JP2007162714A - 磁気軸受装置 - Google Patents

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孝美 尾崎
Hiroyuki Yamada
裕之 山田
Kenichi Suzuki
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Abstract

【課題】 転がり軸受と磁気軸受を併用した構成で、安定な制御が可能でコントローラの構成も簡略化できる磁気軸受装置を提供する。
【解決手段】 この磁気軸受装置は、転がり軸受15,16と磁気軸受17を併用し、転がり軸受15,16がラジアル負荷を支持し、磁気軸受17がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持するようにしたものである。磁気軸受17を構成する電磁石は、主軸13に垂直かつ同軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板13aに非接触で対向するように、スピンドルハウジング14に取付けられる。主軸13に働くアキシアル方向の力を検出するセンサ18が設けられ、このセンサ18の出力に応じて電磁石17を制御するコントローラ19が設けられる。転がり軸受15,16と転がり軸受15,16の支持系とで形成される合成バネの剛性値は、電磁石17の負の剛性値よりも大である関係を有するように設定される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、転がり軸受と磁気軸受を併用し、磁気軸受でアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持するようにした磁気軸受装置に関し、例えば空気サイクル冷凍冷却システムにおけるタービンユニット等に用いられる磁気軸受装置に関する。
空気サイクル冷凍冷却システムは、冷媒として空気を用いるため、フロンやアンモニアガス等を用いる場合に比べて、エネルギー効率が不足するが、環境保護の面で好ましい。また、冷凍倉庫等のように、冷媒空気を直接に吹き込むことができる施設では、庫内ファンやデフロストの省略等によってトータルコストを引下げられる可能性があり、このような用途で空気サイクル冷凍冷却システムが提案されている(例えば特許文献1)。
また、−30℃〜−60℃のディープ・コール領域では、空気冷却の理論効率は、フロンやアンモニアガスと同等以上になることが述べられている。ただし、上記空気冷却の理論効率を得ることは、最適に設計された周辺装置があって始めて成り立つ。周辺装置は、圧縮機や膨張タービン等である。
圧縮機,膨張タービンとしては、コンプレッサ翼車および膨張タービン翼車を共通の主軸に取付けたタービンユニットが用いられている(特許文献1)。
なお、プロセスガスを処理するタービン・コンプレッサとしては、主軸の一端にタービン翼車、他端にコンプレッサ翼車を取付け、前記主軸を電磁石の電流で制御するジャーナルおよびスラスト軸受で支承した磁気軸受式タービン・コンプレッサが提案されている(特許文献2)。
また、ガスタービンエンジンにおける提案ではあるが、主軸支持用の転がり軸受に作用するスラスト荷重が軸受寿命の短縮を招くことを回避するため、転がり軸受に作用するスラスト荷重をスラスト磁気軸受により低減することが提案されている(特許文献3)。
特許第2623202号公報 特開平7−91760号公報 特開平8−261237公報
上記のように、空気サイクル冷凍冷却システムとして、ディープ・コール領域で高効率となる空気冷却の理論効率を得るためには、最適に設計された圧縮機や膨張タービンが必要となる。
圧縮機,膨張タービンとしては、上記のようにコンプレッサ翼車および膨張タービン翼車を共通の主軸に取付けたタービンユニットが用いられている。このタービンユニットは、膨張タービンの生じる動力によりコンプレッサ翼車を駆動できることで空気サイクル冷凍機の効率を向上させている。
しかし、実用的な効率を得るためには、各翼車とハウジングとの隙間を微小に保つ必要がある。この隙間の変動は、安定した高速回転の妨げとなり効率の低下を招く。
