱交換された冷媒は凝縮器を経た後、膨張器で膨張される。このとき、膨張して低温・低圧状態となった冷媒を、蒸発器(熱交換器)を介して水と熱交換させることで、冷やされた水が冷房用として使用される。そして、蒸発器を経た冷媒は、再び羽根車3で圧縮されるといったサイクルが繰り返される。
また、固定側軸受11を構成する3個のアンギュラ玉軸受11a,11b,11cのうち、増速機構7から羽根車3に向かう方向(図中A方向)の荷重は、増速機構7側の2個のアンギュラ玉軸受11a,11bで負荷し、羽根車3から増速機構7に向かう方向(図中B方向)の荷重は、他方側(羽根車3側)の1個のアンギュラ玉軸受11cで負荷する。
ここで、増速機構7側の2個のアンギュラ玉軸受11a,11bが均等に荷重を受けるために、内輪15,15と内輪間座19との間の軸方向隙間、及び外輪16,16と外輪間座20との間の軸方向隙間は、通常ゼロとなるように設定される。すなわち、これら2個のアンギュラ玉軸受11a,11bの間において、内輪間座19及び外輪間座20の軸方向幅が同一となるように設定される。
しかしながら、このようなヒートポンプ圧縮機1では、増速機構7のギヤ7aからの入熱により、当該ギヤ7aに最も近いアンギュラ玉軸受11aの内輪15の温度が上昇し、内輪15と外輪16との温度差が増大する。この場合、アンギュラ玉軸受11aの内部隙間が極端に小さくなり、内部荷重が増大し、早期剥離損傷を引き起こす虞がある。
なお、特許文献1には、並列組合せ軸受において、荷重負荷の偏りを防止するための技術として、外輪間座が、熱伝導率の小さい第1の外輪間座と、熱伝導率の大きい第2の外輪間座と、を軸線方向に並置して構成されるものが開示されている。
特開昭60−241519号公報
しかし、特許文献1に記載の並列組合せ軸受構造では、外輪間座が二種類の材料からなるため、その組合せに要する時間やコストが増加してしまう虞があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でありながら、軸受の早期剥離損傷を防止することが可能なヒートポンプ圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 複数の軸受によって回転自在に支持された回転軸を増速機構で増速回転させて、前記回転軸に取り付けられた羽根車を増速回転させるヒートポンプ圧縮機であって、
複数の前記軸受は、前記増速機構を挟んで軸方向両側に設けられた固定側軸受及び自由側軸受を有し、
前記固定側軸受は、互いに内輪間座及び外輪間座を介して隣り合う3個のアンギュラ玉軸受を有し、
3個の前記アンギュラ玉軸受のうち、前記増速機構側に隣り合う2個は並列組合せであり、他方側に隣り合う2個は背面組合せであり、
並列組合せの2個の前記アンギュラ玉軸受の間において、前記外輪間座の軸方向幅は、前記内輪間座の軸方向幅よりも小さいことを特徴とするヒートポンプ圧縮機。
本発明のヒートポンプ圧縮機によれば、固定側軸受を構成する3個のアンギュラ玉軸受のうち、増速機構側に隣り合う2個は並列組合せであり、他方側に隣り合う2個は背面組合せであり、並列組合せの2個のアンギュラ玉軸受の間において、外輪間座の軸方向幅は内輪間座の軸方向幅よりも小さく設定される。すなわち、外輪間座と外輪との間には隙間が形成される。ここで、運転初期においては、並列組合せの2個のアンギュラ玉軸受のうち、増速機構側のアンギュラ玉軸受の内部隙間が大きくなるため、他方の(3個のうち真ん中の)アンギュラ玉軸受が軸方向荷重を負荷する。そして、増速機構からの入熱により、増速機構側のアンギュラ玉軸受の内輪及び外輪の温度差が大きくなるにつれて、外輪間座と外輪との間の隙間が小さくなり、真ん中のアンギュラ玉軸受から増速機構側のアンギュラ玉軸受への負荷荷重の移行が進み、バランスの取れた荷重分担となる。このように、簡易な構成でありながら、軸受内の内部荷重の増大を抑制し、早期剥離損傷を防止できる。
実施形態に係るヒートポンプ圧縮機の要部断面図である。 従来のヒートポンプ圧縮機の断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るヒートポンプ圧縮機について、図面を用いて説明する。なお、本実施形態のヒートポンプ圧縮機は、図2に示した従来のヒートポンプ圧縮機と基本的構成が同一であるので、同一部分には同一符号を付すことで説明を省略又は簡略化し、相違部分について詳述する。
図1に示すように、本実施形態のヒートポンプ圧縮機1では、並列組合せの2個のアンギュラ玉軸受11a,11bの間において、外輪間座20aの軸方向幅Lを、内輪間座19aの軸方向幅Mよりも小さく設定している(L<M)。これにより、内輪15,15と内輪間座19aとは互いに当接するのに対して、外輪16,16と外輪間座20aとの間には軸方向隙間が形成される。本実施形態では、増速機構7側のアンギュラ玉軸受11aの外輪16と、外輪間座20aとの間に、軸方向隙間Sが形成される。
ここで、運転初期においては、並列組合せの2個のアンギュラ玉軸受11a,11bのうち、増速機構7側のアンギュラ玉軸受11aの内部隙間が大きくなるため、他方(3個のうち真ん中)のアンギュラ玉軸受11bが、増速機構7から羽根車3に向かう方向(図2中A方向)の軸方向荷重を負荷する。そして、増速機構7のギヤ7aからの入熱により、増速機構7側のアンギュラ玉軸受11aの内輪15及び外輪16の温度差が大きくなるにつれて、外輪間座20aと外輪16との間の軸方向隙間Sが小さくなり、真ん中のアンギュラ玉軸受11bから増速機構7側のアンギュラ玉軸受11aへの負荷荷重の移行が進み、バランスの取れた荷重分担となる。このように、軸受内の内部荷重の増大を抑制し、早期剥離損傷を防止できる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更、改良等が可能である。
1 ヒートポンプ圧縮機
3 羽根車
5 回転軸
7 増速機構
7a ギヤ
10 軸受
11 固定側軸受
11a,11b,11c アンギュラ玉軸受
13 自由側軸受
13a,13b アンギュラ玉軸受
15 内輪
16 外輪
17 玉
18 保持器
19 内輪間座
20 外輪間座
21 潤滑油孔
L 軸方向幅
M 軸方向幅

Claims (1)

  1. 複数の軸受によって回転自在に支持された回転軸を増速機構で増速回転させて、前記回転軸に取り付けられた羽根車を増速回転させるヒートポンプ圧縮機であって、
    複数の前記軸受は、前記増速機構を挟んで軸方向両側に設けられた固定側軸受及び自由側軸受を有し、
    前記固定側軸受は、互いに内輪間座及び外輪間座を介して隣り合う3個のアンギュラ玉軸受を有し、
    3個の前記アンギュラ玉軸受のうち、前記増速機構側に隣り合う2個は並列組合せであり、他方側に隣り合う2個は背面組合せであり、
    並列組合せの2個の前記アンギュラ玉軸受の間において、前記外輪間座の軸方向幅は、前記内輪間座の軸方向幅よりも小さいことを特徴とするヒートポンプ圧縮機。
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