特許文献2の磁気軸受式タービン・コンプレッサのように、主軸を磁気軸受からなるジャーナル軸受およびスラスト軸受で支承したものでは、ジャーナル軸受にアキシアル方向の規制機能がない。そのため、スラスト軸受の制御の不安定要因等があると、上記翼車とディフューザ間の微小隙間を保って安定した高速回転を行うことが難しい。
磁気軸受の場合は、電源停止時における接触の問題もある。
転がり軸受と磁気軸受を併用し、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持するものとすると、主軸のアキシアル方向の規制が行え、また軸受の場合における電源停止時における接触の問題も生じない。この構成の場合、主軸に垂直かつ同軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するように、磁気軸受の電磁石を設け、アキシアル方向の力を検出するセンサの出力に応じて、コントローラにより電磁石を制御するものとされる。
しかし、このような転がり軸受と磁気軸受を併用した磁気軸受装置においては、過大なアキシアル負荷が作用した場合、電磁石の負の剛性(変位した方向に作用し、変位が大きいほどその力も大きくなる)が大きくなり、前記電磁石の負の剛性が転がり軸受と転がり軸受の支持系とで形成される合成バネの剛性よりも大きくなった時、磁気軸受の制御系が不安定になる。この状態を回避するためには、予めコントローラに位相補償回路を付加する必要が生じ、コントローラを複雑にする要因の一つになるといった問題がある。
この発明の目的は、転がり軸受と磁気軸受を併用した磁気軸受装置において、安定な制御が可能でコントローラの構成も簡略化できるものを提供することである。
この発明の磁気軸受装置は、転がり軸受と磁気軸受を併用し、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持し、前記磁気軸受を構成する電磁石が、主軸に垂直かつ同軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するようにスピンドルハウジングに取付けられており、アキシアル方向の力を検出するセンサの出力に応じて、電磁石を制御するコントローラを有する磁気軸受装置において、転がり軸受と転がり軸受の支持系とで形成される合成バネの剛性値が、電磁石の負の剛性値よりも大である関係を有することを特徴とする。
この構成によると、転がり軸受と磁気軸受を併用し、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持するものであるため、アキシアル方向の精度の良い支持が行え、かつ磁気軸受のみによる支持の場合における電源停止時の損傷が回避され、長期耐久性が得られる。
また、転がり軸受と転がり軸受の支持系とで形成される合成バネの剛性値が、電磁石の負の剛性値よりも大である関係としたため、制御帯域において、機械システムの位相が180°遅れとなることが防止される。そのため、制御対象が安定なものとなり、コントローラの回路構成を比例または比例積分等の簡単な構成のものとしても安定した制御が行える。
この発明において、コンプレッサ側翼車およびタービン側翼車が、前記スラスト板と共通の主軸に嵌合し、タービン側翼車で発生した動力により、コンプレッサ側翼車を駆動させる、圧縮膨張タービンシステムにおいて、前記主軸の支持に適用されるものであっても良い。
この構成の場合、この発明の磁気軸受装置における安定した制御が可能でコントローラの構成も簡略化できるという利点が効果的に発揮され、各翼車の適切な隙間を保って主軸の安定した高速回転が得られる。また、軸受の長期耐久性の向上が得られる。
この発明において、前記磁気軸受装置を適用した圧縮膨張タービンシステムが、流入空気に対して、予圧縮手段による圧縮、熱交換器による冷却、タービンユニットのコンプレッサによる圧縮、他の熱交換器による冷却、前記タービンユニットの膨張タービンによる断熱膨張、を順次行う空気サイクル冷凍冷却システムに適用されるものであっても良い。 この磁気軸受装置を適用した圧縮膨張タービンシステムを、このような空気サイクル冷凍冷却システムに適用した場合、圧縮膨張タービンシステムにおいて、各翼車の適切な隙間を保って主軸の安定した高速回転が得られ、かつ軸受の長期耐久性の向上が得られることから、圧縮膨張タービンシステムの全体として、しいては空気サイクル冷凍冷却システムの全体としての信頼性が向上する。また、空気サイクル冷凍冷却システムのネックとなっている圧縮膨張タービンシステムの主軸軸受の安定した高速回転、長期耐久性、信頼性が向上することから、空気サイクル冷凍冷却システムの実用化が可能となる。
この発明の磁気軸受装置は、転がり軸受と磁気軸受を併用し、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持し、前記磁気軸受を構成する電磁石が、主軸に垂直かつ同軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するようにスピンドルハウジングに取付けられており、アキシアル方向の力を検出するセンサの出力に応じて、電磁石を制御するコントローラを有する磁気軸受装置において、転がり軸受と転がり軸受の支持系とで形成される合成バネの剛性値が、電磁石の負の剛性値よりも大である関係を有するものとしたため、転がり軸受と磁気軸受の併用によるアキシアル方向の精度の良い支持、および電源停止時の安全確保の利点を得ながら、安定な制御が可能でコントローラの構成も簡略化できる。
この発明の第1の実施形態を図1および図2と共に説明する。図1はこの実施形態の磁気軸受装置を組み込んだタービンユニット5の断面図を示す。このタービンユニット5は圧縮膨張タービンシステムを構成するものであり、コンプレッサ6および膨張タービン7を有し、コンプレッサ6のコンプレッサ翼車6aおよび膨張タービン7のタービン翼車7aが、主軸13の両端にそれぞれ取付けられている。また、タービン翼車7aで発生した動力によりコンプレッサ翼車6aが駆動されるものであり、別の駆動源は設けられていない。
コンプレッサ6は、コンプレッサ翼車6aと微小の隙間d1を介して対向するハウジング6bを有し、中心部の吸込口6cから軸方向に吸入した空気を、コンプレッサ翼車6aで圧縮し、外周部の出口(図示せず)から矢印6dで示すように排出する。
膨張タービン7は、タービン翼車7aと微小の隙間d2を介して対向するタービンハウジング7bを有し、外周部から矢印7cで示すように吸い込んだ空気を、タービン翼車7aで断熱膨張させ、中心部の排出口7dから軸方向に排出する。
このタービンユニット5は、主軸13をラジアル方向に対し複数の軸受15,16で支承し、主軸13にかかるスラスト力を磁気軸受である電磁石17により支承するものとされる。このタービンユニット5は、コンプレッサ6および膨張タービン7内の空気により主軸13に作用するスラスト力を検出するセンサ18と、このセンサ18の出力に応じて電磁石17による支承力を制御するコントローラ19とを有している。電磁石17は、主軸13の中央で主軸13に垂直かつ同軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板13aの両面に非接触で対向するように、スピンドルハウジング14に設置されている。
主軸13を支承する軸受15,16は、転がり軸受であって、アキシアル方向位置の規制機能を有するものであり、例えば深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受が用いられる。深溝玉軸受の場合、両方向のスラスト支持機能を有し、内外輪のアキシアル方向位置を中立位置に戻す作用を持つ。これら2個の軸受15,16は、それぞれスピンドルハウジング14におけるコンプレッサ翼車6aおよびタービン翼車7aの近傍に配置されている。
主軸13は、中央部の大径部13bと、両端部の小径部13cとを有する段付き軸とされている。両側の軸受15,16は、その内輪15a,16aが小径部13cに圧入状態に嵌合し、片方の幅面が大径部13bと小径部13c間の段差面に係合する。
スピンドルハウジング14における両側の軸受15,16よりも各翼車6a,7a側の部分は、内径面が主軸13に近接する径に形成され、この内径面に非接触シール21,22が形成されている。この実施形態では、非接触シール21,22は、スピンドルハウジング14の内径面に複数の円周溝を軸方向に並べて形成したラビリンスシールとしているが、その他の非接触シール手段でも良い。
前記センサ18は、タービン翼車7a側の軸受16の近傍における静止側、つまりスピンドルハウジング14側に設けられている。このセンサ18を近傍に設けた軸受16は、その外輪16bが軸受ハウジング23内に固定状態に嵌合している。軸受ハウジング23は、リング状に形成されて一端に軸受16の外輪16bの幅面に係合する内鍔23aを有しており、スピンドルハウジング14に設けられた内径面24にアキシアル方向に移動自在に嵌合している。内鍔23aは、アキシアル方向の中央側端に設けられている。
センサ18は、軸受ハウジング23の内鍔23a側の幅面と、スピンドルハウジング14に固定された部材である片方の電磁石17との間に介在させてある。また、センサ18は、センサ予圧ばね25により予圧が印加されている。センサ予圧ばね25は、スピンドルハウジング14に設けられた収容凹部内に収容されて軸受16の外輪16bをアキシアル方向に付勢するものとされ、外輪16bおよび軸受ハウジング23を介してセンサ18を予圧する。センサ予圧ばね25は、例えば主軸13の回りの円周方向複数箇所に設けられたコイルばね等からなる。
センサ予圧ばね25による予圧は、押し付け力によってスラスト力を検出するセンサ18が、主軸13のアキシアル方向のいずれの向きの移動に対しても検出できるようにするためであり、タービンユニット5の通常の運転状態で主軸13に作用する平均的なスラスト力以上の大きさとされる。
センサ18の非配置側の軸受15は、スピンドルハウジング14に対してアキシアル方向に移動自在に設置され、かつ軸受予圧ばね26によって弾性支持されている。この例では軸受15の外輪15bが、スピンドルハウジング14の内径面にアキシアル方向移動自在に嵌合していて、軸受予圧ばね26は、外輪15bとスピンドルハウジング14との間に介在している。軸受予圧ばね26は、内輪15aの幅面が係合した主軸13の段面に対向して外輪15bを付勢するものとされ、軸受15に予圧を与えている。軸受予圧ばね26は、主軸13回りの円周方向複数箇所に設けられたコイルばね等からなり、それぞれスピンドルハウジング14に設けられた収容凹部内に収容されている。軸受予圧ばね26は、センサ予圧ばね25よりもばね定数が小さいものとされる。
上記タービンユニット5における磁気軸受装置の力学モデルは、簡単なバネ系で構成することができる。すなわち、このバネ系は、軸受15,16とこれら軸受の支持系(センサ予圧ばね25、軸受予圧ばね26,軸受ハウジング23など)とで構成される合成バネと、電磁石17のバネとが並列となった構成である。このバネ系において、軸受15,16とこれら軸受の支持系とで構成される合成バネは、変位した方向と逆の方向に変位量に比例して作用する剛性となるのに対し、電磁石17のバネは、変位した方向に変位量に比例して作用する負の剛性となる。
このため、上記した合成バネと電磁石のバネの剛性の大小関係を、
合成バネの剛性<電磁石の負の剛性値……(1)
とした場合、機械システムの位相は180°遅れとなり不安定な系となることから、電磁石17を制御するコントローラ19において、予め位相補償回路を付加する必要が生じ、コントローラ19の構成が複雑なものになる。
そこで、この実施形態の磁気軸受装置では、上記した合成バネと電磁石のバネの剛性の大小関係を、
合成バネの剛性>電磁石の負の剛性値……(2)
としている。
このように、上記した合成バネと電磁石のバネの剛性の大小関係を設定することにより、制御帯域において、機械システムの位相が180°遅れとなることを防止できる。そのため、コントローラ19の制御対象を安定なものとでき、コントローラ19の回路構成を図2のように比例もしくは比例積分で簡単に構成できる。
ブロック図で示す図2のコントローラ19では、各センサ18の検出出力P1,P2をセンサ出力演算回路27で加減し、その演算結果を比較器28で基準値設定手段29の目標値と比較して偏差を演算し、さらに演算した偏差をPI補償回路(もしくはP補償回路)30によりタービンユニット5に応じて適宜設定される比例積分(もしくは比例)処理を行うことで、電磁石17の制御信号を演算するようにしている。PI補償回路(もしくはP補償回路)30の出力は、ダイオード31,32を介して各方向の電磁石171 ,172 を駆動するパワー回路33,34に入力される。電磁石171 ,172 は、図2に示したスラスト板13aに対向する一対の電磁石17であり、吸引力しか作用しないため、予めダイオード31,32で電流の向きを決め、2個の電磁石171 ,172 を選択的に駆動するようにしている。
この構成のタービンユニット5は、例えば空気サイクル冷凍冷却システムに適用されて、冷却媒体となる空気を後段の熱交換器(後に図3と共に説明する)により効率良く熱交換できるように、コンプレッサ6で圧縮して温度上昇させ、さらに後段の前記熱交換器で冷却された空気を、膨張タービン7により、目標温度、例えば−30℃〜−60℃程度の極低温まで断熱膨張により冷却して排出するように使用される。
このような使用例において、このタービンユニット5は、コンプレッサ翼車6aおよびタービン翼車7aを共通の主軸13に取付け、タービン翼車7aで発生した動力によりコンプレッサ翼車6aを駆動するものであるため、動力源が不要であり、コンパクトな構成で効率良く冷却できる。
このように、タービンユニット5に適用したこの実施形態の磁気軸受装置では、上記した合成バネと電磁石のバネの剛性の大小関係を(2)式のように設定したため、コントローラ19による制御対象を安定した構成とすることができ、コントローラ19の回路構成を比例もしくは比例積分とした簡単なものにできる。
また、この実施形態では、コンプレッサ翼車6aおよびタービン翼車7aが、スラスト板13aと共通の主軸13に嵌合し、タービン翼車7aで発生した動力により、コンプレッサ翼車6aを駆動させる圧縮膨張タービンシステムを構成するタービンユニット5において、主軸13の支持に上記構成の磁気軸受装置を適用したので、各翼車6a,7aの適切な隙間d1,d2を保って主軸13の安定した高速回転が得られ、かつ軸受15,16の長期耐久性の向上、寿命の向上が得られる。
すなわち、タービンユニット5の圧縮,膨張の効率を確保するためには、各翼車6a,7aとハウジング6b,7bとの隙間d1,d2を微小に保つ必要がある。例えば,このタービンユニット5を空気サイクル冷凍冷却システムに適用する場合には、この効率確保が重要となる。これに対して、主軸13を転がり形式の軸受15,16により支承するため、転がり軸受の持つアキシアル方向位置の規制機能により、主軸13のアキシアル方向位置がある程度規制され、各翼車6a,7aとハウジング6b,7b間の微小隙間d1,d2を一定に保つことができる。
しかし、タービンユニット5の主軸13には、各翼車6a,7aに作用する空気の圧力等でスラスト力がかかる。また、空気冷却システムで使用するタービンユニット5では、1分間に例えば8万〜10万回転程度の非常に高速の回転となる。そのため、主軸13を回転支承する転がり軸受15,16に上記スラスト力が作用すると、軸受15,16の長期耐久性が低下する。
この実施形態は、上記スラスト力を電磁石17で支承するため、非接触でトルクの増大を抑えながら、主軸13の支持用の転がり軸受15,16に作用するスラスト力を軽減することができる。この場合に、コンプレッサ6および膨張タービン7内の空気により主軸13に作用するスラスト力を検出するセンサ18と、このセンサ18の出力に応じて前記電磁石17による支承力を制御するコントローラ19とを設けたため、転がり軸受15,16を、その軸受仕様に応じてスラスト力に対し最適な状態で使用することができる。
特に、センサ18を、軸受16の近傍に配置したため、問題となる軸受16に作用するスラスト力を直接に測定することができて、その測定精度が良く、精密なスラスト力の制御が可能になる。
図3は、上記タービンユニット5を用いた空気サイクル冷凍冷却システムの全体の構成を示す。この空気サイクル冷凍冷却システムは、冷凍庫等の被冷却空間10の空気を直接に冷媒として冷却するシステムであり、被冷却空間10にそれぞれ開口した空気の取入口1aから排出口1bに至る空気循環経路1を有している。この空気循環経路1に、予圧縮手段2、第1の熱交換器3、空気サイクル冷凍冷却用タービンユニット5のコンプレッサ6、第2の熱交換器8,中間熱交換器9、および前記タービンユニット5の膨張タービン7が順に設けられている。中間熱交換器9は、同じ空気循環経路1内で取入口1aの付近の流入空気と、後段の圧縮で昇温し、冷却された空気との間で熱交換を行うものであり、取入口1aの付近の空気は熱交換器9a内を通る。
予圧縮手段2はブロア等からなり、モータ2aにより駆動される。第1の熱交換器3および第2の熱交換器8は、冷却媒体を循環させる熱交換器3a,8aをそれぞれ有し、熱交換器3a,8a内の水等の冷却媒体と空気循環経路1の空気との間で熱交換を行う。各熱交換器3a,8aは、冷却塔11に配管接続されており、熱交換で昇温した冷却媒体が冷却塔11で冷却される。
この空気サイクル冷凍冷却システムは、被冷却空間10を0℃〜−60℃程度に保つシステムであり、被冷却空間10から空気循環経路1の取入口1aに0〜−60℃程度で1気圧の空気が流入する。なお、以下に示す温度および気圧の数値は、一応の目安となる一例である。取入口1aに流入した空気は、中間熱交換器9により、空気循環経路1中の後段の空気の冷却に使用され、30℃まで昇温する。この昇温した空気は1気圧のままであるが、予圧縮手段2により1.4気圧に圧縮させられ、その圧縮により、70℃まで昇温する。第1の熱交換器3は、昇温した70℃の空気を冷却すれば良いため、常温程度の冷水であっても効率良く冷却することができ、40℃に冷却する。
熱交換により冷却された40℃,1.4気圧の空気が、タービンユニット5のコンプレッサ6により、1.8気圧まで圧縮され、この圧縮により70℃程度に昇温した状態で、第2の熱交換器8により40℃に冷却される。この40℃の空気は、中間熱交換器9で−30℃の空気により−20℃まで冷却される。気圧はコンプレッサ6から排出された1.8気圧が維持される。
中間熱交換器9で−20℃まで冷却された空気は、タービンユニット5の膨張タービン7により断熱膨張され、−55℃まで冷却されて排出口1bから被冷却空間10に排出される。この空気サイクル冷凍冷却システムは、このような冷凍サイクルを行う。
この空気サイクル冷凍冷却システムでは、タービンユニット5において、各翼車6a,7aの適切な隙間d1,d2を保って主軸13の安定した高速回転が得られ、かつ軸受15,16の長期耐久性の向上、寿命の向上が得られることで、軸受15,16の長期耐久性が向上することから、タービンユニット5の全体として、しいては空気サイクル冷凍冷却システムの全体としての信頼性が向上する。このように、空気サイクル冷凍冷却システムのネックとなっているタービンユニット5の主軸軸受15,16の安定した高速回転、長期耐久性、信頼性が向上するため、空気サイクル冷凍冷却システムの実用化が可能となる。
この発明の第1の実施形態にかかる磁気軸受装置が組み込まれたタービンユニットの断面図である。 同タービンユニットに用いられるコントローラの一例を示すブロック図である。 同タービンユニットを適用した空気サイクル冷凍冷却シスシテムの系統図である。
符号の説明
2…予圧縮手段
3…第1の熱交換器
5…タービンユニット
6…コンプレッサ
6a…コンプレッサ翼車
7…膨張タービン
7a…タービン翼車
8…第2の熱交換器
13…主軸
13a…スラスト板
14…スピンドルハウジング
15,16…転がり軸受
17…電磁石(磁気軸受)
18…センサ
19…コントローラ
23…軸受ハウジング
25…センサ予圧ばね
26…軸受予圧ばね

Claims (3)

  1. 転がり軸受と磁気軸受を併用し、転がり軸受がラジアル負荷を支持し、磁気軸受がアキシアル負荷と軸受予圧のどちらか一方または両方を支持し、前記磁気軸受を構成する電磁石が、主軸に垂直かつ同軸に設けられた強磁性体からなるフランジ状のスラスト板に非接触で対向するようにスピンドルハウジングに取付けられており、アキシアル方向の力を検出するセンサの出力に応じて、電磁石を制御するコントローラを有する磁気軸受装置において、
    転がり軸受と転がり軸受の支持系とで形成される合成バネの剛性値が、電磁石の負の剛性値よりも大である関係を有することを特徴とする磁気軸受装置。
  2. 請求項1において、コンプレッサ側翼車およびタービン側翼車が、前記スラスト板と共通の主軸に嵌合し、タービン側翼車で発生した動力により、コンプレッサ側翼車を駆動させる、圧縮膨張タービンシステムにおいて、前記主軸の支持に適用されるものである磁気軸受装置。
  3. 請求項2において、前記磁気軸受装置を適用した圧縮膨張タービンシステムが、流入空気に対して、予圧縮手段による圧縮、熱交換器による冷却、タービンユニットのコンプレッサによる圧縮、他の熱交換器による冷却、前記タービンユニットの膨張タービンによる断熱膨張、を順次行う空気サイクル冷凍冷却システムに適用されるものである磁気軸受装置。
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